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JP2013214674A - 巻回型固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

巻回型固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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JP2013214674A
JP2013214674A JP2012085191A JP2012085191A JP2013214674A JP 2013214674 A JP2013214674 A JP 2013214674A JP 2012085191 A JP2012085191 A JP 2012085191A JP 2012085191 A JP2012085191 A JP 2012085191A JP 2013214674 A JP2013214674 A JP 2013214674A
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hydroxyl group
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Ryosuke Sugihara
良介 杉原
Yuhei Tsurumoto
雄平 鶴元
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Tayca Corp
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

【課題】 ESRが低く、耐熱性が優れていて高温条件下における信頼性が高く、漏れ電流が少なく、かつ耐電圧性が優れた巻回型固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】 アルミニウム、タンタルおよびニオブよりなる群から選ばれる少なくとも1種の弁金属の多孔体の少なくとも一面に該弁金属の酸化被膜からなる誘電体層を有する陽極と、陰極とをセパレータを介して巻回してなるコンデンサ素子の誘電体層上に、芳香族スルホン酸第二鉄を酸化剤兼ドーパントとしてチオフェンまたはその誘導体を化学酸化重合して導電性高分子の層を形成した後、上記導性高分子の層を形成したコンデンサ素子に、洗浄による鉄分の除去を行うことなく、沸点が150℃以上の非アルコール系の高沸点有機溶剤と、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物を含む導電液を含浸させる工程を経由して巻回型固体電解コンデンサを製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性高分子を固体電解質として用いるとともに、それを補うための導電液を併用した巻回型固体電解コンデンサの製造方法に関する。
導電性高分子は、その高い導電性により、例えば、タンタル固体電解コンデンサ、アルミニウム固体電解コンデンサ、ニオブ固体電解コンデンサなどの固体電解コンデンサの固体電解質として用いられている。
この用途における導電性高分子としては、例えば、チオフェンまたはその誘導体などを化学酸化重合または電解酸化重合することによって得られたものが用いられている。
上記チオフェンまたはその誘導体などの化学酸化重合を行う際のドーパントとしては、主として有機スルホン酸が用いられ、その中でも、芳香族スルホン酸が適しているといわれており、酸化剤としては、遷移金属が用いられ、その中でも第二鉄が適しているといわれていて、通常、芳香族スルホン酸の第二鉄塩がチオフェンまたはその誘導体などの化学酸化重合にあたって酸化剤兼ドーパントとして用いられている。
そして、その芳香族スルホン酸の第二鉄塩の中でも、パラトルエンスルホン酸第二鉄塩やメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄塩などが特に有用であるとされていて、それらを用いた導電性高分子の合成は、それらの酸化剤兼ドーパントをチオフェンまたはその誘導体などの重合性モノマーと混合することにより行うことができ、簡単で、工業化に向いていると報告されている(特許文献1、特許文献2)。
そこで、上記のような知見に基づき、パラトルエンスルホン酸第二鉄やメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄などを酸化剤兼ドーパントとして、固体電解コンデンサの製造時に、いわゆる「その場重合」を呼ばれる方法で、チオフェンまたはその誘導体を化学酸化重合して、コンデンサ素子の陽極の誘電体層上にチオフェンまたはその誘導体の重合体を骨格とする導電性高分子の層を形成し、その導電性高分子を固体電解質として固体電解コンデンサを製造することが行われている。
しかしながら、コンデンサの特性向上への要請はますます高くなり、上記のような「その場重合」により合成した導電性高分子を固体電解質として用いただけの固体電解コンデンサでは、そのような要請に対して充分に応えることができないという問題があった。
一方、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエステル、フェノールスルホン酸ノボラック樹脂などの高分子スルホン酸をドーパントとし、チオフェンまたはその誘導体を化学酸化重合または電解酸化重合して導電性高分子を合成し、その導電性高分子の分散液を固体電解コンデンサの製造に供することも提案されている(特許文献3、特許文献4)。
上記のように、あらかじめポリスチレンスルホン酸などの高分子スルホン酸をドーパントとして合成した導電性高分子の分散液を用いて製造した固体電解コンデンサは、高温条件下での使用に対する信頼性に優れているが、「その場重合」による場合に比べてコストが高く、実用性に問題があった。
特開2003−160647号公報 特開2004−265927号公報 特許第4454041号公報 特許第4454042号公報
本発明は、上記のような事情に鑑み、高性能の固体電解コンデンサ、すなわち、ESRが低く(小さく)、かつ耐熱性が優れていて高温条件下における信頼性が高く、しかも漏れ電流が少なく、かつ耐電圧性が優れた巻回型固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、導電性高分子を固体電解質として用いる巻回型固体電解コンデンサの製造にあたり、アルミニウム、タンタルおよびニオブよりなる群から選ばれる少なくとも1種の弁金属の多孔体の少なくとも一面に該弁金属の酸化被膜からなる誘電体層を有する陽極と、陰極とをセパレータを介して巻回してなるコンデンサ素子の誘電体層上に、芳香族スルホン酸第二鉄を酸化剤兼ドーパントとしてチオフェンまたはその誘導体を化学酸化重合して導電性高分子の層を形成した後、上記導電性高分子の層を形成したコンデンサ素子に、洗浄による鉄分の除去を行うことなく、沸点が150℃以上の非アルコール系の高沸点有機溶剤と、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物とを含む導電液を含浸させる工程を経由して巻回型固体電解コンデンサを製造するときは、ESRが低く、かつ耐熱性が優れていて高温条件下における信頼性が高く、しかも漏れ電流が少なく、かつ耐電圧性が優れた巻回型固体電解コンデンサが得られることを見出すことによって、完成されたものである。
本発明によれば、ESRが低く、かつ耐熱性が優れていて高温条件下における信頼性が高く、しかも漏れ電流が少なく、かつ耐電圧性が優れた巻回型固体電解コンデンサを提供することができる。すなわち、本発明では、沸点が150℃以上の非アルコール系の高沸点有機溶剤と、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物とを含む液が、導電性高分子の電解質としての作用を補う導電液として作用するので、ESRの低い巻回型固体電解コンデンサが得られる。また、上記導電液中に含まれている高沸点有機溶剤とヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物の使用に基づいて、耐熱性が優れていて高温条件下での信頼性が高く、しかも漏れ電流が少なく、かつ耐電圧性が優れた巻回型固体電解コンデンサが得られる。
さらに、本発明では、いわゆる「その場重合」での導電性高分子の合成後、洗浄による鉄分の除去を行うことなく、巻回型固体電解コンデンサを製造するにもかかわらず、鉄分による特性の低下を招くことなく、上記のような優れた特性を有する巻回型固体電解コンデンサが得られるので、コンデンサ製造時の生産性の大幅な低下を招くことなく、特性の優れた巻回型固体電解コンデンサを得ることができる。すなわち、芳香族スルホン酸第二鉄を酸化剤兼ドーパントとして「その場重合」により導電性高分子を合成した場合、酸化剤兼ドーパントとして用いた芳香族スルホン酸第二鉄に基づく鉄分がコンデンサ中に残存し、それが高温条件下での使用でESRを増加させるなど、コンデンサの耐熱性を大きく低下させる。そのため、「その場重合」による導電性高分子の合成後、水洗などの洗浄による鉄分の除去が必要であり、タンタル固体電解コンデンサなどのようにセパレータを用いない非巻回型固体電解コンデンサでは水洗などによる鉄分の除去が行われているが、巻回型固体電解コンデンサでは、水洗などによる初期特性の低下が大きいので、通常、残留した鉄分による耐熱性の低下が認識されながらも、水洗などによる鉄分の除去を行うことなく、そのまま使用することが行われ、また、場合によって、初期特性の低下や工程付加による生産性の低下が認識されながらも、水洗などによる鉄分の除去が行われる。
これに対して、本発明では、前記のように洗浄による鉄分の除去を行うことなく、他の特性はもとより、耐熱性も優れた巻回型固体電解コンデンサを得ることができる。このように、本発明において、洗浄による鉄分の除去を行うことなく、特性の優れた巻回型固体電解コンデンサが得られるのは、上記ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物の使用に基づくものと考えられる。
本発明において、導電性高分子の電解質としての作用を補う導電液は、その導電率が1μS/cm以上のものであることが好ましく、2μS/cm以上のものであることがより好ましく、8μS/cm以上のものであることがさらに好ましく、導電率がさらに高くなっても問題はないが、コンデンサ素子の耐久性などに及ぼす影響などを考慮すると、実用上、導電率が2mS/cm程度までのものが好ましい。
本発明において、導電液の導電率は、温度25℃で、株式会社堀場製作所製(以下、簡略化して、「堀場製作所社製」で表す)の導電率測定器(F−55)で測定したものであるが、これと同等の導電率測定器で測定した場合であってもよい。
本発明において、導電性高分子の電解質としての作用を補う液を、「電解液」といわず、「導電液」といっているのは、この分野で「電解液」といわれているものは、通常、導電率が3mS/cm以上という高い導電率を有するものであるため、「電解液」と表現してしまうと、前記のような導電率の低いものが含まれないという判断が生じるおそれがあるからである。すなわち、本発明では、導電性高分子の電解質としての作用を補う液として、前記のように、例えば、1μS/cmと、電解液に比べて、導電率が大幅に低いものでも効果を奏することから、そのような導電率の低いものも含ませる必要があるため、「電解液」といわず、「導電液」と表現している。
本発明において、この導電液は、沸点が150℃以上の非アルコール系の高沸点有機溶剤と、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物とを含んで構成される。
上記のような沸点が150℃以上の非アルコール系の高沸点有機溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン(沸点:203℃)、スルホラン(沸点:285℃)、N−メチルホルムアミド(沸点:199℃)、ジメチルスルホキシド(沸点:189℃)、N−メチルピロリドン(沸点:202℃)、ジメチルスルホラン(沸点:233℃)などが挙げられ、特にγ−ブチロラクトン、スルホラン、N−メチルホルムアミドが好ましい。そして、これらの高沸点有機溶剤は、それぞれ単独で用いることができるし、また、2種類以上を併用することもできる。
このような沸点が150℃以上の非アルコール系の高沸点有機溶剤は、本発明における導電液において、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物を溶解させる溶媒としての作用も担っているが、本発明において、このような高沸点の有機溶剤を用いるのは、短期的には半田耐熱性試験における内圧上昇を抑え、長期的には有機溶剤の揮発を抑制して耐熱性を高めるという理由に基づくものである。
そして、上記高沸点有機溶剤に関して、アルコール系のものを除くべく、非アルコール系としているのは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール(ブチレングリコール)、ポリエチレングリコールなどのアルコール類は、沸点が150℃以上であるという点に関しては、条件を満たすものの、沸点が150℃以上の高沸点有機溶剤として、単独で使用すると、ESRを高くしたり、漏れ電流を多くさせたり、長期にわたる使用中にESRの劣化(増加)を引き起こすなど、コンデンサ特性を低下させるからである。
ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物としては、芳香族系のもの、複素環系のもの、脂環式のものなど、いずれも使用可能であるが、特に芳香族系のものが好ましく、その芳香族系のものとしては、ベンゼン系のもの、ナフタレン系のもの、アントラセン系のもののいずれも用いることができる。そして、上記ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物のうち芳香族系のものの具体例としては、例えば、ヒドロキシベンゼンカルボン酸(つまり、ヒドロキシ安息香酸)、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール、アミノニトロフェノール、ヒドロキシアニソール、ヒドロキシジニトロベンゼン、ジヒドロキシジニトロベンゼン、アルキルヒドロキシアニソール、ヒドロキシニトロアニソール、ヒドロキシニトロベンゼンカルボン酸(つまり、ヒドロキシニトロ安息香酸)、ジヒドロキシニトロベンゼンカルボン酸(つまり、ジヒドロキシニトロ安息香酸)、フェノール、ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシベンゼンカルボン酸、トリヒドロキシベンゼンカルボン酸、ヒドロキシベンゼンジカルボン酸、ジヒドロキシベンゼンジカルボン酸、ヒドロキシトルエンカルボン酸、ニトロナフトール、アミノナフトール、ジニトロナフトール、ヒドロキシナフタレンカルボン酸(つまり、ヒドロキシナフトエ酸)、ジヒドロキシナフタレンカルボン酸、トリヒドロキシナフタレンカルボン酸、ヒドロキシナフタレンジカルボン酸、ジヒドロキシナフタレンジカルボン酸、ヒドロキシアントラセン、ジヒドロキシアントラセン、トリヒドロキシアントラセン、テトラヒドロキシアントラセン、ヒドロキシアントラセンカルボン酸、ヒドロキシアントラセンジカルボン酸、ジヒドロキシアントラセンジカルボン酸、テトラヒドロキシアントラセンジオンなどが挙げられる。また、複素環式のものとしては、例えば、2,5−ジカルボキシ−3,4−ジヒドロキシチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、ヒドロキシピリジン、ジヒドロキシピリジンなどが挙げられ、脂環式のものとしては、例えば、ヒドロキシシクロヘキサン、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸メチル、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、ジヒドロキシシクロヘキサンなどが挙げられる。そして、これらのヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物は、それぞれ単独で用いることができるし、また、2種類以上を併用することもできる。
上記ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物において、特にカルボキシル基を少なくとも1つ以上有するもの、つまり、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つカルボキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物は、沸点が高く、高温下においても揮発しにくいことから好ましい。このようなヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つカルボキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物の具体例としては、例えば、前記のようなヒドロキシベンゼンカルボン酸、ジヒドロキシベンゼンカルボン酸、ヒドロキシベンゼンジカルボン酸、ジヒドロキシベンゼンジカルボン酸、アミノヒドロキシベンゼンカルボン酸、ヒドロキシトルエンカルボン酸、ヒドロキシニトロベンゼンカルボン酸、ジヒドロキシニトロベンゼンカルボン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、アセチルアミノヒドロキシナフタレンカルボン酸、ヒドロキシアントラセンカルボン酸などが挙げられ、ヒドロキシベンゼンカルボン酸、ジヒドロキシベンゼンカルボン酸、ヒドロキシトルエンカルボン酸、ヒドロキシニトロベンゼンカルボン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、ヒドロキシアントラセンカルボン酸などが好ましく、特にヒドロキシベンゼンカルボン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸が好ましい。
そして、本発明において、このヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物として、上記のヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つカルボキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物と、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つニトロ基を少なくとも1つ有する環状有機化合物とを併用すると、ESRがより低くなり、耐熱性がより向上し、漏れ電流がより少なくなり、耐電圧性がより向上するので、特に好ましい。このヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つカルボキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物と、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つニトロ基を少なくとも1つ有する環状有機化合物とを併用する場合において、その両者の割合としては、質量比で、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つカルボキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物:ヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つニトロ基を少なくとも1つ有する環状有機化合物が1000:1〜1:100が好ましく、50:1〜1:1がより好ましい。
上記ヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つニトロ基を少なくとも1つ以上有する環状有機化合物の具体例としては、例えば、前記のようなニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール、ヒドロキシジニトロベンゼン、ジヒドロキシジニトロベンゼン、ヒドロキシニトロアニソール、アミノニトロフェノール、ヒドロキシニトロベンゼンカルボン酸、ジヒドロキシニトロベンゼンカルボン酸、ニトロナフトール、ジニトロナフトールなどが挙げられ、ニトロフェノール、アミノニトロフェノール、ヒドロキシニトロベンゼンカルボン酸、ニトロナフトールなどが好ましい。なお、上記のヒドロキシニトロベンゼンカルボン酸、ジヒドロキニトロベンゼンカルボン酸などは、1つの環内にカルボキシル基とニトロ基の両方を有しているので、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つカルボキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物としても用いることができるし、また、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つニトロ基を少なくとも1つ有する環状有機化合物としても用いることができる。そして、このヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つカルボキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物と、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つニトロ基を少なくとも1つ有する環状有機化合物とを併用する場合の組み合せとしては、特にヒドロキシベンゼンカルボン酸とニトロフェノールとを併用する場合が好ましい。
本発明において、導電液の構成にあたって、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物を用いるのは、このヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物が導電性高分子の電解質としての作用(つまり、導電性高分子の有する電子伝導作用)を補う能力を有しており、また、該環状有機化合物が有する酸化防止作用により導電性高分子の劣化を抑制して耐熱性を向上させ、耐漏れ電流性を向上させ、かつ耐電圧性を向上させることができるという理由によるものである。
上記導電液においては、沸点が150℃以上の非アルコール系の高沸点有機溶剤が溶媒となり、ヒドロキシル基を少なくとも1つ以上有する環状有機化合物が溶質となるが、このヒドロキシル基を少なくとも1つ以上有する環状有機化合物の導電液中における濃度としては、0.5〜50質量%が好ましく、その範囲内で、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、また、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。つまり、ヒドロキシル基を少なくとも1つ以上有する環状有機化合物の濃度が上記より低い場合は、巻回型固体電解コンデンサのESRが低くならず、耐熱性も悪くなるおそれがあり、また、ヒドロキシル基を少なくとも1つ以上有する環状有機化合物の濃度が上記より高い場合は、該環状有機化合物の析出が起こりやすくなり取扱性が悪くなることに加えて、巻回型固体電解コンデンサのESRが悪くなるおそれがある。
また、上記導電液にエポキシ化合物またはその加水分解物、シラン化合物またはその加水分解物およびポリアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の結合剤を含有させておくと、巻回型固体電解コンデンサの耐電圧性を向上させる作用が増加することから好ましい。
上記結合剤の導電液中における濃度としては、0.05〜20質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
そして、上記エポキシ化合物またはその加水分解物としては、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールグリシジル、メタクリル酸グリシジル、エポキシプロパノール(つまり、グリシドール)、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、エポキシブタン(つまり、グリシジルメタン)、エポキシペンタン(つまり、グリシジルエタン)、エポキシヘキサン(つまり、グリシジルプロパン)、エポキシヘプタン(つまり、グリシジルブタン)、エポキシオクタン(つまり、グリシジルペンタン)、エポキシシクロヘキセン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブチレングリコールジグリシジルエーテル、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテルなどが挙げられ、シラン化合物またはその加水分解物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、n−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、n−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、シリカゾルなどが挙げられ、ポリアルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどが挙げられる。
本発明において、導電性高分子を合成するためのモノマーとしては、チオフェンまたはその誘導体が用いられる。
上記チオフェンまたはその誘導体におけるチオフェンの誘導体としては、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−アルキルチオフェン、3−アルコキシチオフェン、3−アルキル−4−アルコキシチオフェン、3,4−アルキルチオフェン、3,4−アルコキシチオフェンや、上記の3,4−エチレンジオキシチオフェンをアルキル基で修飾したアルキル化エチレンジオキシチオフェンなどが挙げられ、そのアルキル基やアルコキシ基の炭素数は1〜16が好ましく、特に1〜4が好ましい。
上記の3,4−エチレンジオキシチオフェンをアルキル基で修飾したアルキル化エチレンジオキシチオフェンについて詳しく説明すると、上記3,4−エチレンジオキシチオフェンやアルキル化エチレンジオキシチオフェンは、下記の一般式(1)で表される化合物に該当する。
Figure 2013214674
(式中、Rは水素またはアルキル基である)
そして、上記一般式(1)中のRが水素の化合物が、3,4−エチレンジオキシチオフェンであり、これをIUPAC名称で表示すると、「2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2,3−Dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、この化合物は、IUPAC名称で表示されるよりも、一般名称の「3,4−エチレンジオキシチオフェン」で表示されることが多いので、本書では、この「2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン」を「3,4−エチレンジオキシチオフェン」と表示している。そして、上記一般式(1)中のRがアルキル基の場合、該アルキル基としては、炭素数が1〜4のもの、つまり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましく、それらを具体的に例示すると、一般式(1)中のRがメチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Methyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「メチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。一般式(1)中のRがエチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−エチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Ethyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「エチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。一般式(1)中のRがプロピル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−プロピル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Propyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「プロピル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。そして、一般式(1)中のRがブチル基の化合物は、IUPAC名称で表示すると、「2−ブチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン(2−Butyl−2,3−dihydro−thieno〔3,4−b〕〔1,4〕dioxine)」であるが、以下、これを簡略化して「ブチル化エチレンジオキシチオフェン」と表示する。また、「2−アルキル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン」を、以下、簡略化して「アルキル化エチレンジオキシチオフェン」で表わす。そして、これらのアルキル化エチレンジオキシチオフェンの中でも、メチル化エチレンジオキシチオフェン、エチル化エチレンジオキシチオフェン、プロピル化エチレンジオキシチオフェン、ブチル化エチレンジオキシチオフェンが好ましい。
これらのアルキル化エチレンジオキシチオフェンは、それぞれ単独で用いることができるし、また、2種類以上を併用することもできる。さらに、これらのアルキル化エチレンジオキシチオフェンと3,4−エチレンジオキシチオフェンとを併用することもできる。特に、本発明においては、モノマーとして、上記のように、アルキル化エチレンジオキシチオフェンと3,4−エチレンジオキシチオフェンとを併用する場合が好ましい。そして、これらのメチル化エチレンジオキシチオフェン、エチル化エチレンジオキシチオフェン、プロピル化エチレンジオキシチオフェン、ブチル化エチレンジオキシチオフェンなどの合成法は、本出願人の出願に係る国際公開WO2011/068026号公報、国際公開WO2011/074380号公報などに記載されている。
本発明の巻回型固体電解コンデンサにおける導電性高分子としては、モノマーのチオフェンまたはその誘導体をいわゆる「その場重合」で化学酸化重合して得られたものが用いられる。本発明において、上記の「その場重合」とは、固体電解コンデンサの製造時にコンデンサ素子の誘電体層上にモノマーのチオフェンまたはその誘導体を化学酸化重合により重合させてチオフェンまたはその誘導体の重合体を骨格とする導電性高分子を合成することを意味するが、その際のコンデンサ素子としては、アルミニウム、タンタルおよびニオブによりなる群から選ばれる少なくとも1つの弁金属の多孔体の少なくとも一面に該弁金属の酸化被膜からなる誘電体層を有する陽極と、陰極とをセパレータを介して巻回したものが用いられる。ただし、それらの陽極や陰極にはそれぞれリード端子が取り付けられる。
本発明において、チオフェンまたはその誘導体の化学酸化重合にあたって、酸化剤兼ドーパントとして用いる芳香族スルホン酸第二鉄としては、例えば、ベンゼンスルホン第二鉄、パラトルエンスルホン酸第二鉄などのトルエンスルホン酸第二鉄、エチルベンゼンスルホン酸第二鉄、プロピルベンゼンスルホン酸第二鉄、ブチルベンゼンスルホン酸第二鉄、ドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄、エトキシベンゼンスルホン酸第二鉄、プロポキシベンゼンスルホン酸第二鉄、ブトキシベンゼンスルホン酸第二鉄、フェノールスルホン酸第二鉄、クレゾールスルホン酸第二鉄、ベンゼンジスルホン酸第二鉄、ナフタレンスルホン酸第二鉄、ナフタレンジスルホン酸第二鉄、ナフタレントリスルホン酸第二鉄、メチルナフタレンスルホン酸第二鉄、エチルナフタレンスルホン酸第二鉄、プロピルナフタレンスルホン酸第二鉄、ブチルナフタレンスルホン酸第二鉄、アントラキノンスルホン酸第二鉄、アントラキノンジスルホン酸第二鉄、アントラキノントリスルホン酸第二鉄などが挙げられ、特にパラトルエンスルホン酸第二鉄、メトキシベンゼンスルホン第二鉄が好ましい。
そして、これらの芳香族スルホン酸第二鉄は、使用にあたって、通常、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの有機溶剤に溶解させて溶液状にされる。これに対し、モノマーのチオフェンまたはその誘導体は、液状なので、そのまま使用することができるが、その化学酸化重合反応がよりスムーズに進行するように、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの有機溶剤に溶解させて溶液状にしてもよい。
つぎに、本発明の巻回型固体電解コンデンサを製造する場合を例示すると、コンデンサ素子としては、例えば、アルミニウム箔などのような弁金属箔の表面をエッチング処理した後、化学処理を行って上記弁金属の酸化被膜からなる誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔のような弁金属箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回することによって作製したものが用いられる。
そして、このコンデンサ素子をモノマーのチオフェンまたはその誘導体の溶液に浸漬し、取り出した後、酸化剤兼ドーパントとしての芳香族系スルホン酸第二鉄の溶液に浸漬し、取り出して、乾燥してモノマーを重合させ、これらの操作を繰り返して必要な厚みの導電性高分子の層を陽極の誘電体層上に形成したのち、水洗などの洗浄による鉄分の除去を行うことなく、そのまま、上記コンデンサ素子を導電液に浸漬してコンデンサ素子に導電液を含浸させ、その後、外装材で外装して、巻回型固体電解コンデンサを製造する。ただし、上記のように、コンデンサ素子をモノマーのチオフェンまたはその誘導体の溶液に浸漬し、取り出した後、酸化剤兼ドーパントとしての芳香族スルホン酸第二鉄の溶液に浸漬するのに代えて、コンデンサ素子を先に酸化剤兼ドーパントの溶液に浸漬し、取り出した後、モノマー溶液に浸漬するようにしてもよいし、また、コンデンサ素子をモノマー溶液と酸化剤兼ドーパント溶液とを混合した混合溶液に浸漬し、取り出して、乾燥してモノマーを重合させて、導電性高分子の層を陽極の誘電体層上に形成させるようにしてもよい。また、陽極の導電体層上に導電性高分子の層を形成したコンデンサ素子に導電液を含浸させるにあたっては、上記のように、コンデンサ素子を導電液に浸漬することに代えて、例えば、上記コンデンサ素子に導電液を吹き付けたり、あるいは塗布したりしてもよい。つまり、陽極の誘電体層上に導電性高分子の層を形成したコンデンサ素子に導電液を含浸させるにあたっては、その手段はどのようなものでもよく、上記コンデンサ素子に導電液が含浸してさえすればよい。
上記のように陽極の誘電体層上に導電性高分子の層を形成したコンデンサ素子に含浸させた導電液は、単にコンデンサ素子の陽極の誘電体層上に形成された導電性高分子の表面に接触するだけでなく、導電性高分子やセパレータ中に染み込んでいき、例えば、コンデンサ素子を導電液中から取り出した際にも、その状態で保持されることになる。つまり、セパレータは多孔質体で構成されているし、また、導電性高分子も微視的には多孔質化しているので、導電液はそれらの孔中に侵入し、コンデンサ素子を導電液から取り出した際も、その状態で保持されることになる。
なお、上記のように「その場重合」により導電性高分子を合成した場合、導電性高分子はコンデンサ素子の陽極の誘電体層上以外の部分にも付着することが起こり得るが、陽極の誘電体層上に導電性高分子が合成されていさえすれば、それ以外の部分に導電性高分子が付着していてもよい。
本発明では、上記のように、導電液で導電性高分子の電解質としての作用を補なわせているので、液状物がコンデンサ中に含まれることになるが、導電性高分子を固体電解質として用いていることに関しては、これまでのものと変わりがないので、コンデンサを固体電解コンデンサとしている。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に例示のもののみに限定されることはない。なお、以下の実施例などにおいて、濃度や使用量を示す際の%は、特にその基準を付記しないかぎり、質量基準による%である。
また、実施例に先立ち、実施例で用いる導電液の調製例を調製例1〜9で示し、比較例で用いる導電液の調製例を調製例10で示す。
調製例1
撹拌装置付き1Lビーカー内に入れた500gのγ−ブチロラクトンに50gのヒドロキシベンゼンカルボン酸と5gのニトロフェノールと1gの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加した後、24時間撹拌することによって導電液を調製した。
この導電液の導電率を、堀場製作所社製導電率測定器(F−55)により25℃の条件下で測定したところ、この導電液の導電率は16μS/cmであった。
調製例2
撹拌装置付き1Lビーカー内に入れた500gのγ−ブチロラクトンに50gのヒドロキシベンゼンカルボン酸を添加し、次いで8gのトリメチルアミンをゆっくりと添加した後、5gのニトロフェノールと1gの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加し、その後、24時間撹拌することによって導電液を調製した。
この導電液の導電率を、堀場製作所社製導電率測定器(F−55)により25℃の条件下で測定したところ、この導電液の導電率は520μS/cmであった。
調製例3
8gのトリメチルアミンに代えて、26gの3−アミノプロピルトリメトキシシランを添加した以外は、すべて調製例2と同様の操作を行って、導電液を調製した。
この導電液の導電率を、堀場製作所社製導電率測定器(F−55)により25℃の条件下で測定したところ、この導電液の導電率は22μS/cmであった。
調製例4
1gの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代えて、2gのポリエチレングリコール400(なお、末尾の「400」はポリエチレングリコールの分子量を表わす)を添加した以外は、すべて調製例1と同様の操作を行って、導電液を調製した。
この導電液の導電率を、堀場製作所社製導電率測定器(F−55)により25℃の条件下で測定したところ、この導電液の導電率は18μS/cmであった。
調製例5
1gの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代えて、2gのポリエチレングリコールジグリシジルを添加した以外は、すべて調製例1と同様の操作を行って、導電液を調製した。
この導電液の導電率を、堀場製作所社製導電率測定器(F−55)により25℃の条件下で測定したところ、この導電液の導電率は20μS/cmであった。
調製例6
ヒドロキシベンゼンカルボン酸に代えて、ヒドロキシナフタレンカルボン酸を用いた以外は、すべて調製例1と同様の操作を行って、導電液を調製した。
この導電液の導電率を、堀場製作所社製導電率測定器(F−55)により25℃の条件下で測定したところ、この導電液の導電率は17μS/cmであった。
調製例7
ヒドロキシベンゼンカルボン酸に代えて、ジヒドロキシベンゼンカルボン酸を用いた以外は、すべて調製例1と同様の操作を行って、導電液を調製した。
この導電液の導電率を、堀場製作所社製導電率測定器(F−55)により25℃の条件下で測定したところ、この導電液の導電率は16μS/cmであった。
調製例8
γ−ブチロラクトンに代えて、スルホランを用いた以外は、すべて調製例1と同様の操作を行って導電液を調製した。
この導電液の導電率を、堀場製作所社製導電率測定器(F−55)により25℃の条件下で測定したところ、この導電液の導電率は21μS/cmであった。
調製例9
γ−ブチロラクトンに代えて、N−メチルホルムアミドを用いた以外は、すべて調製例1と同様の操作を行って、導電液を調製した。
この導電液の導電率を、堀場製作所社製導電率測定器(F−55)により25℃の条件下で測定したところ、この導電液の導電率は19μS/cmであった。
調製例10(比較例用)
γ−ブチロラクトンに代えて、エチレングリコールを用いた以外は、すべて調製例1と同様の操作を行って導電液を調製した。
この導電液の導電率を、堀場製作所社製導電率測定器(F−55)により25℃の条件下で測定したところ、この導電液の導電率は23μS/cmであった。
実施例1
アルミニウム箔の表面をエッチング処理した後、化成処理を行ってアルミニウムの酸化被膜からなる誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回して、コンデンサ素子を作製した。このコンデンサ素子は、ESRが15mΩ以下、静電容量が50μF以上、破壊電圧(耐電圧)が100V以上になるように設定したものである。
そして、ブチル化エチレンジオキシチオフェンと3,4−エチレンジオキシチオフェンとを質量比80:20で混合したモノマー溶液と、濃度が60%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のエタノール溶液〔テイカトロンAF60E(商品名)、テイカ株式会社製〕とを質量比1:4で混合した溶液を用意し、この溶液に前記のコンデンサ素子を浸漬し、1分後に取り出し、50℃で1時間化学酸化重合を行った。その後、180℃で20分間放置して化学酸化重合を完結させて、コンデンサ素子の陽極の誘電体層上にいわゆる「その場重合」により導電性高分子を合成して導電性高分子の層を形成した。そして、この陽極の誘電体層上に合成された導電性高分子が固体電解質を構成することになる。
上記のようにして、その陽極の誘電体層上にいわゆる「その場重合」により導電性高分子の層を形成したコンデンサ素子を、水洗などによる鉄分の除去をすることなく、そのまま、前記調製例1で調製した導電液に浸漬して、コンデンサ素子に導電液を含浸させ、5分後に上記コンデンサ素子を導電液中から取り出し、該コンデンサ素子を外装材で外装して、実施例1の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例2〜9
調製例1で調製した導電液に代えて、調製例2〜9で調製した導電液をそれぞれ別々に用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、実施例2〜9の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例10
濃度が60%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のエタノール溶液に代えて、濃度が55%のメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄のエタノール溶液に用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例10の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
比較例1
陽極の誘電体層上に導電性高分子の層を形成したコンデンサ素子を導電液に浸漬せず、コンデンサ素子に導電液を含浸させなかった以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、比較例1の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
比較例2
調製例1の導電液に代えて、γ−ブチロラクトンを用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、比較例2の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
比較例3
調製例1の導電液に代えて、エチレングリコールを用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、比較例3の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
比較例4
調製例1の導電液に代えて、調製例10の導電液を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行って、比較例4の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
上記のようにして製造した実施例1〜10および比較例1〜4の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、ESRおよび静電容量を測定し、かつ、漏れ電流を測定した。その結果を、使用した導電液やその他の液の種類と共に表1に示す。なお、ESR、静電容量および漏れ電流の測定方法は次の通りである。
ESR:
HEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃の条件下で、100kHzで測定する。
静電容量:
HEWLETT PACKARD社製のLCRメーター(4284A)を用い、25℃の条件下で、120Hzで測定する。
漏れ電流:
巻回型アルミニウム固体電解コンデンサに、25℃で63Vの電圧を60秒間印加した後、デジタルオシロスコープにて漏れ電流を測定する。
上記の測定は、各試料とも、20個ずつについて行い、ESR、静電容量および漏れ電流に関して表1に示す数値は、その20個の測定値の平均値を求め、小数点第2位を四捨五入して示したものである。そして、導電液の種類は調製例番号で示す。なお、表1では、スペース上の関係で、上記「導電液やその他の液の種類」を簡略化して「液の種類」で示す。
Figure 2013214674
また、上記特性測定後の実施例1〜10および比較例1〜4の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ(それぞれ10個ずつ)を260℃の乾燥機中に静置状態で3分間貯蔵し、その貯蔵後のコンデンサについて、前記と同様に、ESR、静電容量および漏れ電流を測定した後、破壊電圧を測定した。その結果を表2に示す。なお、破壊電圧の測定は、松定プレシジョン社製PRK650−2.5を用い、25℃の条件下で電圧を1V/秒の速度で昇圧させて破壊時の電圧を測定することによって行った。
上記の測定は、各試料とも、10個ずつについて行い、ESR、静電容量および漏れ電流に関して表2に示す数値は、その10個の測定値の平均値を求め、小数点第2位を四捨五入して示したものである。そして、破壊電圧に関して示す数値は、10個の測定値の平均値を求め、小数点以下を四捨五入して示したものである。
Figure 2013214674
さらに、前記表1に示す特性測定後の実施例1〜10および比較例1〜4の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサの残りの10個ずつについて、150℃の乾燥機中に静置状態で250時間貯蔵し、その貯蔵後のコンデンサについて、前記と同様に、ESR、静電容量および漏れ電流を測定した。その結果を表3に前記表2の場合と同様の態様で示す。
Figure 2013214674
表1に示すように、実施例1〜10の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ(以下、「巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ」を、簡略化して「コンデンサ」と表示する場合がある)は、ESRが10.8〜11.8mΩであって、15mΩ以下という設定ESRを満たし、静電容量が59.1〜59.2μFであって、50μF以上という設定静電容量を満たし、かつ、比較例1〜4のコンデンサに比べて、ESRが低く(小さく)、静電容量が若干大きく、漏れ電流が少なく、静電容量の減少を招くことなく、低ESR化を達成するとともに、漏れ電流を減少させることができた。
つまり、調製例1〜9の導電液への浸漬により含浸させた調製例1〜9の導電液と導電性高分子からなる固体電解質とを併用した実施例1〜10のコンデンサは、導電液の含浸を行わなかった比較例1のコンデンサや、調製例1の導電液の含浸に代えてγ−ブチロラクトンの含浸を行った比較例2のコンデンサ、調製例1の導電液の含浸に代えてエチレングリコールの含浸を行った比較例3のコンデンサ、調製例1の導電液の含浸に代えて比較例用の調製例10の導電液(γ−ブチロラクトンに代えてエチレングリコールを用いた以外は調製例1と同様に調製した導電液)の含浸を行った比較例4のコンデンサに比べて、ESRが低く、静電容量の減少を招くことなく、低ESR化を達成するとともに、漏れ電流を減少させることができた。
また、表2に示すように、260℃という高温で3分間貯蔵後においても、実施例1〜10のコンデンサは、破壊電圧が103〜109Vであって、100V以上という設定破壊電圧を満たし、かつ、比較例1〜4のコンデンサに比べて、ESRが低く、漏れ電流が少なく、さらに、表3に示すように、150℃で250時間貯蔵後においても、実施例1〜10のコンデンサは、比較例1〜4のコンデンサに比べて、ESRが低く、漏れ電流が少なかった。つまり、実施例1〜10のコンデンサは、比較例1〜4のコンデンサに比べて、耐熱性が優れていた。
そして、破壊電圧(耐電圧)に関しても、表2に示すように、実施例1〜10のコンデンサは、比較例1〜4のコンデンサに比べて破壊電圧が高く、比較例1〜4のコンデンサに比べて、耐電圧性が優れていた。特に調製例1の導電液への浸漬に代えてエチレングリコールへの浸漬を行った比較例3のコンデンサは、150℃で250時間貯蔵後の漏れ電流の測定時に、測定に供した10個のコンデンサ中の2個のコンデンサにショート(短絡)が発生した。
実施例11
アルミニウム箔の表面をエッチング処理した後、化成処理を行ってアルミニウムの酸化被膜からなる誘電体層を形成した陽極にリード端子を取り付け、また、アルミニウム箔からなる陰極にリード端子を取り付け、それらのリード端子付き陽極と陰極とをセパレータを介して巻回して、コンデンサ素子を作製した。このコンデンサ素子は、ESRが7mΩ以下、静電容量が400μF以上、漏れ電流が100μA以下、破壊電圧(耐電圧)が30V以上になるように設定したものである。
そして、3,4−エチレンジオキシチオフェンとエタノールとを質量比1:5で混合したモノマー溶液に前記のコンデンサ素子を浸漬し、1分後に取り出し、50℃で15分間乾燥した後、濃度が55%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のブタノール溶液〔テイカトロンAF55B(商品名)、テイカ株式会社製〕に前記のコンデンサ素子を浸漬し、1分後に取り出し、50℃で1時間化学酸化重合を行った。その後、180℃で20分間放置して化学酸化重合を完結させて、コンデンサ素子の陽極の誘電体層上にいわゆる「その場重合」により導電性高分子を合成して導電性高分子の層を形成した。
上記のようにして、その陽極の誘電体層上にいわゆる「その場重合」により導電性高分子の層を形成したコンデンサ素子を、水洗などによる鉄分の除去をすることなく、そのまま、前記調製例1で調製した導電液に浸漬し、コンデンサ素子に導電液を含浸させ、5分後に上記コンデンサ素子を導電液中から取り出し、該コンデンサ素子を外装材で外装して、実施例11の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例12〜19
調製例1で調製した導電液に代えて、調製例2〜9で調製した導電液をそれぞれ別々に用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って、実施例12〜19の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
実施例20
濃度が55%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のブタノール溶液に代えて、濃度が55%のメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄のエタノール溶液に用いた以外は、実施例11と同様の操作を行って、実施例20の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
比較例5
陽極の誘電体層上に導電性高分子の層を形成したコンデンサ素子を導電液に浸漬せず、コンデンサ素子に導電液を含浸させなかった以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って、比較例5の巻回型アルミニウム電解固体コンデンサを製造した。
比較例6
調製例1の導電液に代えて、γ−ブチロラクトンを用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って、比較例6の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
比較例7
調製例1の導電液に代えて、エチレングリコールを用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って、比較例7の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
比較例8
調製例1の導電液に代えて、調製例10の導電液を用いた以外は、すべて実施例11と同様の操作を行って、比較例8の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを製造した。
上記のようにして製造した実施例11〜20および比較例5〜8の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサについて、前記実施例1と同様に、ESRおよび静電容量を測定し、かつ、漏れ電流を測定した。その結果を表4に前記表1の場合と同様の態様で示す。
Figure 2013214674
また、上記特性測定後の実施例11〜20および比較例5〜8の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ(それぞれ10個ずつ)を260℃の乾燥機中に静置状態で3分間貯蔵し、その貯蔵後のコンデンサについて、前記と同様に、ESR、静電容量、漏れ電流および、破壊電圧を測定した。その結果を表5に前記表2の場合と同様の態様で示す。ただし、破壊電圧に関しては小数点第二位を四捨五入して示している。
Figure 2013214674
さらに、前記表4に示す特性測定後の実施例11〜20および比較例5〜8の巻回型ア
ルミニウム固体電解コンデンサの残りの10個ずつについて、150℃の乾燥機中に静置状態で250時間貯蔵し、その貯蔵後のコンデンサについて、前記と同様に、ESR、静電容量および漏れ電流を測定した。その結果を表6に前記表3の場合と同様の態様で示す。
Figure 2013214674
表4に示すように、実施例11〜20の巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ(以下、「巻回型アルミニウム固体電解コンデンサ」を、簡略化して「コンデンサ」と表示する場合がある)は、ESRが5.2〜6.3mΩであって、7mΩ以下という設定ESRを満たし、静電容量が406.8〜416.2μFであって、400μF以上という設定静電容量を満たし、かつ、比較例1〜4のコンデンサに比べて、ESRが低く(小さく)、静電容量が大きく、漏れ電流が少なく、静電容量の減少を招くことなく、低ESR化を達成するとともに、漏れ電流を少なくすることができた。
つまり、調製例1〜9への浸漬によって含浸させた調製例1〜9の導電液と導電性高分子とからなる固体電解質とを併用した実施例10〜20のコンデンサは、導電液の含浸を行わなかった比較例5のコンデンサや、調製例1の導電液の含浸に代えてγ−ブチロラクトンの含浸を行った比較例6のコンデンサ、調製例1の導電液の含浸に代えてエチレングリコールの含浸を行った比較例7のコンデンサ、調製例1の導電液の含浸に代えて比較例用の調製例10の導電液(γ−ブチロラクトンに代えてエチレングリコールを用いた以外は調製例1と同様に調製した導電液)の含浸を行った比較例8のコンデンサに比べて、ESRが低く、漏れ電流が少なく、静電容量の減少を招くことなく、低ESR化を達成するとともに、漏れ電流を大幅に減少させることができ、しかも静電容量も大きくさせることができた。
また、表5に示すように、260℃という高温で3分間貯蔵後においても、実施例11〜20のコンデンサは、破壊電圧が33.9〜40.1Vであって、30V以上という設定破壊電圧を満たし、かつ、比較例5〜8のコンデンサに比べて、ESRが低く、さらに、表6に示すように、150℃で250時間貯蔵後においても、実施例11〜20のコンデンサは、比較例5〜8のコンデンサに比べて、ESRが低く、漏れ電流が少なかった。つまり、実施例11〜20のコンデンサは、比較例5〜8のコンデンサに比べて、耐熱性が優れていた。
そして、破壊電圧(耐電圧)に関しても、表5に示すように、実施例11〜20のコンデンサは、比較例5〜8のコンデンサに比べて破壊電圧が高く、比較例5〜8のコンデンサに比べて、耐電圧性が優れていた。

Claims (10)

  1. 導電性高分子を固体電解質として用いる巻回型固体電解コンデンサの製造にあたり、アルミニウム、タンタルおよびニオブよりなる群から選ばれる少なくとも1種の弁金属の多孔体の少なくとも一面に該弁金属の酸化被膜からなる誘電体層を有する陽極と、陰極とをセパレータを介して巻回してなるコンデンサ素子の誘電体層上に、芳香族スルホン酸第二鉄を酸化剤兼ドーパントとしてチオフェンまたはその誘導体を化学酸化重合して導電性高分子の層を形成した後、上記導性高分子の層を形成したコンデンサ素子に、洗浄による鉄分の除去を行うことなく、沸点が150℃以上の非アルコール系の高沸点有機溶剤と、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物とを含む導電液を含浸させる工程を経由することを特徴とする巻回型固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 芳香族スルホン酸第二鉄が、パラトルエンスルホン酸第二鉄およびメトキシベンゼンスルホン酸第二鉄よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の巻回型固体電解コンデンサの製造方法。
  3. チオフェンの誘導体が、次の一般式(1)で表される3,4−エチレンジオキシチオフェンまたはそのアルキル誘導体であることを特徴とする請求項1または2記載の巻回型固体電解コンデンサの製造方法。
    Figure 2013214674
    (式中、Rは、水素またはアルキル基である)
  4. ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物が、カルボキシル基を少なくとも1つ有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の巻回型固体電解コンデンサの製造方法。
  5. ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物が、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つカルボキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物と、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有し且つニトロ基を少なくとも1つ有する環状有機化合物とを併用したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の巻回型固体電解コンデンサの製造方法。
  6. ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物が、ヒドロキシベンゼンカルボン酸およびヒドロキシナフタレンカルボン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の巻回型固体電解コンデンサの製造方法。
  7. ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物が、ヒドロキシベンゼンカルボン酸とニトロフェールとを併用したものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の巻回型固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 沸点が150℃以上の非アルコール系の高沸点有機溶剤が、γ−ブチロラクトン、スルホランおよびN−メチルホルムアミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の巻回型固体電解コンデンサ製造方法。
  9. 沸点が150℃以上の非アルコール系の高沸点有機溶剤と、ヒドロキシル基を少なくとも1つ有する環状有機化合物とを含む導電液が、さらに、エポキシ化合物またはその加水分解物、シラン化合物またはその加水分解物およびポリアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の巻回型固体電解コンデンサの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法で製造されたことを特徴とする巻回型固体電解コンデンサ。
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