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JP2013110441A - 部品内蔵配線板の製造方法 - Google Patents

部品内蔵配線板の製造方法 Download PDF

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JP2013110441A
JP2013110441A JP2013047800A JP2013047800A JP2013110441A JP 2013110441 A JP2013110441 A JP 2013110441A JP 2013047800 A JP2013047800 A JP 2013047800A JP 2013047800 A JP2013047800 A JP 2013047800A JP 2013110441 A JP2013110441 A JP 2013110441A
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Abstract

【課題】複数種の部品が混載で埋設、実装される場合であっても大きな生産性と低コストを実現できる部品内蔵配線板の製造方法を提供すること。
【解決手段】第1の絶縁板上に、端子パッドを有する半導体チップと端子パッドに電気的に接続されたグリッド状配列の表面実装用端子とを備えた半導体素子を実装するための第1のランドと、表面実装用のチップ部品を実装するための第2のランドとを形成し、第1、第2のランド上にクリームはんだを適用し、クリームはんだを介して第1、第2のランド上に半導体素子およびチップ部品をそれぞれ載置し、クリームはんだをリフローすべく加熱して、半導体素子およびチップ部品を第1、第2のランドにそれぞれ接続し、第1の絶縁板とは別の第2の絶縁板中に、第1、第2のランドにそれぞれ接続された半導体素子およびチップ部品を埋め込むように、第1の絶縁板に積層状に第2の絶縁板を一体化する。
【選択図】図6

Description

本発明は、絶縁板中に部品が埋設、実装された部品内蔵配線板を製造する方法に係り、特に、複数種の部品が混載で埋設、実装された部品内蔵配線板を製造する方法に関する。
複数種の部品が混載で埋設、実装された部品内蔵配線板の例として、特開2003−197849号公報に記載されたものがある。同文献に開示された配線板では、チップコンデンサ(チップキャパシタ)などの受動部品に加えて、半導体チップが埋設の対象部品になっている。半導体チップのような半導体部品が埋設されることにより、部品内蔵配線板としての付加価値は、受動部品のみ有する場合に比較して格段に大きくなる。
配線板中に半導体部品を埋設、実装する場合、配線板自体が、近年は多層板であってもさほどの厚みを有するものでなく、必然的に通常は、例えばベアチップのようなできるだけ厚みのない形態のものを利用することになる。ベアチップを利用する場合、上記文献でも示されているように、配線板の内層配線パターン上にフェースダウンでこれを実装する形態が厚みの節約上、有利である。一般に、配線パターン上にフェースダウンで半導体チップを実装する技術は、フリップチップ接続として知られており、その技術を援用することができる。
フリップチップ接続は、配線パターンによるランドに対して、半導体チップ上に形成された、微細ピッチの接続パッドを位置合わせする技術を含んでおり、位置精度の確保上、配線パターンを有するワークのサイズをあまり大きくすることはできない。一方、配線パターンに対して、チップコンデンサなどの受動部品を実装する技術は、部品と配線パターンとの接続部材としてはんだや導電性接着剤を利用する、いわゆる表面実装技術である。この場合の配線パターンに対する部品の位置合わせ精度は、フリップチップ接続の場合より粗くて済み、したがって、生産性を考慮して、比較的大きなワークにも対応した生産設備を利用可能になっている。
配線板中に、受動部品および半導体部品のような複数種の部品が混載で埋設、実装される部品内蔵配線板では、ゆえに、受動部品の実装のためには表面実装技術が、半導体チップの実装ためにはフリップチップ接続技術が、それぞれ利用されることになる。したがって、別々の工程が必要であり、生産性を向上させる上でひとつ課題が生じる。また、フリップチップ接続では、大きなワークに対応することができないということからも生産性向上に不利である。
特開2003−197849号公報
本発明は、上記した事情を考慮してなされたもので、絶縁板中に部品が埋設、実装された部品内蔵配線板を製造する方法において、複数種の部品が混載で埋設、実装される場合であっても大きな生産性と低コストを実現することが可能な部品内蔵配線板を製造する方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である部品内蔵配線板の製造方法は、第1の絶縁板上に積層された金属箔をパターニングし、端子パッドを有する半導体チップと、該端子パッドに電気的に接続されたグリッド状配列の表面実装用端子とを備えた半導体素子を実装するためのランドである第1のランドと、表面実装用のチップ部品を実装するためのランドである第2のランドとを含む配線パターンを形成する工程と、前記第1の絶縁板上の前記第1、第2のランド上にクリームはんだまたは未硬化の導電性組成物を適用する工程と、前記クリームはんだまたは前記導電性組成物を介して前記第1の絶縁板の前記第1のランド上に前記半導体素子を載置する工程と、前記クリームはんだまたは前記導電性組成物を介して前記第1の絶縁板の前記第2のランド上に前記チップ部品を載置する工程と、前記第1のランド上に前記半導体素子が載置され前記第2のランド上に前記チップ部品が載置された状態において、前記クリームはんだをリフローすべくまたは前記導電性組成物を硬化すべく加熱して、前記半導体素子を前記第1のランドにおよび前記チップ部品を前記第2のランドに接続する工程と、前記第1の絶縁板とは別の絶縁板である第2の絶縁板中に、前記第1のランドに接続された前記半導体素子および前記第2のランドに接続された前記チップ部品を埋め込むように、前記第1の絶縁板に積層状に前記第2の絶縁板を一体化する工程とを具備する。
本発明によれば、絶縁板中に部品が埋設、実装された部品内蔵配線板を製造する方法において、複数種の部品が混載で埋設、実装される場合であっても大きな生産性と低コストを実現することができる。
本発明の一実施形態である製造方法による部品内蔵配線板の構成を模式的に示す断面図。 図1に示した部品内蔵配線板に使用の半導体素子42を模式的に、やや詳細に示す下面図および断面図。 図1に示した部品内蔵配線板に使用の半導体素子42についてその製造過程例を模式的断面で示す工程図。 図1に示した部品内蔵配線板の製造過程の一部を模式的断面で示す工程図。 図1に示した部品内蔵配線板の製造過程の別の一部を模式的断面で示す工程図。 図1に示した部品内蔵配線板の製造過程のさらに別の一部を模式的断面で示す工程図。
本発明の実施態様として、前記クリームはんだが、はんだ粒に加えて銅粒をフラックス中に分散させたクリームはんだである、とすることができる。これによれば、配線板の主面上に部品実装がされるときの熱で内蔵部品用のはんだが再溶融することがあっても効果的に接続不良などの不良発生を防止することができる。
また、実施態様として、前記半導体素子における前記表面実装用端子と前記端子パッドとの電気的な接続が、前記半導体チップ上に形成された再配線層によりなされている、とすることができる。このような再配線層を用いた場合、半導体素子のうちのパッケージ相当部分をわずかな厚みおよび体積とすることができ、配線板内に内蔵することにより適性を有する。
また、実施態様として、前記半導体素子の厚さが、前記チップ部品の高さより薄い、とすることができる。これによれば、製造工程として、半導体素子に対して積層時に加えられる積層方向の力が、電気/電子部品により抑制されるので、半導体素子が製造時に破壊するなどの不良を効果的に防止できる。
また、実施態様として、前記半導体素子の前記表面実装用端子が、LGAの端子である、とすることができる。LGAを利用した表面実装では、はんだボールなどのバンプを使用せずに配線板に実装することが可能であり、高さ方向のサイズを抑えることができるので、より内蔵することに適性がある。
また、実施態様として、前記半導体素子の前記表面実装用端子が、表層としてNi/Auめっき層を有するか、表層としてすずめっき層を有するか、表層としてCuであるかのいずれかである、とすることができる。表面実装用端子がこのようなNi/Auめっき層を表層に有することで、良好なはんだ付けとその接続の高信頼性を得ることができる。また、すずめっき層によればより安価であるが、良好なはんだ付けとその接続の高信頼性を得ることができる。また、Cuであってもはんだ付けが可能であり、またこの場合、半導体素子としての構成がより簡単になる可能性が高く、より廉価に製造ができる。
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態である製造方法による部品内蔵配線板の構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、この部品内蔵配線板は、絶縁層11(第1の絶縁層)、同12、同13、同14、同15(12、13、14、15で第2の絶縁層)、配線層(配線パターン)21、同22、同23(第2の配線パターン)、同24、同25、同26(=合計6層)、層間接続体31、同32、同34、同35、スルーホール導電体33、チップ部品41(電気/電子部品)、半導体素子(ウエハレベル・チップスケールパッケージによる)42、接続部材(はんだ)51、52、はんだレジスト61、62を有する。
すなわち、この配線板は、内蔵部品として、互いに異種の部品であるチップ部品41と半導体素子42とを有する。チップ部品41は、いわゆる表面実装用のチップ部品であり、ここでは例えばチップコンデンサである。その平面的な大きさは例えば0.6mm×0.3mmである。両端に端子41aを有し、その下側が配線層22による実装用ランドに対向位置している。チップ部品41の端子41aと実装用ランドとは接続部材51により電気的・機械的に接続されている。
半導体素子42は、ウエハレベル・チップスケールパッケージによる素子であり、半導体チップと、該半導体チップ上に形成されたグリッド状配列の表面実装用端子42aとを少なくとも備えている。その構造例および製造工程例については詳細を後述する(図2、図3)。表面実装用端子42aは、半導体チップがもともと有する端子パッドから再配線層を介して電気的に導通しつつその位置を再配置して設けられた端子である。このような再配置により、端子としての配置密度が半導体チップ上の端子パッドのそれより粗くなっている。これにより、半導体素子42は、チップ部品41と同様の表面実装技術により、配線層22による実装用ランドに接続部材(はんだ)52を介して実装することができる。
部品内蔵配線板としてのほかの構造について述べると、配線層21、26は、配線板としての両主面上の配線層であり、その上に各種の部品(不図示)が実装され得る。実装ではんだ(不図示)が載るべき配線層21、26のランド部分を除いて両主面上には、はんだ接続時に溶融したはんだをランド部分に留めかつその後は保護層として機能するはんだレジスト61、62が形成されている(厚さはそれぞれ例えば20μm程度)。ランド部分の表層には、耐腐食性の高いNi/Auのめっき層(不図示)を形成するようにしてもよい。
また、配線層22、23、24、25は、それぞれ、内層の配線層であり、順に、配線層21と配線層22の間に絶縁層11が、配線層22と配線層23の間に絶縁層12が、配線層23と配線層24との間に絶縁層13が、配線層24と配線層25との間に絶縁層14が、配線層25と配線層26との間に絶縁層15が、それぞれ位置しこれらの配線層21〜26を隔てている。各配線層21〜26は、例えばそれぞれ厚さ18μmの金属(銅)箔からなっている。
各絶縁層11〜15は、絶縁層13を除き例えばそれぞれ厚さ100μm、絶縁層13のみ例えば厚さ300μmで、それぞれ例えばガラスエポキシ樹脂からなるリジッドな素材である。特に絶縁層13は、内蔵されたチップ部品41および半導体素子42に相当する位置部分が開口部となっており、チップ部品41および半導体素子42を埋設するための空間を提供する。絶縁層12、14は、内蔵されたチップ部品41および半導体素子42のための絶縁層13の上記開口部および絶縁層13のスルーホール導電体33内部の空間を埋めるように変形進入しており内部に空隙となる空間は存在しない。
配線層21と配線層22とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層11を貫通する層間接続体31により導通し得る。同様に、配線層22と配線層23とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層12を貫通する層間接続体32により導通し得る。配線層23と配線層24とは、絶縁層13を貫通して設けられたスルーホール導電体33により導通し得る。配線層24と配線層25とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層14を貫通する層間絶縁体34により導通し得る。配線層25と配線層26とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層15を貫通する層間接続体25により導通し得る。
層間接続体31、32、34、35は、それぞれ、導電性組成物のスクリーン印刷により形成される導電性バンプを由来とするものであり、その製造工程に依拠して軸方向(図1の図示で上下の積層方向)に径が変化している。その直径は、太い側で例えば200μmである。
以上、本実施形態に係る部品内蔵配線板の構造をひと通り述べた。次に、この部品内蔵配線板に使用の半導体素子42についてその構成を、図2を参照してやや詳細に説明する。図2は、図1に示した部品内蔵配線板に使用の半導体素子42を模式的に、やや詳細に示す下面図(図2(a))および断面図(図2(b))である。図2(a)におけるA−Aa位置における矢視方向断面が、図2(b)である。図2において、図1中に示した構成要素と同一のものには同一符号を付している。
図2(a)に示すように、この半導体素子42は、表面実装用端子42aがグリッド状に配置されている。端子42aの配置ピッチは、例えば0.2mmないし1.0mmである。端子42aが配置された面の中央付近は、半導体素子42として必要な端子数が少ない場合は、端子42aが配置されない態様とすることもできる。
この半導体素子42は、配線板中に内蔵のため実装される前の形態として、端子42a上にはんだボールのない、いわゆるLGA(land grid array)の形態である。このようなはんだボールのない構成とすることで高さ方向の実装サイズを抑制し、より内蔵への適性を向上させている。内蔵される配線板の厚さが許せば、端子42a上にはんだボールが搭載されたいわゆるBGA(ball grid array)も利用できる。
半導体素子42の断面方向には、図2(b)に示すように、表面実装用端子42aが、絶縁層42e上に、かつ、絶縁層42eを貫通する部分を介して再配線層42bに接触するように形成されている。さらに、再配線層42bは、絶縁層42eと半導体チップとの間に設けられた絶縁層42d上に、かつ、絶縁層42dを貫通する部分を介して半導体チップ上の端子パッド42cに接触するように形成されている。
端子パッド42cは、通常、半導体チップの各辺に沿って一列に列設されているので、その配置ピッチは比較上狭い。すなわち、その配置ピッチと、グリッド状に配置され、配置ピッチが比較上広くなっている表面実装用端子42aの配置ピッチとの導通を仲介するために、再配線層42bが設けられる。このような構成により、この半導体素子42は表面実装可能な形態であるにもかかわらず、平面的には半導体チップと同じ面積であり、厚さ方向にも半導体チップそのものよりわずかに厚い程度の大きさとなっている。なお、半導体素子42としてより薄くするために、半導体チップの裏面を、研削工程を設けて研削しておくようにしてもよい。例えば、総厚を0.3mm程度以下としておくことができる。
次に、このような半導体素子42の製造工程例について図3を参照して説明する。図3は、図1に示した部品内蔵配線板に使用の半導体素子42についてその製造過程例を模式的断面で示す工程図である。図3において、すでに説明の図中に示した構成要素と同一のものには同一符号を付している。
まず、図3(a)に示すように、半導体ウエハ42wであってその面上に複数の半導体デバイスがすでに形成されたものを用意する。半導体ウエハ42wの面上には、それぞれの半導体デバイスの外部接続部として端子パッド42cが形成されている。端子パッド42cは、通常、ワイヤボンディングを行なうのに必要な面積を有しており、かつワイヤボンディングを行うのに支障のない程度の配置ピッチを有して各半導体デバイスの四辺に沿って設けられている。この配置ピッチは、一般的な表面実装を行う端子の配置ピッチより狭い。
次に、図3(b)に示すように、パッド42cを覆うように半導体ウエハ42w上全面に絶縁層42dを形成する。形成方法は、周知の方法を用いてよいが、例えば、半導体ウエハ42w上に絶縁材料であるポリイミドを滴下してスピンコートし厚さ例えば1μm程度に形成することができる。
次に、図3(c)に示すように、パッド42c上の絶縁層42dを選択的にエッチング除去し絶縁層42dに、パッド42cに通じる開口部71を形成する。選択的にエッチングするには、フォトリソグラフィなどの周知の方法を適用することができる。なお、図3(b)および図3(c)に示す方法に代えて、パッド42c上を除き選択的に絶縁層42dを形成する方法を用いてもよい。選択的に絶縁層42dを形成するのも同様に周知の方法により行なうことができる。
開口部71を形成したら、次に、図3(d)に示すように、開口部71内を充填しかつ必要なパターンを有するように導電材料で再配線層42bを絶縁層42d上に形成する。再配線層42bは、材料として例えばAlやAu、Cuなどを用いることができる。形成方法としては、スパッタ、蒸着、めっきなどの中から使用する材料を考慮して適当なものを選択することができる。パターン化のためには、使用する材料を考慮の上、絶縁層42d上に全面的に形成したあと不要部分をエッチング除去するか、または絶縁層42d上に所定パターンのレジストマスクを形成しさらに再配線層42bとなる層を形成するかして行うことができる。再配線層42bの厚さは例えば1μm程度とすることができる。
再配線層42bを形成したら、次に、図3(e)に示すように、再配線層42b上を覆って絶縁層42eを形成し、さらに絶縁層42eを選択的にエッチング除去して絶縁層42eに再配線層42bに通じる開口部72を形成する。この図3(e)に示す工程は、絶縁層42dの形成およびその加工の工程である図3(b)、図3(c)と同様の要領により行うことができる。絶縁層42eを選択的に形成する方法を選択した場合も同様である。
開口部72を形成したら、次に、図3(f)に示すように、開口部72内を充填しかつ絶縁層42e上の所定の配置位置を占めるように表面実装用端子42aを導電材料で形成する。この導電材料には、例えばAlやAu、Cuなどを用いることができる。形成方法としては、スパッタ、蒸着、めっきなどの中から使用する材料を考慮して適当なものを選択することができる。選択的に形成するには、使用する材料を考慮の上、絶縁層42e上に全面的に形成したあと不要部分をエッチング除去するか、または絶縁層42d上に所定パターンのレジストマスクを形成しさらに表面実装用端子42aとなる層を形成するかして行なうことができる。表面実装用端子42aの層は、その厚さを例えば1μm程度とすることができる。
表面実装用端子42aは、さらに、その導電材料がCuやAlであればその表層をNi/Auのめっき層、またはSn(すず)のめっき層で覆うように処理を加えてもよい。このようなめっきを施すには例えば無電解めっき工程を用いることができる。所定材料のめっき層を有することにより、配線板内への内蔵のための表面実装において良好なはんだ付けとその接続信頼性を得ることができる。
表面実装用端子42aが形成されたら、最後に、図3(g)に示すように、半導体ウエハ42wをダイシングし個々の半導体素子42を得る。このようにして得られた半導体素子42は、表面実装用端子42aにより、すでに述べたようにチップ部品と同様に表面実装工程に供することができる。
なお、図3においては、ダイシングする前のウエハ42wを用いて表面実装用端子42aを形成する方法を説明したが、これは、より生産性を上げて形成する例を示したものであり、当然ながらダイシングしたあとの個々の半導体チップに対して同様の方法で表面実装用端子42aを形成することもできる。
図3に示したような半導体素子42の変形例としては、再配線層42bと表面実装用端子42aとを同一層として形成する例を挙げることができる。この場合には、再配線として必要なパターンを有するように、かつこのパターンに連絡して表面実装用端子42aのパターンを有するように導電材料の層を絶縁層42d上に形成する。この導電材料の層は、絶縁層42dに形成された開口部71内を充填している。そして、この導電材料の層のうちの表面実装用端子42aの部分を除いて全面を絶縁層42eで覆うように形成する。これによっても、半導体デバイスの端子パッド42cを再配置した表面実装用端子42aを有する半導体素子を得ることができる。
以上説明のように、この実施形態に係る部品内蔵配線板は、複数種の部品のひとつとして半導体素子42を、もうひとつとしてチップ部品41を、同時に埋設して備えている。ここで、半導体素子42は、半導体チップとグリッド状配列の表面実装用端子42aとを有している。したがって、半導体素子42を配線板に内蔵のため実装のとき、チップ部品41と同様の表面実装技術を同時に適用し得る。よって、複数種の部品を同時に実装する表面実装技術を利用でき、このとき生産性を考慮して比較的大きなワークを使用できる。したがって、大きな生産性と低コストを実現した部品内蔵配線板となる。
また、表面実装用端子42aが特にグリッド状配列であること、すなわち面配置であることにより、半導体素子42としての平面面積を極力小さくするが可能である。さらに、表面実装用端子42aと半導体チップ上の端子パッド42cとの電気的接続が、半導体チップ上に形成された再配線層42bによってなされているので、半導体素子42としての厚みも半導体チップそのものと比較してさほど厚くならない。すなわち、半導体素子42の面積および厚みという観点で、半導体チップと同様の内蔵のしやすさが確保されている。一方、半導体チップを内蔵する場合に必要なフリップチップ接続ほどに高精度な位置合わせ工程を必要とするわけではない。よってこれも生産性の向上と低コスト化に寄与する。
なお、内蔵、埋設する半導体素子42として、上記説明のようなウエハレベル・チップスケールパッケージのものでなく、ほかのパッケージ品(例えば半導体チップと表面実装用端子42aとの間にインターポーズ基板を有する形態)とすることも可能である。この場合は、素子としての面積および厚みが、ウエハレベル・チップスケールパッケージのものより必然的に大きくなるが、部品内蔵に供する基板側の仕様次第では対応できる。この場合も、チップ部品41と同様の表面実装技術を、半導体素子42に同時に適用し得る利点は維持される。
次に、図1に示した部品内蔵配線板の製造工程を図4ないし図6を参照して説明する。図4ないし図6は、それぞれ、図1に示した部品内蔵配線板の製造過程の一部を模式的断面で示す工程図である。これらの図において図1中に示した構成要素と同一または同一相当のものには同一符号を付してある。
図4から説明する。図4は、図1中に示した各構成のうち絶縁層11を中心とした部分の製造工程を示している。まず、図4(a)に示すように、厚さ例えば18μmの金属箔(電解銅箔)22A上に例えばスクリーン印刷により、層間接続体31となるペースト状の導電性組成物をほぼ円錐形のバンプ状(底面径例えば200μm、高さ例えば160μm)に形成する。この導電性組成物は、ペースト状の樹脂中に銀、金、銅などの金属微細粒または炭素微細粒を分散させたものである。説明の都合で金属箔22Aの下面に印刷しているが上面でもよい(以下の各図も同じである)。層間接続体31の印刷後これを乾燥させて硬化させる。
次に、図4(b)に示すように、金属箔22A上に厚さ例えば公称100μmのFR−4のプリプレグ11Aを積層して層間接続体31を貫通させ、その頭部が露出するようにする。露出に際してあるいはその後その先端を塑性変形でつぶしてもよい(いずれにしても層間接続体31の形状は、積層方向に一致する軸を有しその軸方向に径が変化している。)。続いて、図4(c)に示すように、プリプレグ11A上に金属箔(電解銅箔)21Aを積層配置して加圧・加熱し全体を一体化する。このとき、金属箔21Aは層間接続体31と電気的導通状態となり、プリプレグ11Aは完全に硬化して絶縁層11になる。
次に、図4(d)に示すように、片側の金属箔22Aに例えば周知のフォトリソグラフィによるパターニングを施し、これを、実装用ランドを含む配線パターン22に加工する。そして、加工により得られた実装用ランド上に、図4(e)に示すように、例えばスクリーン印刷によりクリームはんだ51A、52Aを印刷・適用する。クリームはんだ51A、52Aは、スクリーン印刷を用いれば容易に所定パターンに印刷できる。スクリーン印刷に代えてディスペンサを使用することもできる。
クリームはんだ51A、52Aは、これらに代えて硬化前の導電性組成物を使用するようにしてもよい。導電性組成物とすると硬化後の耐熱性が高く、完成された後の配線板としての部品実装時に加わる熱で接続不良が発生するのを効果的に防止できる。
次に、チップ部品41および半導体素子42をクリームはんだ51A、52Aを介して実装用ランド上にそれぞれ例えばマウンタで載置し、さらにその後クリームはんだ51A、52Aをリフローさせるべく加熱(例えば220℃から250℃)を行う。以上により、図4(f)に示すように、接続部材51、52を介してチップ部品41および半導体素子42が配線層22の実装用ランド上に接続された状態の配線板素材1が得られる。この配線板素材1を用いる後の工程については図6で述べる。
クリームはんだ51A、52A中に分散されているはんだ粒の組成としては、例えば、すずを主成分とする鉛フリーのもの(Sn−3Ag−0.5Cu)とすることができる。また、再溶融しにくくするために、はんだ粒に加えて銅粒をフラックス中に分散させた構成のものを使用することもできる。このような構成では、はんだ粒が例えば217℃から221℃で溶融して銅粒の表面を覆う。このとき銅粒の表面を覆ったはんだのすず成分が銅との化合物CuSnを形成する。これにより銅粒を除く部分のすず成分は減少する。表面が銅−すず化合物で覆われた銅粒は、化合物CuSnにより一部互いに連結する場合もある。
このようにして形成された接続部材51、52によれば、この部品内蔵配線板が部品実装に供されるときに、再溶融による信頼性劣化を効果的に防止できる。すなわち、化合物CuSnは融点が600℃以上と高く、部品実装時に溶融することはない。さらに、銅粒を除く部分のすずは当初のはんだ粒のそれに比べて減少しており、例え再溶融してもその体積変化が小さく周りへの影響が抑制されている。よって部品内蔵配線板として信頼性が低下しにくくなる。
クリームはんだ51A、52A中の銅粒は、他の金属、例えば銀、金、アルミニウム、銅−すず合金などの金属粒とすることも可能である。また、組成が例えばSn−3Ag−0.5Cuのはんだ粒は、その粒径として例えば10μmないし20μmのもの用いることができる。さらに、接続部材51、52における、表面が銅−すず化合物で覆われた銅粒の粒径は、例えば3μmないし40μmとすることができる。また、接続部材51、52における銅粒の占める割合は、例えば5wt%ないし50wt%とすることができる。
次に、図5を参照して説明する。図5は、図1中に示した各構成のうち絶縁層13および同12を中心とした部分の製造工程を示している。まず、図5(a)に示すように、両面に例えば厚さ18μmの金属箔(電解銅箔)23A、24Aが積層された例えば厚さ300μmのFR−4の絶縁層13を用意し、その所定位置にスルーホール導電体を形成するための貫通孔83をあけ、かつ内蔵するチップ部品41および半導体素子42に相当する部分に部品用開口部81、82を形成する。
次に、無電解めっきおよび電解めっきを行い、図5(b)に示すように、貫通孔83の内壁にスルーホール導電体33を形成する。このとき開口部81、82の内壁にも導電体が形成される。さらに、図5(c)に示すように、金属箔23A、24Aを周知のフォトリソグラフィを利用して所定にパターニングして配線層23、24を形成する。配線層23、24のパターニング形成により、開口部81、82の内壁に形成された導電体も除去される。
次に、図5(d)に示すように、配線層23上の所定の位置に層間接続体32となる導電性バンプ(底面径例えば200μm、高さ例えば160μm)をペースト状導電性組成物のスクリーン印刷により形成する。続いて、図5(e)に示すように、絶縁層12とすべきFR−4のプリプレグ12A(公称厚さ例えば100μm)を配線層23側にプレス機を用い積層する。プリプレグ12Aには、絶縁層13と同様の、内蔵するチップ部品41および半導体素子42に相当する部分の開口部をあらかじめ設けておく。
図5(e)の積層工程では、層間接続体32の頭部をプリプレグ12Aに貫通させる。なお、図5(e)における層間接続体32の頭部の破線は、この段階でその頭部を塑性変形させてつぶしておく場合と塑性変形させない場合の両者あり得ることを示す。以上により得られた配線板素材を配線板素材2とする。
以上の図5に示した工程は、以下のような手順とすることも可能である。図5(a)の段階では、貫通孔83のみ形成し内蔵部品用の開口部81、82を形成せずに続く図5(b)から図5(d)までの工程を行う。次に、図5(e)に相当する工程として、プリプレグ12A(開口のないもの)の積層を行う。そして、絶縁層13およびプリプレグ12Aに部品内蔵用の開口部を同時に形成する、という工程である。
次に、図6を参照して説明する。図6は、上記で得られた配線板素材1、2などを積層する配置関係を示す図である。ここで、図示上側の配線板素材3は、下側の配線板素材1と同様な工程を適用し、かつそのあと層間接続体34およびプリプレグ14Aを、図示中間の配線板素材2における層間接続体32およびプリプレグ12Aと同様にして形成し得られたものである。
ただし、配線板素材3は、部品(チップ部品41および半導体素子42)およびこれを接続するための部位(実装用ランド)のない構成であり、さらにプリプレグ14Aにはチップ部品41用の開口部、半導体素子42用の開口部を設けない。そのほかは、金属箔(電解銅箔)26A、絶縁層15、層間接続体35、配線層25、プリプレグ14A、層間接続体34とも、それぞれ配線板素材1の金属箔21A、絶縁層11、層間接続体31、配線層22、配線板素材2のプリプレグ12A、層間接続体32と同じである。
図6に示すような配置で各配線板素材1、2、3を積層配置してプレス機で加圧・加熱する。これにより、プリプレグ12A、14Aが完全に硬化し全体が積層・一体化する。このとき、加熱により得られるプリプレグ12A、14Aの流動性により、チップ部品41および半導体素子42の周りの空間およびスルーホール導電体33内部の空間にはプリプレグ12A、14Aが変形進入し空隙は発生しない。また、配線層22、24は、層間接続体32、34にそれぞれ電気的に接続される。
このプレス工程において、半導体素子42に加わるプレス力を緩和しその破壊などの不良発生を抑止するには、チップ部品41の高さに比べて半導体素子42の高さをやや低くしておくようにすると好ましい。多くのアプリケーションで半導体素子42の数は少なく(例えば1個)、かつこれを取り巻くようにチップ部品41が配置されることが多いからである。このように取り囲んで配置されたチップ部品41がよりプレス力を負担して半導体素子42に加わるプレス力は小さくなる。
図6に示す積層工程の後、上下両面の金属箔26A、21Aを周知のフォトリソグラフィを利用して所定にパターニングし、さらにはんだレジスト61、62の層を形成することにより、図1に示したような部品内蔵配線板を得ることができる。
変形例として、中間の絶縁層13に設けられたスルーホール導電体33については、層間接続体31や同32と同様なものとする構成も当然ながらあり得る。また、層間接続体31、32、34、35について、説明した導電性組成物印刷による導電性バンプを由来とするもの以外に、例えば、金属板エッチングにより形成された金属バンプ、導電性組成物充填による接続体、めっきにより形成された導体バンプなどを由来とするものなどのうちから適宜選択、採用することもできる。また、外側の配線層21、26は、最後の積層工程のあとにパターニングして得る以外に、各配線板素材1、3の段階で(例えば図4(d)の段階で)形成するようにしてもよい。
また、図6に示した積層工程において、配線板素材1、2については、プリプレグ12Aおよび層間接続体32の部分を配線板素材2の側ではなく配線板素材1の側に設けておくようにしてもよい。すなわち、層間接続体32の形成およびプリプレグ12Aの積層を、配線板素材1の配線層22上(絶縁層11上)であらかじめ行うようにする。この場合、実装されたチップ部品41および半導体素子42が、一見、層間接続体32をスクリーン印刷で形成するときに干渉要因となるように見えるが、チップ部品41および半導体素子42として十分薄い部品の場合は実際上干渉要因とはならない。プリプレグ12Aの積層工程のときには、チップ部品41および半導体素子42の厚さを吸収できるクッション材を介在させて加圧・加熱すれば面内方向均一にプリプレグ12Aを積層できる。
1…配線板素材、2…配線板素材、3…配線板素材、11…絶縁層、11A…プリプレグ、12…絶縁層、12A…プリプレグ、13…絶縁層、13A…プリプレグ、14…絶縁層、14A…プリプレグ、15…絶縁層、21…配線層(配線パターン)、21A…金属箔(銅箔)、22…配線層(配線パターン)、22A…金属箔(銅箔)、23…配線層(配線パターン)、23A…金属箔(銅箔)、24…配線層(配線パターン)、24A…金属箔(銅箔)、25…配線層(配線パターン)、26…配線層(配線パターン)、26A…金属箔(銅箔)、31,32,34,35…層間接続体(導電性組成物印刷による導電性バンプ)、33…スルーホール導電体、41…チップ部品(電気/電子部品)、41a…端子、42…半導体素子(ウエハレベル・チップスケールパッケージによる)、42a…表面実装用端子、42b…再配線層、42c…端子パッド、42d,42e…絶縁層、42w…半導体ウエハ、51,52…接続部材(はんだまたは導電性組成物)、51A,51B…クリームはんだまたは硬化前導電性組成物、61,62…はんだレジスト、71,72…開口部、81,82…部品用開口部、83…貫通孔。

Claims (6)

  1. 第1の絶縁板上に積層された金属箔をパターニングし、端子パッドを有する半導体チップと、該端子パッドに電気的に接続されたグリッド状配列の表面実装用端子とを備えた半導体素子を実装するためのランドである第1のランドと、表面実装用のチップ部品を実装するためのランドである第2のランドとを含む配線パターンを形成する工程と、
    前記第1の絶縁板上の前記第1、第2のランド上にクリームはんだまたは未硬化の導電性組成物を適用する工程と、
    前記クリームはんだまたは前記導電性組成物を介して前記第1の絶縁板の前記第1のランド上に前記半導体素子を載置する工程と、
    前記クリームはんだまたは前記導電性組成物を介して前記第1の絶縁板の前記第2のランド上に前記チップ部品を載置する工程と、
    前記第1のランド上に前記半導体素子が載置され前記第2のランド上に前記チップ部品が載置された状態において、前記クリームはんだをリフローすべくまたは前記導電性組成物を硬化すべく加熱して、前記半導体素子を前記第1のランドにおよび前記チップ部品を前記第2のランドに接続する工程と、
    前記第1の絶縁板とは別の絶縁板である第2の絶縁板中に、前記第1のランドに接続された前記半導体素子および前記第2のランドに接続された前記チップ部品を埋め込むように、前記第1の絶縁板に積層状に前記第2の絶縁板を一体化する工程と
    を具備する部品内蔵配線板の製造方法。
  2. 前記クリームはんだが、はんだ粒に加えて銅粒をフラックス中に分散させたクリームはんだである請求項1記載の部品内蔵配線板の製造方法。
  3. 前記半導体素子における前記表面実装用端子と前記端子パッドとの電気的な接続が、前記半導体チップ上に形成された再配線層によりなされている請求項1記載の部品内蔵配線板の製造方法。
  4. 前記半導体素子の厚さが、前記チップ部品の高さより薄い請求項1記載の部品内蔵配線板の製造方法。
  5. 前記半導体素子の前記表面実装用端子が、LGAの端子である請求項1記載の部品内蔵配線板の製造方法。
  6. 前記半導体素子の前記表面実装用端子が、表層としてNi/Auめっき層を有するか、表層としてすずめっき層を有するか、表層としてCuであるかのいずれかである請求項1記載の部品内蔵配線板の製造方法。
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