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JP2013105634A - 燃料電池システム - Google Patents

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JP2013105634A JP2011248824A JP2011248824A JP2013105634A JP 2013105634 A JP2013105634 A JP 2013105634A JP 2011248824 A JP2011248824 A JP 2011248824A JP 2011248824 A JP2011248824 A JP 2011248824A JP 2013105634 A JP2013105634 A JP 2013105634A
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雅直 服部
Tetsuya Watanabe
哲也 渡辺
Tomonori Asano
友徳 浅野
Hitoshi Hara
人志 原
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Abstract

【課題】従来に比べてメンテナンス作業の作業性が向上し、逆止弁等に漏れが発生しても外部に燃料ガスが排出されることを防止できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】
燃料電池7と、燃料ガスを改質装置8に供給する燃料ガス供給経路5と、燃料ガスをアノード反応ガスに改質する改質装置8と、空気を燃料電池7に供給するカソード空気供給経路3と、燃料ガス供給経路5に空気を導入する改質用空気導入経路8とを有した燃料電池システム1であって、カソード空気供給経路3と改質用空気導入経路6を通過する空気の導入部を共有する構成としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関するものである。本発明は、特に固体酸化物形燃料電池を用いた燃料電池システムに好適である。
発電モジュールとして、燃料電池が知られている。この燃料電池は、燃料(例えば、水素やメタン)と空気(酸素)の化学反応による化学エネルギーを、熱変換処理を行わずに直接電気エネルギーとして取り出すことができるため、従来のガスエンジン等の熱機関を利用した発電機に比べてエネルギー変換効率が高いという利点がある。
燃料電池の中でも、固体酸化物形燃料電池(SOFC;Solid Oxide Fuel Cells)は、他の燃料電池に比べて、作動に適した温度(作動温度)が摂氏700度〜摂氏1,000度と高温であるため、高価な白金触媒を使用する必要がないという点、改質ガスを使用可能であるという点で優れている。
SOFCは、アノード(燃料極)とカソード(酸素極)とアノードとカソードに挟まれた固体酸化物電解質とによって、単電池(所謂、単セル)を形成し、単セルを複数備えた電池スタックで構成される。
SOFCの基本的な発電原理を説明すると、カソードで酸素が電子と反応して酸化物イオンとなり、酸化物イオンが固体酸化物電解質を通り、アノードで水素と反応して水蒸気と電子を生成する。さらに、アノードで一酸化炭素と酸化物イオンが反応して二酸化炭素と電子を生成する。この固体酸化物電解質は、酸化物イオンを通すが、水蒸気や一酸化炭素、電子を通さない。そのため、アノードで生じた電子は、アノードとカソードを結ぶ外部回路内を移動してカソードに至り、カソードで再び酸素をイオン化することによって外部回路に電流が流れる。
ところで、SOFCのアノードに供給される水素や一酸化炭素は、都市ガス、メタノール、ガソリン、プロパンガスなどの燃料を改質装置によって改質することで得られる。
従来、改質を行う場合、SOFCが起動してある程度の高温領域(例えば摂氏500度以上)に至るまでの間(以下、起動動作ともいう)では、部分酸化改質法(POX;Partial Oxidation Reforming)、自己熱改質法(ATR;Auto Thermal Reforming)、水蒸気改質法(SR;Steam Reforming)を適宜組み合わせて行い、高温領域(例えば摂氏500度以上)に至ってからは、水蒸気改質法(SR)のみ行っている。
即ち、水蒸気改質法に用いる反応は吸熱反応であるため、ある程度高温領域下でないと反応が起こりにくい。そのため、SOFCが起動してある程度の高温領域(例えば摂氏500度以上)に至るまでの間では、3つの改質法を組み合わせて、水素リッチな条件を形成するとともに、バーナー等を用いて温度を上昇させている。
具体的には、部分酸化改質法(POX)を用いると下記反応(1)が起こり、自己熱改質法(ATR)を用いると下記反応(2)が起こり、水蒸気改質法(SR)を用いると下記反応(3)が起こる。
Figure 2013105634
即ち、高温領域(摂氏500度以上)に至るまでの間では、部分酸化改質法(POX)と自己熱改質法(ATR)を用いるため、燃料ガスを空気(酸素)と混合する必要がある。そのため、従来のSOFCを用いた燃料電池システムでは、外部から燃料電池に空気(酸素)を供給する経路(以下、空気供給経路ともいう)と燃料電池に燃料ガスを供給する経路(以下、燃料ガス経路ともいう)が設けられており、さらに、燃料ガス経路に改質ガス用の空気を導入する経路(以下、改質用空気経路ともいう)が別途に接続されている(例えば、特許文献1)。
特開2011−76846号公報
例えば、特許文献1の燃料電池システムでは、改質用空気経路には、吸気フィルター、改質用空気ブロワ、バッファータンク、流量センサー、閉止弁、逆止弁等の補機類が設けられている。また、燃料ガスと混合される空気は、吸気フィルターから導入され、改質用空気ブロワ、バッファータンク、流量センサー、閉止弁、逆止弁を通過して、燃料ガス経路に導入される。
ところが、上記したように高温領域(摂氏500度以上)に至り、SOFCの発電が開始すると、水蒸気改質法のみが行われる。即ち、水蒸気改質反応では、反応式(3)のように燃料ガスと水蒸気のみが反応し、空気(酸素)は反応に関与しないため、SOFCの発電中は、前記した改質用空気経路を使用しない。
即ち、SOFCの発電中において、改質用空気経路の下流側(燃料ガス経路側)は、燃料ガスのみが供給されており、改質用空気経路の上流側(改質用空気ブロワ側)は、空気を吸引していないため大気圧となっている。言い換えると、改質用空気経路は、燃料ガス経路に対して相対的に負圧となっている。そのため、SOFCの発電時に閉止弁及び逆止弁に漏れが発生すると、燃料電池内に供給される燃料ガスが逆流し、燃料ガスが改質用空気経路を介して吸気フィルターから外部に排出される虞があった。
また、改質用空気経路は、空気供給経路とは別途に設けているため、供給ガスが共に空気であるにも関わらず、そのそれぞれの経路に吸気フィルターを取り付けなければならない。そのため、吸気フィルターのメンテナンス作業を別途行わなければならず、作業性が悪い。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するものであり、従来に比べてメンテナンス作業時の作業性が向上し、例え逆止弁等に漏れが発生しても外部に燃料ガスが排出されることを防止可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、燃料電池と、燃料ガスを燃料電池のアノード反応ガスに改質する改質装置と、改質装置に燃料ガスを供給する燃料ガス供給経路と、燃料電池にカソード反応ガスたる空気を供給するカソード空気供給経路と、改質装置又は燃料ガス供給経路に接続され改質に用いられる空気を供給するための改質用空気導入経路とを有した燃料電池システムであって、改質用空気導入経路には、改質用空気導入経路内に空気を取り込む改質用空気取込手段が設けられており、カソード空気供給経路には、カソード空気供給経路内に空気を取り込むカソード空気取込手段が設けられており、前記カソード空気供給経路と前記改質用空気導入経路に導入される空気は、同一の空気導入部から導入されることを特徴とする燃料電池システムである。
本発明の構成によれば、カソード空気供給経路と改質用空気導入経路に導入される空気は、同一の空気導入部から導入される。即ち、同一の空気導入部を用いているため、従来のように、改質用空気導入経路とカソード空気供給経路の双方にそれぞれ吸気フィルターを設ける必要がない。それ故に、吸気フィルターにかかるコストを低減できる。また、吸気フィルターを設けるスペースも省略できるため、燃料電池システム全体の省スペース化が可能である。さらに、改質用空気導入経路及び空気供給経路の空気導入部が同一であるため、吸気フィルターの交換等のメンテナンス作業を同時にできる。即ち、メンテナンス作業にかかる時間を短縮することができ、従来に比べてメンテナンス作業の作業性が向上する。
また、燃料電池の発電時では、カソード空気供給経路では、空気導入部からカソード空気取込手段によってカソード反応ガスたる空気が吸引されている。それ故に、燃料電池の発電時に閉止弁及び逆止弁等に燃料ガスの漏れが発生し、燃料ガスが改質用空気導入経路に逆流したとしても、同一の空気導入部を用いているため、逆流した燃料ガスは、空気導入部でカソード空気供給経路内に吸引される。そのため、空気導入部から外部に排出されることを防止できる。
請求項2に記載の発明は、前記空気導入部と前記改質用空気取込手段との間には、逆止弁が設けられており、前記逆止弁は、空気導入部から改質用空気取込手段に向けて流通を可能とするものであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムである。
本発明の構成によれば、逆止弁は、空気導入部から改質用空気取込手段に向けて流通を可能とするものであるため、改質用空気取込手段側からの逆流を防止することができる。そのため、従来の燃料電池システムに比べて燃料ガス供給経路側から空気導入部側に逆流しにくい。また、改質用空気導入経路に空気が流通していない場合において、例え、空気導入部の吸気フィルター等にほこり等が溜まり、目詰まりを起こしたとしても、カソード空気取込手段の吸引力によって、改質用空気導入経路内の空気が空気導入部を介してカソード空気供給経路内に取り込まれることを防止できる。
本発明の構成によれば、カソード空気供給経路と改質用空気導入経路の空気導入部を共有しているため、従来に比べてメンテナンス作業の作業性が向上し、例え、逆止弁等に漏れが発生しても外部に燃料ガスが排出されることを防止できる。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムを示す作動原理図である。 図1の燃料電池システムの作動原理図であり、カソード空気供給経路を黒塗りで示した図である。 図1の燃料電池システムの作動原理図であり、燃料ガス供給経路を黒塗りで示した図である。 図1の燃料電池システムの作動原理図であり、改質用空気導入経路を黒塗りで示した図である。 図1の空気導入部を表す斜視図であり、空気の流れを矢印で示している。 図1の燃料電池システムの作動原理図であり、起動動作時の空気及び燃料ガスの流れを矢印で示した図である。 図1の燃料電池システムの作動原理図であり、発電動作時の空気及び燃料ガスの流れを矢印で示した図である。 図1の燃料電池システムの作動原理図であり、閉止弁及び逆止弁が破損したと仮定した際の燃焼ガスの流れを矢印で示した図である。 図8の空気導入部を表す平面図であり、改質用空気導入経路から逆流した燃料ガスの流れを矢印で示している。 本発明の燃料電池システムの参考例となる作動原理図である。
以下に、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システム1について説明する。
本発明の燃料電池システム1は、図1のように燃料電池モジュール2と、カソード空気供給経路3と、燃料ガス供給経路5と、改質用空気導入経路6と、空気導入部20とを備えている。
燃料電池モジュール2は、モジュール筐体11内に、少なくとも燃料電池7と改質装置8と温度センサー10を内蔵している。また、モジュール筐体11内には、図示しないバーナー等の加熱装置が設けられている。
燃料電池7は、特に限定されるものではないが、自己発熱を改質に利用できる観点から中温又は高温作動形の燃料電池が好ましい。ここでいう中温又は高温作動形とは、作動温度が摂氏500度以上である燃料電池を表す。中温又は高温作動形の燃料電池の一例としては、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC;Molten Carbonate Fuel Cells)や固体酸化物形燃料電池などが挙げられる。なお、本実施形態では、固体酸化物形燃料電池を用いて説明する。
改質装置8は、公知のものと同様であり、燃料ガスをアノード反応ガスに改質可能な改質装置である。本実施形態では、燃料ガスを、少なくとも水素と一酸化炭素に改質可能となっている。
温度センサー10は、モジュール筐体11内の温度を感知するセンサーであり、具体的には、熱電対である。
カソード空気供給経路3は、図2の黒塗りのように、空気導入部20と、燃料電池モジュール2とを接続する流路であり、カソード空気供給経路3は、モジュール筐体11内の燃料電池7のカソードに接続されている。
カソード反応ガスは、燃料電池7の発電時に燃料電池7のカソードで反応キャリアとして使用されるガスであり、具体的には、空気である。
カソード空気供給経路3は、空気の流れ方向上流側(空気導入部20側)から下流側(燃料電池7側)に向けて順にカソードブロワ12(カソード空気取込手段)と、流量センサー15と、逆止弁16が設けられている。
カソードブロワ12は、公知の昇圧ブロワであり、空気の流量を制御可能となっている。
流量センサー15は、公知の流量センサーであり、カソード空気供給経路3内を通過する空気の流量を検知するセンサーである。
逆止弁16は、公知の逆止弁であり、燃料電池モジュール2側から空気が逆流することを防止するために設けられている。即ち、空気の流れ方向上流側(空気導入部20側)から下流側(燃料電池モジュール2側)への流通が可能となっている。
燃料ガス供給経路5に目を移すと、燃料ガス供給経路5は、図3の黒塗りのように燃料ガス導入部21と、燃料電池モジュール2とを接続する流路であり、原則的に燃料ガスが通過する流路である。燃料ガス供給経路5は、モジュール筐体11内の改質装置8に接続されている。
燃料ガスは、改質装置8によって改質されるガスであり、少なくとも組成に炭素を含有するガスである。例えば、都市ガス、プロパンガスなどが採用されている。
燃料ガス供給経路5は、燃料ガスの流れ方向上流側(燃料ガス導入部21側)から下流側(改質装置8側)に向けて順に流量調整部22と、流量センサー23と、脱硫器25と、逆止弁27が設けられている。
流量調整部22は、燃料ガスの流量を調整する部位であり、バルブ61やガバナ62や昇圧ブロワ63やバッファータンク64を組み合わせて形成されている。
流量センサー23は、公知の流量センサーであり、燃料ガス供給経路5内を通過する燃料ガスの流量を検知するセンサーである。
脱硫器25は、公知の脱硫器であり、燃料ガスから硫化物成分を取り除く装置である。
逆止弁27は、公知の逆止弁であり、燃料電池モジュール2側から燃料ガス等が逆流することを防止するために設けられている。即ち、燃料ガスの流れ方向上流側(燃料ガス導入部21側)から下流側(燃料電池モジュール2側)への流通が可能となっている。
改質用空気導入経路6に目を移すと、改質用空気導入経路6は、図4の黒塗りのように、空気導入部20と、燃料ガス供給経路5とを接続する流路である。
改質用空気導入経路6は、燃料ガス供給経路5の脱硫器25の燃料ガスの流れ方向下流側でかつ、逆止弁27の上流側に接続されている。
改質用空気導入経路6は、空気の流れ方向上流側(空気導入部20側)から下流側(燃料ガス供給経路5側)に向けて順に、逆止弁30、改質用空気ブロワ31(改質用空気取込手段)と、流量センサー32と、閉止弁33と、逆止弁35が設けられている。
改質用空気ブロワ31は、公知の昇圧ブロワであり、改質用空気の流量を制御可能となっている。
流量センサー32は、公知の流量センサーであり、改質用空気導入経路6内を通過する空気の流量を検知するセンサーである。
逆止弁30,35は、公知の逆止弁であり、燃料電池モジュール2側からガス(空気も含む)が逆流することを防止するために設けられている。即ち、改質用空気の流れ方向上流側(空気導入部20側)から下流側(燃料ガス供給経路5側)へのガス(空気も含む)の流通が可能となっている。
閉止弁33は、公知の電磁弁であって、通電することで開状態となるものが採用されている。
空気導入部20に目を移すと、空気導入部20は、図5のように、一方の方向に開口53を有した筐体50を、フィルター部51によって仕切ることによって形成されている。開口53とフィルター部51を介して対向する内壁55にカソード空気供給経路3と改質用空気導入経路6が幅方向wに並列して接続されている。そして、内壁55とフィルター部51との間には、所定の間隔が設けられており、筐体50の内壁と、フィルター部51によって閉鎖された空間52が形成されている。即ち、カソード空気供給経路3と改質用空気導入経路6は、内壁55に開口し、筐体50の空間52と連通している。
フィルター部51は、公知の布や活性炭等を組み合わせて、フィルター部51を通過する空気からゴミや粉塵等を除去するものである。
続いて、本実施形態の燃料電池システム1の通常の運転モードにおける動作について説明する。なお、本実施形態の燃料電池システム1の通常の運転動作は、公知技術とほぼ同様であるため、運転動作時の空気及び燃料ガスの流れについては簡単に説明するのみとする。
本実施形態の燃料電池システム1は、起動して高温領域(摂氏500度以上)に達するまでの起動動作と、高温領域に達した後の発電動作とに区分される。
起動動作では、カソード空気供給経路3と、燃料ガス供給経路5と、改質用空気導入経路6に空気及び/又は燃料ガスが流通する。即ち、カソード空気供給経路3では、図6の矢印のように、カソードブロワ12の吸引力によって、空気導入部20から空気が導入され、逆止弁16を通って、燃料電池7のカソードに供給される。
燃料ガス供給経路5では、図6の矢印のように、流量調整部22によって、空気導入部20から燃料ガスが導入され、脱硫器25を通る。一方、改質用空気導入経路6では、改質用空気ブロワ31の吸引力によって、空気導入部20から空気が導入され、逆止弁30,35、閉止弁33を通って、燃料ガス供給経路5に導入される。そして、燃料ガス供給経路5と改質用空気導入経路6の接続部位36で燃料ガスと空気が混合される。その後、当該混合されたガスは、逆止弁27を通って、モジュール筐体11内部の改質装置8に至り、上記したように改質装置8で改質されて燃料電池7のアノードに供給される。
一方、発電動作では、図7に示すように、カソード空気供給経路3と、燃料ガス供給経路5に空気又は燃料ガスが流通し、改質用空気導入経路6には空気及び燃料ガスが流通しない。即ち、改質用空気ブロワ31が停止し、閉止弁33が閉鎖されることによって、改質用空気導入経路6が閉鎖されている。
燃料ガス供給経路5では、図7の矢印のように、流量調整部22によって、燃料ガス導入部21から燃料ガスが導入され、脱硫器25を通り、改質用空気導入経路6との接続部位36で空気と混合されずに逆止弁27を通って、改質装置8に至る。そして、上記したように改質装置8で改質されて燃料電池7のアノードに供給される。
以上が、運転動作時の空気及び燃料ガスの流れの説明である。
ところで、上記したように、発電動作では改質用空気導入経路6には空気及び燃料ガスが流通しない。そのため、例えば、図10のようなカソード空気供給経路3と改質用空気導入経路6のそれぞれに空気導入部101,102を備えた燃料電池システム100では、発電時に、改質用空気導入経路6内は大気圧になっており、燃料ガス供給経路5に対して改質用空気導入経路6が相対的に負圧となる。即ち、逆止弁35及び閉止弁33に漏れが発生すると、燃料ガス導入部21から導入された燃料ガスの一部が燃料電池モジュール2側に流れず、改質用空気導入経路6側に流れる虞があった。改質用空気導入経路6側に流れると、燃料電池7内にアノード反応ガスの滞留が起こり、アノード反応ガスの欠乏状態で反応が進行するため、燃料電池7に過負荷がかかる虞があった。
そこで、本実施形態の燃料電池システム1は、逆止弁35及び閉止弁33、逆止弁30の故障を検知する機能を有する。
なお、本実施形態の燃料電池システム1は、発電時には逆止弁35や閉止弁33、逆止弁30によって逆流が防止されているため、原則的には燃料ガスの逆流は起こらない。そこで、外的要因等によって逆止弁35や閉止弁33、逆止弁30が破損したものと仮定して、この特徴的機能たる逆止弁35及び閉止弁33、逆止弁30の故障を検知する機能について、図面を用いて詳細に説明する。
逆止弁35及び閉止弁33、逆止弁30が故障している場合の燃料ガスの流れについて説明する。
まず、図8の矢印のように、燃料ガス供給経路5において、燃料ガス導入部21から導入され脱硫器25を通過した燃料ガスは、大部分が改質用空気導入経路6側に流れる。そして、改質用空気ブロワ31、逆止弁30を通って、空気導入部20に至る。
ここで、発電時において、カソードブロワ12によって、カソード空気供給経路3側に吸引し続けているため、図9のように、空気導入部20の空間52に排出した燃料ガスは、カソードブロワ12によって、カソード空気供給経路3内に吸引される。
そして、図8の矢印のように、カソード空気供給経路3内に吸引された燃料ガスは、カソードブロワ12,逆止弁16を通って、燃料電池7に至る。モジュール筐体11内で、当該燃料ガスは空気と混合燃焼され、異常燃焼を起こす。温度センサー10(異常検知手段)がモジュール筐体11内の通常時の発電温度に対して10パーセント以上の温度上昇を感知すると、燃料電池7の運転を停止するように制御されている。より詳細には、モジュール筐体11内の通常時の発電温度が摂氏700度から摂氏800度であれば、摂氏900度以上の温度を検知すると異常と認識し、燃料電池7の運転を停止するように制御されている。
燃料電池システム1によれば、モジュール筐体11内に生じる異常燃焼を検知することによって、逆止弁35及び閉止弁33、逆止弁30の漏れを検知することができる。
また、燃料電池システム1によれば、空気導入部20の空間52に排出した燃料ガスは、カソードブロワ12によって、カソード空気供給経路3内に吸引されるため、燃料電池システム1の外部に燃料ガスが漏洩することがない。即ち、安全に燃料電池システム1を停止することができる。
燃料電池システム1によれば、異常燃焼を検知すると、燃料電池7の運転を停止する。したがって、燃料電池7内にアノード反応ガスの滞留が起こって、アノード反応ガスの欠乏状態下で反応が進行することを防止できる。
また、燃料電池システム1によれば、発電動作時において、例え、空気導入部20のフィルター部51にほこり等が溜まり、目詰まりを起こしたとしても、カソードブロワ12の吸引力によって、改質用空気ブロワ31内の空気が空気導入部20を介して、カソード空気供給経路3内に取り込まれることを防止できる。
上記した実施形態では、異常検知手段として温度センサー10を用い、弁の破損を異常燃焼による温度変化によって検知したが、本発明はこれに限定されるものではなく、燃料電池の出力を監視し、燃料電池の単位時間当たりの出力の変化によって異常を検知し、弁の破損を検知してもよい。例えば、燃料電池の通常時の平均出力に対して5パーセント以上の出力の低下を感知し、所定時間以上に亘って出力の低下状態が続いた場合、燃料電池7の運転を停止するように制御されていることが好ましい。
1 燃料電池システム
3 カソード空気供給経路
5 燃料ガス供給経路
6 改質用空気導入経路
7 燃料電池
8 改質装置
12 カソードブロワ(カソード空気取込手段)
20 空気導入部
30 逆止弁
31 改質用空気ブロワ(改質用空気取込手段)

Claims (2)

  1. 燃料電池と、燃料ガスを燃料電池のアノード反応ガスに改質する改質装置と、改質装置に燃料ガスを供給する燃料ガス供給経路と、燃料電池にカソード反応ガスたる空気を供給するカソード空気供給経路と、改質装置又は燃料ガス供給経路に接続され改質に用いられる空気を供給するための改質用空気導入経路とを有した燃料電池システムであって、
    改質用空気導入経路には、改質用空気導入経路内に空気を取り込む改質用空気取込手段が設けられており、
    カソード空気供給経路には、カソード空気供給経路内に空気を取り込むカソード空気取込手段が設けられており、
    前記カソード空気供給経路と前記改質用空気導入経路に導入される空気は、同一の空気導入部から導入されることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記空気導入部と前記改質用空気取込手段との間には、逆止弁が設けられており、
    前記逆止弁は、空気導入部から改質用空気取込手段に向けて流通を可能とするものであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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