JP2013172671A - 油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[1]植物油脂由来のモノグリセリドを含有する油脂組成物であって、該組成物全量に基づき、グリセリン含有量が1.5質量%以下であり、かつアスコルビン酸含有量が300〜2,000質量ppm、トコフェロール含有量が100〜1,000質量ppm、及びクエン酸含有量が100〜1,000質量ppmである油脂組成物、[2]植物油脂とグリセリンとを、触媒の存在下でエステル交換反応させる工程(I)、得られたエステル交換反応生成物を蒸留して、グリセリン含有量を油脂組成物全量に基づき1.5質量%以下にする工程(II)、アスコルビン酸、トコフェロール及びクエン酸を添加する工程(III)を有する前記[1]の油脂組成物の製造方法、及び[3]食品添加物である。
【選択図】なし
Description
このモノグリセリドは、グリセリンと脂肪酸から直接エステル化反応により、又はグリセリンと油脂のエステル交換反応により製造されている。これらの反応では、一般に、グリセリン、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドの混合物が生じ、グリセリンを除いて計算したモノグリセリド含有量は、エステル混合物中の35〜70質量%にとどまる。このため、より性能の高い、すなわち、高純度のモノグリセリドを得たい場合には、蒸留等の精製が行われる。
なお、前記グリセリンと脂肪酸から直接エステル化反応により、又はグリセリンと油脂のエステル交換反応により、モノグリセリドを製造する場合、通常触媒として、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物が用いられる。
天然物由来の酸化防止剤としては、例えば、油溶性の酸化防止剤として油脂への溶解性が大きいトコフェロール、ローズマリー抽出物、レシチン等があり、また、水溶性の酸化防止剤としては、アスコルビン酸、没食子酸、茶カテキン等が酸化防止効果が大きいとして多用されている。
特許文献1には、食品への馴染み、調理品の食感、外観に優れた油脂組成物として、モノグリセリドを0.1〜10重量%含有する油脂にジグリセリン脂肪酸エステルを0.1〜3重量部、酸化防止剤を0.01〜2重量部含有した油脂組成物が開示されている。
特許文献2には、高温で長時間加熱されても、風味良好で着色し難く、酸化安定性等に優れた油脂組成物として、ジグリセリドとトリグリセリドからなる油脂に酸化防止剤を0.004〜5重量%含有した油脂組成物が開示されている。この油脂組成物のモノグリセリド含有量は0.1〜10重量%である。
特許文献3には、血中コレステロールの低下に有効な油脂組成物として、植物ステロール12〜60重量%、モノグリセリド15〜87重量%を含む油脂に、トコフェロール等の酸化防止剤を0.02〜3重量%含有した油脂組成物が開示されている。
しかしながら、従来の油脂組成物は、長期保存した場合における酸化防止効果が不十分であり、特に植物性油脂由来の固体又は半固体状のモノグリセリドを主成分とする油脂においては、経時で固体表面に著しい着色を生じ、商品価値が低下するという問題があった。
[1]植物油脂由来のモノグリセリドを35〜70質量%含有する油脂組成物であって、該組成物全量に基づき、アスコルビン酸含有量が300〜2,000質量ppm、トコフェロール含有量が100〜1,000質量ppm、クエン酸含有量が100〜1,000質量ppmである油脂組成物。
[2]下記工程(I)〜(III)を有する、上記[1]の油脂組成物の製造方法。
工程(I):植物油脂とグリセリンとを、触媒の存在下でエステル交換反応させる工程
工程(II):工程(I)で得られたエステル交換反応生成物を蒸留して、グリセリン含有量を油脂組成物全量に基づき1.5質量%以下にする工程
工程(III):アスコルビン酸、トコフェロール及びクエン酸を添加する工程
[3]前記[1]の油脂組成物を含む食品添加物。
本発明の油脂組成物は、植物油脂由来のモノグリセリド(グリセリンのモノ脂肪酸エステル)を35〜70質量%含有する油脂組成物であって、該組成物全量に基づき、アスコルビン酸含有量が300〜2,000質量ppm、トコフェロール含有量が100〜1,000質量ppm、クエン酸含有量が100〜1,000質量ppmである。なお、動物油脂由来のモノグリセリドを含有する油脂組成物の場合は、着色の問題は生じない。
本発明の油脂組成物は、室温で固体又は半固体である場合に、本発明の効果がより効果的に発揮される。
油脂は、脂肪酸とグリセリンとのトリグリセリルエステル、すなわちトリグリセリドを主成分とするものであって、天然油脂は植物油脂と動物油脂とに分類される。
本発明においては、モノグリセリドの原料として植物油脂が用いられる。
植物油脂は、植物の果実、種子等から採取される油脂で、例えばパーム油、パーム核油、大豆油、ナタネ油、コーン油、ヒマワリ油、サフラワー油、ツバキ油、オリーブ油、ヒマシ油等が挙げられる。
これらの植物油脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、得られるモノグリセリドの性能の観点から、パーム油が好適である。
なお、該モノグリセリドの含有量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定することができる。
また、本発明の油脂組成物中のグリセリン含有量は1.5質量%以下であることが好ましく、1.5質量%を超えると用途にもよるが、乳化性能が劣る場合がある。
なお、モノグリセリドの含有量及びグリセリン含有量の制御方法については、後述する本発明の油脂組成物の製造方法において説明する。
本発明の油脂組成物においては、経時による色相の変化(ピンク色又は薄茶色に着色)を抑制するために、酸化防止剤として、アスコルビン酸、トコフェロール及びクエン酸を特定量含有する。
アスコルビン酸(ビタミンC)は下記の化学構造で示されるようにγ−ラクトン環をもつ糖の誘導体で、カルボキシ基はないが、C−2,3位の炭素のエノールのプロトンの解離によって酸となっている。
ビタミンEは、脂溶性ビタミンであり、生体内の生理活性を高めるために不可欠な栄養素としてだけでなく、近年では加齢による脂質の代謝異常の改善、血栓症の防止、体内での過酸化脂質の生成の抑制による成人病の予防や治療に対してもその有効性が見出されている。
ビタミンEには、トコフェロール類(α−、β−、γ−及びδ−トコフェロール)とトコトリエノール類(α−、β−、γ−及びδ−トコトリエノール)の8種類が存在する。いずれも、無色ないし淡黄色で粘稠性の油状物質であり、有機溶媒によく溶け、水に溶けない。酸化剤によって容易に酸化され暗色となる。トコフェロール及びトコトリエノールには、d、l、dlの光学異性体が存在するが、天然のものはすべてd体である。
このうち、酸化防止にはγ−、及びδ−トコフェロールが、生理活性についてはα−及びβ−トコフェロールが特に有効であるとされている。
本発明においては、トコフェロールの含量の高いビタミンEを使用することが有利であり、α−及びβ−トコフェノロールが、ビタミンE中に好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、更に好ましくは40重量%以上含まれるものであることが望ましい。また、各トコフェロールの含有量が調整された市販のビタミンEを使用することができる。
本発明の油脂組成物においては、クエン酸の含有量は、該組成物全量に基づき、100〜1,000質量ppmの範囲で選ばれる。この含有量が100質量ppm未満では、経時による色相の変化(ピンク色又は薄茶色に着色)を充分に抑制することができず、一方1,000質量ppmを超えると、クエン酸特有の酸味を含んだ食味が強くなる。また、その量の割には、経時による色相変化を抑制する効果の向上は見られない。このような観点から、クエン酸の含有量は、好ましくは150〜800質量ppm、より好ましくは200〜600質量ppm、更に好ましくは250〜500質量ppmである。
それに対して、本発明の油脂組成物においては、アスコルビン酸、トコフェロール、及びクエン酸を各々前記した比較的少量の範囲で含有させることで、食味に影響を与えずに、経時による色相変化を抑制する効果を得ることができる。
本発明の油脂組成物においては、経時による色相の変化を抑止し、食味の良好な油脂組成物を得る観点から、アスコルビン酸、トコフェロール、及びクエン酸の総含有量は、500〜4,000ppmであり、600〜2,500ppmが好ましく、700〜2,000ppmがより好ましく、800〜1,800ppmが更に好ましい。
本発明の油脂組成物の製造方法は、下記工程(I)〜(III)を有する。
工程(I):植物油脂とグリセリンとを、触媒の存在下でエステル交換反応させる工程
工程(II):工程(I)で得られたエステル交換反応生成物を蒸留して、グリセリン含有量を油脂組成物全量に基づき1.5質量%以下にする工程
工程(III):アスコルビン酸、トコフェロール及びクエン酸を添加する工程
本発明方法における工程(I)は、植物油脂とグリセリンとを、触媒の存在下でエステル交換反応させ、モノグリセリドを含有するエステル交換反応生成物を得る工程である。
工程(I)において、モノグリセリドの生成原料として用いる植物油脂としては、本発明の油脂組成物の前記説明で例示した各種の植物油脂の中から、得られる油脂組成物の用途に応じて、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。それらの中では、得られる油脂組成物の性能の観点からパーム油が特に好適である。一方、グリセリンとしては、純度80質量%以上のものであれば、特に限定されない。
植物性油脂100質量部に対し、例えばグリセリン15〜50質量部、及び水酸化カルシウム等の触媒0.005〜0.10質量部を加え、好ましくは窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で撹拌しながら、240〜260℃の温度でエステル交換反応を行うことができる。反応時間は、反応温度及び触媒量等に左右され、一概に決めることはできないが、通常10〜30分間である。
本発明方法における工程(II)は、工程(I)で得られたエステル交換反応生成物を蒸留して、グリセリン含有量を油脂組成物全量に基づき1.5質量%以下にする工程である。
まず、工程(I)で得られたエステル交換反応生成物に、酸剤、例えば75%リン酸を添加して、触媒の水酸化カルシウムを中和した後、蒸留を行うことが好ましい。この蒸留は、回分式水蒸気蒸留、回分式蒸留又は薄膜式蒸留等によって行うことができるが、蒸留の操作性の観点から、回分式水蒸気蒸留法が好ましい。
前記油脂組成物中のグリセリン含有量は、過ヨウ素酸法によって測定することができ、またモノグリセリドの含有量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定することができる。
本発明方法における工程(III)は、酸化防止剤として、アスコルビン酸、トコフェロール、及びクエン酸を添加する工程である。
アスコルビン酸、トコフェロール、及びクエン酸の添加量は、経時による色相の変化を抑止し、食味の良好な油脂組成物を得る観点から、油脂組成物全量に基づき、アスコルビン酸は300〜2,000質量ppm、トコフェロールは100〜1,000質量ppm、及びクエン酸は100〜1,000質量ppmの割合で添加することが好ましい。また、同様の観点から、アスコルビン酸、トコフェロール、及びクエン酸の総含有量は、600〜2,500ppmが好ましく、700〜2,000ppmがより好ましく、800〜1,800ppmが更に好ましい。
工程(II)では、工程(I)で得られたエステル交換反応生成物を蒸留して、グリセリン含有量を油脂組成物全量に基づき1.5質量%以下にするが、この際、エステル交換反応生成物は加熱により着色し易くなり、そのままでは、経時による色相の変化を抑制できない。そこで、アスコルビン酸、トコフェロール、及びクエン酸を上記の割合で添加して、酸化を防止する。
アスコルビン酸、トコフェロール、及びクエン酸の添加箇所について特に制限はないが、例えば、回分式水蒸気蒸留で脱グリセリンを行った後、珪藻土、パーライト等のろ過助剤を用いたろ過により、エステル交換触媒を吸着除去し、得られたろ過液に対して、前記の酸化防止剤の一部を添加し、十分に撹拌したのち、この混合物に、さらに、残りの酸化防止剤を添加してもよい。なお、クエン酸は水溶液として、トコフェロール及びアスコルビン酸と共に、前記所定の場所に添加してもよい。
このようにして、経時により色相の変化を抑制できる、植物油脂由来のモノグリセリドを含有する油脂組成物を効果的に製造することができる。
上記の方法で得られた本発明の油脂組成物は、好適には下記の性状を有している。
(1)25℃にて180日間保存後の色相は、製造直後品に比べて変化がない。
(2)グリセリン含有量は、1.5質量%以下、好ましくは1.0質量%以下である。
(3)モノグリセリドの含有量は35〜70質量%である。
(4)過酸化物価(POV)は、25℃、180日間保存後で、好ましくは1.2〜7.0meq/kg程度、より好ましくは1.5〜6.0meq/kg程度である。
(5)酸味又は苦味の食味がない。
本発明の食品添加物は、経時による色相の変化が少なく、かつ食味の良好な本発明の油脂組成物を含む。
本発明の食品添加物は、各種食品の製造、品質改良、保存、栄養強化等に用いられるものであるが、その加工形態、使用形態は、既知の食品添加物と同様である。例えば、本発明の油脂組成物を、そのままの状態で又は濃縮して使用することもできるし、乾燥させて粉末状としたり、増粘剤等を加えてゲル状、ペースト状に加工して取り扱い性を向上させて、食品に添加、混和、湿潤等をして、使用することもできる。
(1)モノグリセリドの含有量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定した。
(2)グリセリン含有量
過ヨウ素酸法に従って測定した。
(3)色相
各例で得られた試料を、チャック付きポリ袋(株式会社生産日本社製「ユニパックF−4」)に250mL入れ、25℃で180日間保存後の色相を下記の判定基準に従って、専門パネラー5名により目視にて評価した。
○:製造直後品(淡黄色)に比べて、色相の変化(ピンク色又は薄茶色に着色している箇所の存在)はないと4名以上が判断した。
△:製造直後品(淡黄色)に比べて、色相の変化(ピンク色又は薄茶色に着色している箇所の存在)はないと3名が判断した。
×:製造直後品(淡黄色)に比べて、色相の変化(ピンク色又は薄茶色に着色している箇所の存在)はないと2名以下が判断した。
(4)食味
専門パネラー5名により、各例で得られた試料0.2gを舌の上に置き、標品(アスコルビン酸、トコフェロール、クエン酸を添加せずに合成した油脂組成物)と比較して、下記の判定基準に従って、食味の官能評価を行った。
○:標品よりも強い酸味又は苦味は感じないと4名以上が判断した。
△:標品よりも強い酸味又は苦味は感じないと3名が判断した。
×:標品よりも強い酸味又は苦味は感じないと2名以下が判断した。
(5)過酸化物価(POV)
各実施例で得られた試料を、60℃で溶融して均一に混合した。この試料を用いて、基準油脂分析試験(2.5.2.1−2003)により過酸化物価(meq/kg)を測定した。
精製パーム油(植田製油株式会社製「RPOエース60」)を84.71質量部、及び精製グリセリン(花王株式会社製)37.92質量部に、触媒として水酸化カルシウム(関東化学株式会社製、試薬一級)を0.059質量部添加して、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら246〜255℃で20分間反応を行った。
次いで、この反応物に75質量%リン酸を0.088質量部添加したのち、180〜175℃で常圧から0.1kPaに真空にし、2.0〜0.1kPaで槽内量に対し、1質量%/hの水蒸気を吹込みながらグリセリンを留出させた。
次に、グリセリン留出残液を70℃まで冷却後、「ラヂオライト#100」(昭和化学工業株式会社製)を0.24質量部添加してろ過を行い、モノグリセリド含有量が62.1質量%及びグリセリン含有量が0.9質量%の生成物(1)を得た。
合成例2
合成例1と同様な操作により、モノグリセリド含有量が60.2質量%及びグリセリン含有量が0.5質量%の生成物(2)を得た。
合成例1で得た生成物(1)100質量部に、L−アスコルビン酸(キシダ化学株式会社製、試薬特級)を0.03質量部、トコフェロール(理研ビタミン株式会社製、理研Eオイル600(G))を0.03質量部、及び0.01質量部の水道水に溶解したクエン酸(磐田化学工業株式会社製)を0.03質量部配合した油脂組成物を調製した。
合成例2で得た生成物(2)100質量部に、L−アスコルビン酸(キシダ化学株式会社製、試薬特級)を0.03質量部、トコフェロール(理研ビタミン株式会社製、理研Eオイル600(G))を0.03質量部、及び0.01質量部の水道水に溶解したクエン酸(磐田化学工業株式会社製)を0.03質量部配合した油脂組成物を調製した。
実施例3
実施例1において、L−アスコルビン酸(キシダ化学株式会社製、試薬特級)の量を0.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして油脂組成物を調製した。
実施例4
実施例1において、トコフェロール(理研ビタミン株式会社製、理研Eオイル600(G))の量を0.08質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして油脂組成物を調製した。
実施例5
実施例1において、クエン酸(磐田化学工業株式会社製)の量を0.08質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして油脂組成物を調製した。
合成例1で得た生成物(1)100質量部に、L−アスコルビン酸(キシダ化学株式会社製、試薬特級)の量を0.02質量部、トコフェロール(理研ビタミン株式会社製、理研Eオイル600(G))を0.03質量部、及び0.01質量部の水道水に溶解した0.03質量部のクエン酸(磐田化学工業株式会社製)を配合して油脂組成物を調製した。
比較例2〜6
比較例1と同様にして、合成例1で得た生成物(1)100質量部に、L−アスコルビン酸(キシダ化学株式会社製、試薬特級)、トコフェロール(理研ビタミン株式会社製、理研Eオイル600(G))、及びクエン酸(磐田化学工業株式会社製)を表1に示す割合で配合して油脂組成物を調製した。
精製ラード84.71質量部、精製グリセリン(花王株式会社製)38.86質量部に、触媒として水酸化カルシウム(関東化学株式会社製、試薬一級)を0.0588質量部添加して、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら246〜255℃で20分間反応を行った。
次いで、この反応物に75質量%リン酸を0.088質量部添加したのち、180〜175℃で、2.0〜0.1kPaの真空下にて槽内量に対し、1質量%/hの水蒸気を吹込みながらグリセリンを留出させた。
次に、グリセリン留出残液を70℃まで冷却後、「ラヂオライト#100」(昭和化学工業株式会社製)を0.24質量部添加してろ過を行い、モノグリセリド含有量が62.2質量%及びグリセリン含有量が0.5質量%の生成物(3)を得た。
次いで、この生成物100質量部に、L−アスコルビン酸(キシダ化学株式会社製、試薬特級)を0.02質量部、トコフェロール(理研ビタミン株式会社製、理研Eオイル600(G))を0.005質量部、及び0.01質量部の水道水に溶解したクエン酸(磐田化学工業株式会社製)を0.005質量部配合して油脂組成物を調製した。
前記の実施例1〜5、比較例1〜6及び参考例1の条件及び結果を表1に示す。
Claims (9)
- 植物油脂由来のモノグリセリドを35〜70質量%含有する油脂組成物であって、該組成物全量に基づき、アスコルビン酸含有量が300〜2,000質量ppm、トコフェロール含有量が100〜1,000質量ppm、クエン酸含有量が100〜1,000質量ppmである油脂組成物。
- 室温で固体又は半固体である、請求項1に記載の油脂組成物。
- 植物油脂がパーム油である、請求項1又は2に記載の油脂組成物。
- モノグリセリドを50〜70質量%含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の油脂組成物。
- アスコルビン酸、トコフェロール、及びクエン酸の総含有量が600〜2,500ppmである、請求項1〜4のいずれかに記載の油脂組成物。
- 下記工程(I)〜(III)を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の油脂組成物の製造方法。
工程(I):植物油脂とグリセリンとを、触媒の存在下でエステル交換反応させる工程
工程(II):工程(I)で得られたエステル交換反応生成物を蒸留して、グリセリン含有量を油脂組成物全量に基づき1.5質量%以下にする工程
工程(III):アスコルビン酸、トコフェロール及びクエン酸を添加する工程 - 工程(II)における蒸留が、回分式水蒸気蒸留、回分式蒸留又は薄膜式蒸留である、請求項6に記載の油脂組成物の製造方法。
- 工程(III)において、油脂組成物全量に基づき、アスコルビン酸を300〜2,000質量ppm、トコフェロールを100〜1,000質量ppm及びクエン酸を100〜1,000質量ppmの割合で添加する、請求項6又は7に記載の油脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の油脂組成物を含む食品添加物。
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