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JP2013168598A - 半導体発光素子 - Google Patents

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JP2013168598A
JP2013168598A JP2012032345A JP2012032345A JP2013168598A JP 2013168598 A JP2013168598 A JP 2013168598A JP 2012032345 A JP2012032345 A JP 2012032345A JP 2012032345 A JP2012032345 A JP 2012032345A JP 2013168598 A JP2013168598 A JP 2013168598A
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Kyohei Shibata
恭平 柴田
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Abstract

【課題】発光分布を向上させた半導体発光素子を提供する。
【解決手段】半導体発光素子10では、半導体積層体15は、第1導電型の第1半導体層12と、半導体発光層13と、第2導電型の第2半導体層14とが順に積層され、第1半導体層12を露出するように一端側に切り欠き部16と切り欠き部16から他端側に延在する第1湾入部17を有している。第1パッド電極18は、切り欠き部16に設けられている。第1細線電極19は、第1パッド電極18から第1湾入部17に沿って延在している。透明導電膜20は、第2半導体層14上に設けられ、第1細線電極19を囲うように配置された複数の線状の貫通孔22a乃至貫通孔22gを有している。第2パッド電極21が前記透明導電膜上であって、前記他端側に設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、半導体発光素子に関する。
従来、窒化物半導体発光素子では、窒化物半導体積層体上に形成された透明導電膜と、透明導電膜上に形成された上部細線電極と、窒化物半導体積層体の下部を露出させ、その露出部に上部細線電極に対応して形成された下部細線電極とを有し、窒化物半導体積層体に流れる電流の分布を均一化するするとともに、効率的に光を取り出せるように構成されているものがある。
透明導電膜が用いられるのは、窒化物半導体は導電率が比較的低い材料であるため、窒化物半導体積層体における電流の拡がりを改善し、且つ放射される光が電極材で遮蔽されるのを防止するためである。
上部細線電極および下部細線電極が用いられるのは、透明電極は光の吸収が無視できないためにその厚さが制限されるので、半導体発光素子のサイズが大きくなるほど電流の拡がりが難しくなるのを改善するためである。
この窒化物半導体発光素子では、上部細線電極から注入されたキャリアが透明導電膜で広げられ、下部細線電極から注入されたキャリアと発光層で再結合する。これにより、広い発光領域で、均一な発光が得られている。
然しながら、この窒化物半導体発光素子では、上部細線電極は半導体積層体から透明導電膜を通して外部に取り出される光を遮断するので、上部細線電極の面積が増えると、光出力の低下を招くという問題がある。
特開2004−87930号公報 特開2010−205910号公報
発光分布を向上させた半導体発光素子を提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、半導体発光素子では、半導体積層体は、第1導電型の第1半導体層と、半導体発光層と、第2導電型の第2半導体層とが順に積層され、前記第1半導体層を露出するように一端側に切り欠き部と前記切り欠き部から他端側に延在する第1湾入部を有している。第1パッド電極は、前記切り欠き部に設けられている。第1細線電極は、前記第1パッド電極から前記第1湾入部に沿って延在している。透明導電膜は、前記第2半導体層上に設けられ、前記第1細線電極を囲むように配置された複数の線状の貫通孔を有している。第2パッド電極は、前記透明導電膜上であって、前記他端側に設けられている。
実施形態1に係る半導体発光素子を示す図。 実施形態1に係る半導体発光素子の要部を示す断面図。 実施形態1に係る比較例の半導体発光素子を示す平面図。 実施形態1に係る半導体発光素子の電流の拡がりを比較例の半導体発光素子の電流の拡がりと対比して示す平面図。 実施形態1に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。 実施形態1に係る半導体発光素子の製造工程を順に示す断面図。 実施形態2に係る半導体発光素子を示す平面図。 実施形態3に係る半導体発光素子を示す平面図。 実施形態3に係る別の半導体発光素子を示す平面図。 実施形態3に係る別の半導体発光素子を示す平面図。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
本実施形態に係る半導体発光素子について図1および図2を用いて説明する。図1は本実施形態の半導体発光素子を示す図で、図1(a)はその平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線に沿って切断し矢印方向に眺めた断面図、図2はその要部を示す断面図である。
本実施形態の半導体発光素子は、窒化物半導体を用いた青色LED(Light Emitting Diode)である。
図1および図2に示すように、本実施形態の半導体発光素子10では、基板11上に第1導電型の第1半導体層12、半導体発光層13および第2導電型の第2半導体層14が順に積層された半導体積層体15が設けられている。
第1半導体層12は、例えば厚さが約3μmのGaN層31と、GaN層31上に設けられ、例えば厚さが約2μm、不純物濃度が約3E18cm−3のN型GaNクラッド層32を含んでいる。
GaN層31は、半導体発光層13を基板11、例えばサファイア基板にエピタキシャル成長させるための下地単結晶層である。
半導体発光層13は、例えば厚さが5nmのGaN障壁層と厚さが2.5nmのInGaN井戸層とが交互に積層され、最上層がInGaN井戸層である多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)構造体である。
InGaN井戸層(InGa(1−x)N層、0<x<1)のIn組成比xは、半導体積層体15から取り出される光のピーク波長が、例えば約450nmになるように0.1程度に設定されている。
第2半導体層14は、例えば厚さが約100nm、不純物濃度が約1E20cm−3のP型GaNクラッド層34と、P型GaNクラッド層34上に設けられ、例えば厚さが約10nm、不純物濃度が約1E21cm−3のP型GaNコンタクト層35を含んでいる。
半導体積層体15は、基板11のエッジより距離L0、例えば約20μmだけ内側に設けられている。距離L0は、複数の半導体発光素子10が形成されたサファイア基板をダイシングしてチップに分離する際に、半導体発光素子10のダメージが避けられるだけの距離である。
半導体積層体15は、第1半導体層12のN型GaNクラッド層32の一部を露出するために、一端側(紙面の+X方向側)に切り欠き部16と、切り欠き部16から他端側(紙面の−X方向側)に延在する第1湾入部17を有している。
切り欠き部16に露出した第1半導体層12のN型GaNクラッド層32上に、第1パッド電極18が設けられている。第1湾入部17に露出した第1半導体層12のN型GaNクラッド層32上に、第1パッド電極18から第1湾入部17に沿って延在する第1細線電極19が設けられている。
第1パッド電極18および第1細線電極19は、例えばN型GaNとオーミックコンタクトが可能なチタン(Ti)/白金(Pt)/金(Au)の積層膜である。
第2半導体層14のP型GaNコンタクト層35上に、半導体発光層13から放出される光に対して透光性を有する透明導電膜20が設けられている。透明導電膜20は、例えば厚さが100nm乃至200nmのITO(Indium Tin Oxide)膜である。
透明導電膜20は、半導体積層体15の側面に沿って流れる表面電流を抑制するために、第2半導体層14のエッジより距離L1、例えば10μmだけ内側に設けられている。距離L1は、半導体発光層13に注入されるキャリアの拡散長(0.1μmオーダ)の10倍以上が好ましい。
透明導電膜20上の他端側に第2パッド電極21が設けられている。第2パッド電極21は、例えばP型GaNとオーミックコンタクトが可能な金(Au)膜である。
透明導電膜20は、透明導電膜20を貫通する線状(曲線状または直線状)の貫通孔22a乃至線状の貫通孔22gを有している。以後、線状の貫通孔を単に貫通孔とも称し、貫通孔22a乃至貫通孔22gを総称する場合は、単に貫通孔22とも称する。
貫通孔22a乃至貫通孔22gは第1細線電極19を囲むように、例えば馬蹄形状に配置されている。ここでは、貫通孔の配置はA−A線に対して対称なので、−Y方向側に配置されている貫通孔の符号は省略している。
貫通孔22aは第2パッド電極21と第1細線電極19の間を通り、第1パッド電極18と第2パッド電極21を結ぶ直線(A−A線)と交差するように配置されている。
貫通孔22a、22b、22cは、±Y方向に弓なりに配置されている。貫通孔22d、22e、22f、22gは、第1細線電極19に略平行に配置されている。
貫通孔22は、透明導電膜20内を流れる電流を遮断するためのエアギャップなので、貫通孔22の幅は狭ければ狭いほど好ましい。逆に、貫通孔22の幅が広いほど、発光強度比が低下する。発光強度比が低下するのは、貫通孔22の幅が広いほど、貫通孔22の内側のキャリア密度が低下し、非発光再結合が増加するためである。
その結果、貫通孔22が線状の暗部として視認されるようになり、発光パターンが不均一になる。ここで、発光強度比とは、貫通孔22の外側の発光強度Iaと貫通孔22の内側の発光強度Ibとの比(Ib/Ia)である。
貫通孔22の幅と発光パターンの関係のシミュレーション結果の一例について説明する。例えば貫通孔22の幅を1μmから10μmとしたとき、発光強度比は0.93から0.32まで略単調に減少する。発光強度比を0.5以上確保するには、貫通孔22の幅は6μm以下が望ましい。発光パターンの不均一に影響を及ぼさない程度にするには、貫通孔22の幅は3μm以下が望ましい。
貫通孔22a乃至貫通孔22gの長さおよび隣接する貫通孔の間の距離は、所望の電流の拡がりが得られるように適宜設定される。
上述した半導体発光素子10は、第1細線電極19を囲むように配置された貫通孔22a乃至貫通孔22gを有する透明導電膜20により、電流を拡げるとともに外部に取り出される光の遮蔽を無くして、均一に発光させ且つ光出力の低下を防止するように構成されている。
電流は第2パッド電極21から貫通孔22a乃至貫通孔22gに沿って透明導電膜20内を流れる。その際、電流は先々で隣接する貫通孔の間から第1細線電極19側に分流する。分流する電流は、貫通孔の長さに応じて生じる貫通孔の両端の電位差、および隣接する貫通孔の間の距離に応じて定まる抵抗に依存する。
図3は比較例の半導体発光素子を示す図である。比較例の半導体発光素子とは、透明導電膜上に電流を拡げるための金属細線電極が設けられている半導体発光素子のことである。
図3に示すように比較例の半導体発光素子40では、透明導電膜20上に第2パッド電極21から第1細線電極19を囲むように馬蹄形状の細線電極41が設けられている。細線電極41は、第2パッド電極21から±Y方向に弓なりに延在する細線41aと、+X方向に第1細線電極19と略平行に延在する細線41bを有している。
図4は本実施形態の半導体発光素子10の電流の拡がりを比較例の半導体発光素子40の電流の拡がりと対比して示す平面図である。始めに、比較例の半導体発光素子40について説明する。
図4(b)に示すように、比較例の半導体発光素子40では、第1パッド電極18および第2パッド電極21を電源に接続すると、以下のように電流が流れる。
電流は第2パッド電極21から透明導電膜20上に設けられた細線電極41を伝わって拡がり、透明導電膜20に流れ込む。透明導電膜20に流れ込んだ電流は、第1細線電極19に面する透明導電膜20のエッジまで拡がると、行き場がなくなるので、P型GaNコンタクト層35に流れ込む。
P型GaNコンタクト層35に流れ込んだ電流は、基板11に垂直な方向にP型GaNクラッド層34および半導体発光層13を通ってN型GaNクラッド層32に流れ込む。
N型GaNクラッド層32に流れ込んだ電流は、N型GaNクラッド層32に沿って第1細線電極19に流れ込み、第1パッド電極18に集電される。
従って、電流は、矢印で示すように平面視で、細線電極41から第1細線電極19に向かって集束する電流路42のように広がる。
ちなみに、細線電極41は、例えば厚さが1μmの金としたとき、シート抵抗は約2E−2Ω/□である。透明導電膜20は、例えば厚さが0.17μmのとき、シート抵抗は約10Ω/□である。P型GaNコンタクト層35は、移動度を5cm/Vsとしたとき、シート抵抗は約1E2Ω/□である。P型GaNクラッド層34は、P型GaNコンタクト層35に対して厚さが10倍、不純物濃度が1/10なので、そのジート抵抗はP型GaNコンタクト層35のシート抵抗と同程度である。N型GaNクラッド層32は、例えば移動度を200cm/Vsとしたとき、シート抵抗は約35Ω/□である。
電流は略透明導電膜20に沿って拡がり、P型GaNコンタクト層35、P型GaNクラッド層34等のP型GaN層に沿っての電流の広がりは無視することができる。P型GaNコンタクト層35から半導体発光層13に基板11に対して垂直な方向に電流が流れる。
一方、本実施形態の半導体発光素子10では、第1パッド電極18および第2パッド電極21を電源に接続すると、以下のように電流が流れる。
貫通孔22a乃至貫通孔22gにより、透明導電膜20の大部分が切れているため、電流は第2パッド電極21から貫通孔22a乃至貫通孔22gに沿って透明導電膜20内に拡がる。
貫通孔22a乃至貫通孔22gに沿って拡がる電流は、途中で隣接する貫通孔の間から次々に分流され、透明導電膜20内を第1細線電極19側に拡がる。電流が分流される割合は、貫通孔の長さおよび隣接する各貫通孔の間の抵抗により定まる。
分流された電流は、透明導電膜20内を第1細線電極19に面する透明導電膜20のエッジまで拡がると、行き場がなくなるので、P型GaNコンタクト層35内に流れ込む。
P型GaNコンタクト層35に流れ込んだ電流は、基板11に垂直な方向にP型GaNクラッド層34および半導体発光層13を通ってN型GaNクラッド層32に流れ込む。
N型GaNクラッド層32に流れ込んだ電流は、N型GaNクラッド層32に沿って第1細線電極に流れ込み、第1パッド電極18に集電される。
従って、電流は、矢印で示すように平面視で、隣接する貫通孔の間から第1細線電極19に向かって集束する電流路43のように拡がる。貫通孔の長さと、隣接する貫通孔の間の距離を調整することにより、比較例の半導体発光素子40の電流路42と略同様の電流路43を得ることが可能である。
しかも、透明導電膜20上に金属細線電極が無いので、半導体積層体15から透明導電膜20に入射した光は遮蔽されることなく、外部に取り出すことが可能である。
次に、半導体発光素子10の製造方法について説明する。図5および図6は半導体発光素子10の製造工程を順に示す断面図である。
図5(a)に示すように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により、基板11に第1半導体層12、半導体発光層13、第2半導体層14を順にエピタキシャル成長させて半導体積層体15を形成する。半導体積層体15の形成方法は周知であるが、以下簡単に説明する。
基板11(C面サファイア基板)に前処理として、例えば有機洗浄、酸洗浄を施した後、MOCVD装置の反応室内に収納する。次に、例えば窒素(N)ガスと水素(H)ガスの常圧混合ガス雰囲気中で、高周波加熱により、基板11の温度を、例えば1100℃まで昇温する。これにより、基板11の表面が気相エッチングされ、表面に形成されている自然酸化膜が除去される。
次に、NガスとHガスの混合ガスをキャリアガスとし、プロセスガスとして、例えばアンモニア(NH)ガスと、トリメチルガリウム(TMG:Tri-Methyl Gallium)ガスを供給し、厚さ3μmのGaN層31を形成する。
次に、N型ドーパントとして、例えばシラン(SiH)ガスを供給し、同様にして厚さ2μmのN型GaNクラッド層32を形成する。
次に、NHガスは供給し続けながらTMGガスおよびSiHガスの供給を停止し、基板11の温度を1100℃より低い温度、例えば800℃まで降温し、800℃で保持する。
次に、Nガスをキャリアガスとし、プロセスガスとして、例えばNHガスおよびTMGガスを供給し、厚さ5nmのGaN障壁層を形成し、この中にトリメチルインジウム(TMI:Tri-Methyl Indium)ガスを供給することにより、厚さ2.5nm、In組成比が0.1のInGaN井戸層を形成する。
次に、TMIガスの供給を断続することにより、GaN障壁層とInGaN井戸層の形成を、例えば7回繰返す。これにより、半導体発光層13が得られる。
次に、TMGガス、NHガスは供給し続けながらTMIガスの供給を停止し、アンドープで厚さ5nmのGaNキャップ層を形成する。
次に、NHガスは供給し続けながらTMGガスの供給を停止し、Nガス雰囲気中で、基板11の温度を800℃より高い温度、例えば1030℃まで昇温し、1030℃で保持する。
次に、NガスとHガスの混合ガスをキャリアガスとし、プロセスガスとしてNHガス、TMGガス、P型ドーパントとしてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)ガスを供給し、Mg濃度が1E20cm−3、厚さが100nm程度のP型GaNクラッド層34を形成する。
次に、Cp2Mgガスの供給を増やして、Mg濃度が1E21cm−3、厚さ10nm程度のP型GaNコンタクト層35を形成する。
次に、NHガスは供給し続けながらTMGガスの供給を停止し、キャリアガスのみ引き続き供給し、基板11を自然降温する。NHガスの供給は、基板11の温度が500℃に達するまで継続する。これにより、基板11に半導体積層体15が形成される。
次に、図5(b)に示すように、例えばスパッタリング法により、半導体積層体15のP型GaNコンタクト層35上に厚さが約200nmのITO膜(透明導電膜)20を形成する。
ITO膜20とP型GaNコンタクト層35のオーミックコンタクトをとるために、熱処理を施す。熱処理は、例えば窒素中、もしくは窒素と酸素の混合雰囲気中で、温度400乃至750℃程度、時間1乃至20分程度が適当である。
次に、図5(c)に示すように、フォトリソグラフィ法により、ITO膜20上に、図1に示す半導体積層体15のサイズに等しいレジスト膜51を形成する。レジスト膜51をマスクとして、例えば塩素系ガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching)法により、ITO膜20および半導体積層体15を異方性エッチングして、基板11を露出させる。これにより、図1に示すように、半導体積層体15は、基板11のエッジより距離L0だけ内側に形成される。
次に、図6(a)に示すように、レジスト膜51を除去した後、フォトリソグラフィ法により、ITO膜20上に、切り欠き部16および第1湾入部17に対応する開口を有するレジスト膜52を形成する。
レジスト膜52をマスクとして、例えば塩素系ガスを用いたRIE法により、ITO膜20および半導体積層体15を、第1半導体層12が露出するまで異方性エッチングする。これにより、切り欠き部16および第1湾入部17が形成される。
次に、図6(b)に示すように、レジスト膜52を除去した後、フォトリソグラフィ法により、ITO膜20上に、貫通孔22a乃至貫通孔22gに対応する開口53aを有するレジスト膜53を形成する。
次に、レジスト膜53をマスクとして、例えば王水系エッチャントを用いてITO膜20を等方性エッチングする。これにより、ITO膜20に貫通孔22a乃至貫通孔22gが形成される。
同時に、ITO膜20の側面がサイドエッチングされる。これにより、図1に示すように、ITO膜20は、第2半導体層14のエッジより距離L1だけ内側に形成される。
次に、レジスト膜53を除去した後、切り欠き部16および第1湾入部17に、第1パッド電極18および第1細線電極19を形成する。ITO膜20上に第2パッド電極21を形成する。これにより、図1に示す半導体発光素子10が得られる。
以上説明したように、本実施形態の半導体発光素子10では、透明導電膜20は第1細線電極19を囲うように配置された線状の貫通孔22a乃至貫通孔22gを有している。
その結果、貫通孔22a乃至貫通孔22gの長さおよび隣接する貫通孔の間の距離に応じて半導体積層体15に流れる電流を拡げることができる。従って、発光分布を向上させた半導体発光素子が得られる。
更に、透明導電膜20上に半導体積層体15から透明導電膜20に入射した光を遮蔽する金属細線電極が無いので、半導体発光素子10の光出力の低下を防止することができる。
ここでは、貫通孔22a乃至貫通孔22gが馬蹄形状に配置されている場合について説明したが、特に限定されず、矩形状に配置されていても構わない。第1および第2パッド電極18、21間の距離、第1細線電極19の長さ等に応じて所望の電流拡がりが得られるように適宜配置することができる。
透明導電膜20が貫通孔22a乃至貫通孔22gを有する場合について説明したが、貫通孔の数には特に制限はなく、所望の電流拡がりが得られるように適宜定めることができる。
貫通孔22aは、第1および第2パッド電極18、21を結ぶ線(A−A線)と交差している場合について説明したが、一端部が第1および第2パッド電極18、21を結ぶ線を挟んで対向する一対の貫通孔22aを構成するように分割されていてもよい。
これにより、第2パッド電極21と第1細線電極19の間を直線的に流れる電流路が追加される。対向する一対の貫通孔22aの距離は、電流路43が電流路42により近づくように適宜調整する。
第1および第2パッド電極18、21が半導体積層体15の一辺と平行または直交する方向に沿って配置されている場合について説明したが、対角方向に沿って配置されていても構わない。
(実施形態2)
実施形態2に係る半導体発光素子について、図7を用いて説明する。図7は本実施形態の半導体発光素子を示す平面図である。本実施形態において、上記実施形態1と同一の構成部分には同一符号を付してその部分の説明は省略し、異なる部分について説明する。本実施形態が実施形態1と異なる点は、第1細線電極から分岐した第2細線電極を有することにある。
即ち、図7に示すように、本実施形態の半導体発光素子60では、半導体積層体15は、第1湾入部17から分岐した第2湾入部61を有している。第2湾入部61は、第1湾入部17の途中から+Y方向に分岐し、更にその先で−Y方向に分岐している。
第1細線電極19から第2湾入部61に沿って第2細線電極62が設けられている。透明導電膜20は、第2細線電極62に沿って、第2パッド電極21側に配置された線状の貫通孔63a、63bを有している。
貫通孔63a、63bの長さおよびその間の距離は、電流がより均一に拡がって第2細線電極62に集電されるように適宜定めることができる。
以上説明したように、本実施形態の半導体発光素子60では、第1細線電極19から分岐した第2細線電極62が設けられ、透明導電膜20は第2細線電極62に沿った貫通孔63a、63bを有している。これにより、半導体発光素子60をより均一に発光させることができる利点がある。
半導体発光素子のサイズが大きくなるほど、透明導電膜20のシート抵抗の高さに起因して、電流を半導体発光素子の周辺まで均一に拡げることが難しくなる。本実施形態の半導体発光素子60は、チップサイズが比較的大きい場合に適した構造である。
ここでは、第2細線電極62は第1細線電極19の途中から分岐している場合について説明したが、更に第1細線電極19の先端で曲折していても構わない。
貫通孔63a、63bが第2細線電極62に沿って第2パッド電極21側に配置されている場合について説明したが、特にこれに限定されない。更に複数の貫通孔が、第2細線電極62を囲むように配置されていてもよい。
第2細線電極62の形状および配置、貫通孔63a、63bの形状および配置は、それぞれ所望の電流拡がりが得られるように適宜定めることができる。
(実施形態3)
実施形態3に係る半導体発光素子について、図8を用いて説明する。図8は本実施形態の半導体発光素子を示す平面図である。本実施形態において、上記実施形態1と同一の構成部分には同一符号を付してその部分の説明は省略し、異なる部分について説明する。本実施形態が実施形態1と異なる点は、第1細線電極が設けられていないことにある。
即ち、図8に示すように、本実施形態の半導体発光素子70は、半導体積層体15に第1細線電極を設けずに、第1および第2パッド電極18、21をX方向に直接対向配置している。
透明導電膜20は、貫通孔22a、22b、22cを有している。貫通孔22a、22b、22cは、第1および第2パッド電極18、21の略中間を通り、第1パッド電極18が設けられている一端側と第2パッド電極21が設けられている他端側を仕切るように配置されている。
貫通孔22a、22b、22cは、第1パッド電極18を囲むように弓なりに配置されている。貫通孔22cの端部は半導体積層体15の外周より内側にある。
第1パッド電極18および第2パッド電極21を電源に接続すると、以下のように電流が流れる。
電流は第2パッド電極21から貫通孔22a、22b、22cに沿って透明導電膜20内に拡がり、途中で隣接する貫通孔の間から分流し、透明導電膜20内を第1パッド電極18側に拡がる。電流が分流される割合は、各貫通孔の長さおよび隣接する各貫通孔の間の抵抗により定まる。
分流された電流は、透明導電膜20内を第1パッド電極18に面する透明導電膜20のエッジまで拡がると、行き場がなくなるので、P型GaNコンタクト層35内に流れ込む。
P型GaNコンタクト層35に流れ込んだ電流は、基板11に垂直な方向にP型GaNクラッド層34および半導体発光層13を通ってN型GaNクラッド層32に流れ込む。
N型GaNクラッド層32に流れ込んだ電流は、N型GaNクラッド層32に沿って第1細線電極に流れ込み、第1パッド電極18に集電される。
従って、電流は、矢印で示すように平面視で、隣接する貫通孔の間から第1パッド電極18に向かって集束する電流路72に沿って拡がる。
所望の電流拡がりが得られるように貫通孔22a、22b、22cの長さと、隣接する貫通孔の間の距離を適宜調整する。
以上説明したように、本実施形態の半導体発光素子70では、半導体発光素子15に第1細線電極を設けずに、第1および第2パッド電極18、21を直接対向配置している。貫通孔22a、22b、22cは、第1および第2パッド電極18、21の略中間を通り第1パッド電極18を囲むように弓なりに配置されている。
本実施形態の半導体発光素子70は、チップサイズが比較的小さい場合に適した構造である。
図9および図10は本実施形態に係る別の半導体発光素子を示す平面図である。図9に示すように、半導体発光素子80では、貫通孔22aは、一端部が第1および第2パッド電極18、21を結ぶ線を挟んで対向する一対の貫通孔22aを構成するように分割されている。
これにより、電流路72に、第2パッド電極21から第1パッド電極18に向かって直線的に流れる電流路82が追加される。対向する一対の貫通孔22a間の距離は、より電流拡がりの均一性が高まるように適宜定めることができる。
図10に示すように、半導体発光素子90では、貫通孔22aは、一端部が第1および第2パッド電極18、21を結ぶ線と交差して、オーバラップする一対の貫通孔22aを構成するように分割されている。
これにより、電流路72に、オーバラップ部92でうねりながら第2パッド電極21から第1パッド電極18に向かって流れる電流路93が追加される。
オーバラップ部92の抵抗は、オーバラップ部92の長さと幅に応じて定まる。従って、電流路93に流れる電流の調整が容易になる利点がある。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、以下の付記に記載されているような構成が考えられる。
(付記1) 前記複数の線状の貫通孔は、前記第1パッド電極および前記第2パッド電極を結ぶ直線と交差する線状の貫通孔を含む請求項1または請求項3に記載の半導体発光素子。
(付記2) 前記複数の線状の貫通孔は、一端部が前記第1パッド電極および前記第2パッド電極を結ぶ直線を挟んで対向する一対の線状の貫通孔を含む請求項1または請求項3に記載の半導体発光素子。
(付記3) 前記複数の線状の貫通孔は、前記第2パッド電極側または前記第2細線電極を囲むように配置されている請求項2に記載の半導体発光素子。
(付記4) 前記複数の線状の貫通孔は、一端部が前記第1パッド電極および前記第2パッド電極を結ぶ直線と交差して、オーバラップする一対の線状の貫通孔を含む請求項3に記載の半導体発光素子。
(付記5) 前記半導体積層体は、窒化物半導体積層体である請求項1または請求項3に記載の半導体発光素子。
(付記6) 前記第1半導体層はN型GaNクラッド層を含み、前記第2半導体層はP型GaNクラッド層およびP型GaNコンタクト層を含む請求項1または請求項3に記載半導体発光素子。
(付記7) 前記半導体発光層は、Inx1Gay1Al(1−x1−y1)N井戸層(0<x1<1、0<y1≦1)と、Inx2Gay2Al(1−x2−y2)N障壁層(0≦x2<x1<1、0<y1<y2≦1)が交互に積層された多重量子井戸である請求項1または請求項3に記載の半導体発光素子。
10、40、60、70、80、90 半導体発光素子
11 基板
12 第1半導体層
13 半導体発光層
14 第2半導体層
15 半導体積層体
16 切り欠き部
17 第1湾入部
18 第1パッド電極
19 第1細線電極
20 透明導電膜
21 第2パッド電極
22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、63a、63b 貫通孔
31 GaN層
32 N型GaNクラッド層
34 P型GaNクラッド層
35 P型GaNコンタクト層
41 細線電極
41a、41b 細線
42、43、72、82、93 電流路
51、52、53 レジスト膜
53a 開口
61 第2湾入部
62 第2細線電極
92 オーバラップ部

Claims (6)

  1. 第1導電型の第1半導体層と、半導体発光層と、第2導電型の第2半導体層とが順に積層され、前記第1半導体層を露出するように一端側に切り欠き部と前記切り欠き部から他端側に延在する第1湾入部を有する半導体積層体と、
    前記切り欠き部に設けられた第1パッド電極と、
    前記第1パッド電極から前記第1湾入部に沿って延在する第1細線電極と、
    前記第2半導体層上に設けられ、前記第1細線電極を囲むように配置された複数の線状の貫通孔を有する透明導電膜と、
    前記透明導電膜上であって、前記他端側に設けられた第2パッド電極と、
    を具備することを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記第1細線電極から、前記第1湾入部から分岐または曲折した第2湾入部に沿って延材する第2細線電極を具備し、
    前記透明導電膜は、前記第2細線電極に沿って配置された複数の線状の貫通孔を有することを特徴とする特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 第1導電型の第1半導体層と、半導体発光層と、第2導電型の第2半導体層が順に積層され、前記第1半導体層を露出するように一端側に設けられた切り欠き部を有する半導体積層体と、
    前記切り欠き部に設けられた第1パッド電極と、
    前記第2半導体層上に設けられ、端部が前記半導体積層体の外周より内側にあって前記一端側と他端側を仕切るように配置された複数の線状の貫通孔を有する透明導電膜と、
    前記透明導電膜上であって、前記他端側に設けられた第2パッド電極と、
    を具備することを特徴とする半導体発光素子。
  4. 前記線状の貫通孔の幅は、6μm以下であることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  5. 平面視で、電流は前記第1パッド電極から前記複数の線状の貫通孔に沿って流れながら、隣接する前記線状の貫通孔の間から分流して前記第1細線電極または前記第2パッド電極に集電されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の半導体発光素子。
  6. 前記第1パッド電極および前記第2パッド電極は、平面視で前記半導体積層体の一辺と平行な方向または直交する方向、あるいは対角方向のいずれかに沿って配置されていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の半導体発光素子。
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