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JP2013159183A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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JP2013159183A
JP2013159183A JP2012021288A JP2012021288A JP2013159183A JP 2013159183 A JP2013159183 A JP 2013159183A JP 2012021288 A JP2012021288 A JP 2012021288A JP 2012021288 A JP2012021288 A JP 2012021288A JP 2013159183 A JP2013159183 A JP 2013159183A
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Abstract

【課題】オイルクーラが備えられている鞍乗型車両において、オイルクーラの冷却性能を高めることができる技術を提供する。
【解決手段】自動二輪車に、ヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から車両後方へ延びているメインフレーム13L、13Rと、このメインフレーム13L、13Rの下方に設けられクランクケース及びこのクランクケースから上方に延びているシリンダ部を有するエンジン30とを備える。クランクケースは、車幅方向中心軸92から車幅方向一方の側に偏って配置され、エンジン内を循環するオイルを冷やすオイルクーラ55は、クランクケースの前方にて、車幅方向中心軸92から車幅方向他方の側に偏って配置される。
【選択図】図4

Description

本発明は、オイルクーラが備えられている鞍乗型車両の改良に関する。
エンジンの前方にオイルクーラが備えられている鞍乗型車両が知られている(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
特許文献1の図1に示すように、車体フレーム(2)(括弧付き数字は、特許文献1記載の符号を示す。以下同じ。)に水冷式エンジン(7)が懸架され、この水冷式エンジン(7)の前方にラジエータ(8)とオイルクーラ(12)とが上下に並んで配置される。
特許文献1の技術では、車両正面視で、オイルクーラ(12)は、水冷式エンジン(7)の前方下部に、水冷式エンジン(7)と重なるように配置される。このため、オイルクーラ(12)を通過した走行風の一部は、後方の水冷式エンジン(7)に当たることになり、オイルクーラ(12)を通過した走行風を車両後方へ円滑に流すという点で改良の余地があった。オイルクーラ(12)を通過した走行風を、車両後方へより円滑に流すことができれば、オイルクーラ(12)の冷却性能を高めることができ好適である。
特許第3206151号公報
本発明は、オイルクーラが備えられている鞍乗型車両において、オイルクーラの冷却性能を高めることができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、ステアリングシャフトを回動自在に支持するヘッドパイプと、このヘッドパイプから車両後方へ延びているメインフレームと、このメインフレームの下方に設けられクランクケース及びこのクランクケースから上方に延びているシリンダ部を有するエンジンとを備えた鞍乗型車両において、クランクケースは、車幅方向中心軸から車幅方向一方の側に偏って配置され、エンジン内を循環するオイルを冷やすオイルクーラは、クランクケースの前方にて、車幅方向中心軸から車幅方向他方の側に偏って配置されることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、クランクケースは、クランク軸を収納するクランク収納部と、このクランク収納部の下部に設けられるオイルパン部とを備え、このオイルパン部が車幅方向中心軸から車幅方向一方の側に偏って配置され、オイルクーラは、オイルパン部に対し車幅方向中心軸から車幅方向他方の側に配置されることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、オイルパン部に、オイルクーラへオイルを送るオイルポンプが備えられ、このオイルポンプとオイルクーラとを結ぶオイル配管の一方は、オイルパン部より上方位置に配索されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、シリンダ部の後部に、排気ポートが備えられ、この排気ポートに排気管が接続され、この排気管は、排気ポートからクランクケースの側方へ延び、このクランクケースの側方から下方に延びた後車両後方へ延びることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、エンジンに流れる冷却水を冷やすラジエータは、エンジンの前方に配置され、オイルクーラは、ラジエータの下方に配置されることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、エンジンの前方及び側方がカウリングで覆われ、このカウリングに、オイルクーラへ走行風を導く開口が形成されることを特徴とする。
請求項7に係る発明では、オイルクーラは、車両正面視で略矩形状を呈し、下部がシリンダ軸に接近し、上部がシリンダ軸から離れるように、鉛直線に対して傾斜していることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、クランクケースは、車幅方向中心軸から一方の側に偏って配置され、オイルクーラは、車幅方向中心軸から他方の側に偏って配置される。クランクケースが配置される側と反対側にオイルクーラが偏って配置されるので、車両正面視で、オイルクーラとクランクケースとが重なる部分の面積が減り、オイルクーラの後方に風抜け空間が形成される。風抜け空間が形成されれば、車両前方からオイルクーラに入った走行風は、クランクケースの側方を通り風抜け空間から車両後方へ円滑に流れ易くなる。結果、オイルクーラの冷却性能を高めることができる。
請求項2に係る発明では、車幅方向一方の側にてクランクケースの下部に、オイルパン部が配置され、オイルパン部に対し車幅方向他方の側にオイルクーラが配置される。車幅方向一方の側にクランクケースが配置され、車幅方向他方の側にオイルクーラが配置されるため、クランクケースの下部にオイルクーラを設けることができる。すなわち、オイルパン部は、オイルクーラに影響されることなく、走行風で冷却される。
請求項3に係る発明では、オイルポンプとオイルクーラとを結ぶオイル配管の一方は、オイルパン部より上方位置に配索されている。オイル配管の一方を流れオイルクーラへ向かう高温のオイルはオイルパン部の上方を流れる。このオイルの熱がオイルパン部に伝わることは好ましくない。そこで、オイルパン部より上方位置に配索される。一方、オイルクーラから戻りとなる他方のオイル配管には、冷却済みのオイルが流れるため、オイルパン部を横切っても差し支えない。加熱されたオイルをオイルパン部の上方に流し、オイルクーラで冷却済みのオイルをオイルパン部を横切るようにして流すことで、効率的にオイルを冷却することができる。
請求項4に係る発明では、排気管は、クランクケースの後方を下方へ延びた後、車両後方へ延びている。オイルクーラは、クランクケースの前方に配置され、排気管は、クランクケースの後方に配置されるため、クランクケースが遮熱作用を発揮する。結果、排気管の熱でオイルクーラが加熱される心配はない。
請求項5に係る発明では、オイルクーラは、ラジエータの下方に配置される。ラジエータでオイルクーラが遮られることはないため、オイルクーラの冷却性能が損なわれる心配はない。
請求項6に係る発明では、カウリングに、オイルクーラへ走行風を導く開口が形成される。この開口から入った走行風は、オイルクーラへ円滑に導かれるので、オイルクーラの冷却性能を一層高めることができる。
請求項7に係る発明では、オイルクーラの車幅方向中心線は、鉛直線に対し所定角度だけ車両外方へ傾斜している。車両のバンク角に倣ってオイルクーラを傾斜させることで、車両のバンク角をかせぐことができる。
本発明に係る自動二輪車の左側面図である。 図1の要部拡大図である。 車両長手方向に平行な同一断面においてシリンダ軸を通る断面図である。 図2の4矢視図である。 エンジンの正面図である。 オイルクーラを取付けたエンジンの右側面図及びその作用説明図である。 図6の7−7線断面図である。 オイルクーラを取付けたエンジンの斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中及び実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動二輪車10は、ステアリングシャフト11を回動自在に支持するヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から車両後方へ延びているメインフレーム13L、13R(図手前側の符号13Lのみ示す。)と、メインフレーム13L、13Rの後端部に接続され下方に延びてピボット軸14を支えるピボットフレーム15L、15R(図手前側の符号15Lのみ示す。)と、このピボットフレーム15L、15Rに車幅方向に延びる補強用のクロスフレーム16と、ピボットフレーム15L、15Rの上部から車両後方へ延びて運転者が座るシート17を支えるシートレール18L、18R(図手前側の符号18Lのみ示す。)と、このシートレール18L、18Rの下方にてシートレール18L、18Rの後部とピボットフレーム15L、15Rの間に渡されるサブレール19L、19R(図手前側の符号19Lのみ示す。)と、メインフレーム13L、13Rの下方に設けられメインフレーム13L、13Rとピボットフレーム15L、15Rとに懸架されるエンジン30と、メインフレーム13L、13Rに支持されシート17の前方で且つエンジン30の上方位置する燃料タンク31とを備えている。車体フレーム20は、ヘッドパイプ12とメインフレーム13L、13Rとピボットフレーム15L、15Rとクロスフレーム16とを主要素とする。
ヘッドパイプ12を上下から挟むように、ステアリングシャフト11の上端及び下端に、各々、トップブリッジ21及びボトムブリッジ22が取付けられ、トップブリッジ21及びボトムブリッジ22にフロントフォーク23が取付けられる。このフロントフォーク23は下方に延ばされ、このフロントフォーク23の下端に前輪車軸25が渡され、この前輪車軸25に回転自在に前輪26が支持される。トップブリッジ21に操舵用のハンドル33が取付けられている。フロントフォーク23には、いわゆる、倒立型タイプが採用されている。フロントフォーク23に、前輪26の上方を覆うフロントフェンダ34が取付けられている。
ピボットフレーム15L、15Rに渡されるピボット軸14には、スイングアーム37の前端が揺動自在に取付けられている。スイングアーム37の後端に後輪車軸27が渡され、この後輪車軸27にエンジン30で駆動される後輪28が回転自在に支持される。車体フレーム20及びエンジン30は、カウリング40で覆われている。自動二輪車10は、前輪26と後輪28との間にシート17を備え、このシート17に運転者が跨って乗車する鞍乗型車両といえる。
次に、エンジン周りの構造等について説明する。
図2に示すように、エンジン30のシリンダ部53の前方に、ラジエータ54が配置され、このシリンダ部53の下方にオイルクーラ55が配置される。ラジエータ54の上端は、メインフレーム13L、13Rに取付けられ、ラジエータ54の下端は、エンジン30のクランクケース52に取付けられる。オイルクーラ55は、エンジン30のクランクケース52に取付けられる。シリンダ部53の前方に、外気を導入しエンジン30へ供給する吸気ボックス61が配置され、シリンダ部53の後部に、排気管62が接続される。
次に、エンジン本体の構造等について説明する。
図3に示すように、エンジン30は、単気筒4サイクルエンジンであって、クランク軸51を収納するクランク収納部63と、このクランク収納部63の下部に設けられオイル溜まり65をもつオイルパン部66と、クランクケース52から後方に延びており変速用のギヤ列が収納されるミッション部67と、クランクケース52から上方に延びているシリンダ部53と、シリンダ部53に接続される吸気手段71及び排気手段72とを主要素とする。クランクケース52に、クランク収納部63と、オイルパン部66とが備えられている。
クランクケース52に、オイルパン部66とミッション部67とが一体化されている。ここで、クランクケース52とミッション部67とは、ケース壁部74により区画される。本実施例では、オイルパン部66は、クランクケース52と一体化されているので、オイルパン部66とクランクケース52との境界線は、オイル溜まりに溜まったオイル上面75の線を境界線とする。
シリンダ部53は、シリンダブロック57と、このシリンダブロック57の上に取付けたシリンダヘッド58と、このシリンダヘッド58の上を覆うヘッドカバー59とからなる。シリンダヘッド58の前部に吸気ポート81が備えられ、シリンダ部53の後部に排気ポート82が備えられ、吸気ポート81と排気ポート82の間にてシリンダヘッド58に、点火プラグ84が取付けられる。
吸気手段71は、吸気ボックス61を有する。この吸気ボックス61の前部に外気を導入する導入口60が形成される。吸気ボックス61の内部に、吸気ボックス61に入った外気を取り入れる吸入口77を臨ませる。吸入口77は、シリンダヘッド58の前部に設けた吸気ポート81に接続される。
図2にて、排気管62は、排気ポート82から後方に延びた後下方に延びている。排気管62は、単に後方へ延ばす代わりに、後方に延び、そして、下方へクランクケース52の下方まで延びた後、後方へ延びている。このように排気管62を長くすることで、エンジン30の出力を高めることができる。排気管62は、後述する遮熱板86の下方で、且つ、クランクケース52の上方に配置されている。
図3にて、エンジン30は、シリンダ部53の前方に吸気ポート81及び吸気ボックス61を備えた前方吸気とし、シリンダ部53の後方に排気ポート82及び排気管62を備えた後方排気となるように車両に配置される。前方吸気及び後方排気とすることで、外気の充填効率を高めることができ、エンジン30の出力を容易に高めることができる。
シリンダ部(ヘッドカバー59)の上方は、シリンダ部53から放射する熱が燃料タンク31に到達しないように遮熱する遮熱板86で覆われ、この遮熱板86の上方に燃料タンク31が配置される。燃料タンク31の底部に燃料ポンプ87が備えられている。
図2にて、エンジン30は、シリンダ軸91が鉛直線90に対して角度θだけ車両後方へ傾くように車体フレーム20に懸架される。実施例では、θ=15°である。エンジンのシリンダ部53を後傾させることで、車両重心位置近傍に位置するピボット軸14にエンジン30を近づけて配置できるので、車両マスの集中化が図り易い。
次に、オイルクーラの周辺部の構成について説明する。
オイルパン部66に、オイルクーラ55へオイルを送るオイルポンプ94が取付けられ、このオイルポンプ94の車両外方位置にてオイルパン部66に、オイルポンプ94からオイルクーラ55へオイルを流す出力用の第1管継手97が接続され、この第1管継手97にオイルクーラ55へ延びる第1オイル配管101が接続される。オイルパン部66に、オイルクーラ55で冷却したオイルをオイルパン部66に戻す第2管継手98が接続され、この第2管継手98に第2オイル配管102が接続される。第1管継手97と第2管継手98とは一体化された管継手99とされ、オイルパン部66に取付けられる。一体化された管継手99としたので、管継手99の着脱時間が半減され、管継手99のメンテナンス性が高まる。
なお、オイルポンプ94からのオイル出力用の第1オイル配管101は、オイルクーラ55の上端に接続され、オイルポンプへオイル戻り用の第2オイル配管102は、オイルクーラ55の下端に接続される。
次に、ラジエータの配置等について説明する。
図4に示すように、エンジン30の前方に、エンジン30に流れる冷却水を冷やすラジエータ54が配置される。ラジエータ54の下方に、オイルクーラ55が配置される。ラジエータ54にオイルクーラ55が遮られることはないため、オイルクーラ55の冷却性能が損なわれる心配はない。
エンジン30の前方は、カウリング40で覆われ、ラジエータ54の位置に合わせてカウリング40に、ラジエータ開口43が開けられている。オイルクーラ55の位置に合わせて、カウリング40に、ラジエータ開口43とは別個独立にオイルクーラ55へ走行風を導く開口41が開けられている。
開口41は、オイルクーラ55の位置に合わせてカウリング40の車幅方向右側に開けられ、この開口41と車幅方向反対側の左側に、開口41より小さくオイルパン部66等を冷やす小開口42が開けられる。
オイルクーラ55は、車両正面視で略矩形状を呈し、オイルクーラの下部55bが車幅方向中心軸92に接近し、上部55aが車幅方向中心軸92から離れるように、車幅方向中心軸92に対して傾斜するように取付けられている。オイルクーラ55は、鉛直線90に対し所定角度(δ)だけ傾斜している。車両のバンク角に倣ってオイルクーラ55を傾斜させることで、車両のバンク角をかせぐことができる。
図5に示すように、図4から車体フレーム20、ラジエータ54及びカウリング40を取り除き、エンジン30を正面から見ている。車幅方向中心軸92とエンジン30のシリンダ軸91とは一致せず、車幅方向中心軸92に対して、シリンダ軸91は、車両右側にオフセットした位置にある。
クランクケース52の前方に配置されるオイルクーラ55は、オイルパン部66に左ステー105を介して取付けられ、クランクケース52に右ステー106を介して取付けられる。
オイル循環系統について次に説明する。オイルパン部66に溜まったオイルは、オイルポンプ(図2、符号94)によって、第1オイル配管101からオイルクーラ55へ流れ、オイルクーラ55で冷却され、第2オイル配管102でクランクケース52に戻り、エンジン各部へ送られ潤滑を行う。潤滑後のオイルは、オイルパン部66に落ちることで、以下、その繰り返しによりエンジン各部の潤滑が行われる。
ここで、オイルポンプとオイルクーラとを結ぶオイル配管の配索について説明する。
オイルポンプ94とオイルクーラ55とを結ぶオイル配管100の一方(第1オイル配管101)は、オイルパン部66より上方位置に配索されている。オイル配管100の一方(第1オイル配管101)を流れオイルクーラ55へ向かう高温のオイルはオイルパン部66の上方を流れる。このオイルの熱がオイルパン部66に伝わることは好ましくない。そこで、オイルパン部66より上方位置に第1オイル配管101が配索される。一方、オイルクーラ55から戻りとなる他方のオイル配管(第2オイル配管102)には、冷却済みのオイルが流れるため、オイルパン部66を横切っても差し支えない。加熱されたオイルをオイルパン部66の上方に流し、オイルクーラ55で冷却済みのオイルをオイルパン部66を横切るようにして流すことで、効率的にオイルを冷却することができる。
図6に示すように、オイルクーラ55は、クランクケース52の前方に配置される。オイルクーラ55の前方にカウリングの開口41が開けられ、この開口41の輪郭に沿ってオイルクーラ55に向け内壁部107が延びている。カウリングの前面111は空力性能を考慮し曲面で構成されているので、カウリングの前面111からオイルクーラの前面112に向け延びている内壁部の後端107bまでの長さを変化させることで、内壁部の後端107bをオイルクーラの前面112に接近させる。内壁部の後端107bをオイルクーラの前面112に接近させたので、開口41から入る走行風(外気)をオイルクーラ55へ円滑に導くことができるようになる。
次に、オイルクーラの配置構造について詳細に説明する。
図7に示すように、クランクケース52は、シリンダ軸91から車幅方向一方の側(左側)に偏って配置され、エンジン30内を循環するオイルを冷やすオイルクーラ55は、シリンダ軸91から車幅方向他方の側(右側)に偏って配置されている。同様に、エンジン30は、クランクケース52の下部にオイルパン部66を備え、このオイルパン部66がシリンダ軸91から車幅方向一方の側(左側)に偏って配置され、オイルクーラ55は、オイルパン部66に対しシリンダ軸91から車幅方向他方の側(右側)に配置される。
シリンダ軸91の車幅方向右側にクランクケースの底部115が延び、シリンダ軸91に近傍にてクランクケースの底部115から下方へオイルパン部の右壁部116Rが延び、この右壁部116Rと底部115とで形成した空間をオイルクーラ55を通った空気が抜ける風抜け空間118とした。オイルパン部の右壁部116Rには、複数のフィン117が付設されているので、オイルパン部66の冷却性を高めることができる。
図8に示すように、クランクケースの底部115は、エンジン30の後方に向けて斜め下方へ傾いている面である。図7に示すように、オイルクーラ55の直後における底部115の高さは、オイルクーラの上端55cよりも十分に高い位置にあるが、図6に示すように、オイルクーラ55から離れるに従って、クランクケースの底部115は滑らかに斜め後下方へ延びて、最下点の高さは、オイルクーラの上端55cよりも低くなっている。しかし、車両長手方向にて、最下点とオイルクーラ55との間に十分な距離をもたせたので、オイルクーラ55とクランクケースの底部115との間に、十分な風抜け空間118が確保される。加えて、クランクケースの底部115は、滑らかな形状で徐々に下降しているため、オイルクーラ55を通過した空気は、クランクケースの底部115に邪魔されることなく、図矢印aの如く車両後方へ滑らかに流れるようにすることができる。
以上に述べた自動二輪車の作用を次に述べる。
図7にて、クランクケース52は、車幅方向中心から一方の側(左側)に偏って配置され、オイルクーラ55は、車幅方向中心から他方の側(右側)に偏って配置される。クランクケースが配置される左側と反対側の右側にオイルクーラ55が偏って配置されるので、車両正面視で、オイルクーラ55とクランクケース52とが重なる部分が減る。加えて、車幅方向一方の側(左側)にてクランクケース52の下部に、オイルを溜めるオイルパン部66が配置され、オイルパン部66に対し車幅方向他方の側(右側)にオイルクーラ55が配置される。オイルクーラ55はオイルパン部66と反対側に設けられる。
図6を併せて参照し、オイルパン部の右壁部116Rとクランクケースの底部115とにより、オイルクーラ55の後方に風抜け空間118が形成される。この風抜け空間118によって、車両前方からオイルクーラ55に入った走行風は、クランクケース52の側方を通り風抜け空間118から車両後方へ円滑に流れ易くなる。結果、オイルクーラ55の冷却性能を高めることができる。
さらに、カウリング40にオイルクーラ55へ走行風を導く開口41が形成され、この開口41に後方へ折り曲げた内壁部107がオイルクーラの前面112に接近するように延びている。この開口41から入った走行風は、内壁部107によりガイドされ、オイルクーラ55へ円滑に導かれるので、オイルクーラ55の冷却性能をより一層高めることができる。
図2にて、排気管62は、クランクケース52の側方から下方へ延びた後、車両後方へ延びている。高温の排気ガスが流れる排気管62は、クランクケース52の後方を下方へ延びている。オイルクーラ55は、クランクケース52の前方に配置され、排気管62は、クランクケース52の後方に配置されるため、クランクケース52が遮熱作用を発揮する。結果、排気管の熱でオイルクーラ55が加熱される心配はない。
図8にて、オイルポンプ(図2、符号94)とオイルクーラ55との間にオイル配管100が渡される。オイルポンプ94とオイルクーラ55は、いずれもエンジン30の外方に配置されるので、オイル配管100を容易に交換でき、オイル配管100(第1オイル配管101、第2オイル配管102)のメンテナンス性を高めることができる。
尚、本発明は、実施の形態では自動二輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の鞍乗型車両に適用することは差し支えない。
本発明は、オイルクーラが備えられている自動二輪車に好適である。
10…鞍乗型車両(自動二輪車)、11…ステアリングシャフト、12…ヘッドパイプ、13L、13R…メインフレーム、30…エンジン、40…カウリング、41…開口、52…クランクケース、53…シリンダ部、54…ラジエータ、55…オイルクーラ、62…排気管、63…クランク収納部、66…オイルパン部、82…排気ポート、90…鉛直線、91…シリンダ軸、92…車幅方向中心軸、94…オイルポンプ、100…オイル配管。

Claims (7)

  1. ステアリングシャフト(11)を回動自在に支持するヘッドパイプ(12)と、このヘッドパイプ(12)から車両後方へ延びているメインフレーム(13L、13R)と、このメインフレーム(13L、13R)の下方に設けられクランクケース(52)及びこのクランクケース(52)から上方に延びているシリンダ部(53)を有するエンジン(30)とを備えた鞍乗型車両において、
    前記クランクケース(52)は、車幅方向中心軸(92)から車幅方向一方の側に偏って配置され、
    前記エンジン(30)内を循環するオイルを冷やすオイルクーラ(55)は、前記クランクケース(52)の前方にて、前記車幅方向中心軸(92)から車幅方向他方の側に偏って配置されることを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 前記クランクケース(52)は、クランク軸(51)を収納するクランク収納部(63)と、このクランク収納部(63)の下部に設けられるオイルパン部(66)とを備え、このオイルパン部(66)が前記車幅方向中心軸(92)から車幅方向一方の側に偏って配置され、
    前記オイルクーラ(55)は、前記オイルパン部(66)に対し前記車幅方向中心軸(92)から車幅方向他方の側に配置されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両。
  3. 前記オイルパン部(66)に、前記オイルクーラ(55)へオイルを送るオイルポンプ(94)が備えられ、このオイルポンプ(94)と前記オイルクーラ(55)とを結ぶオイル配管(101)は、前記オイルパン部(66)より上方位置に配索されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鞍乗型車両。
  4. 前記シリンダ部(53)の後部に、排気ポート(82)が備えられ、この排気ポート(82)に排気管(62)が接続され、この排気管(62)は、前記排気ポート(82)から前記クランクケース(52)の側方へ延び、このクランクケース(52)の側方から下方に延びた後車両後方へ延びることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の鞍乗型車両。
  5. 前記エンジン(30)に流れる冷却水を冷やすラジエータ(54)は、前記エンジン(30)の前方に配置され、
    前記オイルクーラ(55)は、前記ラジエータ(54)の下方に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の鞍乗型車両。
  6. 前記エンジン(30)の前方及び側方がカウリング(40)で覆われ、
    このカウリング(40)に、前記オイルクーラ(55)へ走行風を導く開口(41)が形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の鞍乗型車両。
  7. 前記オイルクーラ(55)は、車両正面視で略矩形状を呈し、下部が車幅方向中心軸(92)に接近し、上部が前記車幅方向中心軸(92)から離れるように、鉛直線(90)に対して傾斜していることを特徴とする請求項6記載の鞍乗型車両。
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