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JP2013023422A - 焼成物の製造方法 - Google Patents

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cement
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JP2011161592A
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Hiroshi Nagata
宏志 永田
Takashi Sabayashi
敬司 茶林
Akinori Nakamura
明則 中村
Hiroyoshi Kato
弘義 加藤
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/10Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

【課題】 セメント等の混合材として有用である、CaO・Al・2SiOを主成分とし且つ非晶質量の少ない焼成物を、各種廃棄物、副産物を原料として安定的に得る。
【解決手段】 950℃での強熱残分が、酸化物換算でSiOを40〜50質量%、Alを20〜37質量%、CaOを15〜23質量%含み、且つAl/SiOが0.4〜0.9の範囲にある原料を1000〜1400℃で焼成する(但し、原料がCaO:Al:SiO=1:1:2であって且つこれら以外の金属成分を含まない場合を除く)。該原料としては、石炭灰を主成分とし、これに石灰石などのCa含有率の高い原料を混合して調製することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明はCaO・Al・2SiOを主成分とする焼成物を得るため製造方法に関する。
近年の地球環境問題と関連して、廃棄物、副産物等の有効利用は重要な課題となっている。セメント産業、セメント製造設備の特徴を生かし、セメント製造時に原料や燃料として廃棄物を有効利用あるいは処理を行うことは、安全かつ大量処分が可能という観点から有効とされている。
廃棄物、副産物等の中で、石炭灰、都市ごみ焼却灰、高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグ等、特に石炭灰は、通常のセメントクリンカー組成に比べ、Al含有量が多い。そのためこのような廃棄物、副産物等の使用量を増加させた場合、セメントクリンカー成分のうち間隙相に当たる3CaO・Al含有量が増加することになり、セメント物性に影響が生じる。従って、セメント製造での廃棄物、副産物等の利用量は、Al成分の量により制約を受け、多量に使用できないという問題がある。
そのようななか、上記石炭灰を主成分とし、Caを含む原料を副成分としてCaO・Al・2SiO(以下CASと略記する場合がある)を含有する焼成物を製造し、セメント混合材や細骨材とする技術が提案されている(特許文献1、2参照)。
また、セメントを用いてモルタルやコンクリートを製造する際に、細骨材(砂)は必須の成分である。しかしながら、環境破壊等の懸念から、良質の細骨材を多量に採取するには困難が伴うようになってきている。
特許第4494743号公報 特許第4456832号公報
ここで、CaO・Al・2SiOはその化学式の示す通りCaOとAlとSiOとが1:1:2の比率の鉱物である。従って、原料として当該組成比のものを用いれば、ほぼ100%の割合でCASを生じる。
しかしながら、前記廃棄物を有用な材料に変換しようとする目的に鑑みれば、上記のような割合の原料とすること自体に現実性がなく、どうしてもある程度の組成のぶれが存在することは避けられない。さらに、廃棄物を原料としようとする場合、上記3元素以外の金属成分の混入も避けることができない。
そして本発明者等の検討によれば、CaO、Al及びSiOの組成比のずれや、他の金属成分の存在により、CAS以外の鉱物の生成や非晶質(ガラス質)の生成が起きやすくなる。
ここで、CAS以外の鉱物の生成は通常は問題を生じないが、非晶質が多量に存在する場合には、該非晶質が水と反応して体積膨張を起こしたり、あるいは化学抵抗性を低下させるなどの問題を生じる。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。そしてその結果、原料中のSiO、Alを及びCaOを特定の範囲とし、且つAl/SiOをも調整することにより、非晶質の生成割合を低く抑えられることを見出し本発明を完成した。
即ち本発明は、950℃での強熱残分が、酸化物換算でSiOを40〜50質量%、Alを20〜37質量%、CaOを16〜23質量%含み、且つAl/SiOが0.4〜0.9の範囲にある原料を1000〜1400℃で焼成する、CaO・Al・2SiOを主成分とする焼成物の製造方法(但し、原料がCaO:Al:SiO=1:1:2であって且つこれら以外の金属成分を含まない場合を除く)である。
セメント混合材や細骨材などとして有用なCASを主成分と(50質量%以上含有)し、かつ非晶質相含有量が20%以下である焼成物を再現性良く得ることができる。従って、従来技術に比べてより安定したセメント混合材や細骨材などとしても良質な焼成物を得ることが可能となる。
本発明の製造方法においては、その成分として、950℃での強熱後の残分が、酸化物換算でSiOを40〜50質量%、Alを20〜37質量%、CaOを15〜23質量%含み、かつAl/SiOが0.4〜0.9の範囲にある原料を用いる。この範囲を外れると、焼成してもCASが全く生じなかったり、生成量が微量であったり、また非晶質量が多かったりしてセメント混合材や細骨材として適当な物性を有さないものとなってしまう。
ここで、950℃での強熱後の残分(以下、「強熱残分」と記す)とするのは、例えば石炭灰等の廃棄物・副産物を原料の一部として用いた場合、これら原料が水分や可燃成分(カーボンなど)を含むことが多く、よって、原料が含む該水分や未燃カーボン等を除去し、1000〜1400℃の温度で焼成した場合の化学組成に、より正確に反映させるためである。例えば、石炭灰によっては、上記水分や未燃カーボンが殆ど含まれていないものから、30wt%近く含むものまである。また原料の一部として石灰石を用いた場合には、焼成により脱離する二酸化炭素の質量を考慮する必要がある。そのため、これらを除いた化学組成でなくては、十分にCASを生じさせる組成か否かを決定することはできない。
よりCAS含有量が高く、非晶質の少ない焼成物を得るためには、強熱残分がSiOを40〜47質量%、Alを27〜34質量%、CaOを16〜19質量%含み、かつAl/SiOが0.6〜0.8の範囲にある原料を焼成することが好ましく、Al/SiOが0.6〜0.7の範囲にある原料を焼成することがより好ましい。
さらに非晶質相を少なくし、よりCASの生成量を高くするために、原料としては、強熱残分中のアルカリ含有量(NaO+KO)が2.5量%以下、特に、1.5質量%以下のものを用いることが好ましい。
また同じくCASの生成割合を高くするという観点から、SiO、Al及びCaO以外の金属元素としては、強熱残分中にその合計が酸化物換算で15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
上記組成を有する原料としては、廃棄物の有効利用という観点から石炭灰を主原料とすることが好ましい。但し、一般的な石炭灰は前記範囲と比較するとCaO含有率が低いため、副原料として該石炭灰よりもCa含有率の高い原料を用いることが好ましい。
当該副原料としては、石灰石(炭酸カルシウム)、貝殻、生石灰、消石灰等が挙げられる。また各成分比を調製するために、他の原料を用いることも可能であり、例えば、高炉スラグ、製鋼スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、建設発生土、下水汚泥、都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰などが挙げられる。さらには、ポルトランドセメントクリンカー原料として公知の他の原料を用いることもできる。
なお原料の強熱残分の化学組成が上記範囲に入っているか否かについては、該原料をJI R5202「ポルトランドセメントの化学分析法」やJI R5204「セメントの蛍光X線分析法」などに準拠した方法により測定、確認すればよい。また、950℃での強熱は、JIS R5202中の「5.強熱減量の定量方法」に準じて行う。
本発明において、上記焼成物の原料の焼成温度は1000℃以上である。焼成温度が1000℃未満の場合には、CASの生成が不十分となる。より好ましい焼成温度は1150℃以上である。また焼成温度が1400℃を上回る場合には、原料が溶融、ガラス化するため、CASの結晶化が困難となる。従って焼成時の最高温度は1400℃以下であり、1350℃以下が好ましい。
焼成時間は、焼成温度にもよるが、一般的には0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
焼成方法は特に限定されず、上記温度を得られる装置であれば特に限定されないが、既存のポルトランドセメント製造設備を使用できるという観点からNSPキルンや、SPキルンに代表されるセメントキルン等の高温加熱が可能な装置が好適に使用できる。また、大量生産あるいは大量処理の観点からも当該セメント製造設備を用いることが好ましい。
焼成物中のCASは、全体の50質量%以上含まれていればよいが、セメント混合材として使用する際の物性を考慮すると、70質量%以上であることが好ましい。
さらに本発明の製造方法で得られる焼成物にはCAS以外の鉱物が存在していても良く、具体的には、ゲーレナイト、ムライト、ウォラストナイト、ビーライト等が挙げられる。
本発明の製造方法によれば、CASとそれ以外の鉱物とを合わせて80質量%以上とすることが再現性良く可能であり、さらに組成比を限定すれば85質量%以上とすることも可能となる。
本発明の製造方法で製造されたCASを含む焼成物は、ポルトランドクリンカーおよび石膏と共に粉砕または個別に粉砕した後、混合することにより、水硬性組成物とすることができる。使用する石膏については、二水石膏、半水石膏、無水石膏等のセメント製造原料として公知の石膏が特に制限なく使用できる。石膏の添加量は、水硬性組成物中のSO量が1.5〜5.0質量%となるように添加することが好ましく、1.8〜3.0質量%となるような添加量がより好ましい。上記CASを含む焼成物、ポルトランドセメントクリンカーおよび石膏の粉砕方法については、公知の技術が特に制限なく使用できる。ポルトランドセメントクリンカーは、その製造方法、組成に特に制限なく公知のものが制限なく使用できる。
また、該水硬性組成物には、更に高炉スラグ、シリカ質混合材、フライアッシュ、炭酸カルシウム、石灰石等の混合材や粉砕助剤を適宜、添加混合、混合粉砕してもよい。また塩素バイパスダスト等を混合してもよい。
当該水硬性組成物の粉末度は、特に制限されないが、2800〜4500cm/gに調整されることが好ましい。
さらに必要に応じ、粉砕後に高炉スラグ、フライアッシュ等を混合し、高炉スラグセメント、フライアッシュセメント等にすることも可能である。
むろん本発明の焼成物は、JIS規格外のセメントの製造原料や、セメント系固化材等の原料としてもよい。
さらに本発明の製造方法で得られた焼成物は、ふるい法で粒径2.5mm以下になるまで粉砕することにより、モルタルやコンクリートを製造する際の細骨材とすることも可能である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
用いた石炭灰は、日本国内の火力発電所から排出されたものである。この石炭灰の強熱減量、強熱残分の組成およびAl/SiOを表1に示す。化学組成は蛍光X線分析により求めた。
Figure 2013023422
表1に示す石炭灰と、石灰石、建設発生土等を混合し、以下の表2に示す組成(強熱残分)の原料を得た。これらを1250℃で0.5時間焼成し焼成物を得た。得られた焼成物を蛍光X線分析による化学組成と、粉末X線回折の内部標準を用いたリートベルト解析により含有されるCAS等の結晶量及び非晶質量とを求めた。結果を表2に示す。
Figure 2013023422

Claims (2)

  1. 950℃での強熱残分が、酸化物換算でSiOを40〜50質量%、Alを20〜37質量%、CaOを15〜23質量%含み、且つAl/SiOが0.4〜0.9の範囲にある原料を1000〜1400℃で焼成する、CaO・Al・2SiOを主成分とする焼成物の製造方法(但し、原料がCaO:Al:SiO=1:1:2であって且つこれら以外の金属成分を含まない場合を除く)。
  2. 原料として、石炭灰と該石炭灰よりもCa含有率の高い原料とを用いる請求項1記載の焼成物の製造方法。
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