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JP2013000231A - パチンコ機 - Google Patents

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JP2013000231A
JP2013000231A JP2011132425A JP2011132425A JP2013000231A JP 2013000231 A JP2013000231 A JP 2013000231A JP 2011132425 A JP2011132425 A JP 2011132425A JP 2011132425 A JP2011132425 A JP 2011132425A JP 2013000231 A JP2013000231 A JP 2013000231A
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Katsuaki Hayakawa
勝昭 早川
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Heiwa Corp
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Abstract

【課題】糸付き球を用いた不正行為を確実に防止できるパチンコ機を提供する。
【解決手段】機器本体2に支持された遊技盤7と、遊技盤7の遊技領域8に設けられた複数の入賞口27と、機器本体2の裏面側に設けられた賞球払出装置19と、不正行為が行われたことを報知可能な報知手段45とを備え、遊技領域8を流下する遊技球が入賞口27の開口27aに入ることにより、賞球払出装置19を作動させて所定数の遊技球が払い出されるパチンコ機において、入賞口27の開口27a内に、遊技球の通過を検知して賞球払出装置19を作動させる上段側検出センサ39と、球戻り防止弁41を有する下段側検出センサ40とを上下方向に積層配置し、球戻り防止弁41が遊技球の通過を許可して戻りを阻止すると共に、この球戻り防止弁41によって遊技球の戻り動作を検出して報知手段45を作動させるようにした。
【選択図】図6

Description

本発明は、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機に関するものである。
一般的にパチンコ機は、機器本体の前面に設けられた受皿から供給される遊技球を発射装置によって遊技盤の遊技領域に向けて打ち出し、この遊技球が遊技領域に設けられた複数の入賞口(始動入賞口や一般入賞口)のいずれかに入ると、所定数の遊技球が賞球として受皿に払い出されるようになっている。遊技盤には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域の上部側に案内する外レールと、遊技領域の周壁の大部分を規定する内レールとが設けられており、これら外レールと内レールとで挟まれた空間部分が発射案内通路となっている。発射装置は受皿の近傍に設けられた発射ハンドルの回動操作によって駆動され、発射装置の側方には発射案内通路に向かって傾斜する発射レールが設けられている。この発射レールは受皿から供給される遊技球を保持する発射待機部を有しており、発射案内通路と発射レールとの間にはレール欠落部が形成されている。
そして、遊技者によって発射ハンドルが任意角度に回動操作されると、受皿から供給されて発射待機部に保持された遊技球が発射装置によって打撃されるため、この遊技球がレール欠落部を飛び越えて発射案内通路から遊技領域へと向かう。その際、発射時の勢いが不十分で遊技領域まで到達できなかった遊技球は、発射案内通路を逆走してレール欠落部に落下した後、ファール球として受皿に戻される。一方、十分に勢いのある遊技球は、発射案内通路を通過して遊技領域内に進入し、この遊技球が遊技領域を落下して任意の入賞口に入ると、前述したように、所定数の遊技球が賞球として受皿に払い出される。ここで、入賞口の内部には近接スイッチ等からなる検知センサが配置されており、通常、この検知センサは入賞口に形成された開口の内部に1つだけ配置されている。検知センサは遊技球の通過によってオン/オフの切換動作し、入賞口の開口に入った遊技球が検知センサを通過することにより、入賞口の種類(始動入賞口や一般入賞口)に応じて予め設定された数の遊技球が賞球として受皿に払い出されるようになっている。
従来より、このようなパチンコ機におけるゴト行為として、機器本体の隙間から遊技領域にピアノ線等を挿入し、このピアノ線を用いて恰も遊技球が入ったかのように検知センサを誤動作させることで、賞球を不正に獲得するといった不正行為が問題となっている。そこで、入賞口の開口内に2つの検知センサを上下方向に積層配置し、これら2つの検知センサによる遊技球の検知が上側から下側にかけて所定時間内で順番に行われたときだけ、遊技球が入賞口に正規に入ったものと認識する遊技球通過認識手段を有するパチンコ機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる遊技球通過認識手段を備えたパチンコ機によれば、不正行為を働こうとする者が機器本体の隙間から遊技領域にピアノ線を挿入し、このピアノ線を用いて入賞口内の検知センサを刺激しようとしても、通常は、上下2つの検知センサの片方だけを刺激することになるため、遊技球が入賞口に正規に入ったものと判断されず、遊技球が不正に払い出されることはない。また、仮にピアノ線を用いて入賞口内の2つの検知センサを刺激することができたとしても、実際に遊技球が入賞口に入ったかのように、2つの検知センサが上側から下側にかけて所定時間内で順番に検知信号を出力することは極めて困難であるため、ピアノ線を用いた不正行為を防止することができる。
特開2003−340072号公報
ところで、遊技球を不正に搾取するゴト行為の手口は日を追うごとに巧妙になってきており、例えば、遊技球に透明な釣り糸等を接着した糸付き球を遊技領域に打ち出し、この糸付き球を外部から往復操作して入賞口の開口に出し入れすることで、恰も遊技球が入ったかのような状態を作り出して賞球を獲得する糸ゴトと呼ばれる不正行為が行われている。かかる糸ゴト行為は、糸の付いた本物の遊技球を入賞口の内部まで誘導して検知センサで検出させるというものであり、糸を巧みに操作して糸付き球を入賞口の内部で上下動することにより、正規の遊技球と似たような挙動が実現可能となるため、特許文献1に開示された従来のパチンコ機のように、単に2つの検知センサを積層配置しただけでは、このような糸ゴト行為を防止することはできなかった。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、糸付き球を用いた不正行為を確実に防止できるパチンコ機を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、機器本体に支持された遊技盤と、この遊技盤の遊技領域に設けられた複数の入賞口と、前記機器本体の裏面側に設けられた賞球払出装置と、不正行為が行われたことを報知可能な報知手段とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球が前記入賞口に形成された開口に入ることにより、前記賞球払出装置を作動させて所定数の遊技球が払い出されるパチンコ機において、前記入賞口の前記開口内に、遊技球の通過を検知して前記賞球払出装置を作動させる上段側検出センサと、球戻り防止弁を有する下段側検出センサとを上下方向に積層配置し、前記球戻り防止弁が遊技球の通過を許可して戻りを阻止すると共に、この球戻り防止弁によって遊技球の戻り動作を検出して前記報知手段を作動させるようにした。
このように構成されたパチンコ機では、不正行為を働こうとする者が糸の付いた遊技球(糸付き球)を遊技領域に打ち出した後、糸を外部から手動操作して遊技球を入賞口の開口内に落とし込むと、遊技球は上段側検出センサと下段側検出センサを通過して入賞口の内部まで導かれ、この間で、上段側検出センサが遊技球の通過を検知して賞球払出装置を作動させると共に、下段側検出センサの球戻り防止弁が遊技球の通過を許可するが、この糸付き球を上段側検出センサの上方まで引き上げて再び賞球払出装置を作動させようとすると、球戻り防止弁が遊技球の戻り動作(上動)を阻止すると共に、報知手段を作動させて不正行為が行われたことを外部に報知する。したがって、糸の付いた遊技球を入賞口に対して繰り返し出し入れすることはできず、糸付き球を用いて賞球を不正に獲得するという不正行為を確実に防止することができる。
上記の構成において、下段側検出センサは少なくとも遊技球の戻り動作を検出可能な検出素子を有していれば良いが、この下段側検出センサに、球戻り防止弁が遊技球の戻りを阻止したときに動作される第1検出素子と、球戻り防止弁が遊技球の通過を許可したときに動作される第2検出素子とを設け、第1検出素子から出力される動作信号に基づいて報知手段を作動させると共に、第2検出素子からの動作信号を伴わずに上段側検出センサが遊技球の通過を連続して検出したときも報知手段を作動させるようにすると、入賞口の開口内に入った遊技球が上段側検出センサから下段側検出センサの順に通過したときだけ、その遊技球が正規球であると判定し、それ以外のときは不正球であると判定することができる。したがって、仮に糸付き球を下段側検出センサを通過させずに上段側検出センサに対して上下動させることができたとしても、この間で払い出される賞球は不正行為によるものであると報知されるため、糸付き球を用いた不正行為を効果的に抑止することができる。
本発明のパチンコ機では、入賞口の開口内に上段側検出センサと下段側検出センサを積層配置してあり、糸の付いた遊技球(糸付き球)を入賞口の開口内に落とし込むと、この遊技球が上段側検出センサと下段側検出センサの順に通過して入賞口の内部まで導かれ、その間で、上段側検出センサが遊技球の通過を検知して賞球払出装置を作動させると共に、下段側検出センサの球戻り防止弁が遊技球の通過を許可するようになっている。そして、この糸付き球を上段側検出センサの上方まで引き上げて再び賞球払出装置を作動させようとすると、球戻り防止弁が遊技球の戻り動作を阻止すると共に、報知手段を作動させて不正行為が行われたことを外部に報知するため、糸の付いた遊技球を入賞口に対して繰り返し出し入れすることはできず、糸付き球を用いて賞球を不正に獲得するという不正行為を確実に防止することができる。
本発明の実施形態例に係るパチンコ機の外観斜視図である。 図1に示すパチンコ機のガラス扉を開けた状態の外観斜視図である。 図1に示すパチンコ機の背面図である。 図1のパチンコ機に備えられる機器本体の正面図である。 遊技盤の遊技領域に設けられた一般入賞口の内部構造を示す断面図である。 図5に示す上段側検出センサと下段側検出センサの斜視図である。 該下段側検出センサの説明図である。 図7のA部を拡大して示す説明図である。 図5に示す上段側検出センサと下段側検出センサの動作説明図である。 不正行為の判定処理を実行するためのフローチャートである。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1に示すように、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた機器本体2と、機器本体2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられたガラス扉3等を備えており、ガラス扉3にはガラスやプラスチック等からなる透明板4が取り付けられている。
図2に示すように、機枠1の左側枠部には上側軸受け体5aと下側軸受け体5bが固着されており、この下側軸受け体5bよりも下方の左下隅部には大型のスピーカ6が配設されている。一方、機器本体2の左側枠部の上下両端には第1ピン(図示せず)が設けられており、これら両第1ピンが対応する上下の軸受け体5a,5bに軸支されることにより、機器本体2は機枠1に対して開閉自在となっている。
機器本体2の上部内側には遊技盤7が収納されており、この遊技盤7の盤面(前面)は透明板4を透して目視可能となっている。遊技盤7はその盤面に遊技領域8を有しており、遊技領域8はガラス扉3の透明板4を透して外部から目視可能となっている。遊技領域8はガイドレール9と規制レール10によって略円形状に区画形成されており、この遊技領域8内を後述する発射装置23によって打ち出された遊技球が流下する。また、遊技領域8内には、センター役物装置と呼ばれる可変表示装置24と、一対の始動入賞口25,26と、複数の一般入賞口27と、通過ゲートであるスルーチャッカー28と、大入賞口を有するアタッカー装置29等が設けられており、これら始動入賞口25,26と一般入賞口27および大入賞口の内部には遊技球の通過を検知するための検知センサが配置されている。
遊技領域8内に設けられた上記各部材について簡単に説明すると、可変表示装置24の下側にはステージ30が設けられており、一対の始動入賞口25,26はステージ30の真下位置に上下2段に積層状態で配置されている。上段側の始動入賞口25は可動片を持たない非作動式の入賞口であるが、下段側の始動入賞口26は一対の可動片を有する作動式(電動チューリップ構造)の入賞口となっている。そして、これら始動入賞口25,26のいずれか一方に遊技球が入ると、それを契機として特別図柄表示の電子抽選が行われ、可変表示装置24の表示画面上で演出用図柄の変動表示および停止表示が行われる。また、スルーチャッカー28を遊技球が通過したことを契機として普通図柄表示の電子抽選が行われ、その抽選結果が当たりの場合に始動入賞口26の可動片を一時的に開放して遊技球の入球を許可するようになっている。
アタッカー装置29は、始動入賞口25,26に遊技球が入ることを契機に行われる特別図柄表示の電子抽選の結果、当たりとなって大当たり遊技状態へ移行した場合に作動される装置である。具体的には、特別図柄表示の抽選結果が当たりの場合、可変表示装置24の表示画面上で演出用図柄の変動停止を例えば「777」のように特別図柄で停止させると共に、アタッカー装置29が複数回繰り返し開放動作して内部の大入賞口を露呈させる。アタッカー装置29は1回の開放動作について例えば30秒経過するまで、あるいは遊技球が大入賞口に例えば10個入るまで開放状態を維持し、かかる開放動作を例えば15回繰り返した後に大当たりが終了する。なお、始動入賞口25,26に遊技球が入ると、特別図柄表示の抽選結果が行われると共に、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出されるが、一般入賞口27に遊技球が入った場合には、電子抽選は行われず所定個数の遊技球の払い出しのみが行われる。そして、いずれの始動入賞口25,26や一般入賞口27にも入らなかった遊技球は、遊技領域8の最下端部に設けられたアウト口31から遊技盤7の裏面側に排出されるようになっている。
遊技盤7よりも下方の機器本体2はガラス扉3の下部によって覆い隠される設置部2aとなっており、この設置部2a内の下部中央には遊技球を遊技領域8に向けて発射する発射装置23が配設されている。この発射装置23は遊技球を打撃するハンマ23aを有しており、ハンマ23aはロータリソレノイド等を駆動源として回転動作(揺動)される。また、機器本体2の右側枠部にはシリンダ錠11aを有する施錠装置11が設置されており、図示省略されているが、この施錠装置11は機器本体2の裏面に配置された後部施錠杆と機器本体2の前面に配置された前部施錠杆とを備えている。常態では、施錠装置11の後部施錠杆によって機枠1に対して機器本体2が施錠されると共に、前部施錠杆によって機器本体2に対してガラス扉3が施錠されている。そして、シリンダ錠11aの鍵穴に図示せぬ鍵を差し込み、この鍵を一方向(例えば時計回り)へ回動すると、後部施錠杆が上動して機器本体2が開錠されるようになっている。また、シリンダ錠11aの鍵穴に差し込んだ鍵を他方向(反時計回り)へ回動すると、前部施錠杆が上動してガラス扉3が開錠されるようになっている。
ガラス扉3の左側枠部の上下両端には第2ピン(図示せず)が設けられており、これら両第2ピンを機器本体2の上下の軸孔(図示せず)に挿入することにより、ガラス扉3は機器本体2に対して開閉自在となっている。図1に戻り、ガラス扉3には遊技盤7の盤面に対向する大きな開口3aが開設されており、この開口3aは透明板4によって塞がれている。ガラス扉3の前面上部には比較的小型のスピーカ12が左右に1個ずつ配設されており、これらスピーカ12と前述した大型のスピーカ6とによって遊技に関する様々な効果音を発するようになっている。また、ガラス扉3の前面下部には、遊技盤7の裏面に配設された賞球払出装置(後述する)から払い出された遊技球を収容する上段受皿13と、上段受皿13から排出された遊技球を収容する下段受皿14と、遊技者による押下操作が可能なプッシュ釦15とが設けられており、上段受皿12の右側方には発射装置23の発射強度を調整するための操作ハンドル16が配設されている。
図3に示すように、このパチンコ機Pの背面側には、遊技に関する主要な処理を行う主制御処理部17と、主制御処理部17からの指令を受けて可変表示装置やスピーカ等の各種装置を制御する副制御処理部18と、遊技場の島設備から供給される遊技球を貯留可能な貯留タンク47と、貯留タンク47から供給された遊技球を上段受皿13に賞球として払い出す賞球払出装置19と、主制御処理部17からの指令を受けて賞球払出装置19を制御する払出制御処理部20と、操作ハンドル16の回動操作量に応じて発射装置23の作動を制御する発射制御処理部21と、賞球数や大当たり回数等の各種情報を遊技場のホールコンピュータに出力する外部端子基板22等が設けられている。主制御処理部17は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等が実装された制御基板(メイン基板)とを備えており、このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
図4に示すように、遊技盤7の遊技領域8よりも左側には、発射装置23から発射された遊技球を遊技領域8の上部側に案内する外レール32と、規制レール10の外周面に沿って延びる内レール33とが設けられており、これら外レール32と内レール33とで挟まれた空間部分が発射案内通路34となっている。なお、図4において、遊技領域8内に設けられた可変表示装置24や始動入賞口25,26等は図示省略されている。外レール32はアウト口31から離れた左側位置から遊技盤7の左側端および上端部を経て円弧状に配置されており、外レール32の上端側はガイドレール9に連続している。内レール33はアウト口31のやや左側位置から遊技盤7の上端部にかけて円弧状に配置されており、発射案内通路34の上端部には遊技領域8から遊技球が戻るのを阻止する球戻り防止片35が設けられている。
また、遊技盤7よりも下方の設置部2aには球保持部としての発射レール36が設けられており、この発射レール36は発射装置23の斜め上方に位置している。発射レール36は発射案内通路34に向かって上り勾配で傾斜する傾斜面を有し、この傾斜面の右端の最下部が発射待機部36aとなっている。発射待機部36aの近傍には図4の2点鎖線で示す供給口37aが配置されており、この供給口37aは上段受皿13に連設されてガラス扉3の裏面側に突出する整流器37の出口である(図2参照)。すなわち、上段受皿13に貯留された遊技球は整流器37で一列に整流された状態で供給口37aから発射待機部36aへ1個ずつ供給され、この発射待機部36aに保持された遊技球が発射装置23のハンマ23aの打撃によって発射案内通路34の方向へ発射されるようになっている。なお、発射案内通路34と発射レール36との間にレール欠落部38が形成されており、発射時の勢いが不十分で遊技領域8まで到達できなかった遊技球は、発射案内通路34を逆走してレール欠落部38に落下した後、ガラス扉3の裏面側に突出する球回収部14a(図2参照)を通って下段受皿14にファール球として戻される。
図5に示すように、遊技盤7の遊技領域8に設けられた一般入賞口27は遊技球の導入口である開口27aを有しており、この開口27aの内部に上段側検出センサ39と下段側検出センサ40が上下方向に積層配置されている。図6に示すように、上段側検出センサ39は通過孔39aを有する貫通型近接スイッチと呼ばれる公知の検知センサであり、内蔵した高周波発信回路(図示せず)の検出コイルのインピーダンス変化によって遊技球の通過を非接触で検出することができる。上段側検出センサ39は主制御処理部17に接続されており、上段側検出センサ39が遊技球の通過を検出すると、その検出信号(オン信号)に基づいて主制御処理部17が払出制御処理部20を介して賞球払出装置19を駆動制御することにより、前述したように所定数の遊技球が賞球として払い出される。
下段側検出センサ40は球戻り防止弁41によって接点の切換動作を行うマイクロスイッチであり、球戻り防止弁41は金属板をくの字状に屈曲した可動部材である。図7と図8に示すように、球戻り防止弁41の屈曲部分に形成された支点部41aは下段側検出センサ40に揺動可能に支持されており、支点部41aよりも下方部分は下段側検出センサ40の通過孔40a内に前傾姿勢で突出している。また、球戻り防止弁41の支点部41aよりも後方部分は下段側検出センサ40の規制孔40b内に位置しており、この規制孔40bによって球戻り防止弁41の揺動角度が所定範囲に規定されている。具体的には、図9(a)に示すように、遊技球が下段側検出センサ40の通過孔40a内を上から下に向かって通過するとき、球戻り防止弁41は遊技球に押圧されて同図の反時計回りに揺動(回動)し、この場合、球戻り防止弁41は規制孔40bの上部領域を自由に移動することができる。一方、図9(b)に示すように、遊技球が通過孔40aの下方から上方に向かって移動するとき、球戻り防止弁41は遊技球に持ち上げられて同図の時計回りに揺動し、この場合、球戻り防止弁41が規制孔40bの下端部まで移動すると、それ以上は揺動できないように位置規制される。このように、下段側検出センサ40の通過孔40a内に配置された球戻り防止弁41は、遊技球が自重で落下する方向への通過を許可するが、遊技球が自重に逆らって戻る方向への移動を阻止する機能を有している。
下段側検出センサ40には検出素子である第1スイッチ42と第2スイッチ43が内蔵されており、これら第1および第2スイッチ42,43は球戻り防止弁41の揺動方向に応じて接点の切換動作が行われる。すなわち、第1スイッチ42は規制孔40bの下端側に突出する検知受部42aを有しており、常態では、検知受部42aが球戻り防止弁41と離反することで、第1スイッチ42はオフ状態に維持されている。また、図9(a)に示すように、遊技球の通過に伴って球戻り防止弁41が通過孔40aの内周面に押し付けられる方向へ揺動したときも、球戻り防止弁41が検知受部42aから離れる方向へ移動するため、第1スイッチ42はオフ状態に維持されている。ただし、図9(b)に示すように、遊技球の戻り動作に伴って球戻り防止弁41が通過孔40aの中心に向かって揺動した場合、球戻り防止弁41が規制孔40bの下端側へ移動して検知受部42aを押圧するため、第1スイッチ42はオフからオン状態に接点の切換動作が行われる。
第2スイッチ43は復帰ばね(図示せず)の弾発力を受けて前方へ付勢されたステム43aを有しており、常態では、ステム43aが通過孔40aの内部に突出して球戻り防止弁41の背面に対向することで、第2スイッチ43はオフ状態に維持されている。また、図9(b)に示すように、遊技球の戻り動作に伴って球戻り防止弁41が通過孔40aの中心に向かって揺動したときも、球戻り防止弁41はステム43aから離れる方向へ移動するため、第2スイッチ43はオフ状態に維持されている。ただし、図9(a)に示すように、遊技球の通過に伴って球戻り防止弁41が通過孔40aの内周面に押し付けられる方向へ揺動した場合、ステム43aが球戻り防止弁41によって押圧されるため、第2スイッチ43はオフからオン状態に接点の切換動作が行われる。
第1スイッチ42と第2スイッチ43の出力信号は副制御処理部18に設けられた制御判定部44に取り込まれ、制御判定部44が第1および第2スイッチ42,43の出力信号に基づいて報知手段45を作動するようになっている。この報知手段45は不正行為が行われたことを外部に報知するためのものであり、例えば、スピーカ6,12を用いて警報音を発生させたり、外部のホールコンピュータに不正検知信号を送信する等、適宜の手段を採用することが可能である。詳細については後述するが、制御判定部44は、第1スイッチ42がオフからオン状態に切換動作されたとき、つまり、球戻り防止弁41が遊技球の戻り動作を阻止したとき、報知手段45を作動させることで周囲に不正行為が行われたことを報知する。また、本実施形態例では、上段側検出センサ39の出力信号も制御判定部44に取り込まれるようになっており、上段側検出センサ39のオン信号と第2スイッチ43のオン信号が連続して出力されたとき、つまり、遊技球が上下に積層配置された上段側検出センサ39と下段側検出センサ40の各通過孔39a,40aを順番に通過したときだけ、制御判定部44は、その遊技球が正規球であると判定して報知手段45を作動させず、それ以外のときは不正球であると判定して報知手段45を作動させる。
このように構成されたパチンコ機Pにおいて、遊技者が操作ハンドル16を回動操作すると、上段受皿13に貯留された遊技球が供給口37aから発射レール36へ1個ずつ供給されて発射待機部36aに保持され、それと同期して発射装置23が作動してハンマ23aを操作ハンドル16の操作量に応じた強さで発射方向へ揺動させるため、発射待機部36aに保持された遊技球がハンマ23aの打撃によって発射案内通路34の方向へ順次発射される。そして、遊技領域8内に進入した遊技球が始動入賞口25,26に入ると、特別図柄表示の抽選結果が行われると共に、賞球払出装置19の作動により所定個数の遊技球が上段受皿13に払い出される。また、遊技領域8内を流下する遊技球が任意の一般入賞口27に入ると、賞球払出装置19の作動により所定個数の遊技球の払い出しのみが行われ、いずれの始動入賞口25,26や一般入賞口27にも入らなかった遊技球はアウト口31から遊技盤7の裏面側に排出される。
ここで、不正行為を働こうとする者が遊技球Bに糸46を接着・固定し、かかる糸付き球Bを上段受皿13から発射待機部36aに供給して遊技領域8に打ち出した後、外部から糸46を手動操作して先端の遊技球Bを一般入賞口27の開口27a内に落とし込むと、図9(a)に示すように、この遊技球Bは自重で上段側検出センサ39と下段側検出センサ40の各通過孔39a,40aを順番に通過して一般入賞口27の内部へと導かれ、この間で、上段側検出センサ39が遊技球Bの通過を検知して賞球払出装置19を作動させると共に、下段側検出センサ40の通過孔40a内に配置された球戻り防止弁41が遊技球Bの通過を許容して第2スイッチ43をオン動作させる。しかる後、糸46を引き上げて遊技球Bを上段側検出センサ39の上方位置まで戻そうとすると、図9(b)に示すように、球戻り防止弁41が遊技球Bの戻り動作を阻止すると共に第1スイッチ42をオン動作させるため、糸付き球Bを上下動させて賞球払出装置19を繰り返し作動させることはできなくなる。また、この間に制御判定部44が上段側検出センサ39や第1および第2スイッチ42,43の出力信号に基づいて正規球か不正球かを判定し、不正球であると判定した場合は、報知手段45を作動させて不正行為が行われたことを周囲に報知する。
図10はかかる制御判定部44の判定処理を実行するためのフローチャートであり、同図に示すように、制御判定部44は、ステップS−1で上段側検出センサ39からオン信号を受信すると、次なるステップS−2で第2スイッチ43がオン動作したか否かを判定する。ステップS−2において、第2スイッチ43からオン信号を受信すると(YESの場合)、ステップS−3で第1スイッチ42がオン動作したか否かを判定し、第1スイッチ42からのオン信号を受信しないとき(NOの場合)はステップS−4へ移行し、正規球が使用されたものと判定して特別な処理を行わない。すなわち、一般入賞口27に入った遊技球が上段側検出センサ39から下段側検出センサ40を通過して遊技盤7の裏面側へ排出された場合、上段側検出センサ39と第2スイッチ43の順にオン信号が出力されると共に、第1スイッチ42からオン信号が出力されないため、制御判定部44は、その遊技球が正規球であると判定して報知手段45を作動させない。
これに対し、ステップS−3において、第1スイッチ42からオン信号を受信(YESの場合)すると、ステップS−5で不正球が使用されたものと判定し、ステップS−6で報知手段45に動作信号を出力してこれを作動させる。すなわち、一般入賞口27に入った遊技球が上段側検出センサ39から下段側検出センサ40を通過した後、この遊技球の自重に逆らう上方向への移動が球戻り防止弁41によって阻止された場合、上段側検出センサ39と第2スイッチ43および第1スイッチ42の順にオン信号が出力されるため、制御判定部44は、その遊技球が正規球でない不正球であると判定して報知手段45を作動させ、それによって不正行為が行われたことを周囲に報知する。
また、ステップS−2において第2スイッチ43からのオン信号を受信しないとき(NOの場合)は、ステップS−7で上段側検出センサ39からのオン信号を受信するとステップS−5へ移行し、この場合も、ステップS−5で不正球が使用されたものと判定した後、ステップS−6で報知手段45に動作信号を出力してこれを作動させる。すなわち、糸46の付いた遊技球Bを使用して賞球払出装置19を不正に作動させようとする場合、通常、糸付き球Bは開口27a内を自由落下して上段側検出センサ39と下段側検出センサ40の各通過孔39a,40aを通過するため、下段側検出センサ40の通過孔40a内に配置された球戻り防止弁41によって糸付き球Bの戻り動作は阻止されるが、糸46を巧みに操作することで遊技球Bが下段側検出センサ40の手前位置で上下動される可能性がある。その場合、賞球払出装置19が繰り返し作動されて賞球の払い出しは行われるものの、第2スイッチ43からのオン信号を伴うことなく上段側検出センサ39から連続してオン信号が出力されるため、制御判定部44は、この間で払い出される賞球は不正球を使用したものであると判定し、報知手段45を作動させて不正行為が行われたことを周囲に報知する。
以上説明したように、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、不正行為を働こうとする者が糸46の付いた遊技球(糸付き球)Bを遊技領域8に打ち出した後、糸46を外部から手動操作して遊技球Bを一般入賞口27の開口27a内に落とし込むと、遊技球Bは上段側検出センサ39と下段側検出センサ40の各通過孔39a,40aを通過して開口27aの内部まで自然落下し、この間で、上段側検出センサ39が遊技球Bの通過を検知して賞球払出装置19を作動させると共に、下段側検出センサ40の通過孔40a内に配置された球戻り防止弁41が遊技球Bの通過を許可するが、この糸付き球Bを上段側検出センサ39の上方まで引き上げて再び賞球払出装置19を作動させようとすると、球戻り防止弁41が遊技球Bの戻り動作を阻止すると共に、報知手段45を作動させて不正行為が行われたことを外部に報知するようにしている。したがって、糸46の付いた遊技球Bを一般入賞口27に対して繰り返し出し入れすることはできず、糸付き球Bを用いて賞球を不正に獲得するという不正行為を確実に防止することができる。しかも、主制御処理部17によって制御される上段側検出センサ39として誤検出の少ない近接スイッチを用いると共に、副制御処理部18の制御判定部44によって制御される下段側検出センサ40として球戻り防止弁41を有するマイクロスイッチを用いているため、万一、チャタリング等によって下段側検出センサ40の第1および第2スイッチ42,43が誤動作したとしても、賞球払出装置19による遊技球の払い出しは正常に行われて遊技に支障を来す虞はなくなる。
また、本実施形態例では、下段側検出センサ40に、球戻り防止弁41が遊技球の戻りを阻止したときに動作される第1スイッチ(第1検出素子)42と、球戻り防止弁41が遊技球の通過を許可したときに動作される第2スイッチ(第2検出素子)43とを設け、第1スイッチ42からオン信号が出力されたときに報知手段45を作動させるだけでなく、第2スイッチ43からのオン信号を伴わずに上段側検出センサ39から連続してオン信号が出力されたときも報知手段45を作動させるため、一般入賞口27の開口27a内に入った遊技球が上段側検出センサ39から下段側検出センサ40の順に通過したときだけ、その遊技球が正規球であると判定し、それ以外のときは不正球であると判定することができる。したがって、仮に糸付き球Bを下段側検出センサ40を通過させずに上段側検出センサ39に対して上下動させることができたとしても、この間で払い出される賞球は不正行為によるものであると報知されるため、糸付き球Bを用いた不正行為を効果的に抑止することができる。
なお、上記実施形態例では、下段側検出センサ40に遊技球の戻り動作を検出可能な第1スイッチ42と遊技球の通過を検出可能な第2スイッチ43とを設けてあるが、第2スイッチ43を省略して第1スイッチ42のオン信号のみで報知手段45を作動させるようにしても良い。この場合、糸付き球Bを上段側検出センサ39の通過孔39a内で上下動させて賞球を獲得するという不正行為は防止できないが、通常、糸付き球Bは開口27a内を自由落下して上段側検出センサ39と下段側検出センサ40の各通過孔39a,40aを通過するため、ほとんどの場合において糸付き球Bを用いての不正行為を防止することができる。
また、上記実施形態例では、一般入賞口27の開口27a内に上段側検出センサ39と下段側検出センサ40を積層配置した場合について説明したが、このような上段側検出センサ39と下段側検出センサ40を上段側の始動入賞口25の内部に積層配置しても良く、要は、糸付き球を入れやすい位置に設けられた入賞口であれば本発明を適用可能である。
2 機器本体
7 遊技盤
8 遊技領域
13 上段受皿
16 操作ハンドル
17 主制御処理部
18 副制御処理部
19 賞球払出装置
20 払出制御処理部
21 発射制御処理部
23 発射装置
23a ハンマ
25,26 始動入賞口
27 一般入賞口
27a 開口
39 上段側検出センサ
39a 通過孔
40 下段側検出センサ
40a 通過孔
40b 規制孔
41 球戻り防止弁
41a 支点部
42 第1スイッチ(第1検出素子)
42a 検知受部
43 第2スイッチ(第2検出素子)
43a ステム
44 制御判定部
45 報知手段
46 糸
P パチンコ機

Claims (2)

  1. 機器本体に支持された遊技盤と、この遊技盤の遊技領域に設けられた複数の入賞口と、前記機器本体の裏面側に設けられた賞球払出装置と、不正行為が行われたことを報知可能な報知手段とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球が前記入賞口に形成された開口に入ることにより、前記賞球払出装置を作動させて所定数の遊技球が払い出されるパチンコ機において、
    前記入賞口の前記開口内に、遊技球の通過を検知して前記賞球払出装置を作動させる上段側検出センサと、球戻り防止弁を有する下段側検出センサとを上下方向に積層配置し、前記球戻り防止弁が遊技球の通過を許可して戻りを阻止すると共に、この球戻り防止弁によって遊技球の戻り動作を検出して前記報知手段を作動させることを特徴とするパチンコ機。
  2. 請求項1の記載において、前記下段側検出センサに、前記球戻り防止弁が遊技球の戻りを阻止したときに動作される第1検出素子と、前記球戻り防止弁が遊技球の通過を許可したときに動作される第2検出素子とを設け、前記第1検出素子から出力される動作信号に基づいて前記報知手段を作動させると共に、前記第2検出素子からの動作信号を伴わずに前記上段側検出センサが遊技球の通過を連続して検出したときも前記報知手段を作動させることを特徴とするパチンコ機。
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