JP2013090752A - シミ分類方法、シミ分類装置およびシミ分類プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被験者の皮膚を撮影して得られた画像の色空間を変換した色空間変換画像を生成し、色空間変換画像に含まれるシミを検出し、検出されたシミについて、形態特徴量および色特徴量を算出し、算出された形態特徴量および色特徴量に基づいて、機械学習法によりシミを分類する。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1に提案されたシミの分類方法では、異なる波長の紫外線を皮膚に照射して紫外線カメラで撮影することにより、波長ごとにシミのコントラストの異なる画像が得られ、このコントラストの違いに基づいてシミの分類が行われている。
また、色分布を示す前記色特徴量は、検出されたシミのシミ画像をシミの重心位置から外側に向けて複数の領域に分割して作成した複数のマスクと、前記シミ画像を色成分毎に分解して作成した複数の色分解画像とをそれぞれ乗算することにより色成分毎の分割評価値を算出し、前記分割評価値の平均値および標準偏差を算出することで求めることができる。また、色分布を示す前記色特徴量は、検出されたシミのシミ画像をシミの重心位置から外側に向けて複数の領域に分割して作成した複数のマスクと、前記シミ画像を色成分毎に分解して作成した複数の色分解画像とをそれぞれ乗算することにより色成分毎の分割評価値を算出し、シミの重心を含むマスク領域の前記分割評価値とそれ以外のマスク領域の前記分割評価値とのそれぞれの比率から求めることもできる。
また、シミの分類は、分類木、ランダムフォレスト、バギングまたはAdaboostを用いた前記機械学習法により行われるのが好ましい。
図1に、この発明の一実施の形態に係るシミ分類方法を行うシミ分類装置の構成を示す。シミ分類装置は、カメラ1を備え、このカメラ1に色空間変換部2、シミ検出部3、特徴量算出部4、シミ分類部5および分類結果出力部6が順次接続されている。
カメラ1は、被験者の皮膚を撮影するものであり、例えば被験者の顔Fに対して正面に配置することで顔Fに発生したシミを撮影することができる。なお、カメラ1は、被験者の皮膚を安全に撮影できる可視光カメラを用いるのが好ましいが、紫外線カメラまたは赤外線カメラを用いて撮影することもできる。
特徴量算出部4は、シミ検出部3により検出されたシミについて、形態特徴量および色特徴量をそれぞれ算出する。シミ分類部5は、特徴量算出部4により算出された形態特徴量および色特徴量に基づいて、機械学習法により統計的にシミの分類を行う。機械学習法としては、分類木、ランダムフォレスト、バンギングまたはAdaboostなどを用いることができる。
分類結果出力部6は、モニタまたはプリンタなどから構成され、シミ分類部5により分類された被験者のシミの種別を出力する。
シミは、図2に示すように、シミの大きさおよび円形度を含む形態特徴量と、シミの明るさおよび色分布を含む色特徴量とから、肝班、日光黒子、脂漏性角化症、雀卵班、ホクロなどの6〜7種類に分類される。
具体的には、肝班は、色が薄い褐色(赤味よりも青味が強い)で且つ色分布が均一であり、目元輪郭付近に発生するもので、形状が扇形または楕円など多様で且つ4cm〜5cmの大きさを有し、輪郭形状がいびつで且つ輪郭コントラストが不明瞭といった特徴を有する。また、日光黒子は、色が薄い褐色から濃い褐色まで幅広く且つ色分布がほぼ均一であり、顔全体に発生するもので、楕円から真円に近い形状を有すると共に直径2mm〜10mm程度の大きさを有し、輪郭形状がいびつで且つ輪郭コントラストが明瞭であるといった特徴を有する。脂漏性角化症は、色が褐色から濃い褐色で且つ色分布は中心部が濃く、顔全体に発生するもので、楕円から真円に近い形状を有すると共に直径5mm〜10mm程度の大きさを有し、輪郭形状が比較的滑らかで且つ輪郭コントラストが明瞭であるといった特徴を有する。雀卵班は、色が薄い褐色(青味が強い)で且つ色分布が均一であり、顔全体に点在または多数分布して発生するもので、楕円から真円に近い形状を有すると共に直径が数mm程度の大きさを有し、輪郭形状がいびつで且つ輪郭コントラストが不明瞭から明瞭なものまで幅広いといった特徴を有する。ホクロは、色が濃い茶褐色から黒色であり、顔全体に発生するもので、楕円から真円に近い形状を有すると共に直径2mm〜10mm程度の大きさを有し、輪郭形状が比較的滑らかで且つ輪郭コントラストが明瞭であるといった特徴を有する。
特徴量算出部4は、被験者のシミを撮影して得られた画像情報に基づいて、上記のようなシミの形態特徴量と色特徴量の算出を行う。また、シミ分類部5では、シミの種別に応じて設定された形態特徴量と色特徴量に基づいて機械学習法が予め設計されており、特徴量算出部4で算出された形態特徴量と色特徴量を機械学習法により統計的に処理することで、被験者のシミが分類される。
まず、図1に示すように、被験者の顔Fが正面からカメラ1により撮影され、その撮影画像データがカメラ1から色空間変換部2に出力される。色空間変換部2は、図3に示すように、撮影画像をL*a*b*色空間などに変換した色空間変換画像を生成する。生成された色空間変換画像は色空間変換部2からシミ検出部3に出力され、シミ検出部3によりシミSの検出が行われる。シミ検出部3は、例えば色空間変換画像を2値化処理した2値化画像を生成し、この2値化画像から所定の閾値を有するものをシミSとして検出することができる。
形態特徴量としては、図3に示すように、2値化画像に含まれるシミSについて、例えば重心位置座標、近似楕円の主軸長、近似楕円の短軸長、近似楕円の主軸長と短軸長の比率、近似円の半径、周囲長および円形度がそれぞれ算出される。ここで、重心座標位置は、シミの頂点座標を(Xi,Yi)(ただし、i=1,2・・・n)とすると、下記式(1)で表すことができる。
((1/n)ΣXi,(1/n)ΣYi) ・・・ (1)
また、近似楕円の主軸長と短軸長との軸比率は、軸比率=主軸長/短軸長×100で表すことができる。さらに、円形度は、円形度=(4π×面積)/周囲長2で表すことができる。
すなわち、撮影画像から生成された色空間変換画像について、色成分毎に分解した色分解画像をそれぞれ生成すると共に2値化画像を生成する。色分解画像としては、例えばL*成分、a*成分、b*成分、C*成分およびHue成分に色空間変換画像をそれぞれ分解した画像を生成して用いることができる。ここで、L*成分は明度、a*成分は赤と緑に対応した補色成分、b*成分は黄色と青に対応した補色成分、C*成分は彩度、Hue成分は色相をそれぞれ示している。一方、色空間変換画像から生成された2値化画像は、異なる倍率で縮小されることで倍率の異なる複数の縮小画像が生成される。縮小画像としては、例えば80%、60%、40%および20%に2値化画像をそれぞれ縮小した画像を生成して用いることができる。続いて、シミSの重心位置を同心として4つの縮小画像と縮小していない2値化画像をそれぞれ重ねることで、シミSの重心位置から外側に向けて5つの領域D1〜D5に分割された分割画像が生成される。そして、5つの分割領域D1〜D5にそれぞれ対応するマスク2〜6を作成すると共にシミSの外側領域に対応するマスク1を作成する。
なお、色分布を示す色特徴量は、シミSの色分布に対して指標となるものであればよく、上記以外にも分割評価値を用いて算出したものを用いることができる。
このように、撮影画像から検出されたシミSについて、大きさおよび円形度を含む形態特徴量並びに明るさおよび色分布を含む色特徴量をそれぞれ詳細に算出することができる。
例えば、分類木によりシミSを分類する場合には、円形度、a*成分画像における分割評価値の標準偏差、近似楕円の軸比率、およびL*成分画像における分割評価値の平均値が、シミの種別に応じて予め設定された形態特徴量と色特徴量に基づいて順次判定される。例えば、シミSの円形度が0.55未満で且つa*成分画像における分割評価値の標準偏差が1.3以上であれば日光黒子に分類され、シミSの円形度が0.55以上で且つa*成分画像における分割評価値の標準偏差が2.35以上であればホクロに分類される。
シミSが種別毎に分類された分類結果は、シミ分類部5から分類結果出力部6に出力され、分類結果出力部6により分類結果が表示される。
また、上記の実施の形態では、シミ検出部1によるシミSの検出は色空間変換画像を2値化処理することで行われたが、シミSを検出できればこれに限るものではなく、例えばテンプレートマッチングなどの画像認識技術を用いることができる。
また、上記の実施の形態では、特徴量算出部4によるシミSの色分布を示す色特徴量は、シミSの重心位置から外側に向けて広がる色分布を算出したが、シミSの色分布を詳細に算出できればこれに限るものではなく、例えばシミSの最も色の濃い位置を中心としてそこから外側に向けて広がる色分布を算出することもできる。
この実施例は、被験者30名の皮膚を撮影した撮影画像からシミ部分を切り出して得られた各種類60枚のシミ画像を用いて、シミの形態特徴量と色特徴量をそれぞれ求め、求められた形態特徴量と色特徴量に基づいて種類の異なる機械学習法によりシミの分類を行ったものである。機械学習法には、分類木、ランダムフォレスト、バギングおよびAdaboostを用いた。
その結果、表1に示すように、シミ分類の正解率は、全ての機械学習法において80%以上を示すと共にその平均値は90%以上となり、高精度にシミを分類できることが分かった。特に、ランダムフォレストを用いた場合には、全ての種類のシミにおいて、シミ分類の正解率が90%以上を示し、ランダムフォレストがシミの分類に適していることが示唆された。
Claims (8)
- 被験者の皮膚を撮影して得られた画像の色空間を変換した色空間変換画像を生成し、
前記色空間変換画像に含まれるシミを検出し、
検出されたシミについて、形態特徴量および色特徴量を算出し、
算出された前記形態特徴量および前記色特徴量に基づいて、機械学習法によりシミを分類するシミ分類方法。 - 前記形態特徴量は、検出されたシミについて、重心位置座標、近似楕円の主軸、近似楕円の短軸、近似円の半径、周囲長および円形度をそれぞれ示す特徴量を含む請求項1に記載のシミ分類方法。
- 前記色特徴量は、検出されたシミについて、シミの明るさおよびシミの重心位置から外側に向けて広がる色分布をそれぞれ示す特徴量を含む請求項1に記載のシミ分類方法。
- 色分布を示す前記色特徴量は、検出されたシミのシミ画像をシミの重心位置から外側に向けて複数の領域に分割して作成した複数のマスクと、前記シミ画像を色成分毎に分解して作成した複数の色分解画像とをそれぞれ乗算することにより色成分毎の分割評価値を算出し、前記分割評価値の平均値および標準偏差を算出することで求められる請求項3に記載のシミ分類方法。
- 色分布を示す前記色特徴量は、検出されたシミのシミ画像をシミの重心位置から外側に向けて複数の領域に分割して作成した複数のマスクと、前記シミ画像を色成分毎に分解して作成した複数の色分解画像とをそれぞれ乗算することにより色成分毎の分割評価値を算出し、シミの重心を含むマスク領域の前記分割評価値とそれ以外のマスク領域の前記分割評価値とのそれぞれの比率から求められる請求項3または4に記載のシミ分類方法。
- シミの分類は、分類木、ランダムフォレスト、バギングまたはAdaboostを用いた前記機械学習法により行われる請求項1〜5のいずれか一項に記載のシミ分類方法。
- 被験者の皮膚を撮影して得られた画像の色空間を変換した色空間変換画像を生成する色空間変換部と、
前記色空間変換画像に含まれるシミを検出するシミ検出部と、
前記シミ検出部により検出されたシミについて、形態特徴量および色特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記特徴量算出部により算出された前記形態特徴量および前記色特徴量に基づいて、機械学習法によりシミを分類するシミ分類部とを備えたシミ分類装置。 - 被験者の皮膚を撮影して得られた画像の色空間を変換した色空間変換画像を生成するステップと、
前記色空間変換画像に含まれるシミを検出するステップと、
検出されたシミについて、形態特徴量および色特徴量を算出するステップと、
算出された前記形態特徴量および前記色特徴量に基づいて、機械学習法によりシミを分類するステップとをコンピュータに実行させるためのシミ分類プログラム。
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