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JP2013083994A - 表示装置、表示方法 - Google Patents

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JP2013083994A JP2012262182A JP2012262182A JP2013083994A JP 2013083994 A JP2013083994 A JP 2013083994A JP 2012262182 A JP2012262182 A JP 2012262182A JP 2012262182 A JP2012262182 A JP 2012262182A JP 2013083994 A JP2013083994 A JP 2013083994A
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Yoichiro Sako
曜一郎 佐古
Masaaki Tsuruta
雅明 鶴田
Daiji Ito
大二 伊藤
Masamichi Asukai
正道 飛鳥井
Kan Ebisawa
観 海老澤
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Abstract

【課題】ユーザの視覚能力を拡大する表示制御の実現。
【解決手段】ユーザが眼鏡型もしくは頭部装着型の装着ユニットを装着することで、目の前方に位置する表示手段を視認する状態となるようにする。そして表示手段の画面領域の一部をスルー状態としたうえで表示画像信号による表示を実行させることで、ユーザはスルー状態の領域により通常の視覚光景が見える状態のまま、表示画像信号の表示により、通常に視認する視覚光景とは異なる光景の画像を見ることができるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば眼鏡型もしくは頭部装着型の装着ユニットなどによりユーザに装着された状態で、ユーザの眼の前方で画像表示を行う表示装置と、表示方法に関する。
特開平8−126031号公報 特開平9−27970号公報 特開平9−185009号公報
例えば上記各特許文献のように、眼鏡型もしくは頭部装着型の装着ユニットにより、ユーザの目の直前に表示部を配置して表示を行う装置が、各種提案されている。
しかしながら従来の装置では、特にユーザの視覚の補助や、視覚能力の拡大という観点で撮像や表示に関する制御を行うものは知られていない。
そこで本発明では、ユーザの視覚の補助や拡張を実現することを目的とする。
本発明の表示装置は、使用者の目の前方に位置するように配置されて画像表示を行うとともに、画像表示を行う画面領域を透明もしくは半透明であるスルー状態とすることのできる表示手段と、外部の装置と通信をし、使用者の現在位置の位置情報を上記外部の装置に送信し、上記位置情報に応じた情報を上記外部の装置から受信する通信手段と、上記位置情報に応じた情報に基づいて、上記表示手段をスルー状態としたときに使用者が上記表示手段を介して視認する光景とは異なる光景としての表示画像信号を得る画像信号生成手段と、上記表示手段に対して、上記画面領域の一部を上記スルー状態としたうえで上記画像信号生成手段で生成された表示画像信号による表示を実行させる制御を行う制御手段とを備える表示装置。
上記画像信号生成手段は、撮像部と、上記撮像部で得られた撮像画像信号に対する信号処理を行う信号処理部とを有する。
この場合において、 上記撮像部は、上記画面領域がスルー状態とされている際に使用者が上記表示手段を介して視認する方向を被写体方向として撮像するようにされた撮像部である。
或いは、上記撮像部は、上記画面領域がスルー状態とされている際に使用者が上記表示手段を介して視認する方向とは異なる方向を被写体方向として撮像するようにされた撮像部である。
また上記撮像部は、被写体方向が可変とされた撮像部である。
また上記撮像部が複数設けられている。
また上記撮像部は、撮像素子としてCCDセンサもしくはCMOSセンサを用いて構成されている。
また上記画像信号生成手段は、外部機器から画像信号を受信する受信部を有して構成される。
また上記画像信号生成手段は、供給された画像信号に対する信号処理を行う信号処理部を有して構成される。
また上記表示手段において、上記画面領域内で親画面領域と子画面領域が設定されて、親画面領域と子画面領域の一方が上記スルー状態、他方が上記表示画像信号による画像表示状態とされる。
また上記表示手段において、上記画面領域が分割され、分割された各領域の一方が上記スルー状態、他方が上記表示画像信号による画像表示状態とされる。
また上記表示画像信号は、近景撮像又は遠景撮像により得られた画像信号である。
また上記表示画像信号は、望遠撮像又は広角撮像により得られた画像信号である。
また上記表示画像信号は、拡大処理又は縮小処理により得られた画像信号である。
また上記表示画像信号は、撮像感度を上昇又は低下させた撮像により得られた画像信号である。
また上記表示画像信号は、赤外線撮像感度を上昇させた撮像により得られた画像信号である。
また上記表示画像信号は、紫外線撮像感度を上昇させた撮像により得られた画像信号である。
また上記表示画像信号は、上記画面領域がスルー状態とされている際に使用者が上記表示手段を介して視認する方向とは異なる方向を被写体方向とした撮像により得られた画像信号である。
また上記画像信号生成手段は、上記撮像部における撮像レンズ系の動作制御により、上記表示手段をスルー状態としたときに使用者が視認する光景とは異なる光景としての表示画像信号を得る。
また上記画像信号生成手段は、上記信号処理部における信号処理により、上記表示手段をスルー状態としたときに使用者が視認する光景とは異なる光景としての表示画像信号を得る。
また上記画像信号生成手段は、外部の撮像装置で撮像された画像信号を上記受信部で受信することで、上記表示手段をスルー状態としたときに使用者が視認する光景とは異なる光景としての表示画像信号を得る。
また上記画像信号生成手段は、上記信号処理部における信号処理により、上記表示手段をスルー状態としたときに使用者が視認する光景とは異なる光景としての表示画像信号を得る。
本発明の表示方法は、使用者の目の前方に位置するように配置されて画像表示を行うとともに、画像表示を行う画面領域を透明もしくは半透明であるスルー状態とすることのできる表示手段を備えた表示装置の表示方法として、外部の装置と通信をし、使用者の現在位置の位置情報を上記外部の装置に送信し、上記位置情報に応じた情報を上記外部の装置から受信するステップと、上記位置情報に応じた情報に基づいて、上記表示手段をスルー状態としたときに使用者が上記表示手段を介して視認する光景とは異なる光景としての表示画像信号を得るステップと、上記表示手段に対して、上記画面領域の一部を上記スルー状態としたうえで上記画像信号生成手段で生成された表示画像信号による表示を実行するステップとを備える。
以上の本発明では、使用者(ユーザ)は、例えば眼鏡型もしくは頭部装着型の装着ユニットなどにより本発明の表示装置を装着することで、目の前方に位置する表示手段を視認する状態となる。この表示手段はスルー状態とすることができる。
そして表示手段の画面領域の一部をスルー状態としたうえで画像信号生成手段で生成された表示画像信号による表示を実行させることで、ユーザはスルー状態の領域により通常の視覚光景が見える状態のまま、表示画像信号の表示により、通常に視認する視覚光景とは異なる光景の画像を見ることができる。例えばスルー状態の領域により前方を見ながら、表示画像信号の表示により、望遠画像、拡大画像、特殊撮像画像、後方の光景の画像などを見ることができる。
つまり、通常の視覚光景と同時に、通常の視覚では見ることのできない光景を見る状態となり、ユーザの視覚能力が拡張された状態となる。
本発明によれば、表示手段の画面領域の一部をスルー状態としたうえで画像信号生成手段で生成された表示画像信号による表示を実行させることで、ユーザはスルー状態の領域により通常の視覚光景が見える状態のまま、通常に視認する視覚光景とは異なる光景の画像を見ることができ、擬似的にユーザの視覚能力を拡張させる状況を作り出すことができるという効果がある。
また表示手段は、少なくとも画面領域の一部はスルー状態であるため、装着状態のままでも通常の生活に支障がないようにできる。このためユーザの通常の生活の中で、本発明の表示装置の利点を有効に得ることができる。
本発明の実施の形態の表示装置の外観例の説明図である。 実施の形態の表示装置の他の外観例の説明図である。 実施の形態の表示装置の外部機器との関係の説明図である。 実施の形態の表示装置のブロック図である。 実施の形態の表示装置の他のブロック図である。 実施の形態の表示装置の更に他のブロック図である。 実施の形態の表示部の領域形態の説明図である。 実施の形態の表示部の領域形態の説明図である。 実施の形態の制御処理のフローチャートである。 実施の形態の画像表示状態の説明図である。 実施の形態の画像表示状態の説明図である。 実施の形態の画像表示状態の説明図である。 実施の形態の画像表示状態の説明図である。 実施の形態の画像表示状態の説明図である。 実施の形態の画像表示状態の説明図である。
以下、本発明の表示装置、表示方法の実施の形態を、次の順序で説明する。
[1.表示装置の外観例及び外部機器との関連]
[2.表示装置の構成例]
[3.画面上の領域形態]
[4.表示動作例]
[5.動作トリガの例]
[6.実施の形態の効果、変形例及び拡張例]
[1.表示装置の外観例及び外部機器との関連]

実施の形態として、図1(a)(b)に眼鏡型ディスプレイとした表示装置1の外観例を示す。表示装置1は、例えば図1(b)のように両側頭部から後頭部にかけて半周回するようなフレームの構造の装着ユニットを持ち、図1(a)のように両耳殻にかけられることでユーザに装着される。
そしてこの表示装置1は、装着状態において、ユーザの両眼の直前、即ち通常の眼鏡におけるレンズが位置する場所に、左眼用と右眼用の一対の表示部2、2が配置される構成とされている。この表示部2には、例えば液晶パネルが用いられ、透過率を制御することで、図のようなスルー状態、即ち透明又は半透明の状態とできる。表示部2がスルー状態とされることで、眼鏡のようにユーザが常時装着していても、通常の生活には支障がない。
またユーザが装着した状態において、ユーザの前方方向に向けて撮像レンズ3aが配置されている。つまりこの場合、撮像レンズ3aは、表示部2をスルー状態としたときにユーザが表示部2を介して視認する方向を被写体方向として撮像するようにされている。
また撮像レンズ3aによる撮像方向に対して照明を行う発光部4aが設けられる。発光部4aは例えばLED(Light Emitting Diode)により形成される。
なお図1は一例であり、表示装置1をユーザが装着するための構造は多様に考えられる。一般に眼鏡型、或いは頭部装着型とされる装着ユニットで形成されればよく、少なくとも本実施の形態としては、ユーザの眼の前方に近接して表示部2が設けられていればよい。また表示部2は、両眼に対応して一対設けられる他、片側の眼に対応して1つ設けられる構成でもよい。
また発光部4aを設けない構成も考えられる。
また図1では撮像レンズ3aがユーザの前方を被写体方向とするように取り付けられているが、撮像レンズ3aが、表示部2をスルー状態としたときにユーザが表示部2を介して視認する方向とは異なる方向を被写体方向として撮像するように取り付けられていても良い。
図2(a)(b)に例を示す。図2(a)(b)の例では、前方には撮像レンズ3aは設けられず、後頭部側に位置することになるユニットに撮像レンズ3a及び発光部4aが設けられている。つまりこの場合、撮像レンズ3aは、ユーザが通常では視認できない後方を撮像するものとされる。
また、図示しないが、撮像レンズ3aは、ユーザの上方、左側方、右側方、足下などを被写体方向とするように取り付けられていてもよい。
また、図1,図2の例では撮像レンズ3aは固定的に取り付けられていることで撮像時の被写体方向は固定(ユーザの前方、又はユーザの後方)であるが、被写体方向を変化させることのできる可動機構を介して撮像レンズ3aを取り付けることで、手動又は自動で撮像時の被写体方向を変化させることができるようにしてもよい。
また、図1,図2では撮像レンズ3aとして1つの撮像機能部を設けるものであるが、複数の撮像レンズ3aを取り付け、複数の撮像機能部を備えるようにしてもよい。
撮像レンズ3aを含む後述する撮像機能系で撮像された画像信号は、所定の処理を経て表示画像信号とされて表示部2に表示される。
この場合、表示部2の画面上では一部の領域がスルー状態とされ、他の領域に表示画像信号に基づく画像表示が行われる。
ところで内部構成例については後述するが、この表示装置1は、外部機器と通信を行う通信機能(図5で述べる通信部26)を備えることも考えられる。
従って、表示部2において表示する表示画像信号のソースは、撮像レンズ3aを含む撮像機能部だけでなく、通信機能部が想定される。つまり外部機器としての他の撮像装置等から送信された画像信号を、通信機能部で受信し、表示部2に表示させることもできる。
図3は、表示装置1の使用形態を、外部機器との関連において例示したものである。
図3(a)は表示装置1を単体で使用する場合であり、この場合、表示装置1が撮像機能を有していることで、撮像された画像信号をソースとして生成した表示画像信号を表示部2に表示させることができる。
図3(b)は、表示装置1が通信機能を備え、外部の撮像装置70と通信を行う例である。この場合、表示装置1は、撮像装置70で撮像された画像を受信して表示部2に表示させる。外部の撮像装置70とは、通信機能を備えたビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどが想定できるし、また図1のように撮像機能を備えた表示装置1を、或る表示装置1に対して外部の撮像装置1と考えることもできる。
また外部の撮像装置70は、表示装置1を用いるユーザ本人が所有する撮像装置であったり、表示装置1のユーザの知人が所有する撮像装置であったり、或いは画像提供を行う公共或いはサービス企業等の撮像装置であって表示装置1と通信可能とされているものなど多様に考えられる。
図3(c)は、表示装置1が通信機能、特にインターネット等のネットワーク73を介した通信アクセス機能を備えることで、ネットワーク73で接続される外部の撮像装置70と通信を行う例である。この場合表示装置1は、ネットワーク73を介して撮像画像信号を受信し、その受信した撮像画像信号に基づいた表示画像信号による画像表示を表示部2で実行させる。
[2.表示装置の構成例]

図4に表示装置1の内部構成例を示す。
システムコントローラ10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ部、インターフェース部を備えたマイクロコンピュータにより構成され、表示装置1の全体を制御する制御部とされる。
このシステムコントローラ10は内部の動作プログラム及び動作トリガ情報発生部16からの動作トリガに基づいて、表示装置1内の各部の制御を行い、表示部2において所要の画像表示を実行させる。
表示装置1内では、撮像部3、撮像制御部11、撮像信号処理部15が設けられる。
撮像部3は、図1又は図2に示した撮像レンズ3aや、絞り、ズームレンズ、フォーカスレンズなどを備えて構成されるレンズ系や、レンズ系に対してフォーカス動作やズーム動作を行わせるための駆動系、さらにレンズ系で得られる撮像光を検出し、光電変換を行うことで撮像信号を生成する固体撮像素子アレイなどが設けられる。固体撮像素子アレイは、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサアレイや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサアレイとされる。
図1の例の場合は、この撮像部3によってユーザの前方の光景が撮像され、また図2の例の場合は、この撮像部3によってユーザの後方の光景が撮像される。
撮像信号処理部15は、撮像部3の固体撮像素子によって得られる信号に対するゲイン調整や波形整形を行うサンプルホールド/AGC(Automatic Gain Control)回路や、ビデオA/Dコンバータを備え、デジタルデータとしての撮像信号を得る。また撮像信号処理部15は、撮像信号に対してホワイトバランス処理、輝度処理、色信号処理、ぶれ補正処理なども行う。
撮像制御部11は、システムコントローラ10からの指示に基づいて、撮像部3及び撮像信号処理部15の動作を制御する。例えば撮像制御部11は、撮像部3,撮像信号処理部15の動作のオン/オフを制御する。また撮像制御部11は撮像部3に対して、オートフォーカス、自動露出調整、絞り調整、ズーム、焦点変更などの動作を実行させるための制御(モータ制御)を行うものとされる。
また、上述したように撮像レンズ3aによる被写体方向を可変できる可動機構が設けられている場合は、撮像制御部11はシステムコントローラ10の指示に基づいて、可動機構の動作を制御して撮像部3における撮像レンズ3aの方向を変化させる。
また撮像制御部11はタイミングジェネレータを備え、固体撮像素子及び撮像信号処理部11のサンプルホールド/AGC回路、ビデオA/Dコンバータに対しては、タイミングジェネレータにて生成されるタイミング信号により信号処理動作を制御する。また、このタイミング制御により撮像フレームレートの可変制御も可能とされる。
さらに撮像制御部11は、固体撮像素子及び撮像信号処理部15における撮像感度や信号処理の制御を行う。例えば撮像感度制御として固体撮像素子から読み出される信号のゲイン制御を行ったり、黒レベル設定制御や、デジタルデータ段階の撮像信号処理の各種係数制御、ぶれ補正処理における補正量制御などを行うことができる。撮像感度に関しては、特に波長帯域を考慮しない全体的な感度調整や、例えば赤外線領域、紫外線領域など、特定の波長帯域の撮像感度を調整する感度調整(例えば特定波長帯域をカットするような撮像)なども可能である。波長に応じた感度調整は、撮像レンズ系における波長フィルタの挿入や、撮像信号に対する波長フィルタ演算処理により可能である。これらの場合、撮像制御部11は、波長フィルタの挿入制御や、フィルタ演算係数の指定等により、感度制御を行うことができる。
また表示装置1においてユーザに対して表示を行う構成としては、表示部2、表示画像処理部12、表示駆動部13,表示制御部14が設けられる。
撮像部3で撮像され、撮像信号処理部15で処理された撮像信号は表示画像処理部12に供給される。表示画像処理部12は、例えばいわゆるビデオプロセッサとされ、供給された撮像信号に対して各種表示のための処理を実行できる部位とされる。
例えば撮像信号の輝度レベル調整、色補正、コントラスト調整、シャープネス(輪郭強調)調整などを行うことができる。また表示画像処理部12は、撮像信号の一部を拡大した拡大画像の生成、或いは縮小画像の生成、ソフトフォーカス、モザイク、輝度反転、画像内の一部のハイライト表示(強調表示)、全体の色の雰囲気の変化などの画像エフェクト処理、撮像画像の分割表示のための画像の分離や合成、キャラクタ画像やイメージ画像の生成及び生成した画像を撮像画像に合成する処理なども行うことができる。つまり撮像信号としてのデジタル映像信号に対しての各種処理を行うことができる。
表示駆動部13は、表示画像処理部12から供給される画像信号を、例えば液晶ディスプレイとされる表示部2において表示させるための画素駆動回路で構成されている。即ち表示部2においてマトリクス状に配置されている各画素について、それぞれ所定の水平/垂直駆動タイミングで映像信号に基づく駆動信号を印加し、表示を実行させる。また表示駆動部13は、表示部2の各画素の透過率を制御して、画面全体及び一部をスルー状態とすることもできる。
表示制御部14は、システムコントローラ10の指示に基づいて、表示画像処理部12の処理動作や表示駆動部13の動作を制御する。即ち表示画像処理部12に対しては、上記の各種処理を実行させる。また表示駆動部13に対してはスルー状態、画像表示状態の切り換えが行われるように制御する。
また照明部4と照明制御部18が設けられる。照明部4は、図1、図2に示した発光部4aとその発光部4(例えばLED)を発光させる発光回路から成る。照明制御部18は、システムコントローラ10の指示に基づいて、照明部4に発光動作を実行させる。
照明部4における発光部4aが図1又は図2に示したように取り付けられていることで、照明部4は撮像レンズ3aによる被写体方向に対する照明動作を行うことになる。
動作トリガ情報発生部16は、表示部2での画像表示の開始/終了、表示態様の切換などのための動作トリガ情報を発生する。
この動作トリガ情報発生部16は、例えばユーザが操作する操作キーや操作ダイヤルとしての操作子と、その操作子の操作を検知する操作検知機構により構成することができる。即ちユーザの手動操作を各種動作の動作トリガ情報とする場合である。動作トリガ情報発生部16は、ユーザの操作情報を動作トリガ情報としてシステムコントローラ10に供給することで、システムコントローラ10はユーザの操作に応じた表示動作制御を行う。
また、動作トリガ情報発生部16は、ユーザ情報(ユーザの視覚状況、身体の挙動、生体状況等の検知情報)を検知したり、外界情報(表示装置の周囲の状況や、場所、日時、被写体の状況などの検知情報)を検知することができる構成としてもよい。例えばシステムコントローラ10がこれらのユーザ情報や外界情報に基づいて、動作トリガ発生の判断を行うようにしてもよい。なお、ユーザ情報や外界情報についての例は後に述べる。
図5は、表示装置1としての他の構成例を示すものである。なお、図4と同一機能のブロックには同一符号を付し、重複説明を避ける。
この図5の構成は、図4の構成における撮像機能部位(撮像部3、撮像制御部11、撮像信号処理部15)と、照明部4,照明制御部18を備えず、代わりに通信部26を有する構成とされている。
通信部26は外部機器との間でのデータの送受信を行う。外部機器としては、図2で述べた撮像装置70としての各種の機器が考えられる。
通信部26は、無線LAN、ブルートゥースなどの方式で、例えばネットワークアクセスポイントに対する近距離無線通信を介してネットワーク通信を行う構成としても良いし、対応する通信機能を備えた外部機器との間で直接無線通信を行うものでもよい。
この図5の例の場合、外部の撮像装置70との間で図3(b)又は図3(c)で述べたように通信を行い、撮像装置70から撮像画像信号を受信する。通信部26は受信した撮像画像信号を表示画像処理部12に供給する。そして表示画像処理部12で処理された画像信号が表示駆動部13に供給され、表示部2で表示される。
図6は、表示装置1としてのさらに他の構成例を示すものである。なお、図4と同一機能のブロックには同一符号を付し、重複説明を避ける。
この図6の構成は、図4の構成における撮像機能部位(撮像部3、撮像制御部11、撮像信号処理部15)を2系統備えたものである。
即ち撮像部3X、撮像制御部11X、撮像信号処理部15Xによる第1の撮像機能部位と、撮像部3Y、撮像制御部11Y、撮像信号処理部15Yによる第2の撮像機能部位が設けられる。
撮像部3X、3Yは、それぞれが同一の被写体方向で撮像を行うものとされても良いし、それぞれが異なる被写体方向で撮像を行うものとされてもよい。
例えば撮像部3X、3Yは、いずれも前方を撮像するように配置されても良いし、撮像部3Xは前方撮像、撮像部3Yは後方撮像を行うように配置されてもよい。また撮像部3Xは右後方、撮像部3Yは左後方の撮像を行うように配置されてもよいし、撮像部3Xは足下、撮像部3Yは上空の撮像を行うように配置されてもよい。
各撮像機能部位で得られた撮像画像信号は、表示画像処理部12で処理されて表示駆動部13に供給され、表示部2で表示される。
以上、図4,図5,図6に表示装置1の構成例を示したが、表示装置1としてはさらに多様な構成例が想定される。
例えば3系統以上の撮像機能部位が設けられることも考えられる。
また1又は複数の撮像機能部位とともに、外部の撮像装置70からの撮像信号を受信する通信部26が設けられる構成も考えられる。
また、撮像機能部位において、撮像部3(撮像レンズ3a)は被写体方向が固定とされる例と被写体方向を変更できるように可動とされる例が考えられるが、複数の撮像機能部位を設ける場合、全てを固定とする構成例、全てを可動とする構成例、一部を固定で一部を可動とする構成例がそれぞれ想定される。
ところで、図4,図5,図6や、その変形例としての構成において、実施の形態となる表示装置1では、表示画像処理部12で処理されて表示駆動部13に供給される画像信号が、最終的に表示部2での表示に供される表示画像信号となる。本例の場合、特に表示画像信号は、表示部3をスルー状態としたときにユーザが表示部2を介して視認する光景とは異なる光景としての画像を表示させる信号としている。
表示画像信号としての画像、つまり表示部3をスルー状態としたときにユーザが表示部2を介して視認する光景とは異なる光景としての画像がどのように得られるかは多様に考えられる。
例えば撮像部3(3X、3Y)で撮像された画像や通信部26で受信された画像のそのものが、ユーザが表示部2を介して視認する光景とは異なる光景としての画像となる場合もあるし、像信号処理部15,表示画像処理部12で所定の処理が施されることで、ユーザが表示部2を介して視認する光景と同等の画像が異なる光景としての画像となる場合もある。
ユーザが表示部2を介して視認する光景とは異なる光景としての画像の具体例については後述する。
また本例では、このような画像の表示を行う場合において、表示部2の画面領域の一部をスルー状態としたうえで、表示画像処理部12から出力される画像信号による表示を行うことを基本とする。即ち、スルー状態の表示部2の一部の領域で画像表示を行うものである。
[3.画面上の領域形態]

表示部2の画面上で、画面領域の一部をスルー状態としたうえで、表示画像処理部12から出力される画像信号による表示を行う場合の例を図7,図8に示す。
表示部2において、スルー状態の領域を残したまま画像表示を行う形態としては、画面領域内で親画面領域と子画面領域を設定し、親画面領域と子画面領域の一方をスルー状態、他方を表示画像信号による画像表示状態とする。
或いは、画面領域を分割し、分割した各領域の一方をスルー状態、他方を表示画像信号による画像表示状態とするようにしてもよい。
図7、図8において領域AR1はスルー状態の領域、領域AR2は表示画像信号による画像表示を行っている領域であるとする。
図7(a)は、表示部2の画面領域で、領域AR1内で右下に子画面としての領域AR2を設定し、画像表示を行っている例である。
図7(b)は、表示部2の画面領域で、領域AR1内で左下に子画面としての領域AR2を設定し、画像表示を行っている例である。
図示しないが、このように子画面を設定する場合、領域AR1内の右上、左上、中央、中央右寄り、中央左寄りなど、各種の位置に子画面としての領域AR2を設定することもできる。
図7(c)は、領域AR2としてのサイズを小さくした例である。
図7(d)は、領域AR2としてのサイズを大きくした例である。
図7(e)、表示部2の画面領域で、領域AR1と領域AR2を等分割して左右に分けた例である。
図7(f)、表示部2の画面領域で、領域AR1と領域AR2を等分割して上下に分けた例である。
例えば図4、図5の構成において、画像表示を行う場合、この図7(a)〜(f)のような形態で、領域AR1をスルー状態としながら領域AR2に画像表示を行うことが考えられる。
またシステムコントローラ10は、動作トリガ情報発生部16からの情報(例えばユーザの操作情報、ユーザ情報、外界情報等)に基づいて、図7(a)〜(f)どのような領域形態で画像表示を行うかを選択したり、或いはこれらを切り換えるようにしてもよい。例えばユーザの操作等に応じて図7(a)(b)のように子画面とされる領域AR2の位置を変更したり、図7(c)(d)のように領域AR2のサイズを変更したり、図7(e)(f)のように等分割することで、ユーザの好みに合わせることができる。
また、いわゆる表示領域交代として、図7(a)〜(f)における領域AR1を画像表示、領域AR2をスルー状態とするような切り換えを行うことも考えられる。
また、図8(d)に、画面領域全体を領域AR2として表示画像信号による画像表示を行っている例を示しているが、例えば図7(a)〜(f)のような表示状態から、図8(d)のようにスルー状態の領域をなくして全画面で画像表示を行っている状態に切り換えることができるようにしてもよい。
次に図8(a)は、表示部2の画面領域で、領域AR1内で右下と左下に2つの子画面としての領域AR2a、AR2bを設定し、画像表示を行っている例である。
図8(b)は、表示部2の画面領域で、領域AR1の左右に領域AR2a、AR2bを設定し、画像表示を行っている例である。
図8(c)は、表示部2の画面領域で、領域AR1の上下に領域AR2a、AR2bを設定し、画像表示を行っている例である。
例えば図6のように2系統の撮像機能部位を有する場合、これらのような2つの領域AR2a、AR2bで各撮像機能部位での撮像画像に基づく画像表示を行うようにすることが考えられる。
また、領域AR1、AR2a、AR2bを3等分に分割設定しても良い。
また、システムコントローラ10の制御によって領域形態の切換や領域の交代が行われることも図7の場合と同様に想定される。
また、図8(a)(b)(c)の状態から図8(d)のように画面全体で画像表示を行う状態に切り換えることができるようにしてもよい。
なお、複数の撮像機能部位や通信部26などで複数の表示画像ソースを有する場合であっても、そのうちの1つを選択して図7(a)〜(f)のような領域形態で表示させることも考えられる。
また、表示装置1が3つ以上の表示画像ソースを有する構成とされる場合、領域AR2としての領域を3つ以上設定し、それぞれの表示画像ソースからの画像が同時に表示されるようにしてもよい。
また、図1のように表示部2が右眼用と左眼用で2つある場合に、その一方の画面全体をスルー状態とし、他方の画面全体で図8(d)のように画像表示を行うことも考えられる。
[4.表示動作例]

上記図4,図5,図6のような構成の本実施の形態の表示装置1では、表示画像処理部12で処理されて表示駆動部13に供給される画像信号が、最終的に表示部2での表示に供される表示画像信号とされ、特にこの表示画像信号は、上記図7,図8で説明したようにスルー状態の領域を残したまま、画面上の一部領域に表示される。また、表示画像信号は、ユーザが表示部2を介して視認する光景(つまりスルー状態で視認する光景)とは異なる光景としての画像を表示させる信号である。
表示画像信号としての画像は、撮像部3(又は3X、3Y)で撮像された画像であったり、通信部26で受信された画像であるが、これらをソースとする表示画像信号を、スルー状態で視認する光景とは異なる光景の画像とし、ユーザが、スルー状態の領域で外界の光景を見ながら、一部領域で表示画像を見ることで視覚を拡張できるようにするものである。
このためのシステムコントローラ10の制御に基づく各種動作例を説明していく。
図9は、システムコントローラ10の制御処理を示している。
ステップF101は、システムコントローラ10が表示制御部14に対して表示部2をスルー状態とする制御処理を示している。例えば表示装置1が電源オンとされた初期段階では、システムコントローラ10はステップF101で表示部2の画面全面をスルー状態に制御する。
表示部2の画面全面をスルー状態にしている期間は、システムコントローラ10はステップF102で表示開始のトリガが発生したか否かを確認している。例えば動作トリガ情報発生部16としてユーザが操作できる操作子を設け、ユーザが所定の操作子の操作を行うことで表示状態を開始させるトリガの発生と判断すればよい。或いは後に例を述べるが、動作トリガ情報発生部16でユーザの状況や外界の状況を検出し、所定の条件に応じて表示を開始させるトリガの発生とシステムコントローラ10が判断することもできる。
表示開始トリガがあったと判別した場合は、システムコントローラ10は処理をステップF103に進め、表示画像信号の表示開始制御を行う。即ち撮像部3(又は3X、3Y)で撮像された画像信号や、通信部26で受信された画像信号に基づく表示画像信号が表示部3で表示されるように制御する。またこのとき、例えば図7,図8で述べたように、画面上の一部の領域に画像表示を実行させる。
画像表示を開始させた後、つまり表示部2の画面上で一部がスルー状態の領域とされ一部が画像表示の領域とされている期間は、システムコントローラ10は、ステップF104で表示切換トリガが発生したか否かを監視し、またステップF105で表示終了トリガが発生したか否かを監視する。
ステップF104での表示切換トリガの発生とは、ユーザ操作、或いはユーザ状況や外界状況によるシステムコントローラ10の判断により、表示画像の切換を行うとシステムコントローラ10が判断することを意味している。
表示画像の切換とは、例えば表示画像内容の切換、領域形態の切換がある。
そして表示画像内容の切換とは、例えば撮像部3でのズーム処理や焦点位置の変更による画像変更、撮像感度の変更による画像変更、撮像信号処理部15での信号処理による画像変更、撮像部3が可動カメラの場合の撮像方向(被写体方向)の変更による画像変更、表示画像処理部12での信号処理による画像変更、複数の表示画像信号のソースを有する場合のソース切換による画像変更など、非常に多様な例が考えられる。
また領域形態の切換とは、親子画面の位置変更や親子画面交代、分割画面の位置変更や領域交代、全画面表示への切換などであり、例えば図7(a)の状態から図7(b)の状態に切り換えたり、図7(a)の状態から図7(e)の状態に切り換えたり、或いは図7(a)の状態から図8(d)の状態に切り換えるなどの制御である。
またステップF105での表示終了トリガについては、例えばユーザが所定の操作子により表示を終了させる操作を行った場合に、システムコントローラ10は表示状態を終了させるトリガの発生と判断すればよいが、ユーザの状況や外界の状況を検出し、所定の条件に応じて表示終了トリガの発生とシステムコントローラ10が判断することもできる。
表示切換トリガ発生と判断した場合は、システムコントローラ10は処理をステップF104からF106に進め、画像表示動作に関しての切換制御を行う。これにより表示部2において一部の領域に表示されている画像の内容、もしくは領域形態の切換が行われる。
システムコントローラ10はステップF106で表示切換に関しての制御を行った後も、ステップF104,F105のトリガ発生の監視を行う。
表示終了トリガ発生と判断した場合は、システムコントローラ10は処理をステップF105からF101に戻し、表示制御部14に対して、画像表示を終了させると共に表示部2の全面をスルーとする指示を行う。
ユーザが表示装置1を装着して電源オンとしている期間は、システムコントローラ10は、例えばこの図9のような制御処理を行うことになる。
そしてこの処理においては、ステップF103で画像表示を行い、またステップF106で表示切換を行うが、これらの処理において実現される画像表示例を図10〜図15で述べていく。
なお、図10〜図14では基本的には図4の構成例であって、撮像部3がユーザの前方、つまりスルー状態の領域を介してユーザが視認する光景と同一の方向の光景を撮像するように構成されている場合を想定して説明していく。
図10(a)は表示部2の全面がスルー状態となっている場合を示しているとする。つまり、表示部2は単なる透明の板状体となっており、ユーザが視界光景を透明の表示部2を介して見ている状態である。
図10(b)は、画像表示状態として、例えば撮像部3で撮像した画像を表示部2に表示させた状態である。ここでは領域AR1はスルー状態とし、領域AR2に画像表示を行うようにしている。この場合、撮像部3がユーザの前方を撮像しているものとし、その撮像部3に対してズーム制御が行われて望遠撮像が行われることで、スルー状態の領域AR1を介したユーザの視界とは異なる光景の画像(望遠画像)が領域AR2に表示されている。これによりユーザーは、通常の光景をみながら、通常の視覚では見ることのできない望遠画像を楽しむことができる。
なお、ここでは撮像部3の動作により望遠画像が得られる例を挙げたが、逆に広角ズームを実行させることで、近距離の光景が広角に映し出された画像が表示部2に表示されることになる。なお、望遠−広角の制御は、撮像部3におけるズームレンズの駆動制御の他、撮像信号処理部15での信号処理でも可能である。
また図示しないが、いわゆるズーム動作ではなく、システムコントローラ10が撮像部3に焦点位置を可変させるように指示することで、近景、遠景の画像を撮像させ、その画像を表示部2の領域AR2に表示させてもよい。
図11(a)は、表示部2の全面がスルー状態とされている場合を示している。
図11(b)は画像表示状態であり、システムコントローラ10が表示制御部14(表示画像処理部12、表示駆動部13)に対して撮像部3から得られた画像についての拡大処理を指示することにより、図11(b)のように領域AR1はスルー状態とし、領域AR2に拡大画像の表示を行う例である。このように拡大画像として、スルー状態の領域AR1を介したユーザの視界とは異なる光景の画像が領域AR2に表示されることで、ユーザーは、通常の光景をみながら、通常の視覚では見ることのできない画像を見ることができる。
逆に、システムコントローラ10が表示制御部14(表示画像処理部12、表示駆動部13)に対して撮像部3から得られた画像についての縮小処理を実行させ、領域AR2に縮小画像の表示を行うことも考えられる。
図12(a)は表示部2の全面がスルー状態とされている場合を示しているが、特に周囲が薄暗い場合を示している。
図12(b)は画像表示状態であり、このように周囲が薄暗い場合に、システムコントローラ10は撮像制御部11(撮像部3,撮像信号処理部15)に対して撮像感度を上げることを指示したり、撮像信号処理部15や表示画像処理部12に対して輝度レベル、コントラスト、シャープネス調整を指示することなどにより、よりはっきりした明るい表示画像信号を得るようにし、それを表示させる。つまり領域AR1はスルー状態とし、領域AR2に輝度を明るさを向上させた画像の表示を行う例である。このように明るさ調整画像として、スルー状態の領域AR1を介したユーザの視界とは異なる光景の画像が領域AR2に表示されることで、ユーザーは、通常の視覚では見ることのできない画像を見ることができる。
なお、照明部4に照明動作を実行させることも、このような撮像を行う場合に好適となる。
また逆に、周囲が明るすぎる場合などに、システムコントローラ10は撮像制御部11(撮像部3,撮像信号処理部15)に対して撮像感度を下げることを指示したり、撮像信号処理部15や表示画像処理部12に対して輝度レベル、コントラスト、シャープネス調整を指示することなどにより、まぶしくない表示画像信号を得るようにし、それを表示させるようにすることも考えられる。
図13(a)は、表示部2の全面がスルー状態とされている場合を示しているが、例えばユーザが、子供が寝ている暗い寝室に居る場合などであり、殆ど真っ暗で見えない状況であるとしている。
図13(b)は画像表示状態であり、システムコントローラ10が、撮像制御部11(撮像部3,撮像信号処理部15)に対して赤外線撮像感度の上昇を指示することで、領域AR2に赤外線感度上昇撮像の画像が表示される。即ち暗い部屋で子供の寝顔などを確認できるような画像表示が行われる。これによりユーザーは、通常の視覚では見ることのできない暗視画像を見ることができる。
図14(a)は、表示部2の全面がスルー状態とされている場合である。
図14(b)は画像表示状態を示すが、システムコントローラ10が、撮像制御部11(撮像部3,撮像信号処理部15)に対して紫外線撮像感度の上昇を指示することで、領域AR2に紫外線感度上昇撮像の画像が表示される。これによりユーザーは、通常の視覚では見ることのできない紫外光成分を表した画像を見ることができる。
以上の図10〜図14は、図4の構成において撮像部3がユーザの前方を撮像するように配置されている場合の例を述べたが、図15は図4の撮像部3(又は図6の撮像部3X,3Y)がユーザが視認する前方方向とは異なる方向を撮像するように配置されている場合の例を示す。
図15(a)は、表示部2の全面がスルー状態とされている場合である。
撮像部3が例えばユーザの後方を撮像するように配置されている場合、画像表示状態は図15(b)のようになり、領域AR1はスルー状態とされ、領域AR2にユーザの後方を撮像した画像の表示が行われる。
また撮像部3が例えばユーザの上方を撮像するように配置されている場合、画像表示状態は図15(c)のようになり、領域AR1はスルー状態とされ、領域AR2にユーザの上方を撮像した画像の表示が行われる。
これらの場合も、スルー状態の領域AR1を介したユーザの視界とは異なる光景の画像が領域AR2に表示されることになり、ユーザーは、通常の前方の光景をみながら、通常の視覚では見ることのできない方向の画像(後方画像や上方画像など)を見ることができる。
図15(d)は、図6のように複数の撮像機能部位を備えた構成において、撮像部3X、3Yがそれぞれユーザの右後方と左後方を撮像するように配置される場合の画像表示例である。即ち領域AR1はスルー状態とされ、領域AR2a、AR2bにそれぞれユーザの右後方と左後方を撮像した画像の表示が行われる。
この場合、スルー状態の領域AR1を介したユーザの視界とは異なる光景の画像が領域AR2a、AR2bに表示されることになり、ユーザーは、スルー状態の領域AR1での通常の前方の光景に加えて右後方、左後方を視認でき、ほぼ周囲全周を確認できる状態となる。
ここまで各種の表示例を示したが、これらは一例にすぎない。本例においては、撮像部3(3X、3Y),撮像信号処理部15、表示画像処理部12,表示駆動部13、通信部26の各処理や動作を制御することで、多様な表示形態が実現される。
以下、画面上でスルー状態の領域とあわせて表示される画像信号、即ち表示部2をスルー状態としたときにユーザが表示部2を介して視認する光景とは異なる光景としての画像表示を行うための表示画像信号の例を挙げていく。
まず図4のような構成で撮像部3がユーザの前方を撮像するように配置されている場合(つまりスルー状態で視認できる光景を撮像する場合)において、撮像部3で得られた撮像信号に基づく表示画像信号例は次のとおりである。
・撮像部3のズーム動作で得られる望遠ズーム画像としての表示画像信号
・撮像部3のズーム動作で得られる広角ズーム画像としての表示画像信号
・撮像部3の焦点制御動作で得られる遠景画像としての表示画像信号
・撮像部3の焦点制御動作で得られる近景画像としての表示画像信号
・撮像部3での撮像フレームレートを変更させて得た高速撮像画像や低速撮像画像などとしての表示画像信号
・撮像信号処理部15または表示画像処理部12の信号処理での拡大処理を行った表示画像信号
・撮像信号処理部15または表示画像処理部12の信号処理で得られる縮小処理を行った表示画像信号
・撮像部3での撮像感度を上昇させて明るさをアップさせた画像としての表示画像信号
・撮像部3での撮像感度を低下させて明るさを抑えた画像としての表示画像信号
・撮像部3での赤外線撮像感度を上昇させて得た暗視画像としての表示画像信号
・撮像部3での紫外線撮像感度を上昇させて得た画像としての表示画像信号
・撮像部3で特定波長帯域をカットして撮像した画像としての表示画像信号
・撮像信号処理部15または表示画像処理部12の信号処理で輝度を上昇させて明るさをアップさせた画像としての表示画像信号
・撮像信号処理部15または表示画像処理部12の信号処理で輝度を低下させて明るさを抑えた画像としての表示画像信号
・撮像信号処理部15または表示画像処理部12の色信号処理で色合いや雰囲気を変化させた画像としての表示画像信号
・撮像信号処理部15または表示画像処理部12の信号処理でコントラスト、シャープネス等を調整した画像としての表示画像信号
・撮像信号処理部15または表示画像処理部12の信号処理として、モザイク/輝度反転/ソフトフォーカス/画像内の一部の強調表示/ハイライト表示などの画像エフェクト処理を行って得た画像としての表示画像信号
・以上の各動作又は信号処理の組み合わせにより得た表示画像信号
撮像部3で、スルー状態において視認できるユーザ正面の光景を撮像する場合は、例えばこれらのような動作や処理で表示画像信号を得ることで、その表示画像信号は、表示部2をスルー状態としたときにユーザが表示部2を介して視認する光景とは異なる光景としての画像表示を行うための信号となる。
もちろん、上記列挙したものに限定されるものではなく、撮像部3の動作、撮像信号処理部15の信号処理、表示画像処理部12の信号処理により得られる、「スルー状態とは異なる光景」としての表示画像信号は多様に考えられる。
またズーム処理や拡大/縮小処理の倍率、撮像感度変更時の変更するレベル、輝度信号処理や色信号処理での処理係数など、任意に可変することも考えられる。
一方、図4のような構成で撮像部3がユーザの前方とは異なる方向を撮像するように配置されている場合において、撮像部3で得られた撮像信号に基づく表示画像信号例は次のように考えればよい。
即ち、この場合、撮像部3での通常撮像で得られた撮像画像は、それ自体が既にユーザがスルー状態の表示部2を介して通常に視認する光景とは異なる光景(例えば後方、上方、足下、右方、左方などの光景)の撮像画像であるため、撮像画像信号を、そのまま表示画像信号として表示部2に表示させればよい。
さらに、その場合に上記列挙したように、撮像部3の撮像動作や撮像信号処理部15の信号処理、表示画像処理部12の信号処理を加えた画像信号を表示画像信号としてもよい。
また、図6のように複数の撮像機能部位を備える場合においても同様に考えることができる。複数の撮像機能部位のうち、前方を撮像する撮像部3が存在する場合は、その撮像画像信号については、上記列挙したように、撮像部3の撮像動作や撮像信号処理部15の信号処理、表示画像処理部12での信号処理により異なる光景とした画像信号を表示画像信号とすればよい。
また前方以外の方向を撮像する撮像部3が存在する場合は、その撮像画像信号そのものを表示画像信号としてもよいし、上記列挙したように、撮像部3の撮像動作、撮像信号処理部15の信号処理、表示画像処理部12の信号処理を加えた画像信号を表示画像信号としてもよい。
また撮像方向可変の可動式の撮像部を有する構成の場合も、同様であり、ユーザの前方以外の撮像画像や、撮像部3の撮像動作、撮像信号処理部15の信号処理、表示画像処理部12での信号処理を加えた画像信号を表示画像信号としてもよい。
また可動式の場合、特定の対象を追尾するような可動制御を行うことも考えられる。例えば撮像画像信号についての画像解析を行い、特定対象を検出した場合、撮像画像内での特定対象の動きに合わせて撮像方向を変化させる。このような制御により、ユーザは、特定の対象を追尾する画像を、例えば領域AR2において見ることができる。
通信部26で受信した外部の撮像装置70の撮像画像を表示させる場合も同様に考えることができる。
即ち、外部の撮像装置70の撮像画像は、それ自体がユーザがスルー状態の表示部2を介して通常に視認する光景とは異なる光景の撮像画像であるため、通信部26で受信した画像信号を、そのまま表示画像信号として表示部2に表示させることで、ユーザに多様な画像を提供できることになる。
もちろんその場合に、上記列挙したうちで表示画像処理部12の信号処理を加えた画像信号を表示画像信号としてもよい。
例えばユーザからの視界が図10(a)のようにスタジアムで客席からサッカーを観戦している状態にあるときに、スタジアムの別の場所で撮像を行う撮像装置70による映像を、通信部26で受信し、図10(b)のように表示部2の領域AR2に表示させることが考えられるが、例えば監督席近辺に設置された撮像装置70や、審判が装着する小型の撮像装置70などからの映像を受信して、表示部2で表示することで、より興味深く試合観戦を行うことができる。
或いは、リゾート地に設置した撮像装置70や、旅行中の知人が所持する撮像装置70によって撮像した映像を、通信部26で受信し、表示部2の領域AR2に表示させたり、航空機や衛星に設置された撮像装置70で撮像した地上の映像(バードビュー映像)を、通信部26で受信し、表示部2の領域AR2に表示させるなど、多様な例が想定され、このような表示により、ユーザは、通常は見ることのできない風景を楽しむことができる。
[5.動作トリガの例]

上記図9の処理に示したように、システムコントローラ10はステップF102で表示開始トリガ発生と判断することや、ステップF104で表示切換トリガ発生と判断することに応じて表示を実行させる。さらにステップF105で表示終了トリガ発生と判断することで表示動作を終了させる。
そしてこれらの表示動作に関するトリガとしては、ユーザの操作によるものとすればよいが、ユーザの状況や外界の状況を検知し、所定の条件によりシステムコントローラ10がトリガ発生と判断しても良いと述べた。
ここでは、ユーザ状況や外界状況によりトリガ発生の判断を行う例について述べる。
まずユーザ状況によりトリガ発生と判断する場合、表示装置1は動作トリガ情報発生部16として視覚センサ、加速度センサ、ジャイロ、生体センサなどを設けるようにする。
視覚センサは、ユーザの視覚に関する情報を検出するものとするが、この視覚センサは、一例としては、例えば表示部2の近辺に配置されてユーザの眼部を撮像するようにされた撮像部により形成できる。そして該撮像部が撮像したユーザの眼部の画像をシステムコントローラ10が取り込み、画像解析を行うことで、視線方向、焦点距離、瞳孔の開き具合、眼底パターン、まぶたの開閉などを検出でき、これた基づいてユーザの状況や意志を判定できる。
或いは視覚センサは、表示部2の近辺に配置されてユーザの眼部に光を照射する発光部と、眼部からの反射光を受光する受光部により形成できる。例えば受光信号からユーザの水晶体の厚みを検知することでユーザの眼の焦点距離を検出することも可能である。
ユーザの視線方向を検出することで、システムコントローラ10は例えば表示部2に表示された画像においてユーザが注目している部分を判定できる。
またシステムコントローラ10は、ユーザの視線方向を、操作入力として認識することも可能である。例えばユーザが視線を左右に動かすことを、表示装置1に要求する所定の操作入力とするなどである。
ユーザの焦点距離を検出することで、ユーザが注目している光景が遠方か近傍かを判別でき、それに応じてズーム制御、拡大/縮小制御、焦点変更制御などを行うことも可能である。例えばユーザが遠くを見たときに望遠表示を行うなどである。
ユーザの瞳孔の開き具合を検出すれば、スルー状態であれば周囲の明るさの状態、またモニタ表示状態であれば表示している画像に対してユーザが感じているまぶしさ等を判定でき、それに応じて輝度調整、撮像感度調整などを行うことができる。
ユーザの眼底パターンの検出は、例えばユーザの個人認証に用いることができる。眼底パターンは各人に固有のパターンであるため、眼底パターンによって装着したユーザを判定し、そのユーザに適した制御を行うこと、或いは特定のユーザにのみ表示動作を実行できるようにすることなどの制御が可能である。
ユーザのまぶたの開閉動作を検出することで、ユーザが感じているまぶしさや眼の疲れを判定できる。また、まぶたの開閉を、ユーザの意識的な操作入力として認識することも可能である。例えばユーザが3回まばたきをすることを、所定の操作入力と判定するなどである。
加速度センサ、及びジャイロは、ユーザの動きに応じた信号を出力する。例えば加速度センサは直線方向の動きを検出し、ジャイロにより回転系の動きや振動を検出する場合に適している。
加速度センサやジャイロの配置位置にもよるが、加速度センサやジャイロによって、ユーザの身体全体もしくは身体の各部の動きを検知できる。
例えば図1のような眼鏡型の表示装置1の内部に取り付けられた場合、つまり加速度センサ及びジャイロがユーザの頭部の動きを検出するものとされた場合は、加速度センサの検出情報は、ユーザの頭部或いは全身の動きとしての加速度情報となり、またジャイロの検出情報はユーザの頭部或いは全身の動きとしての角速度や振動の情報となる。
これによって、ユーザが首から頭部を動かす挙動を検知できる。例えば上方を向いている状態や下方を向いている状態を判定できる。下方を向いているときとは、ユーザが読書など近傍を見ていると判断することも可能である。逆に上方を向いているときは、遠方を見ていると判断することもできる。
またシステムコントローラ10はユーザの首から頭部を動かす挙動を検出したら、それをユーザの意識的な操作と認識することもできる。例えば左に2回首を振ったら、それが所定の操作入力とするなどである。
また加速度センサ及びジャイロによっては、ユーザが静止状態(非歩行状態)であるか、歩行状態であるか、走行状態であるかなどの判断も可能である。また立っている状態から座った場合、或いは立ち上がった場合などの検出も可能である。
また、加速度センサやジャイロが、頭部に装着する装着ユニットとは別体に設けられ、腕や足に取り付けられるようにすれば、腕のみの挙動、足のみの挙動も検知できる。
生体センサは、ユーザの生体情報として例えば心拍情報(心拍数)、脈拍情報(脈拍数)、発汗情報、脳波情報(例えばα波、β波、θ波、δ波の情報)、又は皮膚電気反応、体温、血圧、呼吸活動(例えば呼吸の速さ、深さ、換気量など)等を検出するが、これらの情報からシステムコントローラ10は、ユーザが緊張状態や興奮状態にあること、或いは感情的に穏やかな状態にあること、或いは快適な状態か不快な状態にあることなどを判定できる。
また表示装置1をユーザが装着したことの検知も、生体情報により可能である。例えばシステムコントローラ10は、ユーザが表示装置1を装着していない時には生体情報検知のみをおこなうスタンバイ状態に制御し、生体情報によりユーザが表示装置1を装着したことを検知したら、電源オン状態とすることや、逆にユーザが表示装置1の装着を外したらスタンバイ状態に戻すなどの制御も可能である。
さらに生体センサによる検出情報は、ユーザの個人認証(装着者個人の識別)にも利用できる。
なお生体センサは、例えば眼鏡型の表示装置1の装着フレーム内側に配置することで、例えばユーザの側頭部や後頭部において、上記情報を検知できるようにしてもよいし、表示装置1の装着フレーム部分とは別体として、身体の所定箇所に装着されるようにしてもよい。
次に外界の状況を検知する場合においては、表示装置1は、外界情報を取得するための構成として、動作トリガ情報発生部16に周囲環境センサ、撮像対象センサ、GPS受信部、日時計数部、画像解析部を設けたり、通信部26を利用する。
周囲環境センサとしては、照度センサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ等が想定される。
照度センサによっては、表示装置1の周囲の明るさの情報を検出できる。
また温度センサ、湿度センサ、気圧センサによっては、温度、湿度、気圧或いは天候を判別する情報を得ることができる。
これらの周囲環境センサにより、表示装置1は周囲の明るさや戸外の場合の気象状況などを判定できるため、システムコントローラ10は、これらを外界情報として用いて、周囲の明るさや気象状況に適した表示画像信号の生成動作を実行制御できる。例えば周囲の明るさに応じて画像の輝度レベルを上下させたり、天候状況に応じて画像の雰囲気を変えるなどである。
撮像対象センサは撮像対象についての情報を検知する。例えば測距センサや焦電センサなどが考えられるが、撮像対象との距離や、撮像対象自体を判定する情報を得ることができる。
撮像対象までの距離を検出することで、システムコントローラ10は、距離に応じた撮像動作、表示動作を実行制御できる。また撮像対象が人などの生体であることを検知することで、撮像対象に応じた表示画像信号の生成動作を実行制御できる。
GPS受信部は、現在位置としての緯度・経度の情報を取得する。緯度・経度を検出した場合、地図データベース等を参照することで、現在位置における地点(地点近辺)の情報を得ることができる。例えばシステムコントローラ10が参照できる記録媒体として、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどであって比較的大容量の記録媒体を搭載し、これらの記録媒体に地図データベースを記憶させることで、現在位置に関連する情報を取得できる。
また通信部26を有する構成の場合、表示装置1に地図データベースを内蔵していなくても、通信部26を介して例えばネットワークサーバや地図データベース内蔵機器にアクセスし、緯度・経度を送信して現在位置に応じた情報を要求し、情報を受信するようにしてもよい。
現在位置に関連する情報としては、現在位置近辺の地名、建造物名、施設名、店名、駅名などの名称情報がある。
また現在位置に関連する情報としては、公園、テーマパーク、コンサートホール、劇場、映画館、スポーツ施設など、建造物の種別を示す情報もある。
また現在位置に関連する情報としては、海岸、海上、河川、山間部、山頂部、森林、湖、平野部など、自然物の種別や名称の情報もある。
また、より詳細な位置についての情報として、例えばテーマパーク内でのエリアや、野球場、サッカー場などでの観戦席のエリア、コンサートホールでの座席のエリアの情報なども現在位置についての情報として取得することができる。
これら、現在位置に関する情報を取得することで、システムコントローラ10は、現在位置や現在地点の近辺の地理的条件や施設などに応じた表示画像信号の生成動作を実行制御したり、特定の場所において表示開始制御或いは表示終了制御を行うなどが可能となる。
日時計数部は例えば年月日時分秒を計数する。この日時計数部によってシステムコントローラ10は、現在時刻、昼夜の別、月、季節などを認識できる。このため、例えば昼夜の別(時刻)に応じた表示画像信号の生成動作や、現在の季節に適した表示画像信号の生成動作などを実行制御できる。
撮像画像を解析する画像解析部を設ければ、撮像画像から撮像対象についての以下のような各種の情報を検出できる。
まず撮像対象の種別として、撮像画像に含まれている人物、動物、自然物、建造物、機器などを判別できる。例えば動物としては、被写体として鳥が撮像されている状況や猫が撮像されている状況等を判別できる。また自然物としては、海、山、樹木、河川、湖、空、太陽、月などを判別できる。建造物としては、家屋、ビル、競技場などを判別できる。機器としては、パーソナルコンピュータ、AV(Audio-Visual)機器、携帯電話機、PDA、ICカード、二次元バーコードなどが撮像対象となっている状況を判別できる。
これら撮像対象の種別は、予め各種別の形状の特徴を設定しておき、撮像画像内に、形状が該当する被写体が含まれているか否かにより判別可能である。
また画像解析部による画像解析によれば、画像の前後フレームの差分検出などの手法で、被写体の動きの検出、例えば素早い動きが画像内も可能である。例えばスポーツ観戦で選手を撮像している際や、走行している自動車等を撮像している場合などに、動きの素早い被写体を撮像しているという状況を検知することができる。
また画像解析部による画像解析によれば、周囲の状況を判定することも可能である。例えば昼夜や天候による明るさの状況を判定できるし、雨の強さなども認識可能である。
また、画像解析部による画像解析によれば、人物が被写体となっている場合に、その人物の顔から人物個人を特定する判別も可能である。既に知られているように、人物の顔は、顔の構成要素の相対位置情報として個人特徴データ化することができる。例えば目の中心と鼻との距離ENと目の間隔の距離Edの比(Ed/EN)や、目の中心と口との距離EMと目の間隔の距離Edの比(Ed/EM)は、個人毎に特有となるとともに、髪型や眼鏡等の装着物などによる、外観上の変化の影響を受けない情報である。さらに加齢によっても変化しないことが知られている。
従って、画像解析部は、撮像画像内に或る人物の顔が含まれているときに、その画像を解析すれば上記のような個人特徴データを検出することができる。
撮像画像から個人特徴データを検出した場合、例えばシステムコントローラ10が参照できる記録媒体として、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどを搭載し、これらの記録媒体に人物データベースを記憶させておけば、被写体となっている個人の情報を取得できる。或いは、表示装置1に人物データベースを内蔵していなくても、通信部26を介して例えばネットワークサーバや人物データベース内蔵機器にアクセスし、個人特徴データを送信して情報を要求し、特定の人物の情報を受信するようにしてもよい。
例えばユーザ自身が、過去に出会った人物の氏名や所属などの人物情報を個人特徴データとともに人物データベースに登録しておけば、或る人物に出会ったとき(撮像されたとき)に、システムコントローラ10は、その人物の情報を検索できる。
また、有名人の情報を個人特徴データとともに登録した人物データベースが用意されていれば、ユーザが有名人に出会ったときに、その人物の情報を検索できる。
このような画像解析部による検出情報に基づいて、システムコントローラ10は撮像対象に応じた表示画像信号の生成処理を実行制御できる。例えば特定の対象や特定の人物が撮像されている場合は、その特定の対象をハイライト表示させるような表示画像信号を生成することなどが考えられる。
通信部26によれば、外界情報として、多様な情報を取得できる。
例えば上述したように表示装置1から送信した緯度・経度、或いは個人特徴データなどに応じて外部機器で検索された情報を取得できる。
また外部機器から天候情報、気温情報、湿度情報など気象に関する情報を取得することができる。
また外部機器から施設の利用情報、施設内での撮像禁止/許可情報、案内情報などを取得することができる。
また外部機器自体の識別情報を取得することができる。例えば所定の通信プロトコルにおいてネットワークデバイスとして識別される機器の種別や機器ID等である。
また外部機器に格納されている画像データ、外部機器で再生或いは表示している画像データ、外部機器で受信している画像データなどを取得することができる。
このような通信部26で取得できる情報に基づいて、システムコントローラ10は表示画像信号の生成処理を実行制御できる。
以上の例のような構成要素を動作トリガ情報発生部16として設け、ユーザの状況や外界の状況を検知し、それら状況に応じた表示開始/終了や、表示切換(表示内容の変更や領域形態の切換)を行うようにすることで、ユーザが操作しなくとも、適切或いはおもしろみのある表示動作が実現される。
また、ユーザの状況や外界の状況を検出するための構成例は他にも考えられる。
[6.実施の形態の効果、変形例及び拡張例]

以上、実施の形態を説明してきたが、実施の形態によれば、表示部2の画面領域の一部をスルー状態としたうえで表示画像信号による表示を実行させることで、ユーザはスルー状態の領域により通常の視覚光景が見える状態のまま、通常に視認する視覚光景とは異なる光景の画像を見ることができる。例えばスルー状態の領域により前方を見ながら、表示画像信号の表示により、望遠画像、拡大画像、特殊撮像画像、後方の光景の画像などを見ることができる。このため通常の視覚光景と同時に、通常の視覚では見ることのできない光景を見る状態となり、擬似的にユーザの視覚能力を拡張させる状況を作り出すことができる。
また表示部2は、少なくとも画面領域の一部はスルー状態であるため、装着状態のままでも通常の生活に支障がないようにできる。このためユーザの通常の生活の中で、表示装置1の利点を有効に得ることができる。
表示装置1の外観や構成は図1,図2、図4,図5,図6の例に限定されるものではなく、各種の変形例が考えられる。
例えば撮像部3で撮像した画像信号を記録媒体に記録するストレージ部を設けてもよい。
また撮像した画像信号を、通信部26から他の機器に送信する動作を行うようにしてもよい。
ストレージ部を設ける場合、ストレージ部で記録媒体から再生したの再生画像を表示画像信号として表示部2に表示させてもよい。
記録媒体から再生されるデータとしては、例えば映画やビデオクリップなどの動画コンテンツ、デジタルスチルカメラ等で撮像されて記録媒体に記録された静止画コンテンツ、電子書籍等のデータ、ユーザがパーソナルコンピュータ等で作成して記録媒体に記録した画像データ、テキストデータ、表計算データ等のコンピュータユースのデータ、記録媒体に記録されたゲームプログラムに基づくゲーム画像など、記録媒体に記録されて表示対象となるあらゆるデータが想定される。
また通信部26は、外部の撮像装置70からの画像信号を受信するだけでなく、外部のコンテンツソース機器から提供される画像(動画/静止画)を受信して表示部2に表示させるようにすることも考えられる。
コンテンツソース機器とは、例えばビデオ機器、テレビジョンチューナ、ホームサーバ機器等のAV(Audio-Visual)機器や、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機などの情報処理装置などが想定できる。このようなコンテンツソース機器も、表示装置1を用いるユーザ本人やその知人が所有する機器であったり、各種コンテンツ提供を行う公共或いはサービス企業等のサーバ機器であるなど多様に考えられる。
コンテンツソース機器から表示装置1に送信されるデータとしては、例えば映画やビデオクリップなどの動画コンテンツ、デジタルスチルカメラ等で撮像されて記録媒体に記録された静止画コンテンツ、電子書籍等のデータ、ユーザがパーソナルコンピュータ等で作成した画像データ、テキストデータ、表計算データ等のコンピュータユースのデータ、ゲーム画像など、表示対象となるあらゆるデータが想定される。
また撮像時に周囲音声を集音するマイクロホンや、音声を出力するイヤホン型等のスピーカ部が設けられても良い。
また、画像内における文字を認識する文字認識部と、音声合成処理を行う音声合成部を設け、撮像画像に文字が含まれている場合に、音声合成部で、その読み上げ音声の音声信号を生成し、スピーカ部から出力させるようにすることも考えられる。
また表示画像信号は静止画としても良い。例えば撮像部3で所定のトリガのタイミングを静止画撮像を行い、その撮像された静止画像を表示部2に表示させる。
また、表示装置1として眼鏡型或いは頭部装着型の装着ユニットを有する例を述べたが、本発明の表示装置は、ユーザの眼前で表示を行うことができるように構成されればよく、例えばヘッドホン型、ネックバンドタイプ、耳掛け式など、どのような装着ユニットでユーザに装着されるものであってもよい。さらには、例えば通常の眼鏡やバイザー、或いはヘッドホン等に、クリップなどの取付具で取り付けることでユーザに装着されるような形態であってもよい。
1 表示装置、2 表示部、3 撮像部、4 照明部、10 システムコントローラ、11 撮像制御部、12 表示画像処理部、13 表示駆動部、14 表示制御部、15 撮像信号処理部、16 動作トリガ情報発生部、26 通信部

Claims (5)

  1. 使用者の目の前方に位置するように配置されて画像表示を行うとともに、画像表示を行う画面領域を透明もしくは半透明であるスルー状態とすることのできる表示手段と、
    外部の装置と通信をし、使用者の現在位置の位置情報を上記外部の装置に送信し、上記位置情報に応じた情報を上記外部の装置から受信する通信手段と、
    上記位置情報に応じた情報に基づいて、上記表示手段をスルー状態としたときに使用者が上記表示手段を介して視認する光景とは異なる光景としての表示画像信号を得る画像信号生成手段と、
    上記表示手段に対して、上記画面領域の一部を上記スルー状態としたうえで上記画像信号生成手段で生成された表示画像信号による表示を実行させる制御を行う制御手段と、
    を備える表示装置。
  2. 上記画像信号生成手段は、
    撮像部と、
    上記撮像部で得られた撮像画像信号に対する信号処理を行う信号処理部とを有する、
    請求項1に記載の表示装置。
  3. 上記画像信号生成手段は、上記信号処理部で処理された画像を用いて表示画像信号を得る、
    請求項2に記載の表示装置。
  4. 画像解析部を有し、
    上記画像解析部は、上記撮像画像信号に含まれる人物の個人特徴データを検出し、
    上記通信手段は、上記個人特徴データを外部の装置に送信して、上記外部の装置から上記個人特徴データに応じた情報を受信し、
    上記画像信号生成手段は、上記個人特徴データに応じた情報に基づいて表示画像信号を生成する、
    請求項2に記載の表示装置。
  5. 使用者の目の前方に位置するように配置されて画像表示を行うとともに、画像表示を行う画面領域を透明もしくは半透明であるスルー状態とすることのできる表示手段を備えた表示装置の表示方法として、
    外部の装置と通信をし、使用者の現在位置の位置情報を上記外部の装置に送信し、上記位置情報に応じた情報を上記外部の装置から受信するステップと、
    上記位置情報に応じた情報に基づいて、上記表示手段をスルー状態としたときに使用者が上記表示手段を介して視認する光景とは異なる光景としての表示画像信号を得るステップと、
    上記表示手段に対して、上記画面領域の一部を上記スルー状態としたうえで上記画像信号生成手段で生成された表示画像信号による表示を実行するステップと、
    を備える表示方法。
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