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JP2013068169A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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JP2013068169A JP2011207551A JP2011207551A JP2013068169A JP 2013068169 A JP2013068169 A JP 2013068169A JP 2011207551 A JP2011207551 A JP 2011207551A JP 2011207551 A JP2011207551 A JP 2011207551A JP 2013068169 A JP2013068169 A JP 2013068169A
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Koichiro Nakatani
好一郎 中谷
Akira Yamashita
晃 山下
Takashi Koyama
崇 小山
Takashi Suzuki
崇士 鈴木
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】潜熱蓄熱材を封入した蓄熱カプセルを含有し、所定の温度域において比熱が前記所定の温度域以外における比熱よりも大きい値をとる可変比熱冷却水を使用する冷却装置において蓄熱タンクの蓄熱性能を向上させる。
【解決手段】内燃機関と熱授受を行う冷却水が流通する冷却回路と、内燃機関から流出する冷却水の少なくとも一部を冷却回路から導入し貯留するとともに、貯留する冷却水を冷却回路へ放出可能な蓄熱タンクと、蓄熱タンクから冷却回路へ冷却水が放出される際に冷却水中の蓄熱カプセルが冷却回路へ放出されることを阻止可能な阻止手段と、冷却回路を流通する冷却水から蓄熱タンクへ蓄熱する際には、蓄熱タンクから冷却回路への冷却水中の蓄熱カプセルの放出を阻止し、蓄熱タンクから冷却回路を流通する冷却水へ放熱する際には、蓄熱タンクから冷却回路への冷却水中の蓄熱カプセルの放出を許容する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の冷却装置に関する。
内燃機関を冷却する冷却水として、固相状態と液相状態との間や、液相状態と気相状態との間で相変化する蓄熱材を封入した蓄熱カプセルを含有し、当該蓄熱材の相転移温度において比熱が変化する可変比熱冷却水を用いた冷却装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。このような潜熱蓄熱材を混入させた可変比熱冷却水を用いることにより、熱を効率的に輸送することができ、その分だけポンプによる冷却水の循環量を少なくすることができ、冷却対象熱源の冷却効率を向上させることができる。
暖機後の内燃機関から流出する高温の冷却水を蓄熱タンクに貯留しておき、内燃機関の冷間始動時に蓄熱タンクに貯留されている冷却水を冷却回路に戻すことで、冷却水の昇温に要する時間(内燃機関の暖機時間)を短縮する技術が知られている。
このような技術に関連して、特許文献2には、蓄熱タンクの出口に逆止弁を設け、その逆止弁手前にフィルタを設けることにより蓄熱材の流出を防止することを図ったエンジンの蓄熱装置が開示されている。特許文献3には、蓄熱タンク内へ冷却水を導入する場合にラジエータをバイパスするバイパス通路を閉じることにより効率良く冷却水の熱を回収することを図ったエンジンの冷却装置が開示されている。
特開2009−044896号公報 特開2007−285189号公報 特開2004−301063号公報
可変比熱冷却水を用いる冷却装置では、冷却水の蓄熱量は冷却水の蓄熱カプセル濃度に依存するが、従来技術では蓄熱タンクに冷却水を貯留する際にこのような可変比熱冷却水の特性を有効利用できていなかった。
そこで、本発明の目的は、潜熱蓄熱材を封入した蓄熱カプセルを含有し、所定の温度域において比熱が前記所定の温度域以外における比熱よりも大きい値をとる可変比熱冷却水を使用する冷却装置において蓄熱タンクの蓄熱性能を向上させる技術を提供することにある。
本発明は、冷却水のとり得る温度範囲内の所定の温度域において相転移する潜熱蓄熱材を内部に封入した蓄熱カプセルを含有することにより前記所定の温度域における比熱が前記所定の温度域以外における比熱よりも大きい値となる冷却水を熱媒体として使用する内燃機関の冷却装置であって、
内燃機関と熱授受を行う冷却水が流通する冷却回路と、
前記内燃機関から流出する冷却水の少なくとも一部を前記冷却回路から導入し貯留するとともに、貯留する冷却水を前記冷却回路へ放出可能な蓄熱タンクと、
前記蓄熱タンクから前記冷却回路へ冷却水が放出される際に当該冷却水中の蓄熱カプセルが前記冷却回路へ放出されることを阻止可能な阻止手段と、
前記冷却回路を流通する冷却水から前記蓄熱タンクへ蓄熱する際には、前記蓄熱タンクから前記冷却回路への冷却水中の蓄熱カプセルの放出を阻止し、前記蓄熱タンクから前記冷却回路を流通する冷却水へ放熱する際には、前記蓄熱タンクから前記冷却回路への冷却水中の蓄熱カプセルの放出を阻止しないように、前記阻止手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の冷却装置である。
ここで、所定の温度域とは、潜熱蓄熱材が相転移する温度であって、特定の温度又は温度範囲であるが、本明細書ではこれらを温度域と総称する。所定の温度域では、蓄熱カプセルに封入された潜熱蓄熱材が相転移することにより潜熱蓄熱材が熱を放出又は吸収するため、冷却水の比熱が他の温度域よりも比熱が大きくなる。このため、所定の温度域においては、熱の出入りがあったとしても冷却水の温度は略一定となる。
本発明によれば、阻止手段が蓄熱タンクから冷却回路への蓄熱カプセルの放出を阻止する状態と、阻止手段が蓄熱タンクから冷却回路への蓄熱カプセルの放出を許容する状態と、が切り替え可能である。
蓄熱タンクへの蓄熱を行うべく、冷却回路から蓄熱タンクへ冷却水を導入するとともに蓄熱タンクから冷却回路へ冷却水を放出する蓄熱回路に冷却水を循環させる場合には、蓄熱タンクに導入された冷却水中に含有される蓄熱カプセルは阻止手段により冷却回路へ戻ることが阻止される。これにより、蓄熱タンクに蓄熱する際には蓄熱タンク内の冷却水の蓄熱カプセル濃度が高くなる。従って、蓄熱タンクに蓄熱可能な熱量が増加する。蓄熱タンクへ蓄熱する場合としては、内燃機関の暖機後に内燃機関から流出する高温の冷却水を蓄熱タンクへ導入する場合を例示できる。なお、蓄熱タンクに未だ冷却水が十分に貯留されていない状態では、冷却回路から蓄熱タンクへの冷却水の導入は行われるものの、蓄熱タンクから冷却回路への冷却水の放出は行われない。すなわち蓄熱回路に冷却水が循環する状態とはならない。この場合、蓄熱タンク内の冷却水の蓄熱カプセル濃度は阻止手段が蓄熱タンクからの蓄熱カプセルの流出を阻止するか否かによらないので、制御手段は、阻止手段が蓄熱カプセルの放出を阻止する状態又は阻止しない状態のいずれにしても良い。
蓄熱タンクから放熱を行うべく、蓄熱タンクから冷却回路へ冷却水を放出する場合には、蓄熱タンクから冷却回路への蓄熱カプセルの放出が許容される。これにより、冷却回路を循環する冷却水へ効率的に放熱が行われるので、内燃機関その他の機関部材の暖機を促進することができる。蓄熱タンクから放熱を行う場合としては、内燃機関の冷間始動時に蓄熱タンク内の高温の冷却水を蓄熱タンクから冷却回路へ放出する場合を例示できる。
本発明においては、前記冷却回路は、前記冷却水から熱を奪うラジエータと、前記ラジエータをバイパスするバイパス通路と、閉じたときには前記ラジエータへの冷却水の流通を遮断して前記バイパス通路に冷却水を流通させ、開いたときには少なくとも前記ラジエータに冷却水を流通させ、冷却水の温度によらず開閉可能なサーモスタットと、を有し、前記制御手段は、前記冷却回路を流通する冷却水から前記蓄熱タンクへ蓄熱する際には、前記サーモスタットを閉弁するようにしても良い。
これにより、蓄熱タンクへ蓄熱する際にはラジエータにおいて熱を奪われていない状態の冷却水が蓄熱タンクへ導入されることになるので、より効率的に蓄熱を行うことができる。
本発明によれば、所定の温度域において比熱が前記所定の温度域以外における比熱よりも大きい値をとる可変比熱冷却水を使用する内燃機関の冷却装置において蓄熱タンクの蓄熱性能を向上させることができる。
実施例に係る内燃機関の冷却装置の概略構成を示す図である。 実施例に係るフィルタ付きバルブの構成例を示す図である。 冷却水温度と冷却水の比熱との関係を示した図である。 内燃機関停止後の蓄熱タンク内の冷却水温の変化を示す図である。 実施例に係る第2ウォーターポンプ及びバルブの制御フローを示す図である。 実施例に係る第2ウォーターポンプ及びバルブの制御フローを示す図である。
以下、本発明に係る内燃機関の冷却装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の冷却装置の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、水冷式の内燃機関である。
内燃機関1の内部には冷却水を循環させるためのウォータージャケット2が形成されている。また、内燃機関1には、第1冷却水通路11及び第2冷却水通路12が接続されている。この、第1冷却水通路11及び第2冷却水通路12には、ラジエータ13及びバイパス通路14が接続されている。
第1冷却水通路11は、ウォータージャケット2の出口側とラジエータ13の入口側とを接続している。すなわち、第1冷却水通路11は、ウォータージャケット2から冷却水を排出するための通路である。また、第2冷却水通路12は、ラジエータ13の出口側とウォータージャケット2の入口側とを接続している。すなわち、第2冷却水通路12は、ウォータージャケット2へ冷却水を供給するための通路である。
また、第2冷却水通路12とウォータージャケット2との接続部には、第2冷却水通路12側からウォータージャケット2側へ冷却水を吐出するウォーターポンプ3が設けられている。
バイパス通路14は、第1冷却水通路11と第2冷却水通路12とを連通することで、ラジエータ13をバイパスしている。
また、第2冷却水通路12とバイパス通路14との接続部よりもラジエータ13側の第2冷却水通路12には、電子制御式のサーモスタット15が設けられている。このサーモスタット15は、後述するECU30からの信号に応じて開度が調整される。そして、サーモスタット15の開度が制御されることにより、ラジエータ13に供給される冷却水の量が調整される。
サーモスタット15が閉じているときには、ウォータージャケット2から第1冷却水通路11へ流出した冷却水は、バイパス通路14を経由して再びウォータージャケット2に送られる。こうした冷却水の循環によって冷却水が徐々に暖められ、内燃機関1の暖機が促進される。
また、サーモスタット15が開いているときには、ラジエータ13及びバイパス通路14を経由して冷却水が循環される。
ウォータージャケット2、第1冷却水通路11、第2冷却水通路12、ラジエータ13、バイパス通路14、サーモスタット、ウォーターポンプ3は、内燃機関1と熱授受を行う冷却水が流通する冷却回路を構成している。本実施例の内燃機関の冷却装置は、内燃機関1から流出する冷却水の少なくとも一部をこの冷却回路から導入し貯留するとともに、貯留する冷却水を冷却回路へ放出可能な、断熱構造を有する蓄熱タンク6を備える。第1冷却水通路11には、第1冷却水通路11を流通する冷却水の一部を蓄熱タンク6へ導く導入通路7が接続される。また、第2冷却水通路12には、蓄熱タンク6から放出される冷却水を第2冷却水通路12へ導く放出通路8が接続される。
導入通路7には、導入通路7内の冷却水を蓄熱タンク6へ吐出する第2ウォーターポンプ4が設けられる。放出通路8には、バルブ5が設けられる。蓄熱タンク6に一定量以上の冷却水が貯留されると、蓄熱タンク6から放出通路8へ冷却水が放出される。その状態で第2ウォーターポンプ4が駆動されると、ウォータージャケット2から第1冷却水通路11へ流出した冷却水の一部は、導入通路7、蓄熱タンク6、放出通路8を経由して第2冷却水通路12へ流入する。この冷却水の流通・循環経路が蓄熱回路を形成する。バルブ5は、蓄熱回路に冷却水が循環している状態で開弁した場合、冷却水及び冷却水に含有される蓄熱カプセル(詳細は後述する)を通過させ、閉弁した場合、冷却水のみ通過させ冷却水に含有される蓄熱カプセルの通過を阻止する。
バルブ5の具体的な構成としては、例えば、図2(A)に示すように、蓄熱カプセルの粒径より小さい開口径の細孔が設けられた円盤状のフィルタ21を、放出通路8の中心軸線23と略垂直の回転軸22周りに回転自在に放出通路8内に取り付けたバタフライ式のバルブとすることができる。この場合、円盤状のフィルタ21の法線24と放出通路8の中心軸線23とが略平行となる状態がバルブ5が閉弁した状態であり、それ以外の状態がバルブ5が開弁した状態である。
或いは、図2(B)に示すように、放出通路8の中心軸線23に対し略直交する方向24へスライドするプレート25に、蓄熱カプセルの粒径より小さい開口径の細孔が設けられたフィルタが設けられた開口部26と、フィルタが設けられていない開口部27と、を形成し、当該プレート25をスライドさせることにより、放出通路8を通過する冷却水がフィルタ付き開口部26を通過する状態とフィルタ無し開口部27を通過する状態とを切り替え可能としたスライド式のバルブとすることができる。この場合、放出通路8を通過する冷却水がフィルタ付き開口部26を通過するようにプレート25を位置させた状態がバルブ5が閉弁した状態であり、放出通路8を通過する冷却水がフィルタ無し開口部27を通過する状態がバルブ5が開弁した状態である。
バルブ5の構成は、その他、放出通路8を流通する冷却水がフィルタを通過する状態と通過しない状態とを切り替え可能な構成であればどのようなものでも良い。
なお、サーモスタット15の状態に関わらず、ラジエータ13及びバイパス通路14以外の部位にも冷却水は循環するが、図1ではこれらの部位を省略している。
ウォーターポンプ3は吐出する冷却水の流量を調節することにより、第1冷却水通路11,第2冷却水通路12,ラジエータ13、バイパス通路14、ウォータージャケット2を含む冷却水通路を流れる冷却水の流量を調節する。
ウォータージャケット2の接続部とバイパス通路14の接続部との間の第1冷却水通路11には、ウォータージャケット2から流出する冷却水の温度(以下、出口側温度ともいう。)を測定する水温センサ32が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU30が併設されている。このECU30は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1を制御する。
また、ECU30には、上記センサの他、アクセル開度に応じた電気信号を出力し機関負荷を検出するアクセル開度センサ33、および機関回転数を検出するクランクポジションセンサ34が電気配線を介して接続さている。そして、これらのセンサの出力信号がECU30に入力されることにより、ECU30は内燃機関の運転状態を示す情報を取得する。一方、ECU30には、サーモスタット15、ウォーターポンプ3、バルブ5,第2ウォーターポンプ4が電気配線を介して接続され、ECU30はこのサーモスタット15の開閉、ウォーターポンプ3の吐出する冷却水の流量、バルブ5の開閉、第2ウォーターポンプ4の吐出する冷却水の流量を制御する。
ここで、本実施例に係る冷却水は、所定の温度又は温度範囲(これを「温度域」と総称する)で比熱が変化する。冷却水は、所定の温度域で固体から液体へ、液体から固体へ、液体から気体へ、気体から液体へ、固体から気体へ、又は気体から固体へ相転移する物質(潜熱蓄熱材)が封入された微小な蓄熱カプセル(例えば粒径20μm)を含んで構成される。例えば、冷却水の温度が高くなる過程で所定の温度域となると、冷却水に含まれる潜熱蓄熱材が相転移(例えば固体から液体へ変化)し、このときには周りから熱を吸収する。一方、冷却水の温度が低くなる過程で所定の温度域となると、冷却水に含まれる潜熱蓄熱材が相転移(例えば液体から固体へ変化)し、このときには周りへ熱を放出する。
蓄熱カプセルに封入された潜熱蓄熱材の相転移温度又は相転移が開始する温度及び相転移が終了する温度により定まる温度域では、冷却水に対する熱授受は潜熱蓄熱材の相転移のために費やされるため、冷却水の温度は略一定となる。すなわち、この温度域では冷却水のみかけの比熱が他の温度域における比熱よりも大きい。このように潜熱蓄熱材が相転移する温度域では、それ以外の温度域よりも冷却水の比熱が大きくなる。異なる温度で相転移する潜熱蓄熱材を封入した複数種類の蓄熱カプセルを冷却水に含有させれば、比熱が高くなる温度域を複数設定することもできる。
ここで、図3は、冷却水温度と冷却水の比熱との関係を示した図である。図3に示されるように、温度域T0の温度のときには、他の温度のときよりも、比熱が高くなる。この所定温度域T0のときには、冷却水温度が上昇途中または下降途中であっても、一旦、所定温度域T0で一定となる。この冷却水は、相転移温度又は相転移の開始温度から終了温度までの温度範囲が温度域T0である物質(潜熱蓄熱材)を封入した蓄熱カプセルを含む。図3では所定温度域T0はある幅を持った温度範囲として示しているが、潜熱蓄熱材の相転移温度がある特定の温度である場合には、所定温度域T0は幅を持たない。図3において、温度域T0以外の温度においては冷却水の比熱が低いため、温度域T0以外の温度では熱の出入りに対し冷却水の温度が速やかに変化する一方、冷却水の温度が所定温度域T0の温度であるときは熱の出入りに対し冷却水の温度変化が緩慢になる。そのため、暖機時に冷却水の温度が所定温度域T0以外の温度となるようにすることで冷却水の温度が速やかに上昇して燃費の向上が可能であるとともに、所定温度域T0では大きな熱授受があっても冷却水の温度を維持することができるので、オーバーヒート耐性の向上が可能になる。
なお、一般に物質の比熱には温度依存性があり、温度変化に伴って比熱が変化する場合があるが、上述した所定温度域における比熱が所定温度域以外の温度における比熱より大きな値になるという比熱の温度変化は、冷却水に含ませた潜熱蓄熱材の相転移によるものであって、含有している物質の相転移によるものではない一般的な比熱の温度変化とは異なるものである。
本実施例の内燃機関の冷却装置では、暖機後の内燃機関1から流出する高温の冷却水を蓄熱タンク6に貯留しておき、内燃機関1の冷間始動時に蓄熱タンク6に貯留されている高温の冷却水を冷却回路へ戻すことで、冷却水の昇温に要する時間(内燃機関1の暖機時間)を短縮する制御を行う。蓄熱タンク6は断熱構造を有し、暖機後の内燃機関1から流出した高温の冷却水を保温できる。図4に、暖機完了した内燃機関1が停止した後の蓄熱タンク6内の冷却水の温度変化の一例を示す。図4に示すように、内燃機関1の停止後、蓄熱タンク6内の冷却水の温度は低下し始める。この低下の速さは、第1冷却水通路11や第2冷却水通路12などの冷却回路内の冷却水の温度低下の速さと比較して緩慢である。そして、蓄熱タンク6内の冷却水の温度が、図3に示す比熱が高くなる温度域T0に達すると、冷却水からの熱の放出は主に蓄熱カプセル内の潜熱蓄熱材の相転移に伴う放熱となるため、冷却水の温度は潜熱蓄熱材の相転移温度で略一定となる。そして、蓄熱タンク6内の冷却水に含有される蓄熱カプセルの全量において相転移が終了すると、再び冷却水からの放熱により冷却水の温度が低下し始める。蓄熱タンク6内の冷却水中に含有される蓄熱カプセルの量が多いほど、蓄熱タンク6の蓄熱量は多くなるので、内燃機関1の停止後に蓄熱タンク6内の冷却水の温度が潜熱蓄熱材の相転移温度域T0に保たれる時間を長くすることができる。
そこで、本実施例の冷却装置では、ECU30は、冷却回路を流通する冷却水から蓄熱タンク6へ蓄熱する際には、蓄熱タンク6から冷却回路への冷却水中の蓄熱カプセルの放出を阻止し、蓄熱タンク6から冷却回路を流通する冷却水へ放熱する際には、蓄熱タンク6から冷却回路への冷却水中の蓄熱カプセルの放出を許容するように、バルブ5の開閉を制御するようにした。
すなわち、ECU30は、内燃機関1の暖機が完了したか判定し、内燃機関1の暖機が完了していると判定した場合(例えば、水温センサ32により検出される冷却水温が所定の閾値以上になった場合)、第2ウォーターポンプ4を駆動し、ウォータージャケット2から流出する高温の冷却水の一部を導入通路7を介して蓄熱タンク6へ流入させる。この時、ECU30は、バルブ5を閉弁する。これにより、蓄熱タンク6に冷却水が満たされ、蓄熱タンク6から放出通路8へ冷却水が放出され、第2冷却水通路12へと導かれる冷却水の循環が行われて以降、蓄熱タンク6から蓄熱カプセルが流出することが阻止されるため、蓄熱タンク6には蓄熱カプセルが溜まっていく。これにより、蓄熱タンク6内の冷却水の蓄熱カプセル濃度が上昇していく。従って、冷却回路を流通する冷却水と同じ蓄熱カプセル濃度の冷却水が蓄熱タンク6に貯留される場合と比較して、蓄熱タンク6の蓄熱量が増加する。更に、本実施例の冷却装置では、蓄熱タンク6へ蓄熱する際には、ECU30は、サーモスタット15を閉弁する。これにより、冷却回路を流通する冷却水から熱が奪われにくくなるので、蓄熱タンク6へ効率良く蓄熱することが可能になる。上記のように、本実施例の冷却装置で用いる冷却水は所定温度域T0において比熱が高くなるため、冷却水温が上昇しても所定温度域T0に達した時点でラジエータ13による冷却を行わなくても冷却水温が所定温度域T0で保たれる。そのため、本実施例の冷却装置を備える内燃機関1はオーバーヒート耐性が強いが、水温センサ32による検出値がオーバーヒートを抑制するために定められる閾値を超えた場合には、蓄熱タンク6への蓄熱を行っている場合であってもサーモスタット15を開弁して適切な水温に維持するようにしても良い。
ECU30は、内燃機関1の始動時、内燃機関1の暖機が完了しているか判定し、内燃機関1の暖機が完了していない冷間始動であると判定した場合(例えば、水温センサ32により検出される冷却水温が閾値未満の場合)、第2ウォーターポンプ4を駆動し、蓄熱タンク6から第2冷却水通路12へ放出通路8を介して高温の冷却水を放出する。この時、ECU30は、バルブ5を開弁する。これにより、蓄熱タンク6内の冷却水及び蓄熱カ
プセルが第2冷却水通路12に流入する。上記のように、本実施例によれば、蓄熱タンク6には冷却回路内の冷却水よりも蓄熱カプセル濃度が高い冷却水が貯留されているので、図4に示すように、従来よりも内燃機関1の停止後の経過時間に対する蓄熱タンク6内の冷却水温の低下の度合が小さい。効率良く冷却回路内の冷却水の温度を上昇させることができ、早期暖機が可能となる。
図5は、本実施例にかかる第2ウォーターポンプ4及びバルブ5の制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは所定の時間毎に実行される。なお、本実施例では図5に示すフローを処理するECU30が、本発明における制御手段に相当する。
ステップS201において、ECU30は、冷却水温を検出する。ここでは、ECU30は、水温センサ32により出口側水温を検出する。なお、ウォータージャケット2の入口付近の第2冷却水通路12に水温センサを備え、その水温センサによる検出値から冷却水温を検出しても良い。
ステップS202において、ECU30は、ステップS201で検出された冷却水温に基づき、内燃機関1の暖機が完了しているか判定する。ここでは、ECU30は、前記検出された冷却水温が予め定められた閾値以上の場合に、内燃機関1の暖機が完了していると判定する。内燃機関1の暖機が完了している場合、ECU30はステップS203に進み、内燃機関1の暖機が完了していない場合、本フローチャートの処理を一旦終了する。
ステップS203において、ECU30は、第2ウォーターポンプ4を駆動し、続くステップS204においてバルブ5を閉弁し、続くステップS205でサーモスタット15を閉弁する。ステップS203〜ステップS205はこの順序で実行する必要は無く、順不同で良いし、また同時に実行しても良い。これにより、暖機後の内燃機関1から流出する高温の冷却水の一部が蓄熱タンク6へ導かれるとともに、蓄熱タンク6からの蓄熱カプセルの流出が阻止され、蓄熱タンク6内の冷却水の蓄熱カプセル濃度が上昇していく。
ECU30が以上の処理を実行することにより、蓄熱タンク6に蓄えることが可能な熱量が増加するとともに、効率的に蓄熱タンク6への蓄熱が行われる。
図6は、本実施例にかかる内燃機関始動時の第2ウォーターポンプ4及びバルブ5の制御フローを表すフローチャートである。本ルーチンは所定の時間毎に実行される。なお、本実施例では図6に示すフローを処理するECU30が、本発明における制御手段に相当する。
ステップS301において、内燃機関1が始動したことを検知すると、続くステップS302において、ECU30は、冷却水温を検出し、続くステップS303において、ステップS302で検出された冷却水温に基づき、内燃機関1の暖機が完了しているか判定する。内燃機関1の暖機が完了している場合、ECU30は本フローチャートの処理を一旦終了し、内燃機関1の暖機が完了していない場合、すなわち冷間始動である場合、ECU30はステップS304へ進む。
ステップS304において、ECU30は、第2ウォーターポンプ4を駆動し、続くステップS305においてバルブ5を閉弁し、続くステップS306でサーモスタット15を閉弁する。ステップS304〜ステップS306はこの順序で実行する必要は無く、順不同で良いし、また同時に実行しても良い。これにより、蓄熱カプセル濃度増大により高温状態を維持している蓄熱タンク6内の冷却水が冷却回路へ供給されるため、冷却回路の冷却水の温度が速やかに上昇し、早期暖機が可能となる。
以上説明したように、本実施例によれば、冷却水のとり得る温度範囲内の所定の温度域において相転移する潜熱蓄熱材を内部に封入した蓄熱カプセルを含有することにより前記所定の温度域において比熱が前記所定の温度域以外における比熱よりも大きい値をとる冷却水を熱媒体として使用する内燃機関の冷却装置において、蓄熱タンクの蓄熱性能を向上させることができる。
1 内燃機関
2 ウォータージャケット
3 ウォーターポンプ
4 第2ウォーターポンプ
5 バルブ
6 蓄熱タンク
7 導入通路
8 放出通路
11 第1冷却水通路
12 第2冷却水通路
13 ラジエータ
14 バイパス通路
15 サーモスタット
30 ECU
32 水温センサ
33 アクセル開度センサ
34 クランクポジションセンサ

Claims (2)

  1. 冷却水のとり得る温度範囲内の所定の温度域において相転移する潜熱蓄熱材を内部に封入した蓄熱カプセルを含有することにより前記所定の温度域において比熱が前記所定の温度域以外における比熱よりも大きい値をとる冷却水を熱媒体として使用する内燃機関の冷却装置であって、
    内燃機関と熱授受を行う冷却水が流通する冷却回路と、
    前記内燃機関から流出する冷却水の少なくとも一部を前記冷却回路から導入し貯留するとともに、貯留する冷却水を前記冷却回路へ放出可能な蓄熱タンクと、
    前記蓄熱タンクから前記冷却回路へ冷却水が放出される際に当該冷却水中の蓄熱カプセルが前記冷却回路へ放出されることを阻止可能な阻止手段と、
    前記冷却回路を流通する冷却水から前記蓄熱タンクへ蓄熱する際には、前記蓄熱タンクから前記冷却回路への冷却水中の蓄熱カプセルの放出を阻止し、前記蓄熱タンクから前記冷却回路を流通する冷却水へ放熱する際には、前記蓄熱タンクから前記冷却回路への冷却水中の蓄熱カプセルの放出を阻止しないように、前記阻止手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 前記冷却回路は、前記冷却水から熱を奪うラジエータと、前記ラジエータをバイパスするバイパス通路と、閉じたときには前記ラジエータへの冷却水の流通を遮断して前記バイパス通路に冷却水を流通させ、開いたときには少なくとも前記ラジエータに冷却水を流通させ、冷却水の温度によらず開閉可能なサーモスタットと、を有し、
    前記制御手段は、前記冷却回路を流通する冷却水から前記蓄熱タンクへ蓄熱する際には、前記サーモスタットを閉弁する請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014227894A (ja) * 2013-05-21 2014-12-08 本田技研工業株式会社 内燃機関の燃料供給装置
JP2015203318A (ja) * 2014-04-11 2015-11-16 三菱重工業株式会社 内燃機関システム

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