JP2013067897A - 紡績機 - Google Patents
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Abstract
【課題】紡績部が何らかの原因によって詰まった場合でも、ノズルキャップ上に繊維束が滞留しない紡績機を提供する。
【解決手段】繊維束Fを牽伸するドラフトユニット部2と、前記ドラフトユニット部2によって牽伸された繊維束Fを撚る紡績部3と、を備えた紡績機100であって、前記紡績部3は、前記ドラフトユニット部2と前記紡績部3との間に形成される隙間において、繊維束Fを案内し、当該隙間での繊維束Fの滞留を防止する通路FPを備える、とした。
【選択図】図4
【解決手段】繊維束Fを牽伸するドラフトユニット部2と、前記ドラフトユニット部2によって牽伸された繊維束Fを撚る紡績部3と、を備えた紡績機100であって、前記紡績部3は、前記ドラフトユニット部2と前記紡績部3との間に形成される隙間において、繊維束Fを案内し、当該隙間での繊維束Fの滞留を防止する通路FPを備える、とした。
【選択図】図4
Description
本発明は、紡績機の技術に関する。
従来より、繊維束を牽伸するとともに、牽伸された繊維束を撚ることで紡績糸を製造する紡績機が知られている(例えば特許文献1参照)。このような紡績機には、繊維束を牽伸するドラフトユニット部と、牽伸された繊維束を撚る紡績部と、が設けられている。更に、紡績機には、ドラフトユニット部と紡績部との間に形成される隙間に吸引力を及ぼす吸入ノズルが設けられている。
ドラフトユニット部は、複数のドラフトローラ対を備えている。ドラフトローラ対は、動力機構を介して回転されるボトムローラと、該ボトムローラに接触した状態で従動回転するトップローラと、で構成される。ドラフトローラ対は、ボトムローラとトップローラが繊維束を把持した状態で回転するため、該繊維束を送り出すことができる。このため、ドラフトユニット部は、互いに隣接するドラフトローラ対の送り出し速度の差異によって繊維束を牽伸できる。
紡績部は、紡績室に繊維束を案内するファイバーガイドと、紡績室に空気を案内するノズルブロックと、紡績室で撚られた繊維束を外部へ案内するスピンドルと、で構成される。紡績部は、紡績室に案内された空気が該紡績室内に旋回気流を形成するため、繊維束を撚ることができる。なお、ノズルブロックは、回動可能に取り付けられたノズルホルダによって支持され、ファイバーガイド及びノズルブロックは、ノズルキャップによってノズルホルダに固定される。
上記のような紡績機において、紡績部は、ドラフトローラ対の近傍に配置される。これは、ドラフトローラ対によって送り出された繊維束が乱れる前に該繊維束を撚る必要があるためである。従って、ドラフトローラ対とノズルキャップとの間に形成される隙間は狭くならざるを得ず、紡績部に繊維屑などが何らかの原因によって詰まった場合、ノズルキャップ上(ドラフトローラ対とノズルキャップとの間に形成される隙間)に繊維束が滞留することがあった。このため、例えばドラフトローラ対から離れる方向にノズルホルダを回動した場合に、滞留していた繊維束が一度に吸入ノズルに吸われて、該吸入ノズルが詰まる場合があった。
本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであり、紡績部に繊維屑などが何らかの原因によって詰まった場合でも、ノズルキャップ上に繊維束が滞留しない紡績機を提供することを目的としている。
次に、この課題を解決するための手段を説明する。
第1の発明は、繊維束を牽伸するとともに、牽伸された繊維束を撚ることで紡績糸を製造する紡績機に関する。本発明の実施形態に係る紡績機は、繊維束を牽伸するドラフトユニット部と、ドラフトユニット部によって牽伸された繊維束を撚る紡績部と、を備える。紡績部は、ドラフトユニット部と紡績部との間に形成される隙間において、繊維束を案内し、当該隙間での繊維束の滞留を防止する通路を備える。
第2の発明は、第1の発明に係る紡績機に関する。本紡績機は、紡績室に繊維束を案内するファイバーガイドと、紡績室に空気を案内するノズルブロックと、紡績室で撚られた繊維束を外部へ案内するスピンドルと、ノズルブロックを支持するノズルホルダと、少なくともファイバーガイドをノズルホルダに固定するノズルキャップと、で構成される。そして、ノズルキャップは、前記通路を備える。
第3の発明は、第1又は第2の発明に係る紡績機に関する。本紡績機は、ドラフトユニット部と紡績部との間に形成される隙間の近傍に繊維束を吸入できる吸入ノズルを具備する。そして、前記通路は、繊維束を吸入ノズルへ導く。
第4の発明は、第2又は第3の発明に係る紡績機に関する。前記通路は、ノズルキャップに設けられた凹部又は凸部によって形成される。
第5の発明は、第1から第4のいずれか発明に係る紡績機に関する。前記通路の幅寸法は、吸入ノズルの吸入口の幅寸法と略同一である。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
第1の発明によれば、紡績部に繊維屑などが何らかの原因によって詰まった場合、紡績部に備えられた通路によって繊維束を紡績部から離れる方向に導くことができる。これにより、繊維束を連続的に除去して、ノズルキャップ上に繊維束が滞留することを防止できる。
第2の発明によれば、ノズルキャップに備えられた通路によって繊維束を紡績部から離れる方向に導くことができる。これにより、繊維束を連続的に除去して、ノズルキャップ上に繊維束が滞留することを防止できる。
第3の発明によれば、ノズルキャップに備えられた通路によって繊維束を吸入ノズルへ導くことができる。これにより、繊維束を連続的に除去して、ノズルキャップ上に繊維束が滞留することを防止できる。
第4の発明によれば、ノズルキャップに設けられた凹部又は凸部によって通路を形成するため、簡素な構成でありながら繊維束を紡績部から離れる方向に導く、又は、繊維束を吸入ノズルへ導くことができる。これにより、繊維束を連続的に除去して、ノズルキャップ上に繊維束が滞留することを防止できる。
第5の発明によれば、吸入ノズルによる吸引力が消散することなく通路に沿って作用するため、円滑に繊維束を吸入ノズルへ導くことができる。これにより、繊維束を連続的に除去して、ノズルキャップ上に繊維束が滞留することを防止できる。
まず、紡績機100の全体構成について簡単に説明する。
図1は、紡績機100の全体構成を示す図である。図中に示す黒塗りの矢印は、繊維束Fならびに紡績糸Yの送り方向を示している。
紡績機100は、繊維束Fから紡績糸Yを製造してパッケージPを作成する紡績機械である。紡績機100は、繊維束Fならびに紡績糸Yの送り方向に沿って、スライバ供給部1と、ドラフトユニット部2と、紡績部3と、欠点検出部4と、張力安定部5と、巻取部6と、を備えている。また、紡績機100は、ドラフトユニット部2と紡績部3との間に形成される隙間に吸引力を及ぼす吸入ノズル7を備えている(図2参照)。
スライバ供給部1は、繊維束F(スライバ)をドラフトユニット部2へ供給する。スライバ供給部1は、スライバケース11と、スライバガイド(図示せず)と、を備えている。スライバケース11に貯溜された繊維束Fは、スライバガイドによって案内されてドラフトユニット部2へ導かれる。
ドラフトユニット部2は、繊維束Fを牽伸して該繊維束Fの太さを均一化する。ドラフトユニット部2は、繊維束Fの送り方向に沿って、バックローラ対21と、サードローラ対22と、ミドルローラ対23と、フロントローラ対24と、の四組のドラフトローラ対21・22・23・24を備えている。なお、ドラフトユニット部2の構造については後述する。
紡績部3は、牽伸された繊維束Fを撚ることで紡績糸Yを製造する。紡績部3は、ドラフトユニット部2の近傍に配置されている。このため、紡績部3は、適度に牽伸された繊維束Fから紡績糸Yを製造することができる。なお、紡績部3の構造及び紡績部3を構成する各部材の取付構造については後述する。
欠点検出部4は、製造された紡績糸Yの欠点部を検出する。具体的に説明すると、欠点検出部4は、発光ダイオードを光源として紡績糸Yを照射し、該紡績糸Yからの反射光量を検出する。欠点検出部4は、アナライザを介して制御部に接続されている。このため、制御部は、欠点検出部4からの検出信号に基づいて欠点部の有無を判断することができる。なお、紡績糸Yの欠点部とは、紡績糸Yの一部が太過ぎる(太糸)若しくは細過ぎる(細糸)異常の他、紡績糸Yに異物が介在している場合が含まれる。欠点検出部4は、本実施形態に係る光学式センサ以外にも、静電容量式のセンサを採用することが可能である。
張力安定部5は、紡績糸Yに掛かる張力を適度に保ち安定させる。張力安定部5は、解舒部材51と、ローラ52と、を備えている。解舒部材51は、紡績糸Yに掛かる張力が低い場合にローラ52とともに回転し、該ローラ52に紡績糸Yを巻き付ける。また、解舒部材51は、紡績糸Yに掛かる張力が高い場合にローラ52から独立して回転し、該ローラ52に巻き付けられた紡績糸Yを解舒する。このため、張力安定部5は、紡績糸Yに掛かる張力を適度に保ち安定させることができる。
巻取部6は、紡績糸Yを巻き取ってパッケージPを作成する。巻取部6は、駆動ローラ61と、クレードル(図示せず)と、を備えている。駆動ローラ61は、クレードルによって回転自在に把持されたボビンBを回転させる。このため、巻取部6は、紡績糸Yを巻き取ってパッケージPを作成することができる。なお、巻取部6は、図示しない綾振装置によって紡績糸Yを綾振するため、パッケージPにおける紡績糸Yの偏りを防いでいる。
以上が本発明の一実施形態に係る紡績機100の全体構成である。但し、紡績機100は、後述するノズルキャップ35を備えていれば詳細な構成については問わない。つまり、本紡績機100の特徴部分であるノズルキャップ35を備えていればスライバ供給部1、ドラフトユニット部2、紡績部3、欠点検出部4、張力安定部5、巻取部6、吸入ノズル7、その他の構成や配置について限定しない。
なお、本紡績機100は、張力安定部5が紡績部3から紡績糸Yを引き出す構成である。しかし、紡績部3と張力安定部5の間にデリベリローラとニップローラを設けて、これらのローラで紡績部3から紡績糸Yを引き出す構成としても良い。
次に、ドラフトユニット部2の構造について詳細に説明する。
図2は、ドラフトユニット部2の構成を示す図である。図中に示す黒塗りの矢印は、繊維束Fならびに紡績糸Yの送り方向を示している。
ドラフトローラ対21・22・23・24は、それぞれボトムローラ21A・22A・23A・24Aと、トップローラ21B・22B・23B・24Bと、で構成される。また、ミドルローラ対23を構成するボトムローラ23Aとトップローラ23Bには、合成ゴム製のエプロンバンド23C・23Cが巻回されている。
ボトムローラ21A・22A・23A・24Aは、図示しない動力機構によって同じ方向に回転される。トップローラ21B・22B・23B・24Bは、ボトムローラ21A・22A・23A・24Aに接触した状態で同じ方向に従動回転される。また、各ドラフトローラ対21・22・23・24は、繊維束Fの送り方向に沿って、順次、回転速度が速くなるように設定されている。
従って、ドラフトローラ対21・22・23・24に把持された繊維束Fは、各ドラフトローラ対21・22・23・24を通過する度に送り速度が増していき、隣接するドラフトローラ対21・22・23・24との間で牽伸されることとなる。こうして、ドラフトユニット部2は、繊維束Fの太さを均一化することができる。
なお、紡績部3は、フロントローラ対24の近傍に配置されている。これは、フロントローラ対24によって送り出された繊維束Fが乱れる前に該繊維束Fを撚る必要があるためである。更に、本紡績機100においては、フロントローラ対24と紡績部3との間に形成される隙間に吸引力を及ぼす吸入ノズル7が設けられている。
吸入ノズル7は、空気を吸入することによってフロントローラ対24が巻き上げる繊維屑を吸入する。吸入ノズル7によって吸入された繊維屑は、配管71を通って空気ダクト72に導かれ、廃棄される。
次に、紡績部3の構造について詳細に説明する。
図3は、紡績部3の構造を示す図である。図中に示す黒塗りの矢印は、繊維束Fならびに紡績糸Yの送り方向を示している。図中に示す白塗りの矢印は、供給された空気の流れ方向を示している。
紡績部3は、紡績室SCに案内された繊維束Fを撚ることで紡績糸Yを製造する。紡績部3は、主にファイバーガイド31と、ノズルブロック32と、スピンドル33と、で構成される。
ファイバーガイド31は、紡績室SCを構成する一部材である。ファイバーガイド31は、ドラフトユニット部2によって牽伸された繊維束Fを紡績室SCへ導く。具体的に説明すると、ファイバーガイド31は、紡績室SCに連通された繊維通路31hによって、該紡績室SC内へ繊維束Fを導く。
ノズルブロック32は、紡績室SCを構成する一部材である。ノズルブロック32は、空気供給源から送られた空気を紡績室SCへ導く。具体的に説明すると、ノズルブロック32は、紡績室SCに連通された空気孔32aによって、該紡績室SC内へ空気を導く。なお、空気孔32aは、各空気孔32aから噴出した空気が同じ方向に流れるように連通されているため、該紡績室SC内に空気の旋回気流を発生させる。
スピンドル33は、紡績室SCを構成する一部材である。スピンドル33は、紡績室SCで撚られた繊維束F、即ち、紡績糸Yを該紡績室SCの外部へ導く(紡出という)。具体的に説明すると、スピンドル33は、紡績室SCに連通された繊維通路33hによって、該紡績室SCの外部へ紡績糸Yを導く。
ここで、紡績室SCについて更に詳しく説明する。紡績室SCは、ファイバーガイド31と、ノズルブロック32と、スピンドル33と、で囲まれた空間である。詳細には、紡績室SCは、ノズルブロック32に設けられた略円錐形状の貫通孔32tに対して、一方から挿入された略円錐形状のスピンドル33と、他方に取り付けられたファイバーガイド31と、で囲まれた空間である。
紡績室SCは、ファイバーガイド31とスピンドル33の間に構成される空間SC1と、ノズルブロック32とスピンドル33の間に構成される空間SC2と、に分けられる。空間SC1において、繊維束Fを構成する繊維は、後端部が旋回気流によって反転される(図中二点鎖線参照)。空間SC2において、反転した繊維の後端部は、旋回気流によって回転される(図中二点鎖線参照)。そして、旋回気流によって回転された繊維は、次々と中心部の繊維に巻き付いていく。このようにして、紡績部3は、繊維束Fを撚ることができる。
なお、本紡績部3は、ファイバーガイド31にニードル31nを備えている。ニードル31nは、繊維束Fをスピンドル33に導くとともに、繊維束Fの撚りが上流側に伝わることを防ぐ。しかし、紡績部3は、ファイバーガイド31がニードル31nを備えていない構成であっても良い。
更に、紡績部3は、旋回気流によって繊維束Fを撚る構成であれば、詳細な構成について限定しない。例えば互いに異なる方向に流れる旋回気流を二つ形成し、これらの旋回気流によって繊維束Fを撚る構成であっても良い(例えば特開平5−86510、特開2006−161171等)。
次に、紡績部3を構成する各部材の取付構造について詳細に説明する。
図4は、紡績部3を構成する各部材の取付構造を示す図である。図中に示す黒塗りの矢印は、繊維束Fならびに紡績糸Yの送り方向を示している。
ノズルブロック32は、ノズルホルダ34によって支持されている。具体的に説明すると、ノズルブロック32は、ノズルホルダ34の貫通穴34hに挿入され、該ノズルブロック32の掛止面32sとノズルホルダ34の上面34sが当接した状態で支持されている。
ファイバーガイド31は、ノズルキャップ35によってノズルホルダ34に固定される。具体的に説明すると、ファイバーガイド31は、ノズルブロック32の凹部に組み合わされ、該ファイバーガイド31に爪部35hを掛けたノズルキャップ35によってノズルホルダ34に固定される。このため、ノズルブロック32は、ファイバーガイド31と一体となってノズルホルダ34に固定される。つまり、ファイバーガイド31及びノズルブロック32は、ノズルキャップ35によってノズルホルダ34に固定される。
スピンドル33は、スピンドルキャップ36によってスピンドルホルダ37に固定される。具体的に説明すると、スピンドル33は、スピンドルホルダ37の凸部に組み合わされ、該スピンドル33に爪部36hを掛けたスピンドルキャップ36によってスピンドルホルダ37に固定される。なお、本実施形態におけるスピンドルキャップ36は、該スピンドルキャップ36の雌ネジ部をスピンドルホルダ37の雄ネジ部に螺合する構成となっている。
次に、ノズルキャップ35の一実施形態であるノズルキャップ35Aについて詳細に説明する。
図5Aは、ノズルキャップ35Aを図4に示す矢印X方向から見た図である。図5Bは、ノズルキャップ35Aを図4に示す矢印Y方向から見た図である。図中に示す黒塗りの矢印は、繊維束Fの送り方向を示している。図中に示す白塗りの矢印は、吸入ノズル7によって吸い込まれる空気の流れ方向を示している。
ノズルキャップ35Aは、該ノズルキャップ35A上に繊維束Fが滞留しないように、該繊維束Fを案内する通路FPを備えている。本実施形態において、通路FPは、ノズルキャップ35Aに設けられた一筋の凹部35cによって形成されている。つまり、通路FPは、ノズルキャップ35A上の窪んだ部分を指す。通路FPは、ファイバーガイド31を掛止する爪部35hから離れる方向(フロントローラ対24とノズルキャップ35Aとの間に形成される隙間から遠ざかる方向であって、ノズルキャップ35Aの近傍に配置された吸入ノズル7に向かう方向)に向けて形成されている。
このような構成により、本紡績機100は、紡績部3に繊維屑などが何らかの原因によって詰まった場合でも、ノズルキャップ35Aに備えられた通路FPによって後続の繊維束Fを紡績部3から離れる方向に導くことができる。また、本実施形態においては、ノズルキャップ35Aに設けられた凹部35cによって通路FPを形成するため、簡素な構成でありながら繊維束Fを外部へ導くことができる。これにより、繊維束Fを連続的に除去して、ノズルキャップ35A上に繊維束Fが滞留することを防止できる。
次に、ノズルキャップ35の別実施形態であるノズルキャップ35Bについて詳細に説明する。
図6Aは、ノズルキャップ35Bを図4に示す矢印X方向から見た図である。図6Bは、ノズルキャップ35Bを図4に示す矢印Y方向から見た図である。図中に示す黒塗りの矢印は、繊維束Fの送り方向を示している。図中に示す白塗りの矢印は、吸入ノズル7によって吸い込まれる空気の流れ方向を示している。
ノズルキャップ35Bは、該ノズルキャップ35B上に繊維束Fが滞留しないように該繊維束Fを案内する通路FPを備えている。本実施形態において、通路FPは、ノズルキャップ35Bに設けられた二筋の凸部35pによって形成されている。つまり、通路FPは、ノズルキャップ35B上の二筋の凸部35pによって囲まれた部分を指す。通路FPは、ファイバーガイド31を掛止する爪部35hから離れる方向(フロントローラ対24とノズルキャップ35Bとの間に形成される隙間から遠ざかる方向であって、ノズルキャップ35Bの近傍に配置された吸入ノズル7に向かう方向)に向けて形成されている。
このような構成により、本紡績機100は、紡績部3に繊維屑などが何らかの原因によって詰まった場合でも、ノズルキャップ35Bに備えられた通路FPによって後続の繊維束Fを紡績部3から離れる方向に導くことができる。また、本実施形態においては、ノズルキャップ35Bに設けられた凸部35pによって通路FPを形成するため、簡素な構成でありながら繊維束Fを外部へ導くことができる。これにより、繊維束Fを連続的に除去して、ノズルキャップ35B上に繊維束Fが滞留することを防止できる。
上述したように、本実施形態における通路FPは、ノズルキャップ35Bに設けられた二筋の凸部35pによって形成されている。しかし、凸部35pの代わりに案内壁をノズルキャップ35上に取り付けて通路FPを形成しても良い。この場合も、上記と同様の効果を奏する。
更に、ノズルキャップ35A及びノズルキャップ35Bは、通路FPの幅寸法Wが吸入ノズル7の吸入口の幅寸法(径寸法)Dと略同一となっている。
このような構成により、本紡績機100は、吸入ノズル7による吸引力が消散することなく通路FPに沿って作用するため、円滑に繊維束Fを吸入ノズル7へ導くことができる。これにより、繊維束Fを連続的に除去して、ノズルキャップ35A(35B)上に繊維束Fが滞留することを防止できる。
なお、上記の実施形態において、通路FPは、ノズルキャップ35A(35B)の爪部35hから離れる方向に向けて幅寸法Wが一定に形成されている。しかし、通路FPは、爪部35hの近傍では幅寸法Wを広くし、吸入ノズル7の近傍では吸入口の幅寸法(径寸法)Dと略同一に形成されるとしても良い。
1 スライバ供給部
2 ドラフトユニット部
3 紡績部
31 ファイバーガイド
32 ノズルブロック
33 スピンドル
34 ノズルホルダ
35 ノズルキャップ
35A ノズルキャップ
35B ノズルキャップ
35c 凹部
35p 凸部
4 欠点検出部
5 張力安定部
6 巻取部
7 吸入ノズル
100 紡績機
D 幅寸法(径寸法)
F 繊維束
FP 通路
SC 紡績室
W 幅寸法
Y 紡績糸
2 ドラフトユニット部
3 紡績部
31 ファイバーガイド
32 ノズルブロック
33 スピンドル
34 ノズルホルダ
35 ノズルキャップ
35A ノズルキャップ
35B ノズルキャップ
35c 凹部
35p 凸部
4 欠点検出部
5 張力安定部
6 巻取部
7 吸入ノズル
100 紡績機
D 幅寸法(径寸法)
F 繊維束
FP 通路
SC 紡績室
W 幅寸法
Y 紡績糸
Claims (5)
- 繊維束を牽伸するドラフトユニット部と、
前記ドラフトユニット部によって牽伸された繊維束を撚る紡績部と、を備える紡績機であって、
前記紡績部は、前記ドラフトユニット部と前記紡績部との間に形成される隙間において、繊維束を案内し、当該隙間での繊維束の滞留を防止する通路を備える、ことを特徴とする紡績機。 - 前記紡績部は、紡績室に繊維束を案内するファイバーガイドと、
前記紡績室に空気を案内するノズルブロックと、
前記紡績室で撚られた繊維束を外部へ案内するスピンドルと、
前記ノズルブロックを支持するノズルホルダと、
少なくとも前記ファイバーガイドを前記ノズルホルダに固定するノズルキャップと、で構成され、
前記ノズルキャップは、前記通路を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の紡績機。 - 前記ドラフトユニット部と前記紡績部との間に形成される隙間の近傍に繊維束を吸入できる吸入ノズルを具備し、
前記通路は、繊維束を前記吸入ノズルへ導く、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紡績機。 - 前記通路は、前記ノズルキャップに設けられた凹部又は凸部によって形成される、ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の紡績機。
- 前記通路の幅寸法は、前記吸入ノズルの吸入口の幅寸法と略同一である、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の紡績機。
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