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JP2013063841A - 玉揚装置及びそれを備えた繊維機械 - Google Patents

玉揚装置及びそれを備えた繊維機械 Download PDF

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JP2013063841A JP2011204704A JP2011204704A JP2013063841A JP 2013063841 A JP2013063841 A JP 2013063841A JP 2011204704 A JP2011204704 A JP 2011204704A JP 2011204704 A JP2011204704 A JP 2011204704A JP 2013063841 A JP2013063841 A JP 2013063841A
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Abstract

【課題】巻取管ストッカーの巻取管を装着位置に正確に位置決めできる玉揚装置を提供すること。
【解決手段】巻取管を把持し、繊維装置の巻取管支持部材に巻取管を供給するチャッカーと、チャッカーで把持される巻取管の一方側端部に当接して、巻取管の一方側端部の位置を規制する規制レバー71と、規制レバー71で規制された巻取管の他方側端部に当接して、巻取管の他方側端部を規制レバー側に押し付ける押付レバー72とを備え、チャッカーで把持される巻取管を規制レバー71と押付レバー72とで位置決めする。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動ワインダ等の繊維機械に備えられる玉揚装置に関し、詳しくは、巻取管ストッカーの取出口に配置された巻取管を所定の位置に正確に位置決めできる玉揚装置に関する。
自動ワインダ等に備えられる玉揚装置6は、図2の通り、巻取装置2の並設方向に沿って走行自在に設けられ、クレードルアーム21を開くことで満巻となった巻取パッケージPを後方に転がして、搬送装置12上に載置する。また、その後、箱状の巻取管ストッカー65に貯留されている巻取管9をチャッカー66によって掴み下ろし、クレードルアーム21に支持させると共に、その巻取管9に給糸ボビンBの糸Yを掛けて、巻取りを再開する。
ところで、自動ワインダ等に用いられる巻取管は、その製造ばらつきにより、軸方向の長さが5mm程度ばらついている場合がある。また、巻き取る糸種毎に巻取管の種類を変更している場合、変更前と変更後とで、5mm程度軸方向の長さが異なる巻取管が用いられる場合がある。
そこで、巻取管の軸方向端部に対向する巻取管ストッカーの両側壁間の距離は、軸方向の長さが異なる巻取管全てに対応できる程度に、大きくとられている。
しかし、巻取管ストッカーの両側壁間の距離が巻取管と比較して大きいと、軸方向の長さが短い巻取管は巻取管ストッカーの両側壁間で自由に移動できるので、チャッカーによる巻取管の把持位置が軸方向にばらつくことになる。チャッカーによる把持位置がずれていると、巻取管をクレードルアームに装着する際、クレードルアームに対する正規の装着位置に巻取管が配置されず、装着ミスを生じてしまう場合があった。
そこで、従来の玉揚装置は、巻取管ストッカーに位置決め部材を設けて、この位置決め部材に巻取管を押し付けて、巻取管を所定の位置に位置決めしていた(特許文献1参照)。ところが、図2の通り、巻取管ストッカー65は、巻取装置2の上方に設けられた機台61に対して、各巻取装置2ごとに設置されている。そのため、製造誤差や経年劣化等によって、巻取管ストッカーが、巻取装置に対する所定の位置からずれている場合がある。その場合、巻取管ストッカーに設けられた位置決め部材の位置もずれるので、巻取管を所定の位置に位置決めできず、クレードルアームに対する正規の装着位置に巻取管が配置されない問題がある。また、機台導入時に、巻取装置と巻取管ストッカーとの位置調整をシビアに行わなわなければならなかった。
特開2008−162712号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、巻取管ストッカーの位置によらず巻取管を装着位置に正確に位置決めできる玉揚装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る玉揚装置は、
並列された複数の繊維装置の間を走行し、各繊維装置ごとに設置された巻取管ストッカーから巻取管を繊維装置に供給する玉揚装置において、
巻取管を把持し、繊維装置の巻取管支持部材に巻取管を供給するチャッカーと、
チャッカーで把持される巻取管の一方側端部に当接して、巻取管の一方側端部の位置を規制する規制レバーと、
規制レバーで規制された巻取管の他方側端部に当接して、巻取管の他方側端部を規制レバー側に押し付ける押付レバーとを備え、
チャッカーで把持される巻取管を規制レバーと押付レバーとで位置決めする。
好ましくは、
規制レバーは、垂直方向に延設され、巻取管の一方側端部の位置を規制するための垂直部と、水平方向に対して傾斜して延設され、巻取管の一方側端部をスライドするための傾斜部とを備え、
押付レバーは、水平方向に対して傾斜して延設され、巻取管の他方側端部に当接して、巻取管を規制レバー側に押し付ける押付部を備える。
好ましくは、
セパレーターは、第1支軸によって回転可能に支持され、
規制レバー及び押付レバーは、第2支軸によって回転可能に支持され、セパレーターに載置されており、セパレーターが第1支軸の周りを下方向に回転すると、自重によってセパレーターに追従して第2支軸の周りを下方向に回転する。
好ましくは、上記玉揚装置は、
チャッカーが巻取管を把持する際に、チャッカーで把持される巻取管以外の巻取管を退避するセパレーターを備える。
また、本発明に係る繊維機械は、上記した玉揚装置を備える。
上記の通り、本発明に係る玉揚装置は、巻取管の一方側端部の位置を規制する規制レバーと、規制レバーで規制された巻取管の他方側端部を規制レバー側に押し付ける押付レバーとを備える。そのため、チャッカーで把持される巻取管の位置は、規制レバーと押付レバーとで位置決めされる。
規制レバー及び押付レバーは玉揚装置に設置されているので、玉揚装置の停止位置に応じて規制レバー及び押付レバーを配置できる。そのため、玉揚装置の停止位置に応じて、巻取管を所定の位置に規制できる。即ち、玉揚装置の停止位置を制御することで、巻取管ストッカーの設置位置に依存することなく、巻取管をクレードルアームに対する正規の装着位置に正確に位置決めできる。そして、押付レバーが、巻取管を第1規制プレートに押し付けるので、使用される巻取管の長さが変わっても、巻取管を正確に位置決めできる。
本発明に係る玉揚装置を備えた自動ワインダを示す正面図である。 自動ワインダを示す側面図である。 玉揚装置を示す正面図である。 巻取管ストッカーを示す斜視図である。 玉揚装置におけるセパレーター、規制レバー及び押付レバーを示す斜視図である。 セパレーターが巻取管を把持する前の玉揚装置の動作を説明するための側面図である。 セパレーターが巻取管を把持した後の玉揚装置の動作を説明するための側面図である。 規制レバー及び押付レバーで巻取管の位置を規制する第1動作を説明するための正面図である。 規制レバー及び押付レバーで巻取管の位置を規制する第2動作を説明するための正面図である。
以下、図面に基づいて、本発明に係る玉揚装置及びこの玉揚装置を備えた自動ワインダについて説明する。
[構成]
まず、本実施形態に係る自動ワインダ1の構成について説明する。
図1及び図2の通り、自動ワインダ1は、多数並設された巻取装置(繊維装置)2と、各巻取装置2に対して給糸ボビンBを供給する給糸ボビン供給装置3と、各巻取装置2の玉揚作業を行う玉揚装置6と、玉揚装置6により玉揚げされた巻取パッケージPを搬送する搬送装置12と、各巻取装置2および玉揚装置6等を制御する制御装置8とを備える。
図2の通り、巻取装置2は、給糸ボビンBから解舒された糸Yを、巻取管9に巻き取って巻取パッケージPを形成する。巻取装置2の上部には、巻取管9を回転自在に支持するクレードルアーム(巻取管支持部材)21と、クレードルアーム21で支持された巻取管9を回転させるドラム22とが設けられている。
図2の通り、クレードルアーム21は、巻取パッケージP(巻取り開始時は巻取管9)がドラム22に接触する巻取位置(図2の実線で示す位置)と、玉揚装置6によって巻取パッケージPが取り外される取外位置(図2の二点鎖線で示す位置)との間を移動可能になっている。また、図3の通り、クレードルアーム21は、巻取管9を挟持するための巻取管ホルダ23,23を有しており、巻取管ホルダの一方側23がドラム22の軸方向に揺動することで、巻取管9を着脱自在な構成となっている。
図2の通り、ドラム22は、ユニット制御器24によって制御される駆動モータ25に連結されており、高速または低速で回転する。ユニット制御器24は、制御装置8と通信可能に接続されており、制御装置8から満巻回転数の値を受信する。
また、ユニット制御器24は、切断された糸Yを巻取パッケージPに巻き取るための低速回転、巻取管9にバンチ巻きするための低速回転、および巻取管9に本巻きするための高速回転の順にドラム22を回転させて、ドラム22に接触される巻取管9による糸Yの巻取りを制御している。
また、巻取装置2の糸道に沿った下流側には、糸Yを継ぐ糸継装置26と、糸切断部27aを有し、糸欠陥を検出するヤーンクリアラ27と、給糸ボビンB側の切断された糸Yを吸引捕捉して、糸継装置26まで導入するサクションアーム(不図示)とを備えている。
図2及び図3の通り、玉揚装置6は、機台61に配置されたレール7に沿って巻取装置2の上方を走行して、巻取装置2の巻取パッケージPが満巻になると、満巻になった巻取パッケージPの所定位置で停止して玉揚作業を行う。玉揚装置6は、ヤーントラップ28まで延びることのできる糸把持装置62と、クレードルアーム21を移動および開閉するオープナー63と、糸Yをクレードルアーム21で支持された巻取管9に寄せてガイドする糸寄レバー64とを備えている。
糸把持装置62は、エアシリンダを用いて糸切断把持部62aを伸縮すると共に、この伸縮に連動して糸切断把持部62aで糸Yを切断して把持する。そして、糸把持装置62は、玉揚装置6の下部に設けられ、ドラム22の径方向に旋回自在とし、糸Yをドラム22の上側まで引き上げてクレードルアーム21の間に介在するように旋回する。
図2及び図3の通り、玉揚装置6のオープナー63は、玉揚装置6の側部からドラム22の軸方向に突出する回動軸63aに固定されたオープンレバー63bを有し、オープンレバー63bの先端には、クレードルアーム21に設けられたクレードルレバー21aに当接するオープンハンド63cが設けられている。
オープンレバー63bは、ドラム22の軸方向に揺動自在に支持されてクレードルアーム21に向かって延びており、旋回軌跡がクレードルアーム21と一体に旋回するクレードルレバー21aの旋回軌跡と交差するオープンハンド63cを備えている。
そして、オープナー63は、オープンハンド63cをクレードルレバー21aに当接させた状態でドラム22から離れる方向に旋回することにより、巻取パッケージPを支持するクレードルアーム21を巻取位置から取外位置まで移動させる。
さらに、オープナー63は、ドラム22に向かう方向に旋回することにより、クレードルアーム21を取外位置から巻取位置まで旋回させて、巻取管9をドラム22に当接させる。また、オープナー63は、ドラム22の軸方向に揺動することにより、クレードルレバー21aを介してクレードルアーム21を開閉し、満巻パッケージPの玉揚げおよび巻取管9の装着を可能とする。
図3の通り、玉揚装置6の糸寄レバー64は、先端側に糸引掛部を有していて、ドラム22の糸入り側に、巻取管9側に回動自在として配置されている。糸寄レバー64は、糸把持装置62で引き上げられた糸Yを、巻取管9側へ回動することにより引掛け、巻取管9の大径端と巻取管ホルダ23との間で挟むように糸寄せする。
図1の通り、複数の巻取管9を貯留するための巻取管ストッカー65が、各巻取装置2ごとの上方に機台61に固定されている。また、図2及び図3の通り、玉揚装置6は、機台61に固設された巻取管ストッカー65から巻取管9を先端のチャック爪で把持してドラム22まで運ぶチャッカー66と、チャッカー66が巻取管9を把持する際、把持対象以外の巻取管9を上方に退避させて、チャッカー66による巻取管9の把持およびクレードルアーム21への装着を可能にするセパレーター69と、を備えている。
図2の通り、巻取管ストッカー65は、水平方向に対して傾斜して設けられており、前側が下方に配置され、後側が上方に配置されている。これにより、巻取管ストッカー65に収納される巻取管9は、前側(取出口側)に転がって貯留されるようになっている。
図4の通り、巻取管ストッカー65は、最前列の巻取管9を下方向に挿通するために開口された取出口65dを備える。巻取管ストッカー65は、取出口65dに配置された巻取管9を支持するための一対の支持爪65c,65cを備える。支持爪65c,65cは、コイルバネ(不図示)によって上方向に付勢されており、巻取管ストッカー65に当接している。そして、チャッカー66は、巻取管ストッカー65の最前列の巻取管9を把持して、支持爪65c,65cの付勢力に対向してさらに下方向に移動することで、巻取管9は、巻取管ストッカー65の取出口65dを通じて、巻取装置2のクレードルアーム21に配置される。
また、チャッカー66で把持される巻取管9は、図左側の一方側端部9aと、図右側の他方側端部9bとを有する。巻取管ストッカー65は、巻取管9の一方側端部9aの外側において、L字形状の側壁部65aを備えており、後述する規制レバー71の規制プレート71aの一部を挿通するための開口部65bが形成されている。本実施形態では、開口部65bと取出口65dとは連続して開口している。
図5及び図6の通り、セパレーター69は、ベース部69aの前端から下方向に突出する爪部69b,69bを備えており、ベース部69aの後端69dにばね69eを備えており、ばね69eの付勢力によって、第1支軸69cの周りを回転する。第1支軸69c及びばね69eは、玉揚装置6内に固定されている。
また、規制レバー71は、前端に下方向に突出する規制プレート71aを備えており、後端71fが第2支軸73で回転可能に支持されている。規制レバー71は、中央部に脚部71eを備えており、脚部71eを介してセパレーター69のベース部69aに載置されている。
押付レバー72は、前端に押付プレート(押付部)72aを備えており、後端72fが第2支軸73で回転可能に支持されている。押付レバー72は、中央部に脚部72eを備えており、脚部72eを介してセパレーター69のベース部69aに載置されている。
第2支軸73は、玉揚装置6内に固定されている。
図6の通り、第1リンク腕68は、突起部68gを備えている。ばね68fは、一端が突起部68gに接続され、他端が玉揚装置6内に固定され、第1リンク腕68は、揺動軸68cを中心として後端68bが上方に揺動する方向に付勢されている。
チャッカー66による把持動作前において、第1リンク腕68の後端68bは、カム67によって揺動軸68cを中心として下方向に押されており、その結果、セパレーター69の後端69dが、下方向に押し付けられて停止する。規制レバー71及び押付レバー72は、自重によってセパレーター69に載置されているので、セパレーター69と共に停止する。
カム67は、駆動手段67aによって回転する。また、第1リンク腕68とカム67とが当接する箇所には、カム従動子68eが設けられている。
また、図6の通り、第1リンク腕68の前端68aは、第2リンク腕68dを介してチャッカー66に連結されており、チャッカー66を起立状態に引き上げている。
そして、図7の通り、チャッカー66による把持動作の際、カム67が回転し、第1リンク腕68の後端68bが、ばね68fによって上方に揺動する。これによって、セパレーター69の後端69dは、ばね69eによって引き上げられ、第1支軸69cの周りに上方へ回動する。この回動により、セパレーター69は、把持対象の巻取管9とそれ以外の巻取管9との間に爪部69bの先端を挿入し、把持対象以外の巻取管9を把持対象の巻取管9と引き離すように上方へ退避させる。
セパレーター69が第1支軸69cの周りに下方向に回転することに伴って、規制レバー71及び押付レバー72は、自重によって第2支軸73の周りに下方向に回転する。その結果、規制レバー71及び押付レバー72は、把持される巻取管9を所定の位置に位置決めする。
先ず、規制レバー71が巻取管9の一方側端部9aの位置を規制し、その後、押付レバー72が巻取管9の他方側端部9bの位置を規制するようになっている。本実施形態では、規制レバー71の脚部71eの高さが押付レバー72の脚部72eの高さより低くなっており、その結果、先ず規制レバー71が巻取管9の位置を規制して、その後、押付レバー72が巻取管9を位置決めするようになっている。規制レバー71及び押付レバー72の詳細な動作は後述する。
また、チャッカー66は、第1リンク腕68の前端68aが下方向に揺動することで下方向に回動し、把持対象の巻取管9を把持する。その後、チャッカー66は、巻取管9を把持した状態でさらに下方向に回転することで、巻取管9は、巻取管ストッカー65の取出口65dを通過して、巻取装置2のクレードルアーム21の所定位置に配置される。
つまり、セパレーター69は、チャッカー66と第1リンク腕68および第2リンク腕68d(リンク機構)を介して連結されており、チャッカー66の把持動作に連動して把持対象外の巻取管9を退避させるようになっている。したがって、セパレーター69は、独立の駆動源を要することなく、チャッカー66の動作に連動して回動するようになっている。
図8及び図9に基づいて、規制レバー71及び押付レバー72の動作について説明する。上記の通り、規制レバー71及び押付レバー72は、自重によってセパレーター69の回転に追従して下方向に移動する。
図8では、巻取管9の一方側端部9aが、規制レバー71によって規制される位置71gよりも巻取管ストッカー65の内側に配置されている。
図8Aの通り、先ず、規制レバー71の規制プレート71aが、上方から巻取管ストッカー65の開口部65bに挿通され、側壁部65aに載置して位置決めされる。規制プレート71aは、逆L字形状に構成されている。規制プレート71aは、垂直方向に延設される垂直部71bを備え、垂直部71bが巻取管9の一方側端部9aの規制位置71gに配置される。また、規制プレート71aは、水平方向に延設される水平部71dを備え、水平部71dが巻取管ストッカー65の側壁部65aに載置される。
図8Bの通り、その後、押付レバー72の押付プレート(押付部)72aが、上方から巻取管9の他方側端部9bを押し付ける。押付プレート72aは、水平方向に対して傾斜するように延設されており、下方向に移動して巻取管9の他方側端部9bに当接し、押付レバー72の自重の分力Ghによって、巻取管9を規制レバー71の規制プレート71aに押し付ける。そして、巻取管9の一方側端部9aが規制プレート71aの垂直部71bで規制され、巻取管9の他方側端部9bが押付プレート72aで押し付けられ、その結果、巻取管9を所定の位置に位置決めできる。
図9では、巻取管9の一方側端部9aが、規制レバー71によって規制される位置71gよりも巻取管ストッカー65の外側に配置されている。
図9Aの通り、規制レバー71の規制プレート71aは、水平方向に対して傾斜する傾斜部71cを下部に備える。規制プレート71aが降りてくると、先ず、傾斜部71cが巻取管9の一方側端部9aに当接する。その後、図9Bの通り、規制レバー71の自重によって、規制プレート71aが巻取管9を押し付けることで、巻取管9の一方側端部9aが傾斜部71cに沿ってスライドして、垂直部71bに当接される。なお、規制プレート71aの傾斜部71cが巻取管ストッカー65の開口部65bを貫通することで、規制プレート71aの垂直部71bが巻取管9の一方側端部9aを当接しやすい位置に配置される。
その後、押付レバー71の押付プレート72aが、巻取管9の他方側端部9bを押し付ける。そして、巻取管9の一方側端部9aが規制プレート71aの垂直部71bで規制され、巻取管9の他方側端部9bが押付プレート72aで押し付けられ、その結果、巻取管9を所定の位置に位置決めできる。
上記の通り、規制レバー71及び押付レバー72は、玉揚装置6に設置されているので、玉揚装置6の停止位置に対応して、規制レバー71の規制プレート71a及び押付レバー72の押付プレート72aを配置できる。そのため、玉揚装置6の停止位置に応じて、巻取管9を所定の位置に位置決めできる。即ち、玉揚装置6の停止位置を制御することで、巻取管ストッカー65の設置位置に依存することなく、巻取管9をクレードルアーム21に対する正規の装着位置に正確に位置決めでき、装着ミスを防止できる。そして、押付レバー72の押付プレート72aが、巻取管9を第1規制プレート71の規制プレート71aに押し付けるので、使用される巻取管9の長さが変わっても、巻取管9を正確に位置決めできる。
押付レバー72は、自重によって第2支軸73の周りを回転するので、押付レバー72の自重による力以上は巻取管9に作用せず、巻取管9の他方側端部9bに過剰な力が付与されることはない。また、規制レバー71及び押付レバー72は、セパレーター69に従動する構成となっており、駆動機構を必要としないシンプルな構成となっている。なお、規制レバー71及び押付レバー72を駆動機構(エアシリンダー、モーターなど)で駆動させてもよい。
[動作]
次に、本発明の実施形態における自動ワインダ1において、満巻になった巻取パッケージPを玉揚げする一連の手順につき、図1〜図9を参照しつつ説明する。
巻取装置2のドラム22で高速回転されている巻取パッケージPが満巻になると、ヤーンクリアラ27の糸切断部27aを作動させて糸Yを切断すると共に、切断された給糸ボビンB側の糸Yの先端をサクションアーム28により吸引捕捉する。この巻取装置2の動作と同時に、玉揚装置6が走行して、満巻となった巻取装置2の巻取パッケージPの真上に停止する。
玉揚装置6が満巻になった巻取パッケージPの真上に停止すると、ユニット制御器24は、駆動モータ25を駆動することでドラム22を低速回転させて、切断された巻取パッケージP側の糸Yを巻取パッケージPに巻き取らせる。切断された糸Yが巻取パッケージPに巻き取られると、ユニット制御器24は、駆動モータ25の駆動を停止してドラム22の回転を止める。
切断された糸Yを巻取パッケージPに巻き取った後、玉揚装置6は、オープナー63を旋回することにより、満巻パッケージPを支持するクレードルアーム21を巻取位置から取外位置まで移動する。さらに、オープナー63をドラム22の軸方向に揺動させることで、クレードルアーム21を開いて満巻パッケージPを取り外す(玉揚げする)。そして、パッケージガイド29を介して満巻パッケージPは搬送装置12に載置され、所定の場所に運ばれる。
玉揚装置6がクレードルアーム21から満巻パッケージPを取り外した(玉揚げした)後、オープナー63は揺動を解除し、ドラム22に向けて旋回することでクレードルアーム21を巻取位置まで移動する。そして、再びオープナー63を揺動させることでクレードルアーム21を開く。ここで、玉揚装置6の糸把持装置62は、サクションアーム28まで延び、サクションアーム28で吸引捕捉されている給糸ボビンBの糸Yの先端を切断すると共に把持し、上昇することでドラム22の前方を通る上側まで糸Yを引き上げる。
そして、ドラム22の上側まで糸Yを引き上げた糸把持装置62は、クレードルアーム21に向けて旋回することで、糸Yを各クレードルアーム21の間に介在させると共に、糸Yの有無を検知するためにヤーンクリアラ27内に糸Yを挿入する。
そして、玉揚装置6の糸寄レバー64がドラム22に向けて回動することで、ドラム22の糸入り側にある糸Yを先端で引掛けて、糸Yをバンチ巻き位置にガイドする。糸寄レバー64がバンチ巻き位置に糸Yを寄せると、巻取管ストッカー65の取出口端(前端)にある巻取管9を把持するために、チャッカー66がドラム22に向けて回動する。
このとき、セパレーター69は、チャッカー66に連動して、第1支軸69cを中心として下方向に回動し、チャッカー66が把持対象の巻取管9を把持する前に、把持対象外の巻取管9を上方に退避する。なお、この退避動作は、チャッカー66が把持した巻取管9をクレードルアーム21に装着して元の位置に戻るまで、持続される。
さらに、セパレーター69の巻取管退避動作に伴って、規制レバー71の規制プレート71aが、把持対象の巻取管9の一方側端部9aを位置規制して、押付レバー72の押付プレート72aが、把持対象の巻取管9の他方側端部9bを規制プレート71aの方に押し付ける。これにより、把持対象の巻取管9は所定の位置に位置決めされる。
チャッカー66は、巻取管9を把持した後、さらにドラム22に向けて回動することで、把持した巻取管9をドラム22に接触させ、オープナー63で開かれたクレードルアーム21の巻取管ホルダ23の間に巻取管9を配置する。巻取管9をドラム22に接触させた状態で、オープナー63の揺動を解除してクレードルアーム21の巻取管ホルダ23により巻取管9の大径端と小径端とを回転自在に挟持する。これにより、糸Yが巻取管9の大径端と巻取管ホルダ23とで挟持されて、バンチ巻き可能な状態となる。巻取管9がクレードルアーム21の巻取管ホルダ23で把持されると、チャッカー66を玉揚装置6に向けて回動、退避させると共に、糸把持装置62による糸Yの把持を解除する。
このように、満巻パッケージPの玉揚げから巻取管9の装着の一連の動作が終了すると、ユニット制御器24は、駆動モータ25を駆動させることでドラム22を低速回転させ、給糸ボビンBからの糸Yを巻取管9の大径端にバンチ巻きする。
そして、糸Yの本巻きを自動スタートするために、ユニット制御器24は、駆動モータ25を制御してドラム22を低速回転から連続して高速回転させる。これにより、ドラム22が巻取管6の軸方向に糸Yを綾振りさせながら巻取管9を高速回転させて糸Yの本巻きを自動スタートさせる。この糸Yの本巻きは、ユニット制御器24が計数するドラム22の回転数が満巻回転数に達したときに、定長巻きが完了したとして終了する。そして、その満巻となった巻取装置2に対し、玉揚装置6が満巻パッケージPの玉揚を行うようになっている。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記実施形態においては、巻取装置を多数並設した自動ワインダに適用される玉揚装置としたが、これに限定されるものではなく、例えば紡績装置を多数並設した紡績機械に適用される玉揚装置であってもよい。
2 繊維装置(巻取装置)
21 巻取管支持部材(クレードルアーム)
61 機台
65 巻取管ストッカー
6 玉揚装置
66 チャッカー
69 セパレーター
9 巻取管
9a 巻取管の一方側端部
9b 巻取管の他方側端部
71 規制レバー
72 押付レバー
71a 規制プレート
71b 垂直部
71c 傾斜部
72a 押付プレート(押付部)
69c 第1支軸
73 第2支軸

Claims (5)

  1. 並列された複数の繊維装置の間を走行し、前記各繊維装置ごとに設置された巻取管ストッカーから巻取管を前記繊維装置に供給する玉揚装置において、
    前記巻取管を把持し、前記繊維装置の巻取管支持部材に前記巻取管を供給するチャッカーと、
    前記チャッカーで把持される前記巻取管の一方側端部に当接して、前記巻取管の一方側端部の位置を規制する規制レバーと、
    前記規制レバーで規制された前記巻取管の他方側端部に当接して、前記巻取管の他方側端部を前記規制レバー側に押し付ける押付レバーとを備え、
    前記チャッカーで把持される前記巻取管を前記規制レバーと前記押付レバーとで位置決めすることを特徴とする玉揚装置。
  2. 前記規制レバーは、垂直方向に延設され、前記巻取管の一方側端部の位置を規制するための垂直部と、水平方向に対して傾斜して延設され、前記巻取管の一方側端部をスライドするための傾斜部とを備え、
    前記押付レバーは、水平方向に対して傾斜して延設され、前記巻取管の他方側端部に当接して、前記巻取管を前記規制レバー側に押し付ける押付部を備えることを特徴とする請求項1に記載の玉揚装置。
  3. 前記セパレーターは、第1支軸によって回転可能に支持され、
    前記規制レバー及び前記押付レバーは、第2支軸によって回転可能に支持され、前記セパレーターに載置されており、前記セパレーターが前記第1支軸の周りを下方向に回転すると、自重によって前記セパレーターに追従して前記第2支軸の周りを下方向に回転することを特徴とする請求項2に記載の玉揚装置。
  4. 前記チャッカーが前記巻取管を把持する際に、前記チャッカーで把持される前記巻取管以外の前記巻取管を退避するセパレーターを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の玉揚装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の玉揚装置を備えたことを特徴とする繊維機械。
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