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JP2013048290A - 部品内蔵配線板 - Google Patents

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JP2013048290A JP2012247453A JP2012247453A JP2013048290A JP 2013048290 A JP2013048290 A JP 2013048290A JP 2012247453 A JP2012247453 A JP 2012247453A JP 2012247453 A JP2012247453 A JP 2012247453A JP 2013048290 A JP2013048290 A JP 2013048290A
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Abstract

【課題】絶縁板中に半導体チップがフリップ接続で埋設、実装された部品内蔵配線板において、フリップ接続の信頼性向上、配線板としての機能性の保全、および低コスト化。
【解決手段】積層状の第1、第2の絶縁層と、第1の絶縁層上に設けられた最外層の第1の配線パターンと、第2の絶縁層上に設けられた他方の最外層の第2の配線パターンと、第2の絶縁層に埋設された、端子パッドを有する半導体チップと、第1の絶縁層と第2の絶縁層とに挟まれた、半導体チップ用の実装用ランドを含む第3の配線パターンと、端子パッドと実装用ランドとの間に挟設された導電性バンプと、半導体チップと第1の絶縁層および第3の配線パターンとの間に設けられた樹脂とを具備し、第1の配線パターンの第1の絶縁層側とは反対側および第2の配線パターンの第2の絶縁層側とは反対側が粗化されていない一方、第3の配線パターンの第2の絶縁層側の表面が粗化されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁板中に部品が埋設、実装された部品内蔵配線板に係り、特に、半導体チップがフリップ接続により埋設、実装された部品内蔵配線板に関する。
半導体チップがフリップ接続により埋設、実装された部品内蔵配線板の例として、下記特開2003−197849号公報に記載のものがある。半導体チップ(ベアチップ)をフリップ接続すればその実装で生じる厚さは最小限近くに節約され、よってフリップ接続は半導体素子を配線板中に内蔵する場合の有力な方法になる。
フリップ接続は、例えば、半導体チップ上に形成された端子パッド上にさらにAuバンプを形成し、これを接着剤(アンダーフィル樹脂)を介して配線板上に形成された配線パターンに圧接することでなすことができる。ここで考慮点は、Auバンプと配線パターンとの低抵抗接続およびその接続信頼性の確保である。このため配線パターン表面には高い洗浄度が求められ、よく行われる方法として、配線パターンの表層にもAuめっき層を形成しておく。
一般には、配線板の主面上に半導体チップをフリップ接続する場合には、配線パターンのうち接続に供する部位のみを残してはんだレジストのような保護層を形成し、そのあと、接続に供する部位にAuめっき層を形成している。これにより、安価とは言えないAuめっきを最小限の面積に留めて施すことができる。
半導体チップを配線板中に埋設する場合であって、これをフリップ接続する場合には、上記のような主面上への半導体チップのフリップ接続とはいくつか事情が異なってくる。まず、はんだレジストが内層の絶縁層の一部になってしまうことの影響である。一般的に、はんだレジストと配線板で使用される絶縁板材料との密着性は、絶縁板材料同士のそれほどには強くない。そこで、内層としてのはんだレジストを省略した構成を採用すると、Auめっきを広い面積で施す必要があり製造コストに影響する。Auめっき層と絶縁板材料との接着性も強いとは言えず、この点でも課題が残る。
特開2003−197849号公報
本発明は、上記した事情を考慮してなされたもので、絶縁板中に半導体チップがフリップ接続で埋設、実装された部品内蔵配線板において、フリップ接続の信頼性および配線板としての機能性を保全した上で、低コストで製造が可能な部品内蔵配線板を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る部品内蔵配線板は、第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層に対して積層状に位置する第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層の、前記第2の絶縁層が位置する側とは反対の側の面上に設けられた、配線層として最外層の配線パターンである第1の配線パターンと、前記第2の絶縁層の、前記第1の絶縁層が位置する側とは反対の側の面上に設けられた、配線層として他方の最外層の配線パターンである第2の配線パターンと、前記第2の絶縁層に埋設された、端子パッドを有する半導体チップと、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とに挟まれて設けられた、前記半導体チップ用の実装用ランドを含む第3の配線パターンと、前記半導体チップの前記端子パッドと前記第3の配線パターンの前記実装用ランドとの間に挟設され、該端子パッドと該実装用ランドとを電気的、機械的に接続する導電性バンプと、前記半導体チップと前記第1の絶縁層および前記第3の配線パターンとの間に設けられた樹脂と、を具備し、前記第1の配線パターンの前記第1の絶縁層側とは反対の側の表面および前記第2の配線パターンの前記第2の絶縁層側とは反対の側の表面が粗化されていない一方、前記第3の配線パターンの前記第2の絶縁層側の表面が粗化されていることを特徴とする。
すなわち、半導体チップをその端子パッド上の導電性バンプを介して配線板にフリップ接続で良好に埋設、実装するため、配線板上のランドを含む第3の配線パターンは表面が粗化された状態になっている。実験によれば、表面が粗化された配線パターンと導電性バンプとの電気的接続は、粗化がされていない配線パターンの場合より、顕著に低抵抗接続およびその接続信頼性の向上が実現される。表面粗化がされた配線パターンと絶縁層との接着性もよく配線板としての機能性に悪影響も生じない。
本発明によれば、絶縁板中に半導体チップがフリップ接続で埋設、実装された部品内蔵配線板において、フリップ接続の信頼性および配線板としての機能性を保全した上で、低コストで製造が可能な部品内蔵配線板を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る部品内蔵配線板の構成を模式的に示す断面図。 図1に示した部品内蔵配線板における半導体チップ41と配線層22との接続部分をやや詳細にかつ模式的に示す断面構造図。 図1に示した部品内蔵配線板の製造過程の一部を模式的断面で示す工程図。 図1に示した部品内蔵配線板の製造過程の別の一部を模式的断面で示す工程図。 図1に示した部品内蔵配線板の製造過程のさらに別の一部を模式的断面で示す工程図。 図1に示した部品内蔵配線板をサンプルとして実際に製造し機能評価した結果を示す表。 図6に示した評価において、特に粗化後の表面粗さの違いによる不良発生頻度の違いの結果を示す表。
本発明の実施態様として、前記第2の絶縁層が、少なくとも2つの絶縁層の積層であり、前記少なくとも2つの絶縁層の間に挟まれて設けられた第4の配線パターンと、前記第2の絶縁層の積層方向一部を貫通して前記第3の配線パターンの面と前記第4の配線パターンの面との間に挟設され、かつ導電性組成物からなり、かつ積層方向に一致する軸を有し該軸の方向に径が変化している形状である層間接続体とをさらに具備する、とすることができる。
この層間接続体は、半導体チップを埋め込んでいる第2の絶縁層の積層方向一部を貫通する層間接続体の一例であり、例えば導電性組成物のスクリーン印刷により形成された導電性バンプを由来とする層間接続体である。この層間接続体は、第4の配線パターンと第3の配線パターンとの間に挟設されるが、第3の配線パターンの表面が粗化されているため、この第3の配線パターンと層間接続体との接続信頼性の向上ももたらされることになり好ましい。
また、実施態様として、前記第3の配線パターンが、その材料としてCuを有し、前記導電性バンプが、その材料としてAuを有する、とすることができる。配線パターンとしてCuはもっとも一般的でローコストであり、導電性バンプがAuであるとCuとの接続相性がよく好ましい。
ここで、前記第3の配線パターンの前記表面が、十点表面粗さRzの評価で0.45μmを超える表面粗さである、とすることができる。実験によれば、第3の配線パターンの表面粗さが0.45μmを超えると、初期導通試験で導電性バンプとの導通が不良と判定されるサンプルの発生がなくなる。
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る部品内蔵配線板の構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、この部品内蔵配線板は、絶縁層11(第1の絶縁層)、同12、同13、同14、同15(12、13、14、15で第2の絶縁層)、配線層21、同22(配線パターン)、同23(第2の配線パターン)、同24、同25、同26(=合計6層)、層間接続体31、同32、同34、同35、スルーホール導電体33、半導体チップ41、導電性バンプ42、アンダーフィル樹脂51(樹脂)を有する。
半導体チップ41は、フリップ接続により導電性バンプ42を介して内層の配線層22に電気的、機械的に接続されている。この接続のため、半導体チップ41が有する端子パッド(不図示)上にあらかじめ導電性バンプ42が形設され、この導電性バンプ42に位置を合わせて配線層22には内蔵部品実装用ランドがパターン形成されている。導電性バンプ42は、材質として例えばAuであり、あらかじめ端子パッド上にスタッド状に形成されたものである。半導体チップ41と配線層22および絶縁層11との間には、フリップ接続部分の機械的および化学的な保護のためアンダーフィル樹脂51が満たされている。
導電性バンプ42との接続に供せられる部分を含めて配線層22の絶縁層12側の表面は、表面粗さが適度に大きくなるように処理がされた粗化表面22aになっている。粗化表面22aを設けることで、導電性バンプ42との接続の低抵抗性およびその信頼性を確保する。こうすれば、配線層22の絶縁層12側の表面の洗浄度を増すためAuめっきを施すことや、そのめっき面積をなるべく増加させないようにはんだレジスト層を形成することなどは考慮する必要がない。したがって、より低コストが実現され、また、絶縁層12とAuめっき層やはんだレジスト層との密着が不全で配線板としての機能が損なわれるおそれも回避できる。
配線層22の表面を粗化表面22aにすること以外の構造、すなわち、半導体チップ41、導電性バンプ42、配線層22および絶縁層11、アンダーフィル樹脂51がなす構造自体については、一般的に多用されているフリップ接続で得られる構造でよく、したがって大きなコスト増は生じない。粗化表面22aは、さらに、配線層22と絶縁層12との接着性の向上、および配線層22と層間接続体32との電気的接続の信頼性の向上にも貢献しており副次的にも好ましい。
ここで、半導体チップ41と配線層22との接続部分の微細な構造について図2を参照して説明する。図2は、図1に示した部品内蔵配線板における半導体チップ41と配線層22との接続部分をやや詳細にかつ模式的に示す断面構造図である。図2において、図1中に示した構成と同一のものには同一符号を付してある。図2に示すように、微細な構造として、導電性バンプ42が配線層22に圧接された状態で配線層22の粗化表面22aの凹凸がつぶされ、これにより配線層22の新生面が露出して導電性バンプ42に接触している。したがって良好な接続が実現される。
図1に戻り部品内蔵配線板としてのほかの構造について述べると、外側の配線層21、26とは別の配線層22、23、24、25はそれぞれ内層の配線層であり、順に、配線層21と配線層22の間に絶縁層11が、配線層22と配線層23の間に絶縁層12が、配線層23と配線層24との間に絶縁層13が、配線層24と配線層25との間に絶縁層14が、配線層25と配線層26との間に絶縁層15が、それぞれ位置しこれらの配線層21〜26を隔てている。各配線層21〜26は、例えばそれぞれ厚さ18μmの金属(銅)箔からなっている。
各絶縁層11〜15は、絶縁層13を除き例えばそれぞれ厚さ100μm、絶縁層13のみ例えば厚さ300μmで、それぞれ例えばガラスエポキシ樹脂からなるリジッドな素材である。特に絶縁層13は、内蔵された半導体チップ41に相当する位置部分が開口部となっており、半導体チップ41を内蔵するための空間を提供する。絶縁層12、14は、内蔵された半導体チップ41のための絶縁層13の上記開口部および絶縁層13のスルーホール導電体33内部の空間を埋めるように変形進入しており内部に空隙となる空間は存在しない。
配線層21と配線層22とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層11を貫通する層間接続体31により導通し得る。同様に、配線層22と配線層23とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層12を貫通する層間接続体32により導通し得る。配線層23と配線層24とは、絶縁層13を貫通して設けられたスルーホール導電体33により導通し得る。配線層24と配線層25とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層14を貫通する層間接続体34により導通し得る。配線層25と配線層26とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層15を貫通する層間接続体25により導通し得る。
層間接続体31、32、34、35は、それぞれ、導電性組成物のスクリーン印刷により形成される導電性バンプを由来とするものであり、その製造工程に依拠して軸方向(図1の図示で上下の積層方向)に径が変化している。その直径は、太い側で例えば200μmである。
以上のように、この実施形態に係る部品内蔵配線板は、半導体チップ41をその端子パッド上に設けられた導電性バンプ42を介してフリップ接続で良好に埋設、実装するため、ランドを含む内層の配線層22の絶縁層12側の表面が粗化されていることに特徴がある。これにより、半導体チップ41と配線層22との低抵抗接続およびその接続信頼性向上がなされる。粗化表面22aを有する配線層22と絶縁層12との接着性もよく配線板としての機能性に悪影響も生じない。また、配線層22と層間接続体32との電気的接続の信頼性も向上している。
次に、図1に示した部品内蔵配線板の製造工程を図3ないし図5を参照して説明する。図3ないし図5は、それぞれ、図1に示した部品内蔵配線板の製造過程の一部を模式的断面で示す工程図である。これらの図において図1中に示した構成要素と同一または同一相当のものには同一符号を付してある。
図3から説明する。図3は、図1中に示した各構成のうち絶縁層11を中心とした部分の製造工程を示している。まず、図3(a)に示すように、厚さ例えば18μmの金属箔(電解銅箔)22A上に例えばスクリーン印刷により、層間接続体31となるペースト状の導電性組成物をほぼ円錐形のバンプ状(底面径例えば200μm、高さ例えば160μm)に形成する。この導電性組成物は、ペースト状の樹脂中に銀、金、銅などの金属微細粒または炭素微細粒を分散させたものである。説明の都合で金属箔22Aの下面に印刷しているが上面でもよい(以下の各図も同じである)。層間接続体31の印刷後これを乾燥させて硬化させる。
次に、図3(b)に示すように、金属箔22A上に厚さ例えば公称100μmのFR−4のプリプレグ11Aを積層して層間接続体31を貫通させ、その頭部が露出するようにする。露出に際してあるいはその後その先端を塑性変形でつぶしてもよい(いずれにしても層間接続体31の形状は、積層方向に一致する軸を有しその軸方向に径が変化する形状である。)。続いて、図3(c)に示すように、プリプレグ11A上に金属箔(電解銅箔)21Aを積層配置して加圧・加熱し全体を一体化する。このとき、金属箔21Aは層間接続体31と電気的導通状態となり、プリプレグ11Aは完全に硬化して絶縁層11になる。
次に、図3(d)に示すように、片側の金属箔22Aに例えば周知のフォトリソグラフィによるパターニングを施し、これを、実装用ランドを含む配線層22に加工する。そしてさらに、パターニングされた配線層22の表面を粗化処理して粗化表面22aにする。これには、具体的に、例えば、黒化還元処理やマイクロエッチング処理を採用することができる。マイクロエッチング処理としては、例えば、CZ処理(メック社商品名)やボンドフィルム処理(アトテック社商品名)がある。
なお、銅箔の表面を粗化する処理は、一般的に、銅箔上に積層される絶縁樹脂との密着性を向上するため行われているので、この処理と同時の処理として上記粗化処理を行うようにしてもよい。これによれば、新たな処理として上記粗化処理を行う必要がなく効率よく製造が可能である。ただし、粗化の程度についてはフリップ接続での低抵抗性およびその信頼性を考慮し適当な程度を指向すべきである(後述する)。
次に、図3(e)に示すように、半導体チップ41が実装されるべき絶縁層11上の位置に例えばディスペンサを用いて硬化前のアンダーフィル樹脂51Aを適用する。続いて、図3(f)に示すように、導電性バンプ42を伴った半導体チップ41を例えばフリップチップボンダを用いて、配線層22の実装用ランドに位置合わせし圧接する。圧接の後、その接続強度の向上のため、およびアンダーフィル樹脂51Aを硬化するため、加熱工程を行う。以上により、導電性バンプ42を介して半導体チップ41が配線層22の実装用ランド上に接続され、かつ半導体チップ41と配線層22および絶縁層11との間にアンダーフィル樹脂51が満たされた状態の配線板素材1が得られる。この配線板素材1を用いる後の工程については図5で後述する。
次に、図4を参照して説明する。図4は、図1中に示した各構成のうち絶縁層13および同12を中心とした部分の製造工程を示している。まず、図4(a)に示すように、両面に例えば厚さ18μmの金属箔(電解銅箔)23A、24Aが積層された例えば厚さ300μmのFR−4の絶縁層13を用意し、その所定位置にスルーホール導電体を形成するための貫通孔72をあけ、かつ内蔵する半導体チップ41に相当する部分に開口部71を形成する。
次に、無電解めっきおよび電解めっきを行い、図4(b)に示すように、貫通孔72の内壁にスルーホール導電体33を形成する。このとき開口部71の内壁にも導電体が形成される。さらに、図4(c)に示すように、金属箔23A、24Aを周知のフォトリソグラフィを利用して所定にパターニングして配線層23、24を形成する。配線層23、24のパターニング形成により、開口部71の内壁に形成された導電体も除去される。
次に、図4(d)に示すように、配線層23上の所定の位置に層間接続体32となる導電性バンプ(底面径例えば200μm、高さ例えば160μm)をペースト状導電性組成物のスクリーン印刷により形成する。続いて、図4(e)に示すように、絶縁層12とすべきFR−4のプリプレグ12A(公称厚さ例えば100μm)を配線層23側にプレス機を用い積層する。プリプレグ12Aには、絶縁層13と同様の、内蔵する半導体チップ41に相当する部分の開口部をあらかじめ設けておく。
この積層工程では、層間接続体32の頭部をプリプレグ12Aに貫通させる。なお、図4(e)における層間接続体32の頭部の破線は、この段階でその頭部を塑性変形させてつぶしておく場合と塑性変形させない場合の両者あり得ることを示す。この工程により、配線層23はプリプレグ12A側に沈み込んで位置する。以上により得られた配線板素材を配線板素材2とする。
なお、以上の図4に示した工程は、以下のような手順とすることも可能である。図4(a)の段階では、貫通孔72のみ形成し内蔵部品用の開口部71を形成せずに続く図4(b)から図4(d)までの工程を行う。次に、図4(e)に相当する工程として、プリプレグ12A(開口のないもの)の積層を行う。そして、絶縁層13およびプリプレグ12Aに部品内蔵用の開口部を同時に形成する、という工程である。
次に、図5を参照して説明する。図5は、上記で得られた配線板素材1、2などを積層する配置関係を示す図である。
図5において、図示上側の配線板素材3は、下側の配線板素材1と同様な工程を適用し、かつそのあと層間接続体34およびプリプレグ14Aを図示中間の配線板素材2における層間接続体32およびプリプレグ12Aと同様にして形成し得られたものである。ただし、部品(半導体チップ41)およびこれを接続するための部位(実装用ランド)のない構成であり、さらにプリプレグ14Aには半導体チップ41用の開口部も設けない。そのほかは、金属箔(電解銅箔)26A、絶縁層15、層間接続体35、配線層25、プリプレグ14A、層間接続体34とも、それぞれ配線板素材1の金属箔21A、絶縁層11、層間接続体31、配線層22、配線板素材2のプリプレグ12A、層間接続体32と同じである。
図5に示すような配置で各配線板素材1、2、3を積層配置してプレス機で加圧・加熱する。これにより、プリプレグ12A、14Aが完全に硬化し全体が積層・一体化する。このとき、加熱により得られるプリプレグ12A、14Aの流動性により、半導体チップ41の周りの空間およびスルーホール導電体33内部の空間にはプリプレグ12A、14Aが変形進入し空隙は発生しない。また、配線層22、24は、層間接続体32、34にそれぞれ電気的に接続される。この積層工程では、配線層22の表面に粗化表面22aが設けられていることにより、絶縁層12と配線層22の密着性が向上し、また層間接続体32と配線層22との電気的接続の信頼性が向上する。これについてはすでに述べた通りである。
図5に示す積層工程の後、上下両面の金属箔26A、21Aを周知のフォトリソグラフィを利用して所定にパターニングし、さらにはんだレジスト61、62の層を形成することにより、図1に示したような部品内蔵配線板を得ることができる。
変形例として、中間の絶縁層13に設けられたスルーホール導電体33については、層間接続体31や同32と同様なものとする構成も当然ながらあり得る。また、外側の配線層21、26は、最後の積層工程のあとにパターニングして得る以外に、各配線板素材1、3の段階で(例えば図3(d)の段階で)形成するようにしてもよい。
また、図5に示した積層工程において、配線板素材1、2については、プリプレグ12Aおよび層間接続体32の部分を配線板素材2の側ではなく配線板素材1の側に設けておくようにしてもよい。すなわち、層間接続体32の形成およびプリプレグ12Aの積層を、配線板素材1の配線層22上(絶縁層11上)であらかじめ行うようにする。この場合、実装された半導体チップ41が、一見、層間接続体32をスクリーン印刷で形成するときに干渉要因となるように見えるが、半導体チップ41として十分薄い部品の場合は実際上干渉要因とはならない。プリプレグ12Aの積層工程のときには、半導体チップ41の厚さを吸収できるクッション材を介在させて加圧・加熱すれば面内方向均一にプリプレグ12Aを積層できる。
次に、図1に示した部品内蔵配線板をサンプルとして実際に製造し機能評価した結果について図6を参照して述べる。図6は、図1に示した部品内蔵配線板をサンプルとして実際に製造し機能評価した結果を示す表である。前提として図6(a)には、内蔵した半導体チップ41の諸元を示す。使用した半導体チップ41は、評価のためのテストチップであり、図6(a)に示すように、サイズとして3.0mm×3.0mm、厚さが200μm、端子数が30ピン、端子ピッチが300μmの各諸元であり、導電性バンプ42としてAuスタッドバンプが形設されたものである。
図6(b)に示すように、比較のため、配線層22に粗化処理を行った場合、行わない場合、それぞれについて部品内蔵配線板として100サンプルを製造、用意し、これらのバンプごとの接続抵抗、初期導通評価、熱衝撃試験実施後の導通評価を行った。
バンプごとの接続抵抗としては、1バンプあたり10mΩ以上の接続抵抗のバンプを有するサンプルを導通NG(導通不良)と判定した。この結果、表に示すように、配線層22に粗化処理を行ったサンプルでは、初期導通評価でNG発生率は0%であったのに対して、粗化処理を行わないサンプルでは、15%のNG発生率であった。さらに、初期導通評価でNGと判定されなかったサンプルについて、表に示すような熱衝撃試験を行った後に同様の導通評価を行ったところ、粗化処理を行ったサンプルでは、引き続きNG発生率は0%であったのに対して、粗化処理を行わないサンプルでは、熱衝撃試験前にNGでなかった75サンプル中15サンプルがNG(NG発生率20%)になった。
したがって、配線層22表面の粗化処理は、半導体チップ41と配線層22との低抵抗接続の実現およびその接続信頼性の向上に大きく寄与していることがデータ上で確かめられた。
次に、図7は、図6に示した評価において、特に粗化後の表面粗さの違いによる不良発生頻度の違いの結果(初期導通評価)を示す表である。ここで表面粗さは、JISで規定された十点平均粗さRzで示している。図7におけるRz=0.2μmは、図6の粗化処理なしの場合に相当し、図7におけるRz=0.75μmは、図6の粗化処理ありの場合に相当している。図7に示すように、配線層22の粗化処理後の表面粗さRzが0.45μmまで大きくなると、初期導通評価としてほぼNG発生がなくなり、よってこの値を超えるようなRzにすることが好ましいと考えられる。Rzが2.5μmまで大きくなっても初期導通評価として問題ないことも判明した。
1…配線板素材、2…配線板素材、3…配線板素材、11…絶縁層、11A…プリプレグ、12…絶縁層、12A…プリプレグ、13…絶縁層、13A…プリプレグ、14…絶縁層、14A…プリプレグ、15…絶縁層、21…配線層(配線パターン)、21A…金属箔(銅箔)、22…配線層(配線パターン)、22a…粗化表面、22A…金属箔(銅箔)、23…配線層(配線パターン)、23A…金属箔(銅箔)、24…配線層(配線パターン)、24A…金属箔(銅箔)、25…配線層(配線パターン)、26…配線層(配線パターン)、26A…金属箔(銅箔)、31,32,34,35…層間接続体(導電性組成物印刷による導電性バンプ)、33…スルーホール導電体、41…半導体チップ、42…導電性バンプ(Auスタッドバンプ)、51…アンダーフィル樹脂、51A…アンダーフィル樹脂(硬化前)、61,62…はんだレジスト、71…部品用開口部、72…貫通孔。

Claims (4)

  1. 第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層に対して積層状に位置する第2の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層の、前記第2の絶縁層が位置する側とは反対の側の面上に設けられた、配線層として最外層の配線パターンである第1の配線パターンと、
    前記第2の絶縁層の、前記第1の絶縁層が位置する側とは反対の側の面上に設けられた、配線層として他方の最外層の配線パターンである第2の配線パターンと、
    前記第2の絶縁層に埋設された、端子パッドを有する半導体チップと、
    前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とに挟まれて設けられた、前記半導体チップ用の実装用ランドを含む第3の配線パターンと、
    前記半導体チップの前記端子パッドと前記第3の配線パターンの前記実装用ランドとの間に挟設され、該端子パッドと該実装用ランドとを電気的、機械的に接続する導電性バンプと、
    前記半導体チップと前記第1の絶縁層および前記第3の配線パターンとの間に設けられた樹脂と、を具備し、
    前記第1の配線パターンの前記第1の絶縁層側とは反対の側の表面および前記第2の配線パターンの前記第2の絶縁層側とは反対の側の表面が粗化されていない一方、前記第3の配線パターンの前記第2の絶縁層側の表面が粗化されていること
    を特徴とする部品内蔵配線板。
  2. 前記第2の絶縁層が、少なくとも2つの絶縁層の積層であり、
    前記少なくとも2つの絶縁層の間に挟まれて設けられた第4の配線パターンと、
    前記第2の絶縁層の積層方向一部を貫通して前記第3の配線パターンの面と前記第4の配線パターンの面との間に挟設され、かつ導電性組成物からなり、かつ積層方向に一致する軸を有し該軸の方向に径が変化している形状である層間接続体と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の部品内蔵配線板。
  3. 前記第3の配線パターンが、その材料としてCuを有し、前記導電性バンプが、その材料としてAuを有することを特徴とする請求項1または2記載の部品内蔵配線板。
  4. 前記第3の配線パターンの前記表面が、十点表面粗さRzの評価で0.45μmを超える表面粗さであることを特徴とする請求項3記載の部品内蔵配線板。
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