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JP2013041142A - 顕微鏡装置 - Google Patents

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JP2013041142A
JP2013041142A JP2011178343A JP2011178343A JP2013041142A JP 2013041142 A JP2013041142 A JP 2013041142A JP 2011178343 A JP2011178343 A JP 2011178343A JP 2011178343 A JP2011178343 A JP 2011178343A JP 2013041142 A JP2013041142 A JP 2013041142A
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Abstract

【課題】細胞の屈折率分布に基づいた高いコントラストの画像を得ることを目的とし、また蛍光画像と微分干渉画像とを1つの顕微鏡装置で得ることを目的とする。
【解決手段】本発明の顕微鏡装置1は、試料Sに照射するレーザ光Lを発振する光源4と、レーザ光Lを偏光方向の異なる2つの偏光に分離するウォラストンプリズム21と、2つの偏光を試料Sの離間した2点に集光する第1対物レンズ22と、試料Sを透過した2つの偏光を平行光に変換する第2対物レンズ24と、第2対物レンズ24を通過した2つの偏光を再帰反射させるコーナーキューブ25と、ウォラストンプリズム21に入射するレーザ光Lを直線偏光に変換し、コーナーキューブ25で再帰反射して試料Sを透過した2つの偏光が干渉する偏光子20と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、試料に照明光を照射して、試料の画像を観察する顕微鏡装置に関するものである。
顕微鏡装置は、試料に照明光を照射して、その画像を観察するために用いられる。顕微鏡装置としては、位相差顕微鏡や微分干渉顕微鏡、蛍光顕微鏡等がある。観察対象が生物試料の場合、一般に明視野顕微鏡や位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡は、観察対象である試料に光を透過させて観察を行う。明視野顕微鏡は、光の吸収の分布を観察するが、一般に細胞等の試料は光の吸収の程度が小さくコントラストの低い細胞の細胞情報が観察される。位相差顕微鏡や微分干渉顕微鏡は、屈折率の分布を画像化するもので、細胞等の屈折率差を用いて比較的コントラスト良く細胞形状が観察できる。
蛍光顕微鏡は、蛍光色素や蛍光タンパク等を導入した試料に対して照明光を照射して蛍光を発生させ、発生した蛍光に基づいて試料の観察を行う。この種の顕微鏡は、主に細胞の機能情報を観察するために用いられる。蛍光顕微鏡は、落射蛍光を行うことにより観察を行う。特に、蛍光顕微鏡としては、深さ方向に高い分解能を有する共焦点顕微鏡が多用されている。
試料に光を透過させて観察を行う顕微鏡として、共焦点型レーザ走査透過顕微鏡が特許文献1に開示されている。この文献の顕微鏡は、無限遠補正対物レンズとコーナキューブリフレクタとを設けることで、試料にレーザ光を2回透過させている。これにより、コントラストを強調した画像を得るようにしている。
特開平6−18785号公報
特許文献1の顕微鏡のように、試料にレーザ光を2回透過させることで、試料の光の吸収の2倍にすることにより、光の吸収によるコントラストを協調することができる。ただし、試料が細胞のような場合、一般に細胞は光の吸収する量が極めて小さいいために、単にレーザ光を試料に2回透過させたとしても、十分なコントラストを得ることができない。
また、特許文献1の顕微鏡は、試料に光を透過させる明視野顕微鏡であり、光の吸収の分布を観察することはできるが、位相差顕微鏡や微分干渉顕微鏡のように屈折率の分布を観察することができない。また特許文献1の顕微鏡は、蛍光顕微鏡のように試料の機能情報を観察することもできない。同一の観察対象である試料について、細胞の形状と機能情報との両者を観察したい場合に、特許文献1の顕微鏡では細胞の光の吸収に基づいたコントラストの低い形状のみが観察可能になる。
そこで、本発明は、細胞の屈折率分布に基づいた高いコントラストの画像を得ることを目的とし、また蛍光画像と微分干渉画像とを1つの顕微鏡装置で得ることを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の顕微鏡装置は、試料に照射する照明光を発振する光源と、前記照明光を偏光方向の異なる2つの偏光に分離する偏光分離素子と、前記2つの偏光を前記試料の離間した2点に集光する第1対物レンズと、前記試料を透過した前記2つの偏光を平行光に変換する第2対物レンズと、この第2対物レンズを通過した前記2つの偏光を再帰反射させる再帰反射光学系と、前記偏光分離素子に入射する前記照明光を直線偏光に変換し、前記再帰反射光学系で再帰反射して前記試料を透過した2つの偏光が干渉する偏光子と、を備えていることを特徴とする。
この顕微鏡装置によれば、偏光分離素子により分離された2つの偏光を再帰反射光学系で再帰反射させている。これにより、試料の異なる2点を2つの偏光が2回透過することになる。このため、2つの偏光の位相差が2倍になり、高いコントラストの画像を得ることができるようになる。
また、前記偏光分離素子と前記第2対物レンズと前記再帰反射光学系と前記偏光子とを前記照明光の光路から挿抜可能に移動する移動機構と、第1のモードが設定されたときには前記偏光分離素子と前記第2対物レンズと前記再帰反射光学系と前記偏光子とを前記照明光の光路に挿入し、第2のモードが設定されたときには前記偏光分離素子と前記第2対物レンズと前記再帰反射光学系と前記偏光子とを前記照明光の光路から退避するように前記移動機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
移動機構と制御部とにより、第1のモードと第2モードとに切り替える。第1のモードでは微分干渉画像を得るような光学システムを構築でき、第2のモードでは蛍光画像を得るような光学システムを構築できるようになる。これにより、1つの顕微鏡装置で微分仮称画像と蛍光画像とを得ることができるようになる。
また、前記移動機構は、前記制御部に前記第1のモードが設定されたときには、前記光源からの前記照明光を前記試料に透過または反射し、前記試料からの戻り光を反射または透過するハーフミラーと、前記制御部に前記第2のモードが設定されたときには、前記光源からの前記照明光の波長を透過または反射し、前記試料の蛍光の波長を反射または透過するダイクロイックミラーと、を切り替えることを特徴とする。
ハーフミラーとダイクロイックミラーとを切り替えることで、微分干渉顕微鏡として使用する場合と蛍光顕微鏡として使用する場合とを簡単に切り替えることが可能になる。
また、前記試料の焦点の範囲内の光を通過させるピンホールを複数配列したピンホールディスクと、前記ピンホールと同じパターンで配列され、前記ピンホールに前記照明光を集光させる複数のレンズを配列したレンズディスクと、前記ピンホールディスクと前記レンズディスクとを一体的に回転させる回転部と、を備えたことを特徴とする。
ピンホールディスクとレンズディスクとを回転部が一体的に回転させることにより、照明光を試料に走査させることができ、高速に画像生成を行うことができるようになる。
また、前記偏光分離素子と前記偏光子との間にλ/4波長板を設けたことを特徴とする。
λ/4波長板を設けることで、2つの偏光の位相差がない場合に暗くなるクロスニコルについても、高いコントラストの画像を得ることができるようになる。
また、前記第2対物レンズと前記再帰反射光学系との間に前記第2対物レンズの瞳位置をリレーする瞳リレーレンズ系を設けたことを特徴とする。
第2対物レンズと再帰反射光学系との間が近接しすぎている場合でも、瞳リレーレンズ系を設けることで、第2対物レンズの瞳位置に再帰反射光学系を設けることができ、且つ第2対物レンズと再帰反射光学系との間に所定の間隔を設けることができる。
本発明は、偏光分離素子により照明光を2つの偏光に分離して、再帰反射光学系で再帰反射することで2つの偏光を試料に2回透過させている。これにより、試料の離間した2点間を2回透過させることができ、位相差を2倍にすることができることから、高いコントラストの画像を得ることができる。また、移動機構を制御部が制御することにより、1つの顕微鏡装置で微分干渉画像と蛍光画像とを得ることができるようになる。
実施形態の微分干渉モードの顕微鏡装置の構成図である。 ピンホールディスクおよびマイクロレンズディスクの構成図である。 実施形態の蛍光モードの顕微鏡装置の構成図である。 変形例1の顕微鏡装置の構成図である。 変形例2の微分干渉モードの顕微鏡装置の構成図である。 変形例2の蛍光モードの顕微鏡装置の構成図である。 変形例3の微分干渉モードの顕微鏡装置の構成図である。 変形例3の蛍光モードの顕微鏡装置の構成図である。 変形例4および5の第1対物レンズおよび第2対物レンズの図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は実施形態の顕微鏡装置1を示している。この顕微鏡装置1は走査光学系2と顕微鏡光学系3とを有して構成している。同図に示すように、走査光学系2は光源4とファイバ5とコリメートレンズ6とマイクロレンズディスク7とピンホールディスク8と連結ドラム9とモータ10とハーフミラー11aと第1リレーレンズ12とミラー13と第2リレーレンズ14とカメラ15と制御部16とモニタ17とを有して構成している。
光源4はレーザ光Lを発振する光源である。レーザ光Lは観察対象である試料Sを観察するための照明光となる。ファイバ5は光ファイバであり、レーザ光Lを導光する。ファイバ5の出射側にはコリメートレンズ6が配置されており、ファイバ5から出射されたレーザ光Lはコリメートレンズ6で平行光になる。
コリメートレンズ6の前方にはマイクロレンズディスク7が配置されている。マイクロレンズディスク7とピンホールディスク8とは連結ドラム9により連結されており、連結ドラム9はモータ10に接続されている。マイクロレンズディスク7とピンホールディスク8とは回転ディスクであり、モータ10により回転力が連結ドラム9に付与されることで、マイクロレンズディスク7とピンホールディスク8とが一体的に回転する。
図2に示すように、ピンホールディスク8には多条(図中では4条)の螺旋状の多数のピンホール8Pを配列して形成している。ピンホール8Pは試料Sの焦点の範囲内の光のみを通過させる微小開口部である。マイクロレンズディスク7には、ピンホール8Pと同一パターンで多条の螺旋状の多数のマイクロレンズ7Mを配列して形成している。マイクロレンズ7Mは対応するピンホール8Pにレーザ光Lを集光させる機能を有している。
図1および図2に示すように、マイクロレンズディスク7とピンホールディスク8との間にはハーフミラー11aを設けている。ハーフミラー11aは入射する光を透過と反射とに分ける光学素子である。ハーフミラー11aにより光が反射する位置に第1リレーレンズ12を設けている。
この第1リレーレンズ12によりリレーされた光はミラー13で反射して第2リレーレンズ14に導かれる。そして、この光は第2リレーレンズ14によりカメラ15に集光される。カメラ15は受光した光を電気信号に変換して、制御部16に出力する。制御部16は顕微鏡装置1の全体を制御するコンピュータであり、カメラ15から入力した電気信号に基づいて試料Sの画像を生成する。生成した画像はモニタ17に表示する。
次に、顕微鏡光学系3について説明する。図1に示すように、顕微鏡光学系3は撮影レンズ18とミラー19と偏光子20とウォラストンプリズム21と第1対物レンズ22とディッシュ23と第2対物レンズ24とコーナーキューブ25とを有して構成している。
撮影レンズ18はピンホール8Pを通過したレーザ光Lを平行光にする。この平行光はミラー19で反射して偏光子20に導かれる。偏光子20は所定の偏光方向の直線偏光を生成する。ウォラストンプリズム21は複屈折性を有する偏光分離素子であり、偏光子20を通過した照明光を所定の開き角を持った2つの偏光に分離する。当該2つの偏光は相互に偏光方向が直交する。
このとき、偏光子20が生成する偏光面はウォラストンプリズム21の結晶の光学軸と45度の傾きを持たせるようにする。これにより、ウォラストンプリズム21により相互に直交する2つの偏光が所定の開き角で分離される。
ディッシュ23は試料Sを搭載する搭載部である。ウォラストンプリズム21で分離された2つの偏光(レーザ光L)は試料Sの微小に離間した2箇所で焦点を結ぶ。そして、試料Sを透過した2つの偏光は第2対物レンズ24に導かれ、コーナーキューブ25に集光する。コーナーキューブ25は3枚のミラーを相互に直角に組み合わせて立方体を形成した再帰反射光学系である。これにより、2つの偏光は元の方向に反射(再帰反射)する。
ここで、ハーフミラー11aには第1移動機構が取り付けられている。また、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24およびコーナーキューブ25には第2移動機構が取り付けられている。第1移動機構および第2移動機構により移動機構が構成される。第1移動機構はハーフミラー11aを図1の紙面に直交する方向に移動させる。
第1移動機構がハーフミラー11aをレーザ光Lの光路から移動させたときには、レーザ光Lの光路にはダイクロイックミラー11bを位置させる。つまり、第1移動機構はレーザ光Lの光路(マイクロレンズディスク7とピンホールディスク8との間)にハーフミラー11aとダイクロイックミラー11bとの何れかを選択的に位置させる。ダイクロイックミラー11bはレーザ光Lの波長の光を透過し、試料Sの蛍光の波長(レーザ光Lの波長より長い波長)を反射させる特性を有する光学素子である。
第2移動機構は、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24およびコーナーキューブ25を図1の紙面に直交する方向或いはレーザ光Lの光路と直交する方向に移動させる。これにより、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24およびコーナーキューブ25をレーザ光Lの光路から退避させる。
第1移動機構および第2移動機構としては、各光学部品を移動させることができれば任意の移動手段を用いることができる。例えば、ハーフミラー11a、ダイクロイックミラー11b、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24、コーナーキューブ25をクランプするクランプ機構にガイドレールを設けて、アクチュエータ等の駆動手段で移動させるようにしてもよい。
図3は、図1の状態から、第1移動機構および第2移動機構を動作させて、ダイクロイックミラー11bをレーザ光Lの光路に位置させ、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24およびコーナーキューブ25を退避させた状態を示している。
次に、動作について説明する。ここでは、微分干渉モード(第1のモード)と蛍光モード(第2のモード)との2つのモードが存在している。微分干渉モードは顕微鏡装置1を微分干渉顕微鏡として使用するモードである。つまり、細胞の形状等を観察するために、試料Sにレーザ光Lを透過させて観察する。蛍光モードは顕微鏡装置1を蛍光顕微鏡として使用するモードである。つまり、細胞の機能情報等を観察するために、試料Sにレーザ光Lを照射して、蛍光を観察する。
微分干渉モードと蛍光モードとの切り替えは、制御部16が行う。つまり、コンピュータである制御部16に微分干渉モードと蛍光モードとの何れかを設定する。この設定に基づいて、第1移動機構および第2移動機構が動作を行う。微分干渉モードを設定したときには、第1移動機構はハーフミラー11aをレーザ光Lの光路上に位置させる。また、第2移動機構は偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24、コーナーキューブ25をレーザ光Lの光路上に位置させる。つまり、図1の構成となる。
一方、蛍光モードを設定したときは、第1移動機構はダイクロイックミラー11bをレーザ光Lの光路上に位置させる。また、第2移動機構は偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24、コーナーキューブ25をレーザ光Lの光路上から退避させる。つまり、図3の構成となる。
最初に、制御部16に微分干渉モードを設定した場合について説明する。この場合には、第1移動機構はハーフミラー11aをレーザ光Lの光路上に位置させ、第2移動機構は偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24、コーナーキューブ25をレーザ光Lの光路上に位置させる。
そして、光源4からレーザ光Lを発振させる。レーザ光Lはファイバ5に集光されて、ファイバ5の端部から広がりを持って出射される。このレーザ光Lはコリメートレンズ6によって、平行光に変換されて、マイクロレンズディスク7のマイクロレンズ7Mに入射する。
マイクロレンズ7Mは集光レンズの作用を有しており、レーザ光Lはハーフミラー11aを透過した後に、マイクロレンズ7Mに対応するピンホール8Pに焦点を結ぶ。ピンホール8Pは通過したレーザ光Lは撮影レンズ18に入射する。撮影レンズ18によりレーザ光Lはピンホール8Pの位置に対応する傾きを有する平行光に変換される。この平行光はミラー19で反射して光路が90度変換されて、偏光子20に入射する。
偏光子20はウォラストンプリズム21の結晶の光学軸に対して45度の傾きを有する偏光面となるような直線偏光にレーザ光Lを変換する。この直線偏光となったレーザ光Lがウォラストンプリズム21に入射する。ウォラストンプリズム21は結晶の複屈折から相互に振動方向が直交する2つの偏光に分離して、張り合わせ面でそれぞれ反対方向に屈折する。これにより、相互に直交する2つの偏光に分離されて、所定の開き角をもって進行する。図1では、2つの偏光の中心光軸を示しているが、実際には極めて小さい光のずれ(シア量)になっている。
ウォラストンプリズム21により2つの偏光になったレーザ光Lは、第1対物レンズ22によって光軸が相互に平行な状態で集光され、試料Sの焦点面でそれぞれ焦点を結ぶ。そして、試料Sを通過した2つの偏光は第2対物レンズ24によって、それぞれの焦点位置に対応した傾きを有する平行光に変換される。なお、第1対物レンズ22と第2対物レンズ24の焦点面とは同じ位置になっている。
つまり、当該2つの偏光は、光軸中心に焦点がある場合は光軸に平行な平行光になり、光軸中心から焦点がずれるほど、光軸に対して傾きを持った平行光になる。平行光になった2つの偏光は、コーナーキューブ25で入射方向と同じ方向に再帰反射する。従って、入射したときと同じ光路を辿って戻ることになり、再び第2対物レンズ24に入射する。
そして、2つの偏光は第2対物レンズ24によって再び試料Sの同じ箇所に焦点を結ぶ。その後、2つの偏光は同じ光路を戻り、第1対物レンズ22によってウォラストンプリズム21に導かれる。ウォラストンプリズム21は偏光方向によって光を屈折させると共に、2つの偏光の進行方向が重なるように作用する。
また、ウォラストンプリズム21を通過した光が偏光子20に入射し、偏光子20により2つの偏光が干渉を起こす。2つの偏光の光路に位相差を生じていない場合には2つの偏光は干渉によって強め合う。一方、2つの偏光の光路に位相差を生じている場合には2つの偏光は干渉する成分が少なくなり弱め合う。
2つの偏光は試料Sの微小に離間した2点で焦点を結ぶ。そして、この2点間に位相差を生じているか否かによって、光の強度が強くなるか弱くなるかが決定され、これによりコンストラストを生じるようになる。ここでは、2つの偏光に位相差がない場合に光の強度が明るく示されるオープンニコルの場合を示している。
偏光子20を通過した光(戻り光Rとする)はミラー19で反射して、撮影レンズ18によってピンホール8Pに集光される。ピンホール8Pは試料Sの焦点の範囲内の光のみを通過させるため、カメラ15により生成される画像は共焦点画像になる。ピンホール8Pを通過した戻り光Rはハーフミラー11aで反射する。
そして、ハーフミラー11aで反射した戻り光Rは第1リレーレンズ12でリレーされて、ミラー13で反射する。そして、第2リレーレンズ14でカメラ15に結像される。カメラ15は結像された戻り光Rを電気信号に変換して、制御部16に出力する。制御部16では入力した電気信号に基づいて所定の画像処理を行う。
ここで、制御部16はモータ10を制御して回転力を付与する。これにより、連結ドラム9が回転して、マイクロレンズディスク7とピンホールディスク8とが一体的に回転する。マイクロレンズディスク7には多数のマイクロレンズ7Mが配列されており、ピンホールディスク8には同じパターンの多数のピンホール8Pが配列されている。
よって、マイクロレンズディスク7とピンホールディスク8とを一体的に回転させることで、図2に示すように、レーザ光Lが通過するピンホール8Pは回転に伴って順次変化する。これにより、レーザ光Lは試料Sの焦点面を水平面上に走査される。且つ、戻り光Rは再びピンホール8Pを通過した後にハーフミラー11aで反射して、カメラ15の結像面上を走査される。
従って、マイクロレンズディスク7とピンホールディスク8とを一体的に回転させることで、試料Sの水平面方向にレーザ光Lを高速に走査することができる。これにより、カメラ15は順次走査された戻り光Rの電気信号を出力するため、制御部16は高速に試料Sの画像生成を行うことができる。そして、生成された試料Sの画像はモニタ17に表示される。
このとき、試料Sに照射されるレーザ光Lおよびカメラ15に結像される戻り光Rはピンホール8Pを通過している。ピンホール8Pは試料Sの焦点内の光のみを通過させ、それ以外の光を通過させないため、カメラ15に結像される戻り光Rは試料Sの焦点の範囲内の光のみになる。これにより、深さ方向に高い分解能の共焦点画像が生成される。
従って、微分干渉モードでは、レーザ光Lをウォラストンプリズム21により2つの偏光に分離して、試料Sに焦点を結ばせ、試料Sを通過した2つの偏光を第2対物レンズ24、コーナーキューブ25により再帰反射させている。これにより、2つの偏光は再び試料Sで焦点を結ぶ。つまり、2つの偏光は試料Sを2回透過する。
これにより、試料Sの離間した2点間に生じる位相差が2倍になる。位相差が2倍になった2つの偏光は偏光子20で干渉して、戻り光Rとなってカメラ15で結像する。従って、カメラ15が検出する戻り光Rの位相差も2倍になっており、得られるコントラストが強調されている。
つまり、単に試料Sにレーザ光Lを2回透過させてその光の吸収の分布を観察するのではなく、位相差を検出する2つの偏光を試料Sに2回透過させているため、位相差を2倍にすることができる。従って、この2つの光路の位相差による光が強め合う部分と弱め合う部分とが明確に識別されるため、コントラストの良い画像を取得することができる。これにより、試料Sが細胞のように屈折率差が小さいような場合でも、高いコントラストの画像を得ることができるようになる。
以上が微分干渉モードである。細胞の機能情報を観察したい場合には、制御部16を用いて蛍光モードに設定する。これにより、第1の移動機構はレーザ光Lの光路にダイクロイックミラー11bを配置する。また、第2の移動機構は偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24、コーナーキューブ25を光路上から退避する。つまり、図3の構成になる。
この状態で、制御部16は光源4からレーザ光Lを発振させる。このレーザ光Lはファイバ5、コリメートレンズ6を介してマイクロレンズディスク7のマイクロレンズ7Mにより集光される。ダイクロイックミラー11bはレーザ光Lを透過させる特性を有しているため、レーザ光Lはダイクロイックミラー11bを透過して、ピンホール8Pに焦点を結ぶ
そして、撮影レンズ18により平行光にされて、ミラー19で反射して、第1対物レンズ22に入射する。第1対物レンズ22に入射したレーザ光Lはディッシュ23に搭載された試料Sに焦点を結ぶ。試料Sには蛍光色素や蛍光タンパク等が導入されており、レーザ光Lは蛍光色素や蛍光タンパク等が反応する波長を有している。
よって、試料Sにレーザ光Lが焦点を結ぶことにより、試料Sが蛍光を発生する。この蛍光が戻り光Rとなる。戻り光Rは第1対物レンズ22、ミラー19、撮影レンズ18を介して、ピンホールディスク8のピンホール8Pに焦点を結ぶ。そして、ピンホール8Pにより試料Sの焦点の範囲内の光のみが通過して、ダイクロイックミラー11bに入射する。これにより、生成される画像は共焦点画像になる。
ダイクロイックミラー11bは蛍光(戻り光R)の波長を反射する。よって、反射した戻り光Rは第1リレーレンズ12、ミラー13、第2リレーレンズ14を介して、カメラ15に結像する。そして、カメラ15に結像した戻り光Rが電気信号に変換されて制御部16に出力される。
前述した場合と同様に、モータ10を回転させることで、マイクロレンズディスク7とピンホールディスク8とを一体的に回転させる。これにより、試料Sにレーザ光Lを走査させることができ、高速に画像生成を行うことができる。
従って、制御部16に蛍光モードを設定することで、蛍光画像を得ることができる。制御部16に微分干渉モードと蛍光モードとの何れかを設定するだけで、第1移動機構と第2移動機構とが各光学部品を光路上から挿抜するように移動させるため、微分干渉顕微鏡と蛍光顕微鏡とを容易に切り替えることができるようになる。つまり、1つ(1台)の顕微鏡装置1を用いて、簡単な構成で且つ単純な動作で微分干渉画像と蛍光画像との両者の画像を得ることができるようになる。
以上において、第1移動機構は、ハーフミラー11a(微分干渉モード)とダイクロイックミラー11b(蛍光モード)とを切り替えるように制御しているが、第1移動機構は切り替えを行わなくてもよい。つまり、ダイクロイックミラー11bを固定的に配置し、微分干渉モードにおいてもダイクロイックミラー11bを用いる。
ただし、この場合には、ダイクロイックミラー11bはハーフミラーと同等の機能を有するものを用いる。つまり、ダイクロイックミラー11bにおいて、所定の反射率と所定の透過率とを有するような波長帯域のレーザ光Lを発振するように光源4を選択するようにする。
また、コーナーキューブ25は3枚のミラーを相互に直角に組み合わせて立方体を形成した光学系である。ミラーとしては、ガラスを研磨して全反射させるようにしたものを用いてもよく、反射膜を施したものを用いてもよい。要は、入射した光を入射方向に戻す再帰反射をするものであれば任意の光学素子を用いることができる。
また、ウォラストンプリズム21はノマルスキープリズムでもよく、他の複屈折性を有する素子を用いてもよい。
また、ハーフミラー11aの代わりに偏光ビームスプリッタを用いて、ファラデーローテータ等を偏光子20の手前に挿入することによって、レーザ光Lと戻り光Rとの偏光面を90度変えて、効率良く光を回収するようにしてもよい。
また、カメラ15の前段に試料Sの蛍光の波長成分のみを選択的に透過させる蛍光フィルタを挿入することが望ましい。
なお、図1においては、ウォラストンプリズム21に入射する光が光軸に平行な光を示しているが、走査光学系2によって光軸に対して傾きを有する光が入射された場合にも、同様に光は2つの光路に分けられて焦点面の別の微小に離間した2点に集光されると共に、第2対物レンズ24とコーナーキューブ25との作用によって同じ光路を戻る。
次に、変形例1について説明する。図4は変形例1の顕微鏡装置1を示しており、前述した実施形態の顕微鏡装置1に対してλ/4波長板26を追加している。λ/4波長板26は偏光子20とウォラストンプリズム21との間に挿入している。その他の構成は実施形態と同じである。
実施形態は2つの偏光が試料Sを透過するときの位相差がないときに明るくなるオープンニコルであるが、本変形例1は2つの偏光が試料Sを透過するときの位相差がないときに暗くなるクロスニコルとなる。
本変形例1では、偏光子20を透過したレーザ光Lはλ/4波長板26に入射する。偏光子20を透過したときにはレーザ光Lは直線偏光になっており、λ/4波長板26の作用により、円偏光に変換される。このとき、ウォラストンプリズム21の結晶の光学軸とレーザ光Lの偏光面とは45度傾くように配置されている。
円偏光となったレーザ光Lはウォラストンプリズム21により、結晶の複屈折性から相互に振動方向が直交する2つの直線偏光に分離して進み、貼り合わせ面でそれぞれ反対方向に屈折する。
これにより、ウォラストンプリズム21を出射するときには、相互に振動方向が直交する2つの直線偏光に分離し、所定の開き角をもって分離して進行する。そして、第1対物レンズ22、試料S、第2対物レンズ24、コーナーキューブ25と進み、再帰反射して、再びウォラストンプリズム21に入射する。このときには、試料Sを2つの偏光が2回透過している。
そして、2つの偏光がウォラストンプリズム21で重ね合わされたときに、2つの光路に位相差がない場合には、試料Sに入射するときとは逆方向に回転する円偏光となっている。この円偏光はλ/4波長板26によって直線偏光へと変換されて、偏光子20に入射する。
偏光子20で2つの偏光が干渉したときは、相互に打ち消し合って通過する光はなくなる。従って、試料Sの微小に離間した2点の光路に位相差がない場合は光の強度が暗くなる。一方、2つの光路に位相差がある場合には、その位相差に応じて偏光状態が変化して、一部の光は偏光子20を通過する。これにより、2つの偏光の光路に位相差を生じている場合には、光の強度が明るくなる。
なお、2つの偏光の位相差がない場合に、偏光子20において光が打ち消しあって通過する光がなくなる理由は、戻り光Rの偏光面が偏光子20の偏光面と90度ずれており、偏光子20を通過できないことからも説明することができる。
従って、本変形例1では、クロスニコルの場合についても、2つの偏光が試料Sを2回透過することで、位相差を2倍にすることができる。これにより、高いコントラストの画像を得ることができる。
この変形例1において、λ/4波長板26の代わりに、ファラデーローテータ等を用いて偏光面を45度回転させるようにしてもよい。この場合には、偏光子20とウォラストンプリズム21の光学軸とを同じ方向に配置し、ファラデーローテータによって偏光面を45度回転させるようにする。
次に、第2変形例について説明する。本変形例2では、走査光学系2および顕微鏡光学系3の構成が実施形態と異なる。まず、走査光学系2について説明する。走査光学系2は光源31とハーフミラー32aと走査光学ユニット33と走査系瞳リレーレンズ34と集束レンズ35とピンホール36と検出器37と制御部16とモニタ17とを備えて構成している。制御部16およびモニタ17は実施形態と同じである。
また、顕微鏡光学系3は実施形態の構成に追加して、第1瞳リレーレンズ41と第2瞳リレーレンズ42とを追加している。第1瞳リレーレンズ41と第2瞳リレーレンズ42とにより瞳リレーレンズ系が構成され、当該瞳リレーレンズ系は第2対物レンズ24とコーナーキューブ25との間に設けられる。
実施形態と同様に、ハーフミラー32aには第1移動機構が取り付けられており、レーザ光Lの光路に対して、ハーフミラー32aとダイクロイックミラー32bとを切り替えることが可能になっている。ダイクロイックミラー32bを配置した場合を図6に示す。また、同図に示すように、第2移動機構により、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24、第1瞳リレーレンズ41、第2瞳リレーレンズ42、コーナーキューブ25はレーザ光Lの光路から退避可能になっている。
以上の構成において、まず微分干渉モードについて説明する。制御部16は微分干渉モードに設定する。これにより、第1移動機構はレーザ光Lの光路にハーフミラー32aを配置する。また、第2移動機構は、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24、第1瞳リレーレンズ41、第2瞳リレーレンズ42、コーナーキューブ25をレーザ光Lの光路に配置する。つまり、図5の構成になる。
光源31からは平行光のレーザ光Lが発振される。このレーザ光Lはハーフミラー32aで反射して走査光学ユニット33に導かれる。走査光学ユニット33は1本の軸周りに回転可能な第1可変ミラー33aとこの第1可変ミラー33aの軸にほぼ直交する軸回りに回転可能な第2可変ミラー33bとを備えている。
第1可変ミラー33aと第2可変ミラー33bとにより試料Sの水平面方向にレーザ光Lが走査される。この走査光学ユニット33を経た光が走査系瞳リレーレンズ34から走査光学系2を出射し、顕微鏡光学系3の撮影レンズ18に入射する。そして、偏光子20、ウォラストンプリズム21を経ることにより、2つの偏光に分離される。
分離された2つの偏光は、第1対物レンズ22によりディッシュ23の試料Sに焦点を結ぶ。そして、2つの偏光は試料Sを透過して、第2対物レンズ24から第1瞳リレーレンズ41、第2瞳リレーレンズ42の瞳リレーレンズ系によりコーナーキューブ25まで導かれる。
そして、コーナーキューブ25で再帰反射をして、第1瞳リレーレンズ41、第2瞳リレーレンズ42、第2対物レンズ24を経て、再び試料Sを透過する。これにより、2つの偏光は試料Sを2回透過する。そして、第1対物レンズ22からウォラストンプリズム21、偏光子20に入射されて、2つの偏光は干渉する。
この干渉した戻り光Rはミラー19で反射をして、撮影レンズ18から走査系瞳リレーレンズ34、走査光学ユニット33を介して、ハーフミラー32aに入射する。そして、ハーフミラー32aを透過して、集束レンズ35により検出器37に収束する。このとき、ピンホール36を光路上に設けており、このピンホール36は第1対物レンズ22の焦点と共役な位置関係に配置している。よって、戻り光Rのうち試料Sの焦点の範囲内のみの光が通過する。これにより、生成される画像は共焦点画像になる。
検出器37は戻り光Rを電気信号に変換して、制御部16に出力する。制御部16は入力した電気信号に基づいて所定の画像処理を行い、試料Sの画像を生成する。このときの画像は、試料Sの微小に離間した2点の位相差に基づく微分干渉画像になり、位相差が2倍になっていることから、高いコントラストの画像になる。
ここで、第2対物レンズ24の瞳位置は第2対物レンズ24から非常に近い位置になる。第2対物レンズ24を含むレンズの光学系は一般的に鏡胴内部に装着されることから、第2対物レンズ24の瞳位置は鏡胴内部に位置することがある。コーナーキューブ25は第2対物レンズ24の瞳位置(後ろ側焦点位置)に配置することで最も高い光利用効率を得ることができるが、第2対物レンズ24の瞳位置が鏡胴内部に位置するため、コーナーキューブを第2対物レンズ24の瞳位置に配置することができない。
そこで、第2対物レンズ24の瞳位置をリレーする第1瞳リレーレンズ41、第2瞳リレーレンズ42を設ける。これにより、第2対物レンズ24の瞳位置がリレーされて、第2対物レンズ24から離れた位置にあるコーナーキューブ25付近にまで瞳位置をリレーすることができる。これにより、第2対物レンズ24の瞳から出るほぼ全ての光が再帰反射によって再び第2対物レンズ24に入射するため、高い光利用効率を得ることができる。
以上が微分干渉モードである。次に、蛍光モードについて説明する。制御部16は蛍光モードを設定する。これにより、第1移動機構はハーフミラー32aからダイクロイックミラー32bに切り替える。また、第2移動機構は、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24、第1瞳リレーレンズ41、第2瞳リレーレンズ42、コーナーキューブ25をレーザ光Lの光路から退避する。つまり、図6の構成になる。
ダイクロイックミラー32bは光源31が発振するレーザ光Lの波長を反射し、試料Sの蛍光(レーザ光Lの波長より長い波長)を透過する光学特性を有している。よって、光源31が発振したレーザ光Lはダイクロイックミラー32bで反射する。そして、レーザ光Lは、走査光学ユニット33で走査されて、走査系瞳リレーレンズ34、撮影レンズ18、ミラー19、第1対物レンズ22を経て、試料Sに焦点を結ぶ。
試料Sはレーザ光Lにより蛍光して戻り光Rとなって、ダイクロイックミラー32bにまで戻る。ダイクロイックミラー32bは蛍光を透過するため、戻り光Rは透過して、集束レンズ35、ピンホール36を介して、検出器37で検出される。この戻り光Rを検出することで、制御部16は試料Sの蛍光画像を生成する。なお、検出器37の前段には蛍光波長を選択する蛍光フィルタを配置することが望ましい。
従って、微分干渉モードと蛍光モードとを制御部16で切り替えることで、簡単且つ単純に微分干渉画像と蛍光画像とを1つの顕微鏡装置で得ることができる。且つ、高いコントラストの画像を得ることができると共に、第1瞳リレーレンズ41、第2瞳リレーレンズ42を配置することで、瞳位置をリレーすることができ、高い光利用効率を得ることができるようになる。
次に、第3変形例について説明する。変形例3の顕微鏡装置は顕微鏡光学系50により構成されており、走査光学系を有していない。図7は変形例3の顕微鏡光学系50を示している。
この顕微鏡光学系50は光源51と照明レンズ52と波長選択フィルタ53とハーフミラー54aと偏光子20とウォラストンプリズム21と第1対物レンズ22とディッシュ23と第2対物レンズ24とテレセントリック結像レンズ55と反射ミラー56と撮影レンズ18とカメラ57とを有して構成している。このうち、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第1対物レンズ22、ディッシュ23、第2対物レンズ24、撮影レンズ18は実施系態と同じである。
ハーフミラー54aには第1移動機構が取り付けられており、ハーフミラー54aとダイクロイックミラー54bとの何れか一方を選択することが可能になっている。また、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24、テレセントリック結像レンズ55、反射ミラー56は第2移動機構により光路上から退避可能になっている。
図示しない制御部(実施形態の制御部16に相当)は微分干渉モードと蛍光モードとを設定することが可能になっている。微分干渉モードを設定したときは、図7に示すように、ハーフミラー54aを選択し、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24、テレセントリック結像レンズ55、反射ミラー56を光路上に配置する。
一方、制御部16が蛍光モードを設定したときは、図8に示すように、ダイクロイックミラー54bを選択し、偏光子20、ウォラストンプリズム21、第2対物レンズ24、テレセントリック結像レンズ55、反射ミラー56を光路上から退避させる。
最初に、微分干渉モードについて説明する。微分干渉モードに設定すると、図7に示した構成となるように、第1移動機構および第2移動機構が動作する。光源51は照明光Lを発光する。そして、この照明光Lは照明レンズ52により試料Sを均一に照明するように調節される。照明レンズ52を通過した照明光Lは波長選択フィルタ53を通過する。
波長選択フィルタ53は試料Sに照射する波長成分のみを通過させる。波長選択フィルタ53を通過した照明光Lはハーフミラー54aを透過する。そして、偏光子20、ウォラストンプリズム21により2つの偏光に分離される。分離された2つの偏光は第1対物レンズ22によりディッシュ23に搭載された試料Sの微小に離間した2点に焦点を結ぶ。
そして、試料Sを透過した2つの偏光は第2対物レンズ24により集光した後に、テレセントリック結像レンズ55により平行光となる。この平行光となった照明光Lは反射ミラー56で反射して、再びテレセントリック結像レンズ55、第2対物レンズ24から試料Sを透過する。
これにより、2つの偏光は試料Sの微小に離間した2点を2回透過することになる。そして、第1対物レンズ22からウォラストンプリズム21、偏光子20に入射して、干渉する。そして、干渉した2つの偏光が戻り光Rとなって、ハーフミラー54aで反射して、撮影レンズ18によりカメラ57に結像する。カメラ57は結像した戻り光Rを電気信号に変換する。カメラ57は図示しない制御部と接続されており、カメラ57から入力する電気信号に基づいて画像処理を行う。これにより、微分干渉画像を生成することができる。
一方、蛍光モードを選択したときには、図8に示した構成となるように、第1移動機構および第2移動機構が動作する。光源51から発光した照明光Lは照明レンズ52で試料Sを均一に照明するように調節される。また、波長選択フィルタ53により試料Sの蛍光を励起させる波長のみが選択される。そして、照明光Lはダイクロイックミラー54bに入射する。
ダイクロイックミラー54bは照明光Lの波長の光を透過し、試料Sの蛍光を反射させる光学特性を有している。よって、照明光Lは試料Sを透過する。そして、第1対物レンズ22によりディッシュ23に搭載された試料Sに焦点を結ぶ。これにより、試料Sは蛍光し、戻り光Rが発生する。
この戻り光Rは第1対物レンズ22からダイクロイックミラー54bに入射する。ダイクロイックミラー54bに入射した戻り光Rは反射して、撮影レンズ18によりカメラ57に結像する。そして、カメラ57に結像された戻り光Rを検出することで、蛍光画像が生成される。
本変形例3では、再帰反射光学系として、コーナーキューブを用いずに、テレセントリック結像レンズ55と反射ミラー56とを用いている。これにより、再帰反射光学系を実現することができる。
また、実施形態のときと比較して、共焦点画像を得ることができない。ただし、構成としては実施形態と比較して非常に単純になる。つまり、本変形例4のような構成でも、2つの偏光を試料Sに2回透過させることで、高いコントラストの画像を得ることができる。
また、制御部により第1移動機構および第2移動機構を制御して、1つの顕微鏡装置を用いて、簡単且つ単純に微分干渉画像と蛍光画像との2種類の画像を取得することができるようになる。なお、前述した実施形態と同様に、カメラ57の前段に蛍光波長を選択する蛍光フィルタを配置することが望ましい。
次に、変形例4について説明する。図9a)は変形例4を示しており、この変形例4では、第1対物レンズ22、ディッシュ23、第2対物レンズ24を示している。第1対物レンズ22はドライ対物レンズを用いる。ここでは、20倍のドライ対物レンズ、開口数0.75、ワーキングディスタンス0.6mm程度のものを用いるものとするが、勿論これら以外の数値のものを用いてもよい。
第1対物レンズ22のワーキングディスタンスは非常に短いため、第2対物レンズ24に同様のドライ対物レンズを用いると、第1対物レンズ22と第2対物レンズ22との間に試料Sを搭載したディッシュ23を配置することが困難になる。
そこで、第2対物レンズ24には水浸対物レンズを用いる。水浸対物レンズとしては、例えば電気生理用の対物レンズでカバーガラスを必要としない水浸レンズを用いることが望ましい。例えば、40倍水浸レンズ、開口数0.8、ワーキングディスタンスが3.3mm程度のものを用いることが望ましい。
このような水浸対物レンズを第2対物レンズ24として用いることで、十分なワーキングディスタンスを確保することができ、試料Sを搭載したディッシュ23を配置することが容易になる。また、試料Sが細胞の生物試料のような場合には、一般に培養液Wの中にあることが多いため、水浸対物レンズを用いると好適である。
次に、変形例5について説明する。図9b)は変形例5を示しており、この変形例5では、第1対物レンズ22、ディッシュ23、第2対物レンズ24を示している。変形例4と同様に、第1対物レンズ22としては、倍率が20倍、開口数が0.75、ワーキングディスタンスが0.6mm程度のドライ対物レンズを用いるようにする。勿論、これら以外の数値のものを用いてもよい。
第2対物レンズ24は微分干渉モードで使用するレーザ光Lの波長に最適に作用する対物レンズを用いる。つまり、微分干渉モードで使用される光源4が発振するレーザ光Lの波長の光についてのみ対物レンズとしての機能を果たすようなレンズを用いる。
一般的に、可視光の幅広い波長帯域に対応した対物レンズを使用する場合には、多数枚のレンズで構成されるために構造が複雑になる上、ワーキングディスタンスが短くなる。従って、ワーキングディスタンスが短い対物レンズを用いると、試料Sを搭載したディッシュ23を配置することが困難になる。
そこで、第2対物レンズ24は微分干渉モードで使用するレーザ光Lの波長に特化した対物レンズを用いる。これにより、特定の波長で対物レンズとしての機能を果たせばよいため、少ない枚数のレンズ、例えば1枚の非球面レンズ或いは2〜3枚の球面レンズで第2対物レンズ24を実現することができる。
これにより、ワーキングディスタンスを十分に確保することができる。例えば、開口数が0.7、ワーキングディスタンスが20mm程度の第2対物レンズ24を使用することができる。従って、十分なワーキングディスタンスを確保できることから、試料Sを搭載したディッシュ23を容易に配置することが可能になる。
1 顕微鏡装置
2 走査光学系
3 顕微鏡光学系
4 光源
6 コリメートレンズ
7 マイクロレンズディスク
8 ピンホールディスク
9 連結ドラム
10 モータ
11a ハーフミラー
11b ダイクロイックミラー
15 カメラ
16 制御部
20 偏光子
21 ウォラストンプリズム
22 第1対物レンズ
23 ディッシュ
24 第2対物レンズ
25 コーナーキューブ
26 λ/4波長板
31 光源
32a ハーフミラー
32b ダイクロイックミラー
33 走査光学ユニット
41 第1瞳リレーレンズ
42 第2瞳リレーレンズ
L レーザ光
R 戻り光
S 試料

Claims (6)

  1. 試料に照射する照明光を発振する光源と、
    前記照明光を偏光方向の異なる2つの偏光に分離する偏光分離素子と、
    前記2つの偏光を前記試料の離間した2点に集光する第1対物レンズと、
    前記試料を透過した前記2つの偏光を平行光に変換する第2対物レンズと、
    この第2対物レンズを通過した前記2つの偏光を再帰反射させる再帰反射光学系と、
    前記偏光分離素子に入射する前記照明光を直線偏光に変換し、前記再帰反射光学系で再帰反射して前記試料を透過した2つの偏光が干渉する偏光子と、
    を備えていることを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 前記偏光分離素子と前記第2対物レンズと前記再帰反射光学系と前記偏光子とを前記照明光の光路から挿抜可能に移動する移動機構と、
    第1のモードが設定されたときには前記偏光分離素子と前記第2対物レンズと前記再帰反射光学系と前記偏光子とを前記照明光の光路に挿入し、第2のモードが設定されたときには前記偏光分離素子と前記第2対物レンズと前記再帰反射光学系と前記偏光子とを前記照明光の光路から退避するように前記移動機構を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
  3. 前記移動機構は、前記制御部に前記第1のモードが設定されたときには、前記光源からの前記照明光を前記試料に透過または反射し、前記試料からの戻り光を反射または透過するハーフミラーと、前記制御部に前記第2のモードが設定されたときには、前記光源からの前記照明光の波長を透過または反射し、前記試料の蛍光の波長を反射または透過するダイクロイックミラーと、を切り替えること
    を特徴とする請求項2記載の顕微鏡装置。
  4. 前記試料の焦点の範囲内の光を通過させるピンホールを複数配列したピンホールディスクと、
    前記ピンホールと同じパターンで配列され、前記ピンホールに前記照明光を集光させる複数のレンズを配列したレンズディスクと、
    前記ピンホールディスクと前記レンズディスクとを一体的に回転させる回転部と、
    を備えたことを特徴とする請求項3記載の顕微鏡装置。
  5. 前記偏光分離素子と前記偏光子との間にλ/4波長板を設けたこと
    を特徴とする請求項4記載の顕微鏡装置。
  6. 前記第2対物レンズと前記再帰反射光学系との間に前記第2対物レンズの瞳位置をリレーする瞳リレーレンズ系を設けたこと
    を特徴とする請求項4記載の顕微鏡装置。
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