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JP2012509246A - 溶融ガラス及びそれから作製される超透明ガラスのレドックス比を低減する方法 - Google Patents

溶融ガラス及びそれから作製される超透明ガラスのレドックス比を低減する方法 Download PDF

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Abstract

太陽熱収集器カバープレート及びソーラーミラー向けのソーダ−ライム−シリカガラスは、0.010重量%未満のFeとしての全鉄、0.350未満のレドックス比、0.0025重量%未満のCeO、並びに厚さ5.5ミリメートルで90%超の可視光透過率と太陽光赤外線全透過率及びソラリゼーションの低減を含むスペクトル特性を有する。本発明の非限定的実施形態では、このガラスは、空気燃焼比が11超、又は酸素燃焼比が2.31超である燃焼空気と燃料ガスとの混合物で溶融ソーダ−ライム−シリカガラスのプールを加熱することによって作製される。本発明の別の非限定的実施形態では、溶融ガラス内で酸素気泡流を移動させる。双方の実施形態で、酸素は、2価鉄を3価鉄に酸化することによってレドックス比を低減する。

Description

本発明は、溶融ガラス及びそれから作製されるガラスのレドックス比(FeO/Fe)を低減する方法に関し、より詳細には、低鉄含量の溶融ガラス中に酸素を導入することによって2価鉄状態の鉄(Fe++)を酸化してレドックス比を低減する方法に関する。
太陽熱収集器及びソーラーミラーは、例えば、米国特許第4224927号及び同第5253105号に開示されているのと同様に、流体を加熱するために、又は太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するために太陽エネルギーを使用する。一般に、太陽熱収集器は、カバープレートを備えることによって、太陽エネルギーを通過させ、対流による熱損失を低減し、電力生成太陽熱収集器の太陽電池を保護し、ソーラーミラーは、ガラス基板を備えることによって、太陽エネルギーを反射コーティングまで移送し、太陽エネルギーをガラス基板内に反射し返して太陽エネルギーを指定の領域に向かわせる。以下の議論において、ガラスカバープレート及びガラス基板は特に重要である。
当業者には理解されようが、太陽電池カバープレート用に使用されるガラスカバープレート、及び好ましくは380ナノメートル(「nm」)を超える電磁波スペクトルでのソーラーミラー用に使用されるガラス基板は、可視光及び赤外線(「IR」)範囲での透過率が、例えば、90%超と高く、可視光及びIR範囲での吸収率が、例えば、2%未満と低い。当業者には理解されようが、電磁波スペクトルの特定の可視光及びIR範囲、及び極大透過率は、太陽電池の半導体材料によって変動する。例示であり、この議論に限定されるものではないが、シリコン太陽電池では、好ましい可視光及びIR波長範囲は、380〜1200nmであり、極大透過率は、約900nmにある。
一般に、平滑ガラスの製造では、ガラスバッチ材料は溶融される;溶融ガラスは、精製され、均一化され、精製され均一化された溶融ガラスは、溶融ガラスが溶融金属浴上でフロートしている際に、溶融ガラスの温度を制御しつつ低下させることによって成形して平滑ガラスリボンにされる。溶融ガラスの精製中に、気泡は、バッチ材料に配合成分を添加することによって、及び/又はガス、例えば、一酸化炭素及び酸素を溶融ガラス内で移動させることによって溶融ガラスから除去され、例えば、米国特許第2330324号及び同第6871514号を参照されたい。電磁波スペクトルの可視光及びIR範囲で、高透過率及び低吸収率を有するガラスを作製するためのバッチ材料には、着色剤を添加しない。当業者には理解されようが、バッチ材料に対する着色剤の添加は、とりわけ、続いて成形されるガラスの可視光及びIR範囲での透過率を低減し、吸収率を増加させるために使用されてきた。可視光及びIRでの透過率が高いガラスは、通常、低鉄ガラスと呼ばれている。米国特許第5030593号、第5030594号及び第6962887号には、Feで表して全鉄含量が非常に低い、例えば、0.020重量%(% by weight)未満(以後、「重量%」(「wt%」又は「wt.%」)とも呼ばれる)であるガラスバッチ原材料の原料を加工することによってほとんど無色の低鉄ガラスの作製が開示されている。バッチ材料中の0.020重量%(100万当り200部(以後、「ppm」とも呼ばれる)未満の鉄含量は、不定鉄と呼ばれる。というのは、この鉄は、バッチ材料に添加されるのではなくて、バッチ材料の配合成分中の不純物として存在するからである。
鉄含量は、低鉄ガラスでは低いが、やはり、ガラス中の2価鉄(Fe++)の重量%を低減することによって電磁波スペクトルの可視光及びIR範囲において、ガラスの透過率を最大にし、吸収率を最小にすることが好ましい。当業者には理解されようが、3価鉄状態の鉄は、2価鉄状態の鉄より着色剤としてより弱く、ガラスの透過率スペクトルを黄色側にシフトさせ、ガラス中の2価鉄の有する通常の緑青効果を減少させる。別の表現をすれば、3価鉄状態の鉄を増加させ、2価鉄状態の鉄を減少させると、可視光及びIR範囲においてガラスの透過率を増加させ、吸収率を減少させる。ガラス中の2価鉄の重量%を低減させる1つの技法は、ガラスバッチ材料中に酸化セリウムを含ませることである。というのは、ガラス中の酸化セリウムは、ガラスを「脱色する」からである。より詳細には、酸化セリウムは、ガラスの着色剤ではなくて、ガラスの強力な酸化剤であり、脱色ガラス中のその機能は、2価鉄状態の鉄(Fe++)を3価鉄状態の鉄(Fe+++)に酸化することである。酸化セリウムは、2価鉄の残留痕跡を脱色するのに有用であるが、酸化セリウムの使用には、制約がある、例えば、この議論には限定されないが、ガラスが、電力生成太陽熱収集器用のカバープレートとして、及びソーラーミラー用のガラス基板として使用される場合である。より詳細には、酸化セリウムを含む低鉄ガラスカバープレートを太陽に曝露すると、ガラス上にソラリゼーション効果が現れる。この効果は、Ce+++のCe++++への光酸化及びFe+++のFe++への光還元に由来する。当業者には理解されようが、セリウムのソラリゼーション効果及びFe+++のFe++への光還元によって電磁波スペクトルの可視光及びIR範囲におけるガラスの透過率が減少し、吸収率が増加し、このために太陽電池の電力生成が低減する。
2価鉄状態の鉄(Fe++)の濃度が低く、3価鉄状態の鉄(Fe+++)が2価鉄状態の鉄(Fe++)に光還元されるという制約のない低鉄ガラスを提供することが有利であろうということが以上より理解できよう。
本発明は、とりわけ、
65〜75重量%のSiOと、
10〜20重量%のNaOと、
5〜15重量%のCaOと、
0〜5重量%のMgOと、
0〜5重量%のAlと、
0〜5重量%のKOと、
0〜0.30重量%のSOと、
0.005〜0.120重量%のFeとしての全鉄と
を含み、0.550未満のレドックス比を有するソーダ−ライム−シリカガラスであって、0.0025重量%未満のCeOを含むソーダ−ライム−シリカガラスに関する。厚さ5.5ミリメートルで測定されたガラスのスペクトル特性は、とりわけ、2°観測器を備えたC.I.E.標準光源「A」を使用することによって380〜770ナノメートルの波長範囲で測定された85%超の可視光透過率と、775〜2125ナノメートルの波長範囲で測定された87%超の太陽光赤外線全透過率と、300〜2500ナノメートルの波長範囲で測定された89%超の太陽エネルギー全透過率とを含み、太陽光赤外線全透過率及び太陽エネルギー全透過率は、それぞれ、Parry Moonの気団2.0の直接太陽放射照度データ及びASTM気団1.5の全天太陽放射照度データを使用することによって計算され、それぞれ、長方形規則及び台形規則を使用することによって積分される。
さらに、本発明は、とりわけ、2価鉄状態の鉄(Fe++)及び3価鉄状態の鉄(Fe+++)を含む溶融ソーダ−ライム−シリカガラスのプールを加熱するステップによって、ソーダ−ライム−シリカガラスのレドックス比を低減する方法に関し、溶融ガラスのプールが、1つ又は複数のバーナーから出る燃焼ガスと燃料ガスの燃焼混合物で加熱され、燃焼ガスの過剰酸素が2価鉄状態の鉄を3価鉄状態の鉄に酸化することによってレドックス比が低減するように、燃焼ガスの流量が、燃料ガスを燃焼させるのに必要な燃焼ガス量を超える。任意選択で、酸素ガスも、同時に、溶融ガラスのプール内を移動することができ、酸素ガスは、溶融ガラスのプールの底部からプールの頂部に向かう方向に流れる。
さらに、本発明は、とりわけ、加熱チャンバーで溶融ソーダ−ライム−シリカガラスのプールを加熱するステップであって、溶融ガラスのプールが、2価鉄状態の鉄(Fe++)及び3価鉄状態の鉄(Fe+++)を含むステップと、ガラスバッチ材料を加熱チャンバー中に収容された溶融ガラスのプール上に移動させるステップであって、バッチ材料が2価鉄状態の鉄(Fe++)及び3価鉄状態の鉄(Fe+++)を含むステップと、ガラスバッチ材料がガラスの溶融プール表面上をフロートする際に、そのガラスバッチ材料を溶融するステップと、溶融ガラスのプール内で酸素を移動させて2価鉄を3価鉄に酸化することによってレドックス比を低減するステップと、溶融ガラスのプールからガラスリボンを形成するステップとによって、ソーダ−ライム−シリカガラスのレドックス比を低減する方法に関する。
本発明の実施において使用できるガラス溶融炉を示す水平断面図である。図1Aは、炉の溶融セクションを示す図であり、図1Bは、炉の精製セクション及び均一化セクションを示す図である。 図1Aに示す溶融セクションを示す垂直断面図である。 本発明の実施において使用できるガラス溶融及び精製装置の横断面の一部分を示す側面図である。
本明細書では、「内側の」、「外側の」、「左の」「右の」、「上方の」、「下方の」、「水平の」、「垂直の」など空間又は方向の用語は、図面に示された通りの本発明に関する。しかし、本発明は、多様な代替の配向をとることができ、したがって、かかる用語は限定的であるとみなすべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書及び特許請求の範囲で使用される寸法、物理特性などを表すすべての数は、すべての場合において、「約」という用語によって修飾されるものとして理解されたい。したがって、そうではないと指示されていない限り、以下の本明細書及び特許請求の範囲で記載される数値は、本発明によって取得しようと望まれる及び/又は求められる所望の特性に応じて変更が可能である。最低限でも、及び特許請求の範囲に等価原理を適用することを制限する意図はないが、それぞれのパラメータ数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、且つ通常の数値丸め技法を適用することによって少なくとも解釈すべきである。さらに、本明細書で開示のすべての範囲は、その中に含まれる任意の及び全てのサブ範囲を包含するものと理解すべきである。例えば、「1〜10」と明示された範囲は、最小値1及び最大値10を含むその間の任意の及び全てのサブ範囲、つまり、最小値1又は1を超える値及び最大値10又は10未満で始まる全てのサブ範囲、例えば、1〜6.7若しくは3.2〜8.1若しくは5.5〜10を含むものとみなすべきである。
本発明のいくつかの非限定的実施形態について議論する前に、本発明は、他の実施形態も可能であるので、その応用に際して、本明細書に示され、議論されている特定の非限定的実施形態の詳細事項に限定されるものではないことを理解されたい。さらに、限定されないが、これまで議論又は参照され、本明細書で以下に議論又は参照される交付済み特許及び出願公開特許など全ての文献は、その全体が「参照により組み込まれている」とみなすべきである。さらに、本発明を議論するために本明細書で使用される用語は、説明のためのものであり、限定のためのものではない。加えて、別段の指示がない限り、以下の議論では、類似の数は、類似の要素を指すものとする。
「重量%(by weight percent)」、「重量%(wt%)」又は「重量%(wt.%)」、「100万当りの部」及び「ppm」などの組成物量に関するいずれもの言及は、いずれの場合であっても、最終ガラス組成物の全重量又は混合配合成分、例えば、限定されないが、ガラスバッチ材料の全重量に対するものである。本明細書で開示されたガラス組成物の「全鉄」含量は、実際に存在する形態に拘らず、標準分析慣行に従ってFeで表される。同様に、2価鉄状態の鉄(Fe++)の量は、ガラス中でFeOとして実際に存在しない場合でも、FeOとして報告される。2価鉄状態の全鉄の割合は、ガラスのレドックス状態の指標として使用され、比FeO/Feとして表される。この比は、2価鉄状態の鉄(FeOとして表される)の重量%を全鉄(Feとして表される)の重量%で除したものである。
電磁波スペクトルの可視光範囲は、380〜780ナノメートル(以後、「nm」としても呼称される)であり、電磁波スペクトルの赤外線(以後、「IR」としても呼称される)範囲は、780nm超であり、通常、780〜10,000nmの範囲であるとみなされる。本明細書では、「可視光透過率」又は「視感透過率」又は「LTA」は、2°観測器を備えたC.I.E.標準光源「A」を使用することによって380〜770ナノメートルの波長範囲で測定される。主波長及び刺激純度で表されるガラスの色は、ASTM E308−90で確立された手順に従って、2°観測器を備えたC.I.E.標準光源「C」を使用することによって測定される;「太陽光赤外線全透過率」すなわち「TSIR」は、775〜2125ナノメートルの波長範囲で測定され、「太陽エネルギー全透過率」すなわち「TSET」は、300〜2500ナノメートルの波長範囲で測定される。当技術分野で公知のように、TSIR透過率データは、Parry Moonの気団2.0の直接太陽放射照度データを使用することによって計算され、長方形規則を使用することによって積分される。当技術分野で公知のように、TSET透過率データは、ASTM気団1.5の全天太陽放射照度データを使用することによって計算され、台形規則を使用することによって積分される。当業者であれば、上記のスペクトル特性、例えば、LTA、赤外線透過率、TSIR及びTSETは、実際のガラスの厚さで測定され、任意の厚さで再計算することができることが理解されよう。以下の議論では、ガラスのスペクトル特性は、標準の厚さ5.5ミリメートルを有するガラスに対して与えられるが、測定されたガラス試料の実際の厚さは、標準の厚さとは異なる。
本発明は、ガラスシートの主表面に対して法線(つまり、垂直の)方向で測定した場合の可視光及び赤外線エネルギー透過率が高いソーダ−ライム−シリカガラスを提供し、本発明のガラスは、限定されないが、電力生成太陽熱収集器向けのカバープレート及びソーラーミラー向けのガラス基板としての使用に対して特に理想的である。「可視光の高透過率」とは、5.5mm厚ガラスで85%以上、例えば、87%以上、例えば、90%以上の可視光透過率が測定されることを意味する。当業者には理解されようが、5.5mmの厚さで90%の可視光透過率を有するガラスは、5.5mm未満の厚さで90%超の可視光透過率を有し、5.5mm超の厚さで90%未満の可視光透過率を有する。「赤外線の高エネルギー透過率」とは、5.5mmで85%以上、例えば、87%以上、例えば、90%以上、例えば、91%以上の赤外線エネルギー透過率が測定されることを意味する。当業者には理解されようが、5.5mmの厚さで91%の赤外線エネルギー透過率を有するガラスは、5.5mm未満の厚さで91%超の赤外線エネルギー透過率を有し、5.5mm未満の厚さを有するガラスについて5.5mm超の厚さで91%未満の赤外線可視光透過率を有する。
本発明のガラスは、従来の非真空型精製フロートガラスシステム、例えば、限定されないが、図1及び2に示すタイプを使用することによって、また、真空型精製フロートガラスシステム、例えば、限定されないが、図3に示すタイプを使用することによって作製することができる。従来の非真空型システムの他のタイプは、米国特許第4354866号、同第4466562号、及び同第4671155号で開示されており、真空型精製フロートガラスシステムの他のタイプは、米国特許第4792536号及び同第5030594号で開示されている。
図1及び2を参照すると、耐火材料で作製された底部22、屋根部24及び側壁部26によって形成された筐体を備えた、原料を連続供給し、クロスタンクで燃焼し、ガラスを溶融し、非真空型で精製する従来の炉20が示されている。ガラスバッチ材料28は、任意の好都合の又は通常の様式でフィルドッグハウスとして公知の炉20の延伸部32に入口開口部30から導入されることによって、溶融ガラス38の表面36上にフロートするブランケット34を形成する。図1A及び1Bに示されているガラスの全体としての進行は、図の左から右であり、フロート平滑ガラスを作製するのに当技術分野で使用されるタイプのガラス成形チャンバ40の入口端部に向かう。
バッチ材料28を溶融し、溶融ガラス38を加熱するための炎(図示せず)は、側壁部26(図2を参照されたい)に沿って配置されているバーナーポート42から放され、溶融ガラス38の表面36全体の上に向けられる。当業者には公知であるが、加熱サイクルの最初の半分では、炎が、タンク20の一方側のそれぞれのポートでノズル43(図2を参照されたい)から放される際、炉の排ガスは、炉の反対側のポート内を移動する。加熱サイクルの後半分では、ポートの機能が逆転し、排出ガスポートが燃焼ポートであり、燃焼ポートが排出ガスポートである。図1及び2に示したタイプの炉に対する燃焼サイクルは、当技術分野で周知であり、これ以上の議論は必要ないと思われる。当業者には理解されようが、本発明は、炎を発生することによってバッチ材料及び溶融ガラスを加熱するために空気と燃料ガスの混合物又は酸素と燃料ガスの混合物を使用することを企図する。図1に示すタイプの炉で酸素及び燃料ガスを使用することについての議論に関しては、2008年2月14日に出版され、その名称が「Use of Photovoltaics for Waste Heat Recovery」である米国特許出願第12/031303号を参照することができる。
ガラスバッチ材料28は、バッチ供給端部又はドッグハウス端部壁46から下流に移動しながら、炉20の溶融セクション48で溶融し、溶融ガラス38は、ウエスト54内を移動し炉20の精製セクション56まで移動する。精製セクション56では、溶融ガラス38中の泡が除去され、溶融ガラス38は、精製セクション56を通過しながら混合又は均一化される。溶融ガラス38は、任意の好都合な又は通常の仕方で、精製セクション56から、ガラス成形チャンバー40に収容されている溶融金属(図示せず)のプール上に送達される。送達された溶融ガラス38は、ガラス成形チャンバー40内を移動して溶融金属(図示せず)のプール上に移動しながら、大きさを調整され、冷却される。寸法的に安定になるように大きさを調整されたガラスリボン(図示せず)は、ガラス成形チャンバー40から焼きなまし炉(図示せず)内に移動する。図1及び2に示したタイプ及び上で議論したタイプのガラス作製装置は、当技術分野で周知であり、これ以上の議論は必要でないと思われる。
図3には、ガラスバッチ材料を溶融し、溶融ガラスを精製するための連続供給式ガラス溶融及び真空式精製装置78が示されている。好ましくは粉状であるバッチ材料80は、液状化槽、例えば、回転式ドラム84の空洞82内に供給される。バッチ材料80の層86は、ドラムの回転の助けによって槽84の内壁に保持され、保温ライニングとして働く。ライニング84の表面上のバッチ材料80が、空洞82内の熱に曝露されると、バッチ材料は、液状化層88を形成し、その層は、槽84の底部92にあるドレンの中心開口部90から流出して溶解槽94に移動することによって槽84から来る液状化材料中の未溶融粒子の溶解を完結させる。
バルブ96は、溶解槽94から、気密な水冷ケーシング100に覆われたセラミック耐火物の内部ライニング(図示せず)を有する全体が円筒型の直立槽98への材料の流量を制御する。精製ガラスの溶融流102は、精製槽98の底部から自由落下し、ガラス作製工程の次段階に移動させることができるが、これの詳細は、米国特許第4792536号にある。図3に示した装置78の操作に関する詳細な議論については、米国特許第4792536号を参照することができる。
本発明は、ガラス作製法及び/又はガラス作製装置に限定されるものではないこと、並びに当技術分野で公知の任意のガラス作製法及び/又はガラス作製装置が本発明の実施で使用することができることが理解されよう。
通常、図1及び2に示したガラス作製装置で使用されるガラスバッチは、溶融及び精製助剤として、シリカ源材料(砂)1000重量部当り約5〜15重量部の量で硫酸ナトリウム(芒硝)を含むが、適切な精製、即ち、溶融ガラスからの泡の除去を保証するためには約10重量部が望ましいと考えられている。イオウ含有材料は、残留イオウ含量、例えば、得られたバルクガラス中に残るSOの平均量が、0.2重量%以下、例えば、0.15重量%以下、例えば、0.1重量%以下、例えば、0.05重量%以下になるように添加することができる。本発明の1つの非限定的実施形態では、残留イオウは、0.005重量%〜0.13重量%の範囲であってよい。図3に示すガラス作製装置78を操作する場合、本発明に限定されないが、シリカ源材料1000重量部当り2重量部未満に硫酸ナトリウムを限定し、SOを0.02重量%未満に限定することが好ましい。より詳細には、図3に示すガラス作製装置78で溶融したガラスバッチ材料は、本質的に、イオウを含まない。「本質的にイオウを含まない」とは、ガラスバッチ材料にイオウ含有化合物を意図的に添加しないことを意味する。しかし、イオウの痕跡量は、バッチ材料又は他の源、例えば、限定されないが、カレット中の不純物のためにガラス中に存在する恐れがある。「イオウの痕跡量」とは、0重量%超〜0.03重量%の範囲のイオウを意味する。本明細書で開示のガラス組成物の「イオウ」含量は、実際に存在する形態に拘らず、標準分析慣行に従ってSOで表される。
電力生成太陽熱収集器向けの低鉄ガラスカバープレートの作製及びソーラーミラー用のガラス基板の作製のために使用されるガラスバッチ材料は、好ましくは、高い、例えば、90%超の測定透過率、及び高い、例えば、91%超の測定IR透過率を有するガラスを提供する。本発明の実施では、鉄は、バッチ材料に意図的に添加されず、2価鉄(Fe++)として溶融ガラス中に存在する鉄は、酸化されて3価鉄(Fe+++)になる。当業者には理解されようが、上で議論されたように、CeOは、ガラスバッチ材料に添加されることによって2価鉄(Fe++)を3価鉄(Fe+++)に酸化してガラスの可視光及びIR透過率を増加させる。しかし、CeOを含むガラスを太陽放射に曝露すると、ソラリゼーション反応がもたらされ、これによって、Ce+++がCe++++に光酸化され、Fe+++がFe++に光還元され、これが、ガラスの可視光及びIR透過率を低減させると考えられる。ガラス中の0.0025重量%(25ppm)未満の量のCeOは、有害な水準のソラリゼーションをもたらさず、例えば、日光に28日間曝露後で測定可視光及びIR透過率の低減は0.15%未満である。0.0800重量%(800ppm)以上の量のCeOは、許容できない水準のソラリゼーション、例えば、日光に28日間曝露後でガラスの測定可視光及びIR透過率の1.0%の低減がもたらされる。
上記を鑑みるに、本発明の好ましい実施では、2価鉄Fe++を3価鉄Fe+++に酸化し、ソラリゼーションを起こす恐れのある配合成分、例えば、CeOは、バッチ材料に添加されず、存在するとしても、不定材料として存在し、その結果、ガラスは、好ましくは、0.0025重量%(25ppm)以下のCeOを含む。本発明は、低鉄ソーダ−ライム−シリカガラス、例えば、Feとして表した0.01重量%(100ppm)以下の全鉄を含むソーダ−ライム−シリカガラスを対象とするが、本発明は、それに限定されるものではなく、本発明は、高鉄ガラス、例えば、Feとして表した0.01重量%(100ppm)を超える全鉄を含むソーダ−ライム−シリカガラス中の2価鉄の重量%を低減するために実施することができる。さらに、本発明は、太陽熱収集器用のガラスカバープレート及びソーラーミラー用のガラス基板に限定されるものではなく、(1)任意のタイプの太陽電池又は太陽熱収集器用のガラスカバープレート又はガラス基板として、(2)住居用及び商業用窓として、(3)任意のタイプの車両、例えば、陸上、空中、宇宙、水上及び水中車両用の窓として、(4)家具テーブルの頂部として、及び(5)それらの組合せとして使用することができる。
表1は、太陽熱収集器用のカバープレート、ソーラーミラー用のガラス基板、及び/又は商用、住居用及び電化製品用窓を作製するのに使用できる本発明の市販の透明フロートガラスの非限定的実施形態の主構成成分、並びに、それらのそれぞれの重量%範囲を列挙する。
表1
構成成分 重量%
SiO 65〜75
NaO 10〜20
CaO 5〜15
MgO 0〜5
AlO 0〜5
O 0〜5
SO 0〜0.30
Feとしての全鉄 0超〜0.120
レドックス比 0.350未満
通常、セリウムは、水和炭酸セリウム(CeCO3HO)としてバッチ材料に添加され、ガラス中にCe+++(Ce)又はCe++++(CeO)として存在することができる。本発明の1つの非限定的実施形態では、CeOは、ガラス中に存在しない。本発明の別の非限定的実施形態では、CeOは、0.0025重量%以下の量でガラス中に存在する。本発明のさらなる別の非限定的実施形態では、CeOは、不定材料として、例えば、バッチ材料及び/又はバッチ材料の溶融を助けるためにバッチ材料に添加されるガラスカレット中の不純物としてガラス中に存在することができる。前述のことに基づいて、CeOは、0〜0.0100重量%の範囲内で、好ましくは、0〜0.0075重量%の範囲で、より好ましくは、0〜0.0050重量%の範囲で、最も好ましくは、0〜0.0025重量%の範囲で本発明のガラス中に存在することができる。
少量の鉄を含む透明ソーダ−ライム−シリカガラスは、可視光透過率において実質的に無色である。本発明の1つの非限定的実施形態の実施では、Feとして表される全鉄は、約0.025重量%(100万当り250部)未満、より好ましくは、0.015重量%(100万当り150部)未満、最も好ましくは、0.010重量%(100万当り100部)未満であり、本発明の好ましい実施では、ガラスは、0.35未満、好ましくは、0.25未満、より好ましくは、0.20未満、最も好ましくは、0.150未満のレドックス値(FeO/Fe)を有する。
可視光及びIR透過率を有する市販低鉄ガラスの例は、以下の表2に示されている。
Figure 2012509246
表2のガラスは、図1〜3に示す装置を使用することによって作製することができる;しかし、図3に示す装置を使用する場合、SOは、好ましくは、0.02重量%未満であることに留意すべきである。
本発明の実施では、酸素を溶融ガラス中に導入することによって2価鉄(Fe++)を3価鉄(Fe+++)に酸化する。本発明の1つ非限定的実施形態では、酸素は、溶融ガラスのプール中にバブリングされる;本発明の別の非限定的実施形態では、酸素と燃料又は燃焼ガスの比は、2価鉄状態の鉄(Fe++)を3価鉄状態の鉄(Fe+++)に酸化するために上昇し、本発明のさらなる別の非限定的実施形態では、酸素は、溶融ガラスのプール中にバブリングされ、酸素と燃料又は燃焼ガスの比は、2価鉄状態の鉄(Fe++)を3価鉄状態の鉄(Fe+++)に酸化するために上昇する。酸素は2価鉄状態の鉄を3価鉄状態の鉄に酸化するために使用できるという本発明の1つ非限定的実施形態のための支持証拠、及び酸素はCeOの全て又は一部を置き換えて2価鉄状態の鉄(Fe++)を3価鉄状態の鉄(Fe+++)に酸化するために使用できるという本発明の別の非限定的実施形態のための支持証拠は以下の実験によって提供される。
6つの実験室溶融物が、登録商標StarphireでPPG Industries,Inc.から販売されているタイプの低鉄ガラスから作製された。実験室溶融物のそれぞれは、1000グラムのStarphireガラスカレットを含んでいた。カレットのガラス組成は、分析されなかった;しかし、Starphireガラスは、表2のコラム(B)に示す配合成分の範囲内のガラス組成を有する。カレットは、4インチのシリカるつぼに入れられ、2600°F(1427℃)の温度で溶融された。酸素ガスは、ムライト管の閉じた端部の底を1インチ(2.54センチメートル)分フッ酸中でエッチングすることによって作製した多孔質セラミック管を使用することによって溶融ガラス内に導入された。孔の大きさは、測定されなかったが、孔の直径は、約1ミリメートル未満であったと考えられる。
試料Aは、対照試料であり、試料Aの溶融ガラス中には酸素は導入されなかった。試料Bの溶融ガラス中に導入された酸素の流速は、30分間10立方センチメートル(「CC」)/分であった;試料Cの溶融ガラス中には、30分間20CC/分であった;それぞれ試料D及びEの溶融ガラス中には、60分間20CC/分であり、試料Fの溶融ガラス中には、120分間20CC/分であった。試料B〜Fの溶融ガラスへの酸素の導入の結論として、試料C及びDの溶融ガラス管中の端部は、破壊されたことが観察された。管は、熱ショックの結果として破壊されたと考えられる。試料A〜Fのそれぞれのるつぼの溶融ガラスは冷却され、ガラスは、試料A(比較対照試料)のレドックス比及び試料B〜F(「試験試料」)のレドックス比を求めるために分析された。試料A〜FのFeO、Fe及びFeO/Fe(レドックス比)が、以下の表3に示されている。
Figure 2012509246
試料B〜Fはそれぞれ、試料Aのレドックス値よりレドックス値が低かったが、これは、試料B〜F中の2価鉄の方が試料Aよりもよく酸化されたことを示す。試料F及び試料Cの溶融ガラスに対して添加された酸素量を基準にすると、下の反応1における効率は0.16〜0.35%の範囲にあった。この効率は、2価鉄と反応した酸素量を実験室の実験中に多孔質セラミック管から溶融ガラス中に導入された全酸素量で除すという計算をすることによって求められた。
反応1 4FeO+O←→2Fe
当業者には理解されようが、上の実験室実験は、溶融ガラス内を移動する酸素が、2価鉄を3価鉄に酸化し、レドックス比を低下させることを明白に実証している。
本発明の1つの非限定的実施形態の実施では、低鉄ガラスを作製するために選択されたガラスバッチ配合成分には、鉄は添加されず、バッチ材料中に存在するいかなる鉄も不定材料として存在する。一般に鉄の不定量としてみなされている鉄含量は、0.025重量%未満の鉄の量である。本発明では、バッチ材料は、Feとして表した全鉄が0.025重量%(250ppm)未満であるガラスが提供されるような鉄含量を有するように選択される。当業者には理解されようが、バッチ材料は、鉄による汚染が最小になるように選択されるが、相当な経費をかけないと、ガラスバッチ材料中の全鉄含量(Fe)を低減することによって約0.005重量%(50ppm)未満のガラスを提供することは困難であると思われる。議論の対象になっている本発明の非限定的実施形態では、バッチの選択の中には、Feとして分析した鉄含量が約0.008重量%鉄(80ppm)であり得る低鉄砂が含まれる。従来からのガラスバッチ材料である石灰石及びドロマイトは、それらの典型的な鉄汚染のために使用されない。代わりに、約0.020重量%(200ppm)Feしか含まない形態の炭酸カルシウム鉱物であるアラゴナイトなどのより純度の高いカルシウム源を使用することが好ましい。さらに、鉄(Fe)含量が約0.020重量%(200ppm)未満である低鉄ドロマイトを使用することが好ましい。好ましいアルミナ源は、約0.008重量%(80ppm)Feを含むアルミニウム水和物である。表1のガラスの範囲内のガラスを作製するのに使用できるガラスバッチ混合物の例が、表4に示されている。
表4
バッチ構成成分 重量部
低鉄砂 1000
ソーダ灰 322〜347.8
アラゴナイト 160〜281
ドロマイト 0〜179
アルミニウム水和物 0〜35.1
芒硝 0〜15
上で議論したように、本発明の好ましい実施では、セリウムは、バッチ材料に添加されず、好ましくは、本発明に限定されないが、セリウムは、不定材料として、例えば、0.010重量%(100ppm)未満で存在するのみである。
図1〜3に示したガラス作製工程用のバッチ材料は、図3に示したガラス作製装置が、好ましくは、砂(シリカ源材料)1000重量部当り硫酸ナトリウム2重量部を使用することによって操作されるが、一方、シリカ源材料1000重量部当り硫酸ナトリウム7重量部を使用することによって図1及び2のガラス作製装置を操作することが好ましいということを除いては、好ましくは、表4に示した範囲の配合成分を含む。本発明の実施では、表4のガラスバッチ材料は、以下の表5に示す組成を有するガラスを提供する。
Figure 2012509246
表5のガラス組成は、表4のバッチ調合からコンピュータで計算された。しかし、以下に議論される第5番目の実験のガラス組成は、表5のコラム(A)のコンピュータ計算によるガラス組成と同様になるように選択されたことに留意すべきである。コンピュータプログラムは、レドックス比を提供しない;しかし、上で議論された本発明のレドックス比は、表5に示したガラス組成に対しても適用可能である。図3のガラス作製装置を使用することによって作製された表5に列挙したガラスは、0.02重量%未満のSO含量を有すると思われる。本発明は、表5に列挙されたガラス組成に限定されないことを理解されたい。
重量%が0.01重量%未満である他の配合成分は、バッチ材料中に見られる不純物である不定材料であり、不定材料として、MnO、ZrO、CoO、Se、NiO、Cl、P、V、CeO、Cr、LiO、KO及びTiOを挙げることができる。
以下の実験は、溶融ガラス38が炉20のウエスト54内を移動する前に、溶融ガラス38を制御されたO量に曝露する効果を求めるために、図1及び2に示したタイプの炉を備えたガラス製造ラインで実施された。1つの実験では、直径1インチ(2.54センチメートル)、長さ16フィート(4.9メートル)の水冷金属直管の端部に付けられた直径2インチ(5.08センチメートル(「cm」))、長さ6インチ(15.2cm)の多孔質AI−ZrO−SiO耐火物製(ANH Refractories Co.から商品名Visionで市販されている)円筒ブロックからそれぞれがなる2つの酸素スパージャーは、メルター48のバッチ供給端46から3フィート(0.9メートル)で、炉の左の壁から4フィート(1.2メートル)に配置され、第2のスパージャーは、メルターのバッチ供給端から3フィート(0.9メートル)で、炉の右の壁から4フィート(1.2メートル)に配置された。それぞれのスパージャーは、炉の底面から上方42インチ(1.1メートル)に配置された。1時間当り25立方フィート(「CFH」)の酸素が、それぞれのスパージャー内を移動した。スパージャーは、溶融ガラスの表面から噴出した時に直径約1/8インチ(0.32センチメートル)である気泡を発生することが観察された。
バッチ組成は、表5のコラムBに挙げられたガラスに類似のガラスを作製するための配合成分を含んでいた。メルターに当初に添加されたバッチ配合成分には、全くCeOは添加されておらず、バッチ材料中に存在する唯一のCeOは、不定量及びガラスカレットに存在するCeOであった。ガラスの製造運転中に2回、水和炭酸セリウムがバッチ材料に添加された。水和炭酸セリウムの第1番目の添加の前に、ガラスの第1番目の試料が採取され、分析された;第1番目の試料のレドックス比は0.48であった。砂1000ポンド当り水和炭酸セリウム3ポンドが、12時間でバッチ材料に添加された。水和炭酸セリウムを最初に添加してから48時間後に、ガラスの第2番目の試料が採取され、分析された;第2番目の試料のレドックス比は0.43であった。ガラス中のCeOは、0.04重量%から0.06重量%に増加した。第1番目を添加して6日後に、水和炭酸セリウムの第2番目の添加が実施された。第2番目の添加は、26時間で砂1000ポンド当り水和炭酸セリウム3ポンドであった。第2番目の添加から4日後に、ガラスの第3番目の試料が採取され、分析された。ガラスの第3番目の試料は、レドックス比が0.471であり、0.0102重量%(102ppm)のFe及び0.04重量%(400ppm)のCeOを含んでいた。CeOの通常の濃度は、約0.07%(700ppm)であり、レドックス比の通常の水準は、約0.48〜0.50の範囲である。第1番目の実験からの結果によって、2つの多孔質耐火物スパージャーからの溶融ガラスへの酸素ガスの導入は、大型の商用ガラス炉で、2価鉄を3価鉄に酸化し、ガラスレドックス比を約0.01〜0.03低減するために、CeOを添加する代替として働き得ることが示唆された。
第2番目の実験は、0.10重量%のFeを含む透明ガラス、つまり、高鉄ガラスを作製するためのガラス製造運転で実施された。第2番目の実験では、スパージャーの炉の壁に対する相対位置は、同じであるが、スパージャーは、炉の底面から8インチ(20cm)離れていた。さらに、第2番目の実験のそれぞれのスパージャーは、スパージャーの可使時間を増加するために、より厚い多孔質耐火物円筒ブロック(第1番目の実験で使用されたわずか直径2インチ(5.08cm)に比較して直径3インチ(7.6cm))であった。酸素流速は、それぞれのスパージャーから40PSIで20CFHであった。酸素をスパージャーから流す前2週間のガラスの平均レドックス比は、0.338であり、レドックス比の範囲は、0.005であった。酸素がスパージャー内を移動した場合の平均レドックス比は、0.336であり、レドックス比の範囲は、0.01であった。レドックス比の平均値には大きな変化はなく、レドックス値の変動が増加しただけであった。第2番目の実験の結論は、酸素スパージャーを使用している間、ガラスレドックス比は、少なくとも一部分の時間では低下したが、炉内の溶融ガラスの混合が不均一であるために、ガラスレドックス比は、連続しては低下しないということであった。
第3番目の実験では、製造運転は、0.05重量%のCeOを含むガラス組成物を作製していた。第3番目の実験では、酸素は、炉20の基部26に設置された19本の個別ガスバブラー(水冷金属管)150(図1Aを参照されたい)の1列のうちの選択されたバブラー内を移動した。バブラーは、炉の底面から約24インチ(0.61メートル)、溶融ガラス38の表面36から下方に33インチ(0.84メートル)のところで溶融ガラス中に向かって上方に延伸していた。バブラー150は、第4番目のポート42(図2を参照されたい)の領域で炉20の壁46から約50フィートのところに配置された。バブラー150は、約18インチ(0.46メートル)離れた間隔で配置され、溶融ガラスの流れの方向に垂直に炉20内に広がる。当初は、酸素は、6本のバブラー内を移動し、次いで、次の3日間は残りの13本のバブラー内を移動した;1本のバブラーは、閉塞したために機能しなかった。最初の6本のバブラーの位置は、記録されなかったが、6本のバブラーは、バブラー列の各端部にある3本の外側のバブラーであったと考えられる。酸素流量は、18本のバブラーそれぞれから当初5CFHであり、3日後に5CFHだけ増加され、最初の増加後4日でもう一度5CFHだけ増加された。最後のステップの5CFHは、元に戻された。というのは、高速の酸素バブリングによって、溶融ガラス中の残留泡が連行されたり、残されたりしたからである。バブラーは、泡が溶融ガラスの表面で噴出する時の直径が約6インチ(15.2cm)である気泡を生成したことが観察された。バブラーから酸素ガスを導入する前のガラスレドックス比は、0.45であった。18本のバブラー内で酸素を移動させ、最後のステップの5CFHを元に戻した後の作製ガラスは、レドックス比が0.41であり、Feが0.0096重量%であった。バブラーで酸素ガスを使用したために、ガラスレドックスは0.04減少した。
第4番目の実験は、バッチ材料に存在する唯一のCeOは、ガラスカレット中の0.04重量%量の不定CeOであることを除いて、第3番目の実験のガラス組成物で実施された。第4番目の実験では、バブラーは、溶融ガラスのレベルから27インチ(0.69メートル)の位置まで上げられ、酸素は、18本の各バブラー150内を流速12.5CFHで移動した。酸素ガスの流速は、バブラー1本当り12.5CFHから17.5CFHまで増加し、次の5日間にわたりバブラー1本当り17.5CFHから20CFHまで増加した。酸素流速は、17.5CFHまで戻された。というのは、高速の酸素ガスバブリングによって、溶融ガラス中の残留泡が連行されたり、残されたりしたからである。バブラー1本当り17.5CFHの流速で酸素ガスをバブリングした際のガラス試料は、レドックス比が0.467、Feが0.0092重量%(92ppm)、CeOが0.033重量%(330ppm)であった。溶融ガラス7564立方フィート中へ全流速100CFHで24時間、酸素ガスをバブリング(溶融ガラス7564立方フィート当り酸素2400CF)することは、ガラスレドックス比の減少が同等になるという点では、約0.01重量%のCeOと等価であると考えられる。商用ガラス炉における酸素ガスによるバブリングの効率を計算したところ、約0.12%であり、これは、実験室実験で観察されたものと類似であった。この効率は、2価鉄と反応した酸素量を18本のバブラー150から第4番目の実験中に溶融ガラスに導入された全酸素量で除すという計算をすることによって求められた。
上の実験から、2価鉄状態の鉄(Fe++)を3価鉄状態の鉄(Fe+++)に酸化するためにCeOを添加する必要性の代替として溶融ガラスに酸素ガスを導入することによって、ガラスレドックス比を低下させることができることが結論された。酸素ガスは、多孔質耐火物ブロックからなるスパージャー又は水冷金属バブラーから導入することができる。酸素ガスから生成する泡の大きさは、水冷バブラーを用いるより、スパージャーを使用する方がはるかに小さいことが観察された。より詳細には、スパージャーからの泡の大きさは、実験室実験で溶融ガラス内を移動する泡と類似であった。ガラスが図3に示すガラス作製装置で作製される場合では、酸素は、溶解チャンバ94の基部112を貫通して設置されたバブラー110(1本だけが図3に示されている)から溶解チャンバ94の溶融ガラス内にバブリングされると思われる。
図2を参照すると、本発明の別の非限定的実施形態では、2価鉄(Fe++)を3価鉄(Fe+++)に酸化するための酸素は、燃焼ポートにおいて、燃焼空気、つまり、酸素ガスと燃料又は燃焼ガスの比を上昇させることによって提供される。燃焼空気と燃料ガスの通常燃焼比は、10.9であり、これは、「全燃焼空気流速(すべての燃焼ポートに対する燃焼空気)を全燃料ガス流速(すべての燃焼ポートに対する燃料ガス)で除す」式から求められる。当業者には理解されようが、燃焼空気及び燃料ガスの流速は、それぞれの燃焼ポートに一様に分布していない;しかし、本発明の実施では、燃焼空気の全流速及び燃料ガスの全流速は、重要である。さらに、当業者には理解されようが、燃焼ガスは、酸素21%を含み、残りの%は大部分が窒素である。したがって、燃焼空気/燃料ガスで燃焼する炉における酸素と燃料ガスの通常の燃焼比は、2.29(10.9の全燃焼空気/全燃料ガス×0.21の燃焼空気中の酸素)である。以下の議論では、「空気燃焼比」は、「全燃焼空気流速(すべての燃焼ポートに対する燃焼空気)を全燃料ガス流速(すべての燃焼ポートに対する燃料ガス)で除す」式から求められ、通常、10.9である。酸素/燃料ガスで燃焼する炉における「酸素燃焼比」は、「全酸素ガス流速(すべての燃焼ポートに対する酸素)を全燃料ガス流速(すべての燃焼ポートに対する燃料ガス)で除す」式から求められ、通常、2.29であり、燃焼空気/燃料ガスで燃焼する炉における「酸素燃焼比」は、「全燃焼空気流速×燃焼空気中の酸素%を全燃料ガス流速(すべての燃焼ポートに対する燃料ガス)で除す」式によって求められ、通常、2.29である。それぞれ、全燃焼空気流速又は全燃焼酸素を増加することによって空気燃焼比を11.0超まで又は酸素燃焼比を2.31まで増加すると、2価鉄(Fe++)を3価鉄(Fe+++)に酸化するための過剰の酸素が提供される。
第5番目の実験では、その実験は、表5のコラムAのコンピュータ計算によるガラス組成と類似のガラス組成を有する低鉄ガラスを作製する商用ガラス炉で実施された。ガラスの試料は、採取され、分析された;ガラスのレドックス比は、0.45であった。第5番目の実験中、バブラー1本当り3CFHの流速の酸素ガスは、ガラス炉20のポート4に位置する18本のバブラー150内を移動した。バッチ材料は、ガラスバッチ中のアラゴナイトの一部を置換するための低鉄ドロマイトを使用することによって変更された。ドロマイトによってガラスのMgO含量が増加し、このために当技術分野で公知のようにガラスの耐久性が増加する。ドロマイトは、アラゴナイトに存在し、3価鉄(Fe+++)を2価鉄(Fe++)に還元する還元剤として働く恐れがある高濃度の炭素不純物を含まないので、その添加は又、ガラスレドックスを低減する助けにもなると考えられる。
炉20の各側にある7つのポート42のそれぞれにおける燃焼空気は、5日間にわたりそれぞれ、0.1〜0.4の段階で12.3から13.3まで空気燃焼比を増加(0.02〜0.084の段階で2.58から2.79まで酸素燃焼比を増加)させることによって燃焼サイクル中に増加した。比が増加した後約72時間で、ガラスの試料は採取され、分析された。試料のレドックス比は、0.39であった。生成した低鉄フロートガラス組成は、表5のコラム(A)のコンピュータで計算されたガラス組成と類似しており、0.0084重量%(84ppm)のFe及び0.0021重量%(21ppm)のCeOを含んでいた。ガラスは、実厚さ約3.2mm(0.1254インチ)で、91.3%のLTA(可視光透過率値)、90.4%のTSIR値及び90.7%のTSET値を有していた。91.3%というLTA値は、非常に高いガラス透過率であり、これは、電力生成太陽熱収集器中の太陽電池を保護するためのカバープレートとして、及びソーラーミラー用のガラス基板として有用である。この第5番目の実験から、ガラスレドックス比は、空気燃焼比(酸素燃焼比)を増加することによって約0.06低減することができると結論された。
当業者には理解されようが、酸素燃焼比を増加し、高温で炉を操作すると、NOx放出が増加する恐れがある。これは、炉の温度の低減及び/又は適切な放出制御装置によって管理することができる。本発明は、炉の運転温度及び/又は放出制御システムの使用に限定されない。
上記より、空気燃焼比(酸素燃焼比)を増加すると、溶融ガラスに酸素が提供されることによって2価鉄(Fe++)が3価鉄(Fe+++)に酸化されることが理解されよう。本発明は、いかなる特定の比の値にも限定されない;しかし、酸素燃焼比が2.31(空気燃焼比が11.0)であることが好ましく、より好ましくは、酸素燃焼比が2.63(空気燃焼比が12.5)であり、最も好ましくは、酸素燃焼比が2.71(空気燃焼比が12.9)であることが理解されよう。溶融ガラス内の酸素のバブリングのために溶融ガラスに酸素が供給されることによって2価鉄(Fe++)が3価鉄(Fe+++)に酸化されることもさらに理解されよう。本発明の1つの非限定的実施形態では、及び上で議論したように、溶融ガラス7564立方フィート当りの24時間当りの酸素2400CF(溶融ガラス1立方フィート当りの24時間当りの0.32CF)は、ガラスレドックス比の等価の減少を引き起こすという点で約0.01%CeOに等しい。さらに、溶融ガラス中に酸素をバブリングしながら空気燃焼比(酸素燃焼比)を増加させることは、溶融ガラスに対する酸素量を増加することによって2価鉄(Fe++)を3価鉄(Fe+++)に酸化し、空気燃焼比(酸素燃焼比)の過剰な増加を抑制するのに使用することができ、それによって環境問題が低減することもさらに理解されよう。
前記に基づき、本発明は、太陽光制御用カバープレート及びソーラーミラー向けのガラス、例えば、表6に示す範囲の成分及び以下に議論される特性を備える低鉄ガラスを作製するために実施することができる。
表6
成分 範囲
SiO 65〜75重量%
NaO 10〜20重量%
CaO 5〜15重量%
MgO 0超〜5重量%
CeO 0.0025重量%未満
SO 0.12〜0.2重量%
Fe(全鉄) 0.01重量%以下
レドックス比 0.400未満又は0.350未満
又は0.200未満又は0.150
未満
ガラス厚5.5ミリメートルで表6のガラスは、85%以上又は87%以上又は90%以上のLTA、85%以上又は87%以上又は90%以上又は91%以上のTSIR、及び89%以上又は90%以上又は91%以上のTSETを有する。上に議論したように、ガラスのスペクトル特性は、レドックス比及び/又はFe(全鉄)の変化とともに変化する。
さらに、上記に基づき、本発明は、商用及び住居用の建造物、家具及び電気器具、陸上、水面上及び水面下、及び航空宇宙向けのガラス、例えば、表7に示す範囲の成分及び以下で議論する特性を有する高鉄ガラスを作製するのに実施することができる。
表7
成分 範囲
SiO 65〜75重量%
NaO 10〜20重量%
CaO 5〜15重量%
MgO 0超〜5重量%
CeO 0.080重量%未満又は
0.060重量%未満又は
0.030重量%未満又は
0.020重量%未満又は
0.010重量%未満
SO 0.12〜0.2重量%
Fe(全鉄) 0.01重量%超〜0.12重量%
レドックス比 0.550未満又は0.400未満
又は0.350未満又は0.200
未満又は0.150未満
ガラス厚5.5ミリメートルで表7のガラスは、85%以上又は87%以上又は90%以上のLTA、85%以上又は87%以上又は89%以上又は90%以上のTSIR、及び88%以上又は89%以上又は90%以上のTSETを有する。上に議論したように、ガラスのスペクトル特性は、レドックス比及び/又はFe(全鉄)の変化とともに変化する。
本発明に限定されないが、上のガラスは、好ましくは、限定されないが、図1及び2に示すタイプに類似のガラス作製装置で作製される。上のガラスは、上で議論したようにSOを0.010重量%未満まで低減することによって、真空精製機、例えば、限定されないが、図3に示すタイプと類似のものを備えたガラス作製装置で作製することができる。
上記の説明で開示された概念から逸脱することなく本発明に対する改変形態を作製できることは当業者には容易に理解されよう。したがって、本明細書で詳細に説明された特定の実施形態は、例示のためのみであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に含まれる全範囲、並びにその任意の及び全ての等価物に含まれる全範囲を包含するものである。

Claims (22)

  1. 65〜75重量%のSiOと、
    10〜20重量%のNaOと、
    5〜15重量%のCaOと、
    0〜5重量%のMgOと、
    0〜5重量%のAlと、
    0〜5重量%のKOと、
    0〜0.30重量%のSOと、
    0.005〜0.120重量%のFeとしての全鉄と
    を含み、0.550未満のレドックス比を有するソーダ−ライム−シリカガラスであって、0.0025重量%未満のCeOを含み、厚さ5.5ミリメートルで測定された前記ガラスのスペクトル特性は、
    2°観測器を備えたC.I.E.標準光源「A」を使用することによって380〜770ナノメートルの波長範囲で測定された85%超の可視光透過率と、
    775〜2125ナノメートルの波長範囲で測定された87%超の太陽光赤外線全透過率と、
    300〜2500ナノメートルの波長範囲で測定された89%超の太陽エネルギー全透過率と
    を含み、太陽光赤外線全透過率及び太陽エネルギー全透過率は、それぞれ、Parry Moonの気団2.0の直接太陽放射照度データ及びASTM気団1.5の全天太陽放射照度データを使用することによって計算され、それぞれ、長方形規則及び台形規則を使用することによって積分される上記ソーダ−ライム−シリカガラス。
  2. スペクトル特性が、
    87%超の可視光透過率と、
    89%超の太陽光赤外線全透過率と、
    90%超の太陽エネルギー全透過率と
    を含む、請求項1に記載のガラス。
  3. スペクトル特性が、
    90%超の可視光透過率と、
    90%超の太陽光赤外線全透過率と
    を含む、請求項1に記載のガラス。
  4. Feとしての全鉄が、0.005〜0.025重量%であり、レドックス比が、0.350未満である、請求項3に記載のガラス。
  5. Feとしての全鉄が、0.005〜0.025重量%であり、レドックス比が、0.200未満である、請求項1に記載のガラス。
  6. 2価鉄状態の鉄(Fe++)及び3価鉄状態の鉄(Fe+++)を含む溶融ソーダ−ライム−シリカガラスのプールを加熱するステップを含み、溶融ガラスのプールは、1つ又は複数のバーナーから出る燃焼ガスと燃料ガスの燃焼混合物で加熱され、燃焼ガスの過剰酸素が2価鉄状態の鉄を3価鉄状態の鉄に酸化することによってレドックス比を低減させるように、燃焼ガスの流量は、燃料ガスを燃焼させるのに必要な燃焼ガス量を超える、ソーダ−ライム−シリカガラスのレドックス比を低減する方法。
  7. 燃焼混合物の酸素燃焼比が、2.31超であり、酸素燃料比が、以下のように、即ち、(全バーナーへの燃焼ガスの総流量×燃焼ガス中の酸素%)/(全バーナーへの燃料ガスの総流量)で求められる、請求項6に記載の方法。
  8. 酸素燃焼比が、2.31〜2.71の範囲である、請求項7に記載の方法。
  9. 酸素燃焼比が、2.63超である、請求項7に記載の方法。
  10. 酸素燃焼比が、2.71超である、請求項8に記載の方法。
  11. 溶融ガラスが、0を超え、0.0800重量%未満であるCeOをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  12. CeOが、0.0025重量%未満である、請求項6に記載の方法。
  13. CeOが、0を超え、0.0025重量%以下の範囲であり、レドックス比が、0.350以下である、請求項6に記載の方法。
  14. 溶融ガラスのプールの一部分を制御しつつ冷却することによって、0.005〜0.120重量%の範囲のFeとしての全鉄、0.550未満のレドックス比を有するガラスを提供するステップをさらに含み、前記ガラスは0.0025重量%未満のCeOを含み、厚さ5.5ミリメートルで測定された前記ガラスのスペクトル特性は、
    2°観測器を備えたC.I.E.標準光源「A」を使用することによって380〜770ナノメートルの波長範囲で測定された85%超の可視光透過率と、
    775〜2125ナノメートルの波長範囲で測定された87%超の太陽光赤外線全透過率と、
    300〜2500ナノメートルの波長範囲で測定された89%超の太陽エネルギー全透過率と
    を含み、太陽光赤外線全透過率及び太陽エネルギー全透過率は、それぞれ、Parry Moonの気団2.0の直接太陽放射照度データ及びASTM気団1.5の全天太陽放射照度データを使用することによって計算され、それぞれ、長方形規則及び台形規則を使用することによって積分される、請求項6に記載の方法。
  15. スペクトル特性が、
    87%超の可視光透過率と、
    89%超の太陽光赤外線全透過率と、
    90%超の太陽エネルギー全透過率と
    を含む、請求項14に記載の方法。
  16. スペクトル特性が、
    90%超の可視光透過率と、
    90%超の太陽光赤外線全透過率と
    を含む、請求項15に記載の方法。
  17. Feとしての全鉄が、0.005〜0.025重量%であり、レドックス比が、0.350未満である、請求項16に記載の方法。
  18. 溶融ガラスのプール内で酸素ガスを移動させるステップをさらに含み、酸素ガスが、溶融ガラスのプールの底部からプールの頂部への方向に流れる、請求項6に記載の方法。
  19. 加熱チャンバーで溶融ソーダ−ライム−シリカガラスのプールを加熱するステップであって、溶融ガラスのプールが、2価鉄状態の鉄(Fe++)及び3価鉄状態の鉄(Fe+++)を含む上記ステップと、
    ガラスバッチ材料を加熱チャンバー中に収容された溶融ガラスのプール上に移動させるステップであって、バッチ材料が2価鉄状態の鉄(Fe++)と3価鉄状態の鉄(Fe+++)とを含む上記ステップと、
    ガラスバッチ材料がガラスの溶融プール表面上をフロートする際に、前記ガラスバッチ材料を溶融するステップと、
    溶融ガラスのプール内で酸素を移動させて2価鉄を3価鉄に酸化することによってレドックス比を低減するステップと、
    溶融ガラスのプールからガラスリボンを形成するステップと
    を含む、ソーダ−ライム−シリカガラスのレドックス比を低減する方法。
  20. 溶融ガラスのプールの一部分を制御しつつ冷却することによって、0.005〜0.120重量%の範囲のFeとしての全鉄、0.550未満のレドックス比を有するガラスを提供するステップをさらに含み、前記ガラスが、0.0025重量%未満のCeOを含み、厚さ5.5ミリメートルで測定された前記ガラスのスペクトル特性が、
    2°観測器を備えたC.I.E.標準光源「A」を使用することによって380〜770ナノメートルの波長範囲で測定された85%超の可視光透過率と、
    775〜2125ナノメートルの波長範囲で測定された87%超の太陽光赤外線全透過率と、
    300〜2500ナノメートルの波長範囲で測定された89%超の太陽エネルギー全透過率と
    を含み、太陽光赤外線全透過率及び太陽エネルギー全透過率は、それぞれ、Parry Moonの気団2.0の直接太陽放射照度データ及びASTM気団1.5の全天太陽放射照度データを使用することによって計算され、それぞれ、長方形規則及び台形規則を使用することによって積分される、請求項19に記載の方法。
  21. スペクトル特性が、
    90%超の可視光透過率と、
    90%超の太陽光赤外線全透過率と、
    90%超の太陽エネルギー全透過率と
    を含み、Feとしての全鉄が、0.005〜0.025重量%であり、レドックス比が0.350未満である、請求項20に記載の方法。
  22. バッチ材料が、溶融ガラスのプール表面上をフロートする際に溶融し、酸素気泡を移動させるステップが、溶融ガラスのプール表面下方の及び溶融バッチ材料から下流の位置から、溶融ガラスのプール表面に向かって溶融ガラスのプール内を上方に、間隔をあけた複数の酸素気泡流を移動させることによって実施され、気泡流が、溶融ガラスの方向又は流れを横断する線上にある、請求項19に記載の方法。
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