JP2012232375A - 幾何誤差同定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直角度誤差を同定するにあたって直角を形成する2軸平面において直角度誤差の影響が最も大きく現れる±45degのポイント(若しくは許容範囲内にある計測ポイント)での計測を必ず実行するようにした。したがって、直角度誤差の同定精度が極めて高い。また、直角度誤差の同定精度が高いが故に、直角度誤差の影響が大きいC軸やA軸に固有の幾何誤差の同定精度も向上することができる。
【選択図】図9
Description
そして、上記5軸制御マシニングセンタにおける幾何誤差を同定する方法としては、ボールバーと呼ばれる変位センサを用いて行う3軸円弧補間運動測定、すなわち直線軸2軸と回転軸1軸とを同期させて、テーブル上の所定点と主軸の相対間変位を保持したまま円運動させ、得られた円軌跡の中心偏差量から幾何誤差を同定する方法が一般的に知られている。しかしながら、この方法では、ボールバーという特殊な測定器が必要になるとともに、ボールバーの設置方法によって同定精度に与える影響が大きく、幾何誤差の正確な同定に高い技能が必要になるという問題がある。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御装置は、前記回転軸周りでの前記複数の割出角度を算出するにあたり、前記回転軸周りでの動作範囲と任意に設定される計測ポイント数とから等ピッチで前記複数の割出角度を算出する一方、前記第1割出角度が、前記複数の割出角度の中に存在するか否かを判断するとともに、前記第1割出角度が存在しない場合には、前記第1割出角度を計測ポイントとして追加して、前記タッチプローブを用いた計測を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御装置は、前記回転軸周りでの前記複数の割出角度を算出するにあたり、前記回転軸周りでの動作範囲と任意に設定される計測ポイント数とから等ピッチで前記複数の割出角度を算出する一方、前記第1割出角度が、前記複数の割出角度の中に存在するか否かを判断するとともに、前記第1割出角度が存在しない場合には、前記複数の割出角度のうち最も前記第1割出角度に近い割出角度を前記第1割出角度に置換して、前記タッチプローブを用いた計測を行うことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項4に記載の発明は、工具を装着する主軸と、ワークを保持するテーブルとが、少なくとも1つの回転軸と、前記回転軸に直交する平面内で互いに直交する2方向の並進軸とによって相対移動することにより前記ワークを前記工具で加工する多軸工作機械において、前記主軸又は前記テーブルの一方に取り付けられたターゲットの位置を前記回転軸周りで複数の割出角度に割り出すとともに、前記主軸又は前記テーブルの他方に取り付けられたタッチプローブを用いて、各割出角度での前記ターゲットの位置を計測することにより、前記平面内にある2つの軸間での傾き誤差を同定する制御装置を備えた幾何誤差同定装置であって、前記制御装置は、前記回転軸周りでの前記複数の割出角度を算出するにあたり、前記回転軸周りでの動作範囲と任意に設定される計測ポイント数とから等ピッチで前記複数の割出角度を算出する一方、前記平面において前記2つの軸間を二等分する角度上に前記ターゲットが位置する第1割出角度を求めるとともに、前記第1割出角度が、前記複数の割出角度に存在するか否かを判断し、前記第1割出角度が存在しない場合には更に前記複数の割出角度のうち最も前記第1割出角度に近い割出角度と前記第1割出角度との角度差が所定の許容範囲内にあるか否かを判断し、前記角度差が前記許容範囲内にない場合には前記第1割出角度を前記複数の割出角度に含め、少なくとも前記第1割出角度に前記ターゲットを割り出して前記タッチプローブを用いた計測を行い、前記傾き誤差を同定する一方、前記角度差が前記許容範囲内にある場合には前記第1割出角度を前記複数の割出角度に含めず、前記第1割出角度に前記ターゲットを割り出すことなく前記タッチプローブを用いた計測を行い、前記傾き誤差を同定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記並進軸が直交3軸であり、前記回転軸が前記並進軸の異なる何れかと平行である多軸工作機械における直交2軸間での傾き誤差を同定する幾何誤差同定装置であって、前記第1割出角度が、±45deg及び/又は±135degであることを特徴とする。
多軸工作機械1のベッド2の上面には、Y軸案内3、3が形成されており、該Y軸案内3、3には、トラニオン構造のAC軸ユニット4がY軸方向へ移動可能に設置されている。AC軸ユニット4は、前面視で左右方向に幅広なU字状に形成されたクレードル5を備えてなるもので、該クレードル5は、左右に内蔵されたA軸駆動機構(図示せず)により、X軸方向と平行なA軸(回転軸)周りに旋回傾斜可能となっている。また、AC軸ユニット4は、クレードル5の上面に加工対象となるワークを載置するためのテーブル6を備えており、該テーブル6は、クレードル5に内蔵されたC軸駆動機構(図示せず)により、Z軸と平行なC軸(回転軸)周りに360度回転可能となっている。
そして、上記多軸工作機械1は、テーブル6上に固定されるワークをA軸周り及びC軸周りで旋回・回転させるとともにY軸方向へと移動させる一方、工具を取り付けた主軸11をX軸及びZ軸へと移動させることにより、ワークに対して多面加工を施すようになっている。
YZ軸間での直角度誤差αの同定について説明する。
上述したような多軸工作機械1のXY平面においてXY軸間に直角度誤差γ[rad]が存在した場合、図2に示すような半径Rの円軌跡を描くと、XY平面における円軌跡の極座標をθ[deg]とすると、半径誤差ΔRは下記(式1)で表され、±45degの傾きをもった楕円となることが一般的に知られている。
AC軸ユニット4におけるクレードル5のA軸周りでの旋回動作は、テーブル6をC軸周りで回転させる場合と異なって動作範囲に制限がある上、A軸周りでの旋回動作中にクレードル5がラムサドル9と干渉するおそれ等もある。そこで、干渉等の問題を出来る限り回避すべく、図4に示すように、テーブル6のC軸周りでの回転角度を90degオフセットさせてから計測する方法を採用する。この場合、上記(式2)の状態からA軸周りでの旋回角度をAi、C軸周りでの回転角度をCiに夫々割り出した際におけるターゲット球21の中心座標[Xi Yi Zi]は下記(式4)で推定される。
また、上記実施形態では、割出条件リストを修正する際に、旋回割出角度AEを新たに割出条件リストに加えるにあたって動作経路の途中に加えるとしているが、加える位置は適宜変更可能であって、たとえば割出条件リストの最後に加えてもよい。
またさらに、許容範囲をどのように設定するかや、計測ポイント数を何個に設定するか等については、言うまでもなく上記実施形態のものに限定されない。
また、回転軸の1つであるA軸はクレードルの旋回軸に限定されず、360度回転可能な回転軸であってもよいし、ターゲットとタッチプローブの配置を入れ替えても幾何誤差の同定は可能である。
Claims (5)
- 工具を装着する主軸と、ワークを保持するテーブルとが、少なくとも1つの回転軸と、前記回転軸に直交する平面内で互いに直交する2方向の並進軸とによって相対移動することにより前記ワークを前記工具で加工する多軸工作機械において、前記主軸又は前記テーブルの一方に取り付けられたターゲットの位置を前記回転軸周りで複数の割出角度に割り出すとともに、前記主軸又は前記テーブルの他方に取り付けられたタッチプローブを用いて、各割出角度での前記ターゲットの位置を計測することにより、前記平面内にある2つの軸間での傾き誤差を同定する制御装置を備えた幾何誤差同定装置であって、
前記制御装置は、前記平面において前記2つの軸間を二等分する角度上に前記ターゲットが位置する第1割出角度を求め、少なくとも前記第1割出角度に前記ターゲットを割り出して前記タッチプローブを用いた計測を行い、前記傾き誤差を同定することを特徴とする幾何誤差同定装置。 - 前記制御装置は、前記回転軸周りでの前記複数の割出角度を算出するにあたり、前記回転軸周りでの動作範囲と任意に設定される計測ポイント数とから等ピッチで前記複数の割出角度を算出する一方、
前記第1割出角度が、前記複数の割出角度の中に存在するか否かを判断するとともに、前記第1割出角度が存在しない場合には、前記第1割出角度を計測ポイントとして追加して、前記タッチプローブを用いた計測を行うことを特徴とする請求項1に記載の幾何誤差同定装置。 - 前記制御装置は、前記回転軸周りでの前記複数の割出角度を算出するにあたり、前記回転軸周りでの動作範囲と任意に設定される計測ポイント数とから等ピッチで前記複数の割出角度を算出する一方、
前記第1割出角度が、前記複数の割出角度の中に存在するか否かを判断するとともに、前記第1割出角度が存在しない場合には、前記複数の割出角度のうち最も前記第1割出角度に近い割出角度を前記第1割出角度に置換して、前記タッチプローブを用いた計測を行うことを特徴とする請求項1に記載の幾何誤差同定装置。 - 工具を装着する主軸と、ワークを保持するテーブルとが、少なくとも1つの回転軸と、前記回転軸に直交する平面内で互いに直交する2方向の並進軸とによって相対移動することにより前記ワークを前記工具で加工する多軸工作機械において、前記主軸又は前記テーブルの一方に取り付けられたターゲットの位置を前記回転軸周りで複数の割出角度に割り出すとともに、前記主軸又は前記テーブルの他方に取り付けられたタッチプローブを用いて、各割出角度での前記ターゲットの位置を計測することにより、前記平面内にある2つの軸間での傾き誤差を同定する制御装置を備えた幾何誤差同定装置であって、
前記制御装置は、前記回転軸周りでの前記複数の割出角度を算出するにあたり、前記回転軸周りでの動作範囲と任意に設定される計測ポイント数とから等ピッチで前記複数の割出角度を算出する一方、
前記平面において前記2つの軸間を二等分する角度上に前記ターゲットが位置する第1割出角度を求めるとともに、前記第1割出角度が、前記複数の割出角度に存在するか否かを判断し、前記第1割出角度が存在しない場合には更に前記複数の割出角度のうち最も前記第1割出角度に近い割出角度と前記第1割出角度との角度差が所定の許容範囲内にあるか否かを判断し、前記角度差が前記許容範囲内にない場合には前記第1割出角度を前記複数の割出角度に含め、少なくとも前記第1割出角度に前記ターゲットを割り出して前記タッチプローブを用いた計測を行い、前記傾き誤差を同定する一方、前記角度差が前記許容範囲内にある場合には前記第1割出角度を前記複数の割出角度に含めず、前記第1割出角度に前記ターゲットを割り出すことなく前記タッチプローブを用いた計測を行い、前記傾き誤差を同定することを特徴とする幾何誤差同定装置。 - 前記並進軸が直交3軸であり、前記回転軸が前記並進軸の異なる何れかと平行である多軸工作機械における直交2軸間での傾き誤差を同定する幾何誤差同定装置であって、
前記第1割出角度が、±45deg及び/又は±135degであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の幾何誤差同定装置。
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JP2017061011A (ja) * | 2015-09-24 | 2017-03-30 | オークマ株式会社 | 工作機械の幾何誤差同定方法及び幾何誤差同定プログラム |
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