JP2012225986A - 定着用ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】カラー機にも十分対応できる優れた定着性を有する定着用ベルトを提供する。
【解決手段】チューブ状の基材、前記基材の外周に設けられる弾性層、及び前記弾性層の外周に設けられる表層を有する定着用ベルトであって、前記弾性層が、ゴムに充填剤を配合して形成されており、かつ前記弾性層の熱伝導率、密度及び比熱容量に基づいて式:(熱伝導率×密度×比熱容量)0.5で表わされる熱浸透率が、1.2以上であることを特徴とする定着用ベルト。
【選択図】 図1
【解決手段】チューブ状の基材、前記基材の外周に設けられる弾性層、及び前記弾性層の外周に設けられる表層を有する定着用ベルトであって、前記弾性層が、ゴムに充填剤を配合して形成されており、かつ前記弾性層の熱伝導率、密度及び比熱容量に基づいて式:(熱伝導率×密度×比熱容量)0.5で表わされる熱浸透率が、1.2以上であることを特徴とする定着用ベルト。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ等の画像形成装置、特に複数種のカラートナーを用いた画像形成装置において、被転写物上に転写されたトナー画像を、加熱して定着するために用いられる定着用ベルトに関する。
電子写真複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ等の画像形成装置において、その印刷・複写の最終段階では、加熱源を内部に設けた定着用ベルト(定着スリーブ)や定着ローラと、加圧ローラとを圧接させ、その間にトナー画像が転写された被転写物を通過させ、未定着のトナーを加熱溶融させる熱定着方式が一般的に行われている。ここで使用される定着用ベルトとしては、ポリイミド樹脂等からなる筒状の基材上に、弾性を付与するための樹脂層等を設け、さらに基材表面(被転写物に接する面)上に、離型性を付与するためにフッ素樹脂のコーティング層を設けてなるものが広く採用されている。
定着性を良好にするためには、ベルト内部に設けられた加熱源により被転写物が十分加熱される必要がある。そこで、定着用ベルトには優れた熱伝導性が求められる。さらに、複数種のカラートナーを用いた画像形成装置(カラー機)での定着では、定着時に複数種のカラートナーを溶融状態で混色する必要がある。そこで、この用途(カラー機対応)の定着用ベルトには、カラートナーを十分に包み込んで溶融・混色させることができる適度な弾力性も求められる。
このように、定着用ベルトには優れた熱伝導性と適度な弾力性が求められるので、この要請を満たすものとして、特許文献1では、チューブ状の基体の外周に耐熱性エラストマー層(弾性層)を設けさらにその上にフッ素樹脂層を設けた定着用ベルトであって、チューブ状基体、フッ素樹脂層及び耐熱性エラストマー層の厚さを規定し、かつ耐熱性エラストマーの厚さ、硬度及び熱伝導率の関係を所定の範囲内となるように規定した定着用ベルト(請求項2)が提案されている。
又、特許文献2には、金属チューブまたは耐熱プラスチックチューブの外周に耐熱性エラストマー層が形成され、さらにその外周にシリコーンゴムまたはフッ素樹脂の層が形成された積層構造を有する定着用ベルトであって、荷重に対する歪み量、各層の厚さ及び耐熱エラストマー層の硬度や熱伝導度が、所定の範囲内である定着用ベルトが開示されている(請求項1)。そして、耐熱性エラストマー層の熱伝導度を所定の範囲内とするために、シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド等の高熱伝導充填剤を配合する方法が提案されている(段落0012)。
さらに、特許文献3では、チューブ状の基材、前記基材の外周に設けられる弾性層、及び前記弾性層の外周に設けられる表層を有する定着用ベルトであって、前記弾性層は、ゴムに充填剤とカーボンナノチューブを配合して形成されており、前記弾性層中の、前記充填剤の体積%をX、前記カーボンナノチューブの体積%をYとしたとき、10X+3Y<750、3X+30Y>170、及びY>0.1を満たすことを特徴とする定着用ベルトが開示されている。そして、この構成により、高い熱伝導率と適度な弾力性を両立でき、かつ機械的強度も低下しないと述べられている。
上記のように、従来は、定着用ベルトの高い熱伝導率により優れた定着性の達成を図っていた。しかし、本発明者の検討により、熱伝導率が高いだけでは十分な定着性が得られない場合があることが判明した。本発明は、熱伝導率に代わる指標であってより確実に優れた定着性を与えることができる指標の範囲に基づき、高速印刷に耐えうる優れた定着性を与えることができる定着用ベルトを提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、定着用ベルトの弾性層の熱伝導率、密度及び比熱容量に基づいて、式:(熱伝導率×密度×比熱容量)0.5で表わされる熱浸透率が高い場合は、優れた定着性を示す定着用ベルトが得られることを見出した。そして、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性エラストマーを用いて弾性層を形成しこの熱浸透率を1.2以上とすれば、高速印刷に耐えうる定着性の高い定着ベルトが得られることを見出し、以下に示す構成からなる本発明を完成した。
請求項1に記載の発明は、チューブ状の基材、前記基材の外周に設けられる弾性層、及び前記弾性層の外周に設けられる表層を有する定着用ベルトであって、前記弾性層が、耐熱性エラストマーに充填剤を配合して形成されており、かつ前記弾性層の熱伝導率、密度及び比熱容量に基づいて式:(熱伝導率×密度×比熱容量)0.5で表わされる熱浸透率が、1.2以上であることを特徴とする定着用ベルトである。
弾性層の熱浸透率を1.2以上とすることにより、高速印刷に耐えうる優れた定着性を与えることができる定着ベルトとすることができる。なお熱伝導率は単位W/m・K、密度は単位kg/m3、比熱容量は単位J/Kg・Kで表した値で熱浸透率を計算する。
請求項2に記載の発明は、前記熱浸透率が、2.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の定着用ベルトである。弾性層の熱浸透率を2.0以上とすることにより、さらに優れた定着性を与えることができる定着ベルトとすることができる。
請求項3に記載の発明は、前記充填剤が、比重3.0以上の充填剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着用ベルトである。前記弾性層の熱浸透率を高くする方法としては、高比重、高熱伝導率の充填剤(フィラー)を、弾性層を構成するマトリックス材中に配合する方法、及びマイクロバルーンのような高比熱容量のフィラーをマトリックス材中に配合する方法等を挙げることができる。特に、比重3.0以上の高比重の充填剤を配合すると熱浸透率を高くしやすいので好ましい。より好ましくは比重5.0以上の充填剤を、さらに好ましくは比重7.0以上の充填剤を配合する場合である。
請求項4に記載の発明は、前記充填剤が、酸化亜鉛、鉄、銅又は鉄シリコン合金の粉末であることを特徴とする請求項3に記載の定着用ベルトである。高比重の充填剤としては、酸化亜鉛、鉄、銅又は鉄シリコン合金の粉末が好ましく用いられる。充填剤としてはこの他に、アルミナ、金属ケイ素、炭化ケイ素等を用いることができる。
前記弾性層を構成するマトリックス材としては、従来の定着用ベルトにおいて、弾性を付与する樹脂層のマトリックス材として用いられている耐熱性エラストマーを用いることができる。耐熱性エラストマーとしては、定着用ベルトの製造や使用時における加熱によっても劣化しにくくかつ高い弾性を有するものが好ましい。必ずしも加硫ゴムに限定されない。耐熱性エラストマーとして、シリコーンゴム又はフッ素ゴムは、耐熱性に優れるので好ましく用いられる。請求項5に記載の発明は、この好ましい態様に該当し、前記弾性層を構成するマトリックス材が、シリコーンゴム又はフッ素ゴムであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の定着用ベルトである。
前記表層の材質としては、トナー離型性が優れかつ耐久性やカラートナーの定着性にも優れるフッ素樹脂が好ましく用いられる。
前記チューブ状(筒状)の基材としては、柔軟な材質からなるチューブ状の基材や円筒状の基材を挙げることができる。従って、本発明の定着用ベルトとしては、柔軟な材質からなるチューブ状の基材、その外周に設けられた弾性層、さらにその弾性層の外周に表層を形成した構造の定着スリーブや、円筒状の基材、その外周に設けられた弾性層、さらにその弾性層の外周側に表層を形成した構造の定着ローラ等を挙げることができる。
前記チューブ状の基材の材質としては、具体的には、金属チューブ又は耐熱性プラスチックチューブを用いることができるが、柔軟な材質からなるチューブ状の基材としては、ポリイミド又はポリアミドイミドからなる筒状のフィルム(チューブ)が優れた耐熱性及び機械的強度を有するので好ましく用いられる。機材の熱伝導性を向上するために、機械的強度が許容する範囲で無機フィラー等を添加してもよい。円筒状の基材としては金属管等も用いることができる。
本発明の定着用ベルトでは、各層間の接着性が不十分な場合、プリンタ(コピー機)使用中に層間の剥離が生じる場合がある。そこで、通常、各層間の接着性向上等のために、基材と弾性層間及び弾性層と表層間にプライマー層が設けられている。
なお、基材と弾性層間に設けられるプライマー層を下部プライマー層と言い、弾性層と表層間に設けられるプライマー層を上部プライマー層と言う。プライマー層の材質は、特に限定されないが、接着力の面からは、下部プライマー層にはゴム系プライマーが、上部プライマー層にはフッ素系プライマーが好ましい。
ゴム系プライマー用樹脂としては市販されているものを用いることができるが、好ましくは、基材に合わせてその種類が選択される。例えば、基材が金属であれば、好ましいゴム系プライマー用樹脂としては、X−33−173(信越シリコーン社製)を挙げることができ、基材がポリイミド等の樹脂の場合は、X−33−174(信越シリコーン社製)を挙げることができる。
なお、前記弾性層を構成するゴムとしてシリコーンゴムを選択し、シリコーンゴム中にシランカップリング剤等の接着成分を適量加える方法、又は下部プライマー層にシリコーンゴムを加える方法等によっても、基材/下部プライマー層/弾性層間の密着力が向上する。
本発明の定着用ベルトの製造方法は特に限定されない。例えば、最内層となるチューブ状の基材又は円筒状の基材の外周に、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性エラストマーに加硫剤及び前記熱浸透率を高めるためのフィラー等を配合した樹脂組成物を、ディスペンサーにて塗布した後加硫して弾性層を形成し、次いでこの弾性層上に、フッ素樹脂の分散液を塗布し熱処理して焼結させ表層を形成して製造することができる。好ましくは、各層間の接着性を向上させるために、耐熱性エラストマーを塗布する前に、基材の外周に下部プライマー層を形成し、又、フッ素樹脂の分散液を塗布する前に、弾性層の外周に上部プライマー層を形成する。
加硫剤及び前記熱浸透率を高めるためのフィラー等を配合した耐熱性エラストマーの組成物からなる熱収縮性チューブを作成し、これを基材(又は、下部プライマー層が形成された基材)の外周に被せ熱収縮させることにより弾性層を形成してもよい。
本発明の定着用ベルトは、各種画像形成装置の定着部において使用される。定着部では、定着用ベルト内に加熱源が設けられ、定着用ベルトは、ゴムローラ等からなる加圧ローラと対向・圧接され、その間にトナー画像が転写された被転写物が通過し未定着のトナーを加熱溶融して定着する。
本発明の定着用ベルトは、近年の印刷スピードの高速化にも対応するような優れた定着性を有する。
次に、本発明を実施するための形態につき説明するが、本発明の範囲はこの形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を損ねない範囲で変更されたものも本発明に含まれる。
図1は、本発明の定着用ベルト(ローラ)の一例を模式的に示す図であり、定着用ベルトの回転軸に直交する断面図である。図1において、1は基材であり、3は弾性層であり、5は表層である。さらに、基材1と弾性層3の間及び弾性層3と表層5の間には、接着性向上のためのプライマー層2(下部プライマー)及びプライマー層4(上部プライマー)がそれぞれ設けられている。
図1の例における基材1は、ポリイミド樹脂からなるエンドレスベルトである。基材1としては、他に、樹脂製や金属製の円筒や円柱状の固体(ローラ)を用いることもできる。又、エンドレスベルトの樹脂材料として、ポリイミド樹脂の代わりにポリアミドイミド樹脂等を用いることもできるが、耐熱性、弾性率、強度等の面からは、ポリイミド樹脂が好ましい。
基材1は、金属製の円筒状芯体の外周面に、適量の熱伝導性改善用のフィラーを配合したポリイミド前駆体(ポリアミック酸)の有機溶媒溶液(ポリイミドワニス)をディスペンサー法で塗布し、350℃から450℃程度に加熱し、前記前駆体を脱水、閉環させポリイミド化させて形成したものである。ポリイミドワニスとしては、宇部興産UワニスSを挙げることができ、有機溶媒としてはN−メチル−2−ピロリドンやジメチルアセトアミド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
このようなポリイミド樹脂からなるエンドレスベルトの厚さは、耐久性と弾力性の面から30〜80μm程度が好ましい。
弾性層3を構成するマトリックス材としては、前記のように、耐熱性に優れたシリコーンゴムやフッ素ゴムが好ましい。シリコーンゴム層を基材1側に配置しその上にフッ素ゴム層を表層側に配置した2層構造とすることもできる。この2層構造の弾性層は、表層5側にフッ素ゴム層があるためフッ素樹脂をマトリックス材とする表層5との接着性に優れ、さらにフッ素ゴムは耐熱性が良好であるため、表層形成時の熱でシリコーンゴム層が受ける損傷が防止されるとともに、シリコーンゴム層があるため弾力性の点でも好ましい。
優れた熱伝導と適度な弾性を与えるために、弾性層3の厚さは、0.1〜0.5mmであるのが好ましく、0.2mm以上であるのがさらに好ましい。
弾性層3の外周側に設けられる表層5の材質として用いられるフッ素樹脂としては、四弗化エチレン樹脂(PTFE)、四弗化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合体等が挙げられる。特に、耐熱性の点からPTFEまたはPFAを用いることが好ましい。
フッ素樹脂からなる表層5の厚さは、10〜50μmが好ましく、より好ましくは10〜35μm、さらに好ましくは10〜25μmである。フッ素樹脂層の厚さが薄すぎると耐久性に劣り、複写枚数が多くなるにつれて早期に摩耗して離型性が損なわれるおそれがある。フッ素樹脂層の厚さが厚すぎると、定着用ベルト表面が硬くなり、カラートナーの定着性が低下する。
実施例1〜21及び比較例1〜3
以下に示す手順にて、図1で表される定着用ベルト(すなわち、基材1、プライマー層2、弾性層3、プライマー層4、表層5を有する定着用スリーブ)を作製した。
以下に示す手順にて、図1で表される定着用ベルト(すなわち、基材1、プライマー層2、弾性層3、プライマー層4、表層5を有する定着用スリーブ)を作製した。
[基材1の作製]
金属製の円筒状芯体の外周面に、適量の熱伝導性改善用のフィラーを配合したポリイミド前駆体の有機溶媒溶液(ポリイミドワニス、宇部興産社製、商品名:UワニスS)をディスペンサー法で塗布し、350℃から450℃程度に加熱し、前記前駆体を脱水、閉環させポリイミド化させた後、円筒状芯体から取り外してチューブ状の基材1を得た。なお、この基材1の寸法は、厚さ50μm、内径26mm、長さ24cmである。
金属製の円筒状芯体の外周面に、適量の熱伝導性改善用のフィラーを配合したポリイミド前駆体の有機溶媒溶液(ポリイミドワニス、宇部興産社製、商品名:UワニスS)をディスペンサー法で塗布し、350℃から450℃程度に加熱し、前記前駆体を脱水、閉環させポリイミド化させた後、円筒状芯体から取り外してチューブ状の基材1を得た。なお、この基材1の寸法は、厚さ50μm、内径26mm、長さ24cmである。
[プライマー層2の形成]
信越シリコーン社製X−33−174A/B(ゴム系プライマー)を、上記で得られた基材の外周上に塗布し、30分以上風乾してプライマー層2(下部プライマー層)を形成した。
信越シリコーン社製X−33−174A/B(ゴム系プライマー)を、上記で得られた基材の外周上に塗布し、30分以上風乾してプライマー層2(下部プライマー層)を形成した。
[弾性層3の作製]
周知の2液状シリコーンゴムに、表1〜5に記載の充填剤A及び充填剤Bを、表1〜5に記載の組成で添加し、自転公転型攪拌機により混合した。得られた混合物を、上記で得られたプライマー層2の外周面に、ディスペンサーにて塗布後、熱加硫により成形し、厚さ275μmの弾性層3を得た。なお、充填剤A及び充填剤Bとして用いた充填剤を以下に示す。
周知の2液状シリコーンゴムに、表1〜5に記載の充填剤A及び充填剤Bを、表1〜5に記載の組成で添加し、自転公転型攪拌機により混合した。得られた混合物を、上記で得られたプライマー層2の外周面に、ディスペンサーにて塗布後、熱加硫により成形し、厚さ275μmの弾性層3を得た。なお、充填剤A及び充填剤Bとして用いた充填剤を以下に示す。
(充填剤)
1.アルミナ:昭和電工社製のアルミナCB−A10(商品名)、形状:球、平均粒径:10mm(以下の表中では「アルミナ」と示す。)
2.金属ケイ素粉末:キンセイマテック社製のM−Si#600(商品名)、破砕形状、平均粒径:約6.0μm(以下の表中では「金属Si」と示す。)
3.SiC:平均粒径1μmのSiC
4.酸化亜鉛:ハクスイテック社製、大粒子酸化亜鉛、平均粒径:16.8μm
5.銅粉:福田金属箔社製、Cu−HWQ、平均粒径:5μm
6.鉄粉:ヘガネス社製、S110i、平均粒径:40μm
7.鉄シリコン合金粉:エプソンアトミックス社製、Fe−6.5%Si粉末、平均粒径:10μm
1.アルミナ:昭和電工社製のアルミナCB−A10(商品名)、形状:球、平均粒径:10mm(以下の表中では「アルミナ」と示す。)
2.金属ケイ素粉末:キンセイマテック社製のM−Si#600(商品名)、破砕形状、平均粒径:約6.0μm(以下の表中では「金属Si」と示す。)
3.SiC:平均粒径1μmのSiC
4.酸化亜鉛:ハクスイテック社製、大粒子酸化亜鉛、平均粒径:16.8μm
5.銅粉:福田金属箔社製、Cu−HWQ、平均粒径:5μm
6.鉄粉:ヘガネス社製、S110i、平均粒径:40μm
7.鉄シリコン合金粉:エプソンアトミックス社製、Fe−6.5%Si粉末、平均粒径:10μm
得られた弾性層3の熱伝導率、密度、比熱容量を以下に示す方法により測定した。その結果を、表1〜5に示す。
(熱伝導率の測定方法)
熱伝導率は、アルバック理工社製の周期的加熱法測定装置FTC−1により測定して得られた熱拡散率に、JIS K 7123により測定した比熱及びJIS K 7112A法により測定した密度を掛け合わせた値である。
(比熱容量の測定方法)
JIS K 7123により測定した。
熱伝導率は、アルバック理工社製の周期的加熱法測定装置FTC−1により測定して得られた熱拡散率に、JIS K 7123により測定した比熱及びJIS K 7112A法により測定した密度を掛け合わせた値である。
(比熱容量の測定方法)
JIS K 7123により測定した。
[プライマー層4の形成]
デュポン社製PL−992CL(フッ素系プライマー)を、上記で得られた弾性層3の外周上に塗布し、220℃×2時間で乾燥して、厚さ5μmのプライマー層4(上部プライマー層)を形成した。
デュポン社製PL−992CL(フッ素系プライマー)を、上記で得られた弾性層3の外周上に塗布し、220℃×2時間で乾燥して、厚さ5μmのプライマー層4(上部プライマー層)を形成した。
[表層5の作製]
上記で得られたプライマー層4の上に、フッ素樹脂塗料(PFA:デュポン社製EM−565CL)を塗布して、約340℃で処理し、表層5(フッ素樹脂層)を形成し、図1で表される定着用ベルトを得た。フッ素樹脂層の厚さは、15μmであった。
上記で得られたプライマー層4の上に、フッ素樹脂塗料(PFA:デュポン社製EM−565CL)を塗布して、約340℃で処理し、表層5(フッ素樹脂層)を形成し、図1で表される定着用ベルトを得た。フッ素樹脂層の厚さは、15μmであった。
上記のようにして製作した定着用ベルトについて、以下に示す方法で定着性及び耐久性(機械的強度)を測定した。その結果を表1〜5に示す。
(定着性の評価)
製作した定着用ベルトを用いて実際にカラー画像を印刷して評価した。印刷時の表面温度は150℃、押圧力は6kgとした。又、印刷時の通紙の条件は、A4の印刷用紙を連続10枚、25枚/分で印刷し、色むらの有無とざらつきの有無を目視により判定した。その結果を、以下の基準に基づいて、表1〜5に示す。
◎:色むらとざらつきがない。
○:色むらはないがざらつきがある。
×:色むらとざらつきのいずれもがある。
製作した定着用ベルトを用いて実際にカラー画像を印刷して評価した。印刷時の表面温度は150℃、押圧力は6kgとした。又、印刷時の通紙の条件は、A4の印刷用紙を連続10枚、25枚/分で印刷し、色むらの有無とざらつきの有無を目視により判定した。その結果を、以下の基準に基づいて、表1〜5に示す。
◎:色むらとざらつきがない。
○:色むらはないがざらつきがある。
×:色むらとざらつきのいずれもがある。
(耐久性の評価)
上記で製作した定着用ベルトを用いて実際にカラー画像を印刷した。印刷時の表面温度は150℃、押圧力は6kgとした。又、印刷時の通紙の条件は、A4の印刷用紙を25枚/分で連続印刷し、定着ベルトの基材1/プライマー層2/弾性層3間の剥離の有無を目視にて確認し、以下の評価基準に基づき評価した。
上記で製作した定着用ベルトを用いて実際にカラー画像を印刷した。印刷時の表面温度は150℃、押圧力は6kgとした。又、印刷時の通紙の条件は、A4の印刷用紙を25枚/分で連続印刷し、定着ベルトの基材1/プライマー層2/弾性層3間の剥離の有無を目視にて確認し、以下の評価基準に基づき評価した。
[評価基準]
○:殆ど剥離が生じない。
△:剥離を生じる場合があるが、実用に差し支えないレベルである。
×:剥離が多数発生し、実用レベルにない。
○:殆ど剥離が生じない。
△:剥離を生じる場合があるが、実用に差し支えないレベルである。
×:剥離が多数発生し、実用レベルにない。
表1〜5より次が示されている。
・熱浸透率が1.2未満の比較例1、2、3では、定着性が悪く、カラー機用の定着用ベルトとしては使用困難である。
・一方、熱浸透率が1.2以上の実施例1〜21は、いずれも定着性は良く、カラー機用の定着用ベルトとして使用可能であり、又、耐久性も使用可能なレベルである。
・中でも、熱浸透率が2.0以上の実施例10、12、14、16、20、21は、特に良好な定着性を示している。
・熱浸透率が1.2未満の比較例1、2、3では、定着性が悪く、カラー機用の定着用ベルトとしては使用困難である。
・一方、熱浸透率が1.2以上の実施例1〜21は、いずれも定着性は良く、カラー機用の定着用ベルトとして使用可能であり、又、耐久性も使用可能なレベルである。
・中でも、熱浸透率が2.0以上の実施例10、12、14、16、20、21は、特に良好な定着性を示している。
1 基材
2 下部プライマー層
3 弾性層
4 上部プライマー層
5 表層
2 下部プライマー層
3 弾性層
4 上部プライマー層
5 表層
Claims (5)
- チューブ状の基材、前記基材の外周に設けられる弾性層、及び前記弾性層の外周に設けられる表層を有する定着用ベルトであって、前記弾性層が、耐熱性エラストマーに充填剤を配合して形成されており、かつ前記弾性層の熱伝導率、密度及び比熱容量に基づいて式:(熱伝導率×密度×比熱容量)0.5で表わされる熱浸透率が、1.2以上であることを特徴とする定着用ベルト。
- 前記熱浸透率が、2.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の定着用ベルト。
- 前記充填剤が、比重3.0以上の充填剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着用ベルト。
- 前記充填剤が、酸化亜鉛、鉄、銅又は鉄シリコン合金の粉末であることを特徴とする請求項3に記載の定着用ベルト。
- 前記弾性層を構成するマトリックス材が、シリコーンゴム又はフッ素ゴムであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の定着用ベルト。
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Cited By (6)
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