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JP2012224150A - 車両制御装置 - Google Patents

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JP2012224150A JP2011092114A JP2011092114A JP2012224150A JP 2012224150 A JP2012224150 A JP 2012224150A JP 2011092114 A JP2011092114 A JP 2011092114A JP 2011092114 A JP2011092114 A JP 2011092114A JP 2012224150 A JP2012224150 A JP 2012224150A
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Abstract

【課題】車両制御装置において、駆動源の停止時における振動の発生を抑制することでドライバビリティを向上する。
【解決手段】車両10に搭載されたエンジン11にトルクコンバータ12及び動力伝達クラッチ13を介して変速機14を連結し、この変速機14に減速・差動機構15を介して駆動輪16を連結し、エンジン停止許可条件が成立したかどうかを判定するエンジン停止判断部66と、エンジン停止許可条件が成立したときにエンジン11を自動停止可能なエンジン制御部(自動停止手段)67と、エンジン制御部67によりエンジン11を自動停止する前に変速機14の振動を考慮して動力伝達クラッチ13を開放するクラッチ制御部(クラッチ開放手段)68を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両制御装置に関する。
車両制御装置において、車両における所定の運転条件下で、エンジンを自動的に停止してエコラン運転を可能とするものが各種提案されている。このエコラン運転では、燃料の供給を停止することから、燃費の向上を可能とすることができる。
このようなエコラン運転を可能とする従来の技術としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された制動力回生装置は、回転トルクを発生する動力源と、この動力源に接続されて回転トルクの伝達を制御するクラッチ手段と、クラッチ手段に接続された変速手段と、変速手段に接続された車輪と、クラッチ手段に接続されてクラッチ手段の動力源側回転数とクラッチ手段の変速手段側回転数の高い方から回転トルクを取り出す回転数選択手段と、回転数選択手段に接続されて取り出された回転トルクが伝達される発電機とから構成されている。
特開2009−207243号公報
上述した従来の制動力回生装置にて、車両の走行中に所定のエンジン停止条件が成立したら、燃料供給を停止してエンジンを停止するが、このとき、エンジン側から車輪側に大きなショックが発生することから、エンジンを停止する前にクラッチ手段を開放(切断)する必要がある。ところが、エンジンの駆動中にクラッチ手段を開放すると、駆動伝達系に入力するトルクが急変することから、この駆動伝達系に振動が発生し、ドライバビリティが悪化してしまうという問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、駆動源の停止時における振動の発生を抑制することでドライバビリティを向上する車両制御装置を提供することを目的とする。
本発明の車両制御装置は、車両に搭載される駆動源と、前記駆動源の駆動力を車輪に伝達する駆動力伝達系と、前記駆動源と前記駆動力伝達系との間に設けられるクラッチと、前記車両の運転状態に応じて前記駆動源を自動停止可能な自動停止手段と、前記自動停止手段により前記駆動源を自動停止する前に前記駆動力伝達系の振動を考慮して前記クラッチを開放するクラッチ開放手段と、を備えることを特徴とする。
上記車両制御装置にて、前記クラッチは、摩擦係合式のクラッチであり、前記クラッチ開放手段は、前記駆動力伝達系の回転数が変動しないようにクラッチ係合圧の減少速度を設定することが好ましい。
上記車両制御装置にて、前記クラッチは、摩擦係合式のクラッチであり、前記クラッチ開放手段は、クラッチ係合圧を予め設定されたクラッチ開放圧まで減少し、予め設定された所定時間の経過後にクラッチ係合圧を減少させることが好ましい。
上記車両制御装置にて、前記クラッチ開放手段は、前記所定時間の経過中にクラッチ係合圧を微小減少させることが好ましい。
上記車両制御装置にて、前記クラッチは、摩擦係合式のクラッチであり、前記クラッチ開放手段は、前記駆動力伝達系の回転数変動が収束する方向にクラッチ係合圧を増減させることが好ましい。
本発明に係る車両制御装置は、車両の運転状態に応じて駆動源を自動停止可能とすると共に、この駆動源を自動停止する前に駆動力伝達系の振動を考慮してクラッチを開放するので、駆動源の停止時における振動の発生を抑制することでドライバビリティを向上することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態1に係る車両制御装置を表す概略構成図である。 図2は、実施形態1の車両制御装置を表す制御ブロック図である。 図3は、実施形態1の車両制御装置によるエンジン停止制御の処理の流れを表すフローチャートである。 図4は、実施形態1の車両制御装置によるエンジン停止制御時におけるタイムチャートである。 図5は、本発明の実施形態2に係る車両制御装置によるエンジン停止制御の処理の流れを表すフローチャートである。 図6は、実施形態2の車両制御装置によるエンジン停止制御時におけるタイムチャートである。 図7は、本発明の実施形態3に係る車両制御装置を表す制御ブロック図である。 図8は、実施形態3の車両制御装置によるエンジン停止制御の処理の流れを表すフローチャートである。 図9は、実施形態3の車両制御装置によるエンジン停止制御時におけるタイムチャートである。
以下に、本発明に係る車両制御装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施形態1に係る車両制御装置を表す概略構成図、図2は、実施形態1の車両制御装置を表す制御ブロック図、図3は、実施形態1の車両制御装置によるエンジン停止制御の処理の流れを表すフローチャート、図4は、実施形態1の車両制御装置によるエンジン停止制御時におけるタイムチャートである。
実施形態1の車両制御装置において、図1に示すように、車両10は、エンジン11と、トルクコンバータ12と、動力伝達クラッチ13と、変速機14と、減速・差動機構15と、駆動輪16とを搭載している。ここで、エンジン11が本発明の駆動源として機能し、変速機14及び減速・差動機構15が本発明の駆動力伝達系として機能する。
エンジン11は、車両10の動力源であり、燃料の燃焼エネルギをクランクシャフト(出力軸)21の回転運動に変換して出力することができる。トルクコンバータ12は、オイル(作動流体)を介して動力を伝達する流体伝達装置であり、ポンプインペラ31とタービンランナ32を有している。ポンプインペラ31は、エンジン11のクランクシャフト21と接続されており、タービンランナ32は、動力伝達クラッチ13と連結軸33により連結されている。従って、エンジン11からポンプインペラ31に入力される回転は、作動流体を介してタービンランナ32に伝達され、連結軸33を介して動力伝達クラッチ13に入力される。
動力伝達クラッチ13は、摩擦係合式のクラッチ装置であり、開放することでエンジン11と変速機14との動力伝達を遮断することができる。この動力伝達クラッチ13は、入力側係合部材41と出力側係合部材42を有している。入力側係合部材41は、連結軸33によりタービンランナ32と連結されており、出力側係合部材42は、変速機14と連結されている。また、この動力伝達クラッチ13は、油圧または電磁力などにより作動するアクチュエータにより入力側係合部材41と出力側係合部材42とが接近離反可能となっている。従って、動力伝達クラッチ13は、このアクチュエータが作用させるクラッチ圧(クラッチ係合圧)に応じて、完全係合状態、半係合状態、開放状態との間で切替わることができる。なお、アクチュエータは、半係合状態における動力伝達クラッチ13の係合度合い、即ち、スリップ量やスリップ率を制御可能となっている。
変速機14は、ベルト式無段変速機であって、エンジン11と駆動輪16、具体的には、動力伝達クラッチ13と減速・差動機構15とを接続するものである。変速機14は、プライマリプーリ51とセカンダリプーリ52とベルト53と図示しない油圧制御装置を有している。プライマリプーリ51は、プライマリ固定シーブ51aとプライマリ可動シーブ51bとプライマリシャフト51cを有する。セカンダリプーリ52は、セカンダリ固定シーブ52aとセカンダリ可動シーブ52bとセカンダリシャフト52cを有している。そして、プライマリ固定シーブ51aとプライマリ可動シーブ51bとの間に形成された略V字形状のプライマリ溝と、セカンダリ固定シーブ52aとセカンダリ可動シーブ52bとの間に形成された略V字形状のセカンダリ溝との間に、無端のベルト53が掛け回されている。変速機14は、このベルト53を介して、プライマリプーリ51からセカンダリプーリ52に動力が伝達される。
油圧制御装置は、プライマリプーリ51及びセカンダリプーリ52に供給する油圧を制御することで、変速機14の変速比を制御可能となっている。ここで、変速比は、入力軸であるプライマリシャフト51cの回転速度を、出力軸であるセカンダリシャフト52cの回転速度で除算した値である。つまり、変速比は、プライマリシャフト51cとセカンダリシャフト52cとの回転速度比に相当する。従って、油圧制御装置は、供給油圧を調節し、プライマリ溝の溝幅とセカンダリ溝の溝幅を変化させることで、変速比を無段階に変化させることができる。
減速・差動機構15は、変速機14におけるセカンダリシャフト52cと駆動輪16とを連結するものであり、ギヤの組合せによる減速機構及び差動機構を有している。従って、変速機14から入力される回転は、減速・差動機構15により減速され、且つ、左右の駆動輪16に分配される。
車両10は、図2に示すように、電子制御ユニット(ECU)61を搭載しており、このECU61は、エンジン11、動力伝達クラッチ13、変速機14を制御することができる。ECU61は、ドライバによるエンジン11の操作状態やこのエンジン11の運転状態に基づいて、インジェクタによる燃料噴射量、燃料噴射タイミング、点火プラグによる点火時期などを制御することができる。
また、ECU61は、車両10を制御することで、減速エコラン制御やフリーラン制御(以下、エコラン制御)を実行することができる。このエコラン制御は、動力伝達クラッチ13を開放してエンジン11と変速機14との動力伝達を遮断し、その後、エンジン11を停止させた状態で車両10を惰性走行させるものである。このエコラン制御は、エンジン11における燃料消費が停止することで、燃費の向上を図ることができる。
即ち、ECU61は、車両10の走行中に、エンジン自動停止条件(例えば、ドライバによるアクセルペダルが所定時間踏込まれていないなど)が成立すると、動力伝達クラッチ13を開放してエンジン11を自動停止する。また、ECU61は、エンジン11が自動停止した車両10の走行中に、エンジン自動始動条件(例えば、ドライバによるアクセルペダルの踏込みなど)が成立すると、動力伝達クラッチ13を接続してエンジン11を自動始動する。ECU61がエンジン11を自動停止するときには、エンジン11への燃料供給と点火を停止する。
具体的に説明すると、ECU61は、ブレーキセンサ62、アクセル操作量センサ63、車速センサ64、勾配センサ65が接続されている。ブレーキセンサ62は、ブレーキペダルに対する操作量やブレーキ操作の有無を検出することができる。ブレーキペダルに対する操作量は、例えば、ブレーキペダルのペダルストロークやブレーキペダルに入力される踏力などである。また、ブレーキ操作の有無は、例えば、スイッチによって検出される。アクセル操作量センサ63は、アクセルペダルに対する操作量、例えば、アクセル開度を検出することができる。車速センサ64は、車両10の走行速度を検出することができ、また、各車輪の回転速度に基づいて車速を検出する。
勾配センサ65は、車両10が走行している路面の勾配を検出することができる。この勾配センサ65は、例えば、車両10の前後方向の傾きに基づいて、車両10が走行する道路の表面の勾配を検出または推定する。ECU61は、各センサ62,63,64,65の検出結果を示す信号が入力される。
また、ECU61は、エンジン停止判断部66を有している。このエンジン停止判断部66は、ブレーキセンサ62、アクセル操作量センサ63、車速センサ64、勾配センサ65のそれぞれの検出結果に基づいてエンジン11を停止するか否かを判断する。即ち、エンジン停止判断部66は、例えば、ブレーキペダルが踏み込まれている条件、アクセル開度が0である条件、車速が所定車速以下で走行している条件、路面の勾配が所定範囲内である条件を含むエンジン停止許可条件を有し、この全ての条件が成立すると、エンジン11を停止してエコラン制御を実行すると判断する。
ECU61は、エンジン11を制御するエンジン制御部67、動力伝達クラッチ13を制御するクラッチ制御部68、変速機14を制御する変速機制御部69を有している。ここで、エンジン制御部は、本発明の自動停止手段として機能し、クラッチ制御部68は、本発明のクラッチ開放手段として機能する。
エンジン制御部67は、エンジン停止判断部66がエンジン11を停止しないと判断した場合、目標トルクに基づいてエンジン制御量を決定し、決定したエンジン制御量に基づいてエンジン11を制御する。このエンジン制御量は、例えば、燃料の噴射制御に係る制御量や点火制御に係る制御量である。また、クラッチ制御部68は、エンジン停止判断部66がエンジン11を停止しないと判断した場合、目標クラッチ油圧に基づいて動力伝達クラッチ13を制御する。また、変速機制御部69は、目標回転数に基づいて変速機制御量を決定し、決定した変速機制御量に基づいて無段変速機14を制御する。変速機制御量は、例えば、変速比や変速比の変化速度(変速速度)を実現するための油圧制御量である。
また、エンジン制御部67は、エンジン停止判断部66がエンジン11を停止すると判断した場合、目標トルクに拘わらずエンジン制御量を0とし、燃料噴射及び点火を停止するようにエンジン11を制御する。クラッチ制御部68は、エンジン停止判断部66がエンジン11を停止すると判断した場合、エンジン11を停止するための目標クラッチ油圧に基づいて動力伝達クラッチ13を制御する。即ち、クラッチ制御部68は、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧が所定の割合で減少するように目標クラッチ油圧を設定し、動力伝達クラッチ13を制御する。
ところで、車両10の走行中にエンジン停止許可条件が成立したら、動力伝達クラッチ13を開放してからエンジン11を停止するが、このとき、エンジン11の駆動中に動力伝達クラッチ13を開放すると、エンジン11から変速機14側に入力するトルクが急変することから、この変速機14の入力軸、つまり、プライマリプーリ51のプライマリシャフト51cに振動が発生することがある。
そこで、実施形態1では、ECU61におけるクラッチ制御部68は、エンジン停止判断部66がエンジン11を停止すると判断したとき、エンジン制御部67がエンジン11を自動停止する前に変速機14の振動を考慮して動力伝達クラッチ13を開放する。具体的に、クラッチ制御部68は、変速機14におけるプライマリシャフト51cの回転数が変動しないように動力伝達クラッチ13のクラッチ圧の減少速度を設定する。
以下、実施形態1の車両制御装置によるエンジン停止制御について、図3のフローチャートを用いて詳細に説明する。
実施形態1の車両制御装置において、図3に示すように、ステップS11にて、エンジン停止判断部66は、走行する車両10にて、エンジン停止許可条件が成立したかどうかを判定する。ここで、エンジン停止許可条件が成立していないと判定されたら、ステップS14に移行し、エンジン制御部67とクラッチ制御部68と変速機制御部69は、エンジン11と動力伝達クラッチ1と変速機14を通常通りに制御する。
一方、ステップS11にて、エンジン停止許可条件が成立したと判定されたら、ステップS12にて、クラッチ制御部68は、エンジン11を停止するための目標クラッチ油圧に基づいて動力伝達クラッチ13を制御する。即ち、クラッチ制御部68は、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧が所定の割合で減少するように目標クラッチ油圧を設定し、動力伝達クラッチ13を制御する。ここで、クラッチ制御部68は、変速機14におけるプライマリシャフト51cの回転数が変動しないように動力伝達クラッチ13のクラッチ圧の減少速度を設定する。
即ち、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧を急激に減少させると、エンジン11から変速機14側に入力するトルクが急変することから、変速機14に回転変動が発生する。そのため、クラッチ制御部68は、クラッチ油圧をゆっくりと開放することで、エンジン11から変速機14側に入力するトルクの急変を抑制する。ここで、プライマリシャフト51cが回転変動しないクラッチ圧の減少速度は、プライマリシャフト51cの回転変動量が、変速機14が作動する上で支障のない速度であって、予め実験により求めておくことが望ましい。
そして、動力伝達クラッチ13が開放されたら、ステップS13にて、エンジン制御部67は、エンジン11を停止する。従って、エンジン停止許可条件が成立したら、動力伝達クラッチ13がゆっくりと開放されてからエンジン11が停止することとなり、変速機14の振動が抑制される。
ここで、実施形態1の車両制御装置によるエンジン停止制御時におけるエンジン運転状態について、図4のタイムチャートを用いて詳細に説明する。ここで、車速はV、エンジン回転数はNe、タービン回転数はNt、インプット回転数はNi、クラッチ圧はP、ドライブシャフトトルクはT、車両加速度はA、燃費消費量はQである。また、実線は実施形態1、点線は従来を表している。
実施形態1の車両制御装置では、時間t1にて、エンジン停止許可条件が成立したら、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pが所定の割合で減少するようにゆっくりと開放する。すると、時間t2にて、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pがクラッチ開放圧まで減少することから、ここで、タービン回転数Ntが上昇する一方、インプット回転数Niはゆっくりと低下していく。このとき、動力伝達クラッチ13がゆっくりと開放、つまり、クラッチ圧Pがゆっくりと減少することから、インプット回転数Niの変動(振動)が抑制され、ドライブシャフトトルクTや車両加速度Aも変動(振動)することがない。そして、時間t3にて、タービン回転数Ntがエンジン回転数Neと同じになり、時間t4にて、燃料供給が停止して燃費消費量Qが0になると、エンジン11が停止し、エンジン回転数Ne及びタービン回転数Ntが低下していく。
一方、従来の車両制御装置では、時間t1にて、エンジン停止許可条件が成立したら、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pが急激に減少するように開放するため、このとき、インプット回転数Niが急激に低下し、ドライブシャフトトルクTも急激に低下し、車両加速度Aも急激に低下する。その結果、インプット回転数Niが上下に変動してしまい、ドライブシャフトトルクTも変動し、車両加速度Aも変動する。このインプット回転数Ni、ドライブシャフトトルクT、車両加速度Aの変動は、エンジン11が停止した後までも継続してしまう。
このように実施形態1の車両制御装置にあっては、車両10に搭載されたエンジン11にトルクコンバータ12及び動力伝達クラッチ13を介して変速機14を連結し、この変速機14に減速・差動機構15を介して駆動輪16を連結し、エンジン停止許可条件が成立したかどうかを判定するエンジン停止判断部66と、エンジン停止許可条件が成立したときにエンジン11を自動停止可能なエンジン制御部(自動停止手段)67と、エンジン制御部67によりエンジン11を自動停止する前に変速機14の振動を考慮して動力伝達クラッチ13を開放するクラッチ制御部(クラッチ開放手段)68を設けている。
従って、エンジン停止許可条件が成立したとき、クラッチ制御部68は、変速機14の振動を考慮して動力伝達クラッチ13を開放し、その後、エンジン制御部67は、エンジン11を自動停止することとなり、エンジン11の停止時における振動の発生を抑制することで、ドライバビリティを向上することができる。
また、実施形態1の車両制御装置では、動力伝達クラッチ13を摩擦係合式のクラッチとし、クラッチ制御部68は、変速機14におけるプライマリシャフト51c(入力軸)の回転数が変動しないようにクラッチ圧の減少速度を設定している。従って、エンジン停止許可条件が成立したとき、クラッチ制御部68は、動力伝達クラッチ13をゆっくりと開放するため、このときにエンジン11から変速機14に伝達されるトルクが急変することはなく、変速機14の振動の発生を抑制することができる。
〔実施形態2〕
図5は、本発明の実施形態2に係る車両制御装置によるエンジン停止制御の処理の流れを表すフローチャート、である。なお、本実施形態の車両制御装置の基本的な構成は、上述した実施形態1とほぼ同様の構成であり、図1及び図2を用いて説明すると共に、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施形態2の車両制御装置において、図1及び図2に示すように、車両10は、エンジン11と、トルクコンバータ12と、動力伝達クラッチ13と、変速機14と、減速・差動機構15と、駆動輪16とを搭載している。また、車両10は、電子制御ユニット(ECU)61を搭載しており、このECU61は、エンジン11、動力伝達クラッチ13、変速機14を制御することができる。
即ち、ECU61は、ブレーキセンサ62、アクセル操作量センサ63、車速センサ64、勾配センサ65が接続されている。また、ECU61は、エンジン停止判断部66を有している。このエンジン停止判断部66は、ブレーキセンサ62、アクセル操作量センサ63、車速センサ64、勾配センサ65の検出結果に基づいてエンジン11を停止するか否かを判断する。即ち、エンジン停止判断部66は、エンジン停止許可条件が成立すると、エンジン11を停止してエコラン制御を実行すると判断する。
また、ECU30は、エンジン制御部67とクラッチ制御部68と変速機制御部69を有している。エンジン制御部67は、エンジン停止判断部66がエンジン11を停止すると判断した場合、目標トルクに拘わらずエンジン制御量を0とし、燃料噴射及び点火を停止するようにエンジン11を制御する。クラッチ制御部68は、エンジン停止判断部66がエンジン11を停止すると判断した場合、エンジン11を停止するためのクラッチ圧が所定の割合で減少するように目標クラッチ油圧を設定し、動力伝達クラッチ13を制御する。
そして、実施形態2では、ECU61におけるクラッチ制御部68は、エンジン停止判断部66がエンジン11を停止すると判断したとき、エンジン制御部67がエンジン11を自動停止する前に変速機14の振動を考慮して動力伝達クラッチ13を開放する。具体的に、クラッチ制御部68は、クラッチ圧を予め設定されたクラッチ開放圧まで減少し、予め設定された所定時間の経過後にクラッチ圧を減少させる。この場合、クラッチ制御部68は、クラッチ圧をクラッチ開放圧まで減少した後の所定時間の経過中にクラッチ圧をクラッチ開放圧に維持するものであるが、このとき、クラッチ圧をクラッチ開放圧から微小減少させてもよい。
ここで、動力伝達クラッチ13は、上述したように、クラッチ圧に応じて完全係合状態、半係合状態、開放状態の間で切替えることが可能であり、クラッチ開放圧とは、完全係合状態から半係合状態に移行するときのクラッチ圧であり、動力伝達クラッチ13の形態に応じて予め設定されている。また、所定時間の経過中にクラッチ圧を微小減少させる場合、このクラッチ圧の減少速度は、完全係合状態から半係合状態に移行するときのクラッチ圧の減少速度より遅いものである。
以下、実施形態2の車両制御装置によるエンジン停止制御について、図5のフローチャートを用いて詳細に説明する。
実施形態2の車両制御装置において、図5に示すように、ステップS21にて、エンジン停止判断部66は、走行する車両10にて、エンジン停止許可条件が成立したかどうかを判定する。ここで、エンジン停止許可条件が成立していないと判定されたら、ステップS27に移行し、エンジン制御部67とクラッチ制御部68と変速機制御部69は、エンジン11と動力伝達クラッチ13と変速機14を通常通りに制御する。
一方、ステップS21にて、エンジン停止許可条件が成立したと判定されたら、ステップS22にて、クラッチ制御部68は、エンジン11を停止するための目標クラッチ油圧に基づいて動力伝達クラッチ13を制御する。即ち、クラッチ制御部68は、動力伝達クラッチ13のクラッチ開放圧を目標クラッチ油圧に設定し、動力伝達クラッチ13を制御する。そして、ステップS23にて、クラッチ制御部68は、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧がクラッチ開放圧まで低下したら、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧をこのクラッチ開放圧に維持する。
そして、ステップS24にて、ECU61は、プライマリシャフト51cの回転変動が低下して振動が収束したかどうかを判定する。この場合、プライマリシャフト51cの振動が収束したかどうかの判定は、プライマリシャフト51cの回転変動幅が予め設定された適正幅に入ったかどうかを判定する。この適正幅とは、プライマリシャフト51cの回転変動がドライバビリティに悪影響を与えない領域である。
なお、本実施例にて、プライマリシャフト51cの振動が収束したかどうかの判定は、タイマを用いて行う。即ち、エンジン11が駆動しているときに、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧がクラッチ開放圧まで低下したら、プライマリシャフト51cの回転変動(プライマリシャフト51cの振動)の大きさがどの程度で、回転変動幅が適正幅に入るまで(振動が収束するまで)時間がどの程度かかるかを予め実験により求めておく。この場合、エンジン11の回転数など車両10の運転状態により収束時間が相違することから、運転状態と収束時間との関係を表す複数のマップを用意しておくことが望ましい。ここで、振動の収束時間を所定時間とし、ステップS24にて、ECU61は、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧がクラッチ開放圧まで低下してからこの所定時間(収束時間)が経過したかどうかを判定する。
ここで、所定時間が経過したと判定されたら、ステップS25にて、クラッチ制御部68は、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧をクラッチ開放圧から0まで低下して開放状態とし、ステップS26にて、エンジン制御部67は、エンジン11を停止する。従って、エンジン停止許可条件が成立したら、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧をクラッチ開放圧まで減少させ、プライマリシャフト51cの回転変動が収束してから動力伝達クラッチ13のクラッチ圧を更に減少してからエンジン11が停止することとなり、変速機14の振動が抑制される。
ここで、実施形態2の車両制御装置によるエンジン停止制御時におけるエンジン運転状態について、図6のタイムチャートを用いて詳細に説明する。ここで、車速はV、エンジン回転数はNe、タービン回転数はNt、インプット回転数はNi、クラッチ圧はP、ドライブシャフトトルクはT、車両加速度はA、燃費消費量はQである。また、実線は実施形態1、点線は従来を表している。
実施形態2の車両制御装置では、時間t11にて、エンジン停止許可条件が成立したら、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pがクラッチ開放圧まで減少させる。すると、時間t12にて、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pがクラッチ開放圧まで減少して半係合状態となったら、ここで、タービン回転数Ntが上昇する一方、インプット回転数Niが低下する。このとき、動力伝達クラッチ13が半係合状態に維持されることから、インプット回転数Niの変動(振動)が若干発生するものの所定時間で収束される。そして、時間t13にて、所定時間が経過してインプット回転数Niの変動(振動)が収束すると、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pがクラッチ開放圧から0まで減少することとなり、このとき、ドライブシャフトトルクTや車両加速度Aも変動(振動)が抑制される。そして、時間t14にて、タービン回転数Ntがエンジン回転数Neと同じになり、時間t15にて、燃料供給が停止して燃費消費量Qが0になると、エンジン11が停止し、エンジン回転数Ne及びタービン回転数Ntが低下していく。
一方、従来の車両制御装置では、時間t11にて、エンジン停止許可条件が成立したら、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pが急激に0まで減少するように開放するため、このとき、インプット回転数Niが急激に低下し、ドライブシャフトトルクTも急激に低下し、車両加速度Aも急激に低下する。その結果、インプット回転数Niが上下に変動してしまい、ドライブシャフトトルクTも変動し、車両加速度Aも変動する。このインプット回転数Ni、ドライブシャフトトルクT、車両加速度Aの変動は、エンジン11が停止した後までも継続してしまう。
このように実施形態2の車両制御装置にあっては、エンジン停止許可条件が成立したかどうかを判定するエンジン停止判断部66と、エンジン停止許可条件が成立したときにエンジン11を自動停止可能なエンジン制御部67と、エンジン制御部67によりエンジン11を自動停止する前に変速機14の振動を考慮して動力伝達クラッチ13を開放するクラッチ制御部68を設け、クラッチ制御部68は、クラッチ圧を予め設定されたクラッチ開放圧まで減少し、予め設定された所定時間の経過後にクラッチ圧を減少させている。
従って、エンジン停止許可条件が成立したとき、クラッチ制御部68は、変速機14の振動を考慮して動力伝達クラッチ13を2段階で開放し、その後、エンジン制御部67は、エンジン11を自動停止することとなり、エンジン11の停止時における振動の発生を抑制することで、ドライバビリティを向上することができ、また、効率良く変速機14の振動を抑制することでエコラン制御への移行を短時間で行うことができ、燃費の向上を可能とすることができる。
また、実施形態2の車両制御装置では、クラッチ制御部68は、クラッチ圧をクラッチ開放圧まで減少して所定時間待機することから、この所定時間の経過中にプライマリシャフト51cの変動が収束することとなり、エンジン11を適正に停止することが可能となる。なお、クラッチ制御部68は、クラッチ圧をクラッチ開放圧まで減少した後、所定時間の経過中にクラッチ圧を微小減少させてもよい。これによりクラッチ圧が若干減少することとなり、所定時間の経過後にクラッチ圧を早期に0として動力伝達クラッチ13を開放することができる。
〔実施形態3〕
図7は、本発明の実施形態3に係る車両制御装置を表す制御ブロック図、図8は、実施形態3の車両制御装置によるエンジン停止制御の処理の流れを表すフローチャート、図9は、実施形態3の車両制御装置によるエンジン停止制御時におけるタイムチャートである。なお、本実施形態の車両制御装置の基本的な構成は、上述した実施形態1とほぼ同様の構成であり、図1を用いて説明すると共に、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施形態3の車両制御装置において、図1及び図7に示すように、車両10は、エンジン11と、トルクコンバータ12と、動力伝達クラッチ13と、変速機14と、減速・差動機構15と、駆動輪16とを搭載している。また、車両10は、電子制御ユニット(ECU)61を搭載しており、このECU61は、エンジン11、動力伝達クラッチ13、変速機14を制御することができる。
即ち、ECU61は、ブレーキセンサ62、アクセル操作量センサ63、車速センサ64、勾配センサ65が接続されると共に、インプット回転数センサ71が接続されている。また、ECU61は、エンジン停止判断部66を有している。このエンジン停止判断部66は、ブレーキセンサ62、アクセル操作量センサ63、車速センサ64、勾配センサ65の検出結果に基づいてエンジン11を停止するか否かを判断する。即ち、エンジン停止判断部66は、エンジン停止許可条件が成立すると、エンジン11を停止してエコラン制御を実行すると判断する。
また、ECU30は、エンジン制御部67とクラッチ制御部68と変速機制御部69を有している。エンジン制御部67は、エンジン停止判断部66がエンジン11を停止すると判断した場合、目標トルクに拘わらずエンジン制御量を0とし、燃料噴射及び点火を停止するようにエンジン11を制御する。クラッチ制御部68は、エンジン停止判断部66がエンジン11を停止すると判断した場合、エンジン11を停止するためのクラッチ圧が所定の割合で減少するように目標クラッチ油圧を設定し、動力伝達クラッチ13を制御する。この場合、クラッチ制御部68は、インプット回転数センサ71が検出した変速機14におけるプライマリシャフト51cの回転数と、変速機制御部69が決定した目標回転数との偏差を考慮して目標クラッチ油圧を設定している。即ち、クラッチ制御部68は、プライマリシャフト51cの回転数を用いて目標クラッチ油圧をフィードバック制御している。
そして、実施形態2では、ECU61におけるクラッチ制御部68は、エンジン停止判断部66がエンジン11を停止すると判断したとき、エンジン制御部67がエンジン11を自動停止する前に変速機14の振動を考慮して動力伝達クラッチ13を開放する。具体的に、クラッチ制御部68は、変速機14におけるプライマリシャフト51cの回転数変動が収束する方向にクラッチ圧を増減させる。具体的に、クラッチ制御部68は、プライマリシャフト51cの回転数と変速機制御部69の目標回転数との偏差が減少するように動力伝達クラッチ13のクラッチ圧を増減する。つまり、プライマリシャフト51cの回転数が目標回転数より低下すると動力伝達クラッチ13のクラッチ圧を増加し、プライマリシャフト51cの回転数が目標回転数より上昇すると動力伝達クラッチ13のクラッチ圧を減少する。
以下、実施形態3の車両制御装置によるエンジン停止制御について、図8のフローチャートを用いて詳細に説明する。
実施形態3の車両制御装置において、図8に示すように、ステップS31にて、エンジン停止判断部66は、走行する車両10にて、エンジン停止許可条件が成立したかどうかを判定する。ここで、エンジン停止許可条件が成立していないと判定されたら、ステップS36に移行し、エンジン制御部67とクラッチ制御部68と変速機制御部69は、エンジン11と動力伝達クラッチ13と変速機14を通常通りに制御する。
一方、ステップS31にて、エンジン停止許可条件が成立したと判定されたら、ステップS32にて、クラッチ制御部68は、エンジン11を停止するための目標クラッチ油圧に基づいて動力伝達クラッチ13を制御する。即ち、クラッチ制御部68は、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧が減少するように目標クラッチ油圧を設定し、このとき、プライマリシャフト51cの回転数と変速機制御部69の目標回転数との偏差が減少するように目標クラッチ油圧を増減し、動力伝達クラッチ13を制御する。
そして、ステップS33にて、ECU61は、プライマリシャフト51cの回転変動が低下して振動が収束したかどうかを判定する。この場合、プライマリシャフト51cの振動が収束したかどうかの判定は、プライマリシャフト51cの回転数と変速機制御部69の目標回転数との偏差が予め設定された適正領域内に入ったかどうかを判定する。この適正領域とは、プライマリシャフト51cの回転変動がドライバビリティに悪影響を与えない領域である。
ここで、プライマリシャフト51cの回転変動が低下して振動が収束されたと判定されたら、ステップS34にて、クラッチ制御部68は、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧を0まで低下して開放状態とし、ステップS35にて、エンジン制御部67は、エンジン11を停止する。従って、エンジン停止許可条件が成立したら、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧を減少させると共に、プライマリシャフト51cの回転数と変速機制御部69の目標回転数との偏差が減少するようにクラッチ圧を増減させ、プライマリシャフト51cの回転変動が収束してから動力伝達クラッチ13を開放してからエンジン11が停止することとなり、変速機14の振動が抑制される。
ここで、実施形態3の車両制御装置によるエンジン停止制御時におけるエンジン運転状態について、図9のタイムチャートを用いて詳細に説明する。ここで、車速はV、エンジン回転数はNe、タービン回転数はNt、インプット回転数はNi、クラッチ圧はP、ドライブシャフトトルクはT、車両加速度はA、燃費消費量はQである。また、実線は実施形態1、点線は従来を表している。
実施形態3の車両制御装置では、時間t21にて、エンジン停止許可条件が成立したら、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pが減少する。すると、時間t22にて、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pがクラッチ開放圧まで減少して半係合状態となることから、ここで、タービン回転数Ntが上昇する一方、インプット回転数Niが低下する。ここで、プライマリシャフト51cの回転数が低下して目標回転数との偏差が大きくなるため、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pを上昇する。すると、時間t23にて、プライマリシャフト51cの回転数が上昇して偏差が小さくなるため、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pが再び減少する。この繰り返しにより、プライマリシャフト51cの回転数変動が収束して偏差が所定領域に入ったら、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pがクラッチ開放圧から0まで減少することとなり、このとき、ドライブシャフトトルクTや車両加速度Aも変動(振動)が抑制される。そして、時間t24にて、タービン回転数Ntがエンジン回転数Neと同じになり、時間t25にて、燃料供給が停止して燃費消費量Qが0になると、エンジン11が停止し、エンジン回転数Ne及びタービン回転数Ntが低下していく。
一方、従来の車両制御装置では、時間t21にて、エンジン停止許可条件が成立したら、動力伝達クラッチ13のクラッチ圧Pが急激に0まで減少するように開放するため、このとき、インプット回転数Niが急激に低下し、ドライブシャフトトルクTも急激に低下し、車両加速度Aも急激に低下する。その結果、インプット回転数Niが上下に変動してしまい、ドライブシャフトトルクTも変動し、車両加速度Aも変動する。このインプット回転数Ni、ドライブシャフトトルクT、車両加速度Aの変動は、エンジン11が停止した後までも継続してしまう。
このように実施形態3の車両制御装置にあっては、エンジン停止許可条件が成立したかどうかを判定するエンジン停止判断部66と、エンジン停止許可条件が成立したときにエンジン11を自動停止可能なエンジン制御部67と、エンジン制御部67によりエンジン11を自動停止する前に変速機14の振動を考慮して動力伝達クラッチ13を開放するクラッチ制御部68を設け、クラッチ制御部68は、変速機14におけるプライマリシャフト51cの回転数変動が収束する方向にクラッチ圧を増減させている。
従って、エンジン停止許可条件が成立したとき、クラッチ制御部68は、変速機14の振動を考慮して動力伝達クラッチ13のクラッチ圧をプライマリシャフト51cの回転数変動が収束する方向に増減させ、その後、エンジン制御部67は、エンジン11を自動停止することとなり、エンジン11の停止時における振動の発生を抑制することで、ドライバビリティを向上することができ、また、効率良く変速機14の振動を抑制することでエコラン制御への移行を短時間で行うことができ、燃費の向上を可能とすることができる。即ち、クラッチ制御部68は、プライマリシャフト51cの回転数変動と目標回転数との偏差が減少するようにクラッチ圧を増減させることで、効率良く動力伝達クラッチ13を開放することができる。
11 エンジン(駆動源)
12 トルクコンバータ
13 動力伝達クラッチ
14 変速機(駆動力伝達系)
15 減速・差動機構(駆動力伝達系)
16 駆動輪
61 電子制御ユニット、ECU
62 ブレーキセンサ
63 アクセル操作量センサ
64 車速センサ
65 勾配センサ
66 エンジン停止判断部
67 エンジン制御部(自動停止手段)
68 クラッチ制御部(クラッチ開放手段)
69 変速機制御部
71 インプット回転数センサ

Claims (5)

  1. 車両に搭載される駆動源と、
    前記駆動源の駆動力を車輪に伝達する駆動力伝達系と、
    前記駆動源と前記駆動力伝達系との間に設けられるクラッチと、
    前記車両の運転状態に応じて前記駆動源を自動停止可能な自動停止手段と、
    前記自動停止手段により前記駆動源を自動停止する前に前記駆動力伝達系の振動を考慮して前記クラッチを開放するクラッチ開放手段と、
    を備えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記クラッチは、摩擦係合式のクラッチであり、前記クラッチ開放手段は、前記駆動力伝達系の回転数が変動しないようにクラッチ係合圧の減少速度を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記クラッチは、摩擦係合式のクラッチであり、前記クラッチ開放手段は、クラッチ係合圧を予め設定されたクラッチ開放圧まで減少し、予め設定された所定時間の経過後にクラッチ係合圧を減少させることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  4. 前記クラッチ開放手段は、前記所定時間の経過中にクラッチ係合圧を微小減少させることを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 前記クラッチは、摩擦係合式のクラッチであり、前記クラッチ開放手段は、前記駆動力伝達系の回転数変動が収束する方向にクラッチ係合圧を増減させることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
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