JP2012209322A - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、仮基板上に剥離できる状態でビルドアップ配線層を形成する配線基板の製造方法で、何ら不具合の発生なく、信頼性よく低コストで製造できる方法を提供する。
【解決手段】プリプレグ上の配線形成領域Aに下地層が配置され、下地層より大きな金属箔が配線形成領域Aの外周部Bに接するように、下地層を介して金属箔をプリプレグ上に配置し、加熱・加圧によってプリプレグを硬化させることにより、仮基板を得ると同時に、仮基板に金属箔を接着する。その際に下地層と金属箔の密着強度が0.01N/cm〜0.04/cmとなるような構成とする。その後に、金属箔の上にビルドアップ配線層を形成し、その構造体の下地層の周縁部分を切断することにより、前記仮基板から金属箔を分離して、金属箔の上にビルドアップ配線層が形成された配線部材を得る。その後、金属箔を取り除いて、コア基材のない配線基板を得るものである。
【選択図】図6
【解決手段】プリプレグ上の配線形成領域Aに下地層が配置され、下地層より大きな金属箔が配線形成領域Aの外周部Bに接するように、下地層を介して金属箔をプリプレグ上に配置し、加熱・加圧によってプリプレグを硬化させることにより、仮基板を得ると同時に、仮基板に金属箔を接着する。その際に下地層と金属箔の密着強度が0.01N/cm〜0.04/cmとなるような構成とする。その後に、金属箔の上にビルドアップ配線層を形成し、その構造体の下地層の周縁部分を切断することにより、前記仮基板から金属箔を分離して、金属箔の上にビルドアップ配線層が形成された配線部材を得る。その後、金属箔を取り除いて、コア基材のない配線基板を得るものである。
【選択図】図6
Description
本発明は、配線基板の製造方法および電子部品実装構造体の製造方法に係り、さらに詳しくは、電子部品の実装基板に適用できる配線基板およびその配線基板に電子部品を実装する為の電子部品実装構造体の製造方法に関する。
従来、電子部品が実装される配線基板として、仮基板の上に剥離できる状態で所要の配線層を形成した後に、配線層を仮基板から分離して配線基板を得る方法がある。
特許文献1には、プリプレグ上の配線形成領域に下地層が配置され、前記下地層の大きさより大きな金属箔が前記配線形成領域の外周部に接するように、前記下地層を介して前記金属箔を前記プリプレグ上に配置し、過熱・加圧によってプリプレグを硬化させることにより、仮基板を得て、その上にビルドアップ配線層を形成した後に、前記下地層の周縁部分を切断することにより、銅箔およびビルドアップ配線層を樹脂基板から分離して配線基板を得る方法が記載されている。
また、特許文献2には、コア基板の上に、第一の金属層の外周縁の位置が第二の金属層の外周縁の位置よりも内側になるように積層して両者を接着フィルムで接着し、第二の金属層の上にビルドアップ配線層を形成した後に、配線基板の第一の金属層の周縁部分を切断することにより第二の金属層及びビルドアップ配線層を第一の金属層及びコア基板から分離する方法が記載されている。
しかしながら、前記下地層もしくは第一の金属層と前記下地層より大きな銅箔もしくは第二の金属層の密着強度が高すぎるとビルドアップ配線層を樹脂基板から剥離する際に断線・クラック・層間剥離等が発生し、密着強度が低すぎるとビルドアッププロセスにおいて、基材の寸法変化に伴いしわが発生するという問題が発生する。
そこで本発明は以上の課題を鑑みて創作されたものであり、仮基板の上に剥離できる状態で所要の配線層を形成した後に、配線層を仮基板から分離して配線基板を得る製造方法において、なんら不具合が発生することなく、製造できる配線基板の製造方法およびその配線基板に電子部品を容易に実装する為の電子部品実装構造体の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、仮基板上に剥離できる状態でビルドアップ配線層を形成する配線基板の製造方法であって、プリプレグ上の配線形成領域Aに下地層が配置され、
前記下地層の大きさより大きい金属箔層が、前記プリプレグ上の前記配線形成領域Aと、その外周部Bを覆うように積層され、
加熱・加圧によってプリプレグを硬化させることにより、前記プリプレグ、前記下地層、前記金属箔層よりなる前記仮基板を得る工程と、
前記仮基板上の前記第金属箔層の上に、銅、金、ニッケル、すずの内、少なくともひとつを含む配線層を含むビルドアップ配線層を形成する工程と、
前記仮基板上に前記ビルドアップ配線層が形成された構造体の前記下地層の周縁すなわち前記外周部Bと前記配線形成領域Aの一部に対応する部分を切断し除去する工程と、
さらに、前記仮基板の下地層から、前記金属箔層及び前記ビルドアップ配線層よりなる積層物を剥離して、前記金属箔層の上に前記ビルドアップ配線層が形成されてなる配線部材を得る工程と、
前記配線部材の前記銅、金、ニッケル、すずの内、少なくともひとつを含む前記配線層以外の前記金属箔層を選択的に除去することにより、前記配線部材の前記ビルドアップ配線層の最下配線層の下面を露出させる工程と、
を有する配線基板の製造方法において、
前記下地層と前記金属箔層を密着強度0.01N/cm〜0.04N/cm(90°ピール試験、スピード50mm/min)で密着させることを特徴とする配線基板の製造方法である。
前記下地層の大きさより大きい金属箔層が、前記プリプレグ上の前記配線形成領域Aと、その外周部Bを覆うように積層され、
加熱・加圧によってプリプレグを硬化させることにより、前記プリプレグ、前記下地層、前記金属箔層よりなる前記仮基板を得る工程と、
前記仮基板上の前記第金属箔層の上に、銅、金、ニッケル、すずの内、少なくともひとつを含む配線層を含むビルドアップ配線層を形成する工程と、
前記仮基板上に前記ビルドアップ配線層が形成された構造体の前記下地層の周縁すなわち前記外周部Bと前記配線形成領域Aの一部に対応する部分を切断し除去する工程と、
さらに、前記仮基板の下地層から、前記金属箔層及び前記ビルドアップ配線層よりなる積層物を剥離して、前記金属箔層の上に前記ビルドアップ配線層が形成されてなる配線部材を得る工程と、
前記配線部材の前記銅、金、ニッケル、すずの内、少なくともひとつを含む前記配線層以外の前記金属箔層を選択的に除去することにより、前記配線部材の前記ビルドアップ配線層の最下配線層の下面を露出させる工程と、
を有する配線基板の製造方法において、
前記下地層と前記金属箔層を密着強度0.01N/cm〜0.04N/cm(90°ピール試験、スピード50mm/min)で密着させることを特徴とする配線基板の製造方法である。
請求項2の発明は、前記プリプレグが、硬化後の耐熱試験(190℃、2時間加熱)時の寸法収縮が0.04%未満であることを特徴とする請求項1の発明に記載の配線基板の製造方法である。
請求項3の発明は、前記下地層が、金属箔Eまたは離型フィルム又は離型剤であることを特徴とする請求項1または請求項2の発明に記載の配線基板の製造方法である。
請求項4の発明は、前記離型フィルムが、エンボス加工された離型フィルムであり、その厚みが10〜50μmであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記載の配線基板の製造方法である。
請求項5の発明は、前記金属箔層が、片面粗化処理された銅箔であり、その銅箔の粗化処理された面が前記下地層の表面側に積層されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のの発明のいずれかに記載の配線基板の製造方法である。
本発明の一つの好適な形態では、半硬化状態のプリプレグ、エンボス加工された離型フィルム、そして片面粗化処理された金属箔層を用意する。プリプレグ上の配線形成領域に離型フィルムが配置され、離型フィルムより大きさが一回り大きな金属箔層がプリプレグの配線形成領域Aの外周部Bを覆うにように、その粗化処理面が離型フィルム表面側と密着するよう前記金属箔層がプリプレグ上に配置される。
その後に、前記プリプレグ、前記離型フィルム及び前期金属箔層を加熱・加圧することにより、前記プリプレグを硬化させて前記仮基板を得ると同時に、前記下地層と前記金属箔層を密着させる。このとき、前記離型フィルムと前記金属箔は加圧により前記金属箔の凹凸が離型フィルムに埋め込まれることで物理的・機械的に密着した状態となっている。
次いで、前記金属箔の上に所要のビルドアップ配線層を形成する。さらに、前記仮基板上に前記離型フィルム、前記金属箔層及び前記ビルドアップ配線層が形成された構造体の前記下地層の周縁に対応する部分を切断する。これにより、前記仮基板の前記外周部Bが取り除かれ、前記下地層の前記離型フィルムと前記金属箔層とが重なる領域が得られる。前記離型フィルムと前記金属箔層の密着強度は0.01N/cm〜0.04N/cm(90°ピール試験、スピード50mm/min)なので容易に分離することができる。
このようにして、前記金属箔層の上に前記ビルドアップ配線層が形成された配線部材が得られる。
以上説明したように、本発明では、何ら不具合が発生することなくコア基板をもたない配線基板を製造することができる効果を有するものである。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1〜図4は本発明の実施形態の配線基板の製造方法を順に示す断面図である。
図1(a)に示すように、まず、ガラスクロス(織布)、ガラス不織布又はアラミド繊維などにエポキシ樹脂などの樹脂を含侵させて構成されるプリプレグ(prepreg)10aを用意する。プリプレグ10aはB−ステージ(半硬化状態)のものが使用される。前記プリプレグは、硬化後の耐熱試験(190℃、2時間加熱)時の寸法収縮が0.04%未満であると望ましい。プリプレグの寸法収縮が大きいと反り等の発生により配線基板の良品率が低下する。
プリプレグ10aの両面側には、配線形成領域Aとその外側の外周部Bがそれぞれ画定されている。配線形成領域Aは、プリプレグ10aの両面側において一つずつ区画されてもよいし、複数で区画されていてもよい。
その後に、図1(b)に示すように、下地層12aと厚みが12〜70μmの片面粗化処理された金属箔層12b(金属銅箔)とを用意する。下地層12aとしては、銅箔などの金属箔または、離型フィルム又は離型剤が使用される。離型フィルムとしては、ポリエステル又はPET(ポリエチレンテレフタレート)のフィルムに薄いフッ素樹脂(ETFE)層を積層したもの、若しくは、ポリエステル又はPETのフィルムの表面にシリコーン離型処理を施したものが使用される。
離型フィルムを用いる場合は、エンボス加工されたものが望ましい。離型フィルムはエンボス加工されていないと、ビルドアッププロセスにおいてしわが発生する可能性がある。離型フィルムの厚みは10〜50μmであることが望ましい。離型フィルムの厚みが50μm以上であると、配線領域での平坦性が低下し、パターニング不良・絶縁樹脂厚ばらつき等が発生し配線基板の良品率が低下する。離型フィルムの厚みが10μm以下であると積層時の取り扱いが困難となる。また、離型剤を用いる場合は、シリコーン系離型剤やフッ素系離型剤が使用される。
下地層12aはプリプレグ10aの配線形成領域Aと同等な大きさに設定される。また、金属箔層12bはプリプレグ10aの配線形成領域A及び外周部Bを覆う大きさであり、下地層12aよりも一回り大きな大きさに設定される。
そして、プリプレグ10aの両面側に下から順に下地層12aと金属箔層12bをそれぞれ配置する。金属箔層12bは粗化処理された面が下地層側に配置される。下地層12aはプリプレグ10a上の配線形成領域Aに対応して配置され、金属箔層12bは下地層12a上に重なると共に、その周縁部がプリプレグ10aの配線形成領域Aの外周部Bに接した状態で配置される。そして、プリプレグ10a、下地層12a及び金属箔層12bを両面側から真空雰囲気で190〜200℃の温度で加熱・加圧する。
これにより、図1(c)に示すように、プリプレグ10aが硬化してガラスエポキシ樹脂などからなる仮基板10が得られると共に、プリプレグ10aの硬化に伴って仮基板10の両面に下地層12a及び金属箔層12bがそれぞれ接着される。下地層12aはその全体が仮基板10に接着し、金属箔層12bはその周縁部が仮基板10の配線形成領域Aの外周部Bに部分的に接着する。下地層12aと金属箔層12bとが重なる領域では、両者が加圧により金属箔層の凹凸が下地層に埋め込まれることで物理的・機械的に密着した状態となっている。後述するようにその領域では下地層12aと金属箔層12bとの密着強度は0.01N/cm〜0.04N/cmで容易に分離できるようになっている。
なお、下地層12aとして離型剤を使用する場合は、金属箔層12bの下面の下地層12aが配置される領域に上記したような離型剤を塗布や噴射によって形成し、離型剤を介して金属箔層12bをプリプレグ10a上に配置し、加熱・加圧して接着する。これにより、離型剤(下地層12a)が設けられた部分の金属箔層12bと仮基板10とが容易に分離できるようになる。
このように、本実施形態では、接着層を特別に使用することなく、プリプレグ10a上に下地層12a及び金属箔層12bを配置して加熱・加圧することにより、仮基板10上に下地層12a及び銅箔12bが接着された構造を得ることができる。
次いで、図2(a)に示すように、仮基板10の両面側に、所要部に開口部16xが設けられためっきレジスト膜16を形成する。さらに、金属箔層12bをめっき給電層に利用する電解めっきにより、めっきレジスト膜16の開口部16xに銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、又はすず(Sn)などからなる第1配線層18を形成する。その後に、図2(b)に示すように、めっきレジスト膜16が除去される。第1配線層18は後に説明するように内部接続パッドC1として機能する。
続いて、図3(a)に示すように、仮基板10の両面側に第1配線層18及び金属箔層12bを被覆する第1絶縁層20をそれぞれ形成する。第1絶縁層20の材料としては、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂などが使用される。第1絶縁層20の形成方法の一例としては、仮基板10の両面側に樹脂フィルムをそれぞれラミネートした後に、樹脂フィルムをプレス(押圧)しながら80〜150℃の温度で熱処理して硬化させることにより第1絶縁層20を得る。
次いで、同じく図3(a)に示すように、仮基板10の両面側の第1配線層18が露出するように第1絶縁層20をレーザなどで加工して第1ビアホール20xをそれぞれ形成する。
なお、第1絶縁層20は、感光性樹脂膜をフォトリソグラフィによりパターニングして形成してもよいし、あるいは、スクリーン印刷により開口部が設けられた樹脂膜をパター
ニングしてもよい。
ニングしてもよい。
続いて、図3(b)に示すように、仮基板10の両面側に、第1ビアホール20xを介して第1配線層18に接続される銅(Cu)などからなる第2配線層18aを第1絶縁層20上にそれぞれ形成する。第2配線層18aは、例えばセミアディティブ法により形成される。詳しく説明すると、まず、無電解めっき又はスパッタ法により、第1ビアホール20x内及び第1絶縁層20の上にCuシード層(不図示)を形成した後に、第2配線層18aに対応する開口部を備えたレジスト膜(不図示)を形成する。
次いで、Cuシード層をめっき給電層に利用した電解めっきにより、レジスト膜の開口部にCu層パターン(不図示)を形成する。続いて、レジスト膜を除去した後に、Cu層パターンをマスクにしてCuシード層をエッチングすることにより、第2配線層18aを得る。
第2配線層18aの形成方法としては、上記したセミアディティブ法の他にサブトラクティブ法などの各種の配線形成方法を採用できる。
第2配線層18aの形成方法としては、上記したセミアディティブ法の他にサブトラクティブ法などの各種の配線形成方法を採用できる。
次いで、図4(a)に示すように、同様な工程を繰り返すことにより、仮基板10の両面側に、第2配線層18aを被覆する第2絶縁層20aをそれぞれ形成した後に、第2配線層18a上の第2絶縁層20aの部分に第2ビアホール20yをそれぞれ形成する。さらに、第2ビアホール20yを介して第2配線層18aに接続される第3配線層18bを仮基板10の両面側の第2絶縁層20a上にそれぞれ形成する。
続いて、図4(b)に示すように、仮基板10の両面側に、第3配線層18b上に開口部22xが設けられたソルダレジスト膜22をそれぞれ形成する。これにより、ソルダレジスト膜22の開口部22x内に露出する第3配線層18bの部分が外部接続パッドC2となる。なお、必要に応じてソルダレジスト膜22の開口部22x内の第3配線層18bにNi/Auめっき層などのコンタクト層を形成してもよい。
このようにして、仮基板10上の金属箔層12bの上に所要のビルドアップ配線層が形成される。上記した例では、3層のビルドアップ配線層(第1〜第3配線層18〜18b)を形成したが、n層(nは1以上の整数)のビルドアップ配線層を形成してもよい。また、仮基板10の片面のみにビルドアップ配線層を形成してもよい。
前述したように、本実施形態では、下地層12aと金属箔層12bとが重なる領域では、両者が機械的に密着した状態となっている。密着強度が0.01N/cm未満となると、金属箔層12bの上にビルドアップ配線層を形成するとき、仮基板10とビルドアップ配線層の寸法変化率・熱膨張係数が大きく異なる為、両者において熱膨張・硬化収縮する度合が異なることから、密着が剥がれビルドアップ配線層にしわが発生する。このような観点から、密着強度0.01N/cm以上の構成とすることが望ましい。たとえば粗化面粗さRz10μmの金属箔層である銅箔とエンボス加工された離型フィルムを使用することで0.02N/cm程度の密着強度を得ることができる。
このようにすることにより、製造工程で熱がかかるとしても下地層12aと金属箔層12bの密着が剥がれることはなく、ビルドアップ配線層にしわが発生することが防止される。これにより、ビルドアップ配線層の製造歩留りや信頼性を向上させることができる。
次いで、図5(a)に示すように、図4(b)の構造体の下地層12aの周縁に対応する部分を切断することにより、金属箔層12bの周縁部を含む外周部Bを廃棄する。これにより、図6(a)に示すように、下地層12aと金属箔層12bとが機械的に密着する配線形成領域Aが得られ、密着強度0.04N/cm以下であれば金属箔層12bと下地
層12aとを容易に分離することができる。このようにして、金属箔層12b及びその上に形成されたビルドアップ配線層を仮基板10上の下地層12aから分離することができる。これによって、仮基板10の両面側から金属箔層12bとその上に形成されたビルドアップ配線層とからなる配線部材30がそれぞれ得られる。
層12aとを容易に分離することができる。このようにして、金属箔層12b及びその上に形成されたビルドアップ配線層を仮基板10上の下地層12aから分離することができる。これによって、仮基板10の両面側から金属箔層12bとその上に形成されたビルドアップ配線層とからなる配線部材30がそれぞれ得られる。
前述したように、本実施形態では、下地層12aと金属箔層12bとが重なる領域では、両者が機械的に密着した状態となっている。密着強度が0.04N/cmより大きくなると、金属箔層12bと下地層12aとを分離するとき、断線・クラック・層間剥離等が発生しビルドアップ配線層の製造歩留まり、信頼性を低下させる。このような観点から、密着強度0.04N/cm以下の構成とすることが望ましい。
その後に、図6(b)に示すように、配線部材30の金属箔層12bを第1配線層18及び第1絶縁層20に対して選択的に除去する。例えば、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液又は過硫酸アンモニウム水溶液などを用いたウェットエッチングにより、第1配線層18(Auなど)及び第1絶縁層20に対して金属箔層12bを選択的にエッチングして除去することができる。
これにより、図6(b)に示すように、第1配線層18の下面が露出して内部接続パッドC1が得られる。以上により、配線基板1が製造される。
本実施形態の好適な形態では、仮基板10の両面側に複数の配線形成領域Aがそれぞれ画定され、複数の配線形成領域Aからなるブロック領域に下地層12aが配置された状態でその最外周部に金属箔層12bの周縁側が選択的に接着される。そして、それらの各配線形成領域Aにビルドアップ配線層がそれぞれ形成される。その後に、その構造体の下地層12aの周縁部を切断して得られる配線部材30から金属箔層12bを除去した後に、個々の配線基板が得られるように分割する。
なお、金属箔層12bを除去せずにパターニングして第1配線層18に接続される電極を形成してもよい。
また、本実施形態の配線基板1の好適な例では、内部接続パッドC1(第1配線層18)に半導体チップが電気的に接続されて実装され、外部接続パッドC2(第3配線層18b)に外部接続端子が設けられる。
以上説明したように、本実施形態の配線基板の製造方法では、プリプレグ10aの両面に下地層12aとそれより大きな金属箔層12bを重ねてそれぞれ配置し、加熱・加圧によってプリプレグ10aを硬化させて仮基板10を得る。このとき同時に、仮基板10の両面に接着層を使用することなく下地層12a及び金属箔層12bを接着することができる。続いて、金属箔層12b上にビルドアップ配線層を形成する。
さらに、その構造体の下地層12aの周縁に対応する部分を切断することにより、下地層12aと金属箔層12bとを分離する。
これによって、仮基板10の両面側から、金属箔層12b及びその上に形成されたビルドアップ配線層からなる配線基板1がそれぞれ得られる。
これによって、仮基板10の両面側から、金属箔層12b及びその上に形成されたビルドアップ配線層からなる配線基板1がそれぞれ得られる。
前述したように、下地層12aと金属箔層12bの密着強度が0.01N/cm〜0.04N/cmとなるような構成とすることで、ビルドアップ配線層を樹脂基板から剥離する際の断線・クラック・層間剥離等、ビルドアッププロセスにおける、基材の寸法変化に伴いしわが発生するという問題を解決することができる。
1…配線基板
10…仮基板
10a…プリプレグ
12a…下地層
12b…金属箔層:薄膜銅箔(又は銅箔)
18…第1配線パターン
18a…第2配線パターン
18b…第3配線パターン
20…第1絶縁層
20a…第2絶縁層
22…ソルダレジスト膜
20x,20y,22x…開口部
30…配線部材
10…仮基板
10a…プリプレグ
12a…下地層
12b…金属箔層:薄膜銅箔(又は銅箔)
18…第1配線パターン
18a…第2配線パターン
18b…第3配線パターン
20…第1絶縁層
20a…第2絶縁層
22…ソルダレジスト膜
20x,20y,22x…開口部
30…配線部材
Claims (5)
- 仮基板上に剥離できる状態でビルドアップ配線層を形成する配線基板の製造方法であって、プリプレグ上の配線形成領域Aに下地層が配置され、
前記下地層の大きさより大きい金属箔層が、前記プリプレグ上の前記配線形成領域Aと、その外周部Bを覆うように積層され、
加熱・加圧によってプリプレグを硬化させることにより、前記プリプレグ、前記下地層、前記金属箔層よりなる前記仮基板を得る工程と、
前記仮基板上の前記第金属箔層の上に、銅、金、ニッケル、すずの内、少なくともひとつを含む配線層を含むビルドアップ配線層を形成する工程と、
前記仮基板上に前記ビルドアップ配線層が形成された構造体の前記下地層の周縁すなわち前記外周部Bと前記配線形成領域Aの一部に対応する部分を切断し除去する工程と、
さらに、前記仮基板の下地層から、前記金属箔層及び前記ビルドアップ配線層よりなる積層物を剥離して、前記金属箔層の上に前記ビルドアップ配線層が形成されてなる配線部材を得る工程と、
前記配線部材の前記銅、金、ニッケル、すずの内、少なくともひとつを含む前記配線層以外の前記金属箔層を選択的に除去することにより、前記配線部材の前記ビルドアップ配線層の最下配線層の下面を露出させる工程と、
を有する配線基板の製造方法において、
前記下地層と前記金属箔層を密着強度0.01N/cm〜0.04N/cm(90°ピール試験、スピード50mm/min)で密着させることを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記プリプレグは、硬化後の耐熱試験(190℃、2時間加熱)時の寸法収縮が0.04%未満であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
- 前記下地層は、金属箔Eまたは離型フィルム又は離型剤であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配線基板の製造方法。
- 前記離型フィルムは、エンボス加工された離型フィルムであり、その厚みが10〜50μmであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
- 前記金属箔層が、片面粗化処理された銅箔であり、その銅箔の粗化処理された面が前記下地層の表面側に積層されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
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JP2011072142A Withdrawn JP2012209322A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | 配線基板の製造方法 |
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JP (1) | JP2012209322A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015144152A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 京セラサーキットソリューションズ株式会社 | 配線基板の製造方法 |
JP2017205902A (ja) * | 2016-05-16 | 2017-11-24 | 三井化学東セロ株式会社 | 多層プリント配線板の製造に好適な離型フィルム |
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2011
- 2011-03-29 JP JP2011072142A patent/JP2012209322A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015144152A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 京セラサーキットソリューションズ株式会社 | 配線基板の製造方法 |
JP2017205902A (ja) * | 2016-05-16 | 2017-11-24 | 三井化学東セロ株式会社 | 多層プリント配線板の製造に好適な離型フィルム |
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