JP2012206923A - シリコン微粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】主としてリチウムイオン電池の負極として使用するための清浄で微細なシリコンを効率よく製造する、製造方法を提供することを課題とした。
【解決手段】本発明は、切削、又は研削により微粉化した結晶性シリコンを分散液中で解砕し分散させることによってより分散度を高めた後、該分散液を重力分級法により見かけ粒径0.1〜20μmの微細なシリコンをシリコン分散液として採取すると共に、粗な部分の少なくとも一部を分散液中に戻して更に解砕すると共に、分散させる様にした微細シリコンの製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、切削、又は研削により微粉化した結晶性シリコンを分散液中で解砕し分散させることによってより分散度を高めた後、該分散液を重力分級法により見かけ粒径0.1〜20μmの微細なシリコンをシリコン分散液として採取すると共に、粗な部分の少なくとも一部を分散液中に戻して更に解砕すると共に、分散させる様にした微細シリコンの製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は主としてリチウムイオン二次電池の負極に使用するための清浄で微細なシリコンの製造方法に関する。
最近の20年間にリチウムイオン二次電池は初めて工業化され、携帯電話などの発達に伴って、急速に発達し、今や、一次電池、二次電池を含む全ての電池の中で最大の量と金額をとなる様に発達した。更に最近に至り、環境問題から端を発した、電気自動車やハイブリッドカーなどの電源として注目されに至っている。
更にはソーラーセルや風力発電のバックアップ用として比較的小型でしかも大容量であるという特性を生かして、大きな期待を寄せられている。又これらに対応するために広く原料そのものから始まるリチウムイオン2次電池術の全てにかかる検討と改良が行われている。特にその正極に関する研究、又電解質などの研究も顕著に行われているが、負極に関してあまり顧みられることが無く、炭素系材料が広く使われていた。
更にはソーラーセルや風力発電のバックアップ用として比較的小型でしかも大容量であるという特性を生かして、大きな期待を寄せられている。又これらに対応するために広く原料そのものから始まるリチウムイオン2次電池術の全てにかかる検討と改良が行われている。特にその正極に関する研究、又電解質などの研究も顕著に行われているが、負極に関してあまり顧みられることが無く、炭素系材料が広く使われていた。
ただ最近に至り急速充電/放電が出来ること、又大容量化に耐えられる材料としての新たな負極は大きな期待が寄せられる様になり、大容量が可能なシリコンが大きく注目されるようになってきた。ただ炭素系に比較して容量的に数倍が期待できるシリコンにおいても、その結晶構造からくる、リチウムを保持したときの体積膨張などの問題を抱えていること、又本来必要とされる、超微細シリコンをどのようにして得るかが大きな問題であった。
例えば特開2004−349097号公報では、シリコン微粉末を用いたリチウムイオン二次電池の電極構造が示されている。
例えば特開2004−349097号公報では、シリコン微粉末を用いたリチウムイオン二次電池の電極構造が示されている。
又特開2004−525841号公報では、プラズマ中でSiF4又はSiH4をアルゴン雰囲気中で分解して、シリコンの微粉末表面にトラップして合目的で活性なシリコン粒子を得ている。特開2011−18575号公報では、シリコン微粉末の表面をCで覆った負極材料が提案されている。
特開2007−308774号公報ではシラン化合物と炭素からCVD法によって薄膜のSi炭素を含む薄膜を形成する方法が示されている。微細なシリコンが得られるという特徴があるが、製造条件が困難であり、又原料が高価、あるいは製造装置が高価になってしまうという点から経済性が問題であった。
特開2007−308774号公報ではシラン化合物と炭素からCVD法によって薄膜のSi炭素を含む薄膜を形成する方法が示されている。微細なシリコンが得られるという特徴があるが、製造条件が困難であり、又原料が高価、あるいは製造装置が高価になってしまうという点から経済性が問題であった。
これらに示されるようにいずれの技術もシリコンの微細結晶、あるいは微粒子が存在することが前提であり、あるいはそうでは無い場合は薄膜あるいは他との化合物を作るためにSiF4やFiH4などの取り扱いが困難なシラン化合物を使うことがおこなわれていた。
一方入手しやすい通常の高純度シリコンは、これとは全く逆に、電子デバイスに代表される様に、又ソーラーセル用に代表されるように、単結晶、あるいは単結晶ではなくても、粒径を大きくして粒界を少なくする事、更に大きな結晶を得ることに努力が払われてきた。それ故に、このような目的に対しては合目的なシリコンの微細な粒子を得ることがほとんどなされておらず、一般にはこれらの大きな結晶を粉砕することが主として行われていた。但しその得る条件はあまり使われておらず特別の微細化法と言うことは知られていなかった。
一方電子デバイスやソーラーセルにシリコンを使用する場合には一部のシリコンは粉砕処理されると共に。一部は研削剤を使って、あるいは研削剤を使わないでカットする事が行われている。ところがこのように切断に使用したシリコンは同時に使用する潤滑剤と切断手段による汚染はあるものの、比較的清浄に保持されている。ただこれらに使用するシリコンの粒状は切断方法、部位によって大幅に異なるために、そのままでは微細でそろった粒状を必要とする、例えばリチウムイオン電池の負極として使用するには不十分であった。
又必要とするシリコンの粒子は10μm以下、通常は5μm以下とされ、それに使うには不十分であると共に、従来のような通常の篩い分けでは収率が非常に低くなるという問題と共に、粒子が小さいので篩い分けに要する時間が非常に長くなるという問題点があった。
又必要とするシリコンの粒子は10μm以下、通常は5μm以下とされ、それに使うには不十分であると共に、従来のような通常の篩い分けでは収率が非常に低くなるという問題と共に、粒子が小さいので篩い分けに要する時間が非常に長くなるという問題点があった。
本発明は主としてリチウムイオン電池の負極として使用するための清浄で微細なシリコンを効率よく製造する、製造方法を提供することを課題とした。
本発明は、切削、又は研削により微粉化した結晶性シリコンを分散液中で解砕し分散させることによってより分散度を高めた後、該分散液を重力分級法により見かけ粒径0.1〜20μmの微細なシリコンをシリコン分散液として採取すると共に、粗な部分の少なくとも一部を分散液中に戻して更に解砕すると共に、分散させる様にした微細シリコンの製造方法であり、これによって充分に一次粒子として解砕されたシリコン粒子を高い効率で得ることが出来る。
以下詳細に説明する。
以下詳細に説明する。
シリコンは単結晶シリコンインゴット、あるいは多結晶シリコンであり、通常は非常に大きな固まりである。これを微粉砕するのであるが、通常つぶしたり、ハンマリングによって微細化するときにはどうしても飛散したり、あるいは余分な力が加わり必要以外の方向に飛び出したりすることが有り、それを集めることによってどうしても不純物を拾う傾向に有る。あるいはそうで無い場合においても、このように飛散して汚染したシリコンを除くと、今度は収率が非常に悪くなるという問題があった。これに対してここでは、粉末を得るためにシリコンに対していわゆるのこぎりやワイヤーソウ、ダイアモンドソウによる切削作業と同じようにして切削しながら粉末する。または研削刃を用いて、表面研削を行い微粉化していく。この方法であれば一定の場所に集中してしかもかなりの高速で切削や研削がすすみ、いわゆる切り粉のような状態でしかも決まった場所に微細な粉末状になったシリコンを集めることが出来る。
この微細なシリコンは確かに一次粒子もあるがこのような研削・切削を通じてある程度は2次粒子として存在する。又場合によっては同時に使用する研削材と共に有る程度の固まりとなることが有る。これらは分散媒として主に純水中で撹拌し、解砕しながらこの分散液中に分散した状態で保持する。なお必要に応じて純水のORPを低く保持して分散の度合いを良くするために、いわゆる水素水、あるいは還元水を分散液として使用することも出来、この場合は分散粒子が全体として同じ方向に帯電するために凝集が起こらず十分な分散を保持することが出来る。なおこの分散のために分散液を撹拌することも良いが、その一方、より強く積極的に分散するために湿式のジェットミルを使う事も推奨される。これによってよりしっかりした分散が可能となる。又汚染がないようにボールを瑪瑙、又はシリコンにして湿式でボールミル粉砕/解砕を行うことも可能である。
このようにして解砕し、分散したシリコンは、重力分級法によって、見かけ粒径0.1〜20μmの部分を採取し目的粒子として分離し取り出す。ここで重力分級法としては、沈降分離が代表的に使用されるが、このほかに、湿式サイクロン法による分離法や、重力に変わって遠心力による分離法も含まれる。つまりシリコンのように比較的小さな粒子の場合、例えば粒径が50μm以上の場合であれば単純に重力によって容易に沈降・分離が出来るが、それより小さい沈降速度が大幅に遅くなるという傾向があり、ここで主として使用する20μm以下、特に10μm以下では、重力分離に時間を要するようになるので、遠心力による加速、つまり遠心分離法を使用したり、サイクロン分離を行ったりすることが望ましくなる。
なお見かけ粒径は通常のリチウムイオン二次電池の負極の厚み、20〜50μmに対して、基材銅箔の厚みを除いた両面で、10から40μmに対応するものであり、粒径は0.5から20μmであることが必要であり、それ以上では負極厚みを保持できにくくなる。また、シリコン粒子はその表面積がおおきく活性となる微細粒子がより有効であるが、見かけ粒径が0.5ミクロン以下になると、凝集しにくくなること、又嵩比重が小さくなる結果、限られた体積の電池として指定される体積に対しては十分なシリコン量が入らなくなり、電池容量としてはかえって小さくなってしまうという問題がある。これらから望ましい粒径範囲は上記した数値であり、それに合わせる様に集める。なお粒径については正規分布をしていれば更に良く、これによってよりコンパクトになり、容量の増加が期待できる。
このようにしてシリコンを集めるのであるが、これにより分離されたより大きな粒子については分散部分に戻して更に分散させ、又は微細化して他の新たなシリコンと共に、重力分級を行うようにする。これによって、微細な粒子の取得に対する収率の向上を図る。又これにより除かれたより粒径の大きな粒子については分離して他の用途に使用するとか、あるいは更に微細化の手段、つまり、ここで示しているように、分散手段を更に駆使することが出来る。
なお、ここでの分級による採取は必ずしも一段で行う必要は無く、二段、あるいはそれ以上に分けて行うことが出来る。これについては収率の向上と、能率の点から求めれば良いことになる。なお湿式による分級に使用される上記に示した手段、つまりジェットミルやボールミルでは湿式で行うだけに若干の能率の低下がおこるが、清浄な状態における解砕・分散に加えて粉砕効果も十分に有り、より効率よく合目的な微細な粒子を得ることが出来るようになる。
なお粒径をそろえるためには、上記したように複数回の操作の繰り返しにより、より確実に、しかもより効率良くシリコンの微細な粒子を集めることが出来る。
つまりここに示したような切削、あるいは研削でのシリコン粒子はその脆性と相まって通常かなりの微細化が出来る。
つまりここに示したような切削、あるいは研削でのシリコン粒子はその脆性と相まって通常かなりの微細化が出来る。
ここで、切削や研削によって微粉化されたシリコンは、それ自身が凝集して二次粒子となっている場合が有り、その分散ために、ジェットミルやボールミルを使用すると解砕し、分散すると共に粉砕の効果を有しているのでより効率よく合目的な粒子を得ることが出来るのである。なおここで使用するジェットミルの内張はシリコンを解砕するために、あまり強い粉砕条件を作る必要は無いが、不純物の混入を防ぐため、その材質は適度な硬さがあり、しかも粘りがある、瑪瑙やその類似の素材を使うことが望ましい。ボールミル粉砕でも同じであり、容器自身は樹脂内張などが望ましく、ボールとしては瑪瑙を使うことによりボールのすり減りが無くなり、不純物として入ることはなくなる。又ボールとして高純度シリコンを使うことも出来る。つまり高純度シリコン自身がこのようなケースで部分的に破砕されたとしても、それはそのままシリコン原材料として使える事が有る。
なお他の通常使われる材質、例えばαアルミナや炭化タングステンなどの超硬材を使用すると、極めて研削効果は高いが、その脆性のせいか、これらの物質の汚染がしばしば見られるので注意を要する。
このようにしてシリコン粉末を純水の様な液中で解砕しながら又二次粒子を物理的にバラバラにして、一次粒子に近づけていくがその条件は特に指定されない。
上記のような条件を保持すれば不純物の混入も防ぐことが出来るので、その点でも問題点は少ない。このようにして純水中に或いは適当な媒体中に分散した粒子は沈降分離、或いはサイクロンや遠心分離により微細な粒子を純水の一部と共に分離し、脱液し、分離する。これによって分離された大きな粒子は更に微粉砕するために、解砕・粉砕機構に戻すようにする。重力分級において、再び解砕しても十分に微細粒子に成りにくいと思われる、大きな粒子部分については別途取り出して別用途に使用するように分離する。又これに相当する量のシリコンを新たに補給しながら、解砕・粉砕機構中に保持されるシリコン量をほぼ一定とするように調整する。
上記のような条件を保持すれば不純物の混入も防ぐことが出来るので、その点でも問題点は少ない。このようにして純水中に或いは適当な媒体中に分散した粒子は沈降分離、或いはサイクロンや遠心分離により微細な粒子を純水の一部と共に分離し、脱液し、分離する。これによって分離された大きな粒子は更に微粉砕するために、解砕・粉砕機構に戻すようにする。重力分級において、再び解砕しても十分に微細粒子に成りにくいと思われる、大きな粒子部分については別途取り出して別用途に使用するように分離する。又これに相当する量のシリコンを新たに補給しながら、解砕・粉砕機構中に保持されるシリコン量をほぼ一定とするように調整する。
ここで微細な粒子とされ、取り出された粒子はそのまま使用することもあるが、より能率を良くすること、粒径・粒度分布精度を向上させるために、この微細部分について、更に解砕・分散を加えて、微細化すると共に、第二段の分級機構によって、より合目的な部分のみの取り出しを行うことが出来る。最初からこのような2段、或いは更に繰り返す3段以上の解砕・分散・分級においては当然の事ながら、段ごとに分級基準を変えてより能率的に、又シリコンの利用率を向上することが出来る。
このようにして、シリコンを切削し、研削して微粒を得ると共に、それを解砕しながら、更に湿式清浄中で粉砕しながら、分級を行って、合目的な部分のみを取り出すことにより、更に十分な微粉になっていない部分は繰り返し解砕と分級を繰り返すと共に、必要に応じてこれを複数段繰り返すことによって合目的なシリコンを高収率で得ることが出来る。また本技術では不純物の混入を防いでいれば、ウエハーなどを切り出した切粉についても使用することが出来る。
以下に本発明を図面1のフロー図によって説明する。つまり本図は解砕・分散・粉砕の機構として湿式のジェットミルを使用して2段に分級をする方式についての場合を示したものである。つまり切削・研削方法によって微細化したシリコン粉末は必要に応じて2%程度の希薄フッ酸水溶液などで洗浄した後第一段の解砕・粉砕機構に純水と共に送り込み(1)媒体ガス又は液、(50)を通しながら、第1段ジェットミル(100)で十分に攪拌、解砕した後、微細粒のシリコンを含む分散液(2)をその取り出し口から第1段の重力式粒分離装置(200)に送り出す。重力式分離装置、例えば湿式サイクロンでは、粒径の大きな部分は下方に落下、或いは壁面に移動すると共に壁面に沿って下方に落下する。一方今回の目的とする微細な粒子は落下せずに上方から取り出す(6)。ここで下方に落下する部分(5)は解砕・粉砕部分に戻す。
なお、微細な粒子部は(6)により、第二段の解砕・分散機構(110)を通し、重力式分離装置(210)を通して更に分離し、微細粒子として、水媒体と共に(10)として取り出す。ここで第一段の解砕・分散部にはドレーン(3)を設けておき、微細でない部分については連続的に取り出すようにし、それに対応する量の新たなシリコン微粉末を加えていく。又第二段の解砕・分散機のドレーンから取り出したシリコンを懸濁した液は第一段に戻す(8)。また当然のことながら、このフローに示すように、第2段の分離により落下した粒の大きな部分は、(9)により、解砕・粉砕機(210)の入り口に戻す。
また第1の解砕・分散機構部分(100)で十分に解砕・分散出来なかった部分は、分離装置(200)の底部からドレーン(5)として出て、元のシリコン原料供給部1に戻す。第1段の解砕・粉砕で落下した部分はドレーン(3)として取り出し、その一部は解砕分散機構の処理入り口部分に戻して、再処理する。なお解砕・分散にジェットミルを用いる媒体を導入口(50)から導入する。通常は空気やアルゴンなどの気体を送るが、純水などの液体でも良い。なおこの場合の条件は特には指定されず、通常の条件でよい。
この図では、例示として、解砕をジェットミルで行い、分級をサイクロンで行っているが、前記のように、解砕はボールミル法でも良く、また分級部分は単なる沈降法でもよく、遠心分離法でも良い。
更にここでは2段のシステムを示したが、一段でも良く、また更により微細で部分を効率よく集めるために、三段以上とすることも出来る。
以下実施例により説明するが、これに制限されないことは言うまでも無い。
更にここでは2段のシステムを示したが、一段でも良く、また更により微細で部分を効率よく集めるために、三段以上とすることも出来る。
以下実施例により説明するが、これに制限されないことは言うまでも無い。
ダイアモンドを担持したマルチワイヤーソウによるシリコンインゴットからシリコンウエハーを得るための切断によって出てきたシリコン切粉をシリコン原料として微細なシリコン粒子の製造を行った。マルチワイヤーソウのワイヤー直径は0.1mmであり、潤滑冷却媒体として純水を用いたので得られたシリコン粒子は、他からの不純部が入ることなく、また最大粒径が、ワイヤー太さである、ほぼ100μmを最大とし、最小が1μm程度の粒子からなることがわかった。このものを純水中に分散しながら清浄空気と共に、ジェットミル(スギノマシーン製ジェットミル装置、スターバーストシステム)に投入して解砕を行い、出てきた、解砕され、また一部、ミルにより粉砕されたシリコンをサイクロン方式の分級機によって分級、粒径5μmを上限として分級し、サイクロン内で落下した粒子の大きなシリコン部分は前記ジェットミルに戻し、落下しなかった懸濁部分を集めて、目開き1μmのフィルター上に吸引濾過により集めた。10時間の連続運転により、投入シリコンの28%がフィルター上に集められた。これにより得られた目開き1μmのフィルター上に集められたシリコンの粒度分布を計測したところ、粒径3ミクロンを中心とするほぼ正規分布を示したが、僅かに粒径が小さい方に裾を引いていることがわかった。
厚み0.2mmの円盤型ダイアモンドソウを使用して、純水で冷却しながらシリコンインゴットから粉末を切り出した。これにより、見かけ最大粒径が約300μmの粒子が含まれる水分を多量に含むスラッジ状のシリコンが得られた。このスラッジ状のシリコンをPTFE内張を有するステンレススチール製ボールミル容器に純水、瑪瑙製のボールと共に入れて30分間解砕したのち、湿式サイクロンにかけて分級を行い、第1段として粒径10μmを限度として、それ以上のものはボールミル装置に戻すと共に、新たなスラッジ状のシリコンを加えて解砕・粉砕を行い、粒径10ミクロン以上の部分は新たな第2段ボールミルで更に30分間解砕・粉砕を行った。このようにして得た微細なシリコンを含む懸濁液について重力沈降により、粒径5μm部分で分別し、粒径5ミクロン以上の部分は第2段のボールミルに戻し、粒径5μm以下の部分は実施例1と同様にして目開き1μmのフィルターにより回収した。回収したシリコンは第2段へ移行したシリコンの70%であり、また第1段からの全体に対しては32%であった。
大型・大容量化が求められるリチウムイオン二次電池用の負極としてEV用電池需用の急拡大に伴い、その需用は急拡大中である。そこにおけるシリコンは従来の大型化とは真反対の微細化、特に20μm以下、出来れば3μm以下の粒径が望まれ、それに対応する高純度を保持したままの微細化技術は新たな市場として急拡大すると考える。
1 シリコン粉末供給
2 第1段解砕後シリコン微粒
3 第1段解砕後シリコン粗粒部ドレイン
4 第1段粗粒シリコン戻し
5 第1段粒度分離粗粒
6 第1段粒度分離微粒
7 第2段解砕後シリコン微粒
8 第2段解砕後シリコン粗粒
9 第2段粒度分離粗粒
10 製品シリコン微粒取り出し
50 ジェットミル供給空気
100 第1段ジェットミル
110 第2段ジェットミル
200 第1段粒度分級用サイクロン
210 第2段粒度分級用サイクロン
2 第1段解砕後シリコン微粒
3 第1段解砕後シリコン粗粒部ドレイン
4 第1段粗粒シリコン戻し
5 第1段粒度分離粗粒
6 第1段粒度分離微粒
7 第2段解砕後シリコン微粒
8 第2段解砕後シリコン粗粒
9 第2段粒度分離粗粒
10 製品シリコン微粒取り出し
50 ジェットミル供給空気
100 第1段ジェットミル
110 第2段ジェットミル
200 第1段粒度分級用サイクロン
210 第2段粒度分級用サイクロン
Claims (11)
- 切削、又は研削により微粉化した結晶性シリコンを分散液中で解砕し分散させることによってより分散度を高めた後、該分散液を重力分級法により見かけ粒径0.1〜20μmの微細なシリコンをシリコン分散液として採取すると共に、粗な部分の少なくとも一部を分散液中に戻して更に解砕すると共に、分散させる様にした微細シリコンの製造方法。
- 前記重力分級を複数回繰り返して粒径0.1〜20μmの微細なシリコンをシリコン分散液として採取する様にしたことを特徴とする請求項1の微細シリコンの製造方法。
- 分散媒が純水/脱イオン水であることを特徴とする請求項1又は2の微細シリコンの製造方法。
- 前記解砕を湿式ジェットミルで行う事を特徴とする請求項1〜3のいずれかの微細シリコンの製造方法。
- 前記解砕を湿式ボールミルで行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの微細シリコンの製造方法。
- 前記解砕を湿式ボールミルで行うに当たり、ボール材質が瑪瑙であることを特徴とする請求項5の微細シリコンの製造方法。
- 前記解砕を湿式ボールミルで行うに当たり、ボール材質が高純度シリコンであることを特徴とする請求項5の微細シリコンの製造方法。
- 前記、重力分級法が、遠心分離法であることを特徴とする請求項1又は2の微細シリコンの製造方法。
- 前記、重力分級法が、湿式サイクロン法によることを特徴とする請求項1又は2の微細シリコンの製造方法。
- 前記、重力分級法が、沈降分離法によることを特徴とする請求項1又は2の微細シリコンの製造方法。
- 微粉化した結晶性シリコンがシリコンウエハーを製造にかかる切削くずで有ることを特徴とする、請求項1又は2の微細シリコンの製造方法。
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