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JP2012206641A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

車輪用軸受装置 Download PDF

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JP2012206641A
JP2012206641A JP2011074534A JP2011074534A JP2012206641A JP 2012206641 A JP2012206641 A JP 2012206641A JP 2011074534 A JP2011074534 A JP 2011074534A JP 2011074534 A JP2011074534 A JP 2011074534A JP 2012206641 A JP2012206641 A JP 2012206641A
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JP2011074534A
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Shogo Suzuki
昭吾 鈴木
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】軽量・コンパクト化を図ると共に、加工工数を削減し、組立・分解作業を簡略化して低コスト化を図った車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】外側継手部材14の肩部19と内方部材8にフェイススプライン19a、13が形成されると共に、ハブ輪1の端面に当接して当該軸部20の雄ねじ20aに螺着された固定ナット22によって両フェイススプライン19a、13が圧接支持された車輪用軸受装置において、内輪5の端面にフェイススプライン13が形成され、ハブ輪1の小径段部1bに内輪5が所定のシメシロを介して圧入され、小径段部1bに高周波焼入れによって硬化されたセレーション21が形成されると共に、内輪5の内周面が未焼入れでフラット面とされ、この内周面をセレーション21が切削加工しながら密着嵌合させハブ輪1と内輪5が一体にプレスカット接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両の車輪を支持する車輪用軸受装置、詳しくは、車輪用軸受と等速自在継手とを備え、独立懸架式サスペンションに装着された駆動輪(FF車の前輪、FR車あるいはRR車の後輪、および4WD車の全輪)を懸架装置に対して回転自在に支持する車輪用軸受装置に関するものである。
自動車等の車両のエンジン動力を車輪に伝達する動力伝達装置は、エンジンから車輪へ動力を伝達すると共に、悪路走行時における車両のバウンドや車両の旋回時に生じる車輪からの径方向や軸方向変位、およびモーメント変位を許容する必要があるため、例えば、エンジン側と駆動車輪側との間に介装されるドライブシャフトの一端が摺動型の等速自在継手を介してディファレンシャルに連結され、他端が固定型の等速自在継手を含む車輪用軸受装置を介して駆動輪に連結されている。
この車輪用軸受装置として従来から種々の構造のものが提案されているが、例えば図5に示すようなものが知られている。この車輪用軸受装置50は、車輪(図示せず)を一端部に装着するハブ輪51と、このハブ輪51を回転自在に支承する複列の転がり軸受52、およびハブ輪51に連結され、ドライブシャフト(図示せず)の動力をハブ輪51に伝達する固定型の等速自在継手53を備えている。
ハブ輪51は、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジ54を一体に有し、外周に内側転走面51aと、この内側転走面51aから軸方向に延びる円筒状の小径段部51bが形成されている。複列の転がり軸受52は、外周に懸架装置(図示せず)に固定される車体取付フランジ55bを一体に有し、内周に複列の外側転走面55a、55aが形成された外方部材55と、この外方部材55に複列のボール56、56を介して内挿される内方部材57とからなる。
内方部材57は、ハブ輪51と、このハブ輪51の小径段部51bに圧入され、外周に内側転走面58aが形成された別体の内輪58とからなる。そして、ハブ輪51の小径段部51bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部51cにより、ハブ輪51に対して内輪58が軸方向に固定されている。
等速自在継手53は、カップ状のマウス部59と、このマウス部59の底部をなす肩部60と、この肩部60から軸方向に延びる軸部61とを一体に有する外側継手部材62を備え、ハブ輪51にこの外側継手部材62がトルク伝達可能に内嵌されている。すなわち、ハブ輪51の内周に雌セレーション63が形成されると共に、外側継手部材62の軸部61の外周に雄セレーション64が形成され、両セレーション63、64が噛合されている。そして、ハブ輪51の加締部51cに肩部60が突き合わされるまで外側継手部材62の軸部61がハブ輪51に内嵌されると共に、軸部61の端部に形成された雄ねじ65に固定ナット66が所定の締め付けトルクで締結され、ハブ輪51と外側継手部材62とが軸方向に着脱自在に結合されている。
こうした車両の車輪には、エンジン低速回転時、例えば車両発進時に、エンジンから摺動型の等速自在継手(図示せず)を介して大きなトルクが負荷され、ドライブシャフトに捩じれが生じることが知られている。その結果、このドライブシャフトを支持する複列の転がり軸受52の内方部材57にも捩じれが生じることになる。このようにドライブシャフトに大きな捩じれが発生した場合、外側継手部材62と内方部材57との当接面で急激なスリップによるスティックスリップ音が発生する。
この対策手段として、従来の車輪用軸受装置50において、外側継手部材62の肩部60と当接する部分、すなわち、ハブ輪51の加締部51cが平坦面に形成されると共に、図6に示すように、加締部51cの平坦面の径方向中央部に凹溝67が形成されている。そして、この凹溝67内にグリースが充填されている。このグリースにより当接面の摩擦係数を低くできるため、この当接面の摩擦エネルギを低減して肩部60と加締部51cとの当接面で急激なスリップによるスティックスリップ音が発生するのを防止することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−136908号公報
然しながら、こうした従来の車輪用軸受装置50では、ハブ輪51の内周に形成された雌セレーション63によって駆動力を伝達しているため、雌セレーション63の嵌合距離が長くなり、組立作業性が低下すると共に、雌セレーション63を形成するブローチ加工の工数が嵩み製造コストが高騰すると言った課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化を図ると共に、加工工数を削減し、組立・分解作業を簡略化して低コスト化を図った車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、複列の転がり軸受と等速自在継手が着脱自在にユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に嵌合され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された円筒状の内輪部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えると共に、前記等速自在継手が、カップ状のマウス部と、このマウス部の底部をなす肩部と、この肩部から軸方向に延び、端部に雄ねじが形成された軸部とを一体に有する外側継手部材を備え、この外側継手部材の肩部と前記内方部材にそれぞれフェイススプラインが形成されると共に、前記内方部材の内周面に前記軸部が所定のシメシロを介して圧入され、前記ハブ輪の端面に当接して当該軸部の雄ねじに螺着された固定ナットによって前記両フェイススプラインが圧接支持され、前記複列の転がり軸受と等速自在継手とがトルク伝達可能に、かつ軸方向に分離可能に結合された車輪用軸受装置において、前記内輪部材の端面にフェイススプラインが形成され、前記ハブ輪に前記内輪部材が所定のシメシロを介して圧入され、これらの嵌合面のうち一方の部材の嵌合面に高周波焼入れによって硬化されたセレーションが形成されると共に、他方の部材の嵌合面が未焼入れでフラット面とされ、この嵌合面を前記セレーションが切削加工しながら密着嵌合させて前記ハブ輪と内輪部材が一体にプレスカット接合されている。
このように、外側継手部材の肩部と内方部材にそれぞれフェイススプラインが形成されると共に、内方部材の内周面に軸部が所定のシメシロを介して圧入され、ハブ輪の端面に当接して当該軸部の雄ねじに螺着された固定ナットによって両フェイススプラインが圧接支持され、複列の転がり軸受と等速自在継手とがトルク伝達可能に、かつ軸方向に分離可能に結合された車輪用軸受装置において、内輪部材の端面にフェイススプラインが形成され、ハブ輪に内輪部材が所定のシメシロを介して圧入され、これらの嵌合面のうち一方の部材の嵌合面に高周波焼入れによって硬化されたセレーションが形成されると共に、他方の部材の嵌合面が未焼入れでフラット面とされ、この嵌合面を前記セレーションが切削加工しながら密着嵌合させて前記ハブ輪と内輪部材が一体にプレスカット接合されているので、軽量・コンパクト化を図ると共に、加工工数を削減し、組立・分解作業を簡略化して低コスト化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記ハブ輪と内輪部材の嵌合面のうち径方向内方に位置する部材の嵌合面に前記セレーションが形成されていれば、プレスカット接合時に発生したカットカスが嵌合面間に溜まることなく排出することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記ハブ輪の小径段部に前記内輪部材が外嵌され、この内輪部材が炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、少なくとも前記内側転走面とフェイススプラインが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されると共に、当該内輪部材の内周面が鍛造後の素材硬さのままとされていても良い。
また、請求項4に記載の発明のように、前記内輪部材が、前記内側転走面から軸方向に延びる円筒部が一体に形成され、この円筒部が前記ハブ輪の内周面に内嵌されていても良い。
また、請求項5に記載の発明のように、前記内輪部材が炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、前記内側転走面から円筒部に亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されていても良い。
また、請求項6に記載の発明のように、前記内輪部材が高炭素クロム軸受鋼で形成し、ズブ焼入れにより芯部まで60〜64HRCの範囲で硬化処理されていても良い。
また、請求項7に記載の発明のように、前記内輪部材のフェイススプラインが、当該内輪部材の冷間鍛造によって同時に形成されていれば、素材の歩留まりを向上させることができる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記内輪部材が鍛造後に調質処理されていれば、低硬度と高い靭性を確保することができる。
また、請求項9に記載の発明のように、前記セレーションの先端がエッジに形成されていれば、他方の嵌合面にセレーションを容易に切削加工しながら密着嵌合させることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、複列の転がり軸受と等速自在継手が着脱自在にユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に嵌合され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された円筒状の内輪部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えると共に、前記等速自在継手が、カップ状のマウス部と、このマウス部の底部をなす肩部と、この肩部から軸方向に延び、端部に雄ねじが形成された軸部とを一体に有する外側継手部材を備え、この外側継手部材の肩部と前記内方部材にそれぞれフェイススプラインが形成されると共に、前記内方部材の内周面に前記軸部が所定のシメシロを介して圧入され、前記ハブ輪の端面に当接して当該軸部の雄ねじに螺着された固定ナットによって前記両フェイススプラインが圧接支持され、前記複列の転がり軸受と等速自在継手とがトルク伝達可能に、かつ軸方向に分離可能に結合された車輪用軸受装置において、前記内輪部材の端面にフェイススプラインが形成され、前記ハブ輪に前記内輪部材が所定のシメシロを介して圧入され、これらの嵌合面のうち一方の部材の嵌合面に高周波焼入れによって硬化されたセレーションが形成されると共に、他方の部材の嵌合面が未焼入れでフラット面とされ、この嵌合面を前記セレーションが切削加工しながら密着嵌合させて前記ハブ輪と内輪部材が一体にプレスカット接合されているので、軽量・コンパクト化を図ると共に、加工工数を削減し、組立・分解作業を簡略化して低コスト化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図1の軸受部を示す縦断面図、(b)は、(a)の側面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図3の軸受部を示す縦断面図、(b)は、(a)の側面図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 図5のA−A矢視図である。
複列の転がり軸受と等速自在継手が着脱自在にユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に外嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えると共に、前記等速自在継手が、カップ状のマウス部と、このマウス部の底部をなす肩部と、この肩部から軸方向に延び、端部に雄ねじが形成された軸部とを一体に有する外側継手部材を備え、この外側継手部材の肩部と前記内方部材にそれぞれフェイススプラインが形成されると共に、前記内方部材の内周面に前記軸部が所定のシメシロを介して圧入され、前記ハブ輪の端面に当接して当該軸部の雄ねじに螺着された固定ナットによって前記両フェイススプラインが圧接支持され、前記複列の転がり軸受と等速自在継手とがトルク伝達可能に、かつ軸方向に分離可能に結合された車輪用軸受装置において、前記内輪の端面にフェイススプラインが形成され、前記ハブ輪の小径段部に、高周波焼入れによって硬化され、先端がエッジになったセレーションが形成されると共に、前記内輪の内周面が未焼入れでフラット面とされ、この嵌合面を前記セレーションが切削加工しながら密着嵌合させて前記ハブ輪と内輪が一体にプレスカット接合されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2(a)は、図1の軸受部を示す縦断面図、(b)は、(a)の側面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は、ハブ輪1と複列の転がり軸受2と等速自在継手3を着脱自在にユニット化した、所謂第3世代と称される構成を備えている。
複列の転がり軸受2は、外方部材7と内方部材8と複列の転動体(ボール)9、9とを備えている。この外方部材7はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ7bを一体に有し、内周に複列の外側転走面7a、7aが形成されている。そして、少なくともこの複列の外側転走面7a、7aは、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。
一方、内方部材8は、前記した外方部材7の外側転走面7a、7aに対向する複列の内側転走面1a、5aが形成されている。これら複列の内側転走面1a、5aのうち一方(アウター側)の内側転走面1aがハブ輪1の外周に、他方(インナー側)の内側転走面5aが内輪5の外周にそれぞれ一体に形成されている。この場合、内方部材8はハブ輪1と内輪5を指す。そして、複列の転動体9、9がこれら両転走面間にそれぞれ収容され、保持器10、10によって転動自在に保持されている。また、外方部材7と内方部材8との間に形成される環状空間の開口部にはシール11、12が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、外周に内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、この小径段部1bに内輪5が固定されている。車輪取付フランジ4の周方向等配に車輪を締結するためのハブボルト6が植設されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、内側転走面1aをはじめ、アウター側のシール11のシールランド部となる車輪取付フランジ4のインナー側の基部4aから小径段部1bに亙る外周面に高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。また、転動体9はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで60〜64HRCの範囲で硬化処理されている。なお、ここでは、転動体9にボールを使用した複列のアンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず、転動体9に円錐ころを使用した複列の円錐ころ軸受であっても良い。
等速自在継手3は、外側継手部材14と継手内輪15とケージ16およびトルク伝達ボール17からなる。外側継手部材14は、カップ状のマウス部18と、このマウス部18の底部をなす肩部19と、この肩部19から軸方向に延びる軸部20とを有し、マウス部18の内周および継手内輪15の外周には軸方向に延びる曲線状のトラック溝18a、15aがそれぞれ形成されている。また、軸部20に雄ねじ20aが形成されると共に、肩部19の端面にフェイススプライン19aが形成されている。この外側継手部材14はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、トラック溝18aをはじめ、肩部19から軸部20に亙る外周面に高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。
本実施形態では、図2(a)に示すように、内輪5の端面には、外側継手部材14の肩部19に形成されたフェイススプライン19aに噛合するフェイススプライン13が塑性加工によって形成されている。内輪5はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、少なくとも内側転走面5aとフェイススプライン13が高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。なお、内周面5bは鍛造後の素材硬さのままとされている。
ここで、内輪5が嵌合されるハブ輪1の小径段部1bの外周に高周波焼入れによって硬化されたセレーション(またはスプライン)21が形成されている。そして、ハブ輪1の小径段部1bに内輪5が所定のシメシロを介して内嵌され、未焼入れである内輪5の内周面5bにセレーション21を密着嵌合されてハブ輪1と内輪5が一体に結合、所謂プレスカット接合されている。
ここでは、ハブ輪1の小径段部1bのセレーション21の先端をエッジに形成することにより、内輪5の内周面5bにセレーション21を容易に切削加工しながら密着嵌合させることができると共に、プレスカット接合時に発生したカットカスが小径段部1bと内輪5間に溜まることなくインナー側に排出することができる。こうしたプレスカット接合を採用することにより、所望の駆動力を伝達することができ、長期間に亘ってハブ輪1と内輪5の結合部の緩みを防止することができる。
これらの複列の転がり軸受2および等速自在継手3は、図1に示すように、ハブ輪1の内周に外側継手部材14の軸部20が所定のシメシロを介して内嵌されると共に、軸部20の雄ねじ20aに固定ナット22が螺着されることによって、外側継手部材14の肩部19と内輪5との対向する両フェイススプライン19a、13が圧接支持され、着脱自在にユニット化されている。
本実施形態では、内輪5の端面に直接フェイススプライン13が形成され、さらに、この内輪5とハブ輪1間は駆動力が伝達できるようにプレスカット接合されているので、等速自在継手3との組立が格段に簡素化でき、軽量・コンパクト化を図ると共に、加工工数を削減して低コスト化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
図3は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、図4(a)は、図3の軸受部を示す縦断面図、(b)は、(a)の側面図である。なお、この実施形態は、前述した実施形態と基本的には、複列の転がり軸受の構成が異なるだけで、その他、前述した実施形態と同一部品・同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この車輪用軸受装置は、図3に示すように、ハブ輪23と複列の転がり軸受24と等速自在継手3を着脱自在にユニット化した第3世代と称される構成を備えている。
複列の転がり軸受24は、外方部材7と内方部材25と複列の転動体9、9とを備えている。内方部材25は、ハブ輪23と、このハブ輪23に内嵌された内輪部材26とからなり、外方部材7の外側転走面7a、7aに対向する複列の内側転走面1a、5aが形成されている。
ハブ輪23は、アウター側の端部に車輪取付フランジ4を一体に有し、外周に内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部23aが形成されている。このハブ輪23はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、内側転走面1aをはじめ、アウター側のシール11が摺接する車輪取付フランジ4のインナー側の基部4aから小径段部23aに亙る外周面に高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。
内輪部材26は、内側転走面5aから軸方向に延びる円筒部27が一体に形成されている。内輪部材26はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、内側転走面5aから円筒部27に亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。なお、内輪部材26をSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で形成し、ズブ焼入れにより芯部まで60〜64HRCの範囲で硬化処理しても良い。
ここで、図4(a)、(b)に示すように、内輪部材26の端面にフェイススプライン28が形成され、外側継手部材14の肩部19に形成されたフェイススプライン19aに噛合されている。このフェイススプライン28を含む内輪部材26は、冷間鍛造によって形成されているが、鍛造後に調質(焼入れ後、高温焼戻し)処理されてもよい。この調質処理により、低硬度と高い靭性を確保することができる。
本実施形態では、内輪部材26がフェイススプライン28を含めて冷間鍛造によって形成された後、所定の形状・寸法に旋削加工が施され、そして、所定の部位が熱処理された後、少なくとも内側転走面5aが研削加工される。
ここで、内輪部材26の円筒部27の外周に高周波焼入れによって硬化されたセレーション(またはスプライン)29が形成されている。そして、ハブ輪23に内輪部材26が所定のシメシロを介して内嵌され、未焼入れであるハブ輪23の内周面23bにセレーション29を密着嵌合されてハブ輪23と内輪部材26が一体にプレスカット接合されている。
ここでは、内輪部材26の円筒部27におけるセレーション29の先端をエッジに形成することにより、ハブ輪23の内周面23bにセレーション29を容易に切削加工しながら密着嵌合させることができると共に、プレスカット接合時に発生したカットカスがハブ輪23と内輪部材26間に溜まることなくアウター側に排出することができる。こうしたプレスカット接合を採用することにより、所望の駆動力を伝達することができ、長期間に亘ってハブ輪23と内輪部材26の結合部の緩みを防止することができる。
これらの複列の転がり軸受24および等速自在継手3は、図3に示すように、ハブ輪23の内周に外側継手部材14の軸部20が所定のシメシロを介して内嵌されると共に、軸部20の雄ねじ20aに固定ナット22が螺着されることによって、外側継手部材14の肩部19と内輪部材26との対向する両フェイススプライン19a、28が圧接支持され、着脱自在にユニット化されている。
本実施形態では、内輪部材26の端面に直接フェイススプライン28が形成され、さらに、この内輪部材26とハブ輪23間は駆動力が伝達できるようにプレスカット接合されているので、前述した実施形態と同様、等速自在継手3との組立が格段に簡素化でき、軽量・コンパクト化を図ると共に、加工工数を削減して低コスト化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪を有する複列の転がり軸受と等速自在継手とを着脱自在にユニット化した車輪用軸受装置に適用することができる。
1、23 ハブ輪
1a、5a 内側転走面
1b、23a 小径段部
2、24 複列の転がり軸受
3 等速自在継手
4 車輪取付フランジ
4a 車輪取付フランジのインナー側の基部
5 内輪
5b 内輪の内周面
6 ハブボルト
7 外方部材
7a 外側転走面
7b 車体取付フランジ
8、25 内方部材
9 転動体
10 保持器
11、12 シール
13、19a、28 フェイススプライン
14 外側継手部材
15 継手内輪
15a、18a トラック溝
16 ケージ
17 トルク伝達ボール
18 マウス部
19 肩部
20 軸部
21、29 セレーション
20a 雄ねじ
22 固定ナット
26 内輪部材
27 円筒部
50 車輪用軸受装置
51 ハブ輪
51a、58a 内側転走面
51b 小径段部
51c 加締部
52 複列の転がり軸受
53 等速自在継手
54 車輪取付フランジ
55 外方部材
55a 外側転走面
55b 車体取付フランジ
56 ボール
57 内方部材
58 内輪
59 マウス部
60 肩部
61 軸部
62 外側継手部材
63 雌セレーション
64 雄セレーション
65 雄ねじ
66 固定ナット
67 凹溝

Claims (9)

  1. 複列の転がり軸受と等速自在継手が着脱自在にユニット化された車輪用軸受装置であって、
    前記複列の転がり軸受が、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に嵌合され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された円筒状の内輪部材からなる内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えると共に、
    前記等速自在継手が、カップ状のマウス部と、このマウス部の底部をなす肩部と、
    この肩部から軸方向に延び、端部に雄ねじが形成された軸部とを一体に有する外側継手部材を備え、
    この外側継手部材の肩部と前記内方部材にそれぞれフェイススプラインが形成されると共に、
    前記内方部材の内周面に前記軸部が所定のシメシロを介して圧入され、前記ハブ輪の端面に当接して当該軸部の雄ねじに螺着された固定ナットによって前記両フェイススプラインが圧接支持され、前記複列の転がり軸受と等速自在継手とがトルク伝達可能に、かつ軸方向に分離可能に結合された車輪用軸受装置において、
    前記内輪部材の端面にフェイススプラインが形成され、前記ハブ輪に前記内輪部材が所定のシメシロを介して圧入され、これらの嵌合面のうち一方の部材の嵌合面に高周波焼入れによって硬化されたセレーションが形成されると共に、他方の部材の嵌合面が未焼入れでフラット面とされ、この嵌合面を前記セレーションが切削加工しながら密着嵌合させて前記ハブ輪と内輪部材が一体にプレスカット接合されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記ハブ輪と内輪部材の嵌合面のうち径方向内方に位置する部材の嵌合面に前記セレーションが形成されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記ハブ輪の小径段部に前記内輪部材が外嵌され、この内輪部材が炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、少なくとも前記内側転走面とフェイススプラインが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されると共に、当該内輪部材の内周面が鍛造後の素材硬さのままとされている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記内輪部材が、前記内側転走面から軸方向に延びる円筒部が一体に形成され、この円筒部が前記ハブ輪の内周面に内嵌されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記内輪部材が炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、前記内側転走面から円筒部に亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている請求項4に記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記内輪部材が高炭素クロム軸受鋼で形成し、ズブ焼入れにより芯部まで60〜64HRCの範囲で硬化処理されている請求項4に記載の車輪用軸受装置。
  7. 前記内輪部材のフェイススプラインが、当該内輪部材の冷間鍛造によって同時に形成されている請求項1乃至6いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  8. 前記内輪部材が鍛造後に調質処理されている請求項7に記載の車輪用軸受装置。
  9. 前記セレーションの先端がエッジに形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
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CN110873119A (zh) * 2019-10-25 2020-03-10 广州电力机车有限公司 一种自卸车后桥总成关节轴承组件、关节轴承安装方法及计算方法

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