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JP2012256092A - 太陽光発電システム - Google Patents

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JP2012256092A JP2011127284A JP2011127284A JP2012256092A JP 2012256092 A JP2012256092 A JP 2012256092A JP 2011127284 A JP2011127284 A JP 2011127284A JP 2011127284 A JP2011127284 A JP 2011127284A JP 2012256092 A JP2012256092 A JP 2012256092A
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Abstract

【課題】出力損失を低減することができる太陽光発電システムを提供する。
【解決手段】複数の太陽電池発電単位を並列接続し、各々の前記太陽電池発電単位から並列接続点までの延長ケーブルの総ケーブル長が一部又は全部異なる太陽光発電システムであって、電気抵抗率及び導体断面積の少なくとも一つが異なる複数種類の延長ケーブルを用いて、各々の前記太陽電池発電単位から並列接続点までの電力伝送経路の電気抵抗値を略同一にしている太陽光発電システム。
【選択図】図6

Description

本発明は、太陽光発電システムに関し、特に複数の太陽電池発電単位が並列接続されている太陽光発電システムに関する。
一般的な太陽光発電システムでは、各太陽電池発電単位に備わっているケーブルを各太陽電池発電単位の境界接続点にて各延長ケーブルと接続し、各延長ケーブルを並列接続点まで配線して並列接続し、当該並列接続点と最大出力動作点追尾(MPPT:Maximum Power Point Tracking)機能を有するパワーコンディショナの入力端とをケーブルで接続して、各太陽電池発電単位からの電力を当該パワーコンディショナに供給している。当該パワーコンディショナは、当該パワーコンディショナの入力端に供給される電力が最大となるようにMPPT制御を行い、各太陽電池発電単位の動作電圧及び動作電流を決定している。
太陽電池発電単位は並列接続点に入力される個々の入力単位ごとに区分されるものである。太陽電池発電単位の具体的な構成は、太陽電池モジュール単体である場合、太陽電池モジュールを複数直列接続した太陽電池モジュールストリングである場合など太陽光発電システムの構成によって異なっている。また、並列接続点が複数存在する太陽光発電システムも多く存在する。
ここで、太陽電池発電単位が太陽電池モジュール単体である太陽光発電システムの一例を図1に示し、太陽電池発電単位が太陽電池モジュールストリングである太陽光発電システムの一例を図2に示し、並列接続点が複数存在し且つ太陽電池発電単位が複数種類存在する太陽光発電システムの一例を図3に示す。なお、図1〜3において、符号1は太陽電池発電単位を、符号2は太陽電池モジュールを、符号3は太陽電池発電単位に備わっているケーブルを、符号4は境界接続点を、符号5は延長ケーブルを、符号6は並列接続点を、符号7はMPPT機能を有するパワーコンディショナを、符号8はケーブルを、符号9は太陽電池モジュールストリングを、符号10は境界接続点兼並列接続点をそれぞれ示している。
米国特許出願公開第2008/0236648号明細書 特開平7−45847号公報
上述した構成の太陽光発電システムでは、各太陽電池発電単位及びMPPT機能を有するパワーコンディショナの設置場所の制約によって定まる各太陽電池発電単位とMPPT機能を有するパワーコンディショナとの物理的距離の制約から、各太陽電池発電単位から並列接続点までの距離は異なる場合がほとんどで、同種の延長ケーブルを使用する場合、その長さの違いによって各延長ケーブルの抵抗値が異なることになる。
各太陽電池発電単位における電流電圧特性が同じであっても、並列接続点における各太陽電池発電単位の電流電圧特性は、その延長ケーブルの抵抗値の違いによる電圧降下のために異なるものとなり、並列接続点における各太陽電池発電単位の最大出力動作点電圧も異なることとなる。
最大出力動作点電圧が異なる太陽電池発電単位を並列合成した場合(最大出力動作点電圧が異なる太陽電池発電単位の出力電圧を同一電圧値にし、最大出力動作点電圧が異なる太陽電池発電単位の出力電流を足し合わせた場合)、その並列合成後の電流電圧特性における最大出力動作点電圧は、必ずしも個々の太陽電池発電単位の最大出力動作点電圧に一致しない。
ここで、説明を簡単にするために、2つの太陽電池発電単位を並列接続する場合について考察する。
2つの太陽電池発電単位から並列接続点までの延長ケーブルの抵抗値が異なる場合の、並列接続点における電流電圧特性の一例を図4に示す。図4において、符号T1は最大出力がPa、最大出力動作点電圧がVaである太陽電池発電単位1aの電流電圧特性を、符号T2は最大出力がPb、最大出力動作点電圧がVbである太陽電池発電単位1bの電流電圧特性を、符号T3は太陽電池発電単位1a及び太陽電池発電単位1bの並列合成後の電流電圧特性をそれぞれ示している。
太陽電池発電単位1aと太陽電池発電単位1bとを並列合成した場合、その最大出力動作点電圧は、太陽電池発電単位1aの最大出力動作点電圧Vaとも太陽電池発電単位1bの最大出力動作点電圧Vbとも異なるVsとなる。
また、2つの太陽電池発電単位から並列接続点までの延長ケーブルの抵抗値が異なる場合の、並列接続点における出力電圧特性の一例を図5に示す。図5において、符号T4は太陽電池発電単位1aの出力電圧特性を、符号T5は太陽電池発電単位1bの出力電圧特性を、符号T6は太陽電池発電単位1a及び太陽電池発電単位1bの並列合成後の出力電圧特性をそれぞれ示している。
太陽光発電システムのMPPT機能を有するパワーコンディショナは、並列合成後の最大出力Psを得るために、並列合成後の最大出力動作点電圧Vsで動作するようにMPPT制御を行う。このとき、太陽電池発電単位1aから得られる出力はPa’であり、太陽電池発電単位1bから得られる出力はPb’であり、並列合成後の最大出力Psは出力Pa’と出力Pb’との和になっている。
上述した通り並列合成後の最大出力動作点電圧Vsは太陽電池発電単位1aの最大出力動作点電圧Vaとも太陽電池発電単位1bの最大出力動作点電圧Vbとも異なるため、並列合成後の最大出力動作点電圧Vsにおける太陽電池発電単位1aの出力Pa’は太陽電池発電単位1aの最大出力Paよりも小さくなり、同様に、並列合成後の最大出力動作点電圧Vsにおける太陽電池発電単位1bの出力Pb’は太陽電池発電単位1bの最大出力Pbよりも小さくなる。
このように従来の一般的な太陽光発電システムでは、最適動作点のミスマッチが発生し、個々の太陽電池発電単位が有している発電能力を十分に発揮することができず、出力の損失が大きかった。
最適動作点のミスマッチによる損失を回避することができる太陽光発電システムとしては、例えば、個々の太陽電池モジュールごとにMPPT制御を実施し、さらに個々の太陽電池モジュールの出力を昇圧または降圧して安定化する装置(レギュレータ)を設けるシステムが特許文献1で提案されている。しかしながら、特許文献1で提案されているシステムは、レギュレータを設けるため高価である、昇圧降圧時の変換損失が発生するなどの欠点を有している。
本発明は、上記の状況に鑑み、出力損失を低減することができる太陽光発電システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る太陽光発電システムは、複数の太陽電池発電単位を並列接続し、各々の前記太陽電池発電単位から並列接続点までの延長ケーブルの総ケーブル長が一部又は全部異なる太陽光発電システムであって、電気抵抗率及び導体断面積の少なくとも一つが異なる複数種類の延長ケーブルを用いて、各々の前記太陽電池発電単位から並列接続点までの電力伝送経路の電気抵抗値を略同一にする構成(第1の構成)としている。
上記第1の構成の太陽光発電システムにおいて、或る前記太陽電池発電単位kから前記並列接続点までの電力伝送経路の電気抵抗値をRとし、或る前記太陽電池発電単位kから前記並列接続点までの電力伝送経路として使用する延長ケーブルの種類をn(nは自然数)個とし、前記n個の種類のうちi番目(iはn以下の任意の自然数)の延長ケーブルの電気抵抗率をρki、ケーブル長をLki、導体断面積をSkiとした場合に、
Figure 2012256092
である構成(第2の構成)にしてもよい。
上記第2の構成の太陽光発電システムにおいて、或る前記太陽電池発電単位kから前記並列接続点までの電力伝送経路として使用する延長ケーブルの総コストをTCとし、前記n個の種類のうちi番目の延長ケーブルの単位長さあたりのコストをCkiとした場合に、
Figure 2012256092
であり、前記総コストTCが最小となるように各ケーブル長Lkiを決定する構成(第3の構成)としてもよい。
上記第3の構成の太陽光発電システムにおいて、延長ケーブルの最低必要長さを設定して、前記総コストTCが最小となるように各ケーブル長Lkiを決定する構成(第4の構成)としてもよい。
上記第1〜4のいずれかの構成の太陽光発電システムにおいて、前記並列接続点までの距離が最も短い前記太陽電池発電単位に使用する延長ケーブルを1種類とする構成としてもよい。
本発明に係る太陽光発電システムによると、最適動作点のミスマッチが発生しないので、個々の太陽電池発電単位が有している発電能力を十分に発揮することができ、出力の損失を低減することができる。
太陽電池発電単位が太陽電池モジュール単体である太陽光発電システムの一例を示す図である。 太陽電池発電単位が太陽電池モジュールストリングである太陽光発電システムの一例を示す図である。 並列接続点が複数存在し且つ太陽電池発電単位が複数種類存在する太陽光発電システムの一例を示す図である。 2つの太陽電池発電単位から並列接続点までの延長ケーブルの抵抗値が異なる場合の、並列接続点における電流電圧特性の一例を示す図である。 2つの太陽電池発電単位から並列接続点までの延長ケーブルの抵抗値が異なる場合の、並列接続点における出力電圧特性の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る太陽光発電システムの概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る太陽光発電システムの効果を説明するための図である。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本発明の一実施形態に係る太陽光発電システムの概略構成を図6に示す。図6に示す本発明の一実施形態に係る太陽光発電システムは、3つの太陽電池発電単位、すなわち第1の太陽電池発電単位1−1、第2の太陽電池発電単位1−2、及び第3の太陽電池発電単位1−3を備えている。各太陽電池発電単位は並列接続点に入力される個々の入力単位ごとに区分されるものであり、例えば、太陽電池モジュール単体、太陽電池モジュールを複数直列接続した太陽電池モジュールストリング等で構成される。
第1の太陽電池発電単位1−1は1種類の延長ケーブルを用いて並列接続点6に接続される。すなわち、第1の太陽電池発電単位1−1に備わっているケーブル(不図示)が第1の太陽電池発電単位1−1の境界接続点4−1にて延長ケーブル5−1の一端と接続され、延長ケーブル5−1の他端が並列接続点6に接続される。なお、延長ケーブル5−1の電気抵抗率をρ11とし、延長ケーブル5−1のケーブル長さをL11とし、延長ケーブル5−1の導体断面積をS11とする。
第2の太陽電池発電単位1−2は2種類の延長ケーブルを用いて並列接続点6に接続される。すなわち、第2の太陽電池発電単位1−2に備わっているケーブル(不図示)が第2の太陽電池発電単位1−2の境界接続点4−2にて延長ケーブル5−2−1の一端と接続され、延長ケーブル5−2−1の他端が中継点11−2にて延長ケーブル5−2−2の一端と接続され、延長ケーブル5−2−2の他端が並列接続点6に接続される。
中継点11−2における延長ケーブル同士の接続方法としては、例えば、圧着スリーブによって延長ケーブル同士をかしめ、自己融着テープ、電気工事用ビニールテープによって養生する方法が挙げられる。他の接続方法としては、例えば、それぞれの延長ケーブル径に対応可能な接続コネクタを中継点の両端に設け、当該接続コネクタを用いて延長ケーブル同士を接続する方法或いは、内部に端子台を備える防水ボックスを中継点に設け、当該端子台を用いて延長ケーブル同士を接続する方法等が挙げられる。
なお、延長ケーブル5−2−1の電気抵抗率をρ21とし、延長ケーブル5−2−1のケーブル長さをL21とし、延長ケーブル5−2−1の導体断面積をS21とする。また、延長ケーブル5−2−2の電気抵抗率をρ22とし、延長ケーブル5−2−2のケーブル長さをL22とし、延長ケーブル5−2−2の導体断面積をS22とする。
第3の太陽電池発電単位1−3は3種類の延長ケーブルを用いて並列接続点6に接続される。すなわち、第3の太陽電池発電単位1−3に備わっているケーブル(不図示)が第3の太陽電池発電単位1−3の境界接続点4−3にて延長ケーブル5−3−1の一端と接続され、延長ケーブル5−3−1の他端が中継点11−3−1にて延長ケーブル5−3−2の一端と接続され、延長ケーブル5−3−2の他端が中継点11−3−2にて延長ケーブル5−3−3の一端と接続され、延長ケーブル5−3−3の他端が並列接続点6に接続される。
中継点11−3−1における延長ケーブル同士の接続方法及び中継点11−3−2における延長ケーブル同士の接続方法は、中継点11−2における延長ケーブル同士の接続方法と同様である。
なお、延長ケーブル5−3−1の電気抵抗率をρ31とし、延長ケーブル5−3−1のケーブル長さをL31とし、延長ケーブル5−3−1の導体断面積をS31とする。また、延長ケーブル5−3−2の電気抵抗率をρ32とし、延長ケーブル5−3−2のケーブル長さをL32とし、延長ケーブル5−3−2の導体断面積をS32とする。また、延長ケーブル5−3−3の電気抵抗率をρ33とし、延長ケーブル5−3−3のケーブル長さをL33とし、延長ケーブル5−3−3の導体断面積をS33とする。
以下、延長ケーブル5−1のケーブル長さL11が30mであり、延長ケーブル5−2−1のケーブル長さL21と延長ケーブル5−2−2のケーブル長さL22との合計が45mであり、延長ケーブル5−3−1のケーブル長さL31と延長ケーブル5−3−2のケーブル長さL32と延長ケーブル5−3−3のケーブル長さL33との合計が60mである場合を例に挙げて説明する。
図6に示す本発明の一実施形態に係る太陽光発電システムでは、各太陽電池発電単位(第1の太陽電池発電単位1−1、第2の太陽電池発電単位1−2、第3の太陽電池発電単位1−3)から並列接続点6までの電気抵抗値を一致させるが、基準となる電気抵抗値を決める必要がある。太陽光発電システムとしては、最適動作点のミスマッチを除けば、各太陽電池発電単位から並列接続点までの電気抵抗値が低ければ低いほど出力は高くなるが、その分延長ケーブルの導体断面積は大きくなり、イニシャルコストが高くなるため、イニシャルコストも考慮したうえで導体断面積を選定する必要がある。
図6に示す本発明の一実施形態に係る太陽光発電システムでは、並列接続点6までの距離が最も短い太陽電池発電単位に使用する延長ケーブルを1種類とし、その電気抵抗値を基準としている。このような構成にした理由は、導体断面積の小さいケーブルすなわちコストの安いケーブルを1種類使う場合において、並列接続点6までの距離が最も短い太陽電池発電単位に当該導体断面積の小さいケーブルを使用する方が、他の太陽電池発電単位に当該導体断面積の小さいケーブルを使用するよりも、ケーブル長が短くなり該導体断面積の小さいケーブルの電気抵抗値が低くなるので、最低限どの程度の導体断面積にすれば良いのかがわかりやすいためである。日本において商品化されているケーブルの導体断面積は、2mm、3.5mm、5.5mm、8mmなどである。
並列接続点6までの距離が最も短い太陽電池発電単位である第1の太陽電池発電単位1−1を並列接続点6に接続するための延長ケーブル5−1として、導体断面積S11が2mmであって、電気抵抗率ρ11が0.0171Ω・mm/m(導体材質に銅を使用)であるケーブルを採用すると、延長ケーブル5−1のケーブル長さL11が30mであるので、延長ケーブル5−1の電気抵抗値は0.2565Ωとなる。
次に、第2太陽電池発電単位1−2を並列接続点6に接続するための2種類の延長ケーブル(延長ケーブル5−2−1、延長ケーブル5−2−2)の仕様を決定する。2種類の延長ケーブルの導体材質として銅を使用する。したがって、延長ケーブル5−2−1の電気抵抗率ρ21、延長ケーブル5−2−2の電気抵抗率ρ21は共に0.0171Ω・mm/mとなる。また、コスト面を考慮し、導体断面積を小さくするため、延長ケーブル5−2−1の導体断面積S21を2mmとし、延長ケーブル5−2−2の導体断面積S22を3.5mmとする。そして、延長ケーブル5−2−1のケーブル長さL21と延長ケーブル5−2−2のケーブル長さL22との合計は上述の通り45mである。したがって、第1太陽電池発電単位1−1を並列接続点6に接続するための1種類の延長ケーブルの電気抵抗値と、第2太陽電池発電単位1−2を並列接続点6に接続するための2種類の延長ケーブルの総電気抵抗値とを等しくするためには、以下の(1)式を満たす必要がある。
Figure 2012256092
上記の(1)式を解くと、延長ケーブル5−2−1のケーブル長さL21は10mとなる。これにより、延長ケーブル5−2−2のケーブル長さL22は35mとなる。
次に、第3太陽電池発電単位1−3を並列接続点6に接続するための延長ケーブルの仕様を決定する。
まず、第2太陽電池発電単位1−2の場合と同様に2種類のケーブルを用いて、第1太陽電池発電単位1−1を並列接続点6に接続するための1種類の延長ケーブルの電気抵抗値と、第3太陽電池発電単位1−3を並列接続点6に接続するための2種類の延長ケーブルの総電気抵抗値とを等しくすることができるかを試みる。
コスト面を考慮し、導体断面積を小さくするため、延長ケーブル5−3−1の導体断面積S31を2mmとし、延長ケーブル5−3−2の導体断面積S32を3.5mmとする。そして、延長ケーブル5−3−1のケーブル長さL31と延長ケーブル5−3−2のケーブル長さL32との合計を60mとする。このような設定の場合、第1太陽電池発電単位1−1を並列接続点6に接続するための1種類の延長ケーブルの電気抵抗値と、第3太陽電池発電単位1−3を並列接続点6に接続するための2種類の延長ケーブルの総電気抵抗値とを等しくするためには、以下の(2)式を満たす必要がある。
Figure 2012256092
上記の(2)式を解くと、延長ケーブル5−3−1のケーブル長さL31は−10mとなり、解がない。よって、さらに電気抵抗率の低い導体断面積5.5mmのケーブルを使用する必要がある。
<第3の太陽電池発電単位に対応する延長ケーブルの仕様決定の第1実施例>
圧着スリーブを利用した中継の場合、導体断面積が小さいケーブルから導体断面積が大きいケーブルへの中継、例えば導体断面積が2mmであるケーブルから、導体断面積が5.5mmであるケーブルへの中継が困難な場合がある。そのため、導体断面積を段階的に上げるようにして、中継を実施することを考えなければならない。太陽電池発電単位に備わっているケーブルと直接接続する延長ケーブルの導体断面積が2mmである場合を考え、導体断面積が3.5mmの延長ケーブル、導体断面積が5.5mmの延長ケーブルを順番に使用するものとする。すなわち、第3太陽電池発電単位1−3を並列接続点6に接続するために、3種類の延長ケーブル(延長ケーブル5−3−1、延長ケーブル5−3−2、延長ケーブル5−3−3)を使用することにし、図6に示すように、2つの中継点11−3−1及び11−3−2を設けるようにする。
この場合、延長ケーブル5−3−1のケーブル長さL31と延長ケーブル5−3−2のケーブル長さL32と延長ケーブル5−3−3のケーブル長さL33との合計が60mである。さらに中継点での接続作業性の悪化を防止するために、延長ケーブル5−3−1のケーブル長L31、延長ケーブル5−3−2のケーブル長L32、延長ケーブル5−3−3のケーブル長L33それぞれを1m以上とする。但し、ここで設定した最短ケーブル長さ1mはあくまで一例であり、中継点での接続方法に応じて適切な値を最短ケーブル長さとして設定すればよい。例えば、0.1mに設定することも可能である。
第1太陽電池発電単位1−1を並列接続点6に接続するための1種類の延長ケーブルの電気抵抗値と、第3太陽電池発電単位1−3を並列接続点6に接続するための3種類の延長ケーブルの総電気抵抗値とを等しくするためには、以下の(3)式を満たす必要がある。
Figure 2012256092
ここで、L31が1m以上である条件を調べるために、上記の(3)式に対してL32=60−L31−L33を代入し計算すると、
31=0.4848×L33−10≧1
となる。これにより、L33≧22.7mとなる。
続いて、L32が1m以上である条件を調べるために、上記の(3)式に対してL31=60−L32−L33を代入し計算すると、
32=70−1.4848×L33≧1
となる。これにより、L33≦46.4mとなる。
次に、ケーブルのコストを考える。ケーブルのコストはケーブル長に比例するものとし、導体断面積が2mmである延長ケーブルのケーブル長あたりのコスト、導体断面積が3.5mmである延長ケーブルのケーブル長あたりのコスト、導体断面積が5.5mmである延長ケーブルのケーブル長あたりのコストをそれぞれ100、175、275とすると、第3太陽電池発電単位1−3を並列接続点6に接続するための3種類の延長ケーブル(延長ケーブル5−2−1、延長ケーブル5−2−2、延長ケーブル5−2−3)の総コストTCは以下の(4)式で表される。
TC=100×L31+175×L32+275×L33 ・・・(4)
上記の(4)式に対して、L31が1m以上である条件を調べる際に求めたL31=0.4848×L33−10、及び、L32が1m以上である条件を調べる際に求めたL32=70−1.4848×L33を代入し計算すると、
TC=63.64×L33+11250
となる。この場合、ケーブル総コストTCは単調増加関数であるため、延長ケーブル5−2−3のケーブル長L33が小さいほどケーブル総コストTCが小さくなる。よって、L31が1m以上である条件を満たした上でケーブル総コストTCが最小になるように、L33=22.7mと決定される。以上から、L31=1m、L32=36.3mとなる。
<第3の太陽電池発電単位に対応する延長ケーブルの仕様決定の第2実施例>
ここで、変形例として、第3の太陽電池発電単位1−3の延長ケーブル仕様を決めるにあたり、延長ケーブル5−3−1として、導体断面積が3.5mmであって、電気抵抗率ρ11が0.0171Ω・mm/m(導体材質に銅を使用)であるケーブルを採用し、延長ケーブル5−3−2として、導体断面積が5.5mmであって、電気抵抗率ρ11が0.027Ω・mm/m(導体材質にアルミニウムを使用)であるケーブルを採用し、延長ケーブル5−3−3として、導体断面積が8mmであって、電気抵抗率ρ11が0.0171Ω・mm/m(導体材質に銅を使用)であるケーブルを採用する場合を考える。
第1太陽電池発電単位1−1を並列接続点6に接続するための1種類の延長ケーブルの電気抵抗値と、第3太陽電池発電単位1−3を並列接続点6に接続するための3種類の延長ケーブルの総電気抵抗値とを等しくするためには、以下の(5)式を満たす必要がある。
Figure 2012256092
ここで、L31が1m以上である条件を調べるために、上記の(5)式に対してL33=60−L31−L32を代入し計算すると、
31=−1.0085×L32+46.67≧1
となる。これにより、L32≦45mとなる。
続いて、L33が1m以上である条件を調べるために、上記の(5)式に対してL31=60−L32−L33を代入し計算すると、
33=0.0085×L32+13.33≧1
となる。これにより、L32≧−1450mとなり、実際には1m以上であることから、L32≧1mとなる。
次に、ケーブルのコストを考える。ケーブルのコストはケーブル長に比例するものとし、アルミニウムケーブルのコストは銅ケーブルのコストの約1/3とした場合、導体断面積が3.5mmであって銅ケーブルである延長ケーブルのケーブル長あたりのコスト、導体断面積が5.5mmであってアルミニウムケーブルである延長ケーブルのケーブル長あたりのコスト、導体断面積が8mmであって銅ケーブルである延長ケーブルのケーブル長あたりのコストをそれぞれ175、90、400とすると、第3太陽電池発電単位1−3を並列接続点6に接続するための3種類の延長ケーブル(延長ケーブル5−2−1、延長ケーブル5−2−2、延長ケーブル5−2−3)の総コストTCは以下の(6)式で表される。
TC=175×L31+90×L32+400×L33 ・・・(6)
上記の(6)式に対して、L31が1m以上である条件を調べる際に求めたL31=−1.0085×L32+46.67、及び、L33が1m以上である条件を調べる際に求めたL33=0.0085×L32+13.33を代入し計算すると、
TC=−83.09×L32+13499
となる。この場合、ケーブル総コストTCは単調減少関数であるため、延長ケーブル5−2−3のケーブル長L32が大きいほどケーブル総コストTCが小さくなる。よって、L31が1m以上である条件を満たした上でケーブル総コストTCが最小になるように、L32=45mと決定される。以上から、L31=1m、L33=14mとなる。
<効果>
図6に示す本発明の一実施形態に係る太陽光発電システムの効果について、上述した実施例1に基づいて図7を参照して説明をする。
図7において、符号T7は本発明を適用しなかった場合の並列接続点における第1の太陽電池発電単位1−1の出力電圧特性を、符号T8は本発明を適用しなかった場合の並列接続点における第2の太陽電池発電単位1−2の出力電圧特性を、符号T9は本発明を適用しなかった場合の並列接続点における第3の太陽電池発電単位1−3の出力電圧特性を、符号T10は本発明を適用しなかった場合の各太陽電池発電単位の並列合成後の出力電圧特性をそれぞれ示している。
また、図7において、符号T11は本発明を適用した場合の並列接続点における各太陽電池発電単位の出力電圧特性を、符号T12は本発明を適用した場合の各太陽電池発電単位の並列合成後の出力電圧特性をそれぞれ示している。
本発明を適用せずに、導体断面積が2mmのケーブルを全ての延長ケーブルに採用した場合、並列接続点6からの距離の長い第2の太陽電池発電単位1−2及び第3の太陽電池発電単位1−3は、第1の太陽電池発電単位1−1に比べて延長ケーブルの電気抵抗値が高くなるため、抵抗損失により出力が低下する。これにより、並列接続点における各太陽電池発電単位の最大出力動作電圧値も一致しない(出力電圧特性T7〜T9参照)。
これに対して、本発明を適用した場合、各太陽電池発電単位から並列接続点6までの延長ケーブルの電気抵抗値が同一になるため、並列接続点における各太陽電池発電単位の電流電圧特性が一致し、並列接続点における各太陽電池発電単位の出力電圧特性が一致し、並列接続点における各太陽電池発電単位の最大出力動作電圧値及び太陽光発電システムの最大出力動作電圧値が同一になる(出力電圧特性T11〜T12参照)。これにより、最適動作点のミスマッチが発生しないので、個々の太陽電池発電単位が有している発電能力を十分に発揮することができ、出力の損失を小さくすることができる。
本発明を適用した場合、第2の太陽電池発電単位1−2及び第3の太陽電池発電単位1−3に関しては、本発明を適用しない場合と比べて、延長ケーブルの電気抵抗値を低くするために、導体断面積の大きいケーブルを選定しなければならないので、初期コストは増加することになる。
しかしながら、例えば、年間10000KWh発電する太陽光発電システムにおいて、本発明の適用によって1%発電量が増加して年間発電量が100KWh増加したとし、本発明の適用による初期増加コストが50000円であったとすると、1kWhあたり40円で売電できた場合、年間4000円を得る事ができ、金利、物価上昇などを考慮しなければ初期増加コスト分は12.5年で回収することができる。また、1kWhあたりの価値が増加すればさらに回収期間は短縮され、本発明によるメリットがより一層生かされることになる。
最大出力値の絶対値は、第1の太陽電池発電単位1−1に対応する延長ケーブルの電気抵抗値によって上下するが、第2の太陽電池発電単位1−2及び第3の太陽電池発電単位1−3の各電気抵抗値を、同一のケーブルを使用する場合に最も電気抵抗値の低くなる第1の太陽電池発電単位1−1にあわせる事で、延長ケーブルの電気抵抗値による損失も軽減される。
最大出力値の絶対値を上げるために、例えば、全ての延長ケーブルにコストの高い導体断面積が5.5mmのケーブルを使用することで、確かに絶対値は上げることはできるが、当該手法では最適動作点のミスマッチが発生してしまうため、初期増加コストに対する発電メリットは、当該手法よりも本発明を適用する方が大きい。
<その他>
なお、上記の説明においては、第1の太陽電池発電単位1−1を並列接続点6に接続するための1種類の延長ケーブルに、導体断面積2mmの銅ケーブルを使用したが、各太陽電池発電単位から並列接続点までの電気抵抗値が上述した例よりも低くしたい場合には、第1の太陽電池発電単位1−1を並列接続点6に接続するための1種類の延長ケーブルに、導体断面積3.5mmの銅ケーブルを使用することも可能である。この場合、基準となる電気抵抗値は0.1466Ωとなる。各太陽電池発電単位に対応する各延長ケーブルのケーブル長は、上述した例と同様の計算手法で再計算すればよい。
また、上記の説明においては、第1の太陽電池発電単位1−1に対応する延長ケーブルの総ケーブル長、第2の太陽電池発電単位1−2に対応する延長ケーブルの総ケーブル長、第3の太陽電池発電単位1−3に対応する延長ケーブルの総ケーブル長を全て異なるようにしたが、例えば、第2の太陽電池発電単位1−2に対応する延長ケーブルの総ケーブル長と第3の太陽電池発電単位1−3に対応する延長ケーブルの総ケーブル長とが等しくなり、各太陽電池発電単位に対応する延長ケーブルの総ケーブル長が一部のみ異なるようになっていても構わない。
1 太陽電池発電単位
1−1 第1の太陽電池発電単位
1−2 第2の太陽電池発電単位
1−3 第3の太陽電池発電単位
2 太陽電池モジュール
3 太陽電池発電単位に備わっているケーブル
4、4−1、4−2、4−3 境界接続点
5、5−1、5−2−1、5−2−2、5−3−1、5−3−2、5−3−3 延長ケーブル
6 並列接続点
7 MPPT機能を有するパワーコンディショナ
8 ケーブル
9 太陽電池モジュールストリング
10 境界接続点兼並列接続点
11−2、11−3−1、11−3−2 中継点

Claims (5)

  1. 複数の太陽電池発電単位を並列接続し、
    各々の前記太陽電池発電単位から並列接続点までの延長ケーブルの総ケーブル長が一部又は全部異なる太陽光発電システムであって、
    電気抵抗率及び導体断面積の少なくとも一つが異なる複数種類の延長ケーブルを用いて、各々の前記太陽電池発電単位から並列接続点までの電力伝送経路の電気抵抗値を略同一にすることを特徴とする太陽光発電システム。
  2. 或る前記太陽電池発電単位kから前記並列接続点までの電力伝送経路の電気抵抗値をRとし、或る前記太陽電池発電単位kから前記並列接続点までの電力伝送経路として使用する延長ケーブルの種類をn(nは自然数)個とし、前記n個の種類のうちi番目(iはn以下の任意の自然数)の延長ケーブルの電気抵抗率をρki、ケーブル長をLki、導体断面積をSkiとした場合に、
    Figure 2012256092
    であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
  3. 或る前記太陽電池発電単位kから前記並列接続点までの電力伝送経路として使用する延長ケーブルの総コストをTCとし、
    前記n個の種類のうちi番目の延長ケーブルの単位長さあたりのコストをCkiとした場合に、
    Figure 2012256092
    であり、前記総コストTCが最小となるように各ケーブル長Lkiを決定することを特徴とする請求項2に記載の太陽光発電システム。
  4. 延長ケーブルの最低必要長さを設定して、前記総コストTCが最小となるように各ケーブル長Lkiを決定することを特徴とする請求項3に記載の太陽光発電システム。
  5. 前記並列接続点までの距離が最も短い前記太陽電池発電単位に使用する延長ケーブルを1種類とすることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
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