JP2012249729A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】擬似遊技時間計測手段141の時計測中は、本来の遊技の進行を中断させるとともに擬似遊技を実行させるための擬似遊技実行手段142とを少なくとも備え、擬似遊技時間計測手段141の時計測開始後、ストップスイッチ19が操作された場合には、当該操作に基づき対応する回転リール40を擬似停止させるものの、擬似遊技時間が終了するまでの残り時間が所定時間未満となった場合には、ストップスイッチ19が操作されても回転リール40を擬似停止させないようにした。
【選択図】図6
Description
そこで本願発明は、フリーズ中に遊技者参加型の回胴演出を実行可能として遊技の興趣を高めると同時に、本来の遊技への復帰期間を確保して、フリーズ期間を時間通りに終了させることができる遊技機を提供することを目的とする。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、表面に複数の図柄が表示された複数の回転リール(40)と、前記複数の回転リール(40)の回転を開始させるためのスタートスイッチ(18)と、回転中の前記回転リール(40)を個々に停止させるためのストップスイッチ(19)と、前記スタートスイッチ(18)、ストップスイッチ(19)からの操作信号に基づいて、遊技を制御するための制御装置(20)とを備え、前記スタートスイッチ(18)の操作により回転開始した前記複数の回転リール(40)が、前記ストップスイッチ(19)の操作により全て停止したときに、各回転リール(40)に表示されている図柄があらかじめ定められた組合せとなるよう表示された場合には遊技結果に応じた利益が付与されるように形成された遊技機に係る。
前記「遊技結果に応じた利益」とは、入賞により遊技媒体が払い出しされることや、ボーナスゲームなどの有利遊技に移行することや、遊技媒体の投入なしに次遊技を行えること(再遊技)を含むものである。
そして、本発明においては、前記制御装置(20)は、通常の遊技状態とは異なる擬似遊技状態の遊技時間として設定された所定の擬似遊技時間を計測する擬似遊技時間計測手段(擬似遊技タイマー141)と、前記擬似遊技時間計測手段(141)の時計測中は、本来の遊技の進行を中断させるとともに、回転中の前記回転リール(40)を前記ストップスイッチ(19)の操作に基づき擬似的に停止可能とする擬似遊技を実行させるための擬似遊技実行手段(142)とを少なくとも備えている。そして、前記擬似遊技時間計測手段(141)は、前記回転リール(40)の回転開始後に、前記擬似遊技時間の計測を開始し、前記擬似遊技実行手段(142)は、前記擬似遊技時間計測手段(141)の時計測開始後、前記ストップスイッチ(19)が操作された場合には、当該操作に基づき対応する回転リール(40)を擬似停止させるものの、前記擬似遊技時間が終了するまでの残り時間が所定時間未満となった場合には、その後のストップスイッチ(19)の操作に基づく回転リール(40)の擬似停止を行わせないように形成されていることを特徴とする。
また、回転リール(40)を「擬似的に停止させる」とは、その回転リール(40)の回転又は停止が本来の遊技によるものではないことを意味するものであり、擬似遊技時間計測手段(141)の時計測中に回転リール(40)が停止することに基づいて、本来の遊技結果に応じた利益(遊技媒体の払い出しや、有利遊技への移行や、再遊技)が付与されることはない。ただし、本来の遊技結果に応じた利益以外の、例えば特殊な演出が行われたり所定の表示部に得点が加算表示されたりするような擬似利益を付与可能としてもよい。
本発明においては、擬似遊技の開始条件としてあらかじめ定められた所定の契機、例えば、特定役が当選又は入賞した場合、擬似遊技を行うか否かの実行抽選に当選した場合などに、擬似遊技時間計測手段(141)が回転リール(40)の回転開始後、あらかじめ定められた擬似遊技時間の計測を開始し、その間に、擬似遊技が行われる。擬似遊技中には、ストップスイッチ(19)の操作信号は有効であるが、停止操作により回転リール(40)を停止させることができても、その遊技結果は付与利益に反映されない。このように、擬似遊技期間中は、本来の遊技進行が一時停止する一種のフリーズ状態としてとらえることができる。換言すれば、本発明は、フリーズ期間中に擬似遊技を実行可能としたものということができる。
なお、擬似停止した回転リール(40)は、擬似遊技の終了に伴い自動的に回転開始するようにしてもよいし、再度のスタートスイッチ(40)の操作信号受信を待って回転開始させるようにしてもよい。後者のように形成した場合には、遊技者に違和感を与えずに本来の遊技に移行させることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載された発明の特徴点に加え、前記擬似遊技実行手段(142)は、前記擬似遊技時間が終了する場合には、擬似停止している回転リール(40)を再回転させることを特徴とする。
本発明は、擬似遊技が終了すると擬似停止した回転リール(40)が自動的に回転開始するように形成したものである。
ここで、「擬似遊技時間が終了する場合」は、擬似遊技時間計測手段(141)の時計測が終了したときだけでなく、擬似遊技時間計測手段(141)の時計測が終了する直前であってもよい。
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、図1に示すように、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在かつロック可能な前扉3を有している。
前記筐体11の内部において、開口上部には3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、メダルを貯留するとともに入賞時等にメダルを払い出すためのホッパーユニット65が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン1の全体の動作を制御するための制御装置20が配置されている。
制御装置20は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、1個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制御を行うものである。制御装置20としては、図2に示すように、遊技制御装置21及び演出御装置22が設けられている。
遊技制御装置21は、主としてスロットマシン1の遊技に関する制御を行うためのものである。遊技制御装置21の詳細は後述する。また演出制御装置22は、前記遊技制御装置21からの諸信号を受信して、主として遊技に付随する演出を制御するためのものである。演出制御装置22は、特に図示しないが、演出の実行の有無や種類を決定するための実行演出決定や、決定した演出データに基づいて所定の演出表示部66の作動を制御するための手段などを備えている。
メダルセンサ15は、特に図示しないが、メダルセレクター4に設けられた遮光センサなどの検知手段であって、メダル投入口14から投入され、ホッパーユニット65に誘導されるメダルを検知するためのものである。
ベットスイッチ16は、図1に示すように、操作部3Aの上面左側に位置するスイッチであって、クレジットメダルをメダル投入に代えるためのものである。ここで、クレジットとは、投入メダルを所定枚数、遊技機内部に貯留しておくことであり、クレジット数は、上パネル12に設けられたクレジット表示部31に表示される。そして、ベットスイッチ16を操作するとクレジット表示が減算され、その分のメダルが投入されたものと扱われて遊技が開始可能となるものである。
スタートスイッチ18は、図1に示すように、操作部3Aの前面に設けられたレバーであって、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の投入を条件に、又は、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、リールユニット60のリールモータの駆動を開始させるためのものである。
ストップスイッチ19は、リールユニット60のリールモータの駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ19は、図1に示すように、各回転リール40に対応した3個の停止ボタンから構成され、各回転リール40の下方に1個ずつ配置されているものである。そして、回転リール40に対応したストップスイッチ19の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止するように設定されているものである。
リールユニット60は、スロットマシン1の主たる遊技装置であって、枠体に固定あるいは支持された3個のリールモータ(図示せず)と、各々のリールモータの出力軸に固定された3個の回転リール40とから構成されている。そして、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、複数個(例えば21個)の図柄が表示されている。また、リールユニット60には、特に図示しないが、3個の回転リールに対応する回転検知センサが設けられており、各回転リール40には、各回転検知センサが検知するためのスタートインデックスが形成されている。
メダルキャンセル装置4Aは、特に図示しないが、メダルセレクター4の内部に設けられたメダルの流路変更装置であって、ソレノイドの作動によってメダル通路にブロッカーと呼ばれる突出爪を突出させることにより、メダル通路を通過するメダルがメダルセンサ15に検知される前に、メダルセレクター4の外部に排出するものである。メダルセレクター4から排出されたメダルはスロットマシン10の下皿に払い戻されるようになっている。
クレジット表示部31は、最大ベット数(3枚)を超えてメダル投入口14からメダルが投入された場合に、その超過分を最大50まで表示するものである。
操作可否表示部32は、ストップスイッチ19が有効(操作によって回転リール40を停止可能な状態)となっているか否かを表示するものである。具体的には、ストップスイッチ19の各停止ボタンの内部に発光体が設けられており、ストップスイッチ19の操作が有効である場合には操作可表示(例えば発光体が青色で点灯)、ストップスイッチ19が操作無効状態である場合には操作不可表示(例えば発光体が赤色で点灯)が表示される。なお、操作可否表示部32に操作不可表示がされているときには、ストップスイッチ19を操作しても回転リール40を停止させることはできないが、後述する擬似遊技の実行中においては、操作不可表示がされている場合であっても、ストップスイッチ19の操作により回転リール40を擬似的に停止させることができるようになっている。
遊技制御装置21は、スタートスイッチ18及びストップスイッチ19の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、この遊技制御装置21は、図2に示すように、投入制御手段70、当選抽選手段80、リール制御手段90、遊技結果判定手段100、ホッパー制御手段110、ウエイトタイマー120、遊技操作部無効手段130、擬似遊技制御手段140の各手段を備えている。
(投入制御手段70)
投入制御手段70は、遊技メダルの投入に関する制御を行うものである。すなわち、メダルセンサ15の検知信号及びベットスイッチ16の操作信号等に基づいて、ベット表示部30、クレジット表示部31の表示及びメダルキャンセル装置4Aの作動を制御するものである。
また、スロットマシン10に投入された遊技メダルは、あらかじめ定められた枚数(例えば、50枚)まで、電子的に貯留(クレジット)しておくことができるように形成されている。この、クレジットされた遊技メダルの枚数は、クレジット表示部31に表示されるものとなっている。そして、クレジット表示部31にクレジットメダル数が表示されている場合には、メダル投入口14に遊技メダルを投入する代わりに、ベットスイッチ16を操作することにより遊技メダルのベットを行い、スタートスイッチ18を操作可能状態にすることができる。
なお、回転リール40の回転中や、ホッパーユニット65がメダルを払い出ししている最中などの所定の場合においては、投入制御手段70はベットスイッチ16の操作信号を受け付けないと同時に、メダルキャンセル装置4Aを作動させて、遊技者によるベットを行わせない。また、後述するが、所定の場合には自動的にベットを行うようになっている。
当選抽選手段80は、複数の回転リール40で表示される図柄の組合せから構成される所定の「役」について当選したか否かを抽選により決定するものである。具体的には、乱数発生手段としてのループカウンタのカウント値をスタートスイッチ18の操作信号受信のタイミングで読み取って記憶し、ROMに記憶されている抽選テーブルと照合することにより、いずれかの役に当選したかあるいはいずれの役にも当選しなかった(ハズレた)かを判定する。
ここで、本実施の形態に係るスロットマシン10は、前記役として、所定の図柄(例えばスイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄など)が有効ライン上に揃って停止することにより所定枚数の遊技メダルが払い出しされる小役(例えばスイカ役、ベル役、チェリー役など)と、所定の図柄(例えばリプレイ図柄)が有効ライン上に揃って停止することにより次遊技において遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役と、所定の図柄(例えば7図柄、Bar図柄など)が有効ライン上に揃って停止することによりボーナスゲームに移行するボーナス役とを備えている。前記ボーナス役としては、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)に移行するRBゲーム役と、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)に移行するBBゲーム役とが設けられている。RBゲームは、小役の当選確率が高くなるよう設定されたゲーム期間であり、所定回数のゲーム消化又は所定回数の入賞により終了する。BBゲームは、RBゲームが連続して行われるように設定されたゲーム期間であり、払い出しメダル数が所定枚数を超えると終了する。
前記抽選テーブルとは、ループカウンタのカウント値を全領域として所定の数値領域を役に対応する当選領域に規定したものであり、特に図示しないが、スロットマシン10の出玉の設定ごとに、遊技状態に応じて設けられた複数の抽選テーブルが設けられている。そして、上述の当選判定を行う際には、スロットマシン10の設定値や遊技状態に対応した役抽選テーブルが参照されるものとなっている。具体的には、抽選テーブルとしては、通常のゲームの当選判定において参照される通常ゲーム用抽選テーブル、ボーナスゲームの当選判定において参照されるボーナス用抽選テーブル、及びボーナス役が持ち越されているゲーム(内部中ゲーム)の当選判定において参照されるボーナス内部中用抽選テーブルがあり、これらが設定ごとに設けられている。なお、設定が変わると抽選テーブルが変更され、当選確率が変化することにより結果として入賞によるメダル払い出し数が変わってくる。一般に、設定が高いほど、出玉が多くなるようになっている。
ここで、RTは、再遊技役の当選確率が通常遊技状態と異なるように設定された、所定の開始契機該当により開始され所定の終了契機該当により終了する遊技期間の総称である。本実施の形態のように、再遊技役の当選確率が高く設定されたRTに移行すると、ベットなしで遊技を行える再遊技の回数が増えるとともに、小役の当選確率は変化しないので、手持ちのメダルの目減りが少なくなることから、一種の有利状態となる。本実施の形態においては、RTへの移行契機は、ボーナス役が当選した場合、ボーナスゲームが終了した場合、通常遊技中に特定図柄の組合せが表示された場合のいずれかとすることができる。また、RTの終了契機は、ボーナス役が当選した場合、ボーナス役が表示された場合、通常遊技中に特定図柄の組合せが表示された場合、所定回数の遊技が終了した場合のいずれかとすることができる。
また、当選抽選手段80は、いずれかの役に当選したと判定した場合、すなわち、読み取ったカウント値が抽選テーブルの所定の役の当選領域に含まれている場合には、当該役に対応した当選フラグを成立させる。当選フラグとしては、判定結果が小役当選である場合に成立する小役当選フラグ、前記判定結果がボーナス役当選である場合に成立するボーナス当選フラグ(BBフラグ、RBフラグ)、前記判定結果が再遊技役当選である場合に成立する再遊技当選フラグがある。小役当選フラグ及び再遊技当選フラグは、当該当選フラグが成立した遊技においてのみ有効であり、当該遊技が終了すれば消去(リセット)される。すなわち、小役及び再遊技役は、当選の権利を次遊技以降に持ち越すことができない。一方、ボーナス当選フラグは、当該ボーナス役を構成する図柄が有効ライン上に表示されるまで、次遊技以降に持ち越されるようになっている。
リール制御手段90は、有効なスタートスイッチ18の操作信号に基づいて回転リール40の回転を制御するとともに、役抽選の結果及びストップスイッチ19の操作信号に基づいて回転リール40の回転停止を制御するためのものである。そして、リール制御手段90は、特に図示しないが、回転開始制御手段及び回転停止制御手段を備えている。
回転開始制御手段は、回転リール40の回転の開始に関する制御を行うためのものである。具体的には、ベットがされている状態でスタートスイッチ18の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール40の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、リールユニット60のステッピングモータに駆動信号を出力しステッピングモータを駆動開始させることにより、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定速度に達すると、この所定速度で定速回転を行わせるものとなっている。
なお上記した停止制御は、ストップスイッチ19の操作タイミングに応じて図柄の停止位置をあらかじめ定めた停止テーブルを用いたものであってもよいし、所定図柄を所定位置に停止させてもよいか否かを判断するものでもよい。
遊技結果判定手段100は、ストップスイッチ19の操作によって回転リール40が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するとともに、判定結果に基づく処理を行わせるための決定をするものである。
具体的には、遊技結果判定手段100は、所定の役を構成する図柄が有効ライン上に表示された場合には、当該役に応じた利益付与の決定を行う。すなわち、小役図柄が有効ライン上に表示された場合には、役に応じた所定枚数のメダル払い出し決定を行い、リプレイ図柄が有効ライン上に表示された場合には、自動ベット決定を行い、ボーナス役図柄が有効ライン上に表示された場合には、遊技状態の移行決定を行う。さらに、演出制御装置22に所定の信号出力を行うことにより、演出表示部66により、入賞やボーナスゲームへの移行に際して所定の演出が行われるようにすることもできる。
ホッパー制御手段110は、遊技結果判定手段100の判定結果及び精算スイッチ17の操作に基づいて、ホッパーユニット65を作動させメダルを払い出しさせるものである。すなわち、遊技結果判定手段100が払い出し小役の入賞を判定した場合には、当該小役入賞に応じたメダルを払い出しし、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ17が操作されたときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出すようになっている。
(ウエイトタイマー120)
ウエイトタイマー120は、所定の遊技制限時間いわゆるウエイト時間を計測するためのタイムカウンタである。ここで、ウエイト時間は、遊技者が一定時間に過度のメダルを投入できないように、1回の遊技が終了した後であっても、所定の時間が経過していないと次遊技を行うことができないように設定された時間である。具体的には、1分間に使用される賭け金が400円を超えないこととする規則に基づき1ゲーム当たりの遊技時間を割り出したものであって、遊技開始から次の遊技開始までの間が4.1秒以上と規定されている。本実施の形態においては、回転リール40が回転開始してから4.1秒が経過するまでは、次の遊技でのスタートスイッチ18が有効化しない(回転リール40が回転開始しない。ただしベット後なら役抽選は行う)ようになっている。
(遊技操作無効手段130)
遊技操作無効手段130は、前記ウエイトタイマー120の時計測中、及び所定の遊技操作無効期間中は、遊技操作部の操作を無効にするためのものである。すなわち、遊技の進行状態に応じて、操作スイッチであるベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ18、ストップスイッチ19が無効状態となる(スイッチが効かない)ように制御するものである。
(擬似遊技制御手段140)
擬似遊技制御手段140は、所定の擬似遊技時間の間、スタートスイッチ18の操作に基づき回転リール40を擬似的に回転させ、擬似的に回転している回転リール40をストップスイッチ19の操作に基づき擬似的に停止させることが可能な「擬似遊技」を制御するものである。
(擬似遊技タイマー141)
擬似遊技タイマー141は、遊技状態が所定の擬似遊技開始条件に該当することを契機に、あらかじめ定められた擬似遊技時間の時計測を開始し、所定の擬似遊技終了条件に該当した場合には時計測を終了するタイムカウンタである。
ここで、擬似遊技開始条件としては、例えば、役抽選の結果、所定の役(例えばBBゲーム役)が当選した場合や、ボーナスフラグが成立中の遊技、あるいは通常の遊技で、遊技開始時(ベット時又はスタートスイッチ18操作時)に行われる擬似遊技を実行するか否かの抽選(フリーズ抽選)に当選した場合とすることができる。
ここで、擬似遊技タイマー141のタイムカウント中は、ストップスイッチ19が有効化しているか否かを示す操作可否表示部32は、操作不可表示(赤色表示)となり、実質的には、本来の遊技の進行が一時的にストップした状態となる。従って、擬似遊技タイマー141は、スロットマシン10を、遊技の進行を一時停止させるいわゆるフリーズ状態とするためのフリーズタイマーとして機能するものであるということができる。また、擬似遊技タイマー141のタイムカウント中には、擬似遊技実行手段142により所定の擬似遊技が実行されるものとなっているが、これは、実質的には、フリーズ期間中に行われる遊技者の遊技操作に基づく演出の一形態としてとらえることができるものである。
擬似遊技実行手段142は、前記擬似遊技タイマー141のタイムカウント中、すなわち、本来の遊技の進行が一時停止している間、擬似遊技を行わせるためのものである。
具体的には、擬似遊技実行手段142は、前記擬似遊技タイマー141がタイムカウントを開始した場合には、操作可否表示部32に操作不可表示をさせたまま、遊技操作無効手段130による停止操作無効状態を解除させる。これにより、リール制御手段90は、ストップスイッチ19の操作信号受信に基づき、ステッピングモータの駆動を停止させる。この場合の回転リール40の停止は、通常の遊技状態における回転リール40の停止、すなわち、所定の態様で停止させることにより入賞等の利益が付与されるものとは異なる擬似的な停止ということになる。なお、操作可否表示部32に操作不可表示を表示している間は、リール制御手段90は回転リール40の図柄位置検索を行わないので、擬似停止においては、引き込み、蹴飛ばし等の停止制御が行われず、ストップスイッチ19が操作されたタイミングで、回転リールが停止(いわゆるビタ止まり)するものとなる。
そして、全ての回転リール40が擬似停止した後は、擬似遊技時間が終了するまで待機し、擬似遊技タイマー141がタイムアップした場合には、リール制御手段90から駆動信号を出力させて擬似停止している回転リール40を再回転させ、本来の遊技に戻すようになっている。
次に、上記構成を有するスロットマシン10の作動について、図3乃至図6のフローに基づき説明する。
まず、図3に示すステップ100において、1回の遊技に投入すべき規定数のメダルの投入動作がなされたか(メダルセンサ15がメダルを検知したか又はベットスイッチ16が操作されたか、又は再遊技による自動ベットがされたか)否かが判断される。規定数のメダルの投入動作がされない場合にはステップ100に戻り、投入動作がされた場合には、次のステップ101に進む。
ステップ102において、スタートスイッチ18がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ18がONにならない場合には、ステップ102に戻り、スタートスイッチ18がONとなった場合には、次のステップ103に進む。
ステップ103において、当選抽選手段80により抽選処理が行われる。そして、次のステップ104に進む。
ステップ105において、リール回転開始処理が行われる。また、次のステップ106において、リール回転停止処理が行われる。そして、次のステップ107において、遊技結果判定手段100により遊技結果の判定が行われる。
ステップ108において、遊技結果に応じた処理が行われる。例えば小役が入賞した場合にはメダルが払い出しされ、再遊技役が表示された場合には次遊技における自動ベットが決定され、ボーナス役が表示された場合にはボーナスゲームへの移行が決定される。なお、遊技結果が小役入賞でも再遊技でもボーナスでもない場合には、上記した各処理を行わない決定がされる。そして次のステップ109に進む。
次に、前記ステップ107のリール回転開始処理について、図4のフローに基づき説明する。
まず、図4のステップ200において、リールユニット60の全てのステッピングモータに駆動開始信号が出力される。これにより全てのステッピングモータが駆動して回転リール40が回転開始する。そして、次のステップ201に進む。
ステップ203において、全ての回転リール40が定常回転に達したか否かが判断される。全ての回転リール40が定常回転に達した場合には、次のステップ204に進み、全ての回転リール40についてスタートインデックスが検知されたか、すなわち、図柄位置の判定が可能となったか否かが判断される。全ての回転リール40についてスタートインデックスが検知された場合には、次のステップ205において、停止操作の無効状態が解除される。なおこのとき、操作可否表示部32の操作不可表示(停止ボタンの赤色点灯)が操作可表示(停止ボタンの青色点灯)に変わる。そして、リール回転開始処理を終了する。
図5のステップ300において、いずれかのストップスイッチ19がONとなったか否かが判断される。ストップスイッチ19がONとなった場合には、次のステップ301に進み、ストップスイッチ19の操作タイミングと停止テーブルに基づいて、停止操作された回転リール40の停止位置の特定を行う。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、回転リール40が停止位置まで回転したか否かが判断され、回転リール40が停止位置まで回転した場合には、次のステップ303において、操作されたストップスイッチ19に対応する回転リール40のステッピングモータに停止信号が出力される。これにより、停止操作に係るリールモータの駆動が停止しその回転リール40が回転停止する。そして、次のステップ304において、操作されたストップスイッチ19を操作無効状態とする。なおこのとき、操作可否表示部32の操作可表示(青色点灯)が操作不可表示(赤色点灯)に変わる。そして、次のステップ305に進む。
(擬似遊技実行処理)
続いて、図4のステップ202における擬似遊技実行処理を、図6のフローに基づき説明する。
まず、図6のステップ400において、擬似遊技タイマー141がタイムカウントを開始する。なお、このときの操作可否表示部32の表示は操作不可表示(赤色点灯)である。そして、次のステップ401に進む。
いずれかのストップスイッチ19がONとなった場合には、次のステップ403において、ONとなったストップスイッチ19に対応する回転リール40が既に擬似停止しているか否かが判断される。停止済みか否かは、ステッピングモータへの駆動信号の出力の有無により判断可能である。対応する回転リール40が停止済みでない場合には、次のステップ404において、リール制御手段90から対応する回転リール40のステッピングモータに停止信号が出力される。これにより、回転リール40が回転停止する。そして、次のステップ405に進む。
ステップ405において、擬似遊技タイマー141がタイムアップしたか、すなわちタイムカウントを終了したか否かが判断され、擬似遊技タイマー141がタイムアップしていない場合にはステップ401に戻り、擬似遊技タイマー141がタイムアップした場合には、次のステップ406に進む。
ステップ406において、停止済みリールがあるか否かが判断され、停止済みリールがない場合には、そのまま処理を終了する。一方、停止済みリールがある場合、すなわちストップスイッチ19の操作に基づき擬似停止させた回転リール40がある場合には、次のステップ407に進む。
以上のように、擬似遊技においては、停止操作に基づいて回転リール40が擬似停止するものの、図柄判定も遊技結果判定も行わないため、例えば所定の小役図柄が有効ライン上に表示された場合であっても、メダルが払い出されることはなく、ボーナス図柄が表示された場合でも、ボーナスゲームが開始されるわけではない。ただ、特定の図柄配列が表示されたのに何のリアクションもなしでは興趣に欠けるので、演出表示部66において、何らかの演出(擬似遊技用の特別演出)を行わせるのが好ましい。擬似遊技に移行した場合には、当該遊技状態が擬似遊技である旨を、例えば液晶表示装置67に表示される画像やスピーカ69から出力される音声によって、遊技者に報知するのが好ましい。
また、上記したステップ400においてタイマーがスタートすると同時に、操作可否表示部32の表示を操作可表示(青色点灯)させてもよい。すなわち、操作可否表示部32の表示を擬似的に操作可表示としてもよい。この場合には、ステップ402においていずれかのストップスイッチ19がONとなった場合には、当該ストップスイッチ19の操作可否表示部32の表示を操作不可表示(赤色点灯)に戻す。
以上のように、本実施の形態によれば、回転リール40の回転開始後に擬似遊技に移行し、ストップスイッチ19の操作によって回転リール40を擬似的に停止させることが可能となる。このため、例えばBBゲーム役の当選時に擬似遊技を実行することとすれば、本来の遊技を行う前に例えばBB図柄の目押しの練習ができるなどして、興趣を高めることができる。
また、擬似遊技終了の直前には停止操作を受け付けないようにしてあるため、擬似遊技の時間が状況によって変化してしまうことを防止できる。例えば、ステッピングモータを駆動停止させるためには、コイルを全相励磁にしてからローターの回転が停止するまでにある程度の時間を要することから、残り時間がステッピングモータの駆動停止に要する時間に満たない場合には、擬似遊技時間内に回転リール40を停止させられない場合も生じる。しかし、終了時間までにある程度の余裕を持って、あらかじめ停止操作を受け付けないようにしておけば、本来の遊技への移行のための準備期間も確保でき、擬似遊技期間を設定時間通りに終了させることができるものである。
上記した実施の形態では、回転リール40を擬似停止させる際、引き込みや蹴飛ばし制御を行わないようにしてあるが、擬似遊技においても、通常の遊技と同様の停止制御、又は擬似遊技用の停止制御を行うようにしてもよい。この際使用する停止テーブルは、通常の遊技での抽選結果(図3のステップ103における役抽選の抽選結果)に対応したもの、あるいは擬似遊技専用のものとすることができる。あるいは、最初の停止操作については停止引き込みや蹴飛ばし制御を行わず、二番目、三番目の停止操作において、最初に停止した回転リール40の図柄のうち有効ライン上に停止した図柄を引き込む制御を行うようにしてもよい。
さらに、回転リール40の擬似停止により、特定の図柄配列が表示された場合には、本来の遊技とは異なる擬似利益を付与するようにしてもよい。擬似利益としては、例えば、AT(アシストタイム)などの有利遊技の回数への上乗せをしたり、表示態様に応じたポイントが加算されポイント数に応じた賞品の獲得権を付与したりすることができる。
(補足)
以下、請求項記載の発明には該当しないが、本願発明と関連のある参考発明の参考実施形態について説明する。
まず、擬似遊技時間(フリーズ期間)を、ベット後回転リール40の回転開始前に設定し、擬似遊技の内容として、スタートスイッチ18の操作に基づく回転リール40の擬似回転及びストップスイッチ19の操作に基づく回転リール40の擬似停止を行わせることができる。
この実施形態では、擬似遊技タイマー141はベットを契機にタイムカウントを開始する。タイムカウント中、すなわち擬似遊技期間中に何らの遊技操作も行われなければ、そのまま擬似遊技期間が終了する。擬似遊技タイマー141のタイムカウント中にスタートスイッチ18が操作された場合には、擬似遊技実行手段142は回転リール40を擬似回転させる。この際、レバー押下のタイミングで、本来の役抽選は行われないが、擬似遊技用の擬似役抽選を行ってもよい。また、擬似回転は、通常回転とは異なる回転態様にしてもよい。例えば回転開始時の加速度や回転速度を異ならせることができる。
そして、擬似遊技実行手段142は、擬似遊技時間終了の所定時間前からは、スタートスイッチ18の操作、スタートスイッチ18操作後の各ストップスイッチ19の操作を受け付けない。このように形成することにより、擬似遊技時間終了の直前に、ステッピングモータの駆動開始処理や駆動停止処理を行わなくてすみ、無駄な回転速度の変更制御や自動停止を行わなくてすむ。なお、ストップスイッチ19については、いずれにせよ擬似回転している回転リール40を自動停止させる必要があるので、残り時間ぎりぎりまで操作を受け付けるようにしても問題はない。
次に、擬似遊技時間を、1回の遊技終了後に設定し、擬似遊技の内容として、ベットスイッチ16の操作に基づく擬似ベット、スタートスイッチ18の操作に基づく回転リール40の擬似回転及びストップスイッチ19の操作に基づく回転リール40の擬似停止を行わせることができる。なお、擬似遊技中にメダル投入口14からメダルを投入しても、メダルキャンセル操作4Aが作動しているためにキャンセルされる。また、本来のベット表示部31とは別に、擬似遊技においてベット操作されたときに表示される擬似ベット表示部を設けると好適である。
本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
17 精算スイッチ 18 スタートスイッチ
19 ストップスイッチ 20 制御装置
21 遊技制御装置 22 演出制御装置
30 ベット表示部 32 擬似遊技結果表示部
40 回転リール 60 リールユニット
65 ホッパーユニット 66 演出表示部
70 投入制御手段 80 当選抽選手段
90 リール制御手段 100 遊技結果判定手段
110 ホッパー制御手段 120 ウエイトタイマー
130 遊技操作無効手段 140 擬似遊技制御手段
141 擬似遊技タイマー(擬似遊技時間計測手段)
142 擬似遊技実行手段
Claims (2)
- 表面に複数の図柄が表示された複数の回転リールと、
前記複数の回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
回転中の前記回転リールを個々に停止させるためのストップスイッチと、
前記スタートスイッチ、ストップスイッチからの操作信号に基づいて、遊技を制御するための制御装置とを備え、
前記スタートスイッチの操作により回転開始した前記複数の回転リールが、前記ストップスイッチの操作により全て停止したときに、各回転リールに表示されている図柄があらかじめ定められた組合せとなるよう表示された場合には遊技結果に応じた利益が付与されるように形成された遊技機において、
前記制御装置は、
通常の遊技状態とは異なる擬似遊技状態の遊技時間として設定された所定の擬似遊技時間を計測する擬似遊技時間計測手段と、
前記擬似遊技時間計測手段の時計測中は、本来の遊技の進行を中断させるとともに、回転中の前記回転リールを前記ストップスイッチの操作に基づき擬似的に停止可能とする擬似遊技を実行させるための擬似遊技実行手段とを少なくとも備え、
前記擬似遊技時間計測手段は、前記回転リールの回転開始後に、前記擬似遊技時間の計測を開始し、
前記擬似遊技実行手段は、前記擬似遊技時間計測手段の時計測開始後、前記ストップスイッチが操作された場合には、当該操作に基づき対応する回転リールを擬似停止させるものの、前記擬似遊技時間が終了するまでの残り時間が所定時間未満となった場合には、その後のストップスイッチの操作に基づく回転リールの擬似停止を行わせないように形成されていることを特徴とする遊技機。 - 前記擬似遊技実行手段は、前記擬似遊技時間が終了する場合には、擬似停止している回転リールを再回転させることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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