JP2012246512A - 陽極酸化皮膜の封孔処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に形成された陽極酸化皮膜の表面を、封孔処理液で処理した後に、該封孔処理された陽極酸化皮膜を水中に浸漬させることを特徴とする陽極酸化皮膜の封孔処理方法を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、皮膜硬さを向上させることができ、皮膜に耐傷付き性及び耐摩耗性を付与することができる、陽極酸化皮膜の封孔処理方法を提供することを目的としている。
すなわち、本発明においては、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に形成された陽極酸化皮膜の表面を、封孔処理液で処理した後に、該封孔処理された陽極酸化皮膜を水中に浸漬させることを特徴とする陽極酸化皮膜の封孔処理方法が提供される。
前記浸漬させる水の温度は、40〜60℃の範囲であることが好適である。
前記水に浸漬させる時間は、2〜10分の範囲であることが好適である。
前記封孔処理液は0.02〜20g/Lの濃度のリチウムイオンを含み、前記封孔処理液のpH値は10.5以上であり、前記封孔処理液の温度は65℃以下であることが好適である。
封孔処理の処理対象物は、陽極酸化皮膜が表面に形成されたアルミニウム又はアルミニウム合金の部材である。陽極酸化皮膜は、陽極酸化処理液中でアルミニウム又はアルミニウム合金を作用電極として、処理液を電気分解することによって得られる。陽極酸化処理液としては、硫酸、シュウ酸、リン酸、クロム酸等の酸性浴、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム等の塩基性浴のいずれを用いてもよく、封孔処理の対象となる陽極酸化皮膜を表面に生成させたアルミニウム又はアルミニウム合金の部材は、特定の陽極酸化処理浴を使用したものには限定されない。電解条件としては、直流、交流、交直重畳等のいずれを用いてもよく、陽極酸化皮膜を形成することができる電解条件であればよい。また、陽極酸化皮膜の膜厚も特に限定されないが、通常3〜40μmがよい。
陽極酸化皮膜は、アルミニウムの酸化皮膜である。陽極酸化皮膜は基本的にはアルミニウム相に生成するため、添加元素を含むアルミニウム合金においても、皮膜の成分は添加元素による影響をほとんど受けない。このため、本発明はアルミニウム合金の種類によらず適用することができる。
リチウムイオンを含む水溶液を用いて封孔処理を行う場合、その封孔反応は常温でも進行するため、空気中で保持している状態(処理浴から取り出した状態)でも封孔反応は進行する。また、封孔処理時に必要なリチウムイオン源となる薬品の量が少ないため(約0.7g/m2)、被処理物に処理液が付着していれば、封孔反応は進行する。そのため、浸漬時間を短縮することができ、それによってアルミニウムイオンの溶出を低減することができるため、処理浴の劣化を抑制することができる。例えば、被処理物の浸漬に15秒かかる場合、浸漬時間は1/20〜1/2に短縮され、処理浴の寿命は2〜20倍に延びる。また、処理浴から取り出す際に持ち出す処理液の量は従来と変わらないため、処理浴の管理方法を変える必要はなく、陽極酸化皮膜の耐食性が低下することはない。
被処理物を浸漬させる水の温度は、好ましくは、40〜60℃の範囲であり、より好ましくは、水酸化アルミニウムの水和の観点から、50℃である。上述した封孔処理によって、孔の中にアルミニウムとリチウムの化合物が生成する。皮膜に40〜60℃の熱を水中で加えることによって、水和物である上記化合物が安定化し、皮膜が硬くなる。このように、有害物質、レーザー等の高エネルギーを使用せずに、皮膜硬さを向上させることができる。なお、同様の熱を空中で加えても、皮膜が著しく硬くなることはない。上記化合物は水和物であるため、水を取り込むことによって安定化し、それによって皮膜が硬くなるからである。
水中に浸漬させる時間は、好ましくは、2〜10分の範囲であり、より好ましくは、8分である。この範囲であれば、熱が皮膜中に拡散して、反応が十分起こり、上記化合物を安定化させることができる。浸漬時間が10分を超えると、皮膜に含まれる水酸化アルミニウムが水和し始め、化合物が混在するため、皮膜硬さが低下してしまう。
水については、特に限定されるものではないが、イオン交換水、工業用水、水道水等を用いることができる。
なお、水中への浸漬により皮膜硬さを向上させても、耐食性が低下することはない。
アルミニウム合金材A1050をテストピースとして、200g/Lの硫酸浴に浸漬し、2A/dm2の電流密度で直流を10分間通電することによって陽極酸化処理を施し、表面に厚さが7μmの陽極酸化皮膜を形成した。次に、2g/Lのリチウムイオン濃度、pH13、温度25℃の封孔処理液で1分間処理を行った。
皮膜硬さの浸漬時間依存性を調査するために、封孔処理後のテストピースを、50℃の水中に2〜15分浸漬して取り出し、乾燥させた後に皮膜硬さを測定した。
また、水中と空中での効果の違いを検証するために、比較として、封孔処理後のテストピースを、50℃のオーブンで5〜15分処理したものについても同様に、皮膜硬さを測定した。
皮膜硬さの測定には、島津製ダイナミック超微小硬度計DUH−211を用いた。表面からの計装化押込み試験測定値をビッカース硬さに換算した値を用いて評価した。測定は5点行い、その平均値を用いて評価した。
結果を表1及び図1に示す。
アルミニウム合金材A1050をテストピースとして、試験例1と同様に、陽極酸化処理及び封孔処理を行った。
皮膜硬さの処理温度依存性を調査するために、封孔処理後のテストピースを、30〜90℃の水中に8分浸漬して取り出し、乾燥させた後に皮膜硬さを測定した。皮膜硬さは、試験例1と同様に測定した。
また、比較として、水中での処理を行わなかったものについても同様に、皮膜硬さを測定した。
結果を表2及び図2に示す。
アルミニウム合金材A1050をテストピースとして、200g/Lの硫酸浴に浸漬し、2A/dm2の電流密度で直流を10分間通電することによって陽極酸化処理を施し、表面に厚さが7μmの陽極酸化皮膜を形成した。次に、2g/Lのリチウムイオン濃度、pH13、温度25℃の封孔処理液で1分間処理を行った。封孔処理後のテストピースを、50℃の水中に8分浸漬して取り出し、乾燥させた後に皮膜硬さを測定した。
アルミニウム合金材A1050をテストピースとして、実施例1と同様に、陽極酸化処理及び封孔処理を行った。封孔処理後のテストピースについて、皮膜硬さを測定した。
アルミニウム合金材A1050をテストピースとして、実施例1と同様に、陽極酸化処理及び封孔処理を行った。封孔処理後のテストピースを、50℃のオーブンで10分処理し、皮膜硬さを測定した。
アルミニウム合金材A1050をテストピースとして、実施例1と同様に、陽極酸化処理を行った。得られた陽極酸化皮膜のみの皮膜硬さを測定した。
実施例1及び比較例1〜3の結果を表3に示す。
Claims (4)
- アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に形成された陽極酸化皮膜の表面を、封孔処理液で処理した後に、該封孔処理された陽極酸化皮膜を水中に浸漬させることを特徴とする陽極酸化皮膜の封孔処理方法。
- 前記浸漬させる水の温度が、40〜60℃の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の陽極酸化皮膜の封孔処理方法。
- 前記水に浸漬させる時間が、2〜10分の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の陽極酸化皮膜の封孔処理方法。
- 前記封孔処理液が0.02〜20g/Lの濃度のリチウムイオンを含み、前記封孔処理液のpH値が10.5以上であり、前記封孔処理液の温度が65℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の陽極酸化皮膜の封孔処理方法。
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