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JP6507652B2 - アルミニウム又はアルミニウム合金部材およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム又はアルミニウム合金部材およびその製造方法 Download PDF

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JP6507652B2 JP2015003269A JP2015003269A JP6507652B2 JP 6507652 B2 JP6507652 B2 JP 6507652B2 JP 2015003269 A JP2015003269 A JP 2015003269A JP 2015003269 A JP2015003269 A JP 2015003269A JP 6507652 B2 JP6507652 B2 JP 6507652B2
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Description

本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金部材およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に形成した陽極酸化皮膜に存在する微細孔が所定の構成を有しているアルミニウム又はアルミニウム合金部材およびその製造方法に関する。
アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に形成される陽極酸化皮膜は、セル構造を有しており、このセル一つ一つにnmサイズの小さな孔が存在する。このようなアルミニウム又はアルミニウム合金に施した陽極酸化皮膜の多数の細孔を利用する例として、たとえば、そのアンカー効果によって塗装や樹脂との密着性を向上させたり、孔内に貴金属を担持することで触媒として用いたり、皮膜をろ過フィルタとして用いたりすること等が挙げられる。特に、塗装や樹脂との密着性を向上させるためにこの皮膜を用いる場合、塗装や樹脂の粘度が高いと、皮膜の細孔内に塗装や樹脂が入り込みにくくなるため、細孔径は大きい方が好ましい。また、触媒の担体やろ過フィルタで使用したり、ピストンに断熱効果を付与するために使用する場合、皮膜はできるだけ厚い膜厚を有している方が、高い効果が得られやすい。
陽極酸化皮膜の細孔径を拡大する方法として、以下のものが知られている。
特開2003−13801号公報には、リン酸三ナトリウムとフッ化カリウムの混合溶液を用いて孔径が100nmの陽極酸化皮膜を作製後、1wt%リン酸と4wt%スルファミン酸の混合溶液(30℃)に5〜15分浸漬することで、細孔径を150nmへ拡大する方法が記載されている。しかし、この方法では、毒性を有するフッ化カリウムを用いて陽極酸化皮膜を作製する必要があるため、環境上好ましくない。
特開2011−252192号公報には、陽極酸化皮膜を、所定の式を満たすリン酸濃度、温度、浸漬時間にて処理を行うことで、リン酸アルミニウムを形成させ、空気中の水分と皮膜による水和反応により細孔が自然に塞がることを防ぐ方法が記載されている。実施例において、この方法で細孔径が拡大した結果も記載されているが、細孔径が拡大する処理条件では皮膜が溶解して膜厚が大きく減少するという問題がある。
特開2003−13801号公報 特開2011−252192号公報
陽極酸化皮膜の細孔径は、陽極酸化処理液や電解条件によって決めることができるが、大きな細孔径を形成する処理条件では、厚い皮膜を形成するのが難しい問題がある。そこで、形成した陽極酸化皮膜を後処理して細孔径を拡大する方法が、上記の文献に開示されているものの、上述したように試薬が毒性を有していたり、皮膜自体も溶解し、膜厚が減少してしまうという問題がある。特に後者の方法では、ピストン等の精度の高い寸法が要求される用途に使用する場合には好ましくない。
そこで、本発明の目的は、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に形成した陽極酸化皮膜の膜厚が減少することを防ぎ、且つ陽極酸化皮膜の表面に存在する細孔の径を拡大させることで、膜厚が厚く且つ大きな細孔径を有する陽極酸化皮膜を備えるアルミニウム又はアルミニウム合金部材およびその製造方法を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明は、その一態様として、アルミニウム又はアルミニウム合金と、その表面に形成された陽極酸化皮膜とを備えるアルミニウム又はアルミニウム合金部材であって、前記陽極酸化皮膜の表面には複数の孔が存在し、前記孔の内表面が水和化合物で覆われており、前記水和化合物がリチウム−アルミニウム水和物を含むものである。
前記水和化合物でその内表面が覆われた孔は、部材表面における孔径が10nm以上であることが好ましい。また、前記陽極酸化皮膜の膜厚は10μm以上であることが好ましい。前記リチウム−アルミニウム水和物はLiH(AlO・5HOを含むことが好ましい。
また、本発明は、別の態様として、アルミニウム又はアルミニウム合金部材の製造方法であって、陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム又はアルミニウム合金を、リン酸イオンを含む前処理液に浸漬して前処理を行う工程と、前記前処理を行ったアルミニウム又はアルミニウム合金上の陽極酸化皮膜を、リチウムイオンを含む水和処理液で水和処理して、前記陽極酸化皮膜の表面に存在する複数の孔の孔径を拡大し、且つこの孔の内表面を、リチウム−アルミニウム水和物を含む水和化合物で覆う工程とを含むものである。
前記前処理液のリン酸イオン濃度は0.1〜2.0mol/Lの範囲であることが好ましい。前記前処理液の温度は10〜30℃の範囲であることが好ましい。前記前処理液に浸漬する時間は30秒間〜4分間の範囲であることが好ましい。
このように本発明によれば、リン酸イオンを含む前処理液に陽極酸化皮膜を浸漬することで、皮膜中に多くのリン酸イオンを取り込ませることができ、その後、リチウムイオンを含む水和処理液で水和処理することで、皮膜の細孔内部が溶解して細孔径が拡大するものの、その後に起こるリチウム−アルミニウム水和物を含む水和化合物の生成が、皮膜中に取り込まれたリン酸イオンが抑制することから、皮膜の細孔が塞がれることなく、細孔径を拡大することができる。また、この方法では、皮膜の細孔内部が溶解するのみであるため、陽極酸化皮膜の膜厚を維持することができる。
更に、細孔の内表面に生成する水和化合物によって、陽極酸化皮膜を保護することもできる。このような細孔は、塗装や樹脂を溶着した場合には、細孔に塗装や樹脂が入り込むことにより密着性を向上できる。また、細孔に触媒や濾過物を貯めることができるため、触媒の担体やろ過フィルタとして使用できる。さらに、細孔が存在することにより、陽極酸化皮膜表面に空気層ができるため、陽極酸化皮膜に断熱効果を付与することができ、例えば、ピストンの表面処理に用いた場合には、ピストンの断熱効果を向上できる。特に、水和化合物はリチウム−アルミニウム水和物を含んでいるため、陽極酸化皮膜の細孔を維持しつつ、耐腐食性を向上できる。
本発明に係るアルミニウム又はアルミニウム合金部材の製造方法において、前処理されたアルミニウム又はアルミニウム合金部材を模式的に示す断面図である。 本発明に係るアルミニウム又はアルミニウム合金部材の製造方法において、水和処理されたアルミニウム又はアルミニウム合金部材を模式的に示す断面図である。 対照例において、陽極酸化皮膜の表面に存在する微細孔を示す電子顕微鏡写真である。 試験例において、陽極酸化皮膜の表面に存在する微細孔を示す電子顕微鏡写真である。
以下、本発明に係るアルミニウム又はアルミニウム合金部材、およびその製造方法の一実施の形態について説明する。
先ず、本実施の形態のアルミニウム又はアルミニウム合金部材の製造方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に陽極酸化皮膜を形成する工程と、この陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム又はアルミニウム合金を、リン酸イオンを含む前処理液に浸漬して前処理を行う工程と、この前処理を行ったアルミニウム又はアルミニウム合金の表面の陽極酸化皮膜を、リチウムイオンを含む水和処理液で水和処理する工程とを含むものである。
被処理物、すなわち、陽極酸化皮膜を形成する対象物は、アルミニウムの他、アルミニウム合金でもよい。アルミニウム合金としては、特に限定されず、シリコンや銅などの成分を含むことができる。また、アルミニウム又はアルミニウム合金の製法も、特に限定されず、展伸材や、鋳造材、ダイカスト材でも本方法を適用することができる。
陽極酸化皮膜の形成工程では、陽極酸化処理液中で、アルミニウム又はアルミニウム合金を陽極に、チタンやステンレス板などを陰極に配置し、電解処理を行う。これによって、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に、酸化アルミニウムを主成分とした陽極酸化皮膜を形成することができる。陽極酸化処理液としては、特に限定されず、例えば、硫酸、シュウ酸、クロム酸等の酸性浴や、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム等のアルカリ性浴のいずれを用いてもよい。特に、厚い膜厚を有する皮膜を形成しやすいことから、硫酸を使用することが好ましい。
電解処理の方法は、特に限定されず、直流電解、交流電解、交直重畳電解、Duty電解などのいずれを用いてもよい。また、電解処理後、水洗を最低1回は行うことが好ましい。水洗を行うことでアルミニウム又はアルミニウム合金に付着している陽極酸化処理液をある程度除去し、又は除去できなかった処理液の濃度も薄くし、次工程への混入量を減らすことができる。水洗で用いる水は、イオン交換水や純水などの不純物が少ない水が好ましい。
このようにして得られる陽極酸化皮膜の膜厚は、10〜500μmが好ましい。陽極酸化皮膜の膜厚が10μmであれば、十分な防錆効果を得ることができる。陽極酸化皮膜の膜厚は厚い方が好ましいものの、500μm以下であると陽極酸化皮膜が作成しやすいため好適である。また、陽極酸化皮膜の膜厚は、10〜300μmがより好ましく、10〜100μmが更に好ましい。
前処理の工程では、この陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム又はアルミニウム合金を、リン酸イオンを含む水溶液である前処理液に浸漬する。これによって、陽極酸化皮膜にリン酸イオンが取り込まれる。特に、図1に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金10上に形成された陽極酸化皮膜22表面には、複数の孔24が存在し、前処理液のリン酸イオン26は、陽極酸化皮膜22の表層面だけではなく、孔24内の底の部分にも取り込まれる。このリン酸イオンには、リチウム−アルミニウム水和反応を抑制する働きがある。よって、陽極酸化皮膜22に取り込まれたリン酸イオン26aは、次工程における水和化合物の生成を抑制し、よって、水和化合物によって孔24が塞がれるのを防ぐことができる。
リン酸イオン源として使用する試薬は、リン酸イオンを含む化合物であれば特に限定されないが、水に可溶なリン酸イオンを含むリン酸またはリン酸塩が好ましく、オルトリン酸や、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸リチウム、リン酸アンモニウム等がより好ましい。この中でも実際に製造することを考慮した場合、水に溶けやすくリン酸イオンの濃度を調整しやすいので、リン酸が特に好ましい。
前処理液のpHは、特に限定されず、pH1〜12の範囲で使用可能であり、酸性でも、中性でも、アルカリ性でも、リン酸イオンを陽極酸化皮膜に十分に取り込むことができる。但し、次工程の水和処理液のpHはアルカリ性であるため、次工程に混入した場合に水和処理液のpHの変化を抑えるためには、中性または塩基性、すなわちpH7〜12の範囲とすることが好ましく、pH10.5以上にすることがより好ましい。なお、前処理液にリン酸イオン源以外の化合物を混合すると、陽極酸化皮膜中にリン酸イオンが取り込まれにくくなる場合があるため、リン酸イオン源の試薬以外の化合物を前処理液に混合しないことが好ましい。
前処理液のリン酸イオン濃度は、0.1〜2.0mol/Lの範囲が好ましい。リン酸イオン濃度を0.1mol/L以上とすることで、陽極酸化皮膜に十分な量のリン酸イオンを取り込むことができ、次工程における水和化合物の生成を抑制し、水和化合物の生成によって細孔が塞がれるのを防ぐことができる。また、リン酸イオン濃度を2.0mol/L未満にすることで、前処理液自体が陽極酸化皮膜を溶解する力が大きくなり過ぎて皮膜を溶解して膜厚が減少するのを、防ぐことができる。前処理液のリン酸イオンの濃度は、0.5〜2.0mol/Lの範囲がより好ましく、1.0〜2.0mol/Lの範囲が更に好ましい。
前処理液の温度は、10〜30℃の範囲が好ましい。10℃以上にすることで、前処理液中におけるリン酸イオンの活動を活発にし、リン酸イオンを陽極酸化皮膜に適切に取り込むことができる。また、30℃以下にすることで、リン酸イオン濃度が高い場合と同様に、前処理液自体が陽極酸化皮膜を溶解する力が大きくなり過ぎて皮膜を溶解して膜厚が減少するのを、防ぐことができる。前処理液の温度は、20〜30℃の範囲がより好ましい。
前処理液に浸漬する時間は、30秒間〜4分間の範囲が好ましい。浸漬時間を30秒間以上とすることで、前処理液中のリン酸イオンを陽極酸化皮膜内に十分に取り込むことができ、次工程での水和反応を適正に抑制することができる。また、4分間以下にすることで、長時間の浸漬によって陽極酸化皮膜が溶解して膜厚が減少するのを防ぐことができる。浸漬時間は、1〜4分間の範囲がより好ましい。
前処理液に浸漬した後、陽極酸化皮膜の形成工程と同じように、水洗を最低1回行ってから次工程の水和処理を行うことが好ましい。
水和処理の工程では、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に形成された陽極酸化皮膜を、リチウムイオンを含む水溶液である水和処理液で水和処理する。このようなリチウムイオンを含む水溶液は、従来、陽極酸化皮膜の細孔を塞ぐために使用されていた。この水溶液は、細孔内部を溶解して細孔径を拡大するとともに、その後、溶解により生成したアルミン酸イオンと反応してリチウムとアルミニウムの水和化合物が生成し、この水和化合物により細孔を塞ぐというものである。しかしながら、本発明では、上述した前処理の工程で、陽極酸化皮膜の細孔部分にもリン酸イオンを十分に取り込んでいるため、この水和処理の工程では、リチウムとアルミニウムの水和反応が抑制され、水和化合物が生成しにくくなる。したがって、図2に示すように、水和処理液は、陽極酸化皮膜22表面に存在する孔24内部を溶解して孔径を拡大するとともに、水和化合物32は、拡大した孔34の表面部分にしか形成されず、よって、最終的な孔34の径を当初よりも大幅に拡大することができる。
リチウムイオン源となる試薬としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、塩化リチウム、またはそれらの水和物などを使用することができる。これらの中でも、水溶液がアルカリ性で且つ毒性がないことから、水酸化リチウム、炭酸リチウムが好ましい。
水和処理液のリチウムイオン濃度は、0.02〜20g/Lが好ましく、0.08〜10g/Lがより好ましい。水和処理液のpHは、10.5以上が好ましく、11以上がより好ましく、12以上がさらに好ましい。pHの上限は、特に限定されないが、14以下が好ましい。リチウムイオン源によってpHが異なるため、硫酸、シュウ酸、クロム酸などの酸や、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、フッ化ナトリウムなどの塩基を用いて、水和処理液のpHを調整することができる。
水和処理の方法は、陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム又はアルミニウム合金を水和処理液に浸漬したり、陽極酸化皮膜の表面に水和処理液をスプレーしたり、筆などで塗布したりなどして、水和処理液を陽極酸化皮膜に付着させればよい。水和処理液の温度は、10〜65℃が好ましく、25〜50℃がより好ましい。水和処理の時間は、30秒間〜5分間が好ましい。水和処理液を付着させた後、陽極酸化皮膜を水洗または湯洗し、エアブローや乾燥機などで乾燥させることが好ましい。
このような水和処理によって、図2に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金10上に形成された陽極酸化皮膜22表面に存在する複数の微細な孔34の内面が、水和化合物32の層で覆われているアルミニウム又はアルミニウム合金部材30を得ることができる。水和化合物32は、少なくともリチウム−アルミニウム水和物を含んでおり、その他にベーマイトを含むこともある。リチウム−アルミニウム水和物としては、例えば、LiH(AlO・5HOであり、また、ベーマイトとしては、例えば、AlO・OHである。LiH(AlO・5HOはベーマイトよりも水分に強いため、耐腐食性を向上できる。
孔径が拡大された孔34は、水和生成物32の層によってその内表面が覆われているが、部材30の表面におけるその孔径は、10nm以上を有している。孔径が10nm以上であれば、例えば、塗装や樹脂との塗装密着性の向上を目的とした場合に、孔内に塗装や樹脂が入り込むことによるアンカー効果が十分働くため、塗装密着性を向上できる。また、孔34の孔径は、当初の陽極酸化皮膜の孔24の孔径の1.5倍以上に拡大されていることが好ましく、2倍以上に拡大されていることがより好ましい。
(陽極酸化皮膜の評価試験)
本発明により形成した陽極酸化皮膜の表面を、電子顕微鏡を用いて観察し、皮膜表面に存在する微細孔の孔径を測定する試験を行った。孔径は、微細孔の開口部の孔径の平均値(5つの微細孔の平均値)とした。一連の処理の前後で、陽極酸化皮膜の孔径が1.5〜2倍に拡大しているものについては、その評価結果を○とし、2倍を超えて拡大しているものを◎とし、それ以外のもの、例えば、1.5倍未満の変化のものや、細孔が塞がってしまっているもの、皮膜の溶解により細孔(セル構造)が崩れてしまったものを×とした。また、陽極酸化皮膜の膜厚については、膜厚計(フィッシャーインストルメンツ社製)にて測定を行い、陽極酸化処理の前後で、膜厚が20%以上薄くなっている場合は、評価結果を×とし、それ以外は○とした。膜厚も、陽極酸化皮膜の平均膜厚(5つの部分の平均値)である。総合評価の結果は、細孔径の評価結果と膜厚の評価結果のどちらか一方が×の場合は×とし、それ以外の場合は細孔径の評価結果に合わせて○か◎とした。
陽極酸化皮膜の形成に用いる試験片としては、アルミニウム合金A1100材を用いた。これは、合金成分が多く含まれていると、合金成分の影響で試験片における電流密度の分布がばらつき、試験片の測定位置によって細孔径が異なる場合が生じ得るので、それを避けるためである。
(対照例1)
アルミニウム合金A1100材の試験片を、200g/Lの濃度の硫酸浴に陽極として浸漬し、電流密度2A/dmで直流電流を10分間通電することにより、試験片の表面に陽極酸化皮膜を形成した。この陽極酸化皮膜は、電子顕微鏡を用いて観察したところ、細孔径が15nmで、膜厚は20μmであった。図3に、陽極酸化皮膜の表面の電子顕微鏡写真を示す。写真中の黒い部分が細孔である。この陽極酸化皮膜を対照例1として、以下の試験例1〜4において、処理前後の細孔径や膜厚の変化を判断する基準として用いた。
(試験例1:前処理におけるリン酸イオン濃度の影響)
アルミニウム合金A1100材の試験片を、200g/Lの濃度の硫酸浴に陽極として浸漬し、電流密度2A/dmの直流電流を10分間通電することにより、細孔径が15nm、膜厚が20μmの陽極酸化皮膜を形成した。次に、前処理として、以下の表1に示すように、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムのpHが異なるリン酸化合物の試薬を用いて、リン酸イオン濃度が0.01〜6mol/Lになるように調製した水溶液(20℃)に、陽極酸化皮膜を形成した試験片を2分間浸漬した。その後、水和処理として、水酸化リチウム一水和物を用いてリチウムイオン濃度が0.2g/Lとなるように調製したpH13の水溶液(25℃)に、前処理をした試験片を1分間浸漬した。この水和処理をした後の試験片の表面を、電子顕微鏡にて観察し、表面に存在する細孔径を測定するとともに、膜厚計にて陽極酸化皮膜の膜厚を測定した。試験例1において測定した各値を、上述の対照例1の基準値と比較し、評価した結果を表1に示す。
表1に示すように、リン酸イオン濃度が0.1〜2mol/Lの範囲の場合(試料番号2〜4、8、11、12、14、15)は、陽極酸化皮膜の膜厚を保ったまま、細孔径を十分に拡大することができた。その様子の一例として、試料番号4の陽極酸化皮膜の表面の電子顕微鏡写真を図4に示す。これは、多くのリン酸イオンが皮膜に取り込まれたものと推測する。一方、リン酸イオン濃度が0.1mol/L未満の場合(試料番号1、7、10、13)は、細孔が塞がってしまった。これは、リン酸イオンが皮膜に取り込まれにくくなるために、水和処理におけるリチウムとアルミニウムの水和化合物の生成を抑制できなかったものと推測する。また、リン酸イオン濃度が2mol/Lを超えた場合(試料番号5、6、9)は、膜厚が減少したとともに、細孔(セル構造)が崩れていた。これは、前処理における処理液の溶解力が高くなったことから、陽極酸化皮膜が溶解するとともに、皮膜自体が脆くなったものと推測する。なお、リン酸イオン源としての試薬は、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムのいずれにおいても、同様の効果が見られ、リン酸イオン源の種類や処理液のpHは影響しないことがわかった。
(試験例2:前処理における温度の影響)
アルミニウム合金A1100材の試験片を、200g/Lの濃度の硫酸浴に陽極として浸漬し、電流密度2A/dmの直流電流を10分間通電することにより、陽極酸化皮膜を形成した。次に、前処理として、リン酸を試薬として用いてリン酸イオン濃度が1mol/Lになるように調製した水溶液に、5〜50℃の間の各温度で、陽極酸化皮膜を形成した試験片を2分間浸漬した。その後、水和処理として、試験例1と同様に、リチウムイオン濃度が0.2g/Lとなるように調製したpH13の水溶液(25℃)に、前処理をした試験片を1分間浸漬した。この水和処理をした後の試験片の表面を、試験例1と同様に、電子顕微鏡で細孔径を測定するとともに、膜厚計で膜厚を測定した。この試験例2において測定した各値を、上述の対照例1の基準値と比較し、評価した結果を表2に示す。
表2に示すように、リン酸イオン水溶液の温度が10〜30℃の範囲の場合(試料番号3、17〜19)、陽極酸化皮膜の膜厚を保ったまま、細孔径を拡大することができた。一方、水溶液の温度が10℃よりも低かった場合(試料番号16)は、細孔が塞がっていた。これは、温度が低いと、リン酸イオンの動きが鈍く、陽極酸化皮膜に取り込まれにくくなるため、水和処理におけるリチウムとアルミニウムの水和化合物の生成を抑制できなかったものと推測する。また、水溶液の温度が30℃を超えた場合(試料番号20、21)は、膜厚が減少したとともに、細孔(セル構造)が崩れていた。これは、前処理における処理液の溶解力が高くなったことから、陽極酸化皮膜が溶解するとともに、皮膜自体が脆くなったものと推測する。
(試験例3:前処理における浸漬時間の影響)
アルミニウム合金A1100材の試験片を、200g/Lの濃度の硫酸浴に陽極として浸漬し、電流密度2A/dmの直流電流を10分間通電することにより、陽極酸化皮膜を形成した。次に、前処理として、リン酸を試薬として用いてリン酸イオン濃度が1mol/Lになるように調製した水溶液(20℃)に、陽極酸化皮膜を形成した試験片を15秒間〜10分間の各種時間で浸漬した。その後、水和処理として、試験例1と同様に、リチウムイオン濃度が0.2g/Lとなるように調製したpH13の水溶液(25℃)に、前処理をした試験片を1分間浸漬した。この水和処理をした後の試験片の表面を、試験例1と同様に、電子顕微鏡で細孔径を測定するとともに、膜厚計で膜厚を測定した。この試験例3において測定した各値を、上述の対照例1の基準値と比較し、評価した結果を表3に示す。
表3に示すように、リン酸イオン水溶液への浸漬時間が30秒間〜4分間の範囲の場合(試料番号3、23〜25)は、陽極酸化皮膜の膜厚を保ったまま、細孔径を拡大することができた。一方、浸漬時間が30秒間よりも短かった場合(試料番号22)は、細孔が塞がっていた。これは、浸漬時間が短いと、陽極酸化皮膜に取り込まれるリン酸イオンの量が少ないため、水和処理におけるリチウムとアルミニウムの水和化合物の生成を抑制できなかったものと推測する。また、浸漬時間が4分間を超えた場合(試料番号26、27)、膜厚が減少したとともに、細孔(セル構造)が崩れていた。これは、長時間の浸漬により陽極酸化皮膜が溶解するとともに、皮膜自体が脆くなったものと推測する。
(試験例4:水和処理における処理条件の影響)
アルミニウム合金A1100材の試験片を、200g/Lの濃度の硫酸浴に陽極として浸漬し、電流密度2A/dmの直流電流を10分間通電することにより、陽極酸化皮膜を形成した。次に、前処理として、リン酸を試薬として用いてリン酸イオン濃度が1mol/Lになるように調製した水溶液(20℃)に、陽極酸化皮膜を形成した試験片を2分間浸漬した。その後、水和処理として、表4に示すように、水酸化リチウム一水和物を用いてリチウムイオン濃度が0.01〜25g/Lの範囲となるように調製したpH13の水溶液に、5〜80℃の間の温度で、前処理をした試験片を5秒間〜10分間の間の時間で、浸漬した。この水和処理をした後の試験片の表面を、試験例1と同様に、電子顕微鏡で細孔径を測定するとともに、膜厚計で膜厚を測定した。この試験例4において測定した各値を、上述の対照例1の基準値と比較し、評価した結果を表4に示す。
表4に示すように、リチウムイオン濃度が0.05〜10g/Lの範囲で、温度が10〜40℃の範囲で、浸漬時間が30秒間〜5分間の範囲の場合(試料番号3、29、32)は、陽極酸化皮膜の膜厚を保ったまま、細孔径を十分に拡大することができた。一方、リチウムイオン濃度が0.01g/Lと低かったり、温度が5℃と低かった場合(試料番号28、30)は、細孔径を拡大することができなかった。これは、処理液の陽極酸化皮膜を溶解する力が弱過ぎたためと推測する。逆に、リチウムイオン濃度が25g/Lと高かったり、温度が80℃と高かった場合(試料番号35、33)は、細孔が塞がってしまっていた。これは、濃度や温度が高いことで、リチウムとアルミニウムの水和化合物が生成する化学反応が起こりやすくなり、リン酸イオンの効果でこの水和化合物の生成を抑制することが困難になったためと推測する。また、浸漬時間が5秒間と短かった場合(試料番号34)、細孔径を拡大することができなかった。これは、陽極酸化皮膜を溶解する時間も短くなったためと推測する。逆に、浸漬時間が10分間と長過ぎた場合(試料番号31)、細孔の一部が塞がってしまった。これは、水和化合物の生成反応が進行を続けてしまうためと推測する。
10 アルミニウム又はアルミニウム合金
20 前処理されるアルミニウム又はアルミニウム合金部材
22 陽極酸化皮膜
24、34 孔
26 リン酸イオン
30 水和処理されたアルミニウム又はアルミニウム合金部材
32 水和化合物

Claims (8)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金と、その表面に形成された陽極酸化皮膜とを備えるアルミニウム又はアルミニウム合金部材であって、前記陽極酸化皮膜の表面には複数の孔が存在し、前記孔は塞がれておらず、その内表面が水和化合物で覆われており、前記水和化合物がリチウム−アルミニウム水和物を含むものであるアルミニウム又はアルミニウム合金部材。
  2. 前記水和化合物でその内表面が覆われた孔は、部材表面における孔径が10nm以上である請求項1に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金部材。
  3. 前記陽極酸化皮膜の膜厚が10μm以上である請求項1又は2に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金部材。
  4. 前記リチウム−アルミニウム水和物がLiH(AlO・5HOを含むものである請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金部材。
  5. 陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム又はアルミニウム合金を、リン酸イオンを含む前処理液に浸漬して前処理を行う工程と、
    前記前処理を行ったアルミニウム又はアルミニウム合金上の陽極酸化皮膜を、リチウムイオンを含む水和処理液で水和処理して、前記陽極酸化皮膜の表面に存在する複数の孔の孔径を拡大し、且つこの孔の内表面を、リチウム−アルミニウム水和物を含む水和化合物で覆う工程と
    を含むアルミニウム又はアルミニウム合金部材の製造方法。
  6. 前記前処理液のリン酸イオン濃度が0.1〜2.0mol/Lの範囲である請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記前処理液の温度が10〜30℃の範囲である請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. 前記前処理液に浸漬する時間が30秒間〜4分間の範囲である請求項5〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
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