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JP2012243998A - チップ状電子部品 - Google Patents

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Tomoyuki Takahashi
智之 高橋
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

【課題】耐湿性が良好で且つ小型化に適したチップ状電子部品を提供する。
【解決手段】内部電極11が埋設された部品本体10と該部品本体10の外面に形成された外部電極20とを備えたチップ状電子部品1において、前記外部電極20は、物理的蒸着法又は化学的蒸着法で形成されてなり且つ導電性を有する水素バリア層21を含む、複数の電極層からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサなどのチップ状電子部品に関し、特に外部電極の構造に関する。
積層セラミックコンデンサなどのチップ状電子部品は一般的に、内部電極が埋設された直方体の部品本体と、該部品本体の外面に形成され前記内部電極と電気的に接続した外部電極とを備えている。外部電極の形状・個数・形成位置はチップ状電子部品の種類によって異なる。例えば一般的な積層セラミックコンデンサでは、直方体形状の部品本体の長手方向両端面から該端面に隣接する側面に亘って外部電極が形成されている。外部電極の形成方法として一般的な方法としては、ペーストをディップ法などで塗布・焼成し、その後にハンダ濡れ性の向上やハンダ喰われ防止を目的として電解メッキで1層又は複数のメッキ層を形成する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2008−28064号公報
しかし、従来のチップ状電子部品では、電解メッキ工程や耐湿試験時などに水分が部品本体内に浸入して信頼性の低下を招く恐れがあった。さらに内部電極としてNi系の金属を用いる場合には、Niの水素吸蔵作用に起因する特性劣化が発生することがあった。一方で近年、チップ状電子部品に対する更なる小型化・薄型化の要求が高まっており、これにより外部電極については薄膜化・微細加工容易性が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐湿性が良好で且つ小型化に適したチップ状電子部品を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、内部電極が埋設された部品本体と該部品本体の外面に形成された外部電極とを備えたチップ状電子部品において、前記外部電極は、物理的蒸着法又は化学的蒸着法で形成されてなり且つ導電性を有する水素バリア層を含む、複数の電極層からなることを特徴とする。
本願発明によれば、水素バリア層の外層側に電解メッキで電極層を形成する工程や耐湿試験時などにおいて、水分が部品本体内に浸入することを水素バリア層により防止することができる。なお、水素バリア層を物理的蒸着法又は化学的蒸着法で形成しているので、水素バリア層の形成工程において水分が部品本体内に浸入することがないので好適である。また物理的蒸着法又は化学的蒸着法で導電性の水素バリア層を形成しているでディップ法などと比べて薄く形成でき、部品サイズの小型化に有利である。
本発明の好適な態様の一例としては、前記水素バリア層は部品本体に接する最内層に形成されていることを特徴とするものが挙げられる。また本発明の他の好適な態様の一例としては、前記水素バリア層の外層側には1以上の電極層が電解メッキにより形成されていることを特徴とするものが挙げられる。
以上説明したように本発明によれば、水素バリア層の外層側に電解メッキで電極層を形成する工程や耐湿試験時などにおいて、水分が部品本体内に浸入することを水素バリア層によって防止することができる。なお、水素バリア層を物理的蒸着法又は化学的蒸着法で形成しているので、水素バリア層の形成工程において水分が部品本体内に浸入することがないので好適である。また物理的蒸着法又は化学的蒸着法で導電性の水素バリア層を形成しているでディップ法などと比べて薄く形成でき、部品サイズの小型化に有利である。
第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図 第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するフローチャート 第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図 第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するフローチャート
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るチップ状電子部品について図面を参照して説明する。本実施の形態ではチップ状電子部品の一例として積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は積層セラミックコンデンサの断面図である。なお本願では説明の簡単のため適宜寸法や形状を模式化している点に留意されたい。
積層セラミックコンデンサ1は、図1に示すように、部品本体である略直方体形状の積層体10と、該積層体10の長手方向両端部に形成された一対の外部電極20とを備えている。
積層体10は、複数の内部電極層11と誘電体層12とを交互に積層したセラミック焼結体からなる。内部電極層11は所定の間隔をもって互いに重なり合うように配置されており、その端部は積層体10の何れか一方の端面に交互に露出し、該端面において外部電極20に電気的に接続している。すなわち内部電極層11は一層おきに同一の外部電極20に電気的に接続している。内部電極層11はNi,Cu等の卑金属、Pd,Agなどの貴金属、Ag−Pd合金などを主成分とした金属からなるが、コストダウンの観点からはNiが好適である。また本実施の形態では積層セラミックコンデンサ1は高誘電率系のクラス2であり、誘電体層12はチタン酸バリウムベースの誘電体セラミックからなる。
外部電極20は、積層体10の表面のうち長手方向両端面から該端面に隣接する側面にまで回り込んで形成されている。外部電極20は、最内層、すなわち積層体10に接する部位に形成された水素バリア層21と、該水素バリア層21の外層に形成された3つの電極層22〜24を備えた4層構造になっている。
水素バリア層21は、積層体10内に水分が浸入することを防止するための電極層であり、水素バリア機能及び導電性を有する材料からなる。水素バリア層21の材料としては水素拡散係数の小さい導電性材料が好適であり、例えばTaNやTiNなどの金属窒化物が挙げられる。水素バリア層21は、スパッタリング・真空蒸着・イオンプレーティングなどの物理的蒸着法或いは熱CVD・コールドウォールCVD・MOCVD・ALCVD・プラズマCVDなどの化学的蒸着法などドライプロセスで形成された薄膜からなる。
電極層22〜24は、電解メッキにより形成された薄膜からなる。電極層22は外部電極20としての主機能を果たすための層であり電気的特性に着目して材料選択するのが好ましい。具体的には、Cu、Niなどの卑金属、Ag,Auなどの貴金属、これらの合金などから選択することが好ましい。本実施の形態ではCuを選択した。電極層23及び24はハンダ喰われ防止及びハンダ濡れ性の向上のための層である。本実施の形態では電極層23としてはNiを用い、電極層24としてSnを用いた。
次に本実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ1の製造方法について図2のフローチャートを参照して説明する。まず誘電体セラミックを形成する原料粉末、有機バインダ、溶剤及びその他添加剤を混合してセラミックスラリーを作製する(ステップS1)。次に、セラミックスラリーをドクターブレード法などによりシート状に形成・乾燥してセラミックグリーンシートを得る(ステップS2)。次にセラミックグリーンシートに所定のパターン形状で内部電極用のペーストを印刷する(ステップS3)。該ペーストには共生地としてセラミック原料粉を所定分量混合しておくと好適である。次に、ペーストを印刷したセラミックグリーンシートを所定のパターン・枚数積層した後に圧着してシート積層体を得る(ステップS4)。次にシート積層体を個別チップに切断した後に(ステップS5)、バレル研磨などで個別チップの表面を研磨する(ステップS6)。次に、研磨後の個別チップに対して大気中又は窒素等の非酸化性ガス中で脱バインダ処理を行う(ステップS7)。次に脱バインダ処理後の個別チップを所定温度の窒素―水素雰囲気中で焼成し(ステップS8)、さらに再酸化処理を行うことで積層体10を得る(ステップS9)。
次に積層体10に物理的蒸着法又は化学的蒸着法で水素バリア層21を形成する(ステップS10)。例えばスパッタリングを用いる場合、所定の治具に設置した積層体10をスパッタリング装置のステージにセットし、TaNやTiNなどの電極材料を1μm成膜する。このとき、その端部がスパッタリングターゲットと対向するように積層体10を設置する。また積層体10の角部や側部にも水素バリア層21が形成されるように冶具ごと揺動運動させてもよい。また、スパッタ条件としては、例えば、Ar30sccm,1Pa,DC500Wで成膜する。一方の端部の成膜後、冶具を180°回転させて他方の端部に水素バリア層21を形成する。
次に水素バリア層21の上に、Cuからなる電極層22,Niからなら電極層23,Snからなる電極層24を順に電解メッキで形成する(ステップS11)。ここで注目すべき点は、水素拡散係数の小さい水素バリア層21が積層体10の表面に緻密に成膜されているため、水分やH又はH+の積層体内への浸入を防止することができ、これにより特性劣化を防止できることである。以上の工程により積層セラミックコンデンサ1が得られた。
このように本実施の形態に係る積層セラミックコンデンサでは、外部電極20が複数の電極層から形成されており、且つ、その最内層の電極層として水素バリア機能を有する水素バリア層21が形成されているので、該水素バリア層21の外層側に電解メッキで電極層22〜24を形成する工程や耐湿試験時などにおいて水分が積層体10内に浸入することを防止することができる。なお、水素バリア層21を物理的蒸着法又は化学的蒸着法で形成しているので、水素バリア層21の形成工程において水分が積層体10内に浸入することがないので好適である。また物理的蒸着法又は化学的蒸着法で導電性の水素バリア層21を形成しているで、部品サイズの小型化に有利である。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るチップ状電子部品について図3及び図4を参照して説明する。本実施の形態ではチップ状電子部品の一例として積層セラミックコンデンサについて説明する。図3は積層セラミックコンデンサの断面図、図4は積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するフローチャートである。
本実施の形態に係る積層セラミックコンデンサが第1の実施の形態と相違する点は外部電極の層構造にある。その他の構成については第1の実施の形態と同様なのでここでは相違点のみを説明する。
本実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ2において外部電極30は、外最内層、すなわち積層体10に接する部位に形成された主電極層31と、該主電極層31の外層に形成された水素バリア層32と、該水素バリア層32の外層に形成された3つの電極層33〜35という5層構造になっている。すなわち、水素バリア層32が外部電極30の最内層ではなく、水素バリア層32よりも内層側にも電極層が存在している点が第1の実施の形態と異なる。
主電極層31は外部電極30としての主機能を果たすための層であり電気的特性に着目して材料選択するのが好ましく、また内部電極層11との接合が良好となるものを選択するのが好ましい。具体的には、Cu、Niなどの卑金属、Ag,Auなどの貴金属、これらの合金などから選択することが好ましく、内部電極層11と同一の材料を選択することが好ましい。また、主電極層31は、ディップ法や印刷法などペーストの塗布・焼成により形成されている。
水素バリア層32及び電極層33〜35の構成や形成方法等については第1の実施の形態と同様である。
また本実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ2の製造方法は、図4に示すように、第1の実施の形態におけるステップS7とステップS8の間において、研磨後の個別チップに対して主電極層31用のペーストを塗布又は印刷する工程(ステップS7a)を設ければよい。なお、該ペーストは次の焼成工程においてセラミック素体・内部電極とともに焼成される。
本実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの作用・効果については第1の実施の形態と同様である。
以上本発明の一実施の形態について詳述したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば上記実施の形態ではチップ状電子部品の一例として積層セラミックコンデンサについて説明したが、他のチップ状電子部品でも本発明を実施することができる。すなわち本発明は、部品本体の材質等が不問であり、また外部電極の形状・数なども不問である。
さらに上記実施の形態では物理的蒸着法又は化学的蒸着法の一例としてスパッタ方式を用いて水素バリア層21,32を形成することを例示したが、他の物理的蒸着法又は化学的蒸着法を用いても本願発明を実施することができる。
1…積層セラミックコンデンサ、10…積層体、11…内部電極層、12…誘電体層、20,30…外部電極、21,32…水素バリア層、22〜24,33〜35…電極層、31…主電極層

Claims (3)

  1. 内部電極が埋設された部品本体と該部品本体の外面に形成された外部電極とを備えたチップ状電子部品において、
    前記外部電極は、物理的蒸着法又は化学的蒸着法で形成されてなり且つ導電性を有する水素バリア層を含む、複数の電極層からなる
    ことを特徴とするチップ状電子部品。
  2. 前記水素バリア層は部品本体に接する最内層に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のチップ状電子部品。
  3. 前記水素バリア層の外層側には1以上の電極層が電解メッキにより形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のチップ状電子部品。
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