JP2012136617A - 酸化防止剤水系分散溶液の製造方法及び酸化防止剤水系分散溶液 - Google Patents
酸化防止剤水系分散溶液の製造方法及び酸化防止剤水系分散溶液 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】酸化防止剤水系分散溶液の製造方法は、下記(1)〜(3)の工程を有する。
(1)酸化防止剤を有機溶剤に溶解させ、酸化防止剤溶液を形成する工程
(2)前記酸化防止剤溶液と水系媒体とを混合し、酸化防止剤分散溶液を製造する工程
(3)前記酸化防止剤分散溶液から有機溶剤を留去し、酸化防止剤水系分散溶液を製造する工程
【選択図】なし
Description
このような酸化防止剤分散溶液は、塩化ビニル樹脂やABS樹脂、MBS樹脂等の製造時に、空気中の酸素や光により酸化されるのを防ぐために添加する用途や、その他、トナーの製造時にも添加する用途がある。
塩化ビニル樹脂等の製造時に添加する用途として使用される酸化防止剤分散溶液の場合、分散される酸化防止剤はボールミル等を使用して所望の粒径となるように機械的に分散し、これを水系媒体中に分散させている(例えば、特許文献1〜3参照)。
また、従来の酸化防止剤分散溶液の製法では、酸化防止剤を粉体のまま小径化するので、容器への静電的付着力が強すぎて収量が悪く、機械清掃に手間がかかるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、粒径の小さな酸化防止剤を、工業的に安全でかつ保存安定性に優れ、また、収率が高く、メンテナンス性に優れた酸化防止剤水系分散溶液の製造方法及び酸化防止剤水系分散溶液を提供することを目的としている。
下記(1)〜(3)の工程を有することを特徴とする酸化防止剤水系分散溶液の製造方法が提供される。
(1)酸化防止剤を有機溶剤に溶解させ、酸化防止剤溶液を形成する工程
(2)前記酸化防止剤溶液と水系媒体とを混合し、酸化防止剤分散溶液を製造する工程
(3)前記酸化防止剤分散溶液から有機溶剤を留去し、酸化防止剤水系分散溶液を製造する工程
体積基準のメディアン径が50〜500nmであることを特徴とする酸化防止剤水系分散溶液が提供される。
酸化防止剤水系分散溶液の製造方法は、下記(1)〜(3)の工程を有する。
(1)酸化防止剤を有機溶剤に溶解させ、酸化防止剤溶液を形成する工程
(2)前記酸化防止剤溶液と水系媒体とを混合し、酸化防止剤分散溶液を製造する工程
(3)前記酸化防止剤分散溶液から有機溶剤を留去し、酸化防止剤水系分散溶液を製造する工程
(ヒンダードフェノール系化合物)
本発明において、ヒンダードフェノール系化合物とは、フェノール化合物の水酸基に対してオルト位置に一つ以上のt−ブチル基を有する化合物類及びその誘導体を言い、下記一般式(1)で表される基を有する化合物を言う。このとき、フェノール化合物の水酸基、及びそのオルト位のt−ブチル基以外に、有機基を有しても良い。
このヒンダードフェノール系化合物は、例えば、トナーの材料に使用する場合には、画像形成装置内における感光体の表面上に発生したオゾンや窒素酸化物などの酸化性物質による酸化作用を防止又は抑制する酸化防止剤として機能する。
酸化防止剤微粒子の粒径が、50nm未満である場合においては、疎水化度が低下し、画像ボケなどの画像不良の発生を十分に抑制できないおそれがある。一方、酸化防止剤微粒子の粒径が500nmを超える場合においては、当該酸化防止剤微粒子のトナー粒子に対する分散性が低下し、酸化防止剤化合物が酸化防止剤としての機能を十分に発揮することができないおそれがある。
具体的には、50mlのメスシリンダーに酸化防止剤水系分散溶液を数滴滴下し、純粋25mlを加えて超音波洗浄機「US−1」(as one 社製)を用いて3分間分散させ測定用試料を作製し、この測定用試料3mlを「UPA−EX150」(日機装社製)に投入して、Sample Loadingの値が0.1〜100の範囲にあることを確認して、下記条件により測定される。
−測定条件−
Trasnparency(透明度):Yes
Refractive Index(屈折率):1.59
Particle Density(粒子比重):1.05/cm3
Spherical Particle(球形粒子):Yes
−溶媒条件−
Refractive Index(屈折率):1.33
Viscosty(粘度):
Hight(temp)0.797×10−3Pa・S
Low(temp)1.002×10−3Pa・S
アミン化合物としては、4位に置換基を有する2,2,6,6−テトラメチルピペリジンに代表されるヒンダードアミン類、ヒドロキシアミン類、水溶性の脂肪族3級アミンが挙げられる。
硫黄化合物としては、好ましくは下記一般式(11)で表される有機化合物が好まし間用いられる。
一般式(11):R12−S−R13
上記一般式(11)中、R12およびR13は、アルキル基またはアリール基を表す。
一般式(11)においてR12およびR13で表されるアルキル基は、置換されていても置換されていなくてもよく、置換基としては、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
リン系化合物としては、有機リン化合物が好ましく用いられる。例えば、トリフェニルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)フォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリステアリルフォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)フォスファイト、ジフェニルモノデシルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルモノトリデシルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジフェニルノニルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラフォスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジフォスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト及びポリフォスファイト等の第三級フォスファイト類、ジラウリルハイドロゼンフォスファイト、ジフェニルハイドロゼンフォスファイト、ジオレイルハイドロゼンフォスファイト等の第二級フォスファイト類、メチルアシッドフォスファイト、イソデシルアシッドフォスファイト、オレイルアシッドフォスファイト、オクチルアシッドフォスファイト等のリン酸エステル類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド等の環状フォスファイト類等を挙げることができる。
(a)ヒンダードフェノール系化合物を有機溶剤に溶解させ、ヒンダードフェノール化合物溶液を形成する工程
有機溶剤として好ましいものは、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、2−ブタノン、酢酸エチルなどである。溶解にあたり、液温を40℃付近まで上げることが好ましい。濃度は、ヒンダードフェノール系化合物が溶解している限り特に限定されないが、5〜15%が好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物溶液と水系媒体とを混合し、水系媒体にヒンダードフェノール系化合物溶液の液滴が分散されたヒンダードフェノール系化合物溶液分散液を製造する。このとき、水系媒体に対し、攪拌しながらヒンダードフェノール系化合物溶液を添加することが好ましい。あるいは、ヒンダードフェノール系化合物溶液に水系媒体を添加し、転相乳化の形をとっても良い。具体的には界面活性剤をヒンダードフェノール系化合物溶液中に溶解又は分散させ、そこに水系媒体を添加し、油中水滴(W/O型)エマルションを得る。乳化の途中で連続相が油相から水相へと変化(転相)し、水中油滴(O/W型)エマルションである「ヒンダードフェノール系化合物分散溶液」を得ることができる。
ここで、水系媒体とは、界面活性剤などの分散剤を含む水をいうが、アルコールやケトン類など有機溶剤を50%未満、水に溶解されていてもよい。
界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムなどのスルフォン酸塩、ステアリン酸カリウムなどの脂肪酸塩に代表されるアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤、等が挙げられる。
水系媒体中で、(b)の工程で得られたヒンダードフェノール系化合物分散溶液から有機溶剤を留去する。好ましくは減圧下、例えばロータリーエバポレーターなどを用いて行う。
(実施例1)
[酸化防止剤溶液A1の作製]
300mlビーカーに、下記に示す酸化防止剤1とトルエンを以下の割合で加え、攪拌して溶解した。この溶液を酸化防止剤溶液A1とする。
酸化防止剤1 3質量部
トルエン 35質量部
300mlビーカーに、エチレンオキサイド2モル付加物と水を以下の割合で加え、界面活性剤水溶液を調整した。
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15%水溶液 2.2質量部
イオン交換水 84質量部
次に、界面活性剤水溶液に酸化防止剤溶液A1を加え、超音波分散機「US−1」(as one社製)にて10分間分散させ、酸化防止剤分散溶液B1を作製した。
上記酸化防止剤分散溶液B1をエバポレーターにてトルエンを留去し、酸化防止剤水系分散溶液C1を作製した。ビーカー、およびエバポレーターに付着、残存する酸化防止剤は認められず、収率は99%以上であった。
[酸化防止剤溶液A2の作製]
300mlビーカーに、下記に示す酸化防止剤2とトルエンを以下の割合で加え、攪拌して溶解させた。この溶液を酸化防止剤溶液A2とする。
酸化防止剤2 3質量部
トルエン 35質量部
300mlビーカーに、 ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムとイオン交換水を以下の割合で加え、界面活性剤水溶液を調整した。
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15%溶液 2.2質量部
イオン交換水 84質量部
そして、界面活性剤水溶液に酸化防止剤溶液A2を加え、超音波分散機「US−1」(as one社製)にて10分間分散させ、酸化防止剤分散溶液B2を作製した。
上記酸化防止剤分散溶液B2をエバポレーターにてトルエンを留去し、酸化防止剤水系分散溶液C2を作製した。ビーカー、およびエバポレーターに付着、残存する酸化防止剤は認められず、収率は99%以上であった。
[酸化防止剤溶液A3の作製]
300mlビーカーに、下記に示す酸化防止剤1とメチルエチルケトンを以下の割合で加え、攪拌して溶解した。この溶液を酸化防止剤溶液A3とする。
酸化防止剤1 3質量部
メチルエチルケトン 35質量部
300mlビーカーに、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムとイオン交換水を以下の割合で加え、界面活性剤水溶液を調整した。
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15%溶液 2.2質量部
イオン交換水 84質量部
そして、界面活性剤水溶液に酸化防止剤溶液A3を加え、超音波分散機「US−1」(as one社製)にて10分間分散させ、酸化防止剤分散溶液B3を作製した。
上記酸化防止剤分散溶液B3をエバポレーターにてメチルエチルケトンを留去し、酸化防止剤水系分散溶液C3を作製した。ビーカー、およびエバポレーターに付着、残存する酸化防止剤は認められず、収率は99%以上であった。
[酸化防止剤溶液A4の作製]
300mlビーカーに、下記に示す酸化防止剤1とトルエンを以下の割合で加え、攪拌して溶解した。この溶液を酸化防止剤溶液A4とする。
酸化防止剤1 3質量部
トルエン 35質量部
300mlビーカーに、ドデシル硫酸ナトリウムとイオン交換水を以下の割合で加え、界面活性剤水溶液を調整した。
ドデシル硫酸ナトリウム 15%溶液 2.2質量部
イオン交換水 84質量部
そして、界面活性剤水溶液に酸化防止剤溶液A4を加え、超音波分散機「US−1」(as one社製)にて10分間分散させ、酸化防止剤分散溶液B4を作製した。
上記酸化防止剤分散溶液B4をエバポレーターにてトルエンを留去し、酸化防止剤水系分散溶液C3を作製した。ビーカー、およびエバポレーターに付着、残存する酸化防止剤は認められず、収率は99%以上であった。
体積基準のメディアン径5μmの酸化防止剤1 50g、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム3g、メチルセルロース0.2g、イオン交換水46.8gおよび1.5mm径の球状ガラスビーズ150gを300ml容ビーカーにとり、スリーワンモーターにて17時間高速攪拌し、80メッシュの篩によりビーズと分散液を濾別した。得られた水分散液は体積基準のメディアン径2.2μmであった。球状ガラスビーズ150gに酸化防止剤1 5gが付着し残存したため、収率は90%であった。
実施例1において、酸化防止剤1を用いたところを2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを用いた以外は同様にして、酸化防止剤水系分散溶液C5を作成した。ビーカー、およびエバポレーターに付着、残存する酸化防止剤は認められず、収率は99%以上であった。
実施例1において、酸化防止剤1を用いたところをトリフェニルフォスファイトを用いた以外は同様にして、酸化防止剤水系分散溶液C6を作成した。ビーカー、およびエバポレーターに付着、残存する酸化防止剤は認められず、収率は99%以上であった。
《分散粒径》
実施例1〜4、比較例1において、分散粒径(体積基準のメディアン径)を測定し、その結果を下記表1に示した。分散粒径の測定方法は、上述した通り「UPA−EX150」(日機装社製)を用いて、上述の測定条件で測定したものである。
なお、比較例1の酸化防止剤水系分散溶液C5は、沈殿したため、分散粒径を測定することができなかった。
実施例1〜6、比較例1の分散液の分散安定性を、目視にて観察し、下記の基準で評価した。なお、評価は、酸化防止剤分散液を調製した後、室温で4週間ごとに目視にて観察し分離沈澱が発生するまでの時間を評価した。
優良:43週まで評価し、分離沈澱が発生しない。
良好:16週以上43週未満に分離沈澱が発生する。
不良:16週未満に分離沈澱が発生する。
Claims (3)
- 酸化防止剤水系分散溶液の製造方法において、
下記(1)〜(3)の工程を有することを特徴とする酸化防止剤水系分散溶液の製造方法。
(1)酸化防止剤を有機溶剤に溶解させ、酸化防止剤溶液を形成する工程
(2)前記酸化防止剤溶液と水系媒体とを混合し、酸化防止剤分散溶液を製造する工程
(3)前記酸化防止剤分散溶液から有機溶剤を留去し、酸化防止剤水系分散溶液を製造する工程 - 前記酸化防止剤として、ヒンダードフェノール化合物、アミン系化合物、硫黄系化合物、リン系化合物のうち、いずれかを使用することを特徴とする請求項1に記載の酸化防止剤水系分散溶液の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の酸化防止剤水系分散溶液の製造方法によって製造された酸化防止剤水系分散溶液において、
体積基準のメディアン径が50〜500nmであることを特徴とする酸化防止剤水系分散溶液。
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JP2008052087A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 静電荷像現像用トナー |
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