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JP2012100736A - 超音波治療装置 - Google Patents

超音波治療装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数部位の切除・止血を行う場合にあっても手術時間を短縮することができる超音波治療装置を提供する。
【解決手段】超音波治療装置は、シースに内挿されたプローブと、プローブ先端部に連結もしくは一体形成された、シース外部に露出した処置部と、を備え、プローブを介して処置部に超音波を伝播させて患部を切除するもしくは凝固させる超音波治療装置であって、シース内に吐出させた冷却ガスとプローブで熱交換を行うことで処置部を冷却する機構を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波治療装置に関するものである。
図6は、従来使用されている超音波凝固切開装置10の全体構成を示している。超音波凝固切開装置10では、超音波振動子の振動はホーンで増幅され、これに接続されたプローブ(振動伝達棒)を介して、プローブの先端に形成された固定刃34に伝達される。可動刃42は操作棒を介して、固定刃34に対して開閉動作が可能となっている。プローブ及び操作棒はシース55に収納され、シース55内部では所定間隔で配置された支持部材で支持されている。固定刃34と可動刃42との間に挟み込まれた組織は超音波による摩擦熱で組織を焼灼しながら切除することができ、止血も同時に可能となる。
特開2002−186627号公報
一般的に、一回の手術で複数箇所の切除もしくは凝固処置が必要となる。ここで、特許文献1に記載されている構成では、処置後は固定刃34及びその周辺部位が高温の状態にある。このため、患部以外の部位に処置具の高温部位が接触して損傷を受けるおそれがある。このような高温部位による損傷を受けることを防止するためには、固定刃34の温度が低下するまで待つ必要があり、次の処置を実施することができない。そのため、手術時間が長くなるという問題があった。
これにより、処置具に組み込める小型で高性能の冷却機構の搭載が求められる。処置中、固定刃は、切除・止血効果を発揮するために短時間で高温となる必要がある。冷却機構は、処置中は機能を停止して、超音波による固定刃の昇温を妨げず、かつ冷却機構は、処置終了後は短時間で固定刃34を冷却できる、応答性の高いものであることが求められる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数部位の切除・止血を行う場合にあっても手術時間を短縮することができる超音波治療装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る超音波治療装置は、シースに内挿されたプローブと、プローブ先端部に連結もしくは一体形成された、シース外部に露出した処置部と、を備え、プローブを介して処置部に超音波を伝播させて患部を切除するもしくは凝固させる超音波治療装置であって、シース内に吐出させた冷却ガスとプローブで熱交換を行うことで処置部を冷却する機構を備えたことを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、冷却ガスは、シース内に配置された細径の導入チューブによって高圧ガスを導入すること、さらに導入チューブの先端部で高圧ガスを冷却すること、により供給されることが好ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、導入チューブがシース内に配置された還流チューブに内挿され、導入チューブより吐出された冷却ガスが還流チューブに流入してシース外に排出されること、及び、導入チューブに導入する高圧ガスと還流チューブから排出される冷却ガスとの間で熱交換を行うことが好ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、導入チューブが還流チューブに対して着脱可能であることが好ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、還流チューブがシースに対して着脱可能であることが好ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、導入チューブが、高圧ガスを導入する導入部と、先端部に形成された導入部よりも細径の減圧部よりなることが好ましい。
本発明にかかる超音波治療装置は、処置具を構成するシース内に細径二重管構造のジュールトムソン冷却器を組み込んでいる。プローブ先端をシース内から冷却し、プローブ先端と処置具との熱伝導によって冷却することができる。これにより、複数部位の切除・止血を行う場合にあっても手術時間を短縮することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る処置具の構造を示す図である。 本実施形態におけるJT冷却器の構造を示す図である。 本実施形態におけるJT冷却器を還流チューブと導入チューブに分離した状態を示す図である。 本実施形態における処置部に超音波を伝播させることによる患部の切除・止血と冷却の動作を説明するための図である。 本実施形態におけるJT冷却器の動作の説明図である。 従来における、超音波凝固切開装置の全体構成を示す図である。
以下に、本発明にかかる超音波治療装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本実施形態にかかる超音波治療装置について、図1から図5を参照し、説明する。図1は、本実施形態にかかる超音波治療装置の処置具を示す図である。ここでは説明を簡略化するために本実施形態の特徴的な構成を記載している。実際には、可動刃とその可動機構やプローブ後端に連結される振動子(図示省略)なども備えている。
処置具101は、シース102にプローブ103が内挿された構造で、シース102とプローブ103の間隙にプローブ103を冷却するためのJT(ジュールトムソン)冷却器104が組み込まれている。シース102、プローブ103およびJT冷却器104の位置関係は支持部材106で規定されている。また、プローブ103先端に一体形成された処置部105はシース102から突出して外部に露出している。JT冷却器104の構造(後述)は、図1に示すように一部がシース102から突出した構造となっている。なお、シース102の内部は、支持部材106によって複数の部位に分けられ、互いにある程度の気密構造を有している。
図2は、JT冷却器104の構造を示している。JT冷却器104は還流チューブ110に導入チューブ111が内挿された構造である。導入チューブ111は(後述、図5参照)ガスボンベに連結される。導入チューブ111は、還流チューブ110の後端部、即ち操作者側の部分から突出した後端側導入部111aと、還流チューブ110に内挿される導入チューブ先端側導入部111bと 先端側導入部111bの先端側、即ち処置具側に取り付けられた減圧部111cとの3つの部分から構成される。
また、減圧部111cの内径は、後端側導入部111aの内径及び先端側導入部111bの内径よりも小さい。還流チューブ110と導入チューブ111は、チューブコネクタ112で連結されて着脱可能な構成となっている。また、還流チューブ110のチューブコネクタ112近傍の部位にはガス排出孔113が形成されている。
還流チューブ110との先端と、導入チューブの減圧部111cの先端はいずれも開口している。図1に示すシース102内の支持部材106で仕切られた複数の部位のうち、両者ともプローブ103先端側、即ち処置部側の近傍に位置している。
図3は、JT冷却器104を還流チューブ110と導入チューブ111に分離した状態を示している。導入チューブ111は可撓性を有しており、還流チューブ110に差し込んでチューブコネクタ112を用いて連結することが可能である。
図4は、処置部105に超音波を伝播させることによる患部の切除・止血と冷却の動作を説明するための概略構成を示す図である。BLT115(ボルト締めランジュバン振動子)で発生する超音波振動は、ホーン114を介することで増幅され、プローブ103及び処置部105を振動させる。JT冷却器104は、COガスを吐出することでプローブ103及び先端部を冷却する。JT冷却器104の動作は後述する。
切除・止血の処置は、処置部105の振動によって行われる。患部の切除・止血の処置と、プローブ103の冷却は、BLT115の駆動電源117およびCOガスボンベ109の電磁弁108の開閉で制御される。これらの制御は、システムコントローラ119によって行われる。操作者が処置を完了した後、システムコントローラ119の制御により、一定時間COガスボンベ109の電磁弁108を開くことで短時間でのプローブ103の温度低下ひいては処置部105の温度低下を実現できる。
図5は、JT冷却器104の動作を説明するための概略構成を示す図である。導入チューブ111に導入された高圧のCOガスは、内径の小さい減圧部111cを通過することで急激な圧力低下を起こす。これにより、ジュールトムソン効果によるガス温度低下が起きる。冷却されたCOガスは、減圧部111c先端から吐出してプローブ103と熱交換を行い、プローブ103の温度を低下させる。
さらに、冷却されたCOガスは減圧部111cの先端から吐出し、還流チューブ110に流入する。このとき、プローブ103の温度を下げることで、熱伝導によって処置部105の温度も低下することになる。ここで、減圧部111cから吐出した状態のガス圧力は、1atmよりも若干高い程度となるように減圧部111cの内径と長さを設計することが好ましい。これにより、ジュールトムソン効果による温度低下を最大とすることができる。同時に、支持部材106で仕切られたシース102の耐圧性が高くなくてすむため、小型化とコストの面で有利である。
還流チューブ110に流入した冷却されたCOガスは、ある程度の低温を維持している。冷却されたCOは、還流チューブ110内で導入チューブの先端側導入部111bに導入するCOガスと熱交換を行う。これにより、減圧部111cに到達する時点で導入するCOガスが冷却される。つまり、減圧部111cから吐出するCOガスは、減圧部111cでのジュールトムソン効果による温度低下に加えて、より以上の温度低下の効果を得ることができる。このため、設計の最適化によってCOガスの液化温度近傍まで吐出されるCOガスの温度を下げることが可能である。還流チューブ110に流入するCOガスは最終的にはシース102外部に設けられた還流チューブ110のガス排出孔113から排出される。
なお、図5では、ガス排出孔113は、ガスが排出される矢印で示す順路が分かりやすいように、紙面に対して右横方向に向かって開口するように描いている。ガス排出孔113は、これに限られず、図2、図3、図4に示すように、紙面に対して正面の方向に向かった開口とすることもできる。
上記実施形態では、処置具を構成するシース内に細径二重管構造のジュールトムソン冷却器を組み込んでいる。プローブ先端をシース内から冷却し、プローブ先端とプローブの先端部に連結もしくは一体形成された、シース外部に露出した処置具との熱伝導によって冷却することができる。これにより、複数の部位の処置を行う際にプローブ先端の温度が短時間で低下すると共に、処置中は冷却器を停止させることで、処置時間を増大させることが殆どないという効果を奏する。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形例をとることができる。
以上のように、本発明にかかる超音波治療装置は、処置部を短時間で冷却することができるため、複数部位の切除・止血等の処置を行う際に有用である。
101 処置具
102 シース
103 プローブ
104 JT冷却器
105 処置部
106 支持部材
108 電磁弁
109 COボンベ
110 還流チューブ
111 導入チューブ
111a 導入チューブの後端側導入部
111b 導入チューブの先端側導入部
111c 導入チューブの減圧部
112 チューブコネクタ
113 ガス排出孔
114 ホーン
115 BLT(ボルト締めランジュバン振動子)
116 駆動電圧供給ケーブル
117 駆動電源
118 制御信号ケーブル
119 システムコントローラ

Claims (6)

  1. シースに内挿されたプローブと、
    プローブ先端部に連結もしくは一体形成された、シース外部に露出した処置部と、を備え、
    プローブを介して処置部に超音波を伝播させて患部を切除するもしくは凝固させる超音波治療装置であって、
    シース内に吐出させた冷却ガスとプローブで熱交換を行うことで処置部を冷却する機構を備えたことを特徴とする超音波治療装置。
  2. 前記冷却ガスは、前記シース内に配置された細径の導入チューブによって高圧ガスを導入すること、さらに前記導入チューブの先端部で前記高圧ガスを冷却すること、により供給されることを特徴とする請求項1に記載の超音波治療装置。
  3. 前記導入チューブが前記シース内に配置された還流チューブに内挿され、導入チューブより吐出された前記冷却ガスが前記還流チューブに流入して前記シース外に排出されること、及び、前記導入チューブに導入する前記高圧ガスと前記還流チューブから排出される前記冷却ガスとの間で熱交換を行うこと、を特徴とする請求項2に記載の超音波治療装置。
  4. 前記導入チューブが前記還流チューブに対して着脱可能であることを特徴とする請求項3に記載の超音波治療装置。
  5. 前記還流チューブが前記シースに対して着脱可能であることを特徴とする請求項3に記載の超音波治療装置。
  6. 前記導入チューブが、前記高圧ガスを導入する導入部と、先端部に形成された前記導入部よりも細径の減圧部よりなることを特徴とする請求項2に記載の超音波治療装置。
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