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JP2012173093A - ゴム材料の検査方法 - Google Patents

ゴム材料の検査方法 Download PDF

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JP2012173093A JP2011034555A JP2011034555A JP2012173093A JP 2012173093 A JP2012173093 A JP 2012173093A JP 2011034555 A JP2011034555 A JP 2011034555A JP 2011034555 A JP2011034555 A JP 2011034555A JP 2012173093 A JP2012173093 A JP 2012173093A
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Abstract

【課題】迅速かつ簡便にゴムの架橋状態(劣化の状態)を評価することができるゴム材料の検査方法を提供する。
【解決手段】パルス法核磁気共鳴(P−NMR)装置を用いるゴム材料の検査方法であって、CPMG法によりゴムのスピン−スピン緩和時間T2を測定し、得られたT2緩和曲線(自由誘導減衰曲線)を、下記式(1)により緩和時間の短いT2M成分と緩和時間の長いT2L成分とに分割し、上記T2L成分の値から破断伸びEbを、上記T2M成分の値から硬度Hdを予測することを特徴とするゴム材料の検査方法。
Figure 2012173093

(式中、T2Mは緩和時間の短い成分の緩和時間、T2Lは緩和時間の長い成分の緩和時間、A2Mは緩和時間の短い成分のt=0時の強度、A2Lは緩和時間の長い成分のt=0時の強度、tは観測時間である。)
【選択図】図1

Description

本発明は、迅速かつ簡便にゴムの劣化の状態を評価することができるゴム材料の検査方法に関する。
ゴム材料は、タイヤ、ゴムクローラ、コンベアベルト、空気バネ、防振ゴム、免震ゴム、海洋商品、建築資材など様々な分野の製品で使用されており、産業において欠かすことのできないものである。また、これらの製品は、大型で長期間使用されるものが多く、安全かつ安定的に使用するために長期にわたるメンテナンスが必要とされる。
ゴムは、通常の使用においてもオゾンなどによる酸化劣化や、光、熱、並びに紫外線などの放射線による化学変化等によって劣化が進行するため、安全面等から上記タイヤ等のゴム製品は一定の稼働時間、走行距離あるいは使用期間に達した際に交換することが必要である。このようなメンテナンスを怠った場合には、タイヤであれば走行中にスリップやバーストを起こし、また、コンベアベルトでは使用中に破断して、装置の破損や駆動停止等のトラブルを起こし、更に重大な事故につながるおそれがある。そのため、これらゴム製品の劣化の状態を把握することは、適切な交換時期を見極め、装置等の安全かつ安定的な運用を実施する一助となり、突発的なトラブルや重大な事故を防止する上で重要なものである。
ゴムの劣化・老化の主な原因は、上述のようにオゾンなどによる酸化劣化や、光、熱、並びに紫外線などの放射線による化学変化等によるものであり、いずれもゴムの架橋構造が変化する点においては共通している。即ち、ゴムの架橋構造の変化を経時的に調査することにより劣化の進行状態を調べることができる。ゴムの架橋構造を調べる一般的な方法としては、核磁気共鳴法(NMR)や赤外分光法(IR)による方法(化学構造の変化)、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による方法(分子量分布の変化)、X線回折法(XRD)による方法(結晶構造の変化)、膨潤網目密度測定による方法(架橋構造の変化)などが挙げられる。しかしながら、これらの分析法からゴムの架橋構造の変化を知ることはできるが、ゴム製品の性能に直接影響する物性(硬度、粘弾性、伸び、強力、引裂き強力等)を把握することは難しい。
一方、ゴム製品の性能は、ゴム材料の硬度、粘弾性、伸び、強力、引裂き強力等の物性の変化を調べることによって確認することができる。しかしながら、試験片の作製には手間と時間を要することが多い上、ゴム製品はその用途により形状が様々であることから、物性試験用の試験片の作製に適さない場合も少なくない。また、製品の劣化が進行してぼろぼろになってしまった場合には試験片を作製することができないこともある。
従来、ゴムの架橋状態を測定・評価する技術として、例えば、パルスNMR(以下、「P−NMR」と表記することもある。)法でゴムのスピン−スピン緩和時間T2を測定し、得られたスピン−スピン緩和時間T2をもとに、平均緩和時間MT2を算出してゴムの架橋度を評価する方法(特許文献1:特開2002−71595号公報)や、P−NMR法により測定された平均緩和時間MT2と、ゴムベルトの走行試験結果から得られた耐久寿命との関係からゴムベルトの耐久寿命を推定する方法(特許文献2:特開2001−249091号公報)などが提案されている。
それらの通常法では、P−NMR装置によりゴムの架橋構造を測定する場合、シーケンスとしてソリッドエコー法が一般的に採用される。このソリッドエコー法は、非常に短い緩和時間を持つ成分に着目したもので、通常500μs〜1msのごく短い緩和時間を測定し、主にゴムの分子同士の架橋点やカーボンなどの補強材によって拘束されている(硬い)部分の状態を観測するものである。そのため、その観測結果は必ずしもゴムの架橋構造全体の状態を精度よく反映したものとはならない。
一方、P−NMRには、シーケンスとしてCarr−Purcell−Meiboom−Gill(CPMG)法を用いた測定方法もあるが、数ms〜数十ms程度の長い緩和時間の領域を測定対象とするものであり、従来は主に高粘性の液体などを分析対象としていた。そのため、ゴム材料の架橋構造の分析に対する有用性はほとんど検討されていないのが現状である。
このように、ゴム材料の架橋状態(劣化の状態)の分析を試みようとしても、従来の手法は迅速性及び簡便性等の点で必ずしも満足し得るものではなかった。そのため、ゴム材料の架橋状態を迅速かつ簡便に評価することができる検査方法の開発が望まれている。
なお、本願出願人は、上記の問題を解消し得るゴム材料の評価方法として、特願2009−187921において、シーケンスとしてCPMG法を用いたP−NMR測定により得られるT2緩和曲線を緩和時間の異なる2成分に分離し、各々の緩和時間及び成分比率を重回帰分析してゴム物性を解析する手法を提案しているが、本発明はこの手法よりも更に迅速かつ簡便に検査することができる新たなゴム材料の検査方法を提案するものである。
特開2002−71595号公報 特開2001−249091号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、迅速かつ簡便にゴムの架橋状態(劣化の状態)を評価することができるゴム材料の検査方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、シーケンスとしてCarr−Purcell−Meiboom−Gill(CPMG)法を用いたP−NMR測定によれば、ソリッドエコー法を用いる従来の評価方法に比較して、ゴムの分子構造の状態を良好に反映したデータ(T2緩和曲線)が得られることを知見した。
そこで、本発明者は、CPMG法による測定で得た上記T2緩和曲線を緩和時間の長いT2L成分と緩和時間の短いT2M成分とに分割し、得られた緩和時間とゴム材料の物性との関係について更に検討を進めた。その結果、T2L成分の緩和時間(以下、緩和時間T2Lと表記することもある)が破断伸びEbに対して極めて高い相関を示すこと、そしてT2M成分の緩和時間(以下、緩和時間T2Mと表記することもある)が硬度Hdに対して極めて高い相関を示すことを知見し、更に、これらのパラメータを利用することでゴムの架橋状態、即ち劣化の状態を迅速かつ簡便に予測し得ることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は下記の[1]〜[4]の発明を提供する。
[1]パルス法核磁気共鳴(P−NMR)装置を用いるゴム材料の検査方法であって、
Carr−Purcell−Meiboom−Gill(CPMG)法によりゴムのスピン−スピン緩和時間T2を測定し、
得られたT2緩和曲線(自由誘導減衰曲線)を、下記式(1)により緩和時間の短いT2M成分と、緩和時間の長いT2L成分とに分割し、
上記T2L成分の緩和時間(緩和時間T2L)から破断伸びEbを予測することを特徴とするゴム材料の検査方法。
Figure 2012173093
(式中、T2Mは緩和時間の短い成分の緩和時間、T2Lは緩和時間の長い成分の緩和時間、A2Mは緩和時間の短い成分のt=0時の強度、A2Lは緩和時間の長い成分のt=0時の強度、tは観測時間である。)
[2]検査対象のゴム材料と同種のゴム材料を標準試料とし、該標準試料について架橋状態(劣化の状態)の異なる2以上の条件でP−NMR及び破断伸びEbを測定し、得られた緩和時間T2Lと破断伸びEbとから検量線を作成した後、検査対象のゴム材料についてP−NMRを測定して得た緩和時間T2Lから、上記検量線に基づいて破断伸びEbを予測する[1]記載のゴム材料の検査方法。
[3]パルス法核磁気共鳴(P−NMR)装置を用いるゴム材料の検査方法であって、
Carr−Purcell−Meiboom−Gill(CPMG)法によりゴムのスピン−スピン緩和時間T2を測定し、
得られたT2緩和曲線(自由誘導減衰曲線)を、下記式(1)により緩和時間の短いT2M成分と、緩和時間の長いT2L成分とに分割し、
上記T2M成分の緩和時間(緩和時間T2M)から硬度Hdを予測することを特徴とするゴム材料の検査方法。
Figure 2012173093
(式中、T2Mは緩和時間の短い成分の緩和時間、T2Lは緩和時間の長い成分の緩和時間、A2Mは緩和時間の短い成分のt=0時の強度、A2Lは緩和時間の長い成分のt=0時の強度、tは観測時間である。)
[4]検査対象のゴム材料と同種のゴム材料を標準試料とし、該標準試料について架橋状態(劣化の状態)の異なる2以上の条件でP−NMR及び硬度Hdを測定し、得られた緩和時間T2Mと硬度Hdとから検量線を作成した後、検査対象のゴム材料についてP−NMRを測定して得た緩和時間T2Mから、上記検量線に基づいて硬度Hdを予測する[3]記載のゴム材料の検査方法。
本発明の検査方法は、あらゆるゴム材料について、検査対象の形状に影響されることなく迅速かつ簡便に劣化の状態を評価することができるものである。本発明の検査方法を採用することにより、特にタイヤ、ゴムクローラ、コンベアベルト、防振ゴム等のゴム製品が使用される装置等の効率的かつ適切なメンテナンスを行うための一助となり、運用面における経済性及び安全性の向上に貢献することができる。
加熱処理前のゴムのT2緩和曲線、並びに該T2緩和曲線に式(1)をフィッティングして、緩和時間の長いT2L成分と緩和時間の短いT2M成分とに分割した結果を示したグラフである。 破断伸びEbをT2L成分の緩和時間に対してプロットしたグラフである。 硬度HdをT2M成分の緩和時間に対してプロットしたグラフである。
本発明はパルスNMR(P−NMR)法により測定される緩和時間T2と物性値との間の相関関係に基づいてゴム材料の状態を検査する方法である。以下、実施例に沿ってその詳細を具体的に説明する。
P−NMR装置は、ゴムや樹脂等のポリマー分子の運動性をポリマー鎖中の水素原子の運動性(緩和時間)から評価するための装置である。本発明では、そのシーケンスとして、従来、ゴムの架橋状態の分析に多く採用されていたソリッドエコー法ではなく、Carr−Purcell−Meiboom−Gill(CPMG)法を用いる。なお、本発明で用いるP−NMR装置は、シーケンスとしてCPMG法を使用するものであれば特に制限されない。
本発明の検査方法では、好適な検査対象として、上記の通り、タイヤ、ゴムクローラ、コンベアベルト、防振ゴムといった使用中のゴム製品が挙げられるが、ここでは検査対象を防振ゴムとした場合を例に挙げて、該防振ゴムと同種のゴム材料を標準試料としてP−NMR、破断伸びEb及び硬度Hdを測定し、得られた測定結果から検量線を作成する過程について説明する。なお、本発明において「同種のゴム材料」とは、少なくともゴム成分の種類及び配合比率、並びに架橋系(加硫系)の配合が同じであることを意味し、更に好ましくは充填材の配合量も同じであることを意味する。
防振ゴム用ゴム組成物の配合を表1に示す。該ゴム組成物は、常法に従って混練りした後、通常の条件で加硫成形して長さ100mm×幅100mm×厚さ2mmのスラブシートとした。次いで、このスラブシートを表2に示す条件で加熱処理したものを標準試料とし、該シートから各々の物性試験に応じた試験片を作製した。なお、表1に示した配合は、本発明の検査方法を説明するための一例として示したものであるが、本発明はこれに制限されるものではない。また、表2に示した加熱条件も、本発明の検査方法を説明するための一例として示したものであり、これに限定されるものではなく、検査対象の種類や使用環境等に応じて適宜設定し得るものである。
Figure 2012173093
上記表1に記載した各成分の詳細は以下の通りである。
NR:RSS#1
カーボンブラック:FEF級カーボンブラック
ステアリン酸:新日本理化社製「ステアリン酸50S」
亜鉛華:東邦亜鉛社製「銀嶺SR」
ワックス:Rhein Chemie社製「Antilux654」
老化防止剤RD:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業(株)製「ノクラック224」
老化防止剤6PPD:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
オイル:パラフィン系プロセスオイル
硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
加硫促進剤TBT:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーTBT」
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーNS」
Figure 2012173093
上記で作製した各条件(表2参照)の標準試料についてP−NMRを測定する。ここでは、上記の各スラブシートを約5mm角にカットしたものを測定用サンプルとし、下記のP−NMR装置に供した。測定で使用した具体的な装置及び測定条件は以下の通りである。なお、測定装置や測定条件は、検査対象や測定環境等に応じて適宜選定されるものであり、特に限定されるものではない。
装置:据置型P−NMR装置、Burker minispec
シーケンス:CPMG
Scans:64
Recycle Delay:0.5
Gain:75dB
90−180Pulse Separation:0.04msec
Data point:500
測定温度:40℃
図1に測定結果の一例として、加熱前(加熱時間0時間)のサンプルについて得られたT2緩和曲線を示す。ここで図1に示されたT2緩和曲線は下記式(1)で表される。
Figure 2012173093
(式中、T2Mは緩和時間の短い成分の緩和時間、T2Lは緩和時間の長い成分の緩和時間、A2Mは緩和時間の短い成分のt=0時の強度、A2Lは緩和時間の長い成分のt=0時の強度、tは観測時間である。)
上記式(1)について更に詳述すると、緩和時間の長い成分であるT2L成分は、
Figure 2012173093
を指し、一方、緩和時間の短い成分であるT2M成分は、
Figure 2012173093
を指す。即ち、図1のT2緩和曲線は、上記式(1)でフィッティングすることにより緩和時間の長いT2L成分及び緩和時間の短いT2M成分の2成分に分割することができる。なお、本発明では、上記式(1)によるフィッティングの際に両成分の緩和時間T2L及び緩和時間T2Mは任意の値とすることができ、特に制限されるものではないが、T2M成分では緩和時間T2Mを0.1〜5msとし、T2L成分では緩和時間T2Lを2ms以上とし、かつ上記T2Mより長い時間とすることが推奨される。
上記式(1)に基づいてフィッティングを行い、図1中のT2緩和曲線をT2L成分とT2M成分とに分割した結果をそれぞれ図1に示した。また、得られた上記両成分の緩和時間を表3に示した(加熱時間0時間の欄を参照)。
更に、上記の加熱処理を施した各サンプルのT2緩和曲線についても、上記の方法に従ってT2L成分及びT2M成分に分割した。得られた緩和時間を表3に示した。
Figure 2012173093
表3の結果から、緩和時間T2Lは、時間の経過に伴って減少することが確認された。一方、緩和時間T2Mは、加熱を開始してから一度減少した後、時間の経過に伴って増加する傾向が確認された。なお、上記の緩和時間T2L及び緩和時間T2Mの変化の傾向は、通常、ゴム材料を構成するポリマー種により異なるものであり、ここでは特にT2M成分において、標準試料に含まれるNRに特有の変化が確認された。
また、上記の加熱処理を施した各サンプルについて破断伸びEb及び硬度Hdを測定し、その結果を表4に示した。ここで、破断伸びEbの測定は、JIS K6251に準拠し、ダンベル状3号型試験片を作製して行ったものであり、硬度Hdは、JIS K6253に準拠し、タイプAデュロメータを用いて測定した値である。
Figure 2012173093
表4の結果から、破断伸びEbは、時間の経過に伴って減少することが確認された。一方、硬度Hdは、加熱を開始してから一度減少した後、時間の経過に伴って増加する傾向が確認された。なお、上記の破断伸びEb及び硬度Hdの経時変化は、表3の緩和時間T2L及び緩和時間T2Mの変化と同様に、通常はゴム材料を構成するポリマー種により異なるものである。ここで表3及び表4に示した物性値及び緩和時間の変化の傾向を見ると、緩和時間T2Lと破断伸びEb、そして緩和時間T2Mと硬度Hdとの間に相関関係があることが確認できる。
そして、上記で得た物性値を緩和時間に対してプロットすることにより、両者の関係を示す検量線を作成することができる。図2に破断伸びEbを緩和時間T2Lに対してプロットしたグラフを、図3に硬度Hdを緩和時間T2Mに対してプロットしたグラフをそれぞれ示した。その結果、いずれも良好な直線関係を示しており、緩和時間T2Lの値が破断伸びEbに対して極めて高い相関を示すこと、そして緩和時間T2Mの値が硬度Hdに対して極めて高い相関を示すことが確認された。
このように、検査対象のゴム材料と同種の材料(標準試料)について、P−NMR測定から得られる緩和時間と破断伸びEb及び硬度Hdとの関係を検量線で把握しておくことにより、検査対象についてP−NMRを測定するだけで、これらの物性値を迅速かつ簡便に予測することができる。即ち、本発明の検査方法を採用することにより、ゴム製品の劣化の状態をより容易に把握することができる。なお、本発明では、破断伸びEb及び緩和時間T2L、硬度Hd及び緩和時間T2Mのいずれの組み合わせからでもゴム製品の劣化の状態を把握できるが、必ずしも単独で行う必要はなく、両者から得られる結果を組み合わせることでより詳細に把握することができる。
以上のように、シーケンスとしてCPMG法を用いたP−NMR装置による測定から得られたT2緩和曲線を解析して、緩和時間の短いT2M成分と緩和時間の長いT2L成分とに分割し、得られた緩和時間T2Lを破断伸びEbに、そして緩和時間T2Mを硬度Hdに相関させることによりゴムの劣化状態を迅速かつ簡便に評価することが可能になる。そして、本発明の検査方法は、あらゆるゴム製品に対して適用することができるものであり、特にタイヤ、ゴムクローラ、コンベアベルト、防振ゴム等の劣化の状態を評価する場合に好適に採用し得、これらのゴム製品が使用される製品装置等の効率的かつ適切なメンテナンスを行うための一助となり、運用面における経済性及び安全性の向上に貢献することができる。また、本発明の検査方法は、検査対象の形状に影響されず、劣化の状態がひどく、物性試験用の試験片が作製できないほどぼろぼろであっても実施できるため、汎用性が非常に高いものである。

Claims (4)

  1. パルス法核磁気共鳴(P−NMR)装置を用いるゴム材料の検査方法であって、
    Carr−Purcell−Meiboom−Gill(CPMG)法によりゴムのスピン−スピン緩和時間T2を測定し、
    得られたT2緩和曲線(自由誘導減衰曲線)を、下記式(1)により緩和時間の短いT2M成分と、緩和時間の長いT2L成分とに分割し、
    上記T2L成分の緩和時間(緩和時間T2L)から破断伸びEbを予測することを特徴とするゴム材料の検査方法。
    Figure 2012173093
    (式中、T2Mは緩和時間の短い成分の緩和時間、T2Lは緩和時間の長い成分の緩和時間、A2Mは緩和時間の短い成分のt=0時の強度、A2Lは緩和時間の長い成分のt=0時の強度、tは観測時間である。)
  2. 検査対象のゴム材料と同種のゴム材料を標準試料とし、該標準試料について架橋状態(劣化の状態)の異なる2以上の条件でP−NMR及び破断伸びEbを測定し、得られた緩和時間T2Lと破断伸びEbとから検量線を作成した後、検査対象のゴム材料についてP−NMRを測定して得た緩和時間T2Lから、上記検量線に基づいて破断伸びEbを予測する請求項1記載のゴム材料の検査方法。
  3. パルス法核磁気共鳴(P−NMR)装置を用いるゴム材料の検査方法であって、
    Carr−Purcell−Meiboom−Gill(CPMG)法によりゴムのスピン−スピン緩和時間T2を測定し、
    得られたT2緩和曲線(自由誘導減衰曲線)を、下記式(1)により緩和時間の短いT2M成分と、緩和時間の長いT2L成分とに分割し、
    上記T2M成分の緩和時間(緩和時間T2M)から硬度Hdを予測することを特徴とするゴム材料の検査方法。
    Figure 2012173093
    (式中、T2Mは緩和時間の短い成分の緩和時間、T2Lは緩和時間の長い成分の緩和時間、A2Mは緩和時間の短い成分のt=0時の強度、A2Lは緩和時間の長い成分のt=0時の強度、tは観測時間である。)
  4. 検査対象のゴム材料と同種のゴム材料を標準試料とし、該標準試料について架橋状態(劣化の状態)の異なる2以上の条件でP−NMR及び硬度Hdを測定し、得られた緩和時間T2Mと硬度Hdとから検量線を作成した後、検査対象のゴム材料についてP−NMRを測定して得た緩和時間T2Mから、上記検量線に基づいて硬度Hdを予測する請求項3記載のゴム材料の検査方法。
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