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JP2012144288A - 耐衝撃性ptp包装体 - Google Patents

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Yoshihiko Hosokawa
好彦 細川
Yoichi Hasegawa
洋一 長谷川
Yasushi Ono
裕史 大野
Yasuko Kimura
靖子 木村
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Biofermin Pharmaceutical Co Ltd
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Kanae Co Ltd
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Abstract

【課題】落下による衝撃を良好に吸収でき、収容された固形物の破損を低減できるうえ、安価に実施でき、包装体全体をコンパクトに維持できるようにする。
【解決手段】樹脂シート(2)の片面に収容凹部(4)を凹設し、収容凹部(4)内の収容空間(5)に固形物(6)を収容したのち、収容凹部(4)の開口部(7)をシート状の蓋材(3)で蓋したPTP包装体である。収容凹部(4)の壁部のうち、収容空間(5)を挟んで開口部(7)とは反対側の壁部(8)に、伏椀状の凸部(11)を備える緩衝部(10)を形成する。緩衝部(10)の幅(w1)は、開口部(7)の開口幅(W)の30%以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は、錠剤等の固形物を収容するPTP包装体とこれに用いる樹脂シートに関し、さらに詳しくは、落下による衝撃を良好に吸収でき、収容された固形物の破損を低減できるうえ、安価に実施でき、しかも包装体全体をコンパクトに維持できる、耐衝撃性PTP包装体とこれに用いる樹脂シートに関する。
医薬品や食品等の包装分野においては、錠剤、カプセル等や、粒状の食品等を包装するためにPTP(Press Through Pack)包装体が広く用いられている。このPTP包装体は、硬質の塩化ビニル(PVC)シートや無延伸ポリプロピレン(CPP)シート等の樹脂シートに多数の収容凹部を形成し、この収容凹部に錠剤等の固形物を収納した後、収容凹部の開口部を、ヒートシール剤が塗布されたアルミニウム箔や紙よりなる蓋材で覆ってある。そして上記の収容凹部の底部を蓋材側へ押すと、上記の固形物がこの蓋材を押し破って取り出される。
上記のPTP包装体は、固形物が個別に収容されているので、搬送時などに固形物同士が衝突する虞がないうえ、所望の収容凹部のみを開封して必要個数の固形物を容易に取り出せる利点がある。
しかしながら、このPTP包装体を落下させた場合などは、上記の樹脂シートや蓋材を介し固形物が大きな衝撃を受けて破損する場合がある。特に錠剤が糖衣等でコーティングされていない素錠にあっては、固形物の強度が低いので上記の衝撃により破損しやすく、その素錠が乾燥錠剤である場合や、口腔内崩壊錠のように硬度が低い場合は、破損する虞が一層高い。
上記の問題点を解消するため、従来、上記の蓋材の、収容凹部側表面に熱封緘性樹脂層を凹凸状に設けたものが提案されている(特許文献1参照、以下、従来技術1という。)。また、PTP包装体の長手方向の端部に、収容凹部が設けられていない耳部を長く形成したものも提案されている(特許文献2参照、以下、従来技術2という。)。
しかしながら、上記の従来技術1では、特定高さの凹凸となるように形成した熱封緘性樹脂層を蓋材の片面に形成しなければならず、操作が煩雑でコスト高になる問題がある。しかも上記の熱封緘性樹脂層は、蓋材に形成されていることから、PTP包装体が落下した際に樹脂シート側から着地すると、この熱封緘性樹脂層では上記の固形物が受ける衝撃を充分に緩衝できない問題もある。
一方、上記の従来技術2では、PTP包装体の長手方向端部に耳部を長く形成することから、PTP包装体の外形寸法が大きくなり、これを収容する箱体なども大形となって、資材コストが高くつき安価に実施できないばかりか、製品容積が大きくなるため、搬送時や保管時などに大きなスペースを必要とする問題がある。
また、このPTP包装体が落下する際に、蓋材を下方にした姿勢で落下する場合は、耳部から着地すると緩衝できるが、樹脂シートを下方にした姿勢で落下すると、収容凹部が突出しているため、耳部よりも先に収容凹部が着地する場合がある。この場合には、上記の耳部では、収容凹部内の固形物に伝わる衝撃を緩衝できない問題がある。特に、着地面に起伏がある場合は、PTP包装体の中間部分で着地する場合があり、上記の耳部ではその着地時の衝撃を緩衝することができず、収容された固形物が破損する虞がある。
特開平04−189766号公報 特開2005−255220号公報
本発明の技術的課題は上記の問題点を解消し、落下による衝撃を良好に吸収でき、収容された固形物の破損を低減できるうえ、安価に実施でき、しかも包装体全体をコンパクトに維持できる、耐衝撃性PTP包装体とこれに用いる樹脂シートを提供することにある。
本発明は上記の課題を解決するために、例えば本発明の実施の形態を示す図1から図7に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
すなわち、本発明1は耐衝撃性PTP包装体に関し、樹脂シート(2)の片面に収容凹部(4)を凹設し、その収容凹部(4)内の収容空間(5)に固形物(6)を収容したのち、この収容凹部(4)の開口部(7)をシート状の蓋材(3)で蓋したPTP包装体であって、上記の収容凹部(4)の壁部のうち、上記の収容空間(5)を挟んで上記の開口部(7)とは反対側の壁部(8)に、凸部と凹部との少なくともいずれかを備える緩衝部(10)を形成したことを特徴とする。
また本発明2は耐衝撃性PTP包装体用樹脂シートに関し、固形物(6)を収容するための収容凹部(4)を片面に凹設した、上記の本発明1の耐衝撃性PTP包装体(1)に用いる樹脂シートであって、
上記の収容凹部(4)の壁部(8)に、凸部と凹部との少なくともいずれかを備える上記の緩衝部(10)を形成したことを特徴とする。
上記のPTP包装体には、上記の収容空間を挟んで開口部とは反対側の壁部に緩衝部が形成してあるので、このPTP包装体が樹脂シート側を下方にした姿勢で落下すると、上記の収容凹部は上記の緩衝部を形成した壁部から着地する。このとき、上記の収容凹部内の固形物は、収容凹部の内面に支持された状態となっており、その支持部位とPTP包装体の接地部位とは、上記の緩衝部を介して、収容凹部の壁部の肉厚よりも大きい寸法で離隔している。そしてこの緩衝部が変形することにより、上記の着地時の衝撃が良好に緩衝される。しかも、上記の緩衝部は収容凹部の壁部に形成されるので、その収容凹部の成型金型を変更するだけで簡単に実施できるうえ、前記の従来技術2と異なって、PTP包装体の長さを大きくする必要がない。
ここで、自容器の固形物とは、錠剤等のように、一定の形状を備えたブロック状もしくは塊状に形成されているものをいう。
また上記の緩衝部は、収容凹部の壁部に形成されて、落下して着地する際などの衝撃を良好に緩衝できればよく、特定の形状や構造のものに限定されない。例えば上記の緩衝部は、収容空間から外方へ突出した凸部や、収容空間に向かって凹設された凹部を備える形状にすることができる。
上記の緩衝部の凸部や凹部は、部分球面状など、中央部が盛り上がった伏椀状に形成してあると、簡単な形状であるので容易に形成でき、安価に実施できるうえ、上記の衝撃を良好に緩衝できて好ましい。
また上記の緩衝部は、環状の凸部や凹溝に形成することができる。この場合は、緩衝部を広い面積に形成できるので、その凸部や凹部の突出高さを低く抑えることができ、PTP包装体全体を一層コンパクトに維持しても良好に緩衝できて好ましい。
とくに緩衝部を環状に形成した場合、同心円状に複数形成してあると、これらの緩衝部により一層良好に衝撃を緩衝できてより好ましい。
上記の緩衝部は、特定の大きさに限定されず、収容凹部の大きさや樹脂シートの厚み、収容される固形物の寸法や硬度などに応じて、上記の衝撃を良好に緩衝できる寸法に設定される。例えば、緩衝部の平面視中央を通過するいずれかの断面において、この緩衝部の幅が上記の開口部の開口幅の30%以上であると、上記の衝撃を良好に緩衝できて好ましい。
具体的には、例えば図1と図2に示すように、平面視において上記の収容凹部と緩衝部がいずれも円形に形成され、上記の緩衝部が伏椀状である場合、その緩衝部の外径は、収容凹部の開口部の内径の、好ましくは30%以上の寸法に設定され、より好ましくは30〜70%の寸法に設定される。この場合、この伏椀状緩衝部の高さは、収容凹部の深さに対し、好ましくは10〜40%に設定され、より好ましくは15〜40%程度の寸法に設定される。
なお、上記の緩衝部は、平面視で周縁部を円形に形成すると、容易に形成できて好ましいが、例えば収容凹部が平面視で楕円形や長円形である場合などは、緩衝部の周縁部をこれと相似形に形成することも可能であり、或いはこれらとは相違した任意の形状に形成することも可能である。
本発明の耐衝撃性PTP包装体と耐衝撃性PTP包装体用樹脂シートは、上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
(1)上記の収容凹部には、収容空間を挟んで開口部とは反対側の壁部に緩衝部が形成してあるので、このPTP包装体が樹脂シート側を下方にして落下した場合など、樹脂シート側から衝撃が加わった場合に、その衝撃を上記の緩衝部で良好に緩衝することができ、収容凹部に収容された固形物の破損を効果的に低減することができる。
(2)上記の緩衝部は収容凹部の壁部に形成されるので、その収容凹部の成型金型を変更するだけで、PTP包装体の幅や長さを大きくする必要がなく、安価に実施できるうえ、包装体全体をコンパクトに維持でき、搬送時や保管時などに、無駄に大きなスペースを必要とすることがない。
本発明の第1実施形態の、耐衝撃性PTP包装体の一部破断底面図である。 第1実施形態の収容凹部近傍の拡大縦断面図である。 本発明の第2実施形態の、要部の拡大底面図である。 第2実施形態の収容凹部近傍の拡大縦断面図である。 本発明の実施例の耐衝撃性を、比較例と対比して測定した結果を示す、対比表である。 第3実施形態の収容凹部近傍の拡大縦断面図である。 他の実施形態を示し、図7(a)は第4実施形態の収容凹部近傍の拡大底面図であり、図7(b)は第5実施形態の収容凹部近傍の拡大底面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、以下の各実施形態では、説明を容易にするため、樹脂シートが蓋材の下方に配置された姿勢で説明するが、本発明のPTP包装体は、この姿勢や他の特定の姿勢に限定されるものではない。
図1と図2は本発明の第1実施形態の耐衝撃性PTP包装体(1)を示している。
図1と図2に示すようにこの耐衝撃性PTP包装体(1)は、例えば無延伸ポリプロピレン(CPP)シート等の樹脂シート(2)と、アルミニウム箔等の蓋材(3)とを備えている。この樹脂シート(2)の片面には複数の収容凹部(4)が凹設してあり、この収容凹部(4)内の収容空間(5)に固形物である錠剤(6)を収容したのち、この収容凹部(4)の開口部(7)を上記の蓋材(3)で保密状に蓋してある。
上記の収容凹部(4)は、上記の錠剤(6)の形状に応じて、例えば略円錐台状に形成してある。図2に示すように、この収容凹部(4)には、上記の収容空間(5)を挟んで上記の開口部(7)とは反対側の壁部、即ち底部(8)に、収容空間(5)の外方である下方に向かって突出した緩衝部(10)が、この底部(8)と一体に形成してある。この緩衝部(10)は、部分球面からなる伏椀状の凸部(11)に形成してあり、図1に示すように、平面視で収容凹部(4)と同心円状に形成してある。
上記の収容凹部(4)と緩衝部(10)の各寸法は、上記の錠剤(6)に応じて設定される。
例えば、上記の錠剤の直径(D)が8mmである場合、上記の開口部(7)の内径(W)が10.5mmに設定され、伏椀状凸部(11)の平面視での外径(w1)が5.0mmに設定されている。従って上記の緩衝部(10)の平面視中央を通過する断面、即ち縦断面において、この緩衝部(10)の幅が上記の開口部(7)の開口幅の47.6%に設定されている。
一方、上記の開口部(7)と底部(8)との間隔、即ち収容凹部(4)の深さ(H)は、上記の緩衝部(10)を形成していない場合は4.7mmに設定され、これに対し伏椀状凸部(11)の突出高さ(h1)は1.3mmに設定されている。従って、緩衝部(10)の突出高さは収容凹部の深さ(H)の27.7%に設定されている。
上記の緩衝部(10)である伏椀状凸部(11)の外径(w1)は、錠剤(6)の直径(D)よりも小さく、従って収容凹部(4)内に収容された錠剤(6)は、緩衝部(10)の周囲の、収容空間(5)側の内面に形成された支持部位(17)に支持されている。このPTP包装体(1)が樹脂シート(2)側を下方にして落下した場合、上記の緩衝部(10)の下端に形成された接地部位(18)で着地する。この接地部位(18)と上記の支持部位(17)とは、底部(8)の肉厚よりも大きな寸法で、上下方向に離隔しており、PTP包装体(1)が落下するなどして上記の収容凹部(4)に下方から衝撃を受けると、上記の緩衝部(10)が変形してその衝撃が緩衝され、上記の錠剤(6)の破損が防止される。
上記の錠剤(6)をPTP包装体(1)から取り出す場合は、上記の収容凹部(4)を上記の蓋材(3)側へ押圧して変形させて、上記の錠剤(6)を上記の蓋材(3)側へ押圧する。これによりその蓋材(3)が押し破られて錠剤(6)が取り出される。
図3と図4は本発明の第2実施形態の耐衝撃性PTP包装体(1)を示している。
図3と図4に示すように、この第2実施形態では、収容凹部(4)の底部(8)に、緩衝部(10)として、収容空間(5)から外方へ突出した2つの環状の凸部(12・13)が同心円状に形成してある。
上記の内側環状凸部(12)は、外径(w2)が5.25mmに設定してある。上記の第1実施形態と同様、収容凹部(4)の開口部(7)の内径(W)は10.5mmに設定してあるので、この内側環状凸部(12)の外径(w2)は、開口部(7)の内径(W)の50%に設定されている。この内側環状凸部(12)の突出高さ(h2)は、0.5mmに設定してある。第1実施形態と同様、収容凹部(4)の深さ(H)は4.7mmに設定してあるので、上記の内側環状凸部(12)の突出高さ(h2)は、収容凹部(4)の深さ(H)の10.6%に設定されている。
また上記の外側環状凸部(13)は、外径(w3)が9.25mmに設定してある。従ってこの外側環状凸部(13)の外径(W3)は、上記の開口部(7)の内径(W)の88.1%に設定されている。
上記の両環状凸部(12、13)の下面にはそれぞれ接地部位(18)が形成してある。そして、内側環状凸部(12)で囲まれた部分の収容空間(5)に面する内面と、両環状凸部(12・13)間の凹溝部分の収容空間(5)に面する内面とに、それぞれ支持部位(17)が成形してあり、収容凹部(4)に収容された錠剤(6)はこれらの支持部位(17)に安定良く支持される。
次に、上記の第1実施形態と第2実施形態のPTP包装体について、緩衝部を形成していないPTP包装体と比較して、落下時の衝撃試験を実施した。この衝撃試験に用いた、実施例1は上記の第1実施形態で例示した寸法のPTP包装体であり、実施例2は上記の第2実施形態で例示した寸法のPTP包装体である。また比較例1は、上記の実施例1のPTP包装体において緩衝部を省略した状態のPTP包装体である。
各PTP包装体は、樹脂シートに厚み0.3mmの無延伸ポリプロピレン(CPP)樹脂シートを用い、蓋材に厚み0.02mmのアルミフィルムを用いた。また各PTP包装体には、それぞれ21個の収容凹部を形成した。
上記の収容凹部には、外径8.0mm、厚み4.0〜4.5mm、質量220mgの素錠を1個ずつ収容した。
衝撃試験に用いたPTP包装体は、樹脂シート側を対面させて重ねた2枚のPTP包装体を1組とし、これを3組重ねて束ねたものを1試料とした。そして、各実施例、比較例ごとに15の試料を用いて衝撃試験を実施した。従って用いた錠剤は、それぞれ1890錠ずつである。
衝撃試験は、上記の試料を、PTP包装体が水平となる姿勢で、100cmの高さから床面上へ1回自由落下させたとき、3回自由落下させたとき、及び3回自由落下させたのち150cmの高さから床面上へ1回自由落下させたときの、それぞれについて、落下後のPTP包装体内で割れている錠剤の個数を目視で確認し、全錠に対する破損率を算出した。その試験結果を図5の耐衝撃性対比表に示す。
上記の衝撃試験の結果から明らかなように、本発明の実施例1と実施例2では、比較例1のPTP包装体と比較して、錠剤破損率を大きく低減することができた。
上記の第2実施形態では、緩衝部(10)として2つの環状凸部(12・13)を形成した。この場合、図4に示すように、内側環状凸部(12)で囲まれた部分は、収容空間(5)に向かって凹設された伏椀状の凹部(15)であり、内・外環状凸部(12・13)の間の部分は、収容空間(5)に向かって凹設された環状の凹溝(16)である、とみることができる。即ち、本発明の上記の緩衝部(10)は、収容空間(5)に向かって凹設された凹部を備えるものであってもよい。
図6に示す、本発明の第3実施形態では、緩衝部(10)として、伏椀状の凹部(15)と環状の凸部(14)を組み合わせてある。この伏椀状凹部(15)の収容空間(5)側の内面に支持部位(17)が成形してあり、収容凹部(4)内の錠剤(6)はこの支持部位(17)に支持されている。一方、上記の環状凸部(14)の下端に接地部位(18)が形成されており、この接地部位(18)と上記の支持部位(17)とは、収容凹部(4)の底部(8)の肉厚よりも大きい寸法で、上下方向に離隔させてある。
上記の各実施形態では、いずれも収容凹部が平面視で円形に形成される場合について説明した。しかし本発明では、収容凹部が他の形状であっても良く、例えば図7に示す他の変形例では、収容凹部(4)が平面視で長円形に形成してある。
即ち、図7(a)に示す第4実施形態では、例えば収容される錠剤が平面視で長円形である場合などに対応して、収容凹部(4)が平面視で長円形に形成してある。そしてこの収容凹部(4)の底部(8)に、平面視が長円形の衝撃部(10)が伏椀状に形成してある。
また図7(b)に示す第5実施形態では、平面視で長円形に形成された収容凹部(4)の底部(8)に、平面視が円形の衝撃部(10)を2つ、それぞれ伏椀状に形成してある。
衝撃部の寸法など、その他の構成は上記の第1実施形態と同様であり、同様に作用するので説明を省略する。
上記の各実施形態で説明した耐衝撃性PTP包装体とこれに用いる樹脂シートは、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、各部の形状や寸法、材質、配置構造などは、これらこの実施形態のものに限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば、上記の第1実施形態では1枚の樹脂シートに21個の収容凹部を形成したが、本発明では収容凹部の形成個数や形成位置は、この実施形態のものに限定されない。またこの第1実施形態では、樹脂シートの耳部を過剰に長く形成していないので、PTP包装体全体をコンパクトに形成できて好ましい。しかし本発明のPTP包装体やこれに用いる樹脂シートは、前記の従来技術2のように耳部を長く形成してもよく、この場合は上記の緩衝部と相俟って、錠剤の破損を一層低減できて好ましい。さらに本発明のPTP包装体は、前記の従来技術1の、凹凸状の熱封緘性樹脂層と組み合わせることも可能である。
また、上記の第2実施形態では、緩衝部が2つの環状突部を備える場合について説明した。しかし本発明では収容凹部が平面視でより大形である場合などは、この緩衝部が3重や4重の環状突部を備えることも可能である。
また、上記の各実施形態では、固形物が錠剤である場合について説明した。しかし本発明のPTP包装体の収容部に収容される固形物は、素錠以外の錠剤はもとより、医薬品以外の固形物であってもよく、その固形物の形状や寸法、成分等は、特定のものに限定されない。
さらに、上記の衝撃試験ではPTP包装体を落下させたが、本発明のPTP包装体に形成した緩衝部は、例えばPTP包装体が他物と衝突した際など、落下以外に起因して受ける衝撃であっても、収容凹部内の固形物が受ける衝撃を良好に緩衝できることは、いうまでもない。
本発明の耐衝撃性PTP包装体とこれに用いる樹脂シートは、落下による衝撃を良好に吸収でき、収容された固形物の破損を低減できるうえ、安価に実施でき、しかも包装体全体をコンパクトに維持できるので、医薬品の錠剤を包装するPTP包装体に特に好適であるが、食品など他の用途の固形物を包装するPTP包装体にも好適である。
1…PTP包装体
2…樹脂シート
3…蓋材
4…収容凹部
5…収容空間
6…固形物(錠剤)
7…収容凹部(4)の開口部
8…収容空間(5)を挟んで上記の開口部(7)とは反対側の壁部(底部)
10…緩衝部
11…伏椀状の凸部
12…内側環状凸部
13…外側環状凸部
14…環状の凸部
15…伏椀状の凹部
16…環状の凹溝
W…開口部(7)の開口幅(開口部の内径)
w1…伏椀状凸部(11)の幅(凸部の外径)
w2…内側環状凸部(12)幅(凸部の外径)
w3…外側環状凸部(13)幅(凸部の外径)

Claims (7)

  1. 樹脂シート(2)の片面に収容凹部(4)を凹設し、その収容凹部(4)内の収容空間(5)に固形物(6)を収容したのち、この収容凹部(4)の開口部(7)をシート状の蓋材(3)で蓋したPTP包装体であって、
    上記の収容凹部(4)の壁部のうち、上記の収容空間(5)を挟んで上記の開口部(7)とは反対側の壁部(8)に、凸部と凹部との少なくともいずれかを備える緩衝部(10)を形成したことを特徴とする、耐衝撃性PTP包装体。
  2. 上記の緩衝部(10)が収容空間(5)から外方へ突出した凸部(11・12・13・14)を備える、請求項1に記載の耐衝撃性PTP包装体。
  3. 上記の緩衝部(10)が収容空間(5)に向かって凹設された凹部(15・16)を備える、請求項1または請求項2に記載の耐衝撃性PTP包装体。
  4. 上記の緩衝部(10)が環状に形成してある、請求項1から3のいずれかに記載の耐衝撃性PTP包装体。
  5. 上記の環状の緩衝部(10)が同心円状に複数形成してある、請求項4に記載の耐衝撃性PTP包装体。
  6. 上記の緩衝部(10)の平面視中央を通過するいずれかの断面において、この緩衝部(10)の幅(w1・w2・w3)が上記の開口部(7)の開口幅(W)の30%以上である、請求項1から5のいずれかに記載の耐衝撃性PTP包装体。
  7. 固形物(6)を収容するための収容凹部(4)を片面に凹設した、上記の請求項1から6のいずれかに記載の耐衝撃性PTP包装体(1)に用いる樹脂シートであって、
    上記の収容凹部(4)の壁部(8)に、凸部と凹部との少なくともいずれかを備える上記の緩衝部(10)を形成したことを特徴とする、耐衝撃性PTP包装体用樹脂シート。
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