JP2012038495A - 非水電解質電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】高容量で且つ安全性が高い非水電解質電池モジュールを提供する。
【解決手段】非水電解質電池モジュール100は、非水電解質電池1〜nと、溶接部Y−1〜Y−n−1とを備える。非水電解質電池1〜nの各々は、正極タブ11と、負極タブ12とを有する。正極タブ11は、溶接部Y−1〜Y−n−1に向かうに従って幅が狭くなっている。負極タブ12は、一定の幅を有する。溶接部Y−1は、非水電解質電池1の正極タブ11の一方端を非水電解質電池2の負極タブ12の一方端に溶接した構造からなる。溶接部Y−2は、非水電解質電池2の正極タブ11の一方端を非水電解質電池3の負極タブ12の一方端に溶接した構造からなる。以下、同様にして、溶接部Y−n−1は、非水電解質電池n−1の正極タブ11の一方端を非水電解質電池nの負極タブ12の一方端に溶接した構造からなる。
【選択図】図1
【解決手段】非水電解質電池モジュール100は、非水電解質電池1〜nと、溶接部Y−1〜Y−n−1とを備える。非水電解質電池1〜nの各々は、正極タブ11と、負極タブ12とを有する。正極タブ11は、溶接部Y−1〜Y−n−1に向かうに従って幅が狭くなっている。負極タブ12は、一定の幅を有する。溶接部Y−1は、非水電解質電池1の正極タブ11の一方端を非水電解質電池2の負極タブ12の一方端に溶接した構造からなる。溶接部Y−2は、非水電解質電池2の正極タブ11の一方端を非水電解質電池3の負極タブ12の一方端に溶接した構造からなる。以下、同様にして、溶接部Y−n−1は、非水電解質電池n−1の正極タブ11の一方端を非水電解質電池nの負極タブ12の一方端に溶接した構造からなる。
【選択図】図1
Description
この発明は、非水電解質電池モジュールに関するものである。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質電池は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューター等の携帯機器の電源として広く用いられている。携帯機器の高性能化に伴ってリチウムイオン二次電池の高容量化が更に進む傾向にあり、エネルギー密度を更に向上させるため、可撓性を有するラミネート外装材を用いた扁平型非電解質電池が多く使用されている。
一方、最近では、非水電解質電池の高性能化に伴い、非水電解質電池が携帯機器の電源以外の電源としても用いられようとしている。例えば、従来よりも大型の非水電解質電池が据え置き型の非常用電源等に用いられ始めている。また、非水電解質電池を据え置き型の非常用電源等に用いる場合には、更なる高容量化のために、非水電解質電池は、複数組み合わされてモジュール化して用いられる。このように、非水電解質電池をモジュール化して用いる場合には、モジュールを構成する各非水電解質電池の安全性と、モジュール全体の安全性とが要求される。
例えば、一対の外装フィルムの周縁部を接合して外装フィルム内に発電要素を密閉した電池本体と、発電要素に接続されるとともに周縁部を接合した接合部から外部に引き出された電極タブとからなる電池を複数多段に積層して、積層方向に隣合う電池の電極タブ同士を接続することで、各電池を直列接続又は並列接続又は直並列接続してなるモジュール電池が知られている(特許文献1)。
また、正極、負極及びリチウム塩を含む非水系電解質を備え、厚み12mm未満の扁平形状の電池容器に密閉され、エネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/L以上である単電池の複数枚を、並列配置し、電気的に接続した電池モジュールを収容するための電池モジュールケースが知られている(特許文献2)。
更に、プレート型の二次電池の電極端子に自己切断部を備えること、その自己切断部の垂直断面積をその他の部分の垂直断面積よりも小さくすることが知られている(特許文献3)。
しかし、特許文献1,2では、モジュールを構成する各電池の安全性及びモジュール全体の安全性については何ら考慮されていない。
また、特許文献3では、過電流が流れたときに特定部分が自己切断することが記載されているが、自己で切断するために一部の垂直断面積を少なくするため、その強度が弱くなり、電池間の接続の際に信頼性を損ねるという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、高容量で且つ安全性が高い非水電解質電池モジュールを提供することである。
この発明の実施の形態によれば、非水電解質電池モジュールは、第1および第2の非水電解質電池と、接続部とを備える。第1の非水電解質電池は、第1の正極タブと第1の負極タブと非水電解質とを含む。第2の非水電解質電池は、第2の正極タブと第2の負極タブと非水電解質とを含む。接続部は、第1の正極タブの一方端を第2の負極タブの一方端に接続するとともに、第1の正極タブおよび第2の負極タブのうち、融点が低い方のタブである対象タブの熱容量よりも大きい熱容量を有する。
この発明の実施の形態による非水電解質電池モジュールにおいては、直列に接続された第1および第2の非水電解質電池に釘が刺さった場合、第1および第2の非水電解質電池間に流れる過電流によって第1の正極タブの接続部に近い部分が切断される。その結果、発煙を伴った急激な温度上昇が生じない。
従って、非水電解質電池モジュールの安全性を確保できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による非水電解質電池モジュールの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による非水電解質電池モジュール100は、非水電解質電池1,2,3,4,・・・,j−1,j,・・・,n−1,n(nは、2以上の整数、jは、1≦j≦nを満たす整数)と、溶接部Y−1〜Y−n−1とを備える。
非水電解質電池1〜nの各々は、正極タブ11と、負極タブ12とを有する。溶接部Y−1は、非水電解質電池1の正極タブ11の一方端を非水電解質電池2の負極タブ12の一方端に溶接した構造からなる。溶接部Y−2は、非水電解質電池2の正極タブ11の一方端を非水電解質電池3の負極タブ12の一方端に溶接した構造からなる。溶接部Y−3は、非水電解質電池3の正極タブ11の一方端を非水電解質電池4の負極タブ12の一方端に溶接した構造からなる。以下、同様にして、溶接部Y−j−1は、非水電解質電池j−1の正極タブ11の一方端を非水電解質電池jの負極タブ12の一方端に溶接した構造からなり、溶接部Y−n−1は、非水電解質電池n−1の正極タブ11の一方端を非水電解質電池nの負極タブ12の一方端に溶接した構造からなる。
なお、溶接部Y−1〜Y−n−1の各々は、抵抗溶接、超音波溶接、およびレーザー溶接のいずれを用いて作製される。
このように、非水電解質電池モジュール100は、n個の非水電解質電池1〜nを直列に接続した構造からなる。
なお、非水電解質電池nの正極タブ11は、負荷の正極端子に接続され、非水電解質電池1の負極タブ12は、負荷の負極端子に接続される。
図2は、図1に示す非水電解質電池1の構成を示す概略図である。図2を参照して、非水電解質電池1は、発電要素10と、正極タブ11と、負極タブ12と、ラミネートフィルム13とを含む。
発電要素10は、2枚のラミネートフィルム13a,13bによってラミネートされる。正極タブ11は、その一方端側がラミネートフィルム13の封止部20を介してラミネートフィルム13の外側に引き出されるとともに、その他方端が発電要素10の正極に接続される。そして、正極タブ11は、例えば、アルミニウム箔からなる。
負極タブ12は、その一方端側がラミネートフィルム13の封止部20を介してラミネートフィルム13の外側に引き出されるとともに、その他方端が発電要素10の負極に接続される。そして、負極タブ12は、例えば、ニッケルによってメッキされた銅からなる。
ラミネートフィルム13は、可撓性を有し、例えば、矩形状からなる。そして、ラミネートフィルム13は、発電要素10、正極タブ11の一部および負極タブ12の一部をラミネートする。また、ラミネートフィルム13は、周縁部に封止部20を有する。
ラミネートフィルム13は、アルミニウム等の金属層と熱可塑性樹脂層とが積層された構造からなる。例えば、ラミネートフィルム13は、厚みが20〜100μmのアルミニウム層の外側に厚みが20〜50μmの熱可塑性樹脂層を設け、アルミニウム層の内側に20〜100μmの接着層を設けた構造からなる。これにより、封止部20は、熱溶着により確実に接合される。そして、ラミネートフィルム13の厚みは、特に限定されないが、通常は、60〜250μmである。
このように、ラミネートフィルム13は、可撓性を有するので、特定の非水電解質電池(非水電解質電池1〜nのいずれか)が何らかの理由で異常発熱して電池の内圧が上昇しても、ラミネートフィルム13が容易に破断して電池の内圧を低下させることができる。その結果、電池の重大事故を未然に防ぐことができ、非水電解質電池モジュール100全体の安全性を向上できる。
なお、図1に示す非水電解質電池2〜nの各々は、図2に示す非水電解質電池1と同じ構成からなる。
図3は、図2に示す発電要素10の構成を示す概略図である。図3を参照して、発電要素10は、複数の正極リード11aと、複数の負極リード12aと、複数の正極14と、複数の負極15と、複数のセパレータ16と、非水電解質とを含む。
正極リード11aおよび負極リード12aの各々は、一定の幅を有する短冊形状からなる。そして、正極リード11aは、正極14の集電体の活物質が塗布されていない一部である。また、負極リード12aは、負極15の集電体の活物質が塗布されていない一部である(図3の(a)参照)。
正極リード11aは、使用機器との接続の容易さ等の関係から、アルミニウムまたはアルミニウム合金製のものが好ましい。
そして、正極タブ11の厚みは、50〜300μmとするのが好ましい。即ち、正極タブ11の厚みを50μm以上に設定することによって、正極タブ11の溶接時において、正極タブ11が切断されるのを防止できるとともに、正極タブ11が引っ張りおよび折り曲げによって断裂するのを防止できる。また、正極タブ11の厚みを300μm以下に設定することによって、ラミネートフィルム13のシール部20に厚み方向の隙間が生じるのを防止できる。
なお、ラミネートフィルム13と正極タブ11との接着強度を高めるために、正極タブ11においてシール部20に位置することが予定される箇所に、予め、樹脂製の接着層(例えば、ラミネートフィルム13を構成する金属層が有する熱融着樹脂層を構成する樹脂と同種の樹脂により構成された接着層)を設けてもよい。
負極リード12aは、ニッケル、ニッケルメッキをした銅、およびニッケル−銅クラッド等の金属の箔またはリボンからなる。また、負極タブ12の厚みは、正極タブ11と同様に50〜300μmであることが好ましい。
即ち、負極タブ12の厚みを50μm以上に設定することによって、負極タブ12の溶接時において、負極タブ12が切断されるのを防止できるとともに、負極タブ12が引っ張りおよび折り曲げによって断裂するのを防止できる。また、負極タブ12の厚みを300μm以下に設定することによって、ラミネートフィルム13のシール部20に厚み方向の隙間が生じるのを防止できる。
なお、ラミネートフィルム13と負極タブ12との接着強度を高めるために、負極タブ12においてシール部20に位置することが予定される箇所に、予め、樹脂製の接着層(例えば、ラミネートフィルム13を構成する金属層が有する熱融着樹脂層を構成する樹脂と同種の樹脂により構成された接着層)を設けてもよい。
正極リード11aが形成された正極14および負極リード12aが形成された負極15は、セパレータ16を介して積層される。これによって、発電要素10が作製される。
このように、発電要素10は、複数の正極14および複数の負極15がセパレータ16を介して積層された構造からなる。
そして、積層された複数の正極14に接続された複数の正極リード11aは、正極タブ11に超音波溶接され、積層された複数の負極15に接続された複数の負極リード12aは、負極タブ12に超音波溶接される(図3の(b)参照)。
正極14は、正極合剤層を正極集電体の両面に配置した構造からなる。そして、正極14は、正極活物質、正極用導電助剤、および正極用バインダ等を含む混合物に、溶剤を加えて十分に混練して得た正極合剤ペーストを、正極集電体の両面に塗布して乾燥した後に、その正極合剤層を所定の厚み及び所定の電極密度に制御することにより形成される。
正極活物質としては、マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物の単体、またはマンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物と他の正極活物質との混合体を用いることができる。マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物の含有量は、正極活物質全体の重量割合で、70〜100重量%であることが好ましい。含有量が70重量%を下回ると正極活物質の熱的安定性が不十分となる傾向があるからである。
マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物としては、例えば、一般式LiyMn2O4(0.98<y≦1.1)の組成を有するリチウム含有複合酸化物、またはMnの一部がGe,Zr,Mg,Ni,AlおよびCoから選ばれる少なくとも1種の元素で置換されたリチウム含有複合酸化物(例えば、LiCoMnO4,LiNi0.5Mn1.5O4等)等が挙げられる。マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物は、1種単独で使用されてもよく、2種以上を併用されてもよい。 他の正極活物質としては、例えば、一般式LiCoO2に代表されるリチウムコバルト複合酸化物(構成元素の一部が、Ni,Al,Mg,Zr,TiおよびB等の元素で置換された複合酸化物も含む。)、一般式LiNiO2、Li1+xNi0.7Co0.25Al0.05O2等に代表されるリチウムニッケル複合酸化物(構成元素の一部が、Co,Al,Mg,Zr,TiおよびB等の元素で置換された複合酸化物も含む。)等の層状構造の複合酸化物、一般式Li4Ti5O12に代表されるリチウムチタン複合酸化物(構成元素の一部が、Ni,Co,Al,Mg,ZrおよびB等の元素で置換された複合酸化物も含む。)等のスピネル構造の複合酸化物、一般式LiMPO4に代表されるオリビン構造のリチウム複合酸化物(但し、Mは、Ni,CoおよびFeより選ばれる少なくとも1種)等が例示される。
正極用導電助剤は、正極合剤層の導電性向上等の目的で必要に応じて添加すればよく、導電助剤となる導電性粉末として、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、繊維状炭素、黒鉛等の炭素粉末、およびニッケル粉末等の金属粉末を利用することができる。
正極用バインダには、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
正極集電体としては、構成された電池において実質的に化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。正極集電体としては、例えば、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔等が用いられる。
溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等が使用できる。
正極14の厚みは、特に限定されないが、通常、110〜230μmである。
このように、正極14は、マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含んでいる。
従って、正極活物質の熱的安定性が向上し、個々の非水電解質電池の安全性、ひいてはモジュール全体の安全性を向上できる。
負極15は、負極合剤層を負極集電体の両面に配置した構造からなる。そして、負極15は、負極活物質、負極用導電助剤および負極用バインダ等を含む混合物に、溶剤を加えて十分に混練して得た負極合剤ペーストを、負極集電体の両面に塗布して乾燥した後に、その負極合剤層を所定の厚み及び所定の電極密度に制御することにより形成される。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛又は塊状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等の人造黒鉛等の炭素材料が用いられるが、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であれば、これらに限定されない。
負極集電体としては、構成された電池において実質的に化学的に安定な電子伝導体であれば、特に限定されない。負極集電体としては、例えば、厚みが5〜20μmの銅箔等が用いられる。
負極用導電助剤、負極用バインダ、および溶剤については、正極に用いたものと同様のものが使用される。
負極15の厚みは、特に限定されないが、通常、65〜220μmである。
セパレータ16としては、厚みが10〜50μmの耐熱性多孔質基体と、厚みが10〜30μmの熱可塑性樹脂からなる微多孔フィルムとを備えた2層構造のセパレータが用いられる。耐熱性多孔質基体としては、例えば、耐熱温度が150℃以上の繊維状物で形成してもよい。そして、繊維状物は、セルロース及びその変成体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、アラミド、ポリアミドイミドおよびポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種の材料で形成することができ、より具体的には上記材料からなる織布、不織布(紙を含む。)等のシート状物を耐熱性多孔質基体として用いることができる。
多孔質基体の「耐熱性」は、軟化等によって実質的な寸法変化が生じないことを意味し、対象物の長さの変化、すなわち、多孔質基体においては、室温での長さに対する収縮の割合(収縮率)が5%以下を維持することのできる上限温度(耐熱温度)が、セパレータのシャットダウン温度よりも十分に高いか否かで耐熱性を評価する。シャットダウン後の非水電解質電池の安全性を高めるために、多孔質基体は、シャットダウン温度よりも20℃以上高い耐熱温度を有することが望ましく、より具体的には、多孔質基体の耐熱温度は、150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましい。
また、熱可塑性樹脂からなる微多孔フィルムとしては、一定温度以上(100〜140℃)で微孔を閉塞し、抵抗を上げるシャットダウン機能をセパレータに付与するために、例えば、融点が80〜140℃である熱可塑性樹脂からなる微多孔性フィルムを用いることができる。より具体的には、耐有機溶剤性及び疎水性を有するポリプロピレン、およびポリエチレン等のオレフィン系ポリマーからなる微多孔シートを用いることができる。
また、セパレータの耐熱性をより向上させるために、耐熱性多孔質基体に無機フィラーを含ませてもよく、また、厚みが3〜10μm程度の無機フィラー層を微多孔フィルムに設けてもよい。無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウムおよびベーマイトよりなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物の粒子を用いることができる。
セパレータ16の厚みは、特に限定されないが、通常、25〜90μmである。
このように、セパレータ16は、耐熱性多孔質基体を含む。従って、電池の異常発熱時におけるセパレータ16の収縮を防止できる。また、セパレータ16は、熱可塑性樹脂からなる微多孔フィルムを含む。従って、電池の熱暴走(異常発熱)温度以下で微多孔フィルムの構成樹脂を溶融させて空孔を閉塞させ、これによって、電池の内部抵抗を上昇させて短絡の際などに電池の安全性を向上させる、所謂シャットダウンを生じさせることができる。その結果、セパレータ16の耐熱性が向上し、個々の非水電解質電池の安全性、ひいてはモジュール全体の安全性を向上できる。
非水電解質としては、有機溶媒にリチウム塩を溶解させた溶液が使用される。安全性を向上させるために、ホスファゼン誘導体を更に添加した非水電解液を使用することも可能である。
有機溶媒としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、およびγ−ブチロラクトン等の有機溶媒を1種類又は2種類以上混合して用いることができる。
また、リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、およびLiCF3SO3等から選ばれる少なくとも1種類のリチウム塩を用いることができる。非水電解液中のLiイオンの濃度は、0.5〜1.5mol/Lとすればよい。
非水電解質は、ゲル化剤を更に含んでいてもよい。ゲル化剤により非水電解液がゲル化することにより、異常時に電池のラミネートフィルム13が破断しても非水電解液の漏液を防止でき、個々の非水電解質電池の安全性、ひいてはモジュール全体の安全性を向上できる。
ゲル化剤としては、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む架橋性高分子化合物を架橋してなる重合体が好ましい。この種の重合体は、高温耐久性が高いからである。
オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む架橋性高分子化合物は、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーの重合体、又は、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーと、他の重合性モノマーとの共重合体として合成することができる。
但し、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーを単独で重合する場合は、オキセタン基等の架橋性官能基の濃度が高くなりすぎ、重合度が低くなって所望の分子量の大きな架橋性高分子化合物(プレポリマー)が得られないことがある。しかし、非架橋性で保液性の良い他の重合性モノマーと共重合することにより、上記の問題を解決することができる。その場合のそれぞれの重合性モノマーの割合は、オキセタン基および脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーのモル数をmモルとし、他の重合性モノマーのモル数をnモルとすると、モル比m/nが1/20〜2/1の範囲とするのが好ましく、より好ましくは1/10〜1/1の範囲である。上記モル比を1/20以上とすることにより、化学架橋点の割合を増加させて高温での流動化を効果的に抑制することができる。また、上記モル比を2/1以下とすることにより、非水電解質中の活性成分と、オキセタン基又は脂環式エポキシ基との反応を抑制して、イオン伝導性の低下を防ぐことができる。
更に、他の重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、及びこれらの誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニレンカーボネート、N−ビニルアセトアミド、酢酸ビニル、および塩化ビニル等を使用できる。
ゲル化剤の含有量は、非水電解質全体の重量割合で、1.5〜5重量%であることが好ましい。この範囲内では、イオン伝導性に優れ、高温でも流動化しないゲル状電解質を作製できるからである。
図4は、正極タブ11および負極タブ12の拡大図である。図4を参照して、正極タブ11は、幅一定部110と、テーパ部111とを含む。幅一定部110は、一定の幅、例えば、30mmの幅を有する。そして、幅一定部110は、一方端が発電要素10に接続されるとともに、ラミネートフィルム13a,13bによって封止される。
テーパ部111は、その一方端が各溶接部Y−1〜Y−n−1になるとともに、その他方端が幅一定部110に連結される。そして、テーパ部111は、幅一定部110との連結部、即ち、封止部20の端面20Aにおいて、例えば、30mmの幅を有し、先端部111Aにおいて、例えば、10mm,15mm,および20mmのいずれかの幅を有する。この場合、テーパ部111の長さは、15mmまたは30mmである。
このように、正極タブ11は、ラミネートフィルム13a,13bによってラミネートされる部分(幅一定部110)が一定の幅を有し、ラミネートフィルム13a,13bから外側に引き出される部分(テーパ部111)が封止部20の端面20Aから溶接部Y−1〜Y−n−1となる部分へ向かって直線状に狭くなる幅を有する構造からなる。
一方、負極タブ12は、全体が一定の幅を有する。そして、負極タブ12は、例えば、30mmの幅を有する。
図5は、溶接部Y−1、正極タブ11および負極タブ12の拡大図である。図5を参照して、溶接部Y−1は、正極タブ11の一方端を負極タブ12の一方端に溶接することによって形成される。
そして、溶接部Y−1において、正極タブ11の幅は、負極タブ12の幅よりも狭い(図5の(a)参照)。
また、正極タブ11は、溶接部Y−1において、負極タブ12と接続されている(図5の(b)参照)。
溶接部Y−1は、正極タブ11および負極タブ12が溶けて接続されるため、正極タブ11の熱容量よりも大きい熱容量を有する。
なお、溶接部Y−2〜Y−n−1の各々も、溶接部Y−1と同じ構造からなる。
図6から図8は、それぞれ、図1に示す非水電解質電池モジュール100の製造方法を示す第1から第3の工程図である。
図6を参照して、非水電解質電池モジュール100の製造が開始されると、上述した方法によって正極14および負極15を作製する。そして、正極リード11a、負極リード12aおよびセパレータ16を作製する。その後、上述した方法によって、正極リード11aを正極14に接続するとともに、負極リード12aを負極15に接続する。
そうすると、正極14および負極15をセパレータ16を介して積層し、発電要素10を作製する(工程(a)参照)。
ラミネートフィルム13は、金属層131の一方の表面に樹脂132、金属層131の他方の表面に樹脂133を熱もしくは接着剤で貼り付けて作製したものである(工程(b)参照)。
そして、ラミネートフィルム13の樹脂132に接するように発電要素10をラミネートフィルム13上に置き、ラミネートフィルム13を二つ折りにする(工程(c)参照)。この場合、正極タブ11および負極タブ12は、その一部が二つ折りにしたラミネートフィルム13から露出している。
工程(c)の後、ラミネートフィルム13のうち、二つ折りにした辺13C以外の3つの辺13A,13B,13Dに沿ってラミネートフィルム13をシールする(工程(d)参照)。この場合、辺13B,13Dに沿ってラミネートフィルム13をシールし、その後、辺13Aを介して非水電解質をラミネートフィルム13内に注入する。そして、最後に、辺13Aに沿ってラミネートフィルム13をシールする。
なお、ラミネートフィルム13の辺13Cは、ラミネートフィルム13を二つ折りにした折り曲げ部分であるので、シールしてもよいし、シールしなくてもよい。
これによって、1個の非水電解質電池が完成する。そして、上述した工程(a)〜工程(d)をn回繰り返し実行することによってn個の非水電解質電池1〜nを作製する。
図7を参照して、n個の非水電解質電池1〜nが完成すると、n個の非水電解質電池1〜nを積層する。この場合、非水電解質電池1の正極タブ11が非水電解質電池2の負極タブ12に隣接し、非水電解質電池2の正極タブ11が非水電解質電池3の負極タブ12に隣接し、非水電解質電池3の正極タブ11が非水電解質電池4の負極タブ12に隣接し、以下、同様にして、非水電解質電池n−1の正極タブ11が非水電解質電池nの負極タブ12に隣接するように、n個の非水電解質電池1〜nを積層する(工程(e)参照)。
図8を参照して、工程(e)の後、非水電解質電池1の正極タブ11の一方端を非水電解質電池2の負極タブ12の一方端に溶接し、非水電解質電池2の正極タブ11の一方端を非水電解質電池3の負極タブ12の一方端に溶接し、非水電解質電池3の正極タブ11の一方端を非水電解質電池4の負極タブ12の一方端に溶接し、以下、同様にして、非水電解質電池n−1の正極タブ11の一方端を非水電解質電池nの負極タブ12の一方端に溶接する。
これによって、溶接部Y−1〜Y−n−1が作製され、非水電解質電池モジュール100が完成する(工程(f)参照)。
非水電解質電池1〜nに釘を刺したときの現象について説明する。図9は、非水電解質電池1〜nに釘を刺したときの現象を説明するための概念図である。
図9の(a)を参照して、釘30が1つの非水電解質電池1に刺さると、釘30が正極14と負極15とを導体で短絡することによって局部的に熱が発生する。そして、正極14の集電体を構成するアルミニウムが周囲の正極酸化物によって酸化されて焼損し(テルミット反応)、高抵抗体140が瞬時に形成される。
その結果、釘30が単独の非水電解質電池1に刺さっても、非水電解質電池1の電圧は、ほぼ初期値を示し、急激に低下することはなく、温度上昇も殆ど生じない。
従って、釘30が単独の非水電解質電池1に刺さっても、非水電解質電池1は、非常に高い安全性が確保されている。
図9の(b)を参照して、直列に接続された2個の非水電解質電池1,2に釘30が刺さった場合、非水電解質電池1の負極15、釘30、非水電解質電池2の負極15、負極タブ12、溶接部Y−1、正極タブ11、および非水電解質電池1の正極14からなる回路を電流が流れる。そして、この場合に流れる電流は、非水電解質電池1,2の電気容量が8〜20Ahである場合、約400〜700Aに達する。
従って、従来の非水電解質電池においては、発煙を伴った急激な温度上昇が生じる可能性がある。
しかし、この発明の実施の形態による非水電解質電池1,2は、発電要素10から溶接部Y−1へ向かう方向に幅が直線的に狭くなっている正極タブ11を備えているため、約400A以上の電流が上記の回路に流れた場合、正極タブ11の溶接部Y−1に近い部分が溶断する。その結果、過電流が非水電解質電池1,2間に流れることはなく、発煙を伴った急激な温度上昇も生じない。
従って、直列に接続された2個の非水電解質電池1,2に釘30が刺さっても、安全性を確保できる。
なお、3個以上の非水電解質電池が直列に接続され、2個以上の非水電解質電池に釘が刺さった場合も、上記と同様に、過電流が2個の非水電解質電池間に流れることはなく、発煙を伴った急激な温度上昇も生じない。
このように、この発明の実施の形態においては、2個以上の非水電解質電池が直列に接続された場合も、安全性を確保できる。
図10は、この発明の実施の形態による他の非水電解質電池モジュールの概略図である。この発明の実施の形態による非水電解質電池モジュールは、図10に示す非水電解質電池モジュール100Aであってもよい。
図10を参照して、非水電解質電池モジュール100Aは、図1に示す非水電解質電池モジュール100の溶接部Y−1〜Y−n−1をカシメ部K−1〜K−n−1に代え、各非水電解質電池1〜nの正極タブ11を正極タブ11Aに代えたものであり、その他は、非水電解質電池モジュール100と同じである。
正極タブ11Aは、例えば、アルミニウムからなる。そして、正極タブ11Aは、負極タブ12と同じように30mmの一定の幅を有する。また、正極タブ11Aは、非水電解質電池1〜nの容量に応じて決定された断面積を有する。より具体的には、非水電解質電池1〜nの容量をWとした場合、正極タブ11Aは、最も先端の狭い部分において、0.06cm2の断面積を有する。
カシメ部K−1は、非水電解質電池1の正極タブ11Aの一方端と非水電解質電池2の負極タブ12の一方端とをかしめる。カシメ部K−2は、非水電解質電池2の正極タブ11Aの一方端と非水電解質電池3の負極タブ12の一方端とをかしめる。カシメ部K−3は、非水電解質電池3の正極タブ11Aの一方端と非水電解質電池4の負極タブ12の一方端とをかしめる。カシメ部K−j−1は、非水電解質電池j−1の正極タブ11Aの一方端と非水電解質電池jの負極タブ12の一方端とをかしめる。カシメ部K−n−1は、非水電解質電池n−1の正極タブ11Aの一方端と非水電解質電池nの負極タブ12の一方端とをかしめる。
カシメ部K−1〜K−n−1の各々は、錫でメッキした銅からなる。そして、カシメ部K−1〜K−n−1の各々は、正極タブ11Aよりも大きい熱容量を有する。
非水電解質電池モジュール100Aは、上述した工程(a)〜工程(f)に従って作製される。この場合、工程(f)においては、隣接する2つの非水電解質電池の正極タブ11Aの一方端と負極タブ12の一方端とをカシメ部品によってかしめる。
図9の(b)に示すように、直列に接続された2個の非水電解質電池1,2に釘30が刺さった場合、過電流が上述した回路を流れる。
しかし、正極タブ11Aは、0.06cm2の断面積を有し、カシメ部K−1は、正極タブ11Aよりも大きい熱容量を有するので、正極タブ11Aのカシメ部K−1に近い部分が溶断する。その結果、発煙を伴った急激な温度上昇が生じない。
従って、非水電解質電池モジュール100Aにおいても、安全性を確保できる。
なお、非水電解質電池モジュール100Aにおいては、正極タブ11Aに代えて正極タブ11が用いられてもよい。
また、非水電解質電池モジュール100Aは、カシメ部K−1〜K−n−1をモールドするn−1個の樹脂を更に備えていてもよい。この場合、n−1個の樹脂の各々は、例えば、ポリエチレンからなる。これによって、カシメ部K−1〜K−n−1の各々は、正極タブ11Aよりも更に熱容量が大きくなる。その結果、図9の(b)に示すように過電流が流れた場合、正極タブ11Aのカシメ部K−1〜K−n−1に近い部分が更に溶断し易くなる。従って、発煙を伴った急激な温度上昇が生じなくなり、非水電解質電池モジュール100Aの安全性を確保できる。
図11は、他の正極タブの斜視図である。図11の(a)を参照して、正極タブ11Bは、図4に示す正極タブ11のテーパ部111をテーパ部111Bに代えたものであり、その他は、正極タブ11と同じである。
テーパ部111Bは、一方端が幅一定部110に連結される。そして、テーパ部111Bは、幅一定部110の側面110Aに連続した側面111B−1を有し、幅一定部110の側面110B側にテーパ形状111B−2を有する。また、テーパ部111Bは、幅一定部110との連結部において、30mmの幅を有し、先端部111B−3において、10mm、15mmおよび20mmのいずれかの幅を有する。この場合、テーパ部111Bの長さは、15mmまたは30mmである。
図11の(b)を参照して、正極タブ11Cは、図4に示す正極タブ11のテーパ部111をテーパ部111Cに代えたものであり、その他は、正極タブ11と同じである。
テーパ部111Cは、一方端が幅一定部110に連結される。そして、テーパ部111Cは、幅一定部110の側面110Bに連続した側面111C−1を有し、幅一定部110の側面110A側にテーパ形状111C−2を有する。また、テーパ部111Cは、幅一定部110との連結部において、30mmの幅を有し、先端部111C−3において、10mm、15mmおよび20mmのいずれかの幅を有する。この場合、テーパ部111Cの長さは、15mmまたは30mmである。
図11の(c)を参照して、正極タブ11Dは、図4に示す正極タブ11のテーパ部111をテーパ部111Dに代えたものであり、その他は、正極タブ11と同じである。
テーパ部111Dは、一方端が幅一定部110に連結される。そして、テーパ部111Dは、幅一定部110の側面110Aに連続した側面111D−1を有し、幅一定部110の側面110B側に、湾曲したテーパ形状111D−2を有する。また、テーパ部111Dは、幅一定部110との連結部において、30mmの幅を有し、先端部111D−3において、10mm、15mmおよび20mmのいずれかの幅を有する。この場合、テーパ部111Dの長さは、15mmまたは30mmである。
図11の(d)を参照して、正極タブ11Eは、図4に示す正極タブ11のテーパ部111をテーパ部111Eに代えたものであり、その他は、正極タブ11と同じである。
テーパ部111Eは、一方端が幅一定部110に連結される。そして、テーパ部111Eは、幅一定部110の側面110Bに連続した側面111E−1を有し、幅一定部110の側面110A側に、湾曲したテーパ形状111E−2を有する。また、テーパ部111Eは、幅一定部110との連結部において、30mmの幅を有し、先端部111E−3において、10mm、15mmおよび20mmのいずれかの幅を有する。この場合、テーパ部111Eの長さは、15mmまたは30mmである。
図11の(e)を参照して、正極タブ11Fは、図4に示す正極タブ11のテーパ部111をテーパ部111Fに代えたものであり、その他は、正極タブ11と同じである。
テーパ部111Fは、一方端が幅一定部110に連結される。そして、テーパ部111Fは、幅一定部110の側面110A側に、湾曲したテーパ形状111F−1を有し、幅一定部110の側面110B側に、湾曲したテーパ形状111F−2を有する。また、テーパ部111Fは、幅一定部110との連結部において、30mmの幅を有し、先端部111F−3において、10mm、15mmおよび20mmのいずれかの幅を有する。この場合、テーパ部111Fの長さは、15mmまたは30mmである。
正極タブ11B,11C,11D,11E,11Fの各々は、図1に示す非水電解質電池モジュール100の各非水電解質電池1〜nの正極タブ11に代えて用いられる。
そして、正極タブ11B,11C,11D,11E,11Fの各々が非水電解質電池モジュール100の各非水電解質電池1〜nの正極タブ11に代えて用いられた場合も、上述したように、発煙を伴った急激な温度上昇が生じなくなる。従って、非水電解質電池モジュール100の安全性を確保できる。
また、正極タブ11B,11C,11D,11E,11Fの各々は、図10に示す非水電解質電池モジュール100Aの各非水電解質電池1〜nの正極タブ11Aに代えて用いられる。
そして、正極タブ11B,11C,11D,11E,11Fの各々が非水電解質電池モジュール100Aの各非水電解質電池1〜nの正極タブ11Aに代えて用いられた場合も、上述したように、発煙を伴った急激な温度上昇が生じなくなる。従って、非水電解質電池モジュール100Aの安全性を確保できる。
以下、実施例について説明する。
(実施例1)
以下のようにして非水電解質電池を作製した。
以下のようにして非水電解質電池を作製した。
正極活物質として94質量部のLiMn2O4と、導電助剤として3質量部のアセチレンブラックと、バインダとして3質量部のポリフッ化ビニリデンとを、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤として均一になるように混合し、正極合剤含有ペーストを調製した。
そして、そのペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、正極合剤層の密度が2.85mg/cm3になるまでローラーで正極合剤層を加圧成形する。その後、電極塗布面が140mmの幅と220mmの長さを有するように、正極合剤層が塗布された正極集電体を切断して正極を作成した。また、正極合剤層が形成されていない正極の一端部には、正極リード端子を作製した。
負極活物質としてBET比表面積が2.2m2/gであり、平均粒径が18μmである黒鉛粉末を用い、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)とスチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)とを用い、溶媒としての水とともに、黒鉛粉末、CMC及びSBRを、それぞれ質量比で、96:2:2の割合で混合し、スラリー状の負極合剤含有ぺーストを調製した。
得られた負極合剤含有ぺーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、負極合剤層の密度が1.55g/cm3になるまでローラーで負極合剤層を加圧成形する。その後、電極塗布面が146mmの幅と226mmの長さとを有するように、負極合剤層が塗布された負極集電体を切断して負極を作製した。また、負極合剤層が形成されていない負極の一端部には負極リード端子を形成した。
セパレータとして、厚みが16μmであるポリエチレン製の微孔フィルムに厚みが5μmであるベーマイト粒子層を形成したセパレータと、厚みが20μmであるポリエチレンテレフタレート製の不織布とを積層した多孔性積層フィルムを準備した。この場合、多孔性積層フィルム(セパレータ)の総厚みは、約20μmであり、開口率は、50%であった。
次に、15枚の正極と16枚の負極とを用い、正極と負極との間に、不織布側が正極に当接するようにセパレータを配置して各正極及び各負極を積層し、各正極リード端子を溶接して正極リード端子部を形成し、各負極リード端子を溶接して負極リード端子部を形成した後、ラミネートフィルム製の外装材内に挿入した。
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:2で混合した溶媒中に、LiPF6を1.2モル/リットルの割合で溶解し、更に、ホスファゼン誘導体としてブリジストン社製の組成式C2H5ON3P3F5で表される“ホスライト”(商品名)を10重量%添加した溶液を非水電解液として作製した。そして、この非水電解液を外装材内に注入した後、封止して、端子部を除き、150mmの幅と、250mmの長さと、4mmの高さとを有し、電池容量が10Ahである非水電解質電池を作製した。
そして、放熱部材としてアルミニウム板の両面をPET製樹脂でコートした幅150mm、長さ250mm、厚さ0.5mmの放熱シートを準備した。続いて、放熱シートを介して25個の非水電解質電池を積層し、その積層体を厚みが1mmであるアルミ製の外装体に挿入して、正極端子と負極端子とを備える非水電解質電池モジュールを作製した。各電池の接続構成は、5個を直列に接続し、その5個直列に接続した電池群をさらに5個並列に接続したものとした。
また、電池から電流を取り出すための正極タブは、30mmの幅および200μmの厚みを有するアルミニウム板からなり、負極タブは、30mmの幅および200μmの厚みを有するニッケルメッキした銅からなる。そして、正極タブは、先端部の幅が15mmになるようにテーパ状に打ち抜いた形状からなる。直列接続用の5個の電池は、正極タブと負極タブとを交互にカシメ部品で接続してモジュールとした。
(比較例)
(比較例)
電池は、実施例と同じ電池を用い、正極タブをテーパ状に打ち抜かないでそのままカシメ部品で接続してモジュールとした。
実施例と比較例との電池を各電池が完全充電状態として各種安全性試験を行った。その試験結果を表1に示す。
次に、正極タブ11(図4参照)の形状による切断の有無を実験した結果について説明する。
正極タブ11のテーパ部111の先端部111Aにおける幅をa(mm)とし、テーパ部111の長さをb(mm)とし、幅aを10mm、15mm、および30mmのいずれかに設定し、長さbを10mm、15mm、および30mmのいずれかに設定して正極タブ11の切断の有無を調べた結果を表2に示す。
この場合、実験方法の詳細は、次のとおりである。
上述した実施例と同様の電極積層体を作製し、10Aの電気容量を持つラミネートフィルム封止構造の電池を作製し、正極タブのみ、形状が異なる部品で電池を作製した。この電池を2個直列に接続した組電池を作製し、各電池ふぁ4.2Vになるように充電した後、2個の電池とも貫通するように釘をさした。この時、タブの切断の状況と発煙の様子とを観察した。結果を表2に示す。
表2に示すように、幅aを10mm、15mmおよび20mmのいずれかに設定し、かつ、長さbを15mmまたは30mmに設定した場合、正極タブ11が切断された。
一方、幅aを10mm、15mm、および20mmのいずれかに設定し、かつ、長さbを10mmに設定した場合、正極タブ11は、切断されなかった。また、幅aおよび長さbを30mmに設定した場合も、正極タブ11は、切断されなかった。
正極タブ11B,11C,11D,11E,11Fのテーパ部111B,111C,111D,111E,111Fは、正極タブ11B,11C,11D,11E,11Fを切断する機能としては、等価であるので、正極タブ11B,11C,11D,11E,11Fのいずれかを用いた場合も、正極タブ11B,11C,11D,11E,11Fの形状が表2に示す形状であるときに正極タブ11B,11C,11D,11E,11Fは、切断される。
上述したように、非水電解質電池モジュール100は、隣接する2個の非水電解質電池のうち、一方の非水電解質電池の正極タブ11の一方端を他の非水電解質電池の負極タブ12の一方端に溶接する溶接部Y−1〜Y−n−1を備え、溶接部Y−1〜Y−n−1は、正極タブ11よりも大きい熱容量を有する。
また、非水電解質電池モジュール100Aは、隣接する2個の非水電解質電池のうち、一方の非水電解質電池の正極タブ11Aの一方端と他の非水電解質電池の負極タブ12の一方端とをかしめるカシメ部K−1〜K−n−1を備え、カシメ部K−1〜K−n−1は、正極タブ11Aよりも大きい熱容量を有する。
従って、この発明の実施の形態による非水電解質電池モジュールは、一般的には、隣接する2個の非水電解質電池のうち、一方の非水電解質電池の正極タブの一方端を他の非水電解質電池の負極タブの一方端に接続するとともに、正極タブおよび負極タブのうち、融点が低い方のタブの熱容量よりも大きい熱容量を有する接続部を備えていればよい。
このような接続部を備えていれば、直列に接続された2個以上の非水電解質電池に釘が刺さり、過電流が流れても、融点が低い方のタブのうち、接続部に近い部分が溶断する。
その結果、発煙を伴った急激な温度上昇が生じず、非水電解質電池モジュールの安全性を確保できるからである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、非水電解質電池モジュールに適用される。
1〜n 非水電解質電池、10 発電要素、11,11A,11B,11C,11D,11E,11F 正極タブ、11a 正極リード、12 負極タブ、12a 負極リード、13,13a,13b ラミネートフィルム、14 正極、15 負極、16 セパレータ、20 封止部、30 釘、100,100A 非水電解質電池モジュール、110 幅一定部、111,111B,111C,111D,111E,111F テーパ部、111A 先端部、131 金属層、132,133 樹脂、140 高抵抗体、Y−1〜Y−n−1 溶接部、K−1〜K−n−1 カシメ部。
Claims (7)
- 第1の正極タブと第1の負極タブと非水電解質とを含む第1の非水電解質電池と、
第2の正極タブと第2の負極タブと非水電解質とを含む第2の非水電解質電池と、
前記第1の正極タブの一方端を前記第2の負極タブの一方端に接続するとともに、前記第1の正極タブおよび前記第2の負極タブのうち、融点が低い方のタブである対象タブの熱容量よりも大きい熱容量を有する接続部とを備える非水電解質電池モジュール。 - 前記接続部は、前記第1の正極タブの一方端を前記第2の負極タブの一方端に溶接した溶接部を含む、請求項1に記載の非水電解質電池モジュール。
- 前記接続部は、前記第1の正極タブの一方端と前記第2の負極タブの一方端とをかしめたカシメ部を含む、請求項1に記載の非水電解質電池モジュール。
- 前記接続部は、前記挟持部をモールドする樹脂を更に含む、請求項3に記載の非水電解質電池モジュール。
- 前記対象タブは、前記接続部に向かうに従って幅が徐々に狭くなっているテーパ部を含む、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の非水電解質電池モジュール。
- 前記第1および第2の正極タブの各々は、アルミニウムからなり、
前記第1および第2の負極タブの各々は、銅からなり、
前記対象タブは、前記第1の正極タブである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の非水電解質電池モジュール。 - 前記非水電解質は、ゲル化剤を含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の非水電解質電池モジュール。
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