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JP2012035799A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性が高く、しかも高速性も優れた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤは、ナイロン66マルチフィラメントヤーンを一方向に撚りを付与した片撚りコードをベルト補強層に用いたものである。このベルト補強層は、タイヤ周方向に配置されるものであり、少なくともショルダー部に2層以上設けられている。ベルト補強層に使われている片撚りコードは、繊度が900〜3000dtexであり、Tを100mm当たりの撚り数とし、Dを片撚りコードの総繊度(dtex)とするとき、K=T√Dで表される撚り係数Kが300〜1000である。また、タイヤから採取されたベルト層側のベルト補強層に使用されている片撚りコードと、ベルト層とは反対側の路面側のベルト補強層に使用されている片撚りコードの2.3cN/dtex荷重時の伸び率の比が1/1.1〜1/1.6である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナイロン66マルチフィラメントヤーンを一方向に撚りを付与した片撚コードを用いたベルト補強層を備えた空気入りタイヤに関し、特に、耐久性がより高く、しかも高速性が優れた空気入りタイヤに関する。
現在、空気入りタイヤにおいて、ベルト層の外周側に補強コードをタイヤ周方向に巻回してなるベルト補強層が配置されているものがある。このようなベルト補強層をトレッド部に埋設することにより、ベルト層のせり上がりを抑えて高速耐久性を改善し、更には走行時のロードノイズを低減する効果が得られることが知られている。このようなベルト補強層の補強コードとして、片撚りナイロンコードが用いられている(特許文献1参照)。
特許文献1に開示された、トレッド部の内方かつカーカスの外側に配されるベルト層と、このベルト層の外側に配されるバンド層(ベルト補強層に相当)とを具える空気入りタイヤは、バンド層を、バンドコードをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回したバンドプライからなり、かつバンドコードを正量繊度(D)が1400〜2800dtex、しかも44N荷重時のコードの伸びが4.0〜6.0%の片撚り構造のナイロン繊維コード(片撚りナイロンコード)としている。また、ベルト層を、スチール製のベルトコードをタイヤ周方向に対して10〜40度の角度で配列したベルトプライからなり、かつベルトコードの1本当たりの曲げ剛性を50gf・cm以下としている。更には、バンドコードにナイロン66を用いることが開示されている。
特開2005−23069号公報
例えば、特許文献1に開示されているように、ベルト補強層の補強コードを片撚りナイロンコードとした場合、片撚りコードは、諸撚りと比べて撚り加工費及び使用原料を低減できるという経済上の利点がある。この利点に加え、片撚りコードは、諸撚りと比べてコード径が細くなるため、プライの厚みの低減に効果があり、軽量化、ゴム体積減による低発熱化が期待される。更には、片撚りコードは、諸撚りに比べて引張剛性が高く、タガ効果が期待できる。
しかしながら、片撚りコードは、諸撚りと比べて疲労性が低下するという特性がある。このため、特に、補強コードを片撚りナイロンコードとしたベルト補強層を、ショルダー部に2層以上設けたタイヤでは、走行時、ベルト層側のベルト補強層よりも路面側のベルト補強層に大きな歪がかかり疲労性が低下し、所定の耐久性が得られないという問題がある。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、耐久性が高く、しかも高速性も優れた空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ナイロン66マルチフィラメントヤーンを一方向に撚りを付与した片撚りコードを備えるベルト補強層がベルト層上に設けられた空気入りタイヤであって、前記ベルト補強層は、タイヤ周方向に配置されるものであり、少なくともショルダー部に2層以上設けられており、前記ベルト補強層に使われている前記片撚りコードは、繊度が900〜3000dtexであり、Tを100mm当たりの撚り数とし、Dを前記片撚りコードの総繊度(dtex)とするとき、K=T√Dで表される撚り係数Kが300〜1000であるとともに、タイヤから採取されたベルト層側の前記ベルト補強層に使用されている前記片撚りコードと、前記ベルト層とは反対側の路面側の前記ベルト補強層に使用されている前記片撚りコードにおける2.3cN/dtex荷重時の伸び率の比が1/1.1〜1/1.6であることを特徴とする空気入りタイヤを提供するものである。
この場合、前記ベルト層側の前記ベルト補強層に使われている前記片撚りコードは、2.3cN/dtex荷重時の伸び率が4.5〜5.5%であることが好ましい。
また、前記ベルト層側の前記ベルト補強層の前記片撚りコードよりも前記路面側の前記ベルト補強層の前記片撚りコードの方が前記撚り係数が大きく、前記ベルト層側の前記ベルト補強層の前記片撚りコードの撚り係数が300〜750であり、前記路面側の前記ベルト補強層の前記片撚りコードの撚り係数が550〜1000であることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤによれば、上記構成により、コード残存強力等が改善され耐久性がより優れるとともに、高速走行時の走行距離が長くなる等の高速性も優れる。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの子午線CLに対して右半分の断面形状を示す断面図である。 (a)は、図1に示す空気入りタイヤのベルト層とベルト補強層の配置を示す模式図であり、(b)〜(d)は、空気入りタイヤのベルト層とベルト補強層の配置の他の例を示す模式図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の空気入りタイヤを詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの子午線CLに対して右半分の断面形状を示す断面図である。
図1に示す空気入りタイヤ(以下、単にタイヤという)10は、トレッド部12と、ショルダー部14と、サイドウォール部16と、ビード部18とを主な構成部分として有する。図1中で示されていないタイヤ左半分についても、同様の構成を有する。
なお、以下の説明において、図1中に矢印で示すように、タイヤ幅方向とは、タイヤの回転軸(図示せず)と平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、回転軸と直交する方向をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。さらに、タイヤ内側とは、タイヤ径方向において図1中タイヤの下側、すなわちタイヤに所定の内圧を与える空洞領域Rに面するタイヤ内面側をいい、タイヤ外側とは、図1中タイヤの上側、すなわちタイヤ内周面と反対側の、ユーザーが視認できるタイヤ外面側をいう。
タイヤ10は、カーカス層20と、ベルト層22と、ベルト補強層24と、サイド補強層26と、ビードコア28と、ビードフィラー30と、トレッドゴム層32と、サイドウォールゴム層34と、リムクッションゴム層36と、インナーライナゴム38層とを主に有する。上述したように、図1中で示されていないタイヤ左半分についても、同様の構成を有するのはもちろんである。
トレッド部12には、タイヤ外側のトレッド面12aを構成する陸部12bと、トレッド面12aに形成されるトレッド溝12cとが設けられ、陸部12bは、トレッド溝12cによって区画される。トレッド溝12cは、タイヤ周方向に連続して形成される主溝とタイヤ幅方向に延在する複数のラグ溝(図示せず)を有する。トレッド面12aには、トレッド溝12cと陸部12bとによりトレッドパターンが形成される。
カーカス層20は、タイヤ幅方向に、トレッド部12に対応する部分から、ショルダー部14及びサイドウォール部16に対応する部分を経てビード部18まで延在してタイヤの骨格をなすものである。カーカス層20は、有機繊維からなる補強コードを一定間隔で一方向に向かって、例えば、タイヤ幅方向に向かって配列し、コードコーティングゴムで被覆した構成である。カーカス層20は、後述する左右一対のビードコア28にタイヤ内側からタイヤ外側に折り返され、サイドウォール部16の領域で端部Aを成しており、ビードコア28を境とする本体部20aと折り返し部20bとから構成されている。図1中で示されていないタイヤ左半分についても、同様の端部を有する。
ベルト層22は、タイヤ周方向に貼り付けられ、カーカス層20を補強するための補強層である。このベルト層22は、トレッド部12に対応する部分に設けられ、内側ベルト層40及び外側ベルト層42を有する。
本実施形態においては、内側ベルト層40及び外側ベルト層42は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、その補強コードが層間で互いに交差するように配置されている。内側ベルト層40及び外側ベルト層42は、補強コードが、例えば、スチールコードであり、コードコーティングゴムで被覆して構成されている。
ベルト層22の内側ベルト層40及び外側ベルト層42は、いずれも補強コードがスチールコードであることに限定されるものではなく、いずれか一方のみにスチールベルトを適用しても良いし、少なくとも一方を、ポリエステル、ナイロン、芳香族ポリアミド等からなる有機繊維コード等からなる従来公知の補強コードとしても良い。
タイヤ10においては、ベルト層22のタイヤ外側にベルト層22の補強を行うナイロン66マルチフィラメントヤーンを一方向に撚りを付与した片撚りコードを有するベルト補強層24がタイヤ周方向に配置されている。
本実施形態においては、ベルト補強層24は、少なくともショルダー部14に2層以上設けられるものである。ベルト補強層24は、例えば、ベルト層22の端部βのみを覆うように設けられている。
図1に示すように、模式的に示せば図2(a)に示すように、ベルト補強層24は、例えば、ベルト層22をタイヤ幅方向の端部のみを覆う第1のプライ44と、そのタイヤ外側に設けられ、ベルト層22のタイヤ幅方向の端部のみを覆う第2のプライ46とから構成されている。このベルト補強層24は、2層構造である。ベルト補強層24において、例えば、第1のプライ44と第2のプライ46とは略同じ大きさであり、タイヤ幅方向において略同じ位置に設けられている。
このようにベルト補強層24においては、第1のプライ44がベルト層22側に設けられており、第2のプライ46が路面側に設けられている。第1のプライ44および第2のプライ46は、いわゆるエッジカバーと呼ばれるものである。
ベルト補強層24においては、路面側の第2のプライ46のモジュラス(剛性)を小さくしベルト層側の第1のプライ44のモジュラス(剛性)を大きくしている。
本発明において、ショルダー部14とは、ベルト層22の端部βを中心に、少なくとも±10mmの範囲のことをいう。具体的には、ベルト層22を構成する内側ベルト層40の端部40a、及び外側ベルト層42の端部42aのうち、タイヤ幅方向における最端部である内側ベルト層40の端部40aを通る線Sを中心とした、両側の幅dが少なくとも10mmの領域をいう。
なお、ベルト補強層24については、後に詳細に説明する。また、ベルト補強層24の配置形態は、後述するように図1(図2(a))に示すものに限定されるものではない。
ビード部18には、カーカス層20を折り返し、タイヤ10をホイールに固定するために機能するビードコア28と、ビードコア28に接するようにビードフィラー30が設けられている。そのため、ビードコア28及びにビードフィラー30は、カーカス層20の本体部20aと折り返し部20bとで挟み込まれている。
また、ビード部18には、タイヤ周方向に対して傾斜する補強コードを含むサイド補強層26が埋設されている。
本実施形態においては、サイド補強層26は、ビード部18では、カーカス層20の本体部20aとビードフィラー30との間に、サイドウォール部16では、カーカス層20の本体部20aと折り返し部20bとの間に配置され、ビードコア28から折り返し部20bの端部Aよりもタイヤ径方向に沿って,ショルダー部14側の端部Bまで延在している。
なお、サイド補強層26の他端部Cは、カーカス層20の本体部20aとビードフィラー6との間の、ビードコア28近傍に存在する。なお、サイド補強層26は、ビード部18では、カーカス層20の折り返し部20bとビードコア28及び/又はビードフィラー30との間に、サイドウォール部16では、本体部20aと折り返し部20bとの間に配置されていても良いし、ビード部18では、折り返し部20bのタイヤ幅方向外側に、サイドウォール部16では、本体部20aの外側に配置されていても良い。さらに、これらを組み合わせて配置しても良い。
サイド補強層26は、スチールコードからなる補強コードを一定間隔でタイヤ周方向に対して傾斜した方向に向かって配列し、コードコーティングゴムで被覆して構成されている。このサイド補強層26の補強コードは、スチールコード以外にも、例えば、ポリエステル、ナイロンもしくは芳香族ポリアミド等からなる有機繊維コード等が用いられる。
サイド補強層26は、タイヤ10のサイド(側面)、すなわち、ビード部18及び/又はサイドウォール部16の補強を行うことができれば、ビード部18及び/又はサイドウォール部16の全部又は一部のみに設けられるものであってもよく、端部の位置も、限定されるものではない。例えば、サイド補強層26の端部をショルダー部14のベルト層22と接する領域まで延在させて、ビード部18及びサイドウォール部16の全部に対して設けられても良いし、ビード部18のみ、又はサイドウォール部16のみに対して設けられても良いし、例えば、ビード部18とサイドウォール部16とに分割するなど、複数に分割して設けられていても良い。
さらに、サイド補強層26を設ける領域を補強コードの種類に応じて変えても良い。例えば、サイド補強層26の補強コードとして、従来公知のスチールコードを用いる場合には、ビードフィラー30とカーカス層20の折り返し部20bとの間にサイド補強層26を配置するのが好ましく、有機繊維コードを用いる場合には、ビードコア28及びビードフィラー30を包み込むようにサイド補強層26を配置するのが好ましい。
タイヤ10は、この他にゴム材として、トレッド部12を構成するトレッドゴム層32と、サイドウォール部16を構成するサイドウォールゴム層34、リムクッションゴム層36、及びタイヤ内周面に設けられるインナーライナゴム層38を有する。
次に、ベルト補強層24について詳細に説明する。
ベルト補強層24において、ベルト層側の第1のプライ44及び路面側の第2のプライ46には、上述のナイロン66マルチフィラメントヤーンを一方向に撚りを付与した片撚りコードが用いられている。この片撚りコードは、繊度が900〜3000dtexである。
ベルト補強層24に使われている片撚りコード、すなわち、第1のプライ44及び第2のプライ46に使われている片撚りコードの繊度が900dtex未満である場合、ベルト補強層24の片撚りコードの打ち込み本数が増加し、タイヤの生産性が悪くなる。一方、ベルト補強層24で使われている片撚りコードの繊度が3000dtexを超えると、片撚りコードの打ち込み本数は低減できるものの、ゲージが厚くなるためタイヤの体積が増大し、タイヤの軽量化に適さない。
また、ベルト補強層24において、第1のプライ44及び第2のプライ46に使われている片撚りコードは、撚り係数Kが300〜1000である。
なお、撚り係数Kは、K=T√Dで規定されるものである。ここで、Tは、100mm当たりの撚り数、すなわち、撚り数/10cmである。Dは、片撚りコードの総繊度(dtex)である。
ベルト補強層24の片撚りコードの撚り係数Kが300未満であると、片撚りコードの疲労性が悪化する。これにより、タイヤの耐久性が低下する。一方、ベルト補強層24で使われている片撚りコードの撚り係数Kが1000を超えても、片撚りコードの疲労性が悪化する。この場合も、タイヤの耐久性が低下する。
ベルト補強層24において、ベルト層側の第1のプライ44に使用されている片撚りコードの撚り係数(K)と、路面側の第2のプライ46に使用されている片撚りコードの撚り係数(K)は、路面側の第2のプライ46の方が撚り係数が大きいことが好ましい。すなわち、ベルト層側の撚り係数K<路面側の撚り係数Kである。
また、ベルト層側の片撚りコードの撚り係数(K)は、300〜750であることが好ましい。路面側の片撚りコードの撚り係数(K)は、550〜1000であることが好ましい。
また、上述のように、ベルト層側の片撚りコードの撚り係数Kを、路面側の片撚りコードの撚り係数Kよりも小さくすることにより、ベルト層側の片撚りコードを伸び難くし、ベルト層側の片撚りコードの剛性を高めることができる。一方、路面側の片撚りコードの撚り係数を大きくすることにより、路面側の片撚りコードの耐疲労性を向上させることができる。
なお、ベルト層側の片撚りコードの撚り係数Kは、K=T√Dで規定されるものである。ここで、Tは、100mm当たりの撚り数、すなわち、撚り数/10cmである。Dは、ベルト層側の片撚りコードの総繊度(dtex)である。
また、路面側の片撚りコードの撚り係数Kは、K=T√Dで規定されるものである。ここで、Tは、100mm当たりの撚り数、すなわち、撚り数/10cmである。Dは、路面側の片撚りコードの総繊度(dtex)である。
ベルト補強層24においては、タイヤ10から、それぞれ採取したベルト層側の第1のプライ44に使用されている片撚りコードにおける2.3cN/dtex荷重時の伸び率と、路面側の第2のプライ46に使用されている片撚りコードにおける2.3cN/dtex荷重時の伸び率との比(ベルト/路面)が、1/1.1〜1/1.6である。これにより、タイヤの耐久性が優れるとともに、タイヤの高速性能も優れる。
上述の片撚りコードにおける2.3cN/dtex荷重時の伸び率との比(ベルト/路面)が、1/1.1未満であると、例えば、1/1.0であると、タイヤの耐疲労性、すなわち、タイヤの耐久性が低下する。
一方、片撚りコードにおける2.3cN/dtex荷重時の伸び率との比(ベルト/路面)が1/1.6を超えると、例えば、1/1.8であると、タガ効果が小さくなり、タイヤの高速性能が低下する。
ベルト補強層24においては、上述のように、片撚りコードにおける2.3cN/dtex荷重時の伸び率との比(ベルト/路面)、ベルト層側の第1のプライ44の片撚りコードの撚り係数(K)と、路面側の第2のプライ46の片撚りコードの撚り係数(K)を、ベルト層側の撚り係数K<路面側の撚り係数Kとすることにより、路面側の第2のプライ46のモジュラスを小さくし、ベルト層側の第1のプライ44のモジュラスを大きくしている。
また、ベルト層側の第1のプライ44に使われている片撚りコードは、2.3cN/dtex荷重時の伸び率が4.5〜5.5%であることが好ましい。
ベルト層側の第1のプライ44に使われている片撚りコードにおいて、2.3cN/dtex荷重時の伸び率が4.5%未満である場合、極めて高テンションで接着熱処理をする必要がある。この場合、熱収縮が大きくなり、加硫時にベルト層の不均一化を招き、タイヤの高速性能が悪化する虞がある。
一方、ベルト層側の第1のプライ44に使われている片撚りコードにおいて、2.3cN/dtex荷重時の伸び率が5.5%を超える場合、伸び率が大きいため、タガ効果が低減する虞がある。
なお、本発明で規定する片撚りコードの伸び率は、タイヤ10から採取した片撚りコードの値であり、タイヤ10から片撚りコードを採取した直後に測定した伸び率の値である。
本発明において、2.3cN/dtex荷重時の伸び率は、タイヤから採取したコードが吸湿しないように、採取後すぐに、例えば、1分以内に、JIS L 1017,8.7一定荷重時伸び率a)標準時試験に準拠して測定したものである。
本実施形態においては、ベルト補強層24の構成は、図1、図2(a)に示す形態に限定されるものではない。例えば、図2(b)に示すベルト補強層24aのように、ベルト層側の第1のプライ44aを、ベルト層22の全域を覆う構成、いわゆるフルカバーとしてもよい。また、図2(c)に示すベルト補強層24bのように、第2のプライ46aをベルト層22の全域を覆う構成、いわゆるフルカバーとしてもよい。さらには、図2(d)に示すベルト補強層24cのように、第1のプライ44a及び第2のプライ46aをベルト層22の全域を覆う構成、いわゆるフルカバーとしてもよい。
本実施形態のタイヤ10においては、ベルト補強層24を構成する第1のプライ44及び第2のプライ46にナイロン66マルチフィラメントヤーンを一方向に撚りを付与した片撚りコードを用い、このベルト補強層24を、少なくともショルダー部14に2層以上設ける。片撚りコードについて、繊度を900〜3000dtexとし、Tを100mm当たりの撚り数とし、Dを片撚りコードの総繊度(dtex)とするとき、K=T√Dで表される撚り係数Kを300〜1000とする。さらに、タイヤから採取したベルト層側の第1のプライ44と路面側の第2のプライ46に使用されている片撚りコードの2.3cN/dtex荷重時の伸び率の比を1/1.1〜1/1.6とする。これにより、コード残存強力等が改善され、タイヤの耐久性がより優れるとともに、高速走行時の走行距離が長くなる等のタイヤの高速性能も優れる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の空気入りタイヤの実施例について、具体的に説明する。
本実施例においては、下記表1に示す構成の実施例1〜8、比較例1および比較例2のタイヤを作製し、各タイヤについて、コード残存強力及び高速性能を測定した。コード残存強力及び高速性能の結果を下記表1に示す。
なお、各タイヤのタイヤサイズは205/55R16であり、タイヤの構造は、図1、図2(a)に示す構造である。また、下記表1の「コード構造」の欄の「1400/1」は、繊度が1400dtexのナイロン66マルチフィラメントヤーンを一方向に撚りを付与したものを示す。また、「2100/1」は、繊度が2100dtexのナイロン66マルチフィラメントヤーンを一方向に撚りを付与したものを示す。
本実施例において、コード残存強力は、耐久性を評価するためのものであり、以下のようにして測定した。
まず、実施例1〜8、比較例1および比較例2の各タイヤを、サイズが16×6.5JJのリムに組み込み、空気を空気圧240kPa、充填した後、室内ドラム試験機(ドラム径:1707mm)を用いて、走行速度81km/hで、負荷荷重を最大荷重88%から2時間毎に13%ずつ荷重を増加させながら、4000km走行させた。その後、実施例1〜8、比較例1および比較例2の各タイヤから、それぞれ路面側の第2の層46から片撚りコードを採取し、JIS L 1017,8.5.標準時試験に基づいて、コード残存強力を測定した。
また、高速性能は、以下のように測定したものである。
まず、実施例1〜8、比較例1および比較例2の各タイヤを、サイズが16×6.5JJのリムに組み込み、空気を空気圧230kPa、充填した後、室内ドラム試験機(ドラム径:1707mm)を用いて、JATMA規定の最大荷重の70%に相当する荷重を負荷させて、速度を200km/hにて1時間走行させ、次いで10分毎に速度を10km/hずつ加速させながら、タイヤが破壊するまで走行を続けた。そして、タイヤが破壊するまでの走行距離を以って高速性能の評価とした。高速性能については、比較例1を100とした指数で表している。
なお、2.3cN/dtex荷重時の伸び率については、タイヤから採取した片撚りコードが吸湿しないように採取後、1分以内に、JIS L 1017,8.7一定荷重時伸び率a)標準時試験に準拠して測定した。
Figure 2012035799
上記表1に示すように、実施例1〜3は、路面側の第2のプライの片撚りコードの2.3cN/dtex荷重時の伸び率をベルト層側の第1のプライの片撚りコードよりも大きくすることで、路面側の第2のプライの片撚りコードがタイヤ回転時のタイヤの変形に追従し易くなった。このため、コード残存強力が比較的高く、タイヤの耐疲労性(耐久性)が優れるとともに、タイヤの高速性能も優れていた。実施例1〜3に示すように、路面側の第2のプライの片撚りコードの2.3cN/dtex荷重時の伸び率が大きくなるほど、タイヤ回転時の変形に追従し易くなるため、実施例1〜3の順でコード残存強力が高くなり、タイヤの耐疲労性(耐久性)も、その順で向上した。
実施例4は、極めて高テンションで接着熱処理を行い、ベルト層側の第1のプライの片撚りコードの2.3cN/dtex荷重時の伸び率を低くしたものである。その結果、実施例4は、熱収縮率が大きくなり、加硫時のベルト層の不均一性が助長され、後述する2.3cN/dtex荷重時の伸び率が高い実施例5に比べ、タイヤの高速性能が低下した。
実施例5は、ベルト層側の第1のプライの片撚りコードの2.3cN/dtex荷重時の伸び率を小さくし、ベルト層側の第1のプライのモジュラスを高める一方、路面側の第2のプライの片撚りコードの2.3cN/dtex荷重時の伸び率を大きくしたものである。これにより、タイヤの高速性能が優れ、更には路面側の第2のプライの片撚りコードのコード残存強力が比較的高く、タイヤの耐疲労性(耐久性)も優れていた。
実施例6は、通常よりも低テンションで接着熱処理を行い、ベルト層側の第1のプライの片撚りコードの2.3cN/dtex荷重時の伸び率を高くしたものである。その結果、実施例6は、タイヤの高速性能については実施例4と同じレベルであるが、コード残存強力が比較的高く、タイヤの耐疲労性(耐久性)が優れていた。
実施例7は、ベルト層側の第1のプライの片撚りコードの撚り係数を下げることで2.3cN/dtex荷重時の伸び率を下げるとともに、路面側の第2のプライの片撚りコードの撚り係数を上げることで2.3cN/dtex荷重時の伸び率を大きくしたものである。その結果、実施例7は、路面側の第2のプライの片撚りコードのコード残存強力が比較的高く、タイヤの耐疲労性(耐久性)が優れており、タイヤの高速性能も優れていた。
実施例8は、実施例3と同じく、路面側の第2のプライの片撚りコードの2.3cN/dtex荷重時の伸び率をベルト層側の第1のプライの片撚りコードよりも大きくすることにより、路面側の第2のプライの片撚りコードがタイヤ回転時のタイヤの変形に追従し易くなった。このため、タイヤの耐疲労性(耐久性)が優れるとともに、タイヤの高速性も優れていた。実施例8は、ベルト補強層の片撚りコードの繊度を上げており、片撚りコードのフィラメント同士が擦れあう確率が上がるため、実施例3に比べコード残存強力が若干低かった。
一方、比較例1は、路面側の第2のプライの片撚りコードとベルト層側の第1のプライの片撚りコードとの2.3cN/dtex荷重時の伸び率を同じにしたため、すなわち、ベルト/路面=1/1.0としたため、路面側の第2のプライに大きな歪がかかり、コード残存強力が小さくなり、タイヤの耐疲労性(耐久性)が低い。
比較例2は、路面側の第2のプライの片撚りコードの2.3cN/dtex荷重時の伸び率を大きくしすぎたため、すなわち、ベルト/路面=1/1.8としたため、タガ効果が小さくなり、タイヤの高速性能が低い。
10 空気入りタイヤ(タイヤ)
12 トレッド部
14 ショルダー部
16 サイドウォール部
18 ビード部
20 カーカス層
22 ベルト層
24,24a〜24c ベルト補強層
26 サイド補強層
28 ビードコア
30 ビードフィラー
32 トレッドゴム層
34 サイドウォールゴム層
36 リムクッションゴム層
38 インナーライナゴム層
40 内側ベルト層
42 外側ベルト層
44、44a 第1のプライ
46、46a 第2のプライ

Claims (3)

  1. ナイロン66マルチフィラメントヤーンを一方向に撚りを付与した片撚りコードを備えるベルト補強層がベルト層上に設けられた空気入りタイヤであって、
    前記ベルト補強層は、タイヤ周方向に配置されるものであり、少なくともショルダー部に2層以上設けられており、
    前記ベルト補強層に使われている前記片撚りコードは、繊度が900〜3000dtexであり、Tを100mm当たりの撚り数とし、Dを前記片撚りコードの総繊度(dtex)とするとき、K=T√Dで表される撚り係数Kが300〜1000であるとともに、タイヤから採取されたベルト層側の前記ベルト補強層に使用されている前記片撚りコードと、前記ベルト層とは反対側の路面側の前記ベルト補強層に使用されている前記片撚りコードにおける2.3cN/dtex荷重時の伸び率の比が1/1.1〜1/1.6であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ベルト層側の前記ベルト補強層に使われている前記片撚りコードは、2.3cN/dtex荷重時の伸び率が4.5〜5.5%である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト層側の前記ベルト補強層の前記片撚りコードよりも前記路面側の前記ベルト補強層の前記片撚りコードの方が前記撚り係数が大きく、
    前記ベルト層側の前記ベルト補強層の前記片撚りコードの撚り係数が300〜750であり、
    前記路面側の前記ベルト補強層の前記片撚りコードの撚り係数が550〜1000である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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KR101737386B1 (ko) * 2016-05-10 2017-05-19 한국타이어 주식회사 듀얼 보강벨트 구조를 가지는 공기입 타이어
JP2019517627A (ja) * 2016-06-09 2019-06-24 コルドサ・テクニク・テクスティル・アノニム・シルケティKordsa Teknik Tekstil Anonim Sirketi 高モジュラス片撚りナイロン6.6糸

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