JP2012028136A - 導電膜形成用導電粒子分散物、プリント配線板の製造方法及び導電膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性が高く長期絶縁性能に優れた導電膜形成用導電粒子分散物、プリント配線板の製造方法及び導電膜形成方法を提供する。
【解決手段】全塩素濃度が300ppm以下、好ましくは50ppm以下のエポキシ樹脂を含むバインダー樹脂と有機溶媒との混合液に、導電粒子として金属微粒子及び/または金属酸化物微粒子を分散させて導電膜形成用導電粒子分散物とし、この導電膜形成用導電粒子分散物をスクリーン印刷等により電気絶縁体層の表面に塗布して塗膜を形成し、塗膜をマイクロ波で焼成して導電膜パターンを形成する。
【選択図】なし
【解決手段】全塩素濃度が300ppm以下、好ましくは50ppm以下のエポキシ樹脂を含むバインダー樹脂と有機溶媒との混合液に、導電粒子として金属微粒子及び/または金属酸化物微粒子を分散させて導電膜形成用導電粒子分散物とし、この導電膜形成用導電粒子分散物をスクリーン印刷等により電気絶縁体層の表面に塗布して塗膜を形成し、塗膜をマイクロ波で焼成して導電膜パターンを形成する。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電膜形成用導電粒子分散物、プリント配線板の製造方法及び導電膜形成方法に関する。
近年、低エネルギー、低コスト、高スループット、オンデマンド生産等の優位点から印刷法による配線パターンの形成が有望視されている。この配線パターンの形成技術は、金属元素を含むインク・ペーストを用い印刷法によりパターン形成した後、印刷された配線パターンに金属伝導性を付与することにより実現される。
例えば、下記非特許文献1〜非特許文献5には、無機または有機の銀もしくは銅の前駆体を含むインクを使用する技術が開示されている。ここで、上記前駆体は、印刷後の熱アニール(焼結)のステップを経て金属層に転換される。なお、上記前駆体に金のナノ粒子を使用する例も報告されているが、通常は銀が使用されている。
ここで、下記特許文献1は、インクジェットコーティング用及び還元性雰囲気中での焼結を経て導電性表面に変換される構造化表面を発生するための微粒子状無機粒子を含有する調製品を開示している。
また、下記特許文献2は、表層構造をインクジェット印刷し、レーザー光線により焼結することによって基材上に焼結した構造物を製造する方法を開示している。この方法を繰り返すことによって多層構造が生ずる。
また、下記特許文献3及び特許文献4には、マイクロ波エネルギーによるインク乾燥方法が開示されている。
また、下記特許文献5には、金属ナノ粒子を使用して、導電性経路(回路)をインクジェット印刷するための方法が開示されている。また、種々の加熱方法も開示されている。
また、下記特許文献6には、収縮性フィルムを収縮させるためのマイクロ波放射の使用が開示されている。本文献には、収縮性ポリマーフィルムを加熱する様々な方法が開示されており、その1つがマイクロ波加熱である。
また、下記特許文献7には、熱可塑性基材中に埋め込まれた導電性回路の形成技術が開示されている。ただし、本文献の開示内容は、基材表面の導電性金属パターンの形成ではない。
また、下記特許文献8には、誘電性支持体上の熱処理コーティングにマイクロ波エネルギーを適用する方法が開示されている。
A. L. Dearden他、Macromol. Rapid Commun.2005, 26, 315-8
Z. Liu 他、Thin Solid Films 2005,478, 275-9
J. B. Szczech他、IEEE Trans. on Electronics Packaging Manuf., 2002,25, 26-33
C. M. Hong 他、IEEE Electron DeviceLetters, 2000, 21, 384-6
T. Cuk 他、Appl. Phys. Lett. 2000, 77,2063-5
上記各先行技術では、金属粒子を焼結及び/または融解させて、基板表面上に導電膜を形成する際に、インク・ペースト等の導電膜形成用導電粒子分散物が使用される。この導電膜形成用導電粒子分散物に含有されるバインダー樹脂には、一般にフィルム基材との密着性に優れたエポキシ樹脂が使用されているが、エポキシ樹脂には原料のエピクロルヒドリン由来のハロゲン原子が含まれている。金属箔をフォトリソグラフィー法にてエッチングした金属回路の場合には電気絶縁性能の低下は生じにくいが、特に金属粒子を焼結及び/または融解させて金属回路を作成する場合には、元の金属粒子由来の粒界に対して、これらハロゲン化合物が腐食等の悪影響を与え、長期絶縁性能が低下するという問題がある。特に、短時間で焼成を行うことが出来るマイクロ波加熱を利用した場合には、その悪影響が顕著であった。
本発明の目的は、生産性が高く長期絶縁性能に優れた導電膜形成用導電粒子分散物、プリント配線板の製造方法及び導電膜形成方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、導電膜形成用導電粒子分散物であって、全塩素濃度が300ppm以下、好ましくは50ppm以下のエポキシ樹脂を含むバインダー樹脂と有機溶媒との混合液に金属微粒子及び/または金属酸化物微粒子を分散させたことを特徴とする。
また、上記エポキシ樹脂は、過酸化物を酸化剤として炭素−炭素二重結合を有する原料化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化したもの、あるいはアリルエーテル基を二個以上持つ化合物を過酸化水素によりエポキシ化したものであることを特徴とする。
また、上記金属微粒子を構成する金属は、金及び/または銀及び/または銅及び/またはアルミニウムであることが好ましく、特に銀であることが好ましい。
また、上記金属微粒子及び金属酸化物微粒子は、1nmから100μmの間の体積平均粒径を有することが好ましく、特に0.1μmから100μmの間の体積平均粒径または1nmから200nmの間の体積平均粒径を有することが好ましい。
また、本発明の一実施形態は、プリント配線板の製造方法であって、上記いずれかの導電膜形成用導電粒子分散物を電気絶縁体層の表面に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を焼成して導電膜を形成することを特徴とする。
また、上記電気絶縁体層を構成する材料は、ポリマー、無機材料、半導体基材、天然繊維及び/または人造繊維を含有する繊維質基材、ポリマー及び/または天然材料で構成されたフィルム、ポリマー及び/または天然材料で構成されたシート材料からなる群から選択されることを特徴とする。
また、上記電気絶縁体層を構成する材料は、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエーテルケトン、ポリシロキサン、ポリアリーレンスルフィドからなる群から選択されることを特徴とする。
また、上記電気絶縁体層を構成する材料は、ポリイミドシート、ポリエステルシートまたはポリエーテルイミドシートであることを特徴とする。
また、上記導電膜形成用導電粒子分散物の塗布方法として印刷を使用することを特徴とする。
また、上記導電膜形成用導電粒子分散物の印刷方法がスクリーン印刷であることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、導電膜形成方法であって、上記いずれかの導電膜形成用導電粒子分散物を塗布した後、上記有機溶媒を必要に応じて乾燥後、マイクロ波放射を用いて加熱して、上記金属粒子及び/または上記金属酸化物粒子を融解及び/または焼結させ、電気絶縁体層の表面上に導電膜パターンを形成させることを特徴とする。
また、上記マイクロ波放射が、単一モードのマイクロ波放射であることを特徴とする。
また、上記導電膜形成方法は、プリント回路若しくは集積回路の製造、化粧板の製造、データ記録媒体若しくはデータ保存媒体の製造、プリント配線板の製造、電波方式認識デバイス(RFタグ)の製造、または電気デバイスの製造に適用されることを特徴とする。
また、上記導電膜形成方法は、加熱素子、抵抗器、コイルまたはアンテナの製造に適用されることを特徴とする
本発明によれば、全塩素濃度が50ppm以下のエポキシ樹脂を含むバインダー樹脂を使用することにより、生産性が高く長期絶縁性能に優れた導電膜形成用導電粒子分散物、プリント配線板の製造方法及び導電膜形成方法を実現できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を説明する。
本実施形態にかかる導電膜形成用導電粒子分散物は、全塩素濃度が300ppm以下、好ましくは50ppm以下のエポキシ樹脂を含むバインダー樹脂と有機溶媒との混合液に、導電粒子として金属微粒子及び/または金属酸化物微粒子を分散させたものである。
ここで、上記エポキシ樹脂は、過酸化物を酸化剤として炭素−炭素二重結合を有する原料化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化し、あるいはアリルエーテル基を二個以上持つ化合物を過酸化水素によりエポキシ化することにより得ることができる。
なお、ここで言う炭素−炭素二重結合とは、炭素数4から12のシクロアルケン、共役していないシクロアルカジエンが有する炭素−炭素二重結合をさす。また、アリルエーテル基とは、CH2=CH−CH2−0−で表される官能基をいう。
このようなエポキシ樹脂としては、フェニルアリルエーテル類、クレゾールモノアリルエーテル類、シクロヘキセン類、シクロオクテン類等であり、例えばビスフェノール−Aジアリルエーテル、ノボラック型フェノール系樹脂のアリルエーテル化合物、シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、3、4−シクロヘキセニルメチル−3’、4’−シクロヘキセンカルボキシレート等を酸化によりエポキシ化した化合物が例示できる。
これらの中でも、アリルエーテル基を二個以上有する化合物を使用することが好ましく、例えば、以下の一般式(1)で表される化合物を過酸化水素によりエポキシ化したグリシジルエーテル化合物がある。
このような化合物としては、具体的には、ビスフェノール−Aジアリルエーテル、ビスフェノール−Fジアリルエーテル、2,6,2’,6’−テトラメチルビスフェノール−Aジアリルエーテル、2,2’−ジアリルビスフェノール−Aジアリルエーテル、2,2’−ジ−t−ブチルビスフェノール−Aジアリルエーテル、2,6,2’,6’−テトラメチルビフェノールジアリルエーテル、2,2’−ジイソプロピルビフェノールジアリルエーテル、4,4’−エチリデンビスフェノールジアリルエーテル、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノールジアリルエーテル、4,4’−(1−α−メチルベンジリデン)ビスフェノールジアリルエーテル、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ビスフェノールジアリルエーテル、4,4’−(1−メチル−ベンジリデン)ビスフェノールジアリルエーテルなどが挙げられる。
芳香環を有し、かつアリルエーテル基を二個有するビフェニル型ジアリルエーテルとしては、具体的には、2,2’−ビフェニルジアリルエーテル、テトラメチルビフェニルジアリルエーテルなどが挙げられる。
また、クレゾールノボラック樹脂やフェノールノボラック樹脂のようなポリフェノールをアリルエーテル化したものを過酸化水素によりエポキシ化した化合物も用いることができる。
特に、ビフェニル型やクレゾールノボラック型のエポキシ樹脂は融点が100℃以上のものも有り、後述(実施例2)のようにある種の粒径の金属微粒子に対して好ましい。
また、アリルエーテル基を二個有する脂肪族ポリアリルエーテルをエポキシ化したものも用いることができ、具体的には、1,5−ペンタンジオールジアリルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジアリルエーテル、1,9−ノナンジオールジアリルエーテル、1,10−デカンジオールジアリルエーテル、ネオペンチルグリコールジアリルエーテルなどが挙げられる。
アリルエーテル基を二個有する脂環式ジオレフィンとしては、具体的には、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジアリルエーテルなどが挙げられ、これらの化合物を過酸化水素によりエポキシ化したエポキシ化合物を用いることができる。
これらのエポキシ樹脂の中でも、特に芳香環を持ったエポキシ樹脂が好ましく、特にビスフェノール−Aジアリルエーテル、ビスフェノール−Fジアリルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリアリルエーテルを過酸化水素によりエポキシ化した化合物が好ましい。
これらのエポキシ樹脂に対しては通常は酸無水物、ポリアミン、ポリフェノール化合物のような硬化剤を併用する。
このような硬化剤としては、具体的に酸無水物の場合には、ヘキサヒドロ無水フタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレンヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸のほか、α−テルピネンやアロオシメン等の共役二重結合を有する脂環式化合物と無水マレイン酸とのディールス・アルダー反応生成物やこれらの水素添加物等の脂環式カルボン酸無水物系硬化剤や、芳香族酸無水物としては無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等であり、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等がある。
ポリアミンとしては、脂肪族アミンとしてジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロプレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、水添ジアミノジフェニルメタンなどがあり、芳香族アミンとしてはm−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォンなどがある。
ポリフェノール化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂のようないわゆるフェノール樹脂やポリビニルフェノール等が用いられる。
また、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進するために、イミダゾールやジシアンジアミドのような硬化促進剤を併用することもできる。
また、使用する有機溶媒については、印刷方式によって異なってくるが、インクジェット方式の場合には、水系インクの場合には水と溶解しうるアルコール系やポリエーテル系の溶媒が用いられる。このような有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、3−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなエテール基を持ったアルコール系溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒がある。また、有機溶媒系の場合にはトルエン、キシレン、シクロヘキセンのような炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサンのようなケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル系溶媒が使用できる。
また、スクリーン印刷の場合には、沸点が200℃以上の溶媒が好ましく、このようなものとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の溶媒がある。
本実施形態では、導電膜形成用導電粒子分散物をスクリーン印刷等により電気絶縁体層の表面に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を焼成して導電膜(導電膜パターン)を形成することによりプリント配線板等を製造する。この場合、塗膜の焼成は、例えばマイクロ波を放射することにより行うことができる。上記電気絶縁体層は、プリント配線板等の基板となるが、上記塗膜に含まれる導電粒子(金属微粒子及び/または金属酸化物微粒子)よりもマイクロ波の吸収率が小さい材料により構成される。すなわち、電気絶縁体層を構成する材料の誘電損率e”が、上記塗膜を形成している導電粒子の誘電損率e”より低くなるように電気絶縁体層の材料を選択する。一般に電気絶縁体層の誘電損率e”は、導電粒子の誘電損率e”の50%未満、好ましくは10%未満とする。これは、マイクロ波がより高い誘電損率を有する材料の側に集中し、電気絶縁体層の表面に形成された塗膜を選択的に加熱することができ、導電性及び機械的強度等の特性を向上することができるからである。
電気絶縁体層を構成する材料としては、例えばポリマー類(エラストマーを含む熱可塑性ポリマー及びデュロプラスチックポリマー)、セラミック材料等の無機材料、シリコンまたはガリウムヒ素等の半導体基材類、不織布を含む布地シートあるいは紙などの天然及び/または人造繊維を含有する繊維質基材、皮革、木材、熱可塑性シート等のポリマー及び/または天然材料でできているフィルム及びシート材料、バルク材及び上記熱可塑性シートあるいはバルク材を含有する複合体が含まれる。
上記電気絶縁体層は、多種多様な特性を有することができる。例えば、それらは透明もしくは不透明であることができ、またはそれらは結晶性もしくは非結晶性であることができ、あるいはそれらは顔料、帯電防止剤、充填剤、強化材、滑剤、加工助剤ならびに熱及び/または光安定剤等の補助物質を含有することができる。
上記電気絶縁体層を構成する樹脂材料(ポリマー類)としては、熱可塑性ポリマー類、例えば、ポリエステル類(例えばポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリエーテルイミド類、ポリカーボネート類、ポリオレフィン類(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)、ポリエーテルケトン類、ポリシロキサン類及びポリフェニレンスルフィド等のポリアリーレンスルフィド類等がある。これらのうち、ポリイミドシート、ポリエステルシートまたはポリエーテルイミドシートが特に好ましい。
回路パターン等の導電膜を形成する材料である上記金属微粒子及び金属酸化物微粒子は、一般に金属合金を含むそれぞれの金属(以後、あわせて金属類と呼ぶ)または導電性金属酸化物を材料として選ぶことができる。金属類の非限定的な例は、例えば金及び/または銀及び/または銅及び/またはアルミニウムである。また、導電性金属酸化物の例は、インジウムスズ酸化物である。なお、様々な金属類の混合物もまた使用することができる。
上記金属微粒子及び/または金属酸化物微粒子により導電性を発現するためには二つのタイプがある。ひとつは金属微粒子及び/または金属酸化物微粒子の表面を接触させ抵抗を下げるタイプであり、これは表面に付着した樹脂を加熱により溶融して金属及び/または金属酸化物の表面同志を接触させるものである。もう一方は、加熱により金属及び/または金属酸化物を焼結し導電性を発現させるタイプである。
これらの金属微粒子及び/または金属酸化物微粒子としては、粒子間の表面の接触により抵抗を下げる場合には、ある程度粒子径が大きく扁平粉であることが望ましい。また、金属としては銀、銅、アルミが好ましい。粒子径としてはあまりに微細であると金属表面上で、接触面積を大きくとることができず、あまりに大きいと導電性の確保の点では有利であるが、配線としてのパターニングが出来ないので、体積平均粒径が0.1〜100μm、より好ましくは2〜10μmが好ましい。また、アスペクト比としては大きいほど接触面積が確保できるので好ましく、少なくとも5以上、より好ましくは10以上のものが良い。また、バインダー樹脂としても融点が100℃程度のものを使用することが好ましい。
加熱により焼結して導電性を発現するタイプのものとしては、粒子径が小さいほど融点が下がるので好ましい。このようなものとしては金属としては銀や金が好ましく、体積平均粒径は200nm以下、より好ましくは50nm以下が好ましい。なお、この場合の体積平均粒径は理論的には小さいほど好ましいが、合成可能性の観点から下限を1nmとしている。
体積平均粒径の測定方法としては、粒子径が0.1μm以上のものはレーザー回折・散乱式粒度分析計を使用することが出来、1μm以下のものは動的光散乱式粒度分析計により測定できるので、粒径により使い分けて測定すればよい。また、透過型電子顕微鏡(TEM)によっても測定することができる。なお、TEMによる体積平均粒径測定は、画像処理により行うことができる。例えば、TEM写真で20点以上の粒子を測定し、市販ソフト(例:住友金属テクノロジー株式会社製「画像解析・画像計測ソフトウェア 粒子解析Ver3」)を用いて円(=球)近似した粒子径を求め、更に数学的に処理して体積平均粒径を求めることができる。
また、アスペクト比の測定方法としては、粒度分布画像解装置を用いて測定することが出来る。
金属微粒子または金属酸化物微粒子は、マイクロ波放射、すなわち、自由空間における1mmから1mまで変化する波長のそれぞれおよそ300GHzから300MHzの間の周波数に相当する電磁放射線を吸収する。マイクロ波処理の使用は一般的に従来の加熱方法と比較して10倍以上加熱時間を減少することが見出されている。
本実施形態の導電膜形成方法において、プリント配線板等を製造するために導電膜パターンを形成する場合には、上述したように、導電膜形成用導電粒子分散物をスクリーン印刷等により電気絶縁体層の表面に塗布し、所定の塗膜パターンを形成する。なお、オフセット印刷またはインクジェット印刷を使用することもできる。
上記スクリーン印刷に使用する導電膜形成用導電粒子分散物は、金属微粒子または金属酸化物微粒子のコーティング材料をペーストまたは流動体にする担体材料中の分散体とする。ペースト状コーティング材料は以後「ペースト」と称する。また、流動体コーティング材料は以後「インク」と称する。
上記担体材料は、バインダー樹脂と有機溶媒とを含んでいる。また、バインダー樹脂には、上述したエポキシ樹脂等を使用する。
ペーストまたはインクを電気絶縁体層の表面に塗布するとき、担体材料は、例えば電気絶縁体層を加熱したときの電気絶縁体層の温度で蒸発または分解する担体材料を選択することによって焼成時に除去することができる。また、必要に応じて、別の加熱処理ステップにおいて塗膜パターンの形成後に有機溶媒を蒸発させて塗膜パターンを乾燥させてもよい。さらに、担体材料の蒸発または分解は、マイクロ波放射による加熱処理により実施することができる。
マイクロ波は、その大部分が誘電損率e”の大きい金属微粒子または金属酸化物微粒子に集中するため、金属微粒子または金属酸化物微粒子が選択的に加熱される。マイクロ波放射の吸収によって発生した熱のほとんどは、金属微粒子または金属酸化物微粒子内で発生し、これらを融解及び/または焼結させ、それにより形成された導電膜パターンの導電性または機械的強度等の特性を向上させることができる。上記マイクロ波は、単一モードのマイクロ波が好適に使用される。
以上に述べた本実施形態を実施するための設備は、既知の装置から選択することができる。スクリーン印刷装置、熱処理装置及びマイクロ波発振器は技術的に知られており市販されている。
導電膜パターンを含む加工した電気絶縁体層は、集積して内側及び表面に導電膜パターンを有するいくつかの電気絶縁体層を備えた積層体とすることができる。その積層体は、金属の導電膜パターンを含む電気絶縁体層のほかに他の材料の層を含むことができる。
本実施形態にかかる導電膜形成方法は、例えばプリント回路若しくは集積回路の製造、化粧板の製造、データ記録媒体若しくはデータ保存媒体の製造、プリント配線板の製造、電波方式認識デバイス(RFタグ)の製造、または加熱素子、抵抗器、コイルまたはアンテナのような電気デバイスの製造のために使用することができる。
以下、本発明の具体例を実施例として説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
合成例1
・3,4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリルエステルの合成とその重合体の作製
Na2WO4・2H2O(500mg,1.5mmol)、40質量%過酸化水素水溶液(7.65g,90mmol)、硫酸水素メチルトリオクチルアンモニウム(260mg,0.56mmol)及び3−シクロヘキセン−1−カルボン酸アリル(12.5g,75mmol)を混合し、25℃にて15分間反応させた後、70℃まで昇温し、3.5時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却させた。チオ硫酸ナトリウム飽和水溶液にて後処理を行った後、有機層を取り出した。得られた溶液をガスクロマトグラフィーにて測定したところ、原料である3−シクロヘキセン−1−カルボン酸アリルの転化率は79%であり、2官能性エポキシモノマーである3,4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリルエステルが69%の収率で生成していることを確認した。ジエポキシドは全く生成しておらず、モノエポキシドの選択率が87.3%であるという結果が得られた。
・3,4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリルエステルの合成とその重合体の作製
Na2WO4・2H2O(500mg,1.5mmol)、40質量%過酸化水素水溶液(7.65g,90mmol)、硫酸水素メチルトリオクチルアンモニウム(260mg,0.56mmol)及び3−シクロヘキセン−1−カルボン酸アリル(12.5g,75mmol)を混合し、25℃にて15分間反応させた後、70℃まで昇温し、3.5時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却させた。チオ硫酸ナトリウム飽和水溶液にて後処理を行った後、有機層を取り出した。得られた溶液をガスクロマトグラフィーにて測定したところ、原料である3−シクロヘキセン−1−カルボン酸アリルの転化率は79%であり、2官能性エポキシモノマーである3,4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリルエステルが69%の収率で生成していることを確認した。ジエポキシドは全く生成しておらず、モノエポキシドの選択率が87.3%であるという結果が得られた。
なお、転化率及び選択率は、ガスクロマトグラフィーにより分析した結果を元に、以下の計算式により計算した。
転化率(%)=(1−残存した原料のモル数/使用した原料のモル数)×100
選択率(%)={(収率(%)/転化率(%)}×100
選択率(%)={(収率(%)/転化率(%)}×100
これとほぼ同様の方法でスケールアップを行って得られた3,4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリルエステル100gを、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート80g、安息香酸アリルエステル89g、t−ブチルイソプロピルパーオキシカーボネート(日本油脂株式会社製パーブチルI(主成分75%含有))4.7gとともに攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた500mlセパラブルフラスコに仕込み、110℃に昇温後、1時間撹拌した。t−ブチルイソプロピルパーオキシカーボネートを、1時間毎、3回に分けて4.7gずつ添加し、添加終了後さらに110℃、窒素雰囲気下で2時間熟成することによって、エポキシ基含有重合体溶液を得た。反応は窒素気流下で行った。
反応中、ガスクロマトグラフィーで、3,4−エポキシシクロヘキサン−1−カルボン酸アリルエステルと安息香酸アリルエステルの残量を測定し、転化率を算出することによって反応を追跡し、両エステルが1%以下になった点を反応終点とした。この時点でのゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCと省略する)の結果と合わせて、重合反応が進行したことを確認した。得られた樹脂の固形分のエポキシ当量は381g/eq.(理論エポキシ当量344g/eq.)、数平均分子量Mnは1,315であった。また、塩素濃度の測定はイオンクロマトにより行った(前処理燃焼装置 AGF−100(株式会社三菱化学アナリティック製)、ガス吸着装置 GA−100(株式会社三菱化学アナリティック製)、イオンクロマト ICS−100(ダイオネクス・コーポレーション製))。全塩素濃度は6ppmであった。
合成例2
・3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジアリルエーテルの合成
2000mlのナス型フラスコに、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェニルジオール(中国:甘粛省化工研究院製)150g(0.619mol)、50%含水5%−Pd/C−STDタイプ(エヌ・イーケムキャット株式会社製)1.32g(0.310mol)、トリフェニルホスフィン(北興化学株式会社製)1.624g(6.19mmol)、炭酸カリウム(日本曹達株式会社製)171g(1.24mol)、酢酸アリル(昭和電工株式会社製)136g(1.36mol)、及びイソプロパノール68.1gを入れ、窒素雰囲気中、85℃で8時間反応させた。反応後、一部サンプリングし、酢酸エチルで希釈後、ガスクロマトグラフィーによる分析で、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジアリルエーテル対モノアリルエーテルの比率が97:3までになっていることを確認した。
・3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジアリルエーテルの合成
2000mlのナス型フラスコに、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェニルジオール(中国:甘粛省化工研究院製)150g(0.619mol)、50%含水5%−Pd/C−STDタイプ(エヌ・イーケムキャット株式会社製)1.32g(0.310mol)、トリフェニルホスフィン(北興化学株式会社製)1.624g(6.19mmol)、炭酸カリウム(日本曹達株式会社製)171g(1.24mol)、酢酸アリル(昭和電工株式会社製)136g(1.36mol)、及びイソプロパノール68.1gを入れ、窒素雰囲気中、85℃で8時間反応させた。反応後、一部サンプリングし、酢酸エチルで希釈後、ガスクロマトグラフィーによる分析で、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジアリルエーテル対モノアリルエーテルの比率が97:3までになっていることを確認した。
この後、反応液にトルエン200gを加え、Pd/Cと析出した固体を濾過により除き、エバポレーターにより、イソプロパノールとトルエンを留去した。この反応、後処理操作を4回繰り返した後、分子蒸留装置(大科工業株式会社製)により、留出物127.5g(単離収率66%、ジアリルエーテル97.9%、残りはモノアリルエーテル)、非留出物31.7g(ジアリルエーテル97.5%)を得た。留出物は融点が51.7℃の固体であり、60℃における粘度は、29mPa・sであった。
・3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジアリルエーテルのエポキシ化
上記操作を数回繰り返して得られた3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジアリルエーテル185g(0.576mol)とタングステン酸ナトリウム(日本無機化学工業株式会社製)1.9g(5.76mmol)、タングステン酸(日本無機化学工業株式会社製)1.44g(5.76mmol)、トリオクチルアミン(広栄化学株式会社製)4.08g(11.52mmol)、フェニルホスホン酸(日産化学株式会社製)1.822g(11.52mmol)を滴下ロート、ジムロート冷却管を備えた300mlの三ツ口フラスコに入れ、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバスで70℃に加温した後、35%過酸化水素水溶液168g(1.728mol)を、反応温度が75℃を超えないように滴下した。滴下終了後、2時間攪拌を継続し、反応液を室温まで冷却した。この後、酢酸エチルを40g追加し、上層に有機層、下層に水層が来るようにして、有機層を分離した。
上記操作を数回繰り返して得られた3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジアリルエーテル185g(0.576mol)とタングステン酸ナトリウム(日本無機化学工業株式会社製)1.9g(5.76mmol)、タングステン酸(日本無機化学工業株式会社製)1.44g(5.76mmol)、トリオクチルアミン(広栄化学株式会社製)4.08g(11.52mmol)、フェニルホスホン酸(日産化学株式会社製)1.822g(11.52mmol)を滴下ロート、ジムロート冷却管を備えた300mlの三ツ口フラスコに入れ、マグネチックスターラーで撹拌しながら、オイルバスで70℃に加温した後、35%過酸化水素水溶液168g(1.728mol)を、反応温度が75℃を超えないように滴下した。滴下終了後、2時間攪拌を継続し、反応液を室温まで冷却した。この後、酢酸エチルを40g追加し、上層に有機層、下層に水層が来るようにして、有機層を分離した。
この有機層を分析した結果、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジアリルエーテルの転化率は54.2%であり、モノエポキシへの選択率は64.9%、ジエポキシへの選択率は15.5%であった。また、このエポキシ化物の全塩素濃度は5ppmであった。また、このものの融点は106℃であった。
実施例1
・スクリーン印刷用ペーストの調製
トルエン溶媒に銀ナノ粒子(Mv(体積平均粒径)=5.1nm)を分散させた銀ナノメタルインク(アルバックマテリアル株式会社製 L−Ag1T)100gに、合成例1で得られたエポキシ樹脂重合体(エポキシ基含有重合体)30g、硬化剤としてcis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、硬化触媒に2−エチル−4−メチルイミダゾール(キュアゾール2E4MZ(登録商標)四国化成工業株式会社製)、溶剤としてジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gを混合した後、エバポレータで溶液の粘度が100dPa・sになるまで溶媒を蒸発させてスクリーン印刷用ナノペーストとした。硬化剤の量はエポキシ基/カルボキシル基の比率がおおよそ1.1/1.0になるようにエポキシ樹脂と酸無水物を配合した。硬化触媒量はエポキシ樹脂(エポキシ化合物+硬化剤)に対し2質量%を加えた。
・スクリーン印刷用ペーストの調製
トルエン溶媒に銀ナノ粒子(Mv(体積平均粒径)=5.1nm)を分散させた銀ナノメタルインク(アルバックマテリアル株式会社製 L−Ag1T)100gに、合成例1で得られたエポキシ樹脂重合体(エポキシ基含有重合体)30g、硬化剤としてcis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、硬化触媒に2−エチル−4−メチルイミダゾール(キュアゾール2E4MZ(登録商標)四国化成工業株式会社製)、溶剤としてジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gを混合した後、エバポレータで溶液の粘度が100dPa・sになるまで溶媒を蒸発させてスクリーン印刷用ナノペーストとした。硬化剤の量はエポキシ基/カルボキシル基の比率がおおよそ1.1/1.0になるようにエポキシ樹脂と酸無水物を配合した。硬化触媒量はエポキシ樹脂(エポキシ化合物+硬化剤)に対し2質量%を加えた。
・ポリイミド上への銀トラックの印刷及び焼結
印刷用の基材には厚さが100μmのポリイミドシート(Kapton HN(登録商標)デュポン株式会社製)を電気絶縁体層(以下、基板という)として使用した。
印刷用の基材には厚さが100μmのポリイミドシート(Kapton HN(登録商標)デュポン株式会社製)を電気絶縁体層(以下、基板という)として使用した。
上記ナノペーストをスクリーン印刷機(LS34TV ニューロング精密工業株式会社製)を用い、#250メッシュポリエステル版でIPC規格のIPC−C櫛型パターンを印刷し、印刷後のフィルムを80℃で30分乾燥した。
次に、上記塗膜パターンが表面に形成されたポリイミドシートを、2.45GHz及び300Wで作動している単一モードのマイクロ波オーブンを用いるマイクロ波放射によって3分間処理し、銀ナノ粒子を焼結させて導電膜パターンを形成した後、熱風オーブン中で100℃、1時間、150℃、2時間放置し、エポキシ樹脂を熱硬化させた。
導電膜パターン内の導電率を測定したところ、3×10−3Ω・cmとなっており、導電性が確保できていることが確認できた。
さらに、この印刷回路の櫛型パターン上に、ソルダーレジストインキ(NPR−3300 日本ポリテック株式会社製)を#250メッシュポリエステル版でスクリーン印刷により塗布し、80℃で30分間乾燥した後、120℃で1時間、さらに150℃で2時間熱硬化した。この櫛型の印刷回路を、高温高湿槽の中で120℃、相対湿度95%の雰囲気下において60Vのバイアス電圧を印加して電気絶縁性を評価した。電気絶縁性の評価には、イオンマイグレーションテスター(MIG−8600 IMV株式会社製)を用いた。100時間後でも、イオンマイグレーション(目視検査による)、槽内抵抗値の低下が生じていなかった。なお、槽内抵抗値とは、高温高湿槽の中での櫛型パタ−ンのピッチ間の抵抗値をいい、本例の場合、初期値は109Ωであり、100時間後もほぼ同等の値であった。
比較例1
エポキシ樹脂として、合成例1で作成したエポキシ樹脂を使う代わりに、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジル化物(エポトートZX−1658GS(登録商標)東都化成株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様に行った。エポキシ樹脂の全塩素濃度は500ppmであった。
エポキシ樹脂として、合成例1で作成したエポキシ樹脂を使う代わりに、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジル化物(エポトートZX−1658GS(登録商標)東都化成株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様に行った。エポキシ樹脂の全塩素濃度は500ppmであった。
導電膜パターン内の導電率を測定したところ、3×10−3Ω・cmであり、実施例1と同等の値であった。一方、高温高湿槽の中で120℃、相対湿度95%の雰囲気下で100時間、60Vのバイアス電圧を印加した電気絶縁性評価においては、槽内抵抗値の初期値は109Ωと実施例1とほぼ同等であったが、試験中にイオンマイグレーションが発生し、槽内抵抗値が1MΩ以下に低下していた。
実施例2
印刷用の基材として、ポリイミドシートの代わりにポリエーテル−イミドシート使用した。エポキシ樹脂として、合成例1の代わりに合成例2で合成したものを用いた。また、銀粉含有インクは銀ナノメタルインクの代わりに、体積平均粒径5μmの扁平銀粉(TCG−1 徳力化学研究所製)をトルエンに30質量%配合したものを用いた。それ以外は実施例1と同様に行った。
印刷用の基材として、ポリイミドシートの代わりにポリエーテル−イミドシート使用した。エポキシ樹脂として、合成例1の代わりに合成例2で合成したものを用いた。また、銀粉含有インクは銀ナノメタルインクの代わりに、体積平均粒径5μmの扁平銀粉(TCG−1 徳力化学研究所製)をトルエンに30質量%配合したものを用いた。それ以外は実施例1と同様に行った。
マイクロ波照射後の導電膜パターン内の導電率は、6×10−2Ω・cmであった。
また、高温高湿槽の中で120℃、相対湿度95%の雰囲気下で100時間、60Vのバイアス電圧を印加した電気絶縁性評価において、試験後でもイオンマイグレーションが生じず、槽内抵抗値も低下していなかった。なお、本例の場合、槽内抵抗値の初期値は109Ωであり、100時間後もほぼ同等の値であった。
比較例2
エポキシ樹脂として、合成例2で作成したエポキシ樹脂を使う代わりに、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジル化物(エポトートZX−1658GS(登録商標)東都化成株式会社製)を用いた以外は実施例2と同様に行った。
エポキシ樹脂として、合成例2で作成したエポキシ樹脂を使う代わりに、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジル化物(エポトートZX−1658GS(登録商標)東都化成株式会社製)を用いた以外は実施例2と同様に行った。
導電膜パターン内の導電率を測定したところ、6×10−2Ω・cmであり、実施例1と同等の値であった。一方、高温高湿槽の中で120℃、相対湿度95%の雰囲気下で100時間、60Vのバイアス電圧を印加した電気絶縁性評価においては、槽内抵抗値の初期値は109Ωと実施例2とほぼ同等であったが、試験中にイオンマイグレーションが発生し、槽内抵抗値が1MΩ以下に低下していた。
Claims (19)
- 全塩素濃度が300ppm以下のエポキシ樹脂を含むバインダー樹脂と有機溶媒との混合液に金属微粒子及び/または金属酸化物微粒子を分散させたことを特徴とする導電膜形成用導電粒子分散物。
- 全塩素濃度が50ppm以下のエポキシ樹脂を含むバインダー樹脂と有機溶媒との混合液に金属微粒子及び/または金属酸化物微粒子を分散させたことを特徴とする導電膜形成用導電粒子分散物。
- 前記エポキシ樹脂が過酸化物を酸化剤として炭素−炭素二重結合を有する原料化合物の炭素−炭素二重結合をエポキシ化したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電膜形成用導電粒子分散物。
- 前記エポキシ樹脂がアリルエーテル基を二個以上持つ化合物を過酸化水素によりエポキシ化したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電膜形成用導電粒子分散物。
- 前記金属微粒子を構成する金属が、金及び/または銀及び/または銅及び/またはアルミニウムであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導電膜形成用導電粒子分散物。
- 前記金属微粒子を構成する金属が銀であることを特徴とする請求項5に記載の導電膜形成用導電粒子分散物。
- 前記金属微粒子及び金属酸化物微粒子が、1nmから100μmの間の体積平均粒径を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の導電膜形成用導電粒子分散物。
- 前記金属微粒子及び金属酸化物微粒子が、0.1μmから100μmの間の体積平均粒径を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の導電膜形成用導電粒子分散物。
- 前記金属微粒子及び金属酸化物微粒子が、1nmから200nmの間の体積平均粒径を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の導電膜形成用導電粒子分散物。
- 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の導電膜形成用導電粒子分散物を電気絶縁体層の表面に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を焼成して導電膜を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
- 前記電気絶縁体層を構成する材料が、ポリマー、無機材料、半導体基材、天然繊維及び/または人造繊維を含有する繊維質基材、ポリマー及び/または天然材料で構成されたフィルム、ポリマー及び/または天然材料で構成されたシート材料からなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記電気絶縁体層を構成する材料が、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエーテルケトン、ポリシロキサン、ポリアリーレンスルフィドからなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記電気絶縁体層を構成する材料が、ポリイミドシート、ポリエステルシートまたはポリエーテルイミドシートであることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記導電膜形成用導電粒子分散物の塗布方法として印刷を使用することを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記導電膜形成用導電粒子分散物の印刷方法がスクリーン印刷であることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
- 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の導電膜形成用導電粒子分散物を塗布した後、前記有機溶媒を必要に応じて乾燥後、マイクロ波放射を用いて加熱して、前記金属微粒子及び/または前記金属酸化物微粒子を融解及び/または焼結させ、電気絶縁体層の表面上に導電膜パターンを形成させることを特徴とする導電膜形成方法。
- 前記マイクロ波放射が、単一モードのマイクロ波放射であることを特徴とする請求項16に記載の導電膜形成方法。
- プリント回路若しくは集積回路の製造、化粧板の製造、データ記録媒体若しくはデータ保存媒体の製造、プリント配線板の製造、電波方式認識デバイス(RFタグ)の製造、または電気デバイスの製造に適用されることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の導電膜形成方法。
- 加熱素子、抵抗器、コイルまたはアンテナの製造に適用されることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の導電膜形成方法。
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