以下、本発明に係るメダル補給装置を含むメダル循環システムの実施形態を説明する。図1は本発明が適用される遊技場における複数の設置島の平面図、図2は一つの設置島の側面図、図3は同設置島におけるコンベヤと遊技機との関係を示す拡大平面図である。各設置島H1〜H3はいずれも同じ構造からなるので、便宜上設置島H1について説明する。設置島H1の長手方向に沿った両側面にスロットマシン等の遊技機が多数台列設されている。そのうち遊技機S1は外径が25mmの小径メダルM1を遊技媒体とするものであり、遊技機S2は外径が30mmの大径メダルM2を遊技媒体とするものである。また、二種類の各遊技機S1,S2の一側には、一般に台間機と称されるメダル貸出ユニットD1,D2がそれぞれ配置されている。そして、遊技者が該メダル貸出ユニットD1,D2に現金を投入または磁気カードからなるプリペイドカードを挿入することにより所定数のメダルが貸し出される。
設置島H1の長手方向の一端部に箱車120が設けられ、遊技者が獲得したメダルを店側に返却すると共にそのメダルを計数するためのメダル計数機4が該箱車上に設置される。該メダル計数機4には小径メダルM1と大径メダルM2が共に投入されるので、該メダル計数機4の下方に設けられたメダル貯留部121に両メダルM1,M2が混在状態で貯留される。なお、121aは該メダル貯留部121に貯留されたメダル量を検出するために設けられたレベルセンサ、122は両メダルM1,M2を該メダル貯留部121から設置島H1内に排出するために設けられた傾斜状の排出コンベヤである。
また、設置島H1の長手方向の他端部に箱枠Bが設けられる。設置島H1の下部にベルトコンベヤからなるメダル回収搬送装置1を配設し、各遊技機S1,S2から排出された小径メダルM1と大径メダルM2が混在状態で該メダル回収搬送装置1によって箱枠Bの方向に搬送されるようにしている。また、設置島H1の上部には小径メダルM1を搬送するための小径メダル補給用コンベヤ3aと大径メダルM2を搬送するための大径メダル補給用コンベヤ3bとが箱枠B内の上部から設置島上部に亘って水平に平行に設けられている。
箱枠B内には、メダル選別機6と、小径メダルを貯留する小径メダル貯留用タンク7aと、大径メダルを貯留する大径メダル貯留用タンク7bと、可逆コンベヤ8と、メダル洗浄装置9と、メダル揚送リフト10が設けられる。また、箱枠Bの両側壁面に開閉扉60aにより開閉される収納室60が形成され、該収納室60にメダルM1,M2を店員が必要に応じて外部に持ち出し可能にするためのジョッキ11a,11bが収納されている。また、Eは箱枠B内の電気的機器を制御するために該箱枠B内に設けられた制御装置である。
次に図6の簡略図に従い箱枠B内のメダルの流れを先に簡単に説明する。各遊技機S1,S2及びメダル計数機4から排出された小径メダルと大径メダルは混在状態でメダル回収搬送装置1により搬送され、メダル洗浄装置9に供給されて洗浄される。洗浄されたメダルはメダル揚送リフト10により揚送されメダル選別機6に供給される。該メダル選別機6はこのメダルを小径メダルM1と大径メダルM2とに選別し、小径メダルM1は後述する経路切替手段の切替状態に従い小径メダル補給用コンベヤ3aまたは小径メダル貯留用タンク7aまたはジョッキ11aに供給され、大径メダルM2は後述する経路切替手段の切替状態に従い大径メダル補給用コンベヤ3bまたは大径メダル貯留用タンク7bまたはジョッキ11bに供給される。図12〜図14にも示したように該各タンク7a,7b内には螺旋状の硬質コイルバネからなる排出手段54a,54bがそれぞれ駆動モータ53a,53bの回転軸に垂下状に設けられ、該排出手段54a,54bの下端が該各タンクの底部排出口51a,51b付近に至るように配置されている。
可逆コンベヤ8は、該排出口51a,51bの下側に水平に設けられており、排出手段54a,54bが回転動すると該各タンク7a,7b内のメダルが攪拌されることにより該可逆コンベヤ8上に排出される。そして排出されたメダルは、該可逆コンベヤ8の正転・逆転に従い、図6中左方に搬送されると落下して前記メダル洗浄装置9に供給され、図6中右方に搬送されるとメダル揚送リフト10に搬送され、該メダル揚送リフト10により揚送されて前記メダル選別機6に供給される。
メダル選別機6は、図7乃至9に示すように箱枠B内に設けられた水平な基板12の上面に固定され、メダルM1,M2が混在している状態でこれらメダルM1,M2を整列させ一個ずつ送出するメダル送出部13と、該メダル送出部13に接続されるメダル排出通路部14とを備えている。メダル送出部13内には円形室15が形成され、該円形室15の一側に該円形室15と連通する投入樋16が設けられると共に、他側に駆動モータ17が配設されている。円形室15内に水平面に対して約60度の角度に傾斜した状態で支持されると共に、前記駆動モータ17のモータ軸(図示せず。)に接続される送出円盤18が配置される。該送出円盤18の表面には、大径メダルM2の直径よりも若干広い間隔で円周方向に沿って等間隔に配置された複数の突起19,19,…が、該送出円盤18の外周縁より若干内方に位置して設けられる。各メダルM1,M2は、一側面を前記送出円盤18の表面に当接した状態で、かつ、突起19,19,…の間に一個ずつ配置される。そして、前記駆動モータ17が駆動することにより送出円盤18が一定の速度で回転し、各突起19,19間に配置された各メダルM1,M2をメダル排出通路部14へ導く。
メダル排出通路部14は、メダル送出部13から受け入れたメダルM1,M2を略起立状態にて保持しつつ、該メダルM1,M2を小径メダルM1と大径メダルM2とに選別すると共に、それぞれ貯留タンク7a,7b、メダル補給用コンベヤ3a,3b、収納ジョッキ11a,11bのいずれかへ送り込むためのものである。メダル排出通路部14の断面は、図10に示すように厚さがメダルM1,M2よりも若干厚く、且つ、幅が大径メダルM2の直径よりも若干広幅に形成される。すなわち、メダルM1,M2の厚さよりも若干厚く形成された一対の間隔保持部材20,20を大径メダルM2の直径より若干広幅の間隔を設けて平行に配置し、この間隔保持部材20,20間の空間を塞ぐようにしてその両側面に板状の側壁板21a,21bを固着して形成される。メダル排出通路部14内のメダルM1,M2は、両側面が側壁板21a,21bに挟まれた状態で該メダル排出通路部14内を流下することになる。なお、表側の側壁板21bは、透光性の合成樹脂材料で形成されている。
また、前記メダル排出通路部14は、上流側から側壁板21a,21bが水平面に対して約60度の角度に傾斜すると共に該傾斜面内で更に水平面に対して約30度の角度に傾斜する増速域22aと、該増速域22aと連なり鉛直面内で側壁板21a,21bが上側へ湾曲すると共にその下部が水平面に対して約30の角度に傾斜する選別域22bと、該選別域22bと連なり大径メダルM2のみ流下させる大径メダル流下域22cとに分けられる。選別域22bには下側(メダルの一側面が摺接する側)に位置する側壁板21aに長孔状の落下口23が開設されている。この落下口23の長手方向に対して直交する方向での開口幅は、小径メダルM1の直径よりも広く、かつ、大径メダルM2の直径よりも狭く形成されている。メダル排出通路部14の通路幅は大径メダルM2の直径より若干広幅に設定されていることから、図10に示すように前記落下口23の幅方向の両外側に側壁板21aの一部が細幅部24,24として残されている。
前記メダル排出通路部14における大径メダル流下域22cの下端には、図9に示すように経路としての大径メダル排出樋25が設けられる。また、メダル排出通路部14における選別域22bの下方に落下口23と連通する経路としての小径メダル排出樋26が設けられる。これにより、落下口23から落下した小径メダルM1は、小径メダル排出樋26に入り流下することになる。なお、該小径メダル排出樋26の底部に第一分岐口27が開設される。該第一分岐口27は小径メダルM1を搬送するコンベヤ3aに繋がる経路としての第一コンベヤ排出樋28と連通している。また、該第一分岐口27には、経路切替手段としての開閉部材29が設けられる。該開閉部材29は、下方へくの字状に屈曲すると共に上端で軸着され、鉛直面内で回動するようになっている。また、該開閉部材29の一側にプランジャ30aが上側を向く第一ソレノイド30が配置される。プランジャ30aの先端部に一側を支軸31により軸着し鉛直面内で回動する支持部材61が枢着され、更に、該支持部材61の先端に前記開閉部材29の裏面であって屈曲部より上側に常に接する転子61aが取着されている。そこで、第一ソレノイド30が励磁しているときは、図9実線に示すようにプランジャ30aが内装される圧縮スプリング(図示せず。)の付勢に抗して収縮し、支持部材61を回動させると共にその転子61aで開閉部材29を押して第一分岐口27を閉塞している。一方、第一ソレノイド30が消磁すると、図9鎖線に示すようにプランジャ30aが圧縮スプリングの付勢により伸び、支持部材61が元の位置に戻ると共に開閉部材29も自重で回動して第一分岐口27を開放させる。
一方、前記メダル排出通路部14における大径メダル流下域22cには、図8、図9に示すようにその一側に一方の間隔保持部材20を切り欠いて第二分岐口33が開設される。該第二分岐口33は、大径メダルM2を搬送する大径メダル補給用コンベヤ3bに繋がる経路としての第二コンベヤ排出樋34と連通している。また、他方の間隔保持部材20には、第二分岐口33と対向位置して経路切替手段としての誘導部材35が配置される。該誘導部材35は支軸36により一端部で軸着されると共に図8実線・鎖線に示すように第二ソレノイド37の励・消磁により側壁板21a,21bの内面に沿って回動し、メダル排出通路部14内に出没する。また、該誘導部材35は、メダル排出通路部14内に突入したとき、大径メダルM2の流下方向に対向する誘導面35aが、該大径メダルM2の流下方向に進むに従い漸次第二分岐口33との距離が短くなるように傾斜している。そこで、上流側の選別域22bにより選別された大径メダルM2は、誘導部材35がメダル排出通路部14から退いているとき、そのまま流下して大径メダル排出樋25の下端部に達し、誘導部材35がメダル排出通路部14内に突入するとその誘導面35aに当接して進路が曲げられ、第二分岐口33を介して第二コンベヤ排出樋34に流入するようになっている。
前記メダル排出通路部14における増速域22aに、該増速域22aを通過するメダルM1,M2を検出する第一検知センサ49が配置固定される。また、同じくメダル排出通路部14の大径メダル流下域22cに、該大径メダル流下域22cを通過する大径メダルM2を検出する第二検知センサ50が配置固定される。例えば遊技機S1,S2において、メダルM1,M2の枚数が減少して小径メダルM1または大径メダルM2の補給を必要とした場合、メダル補給用コンベヤ3a,3bに通ずる第一分岐口27または第二分岐口33を開放して所要量のメダルM1,M2を第一・第二コンベヤ排出樋28,34を介し該メダル補給用コンベヤ3a,3bに乗架して所定の遊技機S1,S2に供給する。このとき、第一検知センサ49と第二検知センサ50によってそれぞれ通過したメダルの枚数を検出することにより、小径メダルM1または大径メダルM2がメダルを要求している遊技機S1,S2に何枚補給されたかを把握でき、管理もし易い。前記小径メダルM1の枚数は、第一検知センサ49によるカウント数から第二検知センサ50によるカウント数を引くことにより算出される。このようにして、遊技機S1,S2に所定数のメダルM1,M2を補給し得る。
前記メダル排出樋26,25の流下端には、図11(イ)(ロ)に示すようにこれらとそれぞれ連通する二条の第一・二振分樋38,39が並設して配設され、各流下端はそれぞれメダル貯留タンク7a,7bに接続されている。第一・二振分樋38,39の底面に、その流下方向に沿って左側ジョッキ排出樋40に連通する上流開口42と右側ジョッキ排出樋41に連通する下流開口43とが開設される。これら上・下流開口42,43には、支軸44により下流側で軸着されると共に第三・四ソレノイド45,46により上流側をその底面に直交する面内で回動させて上・下流開口42,43を開閉する切替部材47,48がそれぞれ配置される。図11(イ)鎖線に示すように第三ソレノイド45または第四ソレノイド46が励磁して切替部材47または切替部材48が回動し上流開口42または下流開口43を開口したとき、同時にこれら切替部材47,48が第一振分樋38または第二振分樋39を塞ぐことになり、該第一振分樋38または第二振分樋39を流下するメダルM1,M2をそれぞれ左側ジョッキ排出樋40または右側ジョッキ排出樋41に導く。
左側ジョッキ排出樋40は図13(ロ)に示すように左側のメダル貯留タンク7aを上下に貫通し、その流下端がメダル貯留タンク7aの下方に形成され左側の収納室60内のジョッキ11aに連通している。また、右側ジョッキ排出樋41は右側のメダル貯留タンク7bを上下に貫通し、その流下端が該メダル貯留タンク7bの下方に形成され右側の収納室60内のジョッキ11bに連通している。そこで、例えば、第一振分樋38の第三ソレノイド45を励磁させて切替部材47を上方へ回動させ上流開口42を開放し、第二振分樋39の第四ソレノイド46を励磁させて切替部材48を上方へ回動させ下流開口43を開放すると、左側のジョッキ11aに左側ジョッキ排出樋40を介して小径メダルM1が貯留される。また、右側のジョッキ11bに右側ジョッキ排出樋41を介して大径メダルM2が貯留される。逆に、第一振分樋38の第四ソレノイド46を励磁させて切替部材48を上方へ回動させ下流開口43を開放し、第二振分樋39の第三ソレノイド45を励磁させて切替部材47を上方へ回動させ上流開口42を開放すると、左側のジョッキ11aに左側ジョッキ排出樋40を介して大径メダルM2が貯留される。また、右側のジョッキ11bに、右側ジョッキ排出樋41を介して小径メダルM1が貯留される。
図12、図13(イ)(ロ)に示すようにメダル貯留タンク7a,7bは、正面から見て左側のメダル貯留タンク7aが前記第一振分樋38と連通しており、該メダル貯留タンク7aに小径メダルM1が貯留される。また、正面から見て右側のメダル貯留タンク7bは前記第二振分樋39と連通しており、大径メダルM2が貯留される。各メダル貯留タンク7a,7bは略直方体形状に形成され周囲が密閉されており、底面が下方に向かって漏斗状に窄まると共にその下端に排出口51a,51bが開設されている。また、該各タンクの天板52aに駆動モータ53a,53bが取着され、該駆動モータ53a,53bの駆動軸がメダル貯留タンク7a,7b内に垂下し、該駆動軸に螺旋状の排出手段54a,54bが取着され、該排出手段54a,54bの下端が排出口51a,51bに上方から臨むようにしている。このため駆動モータ53a,53bが停止しているときは、小径メダルM1または大径メダルM2が排出口51から零れ落ちるようなことはなく、駆動モータ53a,53bが駆動され排出手段54a,54bが回転すると、メダルM1またはメダルM2が攪拌され、排出口51a,51bから該メダルが排出される。各メダル貯留タンク7a,7bの前面板52bは透明な素材により成形されており、該前面板52bを介してタンク内が視認できるようになっている。なお、70a,70bは該メダル貯留タンク7a,7bの側壁に設けたレベルセンサで、該レベルセンサは該メダル貯留タンク7a,7b内のメダルの貯留量を下限・中程・上限の3段階にて検出できる機能を有している。
可逆コンベヤ8は、図14(イ)(ロ)に示すようにメダル貯留タンク7a,7bの排出口51a,51bの下方に水平に配置され、いずれの排出口51,51から排出されたメダルM1,M2も該可逆コンベヤ8に乗る。該可逆コンベヤ8は一端に可逆回転モータ55が取着された駆動ローラ56が配置されると共に他端に従動ローラ57が配置され、駆動ローラ56、従動ローラ57間に無端ベルト58が巻回されてなる。従動ローラ57側に下端が後述するメダル洗浄装置9のメダル集合箱62に臨む縦樋59が設けられる。一方、駆動ローラ56側にはメダル揚送リフト10の後述する各バケット90に臨む第一投入シュート63が設けられる。このためメダル貯留タンク7a,7bから排出されたメダルM1,M2は、該可逆コンベヤ8によって縦樋59側へ搬送されるとメダル集合箱62を経て洗浄装置搬送樋59に送られ、反対に第一投入シュート63側へ搬送されるとメダル揚送リフト10に送られる。なお、62cはメダル集合箱62に設けられたレベルセンサで、該レベルセンサによりメダル集合箱62中のメダル量が検知される。
次にメダル洗浄装置について説明する。図15乃至19に示すようにメダル洗浄装置9は、第一洗浄部W1と第二洗浄部W2とからなり、メダル集合箱62に収容された小径メダルM1、大径メダルM2が該第一洗浄部W1と該第二洗浄部W2を通過することによって、該メダルM1,M2を片面ずつ順に洗浄する。第一洗浄部W1および第二洗浄部W2は、鉛直に支持された組付板64の前面に形成される。65aは第一洗浄部W1のコンベヤ、65bは第2洗浄部W2のコンベヤを示す。メダル集合箱62は上面が開放され、底面62aが傾斜面に形成され、その傾斜下方側面に第一洗浄部W1のコンベヤ65aの下端部が臨んでいる。
コンベヤ65aの搬送ベルト66aは定幅帯状のゴム布ベルトからなり、図20に示すように高さが小径メダルM1、大径メダルM2の厚さよりも少し低く(高さ1.4mm)、直径が3mm程の多数の係合部67をベルト表面の幅方向にはメダルM1,M2の直径よりも狭い22mmの間隔にて横並びに形成し、ベルト表面の長手方向にはメダルM1,M2の直径よりも広い35mmの間隔にて該係合部67を連続して形成したものである。68a,69aは該搬送ベルト66aを巻回している駆動ローラと従動ローラである。該コンベヤ65aは該搬送ベルト66aの搬送面がメダル集合箱62から斜め上向きに起立(起立角度:約70度)姿勢となるように支持され、該搬送ベルト66aを図18矢印で示した方向に駆動することにより、該メダル集合箱62中のメダルM1,M2を隣り合う一対の係合部67,67の間に填ったような状態で係合させて斜め上向きに搬出させる。
また、70aは洗浄液が含浸された無端帯状のウエット拭布71aを前記搬送ベルト66aの搬送面に対して適宜間隔を離して平行に張設すると共に、該ウエット拭布71aを定方向に走行させることにより該ウエット拭布71aによってメダルM1,M2の表面が拭われるようにする拭布支持機構である。該拭布支持機構70aでは、ガイドローラ72aとガイドローラ73aおよび駆動ゴムローラ74aに該ウエット拭布71aを巻回すると共に、テンションローラ75aを該ウエット拭布71aに圧接することにより、該ウエット拭布71aは前記搬送ベルト66aの搬送面に対し平行に張設され、駆動ゴムローラ74aが回転動することで該ウエット拭布71aを図18矢印で示した方向に走行させる。なお、ウエット拭布71aの走行速度は、搬送ベルト66aの走行速度よりも低速(約1/10の速度)となるように設定される。このようにウエット拭布71aをメダル搬送方向と同方向であって搬送ベルト66aよりも低速にて走行させることにより、該ウエット拭布71aが摩擦によって搬送中のメダルに過剰な負荷を掛け、メダルが搬送ベルト66aの両脇に飛び出してしまうことのないようにしている。
前記ガイドローラ72aは図示しない洗浄液タンクとチューブおよび電磁弁を介して繋がれており、タイマーの作動により例えば5分おきに該電磁弁が開かれ該洗浄液タンクから洗浄液が上記ガイドローラ72aに2〜3ccずつ補給されるようにすることで、ウエット拭布71aが常に適度な湿潤状態に維持されるようにしている。
図18、図19に示すように、76aは搬送ベルト66aによって搬送されるメダルM1,M2の表面にウエット拭布71aを弾性的に押圧するために設けられる拭布押圧機構である。該拭布押圧機構76aは表面に適宜間隔で複数条の縦溝77aが形成された合成樹脂製の押圧板78aをカバー板79aの内側に配置し、該押圧板78aの背面に固植された支持軸80aをカバー板79aに貫挿すると共に、該押圧板78aとカバー板79aとの間にコイルバネ等の弾性体81aを圧縮状態にて介在させ、該カバー板79aをコンベヤ65aのフレームに複数の摘子ネジ82aにより着脱自在に組み付けるようにしている。そして、該弾性体81aの弾性により、該押圧板78aがウエット拭布71aを背面から押圧し得るように構成している。
第2洗浄部W2は、第1洗浄部W1における上下を倒置した関係にてコンベヤ65bと拭布支持機構70bが配置され、該コンベヤ65bの搬送ベルト66bと拭布支持機構70bのウエット拭布71bによって形成される搬送面が斜め下向き(下傾角度:約30度)姿勢となるようにしている。83は第1洗浄部W1のコンベヤ65aの上端部から排出されたメダルM1,M2を受けて該メダルM1,M2を自重で第2洗浄部W2の搬送ベルト66bとウエット拭布71bとの間隔に導くために傾斜状に設けられた渡し板である。このため、第1洗浄部W1のコンベヤ65aと第2洗浄部W2のコンベヤ65bとは、組付板64の前面に渡し板83を介して正面「ヘ」字形に連なるように配置される。なお、コンベヤ65bは上記コンベヤ65aと同様に定幅帯状のゴムベルトからなる搬送ベルト66bを駆動ローラ68bと従動ローラ69bに巻掛してなるものであるが、該搬送ベルト66bは表面に搬送ベルト66aのような係合部は形成されず、表面に細かな凹凸が形成されたものを用いることで、メダル表面に対し高い摩擦性が得られるようにしている。このため、渡し板83から滑落したメダルM1,M2は、搬送ベルト66bが図17矢印で示した方向に駆動されることによりウエット拭布71bとの間を斜め下向きに搬送される。
また、拭布支持機構70bは前記拭布支持機構70aと同様にウエット拭布71bがガイドローラ72bとガイドローラ73bおよび駆動ゴムローラ74bに巻回され、駆動ゴムローラ74bにより図17矢印で示した方向に走行される。該搬送ベルト66bの走行速度は、搬送ベルト66aの走行速度よりも少し高速に設定される。これは、搬送ベルト66aによって搬送されたメダルが渡し板83上に溜まらないようにするためである。また、拭布支持機構70bは、前記拭布支持機構70aと同様にウエット拭布71bがガイドローラ72bとガイドローラ73bおよび駆動ゴムローラ74bに巻回され、駆動ゴムローラ74aにより図17矢印で示した方向に搬送ベルト66bの走行速度よりも低速で走行される。
なお、駆動ローラ68a,68b、駆動ゴムローラ74a,74b等は、組付板64の裏側に設けられたギヤボックス(図示せず。)のスプロケット、チエーン、ギヤ、等の伝動機構に連繋され、モータ(図示せず。)を駆動源とすることにより上記所定の速度で回転駆動される。また、ガイドローラ72bには上記ガイドローラ72aと同様に洗浄液が補給され、ウエット拭布71bを常に適度な湿潤状態にしている。更に、拭布押圧機構76bは前記拭布押圧機構76aと同様に構成され、押圧板78bがウエット拭布71bを押圧し、メダルM1,M2の表面(下面)を該ウエット拭布71bが弾性的に押圧する。
このメダル洗浄装置9では、搬送ベルト66aの係合部67に係合させることにより小径メダルM1と大径メダルM2という直径の異なるメダルを搬送できると共に、該メダルM1,M2の表面にウエット拭布71aが押圧板78aによって適宜押圧力により圧着することにより、該メダルM1,M2の汚れを確実に拭き取ることができる。また、第1洗浄部W1を通過した後に該メダルM1,M2は第2洗浄部W2に至りて搬送ベルト66bとの摩擦により斜め下向きに搬送され、該メダルM1,M2の下面にウエット拭布71bを圧着させることにより、該メダルM1,M2を片面ずつ綺麗に洗浄することができる。このため、このメダル洗浄装置9によれば小径メダルM1と大径メダルM2を連続的に洗浄でき、従来のようにメダルの大きさ毎に2台の洗浄装置を設ける必要がない。こうして綺麗になったメダルM1,M2は第二投入シュート86に排出され、メダル揚送リフト10に搬入される。
メダル揚送リフト10は、図4、図5に示すように、角筒状のケーシング87内の上下部に設けられた駆動スプロケット88aと従動スプロケット88bとの間に無端チエーン89が巻回され、該無端チエーン89にメダルM1,M2を乗せる複数のバケット90を等間隔に取着している。ケーシング87の一側面であって下部寄りに前記第一投入シュート63が設けられ、さらに下端部には前記第二投入シュート86が設けられている。一方、ケーシング87の上端出口部に導出樋91が接続されている。92はケーシング87の上部の一側に配置され前記駆動スプロケット88aを駆動させる駆動モータである。該駆動モータ92により両スプロケット88a,88bを回転させ、各バケット90を上動させると、第一投入シュート63または第二投入シュート86内にあるメダルM1,M2がバケット90により掬われて揚送され、該メダルM1,M2は導出樋91からメダル選別機6のメダル送出部13に供給される。
メダル回収搬送装置1は、図2に示すように設置島H1における長手方向の両端部に配置された駆動ローラ93a、従動ローラ93bに無端状の回収ベルト94が巻回されて構成され、該回収ベルト94における従動ローラ93b側の一端は、箱枠Bに開設された通口を経て箱枠B内に侵入してきている。そして、駆動モータ93cにより駆動ローラ93aを回動させることで、各遊技機S1,S2から排出された小径メダルM1、大径メダルM2が該回収ベルト94上に乗架し、箱枠B側へと搬送される。箱枠B内には、図4、図14に示すように該メダルM1,M2を受け入れる集積ボックス95が配置される。該集積ボックス95は、底壁がほぼ中央に向かって下傾状に形成されていると共にその一側に回収リフト96が配置される。該回収リフト96は箱枠Bの底面に斜めに立設され、前記集積ボックス95の底壁の下端開口部95aが該回収リフト96の上面に臨んでいる。また、回収リフト96の上端部の下方に該回収リフト96の上端部から排出されるメダルM1,M2を受け入れ前記メダル洗浄装置9のメダル集合箱62に落下させる連絡樋97が配置されている。これにより、前記回収ベルト94により回収されたメダルM1,M2は集積ボックス95に受け入れられると共に、回収リフト96により揚送され、連絡樋97に落下してメダル集合箱62に供給される。
図2、図3に示すように、小径メダル補給用コンベヤ3aと大径メダル補給用コンベヤ3bは、長手方向に沿った両端部であってメダル計数機4側に駆動プーリ98aを配置し、箱枠B側に従動プーリ98bを配置し、該駆動プーリ98aと従動プーリ98b間に無端状の搬送ベルト99を巻回して構成される。図21、図22に示すように該搬送ベルト99は水平なレール部材100a上に摺接自在に張設される。そして、小径メダル補給用コンベヤ3aに対応しては前記メダル選別機6における第一コンベヤ排出樋28の流下端がその上方に臨んでいる。また、大径メダル補給用コンベヤ3bに対しては上方から第二コンベヤ排出樋34の流下端が臨んでいる。
レール部材100aは、アルミ材の押し出し成形によりチャンネル状に形成され、上面中央に仕切板100cが一体に形成され、両側縁には一定長に分断された側板100bが螺子102により着脱自在に設けられている。このため該側板100bはこの螺子102を外すことにより該レール部材100aの長手方向の適宜箇所で取り外しできるようになっている。
次に、小径メダル補給用コンベヤ3aまたは大径メダル補給用コンベヤ3bから各遊技機にメダルを取り込むためのメダル取込機構101aとメダル貸出ユニットにメダルを取り込むためのメダル取込機構101bを説明する。図3に示したように、このメダル取込機構101a,101bは、コンベヤ3a,3bの長手方向に沿ってそれぞれ着脱自在に取り付けられる。メダル取込機構101a,101bは同じ構造であるので、一方のメダル取込機構101aの構造を説明する。
メダル取込機構101aは、図21、図22に示すようにコンベヤ3aの上方を跨ぐようにして取り付けられる支持枠103と、該支持枠103に取着されるガイド部材104と、該ガイド部材104により導かれた小径メダルM1を受け入れる分岐シュート105とから構成される。支持枠103は、長さが側板100bと同じ長さを有しかつ該側板100bよりも高さの高い平行な一対の支持板103a,103bを有し、その一方の支持板103bの中央に開口部106が開設される。また、該支持板103bの両側に図23(イ)に示すように螺子挿通孔107を設け、螺子102をレール部材100aの外側面に螺締することにより着脱自在に取着される。このため螺子102を外すことにより、該メダル取込機構101aはコンベヤ3aから反対側のコンベヤ3bに簡単に付け変えることができる。
また、図24(イ)(ロ)に示すように、支持板103a,103b間に支軸109を横架すると共に、該支軸109にガイド部材104の一端を軸着し、該ガイド部材104の他端を上下動し得るようにしている。また、該ガイド部材104の下面に下方へ動いたときコンベヤ3aの底面に対し直交しかつ平断面がV字状(約90度の開き角度)をなすガイド板104aが固着されている。なお、該ガイド板104aは開口部106と面するような位置関係にある。また、ガイド部材104の上方であって両支持板103a,103b間にソレノイド110が設けられ、該ソレノイド110のプランジャー110aの先端がリンク111を介してガイド部材104の先端側の上面に取着されている。リンク111は、両支持板103a,103b間に直角に横架した支軸112に軸着される側面「ヘ」の字状の第一リンク111aと該第一リンク111aの先端に軸着される第二リンク111bとからなり、第一リンク111aの基端にソレノイド110のプランジャー110aの先端が軸着され、第二リンク111bの先端がガイド部材104の上部に軸着されている。
105は開口部106の外方を覆うように支持板103bの外面にL形の保持片115および螺子117aにより固着された分岐シュートで、該分岐シュート105はその内底面が漏斗状に窄まり、その流下端に遊技機S1に連なるフレキシブルな補給管114が連結されている。
このメダル取込機構101aでは、ソレノイド110が消磁しているときは、図24(イ)実線に示すように内装される圧縮スプリングの付勢によりプランジャー110aが進出し、ガイド部材104の他端を引き上げた状態で保持する。この状態では、ガイド板104aの下端縁が搬送ベルト99の搬送面より少なくともメダルM1,M2の厚みの2〜3倍程度の距離を離してガイド部材104が停止している。よって、搬送ベルト99の上面を搬送される小径メダルM1は、ガイド板104aに衝突することなく通過する。一方、ソレノイド110が励磁すると内装される圧縮スプリングの付勢に抗してプランジャー110aが後退し、図24(イ)鎖線に示すようにガイド部材104の他端を引き下げる。この状態では、ガイド板104aの下端縁が搬送ベルト99の搬送面にほぼ接するような位置でガイド部材104が停止する。このため搬送ベルト99により搬送されてきた小径メダルM1はガイド板104aの一方の側面104bに当たり開口部106へ導かれる。開口部106へ導かれた小径メダルM1は分岐シュート105内に落下し、補給管114を経て遊技機S1に補給される。メダル取込機構101bが作動することによっては、メダル貸出ユニットD1にも同様に小径メダルM1が補給される。
118a,118bは分岐シュート105の外面に取着されたコントローラで、コントローラ118aは各遊技機S1に対応してそれぞれ設けられ、コントローラ118bは各メダル貸出ユニットD1に対応してそれぞれ設けられる。該コントローラ118a,118bのケース内基板には設定を小径メダルにするか大径メダルにするかを選択し得るディップスイッチが設けられており、それぞれ対応する遊技機S1が使用するメダルやメダル貸出ユニットD1が使用するメダルの大きさに応じてこのディップスイッチの設定がなされる。そして、遊技機S1またはメダル貸出ユニットD1内の小径メダルM1の枚数が所定数よりも少なくなると、該コントローラ118a,118bを介して前記制御装置Eに小径メダル要求信号が発信される。
設置島H1の長手方向に沿った一端外側には前述したようにメダル計数機4が設けられるが、該メダル計数機4は、図27に示すように閉塞される箱車120の上面に設置される。該箱車120は天板120aにメダル計数機4の下面に対向するようにして所定大の開口121が開設され、箱車120内にはメダル回収搬送装置1側へ傾斜した排出リフト122が設置される。そして排出リフト122の上端に回収シュート123が接続される。これによりメダル計数機4に投入され計数された小径メダルM1や大径メダルM2は、それぞれ箱車120内に落下し、排出リフト122により揚送され、回収シュート123を通って回収ベルト94の上面に乗架し、該メダル回収搬送装置1によって箱枠B側へと搬送される。なお、箱車120は移動を容易にするキャスター119を備えている。
また、各設置島H1〜H3には、箱枠Bに近接する位置に他の設置島へもメダルM1,M2を搬送するための分配タワー124a〜124cが立設されている。該各分配タワー124a〜124cは上下に長い角筒柱状に形成され、該各分配タワーの内部に揚送リフトが設けられ、該揚送リフトに前記コンベヤ3a,3bからメダルM1,M2が供給されて該メダルM1,M2を該揚送リフトによって揚送し得る。また、各設置島H1〜H3における各分配タワー124a〜124c間にコンベヤ125a,125bが橋架され、分配タワー124a〜124cによって揚送されたメダルM1,M2を該コンベヤ125a,125bによって隣の設置島に搬送し、メダルM1,M2がその設置島に配設されたメダル回収搬送装置1に受け渡されるようにしている。なお、コンベヤ125a,125bは正・逆転することにより、各設置島H1〜H3間にていずれの側にもメダルM1,M2を搬送できるようにしている。
各遊技機S1,S2から排出されたメダルM1,M2は、メダル回収搬送装置1の回収ベルト94の上面に落下し、該回収ベルト94により箱枠B内に搬送され、集積ボックス95内に集められる。集積ボックス95内に集められたメダルM1,M2は順次回収リフト96により揚送され、その上端から下方へ落下すると共に連絡樋97を介してメダル洗浄装置9側のメダル集合箱62に集められる。このようにしてメダル集合箱62に集められたメダルM1,M2は、メダル洗浄装置9における第一洗浄部W1、第二洗浄部W2を経てその両面が磨かれる。第二洗浄部W2から排出されたメダルM1,M2は、第二投入シュート86に集められると共に順次バケット90に掬われて揚送される。無端チエーン89の上端に達したメダルM1,M2は、導出樋91を介してメダル選別機6のメダル送出部13に供給される。そして、これらメダルM1,M2は、メダル選別機6により小径メダルM1と大径メダルM2とに選別される。メダル選別機6により選別された小径メダルM1と大径メダルM2は、第一・二振分樋38,39を介してメダル貯留タンク7a,7bに貯留される。メダル貯留タンク7a,7bのメダル貯留量はレベルセンサ70a,70bによって検知され、常には該各タンク7a,7bのメダル貯留量は中レベル以上で最高レベル以下に維持され、余りのメダルがあるときはその余剰メダルはメダル集合箱62または前記メダル貯留部2に貯留され、該各タンク7a,7bのメダル貯留量は中レベル以下となったときにこれらのメダル集合箱62またはメダル貯留部121からその余剰メダルが各タンク7a,7bに補充されるようにしている。
前記制御装置Eは、箱枠B内の可逆コンベヤ8、メダル洗浄装置9、揚送リフト10、駆動モータ53a,53b、レベルセンサ70a,70b、メダル補給用コンベヤ3a,3b、レベルセンサ62c、および、第一ソレノイド30、第二ソレノイド37、第一検知センサ49、第二検知センサ50、第三・四ソレノイド45,46等に信号線により結ばれているとともに、該制御装置Eに対し、コントローラ118a,118b、各メダル取込機構101a,101bのソレノイド110、メダル貯留部121のレベルセンサ121a、排出コンベヤ122、コンベヤ3a,3bをそれぞれ信号線により結んでいる。
そして常態でメダル要求信号がないとき、制御装置Eの指令により定期的に(例えば数十分間隔で)小径メダル貯留用タンク7a内の小径メダルおよび大径メダル貯留用タンク7bの大径メダルを可逆コンベヤ8上に排出し、このメダルをメダル集合箱62からメダル洗浄装置9に送って洗浄した後、揚送リフト10により揚送して再びメダル選別機6により選別し、それぞれ小径メダル貯留用タンク7aまたは大径メダル貯留用タンク7bに戻し、循環させることにより、メダルM1,M2が自動的に再洗浄され、常にきれいなメダルが該各タンクに貯留されるようにしている。
また、空のジョッキ11a,11bが収納室60に収納された際に、第一・二振分樋38,39における切替部材47,48を作動させ上・下部開口42,43を開口することにより、前記メダル選別機6により選別されたメダルM1,M2が該各ジョッキ11a,11bにそれぞれ自動的に補給される。
また、例えば遊技機S1がメダル不足になり、該遊技機S1に対応するコントローラ118aが制御装置Eに小径メダル要求信号を出力すると、図28のフローチャートに示すように主制御装置Eはその要求信号を受けて記憶し、図29のフローチャートのステップ(イ)(ロ)に示すようにメダル要求信号が記憶されておりメダル洗浄装置9が作動中であった場合はその洗浄作動をただちに停止させ、ステップ(ハ)にて他所へメダル補給中でないかを判別し、補給中でなければステップ(ニ)にて補給要求信号が小径メダルM1を要求するものであるか大径メダルM2を要求するものであるかが判別され、その判別に従い2手に分かれてステップ(ホ)にて排出手段54aまたは排出手段54bを作動させて小径メダルM1または大径メダルM2を排出させ、ステップ(へ)にて可逆コンベヤ8、揚送リフト10を作動させ、ステップ(ト)にて経路切替手段を作動させて小径メダルM1が要求されていた場合はそのメダルがコンベヤ3aに供給され、大径メダルM1が要求されていた場合はそのメダルがコンベヤ3bに供給されるようにする。そして、ステップ(チ)(リ)にてコンベヤ3aまたはコンベヤ3bを作動させるとともに、この補給要求の出所元である遊技機S1のメダル取込機構101aのソレノイド110を作動させる。このためガイド部材104が下降しガイド板104aが搬送ベルト99の上面にまで達し、搬送されて来た小径メダルM1を開口部106を介して分岐シュート105内に導き、分岐シュート105に導かれた小径メダルM1が補給管114を介して所定の遊技機S1に補給される。そしてステップ(ヌ)(ル)にて第一検知センサ49、第二検知センサ50の検知により補給数が所定数に達したことが確認されたら、ステップ(ヲ)にて再び作動させ、残りのメダルはそれぞれ小径メダル貯留用タンク7aまたは大径メダル貯留用タンク7bに戻されるようにし、ステップ(ワ)ではこのメダル要求信号に応えた一連のメダル補給作動が終了したことからこのメダル要求記憶を更新する。通常は300〜400枚を一単位としてメダル補給が行われる。
このメダル補給中にも各コントローラから新たにメダル補給要求信号が発信された場合、図28のフローチャートに示したように制御装置Eはその内容を記憶する。そして、記憶されたメダル補給要求の順に図29に示したフローチャートに従いそのメダル補給が実行される。このため、制御装置Eの指示に従いメダル要求信号が発信された順にメダル取込機構101a,101bが作動し、各遊技機S1,S2に小径メダルM1または大径メダルM2を間違いなく補給することができる。
なお、小径メダル要求信号が出力されたときに、メダル洗浄装置9を停止させることにより大径メダル貯留用タンク7bの排出手段54bが回転しているときはその回転が停止され大径メダルM2の排出が止めることで、小径メダル貯留タンク7aから排出された小径メダルM1が優先的に可逆コンベヤ8からメダル揚送リフト10で揚送されるようになり、メダル揚送リフト10を揚送されるメダルはほとんど小径メダルM1ばかりとなり、小径メダルM1の比率が高められることから、メダル選別機6から排出される小径メダルM1の比率も高くなり、その小径メダルM1が第一コンベヤ排出樋28を介してコンベヤ3aに供給されことから、各遊技機またはメダル貸出ユニットのメダル不足に対し迅速に対処できるようになる。
また、遊技機S2がメダル不足になり、該遊技機S2に対応するコントローラ118が制御装置Eに大径メダル要求信号を出力した場合は、駆動モータ53bが駆動され排出手段54bを回転させ、大径メダル貯留用タンク7b内の大径メダルM2を可逆コンベヤ8上に排出させることで該大径メダルをメダル揚送リフト10によって揚送し、該メダルが再度メダル選別機6に通されて選別された大径メダルM2のみが大径メダル補給用コンベヤ3bに供給されることとなる。その際にもメダル洗浄装置9を停止させ小径メダル貯留用タンク7aからの小径メダルM1の排出中であったときはこれを止めることにより、大径メダルM2を迅速に補給することができる。
なお、小径メダルM1を遊技媒体とする遊技機S1と、大径メダルM2を遊技媒体とする遊技機S2とを交換する場合は、図25(イ)に示すようにそれまで小径メダル用のコンベヤ3aに取着されていたメダル取込機構101aを図26に示すように反対側の大径メダル用のコンベヤ3bに付け替えることになる。この場合は、支持板103b両側の螺子102,102を外して該メダル取込機構101aを取り外す。また、反対側の大径メダル用のコンベヤ3bにおける所定位置の側板100bも螺子102を外すことにより取り外し、これと同じ位置にメダル取込機構101aを配置すると共に螺子102,102をコンベヤ3bに螺締することにより取り付ける。この際、コンベヤ3bの搬送方向に沿ったソレノイド110の向きが逆になるが、ガイド板104aが平断面V字形をしており、メダルM1,M2は該ガイド板104aのどちらの側面104b,104bに衝突しても開口部106へ導かれることになるので、コンベヤ3bを搬送される大径メダルM2もガイド板104aにより分岐シュート105へ導くことができる。メダル貸出ユニットD2に接続するメダル取込機構101bも、同様にして取り替えられる。このように、一つの設置島H1において遊技機S1,S2間での交換が生じた場合も、メダル取込機構101a,101bが着脱自在に取り付けられることから、これらを付け替えるのみで済み簡単に対応できる。
また、設置島H1〜H3間においてメダルの過不足が生じる場合があるが、このメダル循環システムはこうした事態にも自動的に対処されるようにしている。例えば、設置島H2における箱枠B内の小径メダル貯留用タンク7aのメダル貯留量がレベルセンサ70aによる検知で下限になった場合、同様に構成されている隣の設置島H1の箱枠B内の小径メダル貯留用タンク7aのメダル貯留量がレベルセンサ70aによる検知で中レベル以上であったとすると、該小径メダル貯留用タンク7aのメダルが可逆コンベヤ8上に排出され、メダル揚送リフト10、メダル選別機6、小径メダル補給用コンベヤ3b、分配タワー124a、分配コンベヤ125aを通して該小径メダルが設置島H2のメダル回収搬送装置1の回収ベルト94上に落下し、該メダル回収搬送装置1によって該小径メダルが該設置島H2の箱枠B内集積ボックス95内に集められることから該設置島H2で小径メダルが不足する事態が解消される。なお、これら補給管理は前記主制御装置Eや遊技場全体を掌るホールコンピュータ(図示せず。)によって行われる。
なおこの実施形態では、小径メダルM1を貯留する小径メダル貯留用タンク7aと大径メダルM2を大径メダル貯留用タンク7bを別々に設けたが、両タンクを一つにして両メダルM1,M2が混在状態で貯留されるようにしても、該タンクから排出されたメダルM1,M2はメダル選別機6を経てから小径メダル補給用コンベヤ3aまたは大径メダル補給用コンベヤ3bに分配されるので、メダル要求信号によって指示されたメダルと異なる大きさのメダルが誤って該コンベヤ3aまたはコンベヤ3bに乗せられることはない。ただし、実施形態で示したように予め小径メダルM1と大径メダルM2とに選別しそれぞれタンク7aとタンク7bに貯留しておくことにより、メダル要求信号によって指示されたメダルを迅速に補給することができる。