JP2012021812A - 濃度定量装置及び濃度定量方法並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の濃度定量装置は、皮膚に光を照射する照射部5と、皮膚からの後方散乱光から真皮層より放射される後方散乱光を選択する光散乱媒質層選択部7と、真皮層から放射される後方散乱光を受光する受光部8と、真皮層の温度を測定する温度センサと、受光部8が受光した後方散乱光の強度を取得する光強度取得部9と、真皮層の光吸収係数を算出する光吸収係数算出部12と、真皮層のグルコース濃度を算出する濃度算出部13と、グルコース濃度を真皮層の温度に基づいて補正する濃度補正部14とを備えている。
【選択図】図1
Description
一方、高齢化社会の到来により、予防医学に対する要求の高まりを受けて、個人における代謝量管理の重要性が急速に増大している。中でも、血糖値は、糖尿病の極初期の段階での糖代謝の反応を測定することで、糖尿病の早期診断に基づく早期治療を行うことができる。
また、血糖値を連続的に測定する方法としては、静脈に注射針を刺した状態で連続的に血糖値相応のグルコースの定量を行う機器が米国にて開発されており、現在臨床試験中であるが、静脈に注射針を刺したままにしているために、血糖値の測定中に針が抜ける危険性や感染症の危険性がある。
そこで、採血無しに頻繁に血糖値を測定することができ、しかも感染症の危険性が無い血糖値の測定装置の開発が求められている。さらには、簡単にかつ常時装着可能であり、小型化可能な血糖値の測定装置の開発が求められている。
この装置は、皮膚に近赤外の連続光を照射し、その光吸収量からグルコースの濃度を算出する装置であり、具体的には、予めグルコース濃度と照射する近赤外光の波長と光の吸収量との関係を示す検量線を作成しておき、皮膚に近赤外の連続光を照射し、この皮膚からの戻り光をモノクロメーター等を用いてある波長域を走査し、その波長域の各波長に対する光の吸収量を求め、この各波長における光の吸収量と検量線とを比較することで、血液中のグルコース濃度、すなわち血糖値を算出している。
そこで、生体表面近傍の組織中のグルコース濃度を近赤外領域における光の吸収を利用して測定する場合に、近赤外光受発光用の光ファイババンドルのプロ−ブ先端の測定面と生体の表面近傍組織との接触部分の温度を、ヒータ及び表面温度検知手段を用いて一定にする装置も提案されている(特許文献2参照)。
例えば、近赤外光受発光用の光ファイババンドルのプロ−ブ先端の測定面と生体の表面近傍組織との接触部分の温度を、ヒータ及び表面温度検知手段を用いて一定にすれば、確かに、接触部分の温度は一定になるが、生体自体の温度が変化した場合、この生体の表面近傍組織の温度も変化して近赤外光に対する吸収係数が変化してしまい、やはり、生体中のグルコース濃度を精度よく測定することは難しい。
すなわち、本発明の濃度定量装置は、複数の光散乱媒質の層により構成される観測対象のうち、任意の層における目的成分の濃度を定量する濃度定量装置であって、
前記観測対象に光を照射する照射手段と、前記光を照射することにより前記観測対象より放射される複数種の後方散乱光から前記任意の層より放射される後方散乱光を選択する光散乱媒質層選択手段と、前記任意の層から放射される後方散乱光を受光する受光手段と、前記観測対象のうち前記任意の層の温度を測定する温度測定手段と、前記受光手段が受光した前記任意の層から放射される後方散乱光の強度を取得する光強度取得手段と、前記光強度取得手段が取得した光強度に基づいて、前記任意の層の光吸収係数を算出する光吸収係数算出手段と、前記光吸収係数算出手段が算出した光吸収係数に基づいて、前記任意の層における前記目的成分の濃度を算出する濃度算出手段と、前記濃度算出手段が算出した前記目的成分の濃度を、前記温度測定手段により測定した前記温度に基づいて補正する濃度補正手段と、を備えてなることを特徴とする。
このように、濃度算出手段が算出した目的成分の濃度を、温度測定手段により測定した任意の層の温度に基づいて補正することで、この後方散乱光を基に算出される観測対象の任意の層における目的成分の濃度に対する温度の影響を小さくすることができる。したがって、目的成分の濃度における任意の層の温度の影響を小さくすることができ、目的成分の濃度を、非侵襲的に精度良く測定することができる。
前記光強度取得手段は、前記任意の層の複数の時刻t1〜tmにおける光強度を取得し、前記光吸収係数算出手段は、前記任意の層の光吸収係数を、下記の式(1)
から算出することを特徴とする。
このように、後方散乱光を時間分解計測することで、任意の層以外の層からの後方散乱光をノイズとして低減することができ、目的成分の濃度における温度の影響を小さくすることができる。したがって、目的成分の濃度をさらに精度良く測定することができる。
前記光強度取得手段は、所定の時刻から少なくとも所定の時刻τまでの間の光強度の経時的変化を取得し、前記光吸収係数算出手段は、前記任意の層の光吸収係数を、下記の式(2)
から算出することを特徴とする。
このように、後方散乱光を時間分解計測することで、任意の層以外の層からの後方散乱光をノイズとして低減することができ、目的成分の濃度における温度の影響を小さくすることができる。したがって、目的成分の濃度をさらに精度良く測定することができる。
から算出することを特徴とする。
このように、時間分解計測した後方散乱光を用いて任意の層における目的成分の濃度を算出することで、目的成分の濃度における温度の影響を小さくすることができる。したがって、目的成分の濃度をさらに精度良く測定することができる。
また、濃度補正手段により、濃度算出手段が算出した目的成分の濃度を、表面温度測定手段が測定した観測対象の表面近傍の温度と、内部温度測定手段が測定した表面温度測定手段近傍の温度との差に基づいて補正する。
このように、濃度算出手段が算出した目的成分の濃度を、濃度補正手段により、表面温度測定手段が測定した観測対象の表面近傍の温度と、内部温度測定手段が測定した表面温度測定手段近傍の温度との差に基づいて補正することで、この後方散乱光を基に算出される観測対象の任意の層における目的成分の濃度に対する温度の影響を極めて小さくすることができる。したがって、目的成分の濃度における任意の層の温度の影響を極めて小さくすることができ、目的成分の濃度を、非侵襲的に精度良く測定することができる。
このように、濃度算出手段が算出した目的成分の濃度を、表面温度測定手段が測定した観測対象の表面近傍の温度と、内部温度測定手段が測定した表面温度測定手段近傍の温度との差から算出した単位時間当たりの温度変化率に基づいて補正することで、この後方散乱光を基に算出される観測対象の任意の層における目的成分の濃度に対する温度の影響を極めて小さくすることができる。したがって、目的成分の濃度を、非侵襲的に精度良く測定することができる。
本発明の濃度定量装置では、温度調整手段により温度測定手段を所定の温度、例えば36.0℃に温度調整し、保持する。
これにより、温度測定手段における温度の変動が無くなり、温度測定手段の測定精度が向上する。
照射手段により、前記観測対象に光を照射し、次いで、温度測定手段により、前記観測対象のうち前記任意の層の温度を測定し、次いで、光散乱媒質層選択手段により、前記光を照射することにより前記観測対象より放射される複数種の後方散乱光から前記任意の層より放射される後方散乱光を選択し、次いで、受光手段により、前記任意の層から放射される後方散乱光を受光し、次いで、光強度取得手段により、前記受光手段が受光した前記任意の層から放射される後方散乱光の強度を取得し、次いで、光吸収係数算出手段により、前記光強度取得手段が取得した光強度に基づいて、前記任意の層の光吸収係数を算出し、次いで、濃度算出手段により、前記光吸収係数算出手段が算出した光吸収係数に基づいて、前記任意の層における前記目的成分の濃度を算出し、次いで、濃度補正手段により、前記濃度算出手段が算出した前記目的成分の濃度を、前記温度測定手段により測定した前記温度に基づいて補正する、ことを特徴とする。
このように、濃度算出手段により算出した任意の層における目的成分の濃度を、濃度補正手段により、温度測定手段により測定した温度に基づいて補正することで、観測対象の任意の層における目的成分の濃度においても、その濃度における任意の層の温度の影響を小さくすることができる。したがって、目的成分の濃度における任意の層の温度の影響を小さくすることができ、目的成分の濃度を、非侵襲的に精度良くかつ効率良く測定することができる。
このように、観測対象のうち任意の層の温度を測定する温度測定手順、及び濃度算出手順により算出した目的成分の濃度を、温度測定手順にて得られた温度に基づいて補正する濃度補正手順、を実行することで、任意の層から放射された後方散乱光における温度の影響を小さくすることができ、この後方散乱光を基に算出された観測対象の任意の層における目的成分の濃度においても、任意の層の温度の影響を小さくすることができる。したがって、目的成分の濃度における任意の層の温度の影響を小さくすることができ、目的成分の濃度を、非侵襲的に精度良くかつ効率良く測定することができる。
本発明では、濃度定量装置として血糖値測定装置を、観測対象として人の手のひらの皮膚を、目的成分としてグルコースを、特定波長の光として特定波長の短時間パルス光を、それぞれ例に取り説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の血糖値測定装置の構成を示す概略ブロック図、図2は、同血糖値測定装置の導光部の構成の概略を示す断面図である。
この血糖値測定装置1は、手のひら等の皮膚(観測対象)を構成する複数層のうちの真皮層(任意の層)に含まれるグルコース(目的成分)の濃度を非侵襲にて定量する装置であり、シミュレーション部2と、光路長分布記憶部(光路長分布記憶手段)3と、時間分解波形記憶部(時間分解波形記憶手段)4と、照射部(照射手段)5と、導光部6と、光散乱媒質層選択部(光散乱媒質層選択手段)7と、受光部(受光手段)8と、光強度取得部(光強度取得手段)9と、光路長取得部(光路長取得手段)10と、無吸収時光強度取得部(光強度モデル取得手段)11と、光吸収係数算出部(光吸収係数算出手段)12と、濃度算出部(濃度算出手段)13と、濃度補正部(濃度補正手段)14とを備えている。
光路長分布記憶部3は、皮膚に対して照射する短時間パルス光の、この皮膚を構成する各々の層における伝搬光路長分布のモデルを記憶する。ここでは、光吸収係数がゼロの皮膚モデルの伝搬光路長分布を記憶する。
時間分解波形記憶部4は、皮膚に対して照射する短時間パルス光の時間分解波形のモデルを記憶する。ここでは、光吸収係数がゼロの皮膚モデルの時間分解波形を記憶する。
照射部5は、皮膚に短時間パルス光を照射する。ここで、短時間パルス光とは、パルス幅が100psec程度かそれ以下のパルス光を意味する。なお、短時間パルス光として0.1psecから数psecの範囲のパルス幅を持つパルス光を用いても良い。
断熱材23は、皮膚31の温度変化に影響しない範囲で熱容量が十分大きい断熱性を有する材料であればよい。この断熱材23と皮膚31との間隔は、この皮膚31の温度変化を断熱材23が直接受けない程度に離れていることが好ましく、0.5mm〜1.0mmが好ましい。この断熱材23では、熱容量を皮膚31の温度変化に影響しない程度に十分小さくすることで、温度到達値の90%に達するまでの熱応答時間を0.2秒以内に抑えることができる。
温度センサ24は、皮膚31の表面から0.3mmないし1.5mmの深さにある真皮層の温度を非接触で測定する。
この温度センサ24は、周囲が断熱材23により覆われているので、照射導光路21及び受光導光路22の温度の影響を受ける虞がなく、皮膚を構成する複数層のうちの真皮層付近の温度を測定することができる。
受光部8は、短時間パルス光が皮膚によって後方散乱した光を受光する。
ここで、この複数の時刻は、皮膚を構成する各々の層の伝搬光路長分布のピーク時間を含むことが好ましい。
このように、各々の層の伝搬光路長分布のピーク時間を含むことで、皮膚の複数の層から任意の層、例えば真皮層を効率的に選択することができる。
無吸収時光強度取得部11は、時間分解波形記憶部4から、短時間パルス光の時間分解波形のモデルの所定の時刻における光の強度を取得する。ここでは、時間分解波形記憶部4からある時刻における光強度を取得する。
光吸収係数算出部12は、短時間パルス光を照射した皮膚の真皮層における光吸収係数を算出する。
から算出する。
ここで、第1層は表皮層、第2層は真皮層、第3層は皮下組織を示し、μ1は表皮層の光吸収係数、μ2は真皮層の光吸収係数、μ3は皮下組織の光吸収係数を示す。
この濃度算出部13では、皮膚の任意の層におけるグルコースの濃度を、下記の式(5)
から算出する。
ここで、第1層は表皮層、第2層は真皮層、第3層は皮下組織を示し、μ1は表皮層の光吸収係数、μ2は真皮層の光吸収係数、μ3は皮下組織の光吸収係数を示す。
この濃度補正部14では、濃度算出部13で算出された真皮層のグルコースの濃度を、温度センサ24にて測定された真皮層の温度と基準温度との差を用いて補正することで、この真皮層のグルコースの濃度に対する真皮層の温度の影響を抑えることが可能である。これにより、真皮層のグルコースの濃度における真皮層の温度の影響を抑制することが可能になり、グルコースの濃度を、非侵襲的に精度良く測定することが可能である。
また、これらの後方散乱光の集光と前後して、温度センサ24が皮膚31を構成する複数層のうちの真皮層の温度を測定する。
光散乱媒質層選択部7は、皮膚31から放射される複数種の後方散乱光から、真皮層により放射される後方散乱光のみを選択する。受光部8は、真皮層から放射される後方散乱光のみを受光する。
一方、光路長取得部10は、光路長分布記憶部3から、皮膚モデルにおける伝搬光路長分布の時刻tにおける皮膚31の各層の光路長を取得し、無吸収時光強度取得部11は、時間分解波形記憶部4から、皮膚モデルにおける短時間パルス光の時間分解波形の時刻tにおける光の強度を取得する。
次いで、濃度算出部13は、光吸収係数算出部12が算出した光吸収係数に基づいて、皮膚20の真皮層に含まれるグルコースの濃度を、上記の式(5)に基づき算出する。
このようにして、真皮層に含まれるグルコースの濃度が算出される。
このように、任意の温度における真皮層のグルコースの濃度を、温度センサ24にて測定した真皮層の温度を用いて補正することにより、真皮層のグルコースの濃度に対する温度の影響を小さくすることができる。
血糖値測定装置1は、血糖値を測定する前に、予め皮膚モデルの各層における伝搬光路長分布と時間分解波形とを算出しておく必要がある。
図3は、人の皮膚組織の断面を示す模式図であり、皮膚31は、概ね水を20%程度含み、残部が蛋白質からなる厚み0.3mm程度の表皮層32と、表皮層32下に形成され、概ね水を60%程度、蛋白質、脂質及びグルコースを含有する厚み1.2mm程度の真皮層(任意の層)33と、真皮層33下に形成され、概ね脂質を90%以上含み、残部が水からなる厚み3.0mm程度の皮下組織34とにより構成されている。
初めに、シミュレーション部2は、皮膚モデルを生成する。皮膚モデルの生成は、皮膚の各層の光散乱係数、光吸収係数及び厚みを決定することで行う。ここで、皮膚の各層の散乱係数及び厚みは、個体による差が少ないので、予めサンプルを取ることなどによって決定すると良い。
また、ここで用いる皮膚モデルの光吸収係数はゼロとする。その理由は、この皮膚モデルを用いて光吸収量を算出するからである。
図4では、横軸を光子の照射からの経過時間とし、縦軸を光路長の対数表示としている。
シミュレーション部2は、受光部8に到達した光子の各々の移動経路を、移動経路が通過する層毎に分類する。そして、シミュレーション部2は、単位時間毎に到達した光子の移動経路の平均長を分類された層毎に算出することで、図4に示すような皮膚の各層の伝搬光路長分布を算出する。
図5では、横軸を光子の照射からの経過時間とし、縦軸を受光部8が検出した光子数としている。
シミュレーション部2は、単位時間毎に受光部8に到達した光子の個数を算出することで、図5に示すような皮膚モデルの時間分解波形を算出する。
上述したような処理により、シミュレーション部2は、複数の波長に対して、皮膚モデルの伝搬光路長分布及び時間分解波形を算出する。このとき、シミュレーション部2は、皮膚の主成分(水、たんぱく質、脂質、グルコース等)の吸収スペクトルの差が大きくなる波長について伝搬光路長分布及び時間分解波形を算出すると良い。
図6では、横軸を照射する光の波長(μm)とし、縦軸を照射する光の皮膚への浸透深さ(cm)とし、水に向かって光を入射した場合、入射時の光強度が1/10に減少するまでに進む浸透深さを赤外域の各波長の光に対して示している。
例えば、3.0μm付近の波長帯域の光では、浸透深さが2×10−3cm程度と浅く、水に吸収され易く、また、2.0μm以下の波長帯域の光では、浸透深さが10−2cmより深く、水に吸収され難いことが分かる。
図7によれば、グルコースの吸収係数は波長が1600nmのときに極大となり、水の吸収係数は波長が1450nmのときに極大となることがわかる。
したがって、シミュレーション部2は、例えば1400nm、1450nm、1500nm、1600nm、1680nm、1720nm、1740nmというように皮膚の主成分の吸収スペクトルの差が大きくなる波長について伝搬光路長分布及び時間分解波形を算出すると良い。
この図によれば、真皮層33の吸収スペクトルには、波長1450nm付近に極大値があり、その吸収係数値は水の吸収係数の60%程度の値なので、真皮層33の吸収の60%は水分によるものと考えられる。また、表皮層32の吸収スペクトルにおいても、波長1450nm付近に真皮層23の1/3程度の大きさの極大値があり、その吸収係数値は水の吸収係数の20%程度の値なので、表皮層32の吸収の20%は水分によるものと考えられる。一方、皮下組織34の吸収スペクトルでは、波長1450nm付近に真皮層23の1/10程度の大きさの極大値しかなく、その吸収係数値は水の吸収係数の数%程度の値なので、皮下組織34の吸収の数%程度が水分によるものと考えられる。
図9は、水の吸光度スペクトルの温度依存性を示す図であり、図中、Aは41℃における水の吸光度スペクトル、Bは21℃における水の吸光度スペクトルである。
ここでは、セル長が1mmの光学セルを用い、光学セルホルダとして温調ユニットタイプのものを用い、恒温循環槽を用いて±0.1℃の範囲で温度調節を行い、紫外可視近赤外分光光度計 Lambda 900S(パーキンエルマー社製)を用いて41℃及び21℃各々における水の吸光度スペクトルを測定した。
図9によれば、水の吸光度スペクトルの極大値は、21℃では波長1450nm付近にあり、温度が21℃より高くなるにしたがって、極大値が1450nmより短波長側にシフトすることが分かる。
図10によれば、蒸留水の吸光度スペクトルは、波長により温度の影響が異なることが分かる。したがって、グルコース水溶液中のグルコース濃度を吸光度で求める場合、用いる波長に対応して温度補正を行えば、水の吸光度スペクトルの影響を除外した正確な測定値が得られることとなる。
また、この濃度では、グルコースと水の体積比率が6:100と大きく、無視できない。このように、試料側の水の体積が参照側の水の体積と比べて減少しているので、水の吸光度の大きい1400〜1500nm付近と1900nm以上の波長領域では、吸光度スペクトル差が大きく負になっている。この体積減少は、セル長1mmに対して0.057mmの減少に相当している。
例えば、波長1600nmにおいては、9.4g/dlのグルコース量で吸光度が0.035程度であるから、吸収係数は0.08/mm程度となる。一方、真皮層におけるグルコース量の正常値は100mg/dl程度であるから、この正常値に対応する吸収係数は0.0008/mm程度となる。
図10中、波長1600nmにおいては、4℃の上昇に対して吸光度差は−0.008程度であるから、吸収係数の変化は−0.02/mm程度となる。
ここで、温度変化に対して吸光度変化が線形になると仮定すると、温度が1℃上昇すると、吸収係数の変化量は−0.004/mmとなる。すなわち、この1℃上昇は、グルコース濃度が500mg/dlの減少に相当することがわかる。
これは、吸光光度計を用いて、セル長1mm、試料温度21℃及び41℃それぞれの吸光度スペクトルを求めた結果における補正値である。
まず、被測定者が血糖値測定装置1を手首等の皮膚に当て、測定開始スイッチ(図示せず)の押下等により血糖値測定装置1を動作させる。
ここでは、温度センサ24により、皮膚31を構成する真皮層33の温度を測定する(ステップS1)。
一方、照射部5が、皮膚31に対して、この皮膚31を構成する真皮層33に短時間パルス光を照射する(ステップS2)。
光散乱媒質層選択部7では、導光部6により集光されかつ導光された皮下組織32、真皮層33及び表皮層34各々から放射される後方散乱光から、真皮層33により放射される後方散乱光を選択する(ステップS3)。
ここで、光強度取得部9が光強度を取得する時刻t1〜tmは、真皮層33から放射される後方散乱光のピークとなる時刻を含むことが好ましい。すなわち、照射部5が短時間パルス光を照射した時刻に、真皮層33の光路長が極大となる時間を加算した時刻とすることが好ましい。
から算出する(ステップS6)。
ここでは、第1層は表皮層、第2層は真皮層、第3層は皮下組織を示し、μ1は表皮層の光吸収係数、μ2は真皮層の光吸収係数、μ3は皮下組織の光吸収係数を示す。
ここでは、例えば、単一波長での主要成分の光吸収係数と、各層の光吸収係数との関係から、グルコースの濃度を算出する場合について説明する。
下記の式(9)は、皮膚の光吸収係数が、水、グルコース、蛋白質、脂質及びその他の成分各々の波長に関する関数とその係数との積の和であることを示している。
式(16)中、εWは水の光吸収係数、εGはグルコースの光吸収係数、εPは蛋白質の光吸収係数、εLは脂質の光吸収係数、μL1は表皮の光吸収係数、μL2は真皮の光吸収係数、μL3は皮下組織の光吸収係数である。なお、皮膚主成分の光吸収係数、皮膚の層はさらに追加されても良い。
ここでは、真皮層33に含まれるグルコースの濃度を下記の式(17)
から算出する(ステップS7)。
グルコースの濃度の測定値−水の吸収係数相応値
にて補正する(ステップS8)。
例えば、真皮層33の温度がT℃上昇した場合、光の吸収係数の変化量は−0.004/mm×Tとなる。したがって、真皮層33の温度がT℃上昇した場合のグルコース濃度の減少量は500mg/dl×Tとなる。
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。
また、このコンピュータプログラムを通信回線によりコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
図13は、本発明の第2の実施形態の血糖値測定装置(濃度定量装置)の導光部の構成の概略を示す断面図であり、本実施形態の血糖値測定装置41の導光部42が第1の実施形態の血糖値測定装置1の導光部6と異なる点は、温度センサ24を、皮膚31の表面の温度を測定する表面温度センサ(表面温度測定手段)43と、断熱材23内に設けられ表面温度センサ43自体の温度を直接測定する内部温度センサ(内部温度測定手段)44とに替え、さらに、表面温度センサ43にて測定された真皮層33の温度と内部温度センサ44にて測定された表面温度センサ43近傍の温度との差を、単位時間当たりの温度変化率として算出する表面・内部温度変化率算出部(表面・内部温度変化率算出手段)45を設け、この表面・内部温度変化率算出部45を濃度補正部14に接続した点であり、導光部42以外の構成であるシミュレーション部2〜濃度補正部14については第1の実施形態の血糖値測定装置1と全く同様であるから、説明を省略する。
まず、被測定者が血糖値測定装置41を手首等の皮膚に当て、測定開始スイッチ(図示せず)の押下等により血糖値測定装置41を動作させる。
ここでは、表面温度センサ43により皮膚31の表面近傍、すなわち真皮層33の温度を測定し、内部温度センサ44により表面温度センサ43近傍の温度を測定する(ステップS11)。
その後、皮下組織32、真皮層33及び表皮層34各々から放射される後方散乱光から、真皮層33により放射される後方散乱光を選択する手順(ステップS13)から、濃度算出部13により、真皮層33に含まれるグルコースの濃度を算出する手順(ステップS17)までは、第1の実施形態の図12に示す手順(ステップS3〜S7)と全く同様である。
ここで、単位時間当たりの温度変化率が設定値以内であれば、次の手順である濃度補正部14による温度補正を行い、設定値を超えていれば、その旨を音声等の告知手段で告知し、再度、表面温度センサ43により皮膚31の表面近傍、すなわち真皮層33の温度を測定し、内部温度センサ44により表面温度センサ43近傍の温度を測定する(ステップS11)。
グルコースの濃度の測定値−水の吸収係数相応値
にて補正する(ステップS19)。
例えば、真皮層33の温度がT℃上昇した場合、光の吸収係数の変化量は−0.004/mm×Tとなる。したがって、真皮層33の温度がT℃上昇した場合のグルコース濃度の減少量は500mg/dl×Tとなる。
図15は、本発明の第3の実施形態の血糖値測定装置(濃度定量装置)の導光部の構成の概略を示す断面図であり、本実施形態の血糖値測定装置51の導光部52が第1の実施形態の血糖値測定装置1の導光部6と異なる点は、断熱材23の温度センサ24と反対側の面に、温度センサ24近傍をヒータ等の加熱手段を用いて所定温度、例えば36.0℃に温度調整し、保温する内部保温部(温度調整手段)53を設けた点であり、導光部52以外の構成であるシミュレーション部2〜濃度補正部14については第1の実施形態の血糖値測定装置1と全く同様であるから、説明を省略する。
まず、被測定者が血糖値測定装置51を手首等の皮膚に当て、測定開始スイッチ(図示せず)の押下等により血糖値測定装置51を動作させる。
ここでは、内部保温部53により、温度センサ24近傍を所定温度、例えば36.0℃に温度調整し、保温する(ステップS21)。
次いで、温度センサ24により皮膚31の表面近傍、すなわち真皮層33の温度を測定する(ステップS22)。
その後、皮下組織32、真皮層33及び表皮層34各々から放射される後方散乱光から、真皮層33により放射される後方散乱光を選択する手順(ステップS24)から、濃度算出部13で算出された真皮層33のグルコースの濃度を、温度センサ24にて測定した真皮層33の温度を用いて補正する(ステップS29)までは、第1の実施形態の図12に示す手順(ステップS3〜S8)と全く同様である。
グルコースの濃度の測定値−水の吸収係数相応値
にて補正する(ステップS29)。
例えば、真皮層33の温度がT℃上昇した場合、光の吸収係数の変化量は−0.004/mm×Tとなる。したがって、真皮層33の温度がT℃上昇した場合のグルコース濃度の減少量は500mg/dl×Tとなる。
図17は、本発明の第4の実施形態の血糖値測定装置(濃度定量装置)の導光部の構成の概略を示す断面図であり、本実施形態の血糖値測定装置61の導光部62が第2の実施形態の血糖値測定装置41の導光部42と異なる点は、断熱材23の表面温度センサ43と反対側の面に、第3の実施形態の内部保温部(温度調整手段)53を設けた点であり、導光部62以外の構成であるシミュレーション部2〜濃度補正部14については第1及び第2の実施形態の血糖値測定装置1、41と全く同様であるから、説明を省略する。
まず、被測定者が血糖値測定装置41を手首等の皮膚に当て、測定開始スイッチ(図示せず)の押下等により血糖値測定装置41を動作させる。
ここでは、内部保温部53により、表面温度センサ43及び内部温度センサ44近傍を所定温度、例えば36.0℃に温度調整し、保温する(ステップS31)。
一方、照射部5が、皮膚31に対して、この皮膚31を構成する真皮層33に短時間パルス光を照射する(ステップS33)。
ここで、単位時間当たりの温度変化率が設定値以内であれば、次の手順である濃度補正部14による温度補正を行い、設定値を超えていれば、その旨を音声等の告知手段で告知し、再度、表面温度センサ43により皮膚31の表面近傍、すなわち真皮層33の温度を測定し、内部温度センサ44により表面温度センサ43近傍の温度を測定する(ステップS32)。
グルコースの濃度の測定値−水の吸収係数相応値
にて補正する(ステップS40)。
例えば、真皮層33の温度がT℃上昇した場合、光の吸収係数の変化量は−0.004/mm×Tとなる。したがって、真皮層33の温度がT℃上昇した場合のグルコース濃度の減少量は500mg/dl×Tとなる。
図19は、本発明の第5の実施形態の血糖値測定装置(濃度定量装置)の構成を示す概略ブロック図であり、本実施形態の血糖値測定装置71が第1の実施形態の血糖値測定装置1と異なる点は、光強度取得部9及び光吸収係数算出部12を、これらとは異なる機能を有する光強度取得部(光強度取得手段)72及び光吸収係数算出部(光吸収係数算出手段)73に替えた点である。
光吸収係数算出部73は、特定波長λkの短時間パルス光を照射した皮膚の真皮層における光吸収係数を算出する。
から算出する。
ここで、第1層は表皮層、第2層は真皮層、第3層は皮下組織を示し、μ1は表皮層の光吸収係数、μ2は真皮層の光吸収係数、μ3は皮下組織の光吸収係数を示す。
この手順では、光散乱媒質層選択部7が皮下組織32、真皮層33及び表皮層34各々から放射される後方散乱光から、真皮層33により放射される後方散乱光を選択する(ステップS43)手順までが図12に示す手順と同一であるから、説明を省略する。
次いで、この受光部8が受光を完了したことを光強度取得部72に知らせると、この光強度取得部72では、真皮層33から放射される後方散乱光の照射開始から少なくとも所定の時刻τまでの間の受光強度を取得する(ステップS45)。
から算出する(ステップS46)。
から算出する(ステップS47)。
グルコースの濃度の測定値−水の吸収係数相応値
にて補正する(ステップS48)。
例えば、真皮層33の温度がT℃上昇した場合、光の吸収係数の変化量は−0.004/mm×Tとなる。したがって、真皮層33の温度がT℃上昇した場合のグルコース濃度の減少量は500mg/dl×Tとなる。
例えば、上記の各実施形態では、濃度定量装置として血糖値測定装置を、観測対象として人の手のひらの皮膚を、目的成分としてグルコースを、特定波長の光として特定波長の短時間パルス光を、それぞれ取ることで、皮膚の真皮層に含まれるグルコースの濃度を測定する場合について説明したが、これに限らず、濃度定量方法を、複数の光散乱媒質の層から形成される観測対象の任意の層における目的成分の濃度を定量する他の装置に用いてもよい。
この場合、シミュレーション部2、光路長分布記憶部3、時間分解波形記憶部4、光路長取得部10及び無吸収時光強度取得部11が不要となり、しかも温度補正は可能である。
さらに、上記の各実施形態の濃度定量装置を、例えば、携帯型の皮膚主成分の濃度測定装置に適用した場合、皮膚疾患の検査や診断や治療に有効利用することが可能である。
Claims (9)
- 複数の光散乱媒質の層により構成される観測対象のうち、任意の層における目的成分の濃度を定量する濃度定量装置であって、
前記観測対象に光を照射する照射手段と、
前記光を照射することにより前記観測対象より放射される複数種の後方散乱光から前記任意の層より放射される後方散乱光を選択する光散乱媒質層選択手段と、
前記任意の層から放射される後方散乱光を受光する受光手段と、
前記観測対象のうち前記任意の層の温度を測定する温度測定手段と、
前記受光手段が受光した前記任意の層から放射される後方散乱光の強度を取得する光強度取得手段と、
前記光強度取得手段が取得した光強度に基づいて、前記任意の層の光吸収係数を算出する光吸収係数算出手段と、
前記光吸収係数算出手段が算出した光吸収係数に基づいて、前記任意の層における前記目的成分の濃度を算出する濃度算出手段と、
前記濃度算出手段が算出した前記目的成分の濃度を、前記温度測定手段により測定した前記温度に基づいて補正する濃度補正手段と、
を備えてなることを特徴とする濃度定量装置。 - 前記光を短時間パルス光とし、さらに、
前記観測対象に対して照射する前記短時間パルス光の、前記複数の光散乱媒質の層の各々の層における伝搬光路長分布のモデルを記憶する光路長分布記憶手段と、
前記観測対象に対して照射する前記短時間パルス光の時間分解波形のモデルを記憶する時間分解波形記憶手段と、
前記光路長分布記憶手段から、前記伝搬光路長分布のモデルの前記所定の時刻における、前記複数の光散乱媒質の層の各々の層の光路長を取得する光路長取得手段と、
前記時間分解波形記憶手段から、前記短時間パルス光の時間分解波形のモデルの前記所定の時刻における光の強度を取得する光強度モデル取得手段とを備え、
前記光強度取得手段は、前記任意の層の複数の時刻t1〜tmにおける光強度を取得し、
前記光吸収係数算出手段は、前記任意の層の光吸収係数を、下記の式(1)
から算出することを特徴とする請求項1記載の濃度定量装置。 - 前記光を短時間パルス光とし、さらに、
前記観測対象に対して照射する前記短時間パルス光の、前記複数の光散乱媒質の層の各々の層における伝搬光路長分布のモデルを記憶する光路長分布記憶手段と、
前記観測対象に対して照射する前記短時間パルス光の時間分解波形のモデルを記憶する時間分解波形記憶手段と、
前記光路長分布記憶手段から、前記伝搬光路長分布のモデルの前記所定の時刻における、前記複数の光散乱媒質の層の各々の層の光路長を取得する光路長取得手段と、
前記時間分解波形記憶手段から、前記短時間パルス光の時間分解波形のモデルの前記所定の時刻における光の強度を取得する光強度モデル取得手段とを備え、
前記光強度取得手段は、所定の時刻から少なくとも所定の時刻τまでの間の光強度を取得し、
前記光吸収係数算出手段は、前記任意の層の光吸収係数を、下記の式(2)
から算出することを特徴とする請求項1記載の濃度定量装置。 - 前記温度測定手段は、前記観測対象の表面近傍の温度を測定する表面温度測定手段と、前記表面温度測定手段近傍の温度を測定する内部温度測定手段とを備え、
前記濃度補正手段は、前記濃度算出手段が算出した前記目的成分の濃度を、前記表面温度測定手段が測定した前記観測対象の表面近傍の温度と、前記内部温度測定手段が測定した前記表面温度測定手段近傍の温度との差に基づいて補正する濃度補正手段であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の濃度定量装置。 - 前記温度測定手段に、前記表面温度測定手段が測定した前記観測対象の表面近傍の温度と、前記内部温度測定手段が測定した前記表面温度測定手段近傍の温度との差を、単位時間当たりの温度変化率として算出する表面・内部温度変化率算出手段を設けてなることを特徴とする請求項5記載の濃度定量装置。
- 前記温度測定手段に温度調整手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の濃度定量装置。
- 複数の光散乱媒質の層により構成される観測対象のうち、任意の層における目的成分の濃度を定量する濃度定量方法であって、
照射手段により、前記観測対象に光を照射し、
次いで、温度測定手段により、前記観測対象のうち前記任意の層の温度を測定し、
次いで、光散乱媒質層選択手段により、前記光を照射することにより前記観測対象より放射される複数種の後方散乱光から前記任意の層より放射される後方散乱光を選択し、
次いで、受光手段により、前記任意の層から放射される後方散乱光を受光し、
次いで、光強度取得手段により、前記受光手段が受光した前記任意の層から放射される後方散乱光の強度を取得し、
次いで、光吸収係数算出手段により、前記光強度取得手段が取得した光強度に基づいて、前記任意の層の光吸収係数を算出し、
次いで、濃度算出手段により、前記光吸収係数算出手段が算出した光吸収係数に基づいて、前記任意の層における前記目的成分の濃度を算出し、
次いで、濃度補正手段により、前記濃度算出手段が算出した前記目的成分の濃度を、前記温度測定手段により測定した前記温度に基づいて補正する、
ことを特徴とする濃度定量方法。 - 複数の光散乱媒質の層により構成される観測対象のうち、任意の層における目的成分の濃度を定量する濃度定量装置のコンピュータに、
前記観測対象に光を照射する照射手順、
前記観測対象のうち前記任意の層の温度を測定する温度測定手順、
前記光を照射することにより前記観測対象より放射される複数種の後方散乱光から前記任意の層より放射される後方散乱光を選択する光散乱媒質層選択手順、
前記任意の層から放射される後方散乱光を受光する受光手順、
前記受光手順にて得られた前記任意の層から放射される後方散乱光の強度を取得する光強度取得手順、
前記光強度取得手順にて取得した光強度に基づいて、前記任意の層の光吸収係数を算出する光吸収係数算出手順、
前記光吸収係数算出手順にて算出した光吸収係数に基づいて、前記任意の層における前記目的成分の濃度を算出する濃度算出手順、
前記濃度算出手順により算出した前記目的成分の濃度を、前記温度測定手順にて得られた前記温度に基づいて補正する濃度補正手順、
を実行させることを特徴とするプログラム。
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