JP2012019581A - グロメット装着部の遮音構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】周縁からバーリングが突出したワイヤハーネス挿通用の貫通穴を設けた車体の車室側面に、前記貫通穴の外周を囲むサイレンサが取り付けられており、前記貫通穴に挿通するワイヤハーネスに、ゴムまたはエラストマーからなるグロメット本体と、該グロメット本体に内嵌される樹脂インナーとからなる二体物のグロメットが外装され、前記グロメット本体はシール用の傘状筒部を備え、該傘状筒部は前記バーリングの内周面を通過して車室側へ突出する柄部と、該柄部の先端から外向きに屈曲部を介して拡がる傘部を有し、前記傘部は、前記貫通穴通過時に前記屈曲位置を支点として一旦閉じ方向に回転し、貫通穴通過後に拡がって傘部の先端シール部が前記サイレンサに押し当てられる。
【選択図】図2
Description
特開平8−308067号公報(特許文献1)では、図8に示すように、貫通穴HにはワイヤハーネスW/Hに外装したグロメット110を装着し、該グロメット110に設けたシールリップ111を貫通穴Hを通過させて車室面側からサイレンサ100に押し当てている。
前記シールリップ111をサイレンサ100に当接することで、貫通穴Hとサイレンサ100との間に隙間を生じないようにして、エンジンルームX側の騒音が車室Yに侵入するのを阻止すると共に、車室側面ではサイレンサ100によりエンジンルーム側の騒音を吸音して車室Y内を静寂に保つようにしている。
を設けた拡径筒112を設ける必要があり、該拡径筒112の外径は貫通穴Hの内径より大きいため貫通穴Hの挿通作業性が非常に悪い問題がある。
また、グロメット内部にサイレンサを設けても、グロメット外周の貫通穴周縁からの遮音性能の向上は図れない。
周縁からバーリングが突出したワイヤハーネス挿通用の貫通穴を設けた車体の車室側面に、前記貫通穴の外周を囲むサイレンサが取り付けられており、
前記貫通穴に挿通するワイヤハーネスに、ゴムまたはエラストマーからなるグロメット本体と、該グロメット本体に内嵌される樹脂インナーとからなる二体物のグロメットが外装され、
前記グロメット本体はシール用の傘状筒部を備え、該傘状筒部は前記バーリングの内周面を通過して車室側へ突出する柄部と、該柄部の先端から外向きに屈曲部を介して拡がる傘部を有し、
前記傘部は、前記貫通穴通過時に前記屈曲位置を支点として一旦閉じ方向に回転し、貫通穴通過後に拡がって傘部先端のシール部が前記サイレンサに押し当てられるグロメット装着部の遮音構造を提供している。
これにより、サイレンサを貫通穴から突出させることなく、サイレンサが貼り付けられていない貫通穴の周縁から、即ち、サイレンサの貫通穴からの音漏れを低減または防止することができる。
前記樹脂インナーは前記グロメット本体の傘状筒部の外周側に嵌合すると共に前記バーリングの内周側に位置させる筒部と、該筒部の基端から外径方向にL形状に突出する鍔部を備え、該鍔部をグロメット本体の樹脂インナー係止用中空部に内嵌係止している。
前記樹脂インナーに設ける差込穴は、前記バーリングの内周に位置する筒部を2重筒とし、該2重筒の先端を開口して差込穴としている。
樹脂インナーおよびグロメット本体の他の形状は第一の態様と同様としている。
図1乃至図3に第1実施形態を示す。
図1に示すように、自動車のエンジンルームXと車室Yを仕切る車体のダッシュパネルPに設けたバーリング付きの貫通穴HにワイヤハーネスW/Hを通し、該ワイヤハーネスに外装しているグロメット1を貫通穴Hの内周縁に装着し、かつ、該グロメット1に設けたシール部33をダッシュパネルPの室内側面Piに貼り付けたサイレンサ3の貫通穴3aの周縁に車室側から当接している。
ダッシュパネルPの貫通穴Hの周縁から屈曲するバーリングHbはエンジンルームX側へ突出し、該ダッシュパネルPの反対側面の車室側面にサイレンサ3が貼り付けられている。グロメット1はエンジンルームXから車室Y内へ貫通穴Hを通して挿入される。
前記リブ34は、周方向に間隔をあけて複数箇所に設けているが、全周に環状のリブとして設けてもよい。
また、傘部32がリブ34に付勢されて開いた状態で、先端シール部33は、バーリングHbを越えた外方に位置し、前記サイレンサ3の車室側面に押し当てられるようにしている。
グロメット1はグロメット本体10に樹脂インナー20を予め組みつけている。即ち、グロメット本体10の樹脂インナー係止用中空部15に樹脂インナー20の鍔部22を挿入係止している。
このグロメット本体10に樹脂インナー20を組みつけた状態で、グロメット本体10の傘状筒部13の傘部32は樹脂インナー20の筒部21より突出すると共に、突出した先端の屈曲部31を介して傘部32は樹脂インナー20の外端より外方へと拡がっている。
第1実施形態と同様に、傘状筒部13の傘部32は開いた状態で賦形している。
第1実施形態では傘部32を開き方向に付勢するリブ34を設けて自動的に傘部32を開くようにしているが、第2実施形態では閉じ位置に保持した傘部32を作業員が引っ張って開くようにしている。
一方、グロメット本体10に設ける傘状筒部13には第1実施形態で設けていたリブ34は設けておらず、屈曲部31および傘部32を変形しやすくしている。該傘部32の先端シール部33を前記差込穴42に差し込んで、傘部32を閉じた状態としている。また、該傘状筒部13の柄部30の基端は径方向突出部12に設けたV字屈曲部12vに連続させて、柄部30を突出側へ引っ張れるようにしている。
他の構成は第1実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
貫通穴Hを通して、グロメット1をバーリングHbに密着係止した後に、図6に示すように、傘状筒部13の突出端の屈曲部31を引っ張ると、差込穴42に差し込んでいた傘部32の先端シール部33を引き出すことができる。これにより、傘部32は賦形された開き状態に戻り、先端シール部33はサイレンサ3の車室側面に押し当てられる。
これにより、サイレンサ3を貫通穴Hから突出させることなく、サイレンサが貼り付けられていない貫通穴の周縁からの音漏れを低減または防止することができる。
3 サイレンサ
3a 貫通穴
10 グロメット本体
13 傘状筒部
20 樹脂インナー
21 筒部
30 柄部
31 屈曲部
31p 回転支点
32 傘部
33 先端シール部
34 リブ
42 差込穴
P ダッシュパネル
H 貫通穴
Hb バーリング
W/H ワイヤハーネス
Claims (4)
- 周縁からバーリングが突出したワイヤハーネス挿通用の貫通穴を設けた車体の車室側面に、前記貫通穴の外周を囲むサイレンサが取り付けられており、
前記貫通穴に挿通するワイヤハーネスに、ゴムまたはエラストマーからなるグロメット本体と、該グロメット本体に内嵌される樹脂インナーとからなる二体物のグロメットが外装され、
前記グロメット本体はシール用の傘状筒部を備え、該傘状筒部は前記バーリングの内周面を通過して車室側へ突出する柄部と、該柄部の先端から外向きに屈曲部を介して拡がる傘部を有し、
前記傘部は、前記貫通穴通過時に前記屈曲位置を支点として一旦閉じ方向に回転し、貫通穴通過後に拡がって傘部の先端シール部が前記サイレンサに押し当てられるグロメット装着部の遮音構造。 - 前記グロメット本体の傘状筒部は前記屈曲部を挟んで柄部と傘部とに連続するリブを設け、該リブにより傘部が拡がるように自動復帰させる弾性機能を持たせている請求項1に記載のグロメット装着部の遮音構造。
- 前記グロメット本体の傘状筒部の傘部の先端を閉じ位置で挿入する差込穴を前記樹脂インナーに設け、前記貫通穴通過後に前記差込穴から前記傘部先端を引き出している請求項1に記載のグロメット装着部の遮音構造。
- 前記グロメット本体は、前記ワイヤハーネスを密着して挿通させる小径筒部と、該小径筒部の外周から突設する径方向突出部と、該径方向突出部の内周側から突出させた前記傘状筒部と、前記径方向突出部の外周端に連続する外周壁部と、該外周壁部から内方へ折り返して樹脂インナー係止用中空部を形成する段状折返部と、該段状折返部の先端面からなるバーリング先端シール部と、前記段状折返部の外面から突設して前記バーリングおよび車体の外面に当接させるシールリップ部を備えた形状としている一方、
前記樹脂インナーは前記グロメット本体の傘状筒部の外周側に嵌合すると共に前記バーリングの内周側に位置させる筒部と、該筒部の基端から外径方向にL形状に突出する鍔部を備え、該鍔部をグロメット本体の樹脂インナー係止用中空部に内嵌係止している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のグロメット装着部の遮音構造。
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