JP2012019583A - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スイッチング電源装置1Aは、メイン電源回路7と、待機電源回路10Aと、メイン動作モードと待機モードのいずれかを指示するメイン動作制御信号Vinの入力端子10d、10eを有するメイン動作制御回路18と、交流電圧v1を1次側直流電圧VC1に変換する1次側整流平滑回路3と、メイン動作モード時に1次側直流電圧を所定の昇圧電圧に昇圧するアクティブフィルタ回路6と、待機電源回路の待機電源用トランスT2の2次巻線Nbに誘起された電圧を直流化した負電圧に基づいて生成された検出電圧V(+)と基準電圧V(-)を比較して、検出電圧が基準電圧よりも小さくなるときに警告信号を出力して交流電圧の低下を検出する低電圧検出回路13Aと、入力端子と低電圧検出回路の間に接続され、メイン動作制御信号の指示に応じて基準電圧を変更する基準電圧変更回路16Aとを備える。
【選択図】図1
Description
この低電圧検出回路(電圧比較回路)は、交流電源からの交流電圧を1次側整流平滑回路(入力整流回路および入力平滑回路)によって整流および平滑して得られた1次側直流電圧と、基準電圧とを比較して、1次側直流電圧が基準電圧よりも小さくなったときに警告信号を出力し、交流電圧の低下を検出するようになっている。
メイン電源用DC−DCコンバータ8は、1次巻線および2次巻線を有するメイン電源用トランスT1を有する。メイン電源用トランスT1の1次巻線の一端は1次側整流平滑回路3に接続される一方、メイン電源用トランスT1の1次巻線の他端はメイン電源用スイッチング素子(MOSFET)M2に接続されている。また、メイン電源用スイッチング素子M2には制御用IC2が接続されている。制御用IC2は、メイン動作モードを指示するHレベルの電圧のメイン動作制御信号Vinが入力端子10d、10e間に入力されている間、ツェナーダイオードD7の安定した電圧の供給を受けて駆動され、メイン電源用スイッチング素子M2のスイッチング動作を制御する。すなわち、メイン電源用DC−DCコンバータ8は、メインモード時においては稼動状態となって、1次側直流電圧VC1をメイン電源用スイッチング素子M2によってスイッチングし、メイン電源用トランスT1の2次巻線にスイッチング電圧を誘起させ、この誘起されたスイッチング電圧を、メイン電源用トランスT1の2次巻線に接続されたメイン電源用整流平滑回路9によって整流および平滑して、直流化されたメイン電源電圧Vmを出力端子7a、7bから出力する。また、メイン電源用DC−DCコンバータ8は、待機モード時においては非稼動状態となる。
待機電源用DC−DCコンバータ11は、1次巻線Na(巻数をNaとする)および2次巻線Nb(巻数をNbとする)を有する待機電源用トランスT2を有する。待機電源用トランスT2の1次巻線Naの一端は1次側整流平滑回路3に接続される一方、1次巻線Naの他端は待機電源用スイッチング素子(MOSFET)M3に接続されている。待機電源用スイッチング素子M3には制御用IC3が接続されている。制御用IC3は、交流電源2の投入時に、1次巻線Naの一端に接続された起動抵抗Rinを介して1次側直流電圧VC1が供給されることにより起動し、待機電源用スイッチング素子M3のスイッチング動作を制御する。すなわち、待機電源用DC−DCコンバータ11は、交流電源2の投入時においては、メイン動作制御回路18に入力されるメイン動作制御信号Vinの有無にかかわらず、1次側直流電圧VC1を待機電源用スイッチング素子M3によってスイッチングし、2次巻線Nbに1次巻線Naのスイッチング電圧Vaに比例したスイッチング電圧Vb=(Nb/Na)×Vaを誘起させ、この誘起されたスイッチング電圧Vbを、2次巻線Nbに接続された待機電源用整流平滑回路12によって整流および平滑し、直流化された待機電源電圧Vsを出力端子10a、10bから出力する。なお、待機電源用整流平滑回路12は、2次巻線Nbの負極側にアノードが接続された整流ダイオードD5と、該ダイオードD5のカソードと2次巻線Nbの正極側を接続する平滑コンデンサC5とから構成されている。
負電圧生成用整流平滑回路14は、2次巻線Nbの負極側にカソードが接続された整流ダイオードD9と、該ダイオードD9のアノードと2次巻線Nbの正極側を接続する平滑コンデンサC7とから構成されている。負電圧生成用整流平滑回路14は、待機電源用スイッチング素子M3によって2次巻線Nbに誘起されたスイッチング電圧Vbを、整流および平滑して、直流化された負電圧VC7に変換する。
比較回路15は、ツェナーダイオードD10と、抵抗R5〜R8、R10と、オペアンプX2とから構成されている。ツェナーダイオードD10のアノードは、出力端子10bおよびメイン動作制御回路18の入力端子10eに接続される。一方、ツェナーダイオードD10のカソードは抵抗R5およびR10を介して負電圧生成用整流平滑回路14に接続され、抵抗R6を介して出力端子10bおよび入力端子10eに接続され、さらに、抵抗R7を介してオペアンプX2に接続されている。
オペアンプX2の(+)側入力端子には、抵抗R7およびR8が接続されており、次式(1)に示されるような、ツェナーダイオードD10の安定した電圧VD10を該抵抗R7およびR8で分圧した基準電圧V(+)が入力される。
基準電圧V(+)の大きさは、一般的に、1次側直流電圧VC1が所定電圧(例えば100V)になった時に、オペアンプX2の出力端子10cからHレベルの警告信号がでるように決定される。
交流電圧v1の投入後、メイン動作制御信号VinはLレベルの電圧(0V)であるため、NPNトランジスタQ2、フォトカプラX1、NPNトランジスタQ1、制御用IC1およびIC2がオフとなり、アクティブフィルタ回路6およびメイン電源回路7はいずれも非稼動状態となっている。
また、交流電圧v1の投入後、図12(E)に示すように、オペアンプX2の(+)側入力端子には上記の式(1)に示される基準電圧V(+)が入力される一方、オペアンプX2の(−)側入力端子には上記の式(2)に示される検出電圧V(−)が入力される。交流電圧v1の投入後、1次側直流電圧VC1が約125〜130Vに上昇し、検出電圧V(−)が1次側直流電圧VC1の上昇に伴って下がっていく。そして、検出電圧V(−)が基準電圧V(+)よりも小さくなった時(同図12の時間t2参照)に、図12(F)に示すように、オペアンプX2の出力端子10cからHレベルの警告信号が出力される。さらに、交流電圧v1が瞬間的に遮断状態(以下「瞬断」という)となった時(同図12の時間t3参照)、約125〜130Vであった1次側直流電圧VC1が0Vに下がり、2次巻線Nbに誘起されたスイッチング電圧Vbが0Vに下がり、負電圧VC7が0Vに近づく。そして、図12(E)に示すように、検出電圧V(−)が1次側直流電圧VC1の低下に伴って上がっていき、検出電圧V(−)が基準電圧V(+)以上となったとき(同図12の時間t4参照)に、図12(F)に示すように、オペアンプX2の出力端子10cからLレベルの警告信号が出力される。検出電圧V(−)は、最終的には、上記の式(2)においてVC7=0とした次式(3)に示される検出電圧V(−)まで上昇する。
このように、このスイッチング電源装置1Zの低電圧検出回路13Zでは、メイン動作モード時において、交流電圧v1が瞬断となってから時間tx=(t12−t10)経過後に、Lレベルの警告信号が出力される。
この構成によれば、基準電圧変更回路が、メイン動作モードと待機モードのいずれかを指示するメイン動作制御信号に応じて、低電圧検出回路の基準電圧として両モード時において互いに異なる2種類の基準電圧を生成するように構成されている。したがって、従来のスイッチング電源装置のような、これら両モードのいずれの場合においても負電圧に基づいて生成された検出電圧と1種類のみの基準電圧とを比較することに起因した、各モード時の交流電圧の低下の検出時間の違いをなくすことができる。
この構成によれば、基準電圧変更回路が、待機モードを指示するメイン動作制御信号に従って低電圧検出回路の基準電圧を第1基準電圧に変更し、メイン動作モードを指示するメイン動作制御信号に従って低電圧検出回路の基準電圧を第1基準電圧よりも小さな第2基準電圧に変更するように構成されている。したがって、従来のスイッチング電源装置のような、メイン動作モード時においてアクティブフィルタ回路の昇圧動作に起因して長くなっていた、交流電圧の低下の検出時間を短くすることができる。
この構成によれば、基準電圧変更回路が、待機モードを指示するメイン動作制御信号に従って低電圧検出回路の基準電圧を第1基準電圧に変更し、メイン動作モードを指示するメイン動作制御信号に従って、時定数回路で定められた所定期間経過後に、低電圧検出回路の基準電圧を第1基準電圧よりも小さな第2基準電圧に変更するように構成されている。したがって、上記の効果に加え、時定数回路によって第2基準電圧の変更タイミングを制御できる点で有用となる。
この構成によれば、基準電圧変更回路が、メイン動作モードと待機モードのいずれかを指示するメイン動作制御信号に応じて、低電圧検出回路の基準電圧として両モード時において互いに異なる2種類の基準電圧を生成するように構成されている。したがって、従来のスイッチング電源装置のような、これら両モードのいずれの場合においても正電圧に基づいて生成された検出電圧と1種類のみの基準電圧とを比較することに起因した、各モード時の交流電圧の低下の検出時間の違いをなくすことができる。
この構成によれば、基準電圧変更回路が、待機モードを指示するメイン動作制御信号に従って低電圧検出回路の基準電圧を第1基準電圧に変更し、メイン動作モードを指示するメイン動作制御信号に従って低電圧検出回路の基準電圧を第1基準電圧よりも大きな第2基準電圧に変更するように構成されている。したがって、従来のスイッチング電源装置のような、メイン動作モード時においてアクティブフィルタ回路の昇圧動作に起因して長くなっていた、交流電圧の低下の検出時間を短くすることができる。
この構成によれば、基準電圧変更回路が、待機モードを指示するメイン動作制御信号に従って低電圧検出回路の基準電圧を第1基準電圧に変更し、メイン動作モードを指示するメイン動作制御信号に従って、時定数回路で定められた所定期間経過後に、低電圧検出回路の基準電圧を第1基準電圧よりも大きな第2基準電圧に変更するように構成されている。したがって、上記の効果に加え、時定数回路によって第2基準電圧の変更タイミングを制御できる点で有用となる。
図1は、本発明の第1実施例によるスイッチング電源装置の回路図である。
図1に示すように、このスイッチング電源装置1Aは、1次側整流平滑回路3と、アクティブフィルタ回路6と、メイン動作制御回路18と、メイン電源回路7と、待機電源回路10Aと、低電圧検出回路13Aと、基準電圧変更回路16Aとを備える。
メイン電源用DC−DCコンバータ8は、1次巻線および2次巻線を有するメイン電源用トランスT1を有する。メイン電源用トランスT1の1次巻線の一端は1次側整流平滑回路3に接続される一方、メイン電源用トランスT1の1次巻線の他端はメイン電源用スイッチング素子(MOSFET)M2に接続されている。また、メイン電源用スイッチング素子M2には制御用IC2が接続されている。制御用IC2は、メイン動作モードを指示するHレベルの電圧のメイン動作制御信号Vinが入力端子10d、10e間に入力されている間、ツェナーダイオードD7の安定した電圧の供給を受けて駆動され、メイン電源用スイッチング素子M2のスイッチング動作を制御する。すなわち、メイン電源用DC−DCコンバータ8は、メインモード時においては稼動状態となって、1次側直流電圧VC1をメイン電源用スイッチング素子M2によってスイッチングし、メイン電源用トランスT1の2次巻線にスイッチング電圧を誘起させ、この誘起されたスイッチング電圧を、メイン電源用トランスT1の2次巻線に接続されたメイン電源用整流平滑回路9によって整流および平滑し、直流化されたメイン電源電圧Vmを出力端子7a、7bから出力する。また、メイン電源用DC−DCコンバータ8は、待機モード時においては非稼動状態となる。
待機電源用DC−DCコンバータ11は、1次巻線Na(巻数をNaとする)および2次巻線Nb(巻数をNbとする)を有する待機電源用トランスT2を有する。待機電源用トランスT2の1次巻線Naの一端は1次側整流平滑回路3に接続される一方、1次巻線Naの他端は待機電源用スイッチング素子(MOSFET)M3に接続されている。待機電源用スイッチング素子M3には制御用IC3が接続されている。制御用IC3は、交流電源2の投入時に、1次巻線Naの一端に接続された起動抵抗Rinを介して1次側直流電圧VC1が供給されることにより起動し、待機電源用スイッチング素子M3のスイッチング動作を制御する。すなわち、待機電源用DC−DCコンバータ11は、交流電源2の投入時においては、メイン動作制御回路18に入力されるメイン動作制御信号Vinの有無にかかわらず、1次側直流電圧VC1を待機電源用スイッチング素子M3によってスイッチングし、2次巻線Nbに1次巻線Naのスイッチング電圧Vaに比例したスイッチング電圧Vb=(Nb/Na)×Vaを誘起させ、この誘起されたスイッチング電圧Vbを、2次巻線Nbに接続された待機電源用整流平滑回路12によって整流および平滑し、直流化された待機電源電圧Vsを出力端子10a、10bから出力する。なお、待機電源用整流平滑回路12は、2次巻線Nbの負極側にアノードが接続された整流ダイオードD5と、該ダイオードD5のカソードと2次巻線Nbの正極側を接続する平滑コンデンサC5とから構成されている。
負電圧生成用整流平滑回路14は、2次巻線Nbの負極側にカソードが接続された整流ダイオードD9と、該ダイオードD9のアノードと2次巻線Nbの正極側を接続する平滑コンデンサC7とから構成されている。負電圧生成用整流平滑回路14は、待機電源用スイッチング素子M3によって2次巻線Nbに誘起されたスイッチング電圧Vbを、整流および平滑して、直流化された負電圧VC7に変換する。
比較回路15は、ツェナーダイオードD10と、抵抗R5〜R8、R10と、オペアンプX2とから構成されている。ツェナーダイオードD10のアノードは、出力端子10bおよびメイン動作制御回路18の入力端子10eに接続される。一方、ツェナーダイオードD10のカソードは抵抗R5およびR10を介して負電圧生成用整流平滑回路14に接続され、抵抗R6を介して出力端子10bおよび入力端子10eに接続され、さらに、抵抗R7を介してオペアンプX2に接続されている。
オペアンプX2の(+)側入力端子には、抵抗R7、R8およびR9が接続されている。一方、オペアンプX2の(−)側入力端子には、抵抗R5、R10が接続されている。オペアンプX2は、検出電圧V(−)と基準電圧V(+)を比較して、検出電圧V(−)が基準電圧V(+)よりも小さくなったときに、該オペアンプX2の出力端子10cからHレベルの警告信号を出力する一方、検出電圧V(−)が基準電圧V(+)以上となったときに、該出力端子10cからLレベルの警告信号を出力する。なお、オペアンプX2の(−)側入力端子には、上記の式(2)に示されるような、負電圧VC7とツェナーダイオードD10の安定した電圧VD10の電圧差(VD10−(−VC7))を該抵抗R5、R10で分圧した検出電圧V(−)が入力される。なお、オペアンプX2の(+)側入力端子には、後述する第1の基準電圧Vαまたは第2の基準電圧Vβが入力される。
基準電圧変更回路16Aは、この実施例では、抵抗R9、R11〜R14と、NPNトランジスタQ3〜Q5とから構成される。基準電圧変更回路16Aは、後述するように、待機モードを指示するLレベルの電圧のメイン動作制御信号Vinが入力端子10d,10e間に入力された場合に、基準電圧を第1基準電圧Vαに変更し、メイン動作モードを指示するHレベルの電圧のメイン動作制御信号Vinが入力端子10d、10e間に入力された場合に、基準電圧を第1基準電圧Vαよりも小さな第2基準電圧Vβに変更するようになっている。
交流電圧v1の投入後、メイン動作制御信号VinはLレベルの電圧(0V)であるため、アクティブフィルタ回路6およびメイン電源回路7が両方とも非稼動状態になるとともに、NPNトランジスタQ3がオフ、NPNトランジスタQ4がオン、NPNトランジスタQ5がオフとなるため、抵抗R9の両端がショートされない。したがって、この時、図2(E)に示すように、オペアンプX2の(+)側入力端子には、次式(4)に示されるような、ツェナーダイオードD10の安定した電圧VD10を抵抗R7、R8およびR9で分圧した第1の基準電圧V(+)=Vαが入力される。
このように、このスイッチング電源装置1Aの低電圧検出回路13Aでは、メイン動作モード時において、交流電圧v1が瞬断となってから時間tx=(t11−t10)経過後に、Lレベルの警告信号が出力される。
ところで、第1実施例によるスイッチング電源装置1Aでは、図3(B)、(E)および(F)に示すように、交流電圧v1が投入された状態で、さらに、メイン動作モードを指示するメイン動作制御信号Vinが入力端子10d、10eに入力された直後(同図3の時間t7参照)に、第1基準電圧V(+)=Vαが、該第1の基準電圧V(+)=Vαよりも小さな第2基準電圧V(+)=Vβに変更されるので、検出電圧V(−)が第2の基準電圧V(+)=Vβ以上となる時間(同図3の時間t7からt8参照)が生じ、この一瞬の時間だけオペアンプX2の出力端子10cからLレベルの警告信号が出力される。このため、この現象によって該スイッチング電源装置の動作に何らかの影響(誤動作)が生じるおそれがあった。そこで、第2実施例によるスイッチング電源装置1Bでは、この現象を回避するために、基準電圧変更回路にさらに時定数回路を追加した構成とした。
図4は、本発明の第2実施例によるスイッチング電源装置の回路図である。第2実施例のスイッチング電源装置1Bは、時定数回路17を備えている点が、第1実施例のスイッチング電源装置1Aと異なっている。したがって、この点に関してのみ、説明する。
スイッチング電源装置1Bは時定数回路17を備えているため、図5(A)に示すように、交流電圧v1が投入された状態で、さらに、図5(B)に示すようなメイン動作モードを指示するHレベルの電圧Vinが入力端子10d、10e間に入力された時(同図5の時間t7参照)、基準電圧変更回路16BのNPNトランジスタQ3がオンし、NPNトランジスタQ4がオフし、時定数回路17の抵抗R14およびコンデンサC6の時定数τで決定される時間だけ該コンデンサC6が充電された後、ツェナーダイオードD11を介してNPNトランジスタQ5がオンし、抵抗R9の両端がショートされる(同図5の時間t9参照)。この時、図5(E)に示すように、オペアンプX2の(+)側入力端子には、上記の式(7)に示されるような、ツェナーダイオードD10の安定した電圧VD10を抵抗R7およびR8で分圧した第2の基準電圧V(+)=Vβが入力される。
したがって、この時定数回路17によって、第1実施例によるスイッチング電源装置1Aにおいて懸念されるような、スイッチング電源装置の誤動作を防止することができる。
図6は、本発明の第3実施例によるスイッチング電源装置の回路図である。第3実施例のスイッチング電源装置1Cは、待機電源回路10Cの待機電源用トランスT2、低電圧検出回路13Cおよび基準電圧変更回路16Cの各構成が第1実施例のスイッチング電源装置1Aと異なっている。したがって、これらの点に関してのみ、説明する。
正電圧生成用整流平滑回路20は、第2の2次巻線Ndの正極側にアソードが接続された整流ダイオードD9と、該ダイオードD9のカソードと第2の2次巻線Ndの負極側を接続する平滑コンデンサC7とから構成されている。正電圧生成用整流平滑回路20は、待機電源用スイッチング素子M3によって第2の2次巻線Ndに誘起されたスイッチング電圧Vdを、整流および平滑して、直流化された正電圧VC7に変換する。
比較回路21は、ツェナーダイオードD10と、抵抗R5〜R8、R10と、オペアンプX2とから構成されている。ツェナーダイオードD10のアノードは、出力端子10bおよびメイン動作制御回路18の入力端子10eに接続されるとともに、正電圧生成用整流平滑回路20に接続される。一方、ツェナーダイオードD10のカソードは、抵抗R6を介して出力端子10bおよび入力端子10eに接続され、さらに、抵抗R7を介してオペアンプX2に接続されている。
オペアンプX2の(+)側入力端子には、抵抗R5、R10が接続されている一方、オペアンプX2の(−)側入力端子には、抵抗R7、R8およびR9が接続されている。この実施例では、オペアンプX2の(+)側入力端子に入力される電圧V(+)が検出電圧となり、(−)側入力端子に入力される電圧V(−)が基準電圧となる。オペアンプX2は、検出電圧V(+)と基準電圧V(−)を比較して、検出電圧V(+)が基準電圧V(−)よりも大きくなったときに、該オペアンプX2の出力端子10cからHレベルの警告信号を出力する一方、検出電圧V(+)が基準電圧V(−)以下となったときに、該出力端子10cからLレベルの警告信号を出力する。なお、オペアンプX2の(+)側入力端子には、次式(8)に示されるような、正電圧VC7を該抵抗R5、R10で分圧した検出電圧V(+)が入力される。
基準電圧変更回路16Cは、この実施例では、抵抗R9、R11〜16と、NPNトランジスタQ3〜Q6とから構成される。基準電圧変更回路16Cは、待機モードを指示するLレベルの電圧のメイン動作制御信号Vinが入力端子10d,10e間に入力された場合に、基準電圧を第1基準電圧Vαに変更し、メイン動作モードを指示するHレベルの電圧のメイン動作制御信号Vinが入力端子10d、10e間に入力された場合に、基準電圧を第1基準電圧Vαよりも大きな第2基準電圧Vβに変更するようになっている。
交流電圧v1の投入後、メイン動作制御信号VinはLレベルの電圧(0V)であるため、アクティブフィルタ回路6およびメイン電源回路7が両方とも非稼動状態になるとともに、NPNトランジスタQ3がオフ、NPNトランジスタQ4がオン、NPNトランジスタQ5がオフ、NPNトランジスタQ6がオンとなるため、抵抗R9の両端がショートされる。したがって、この時、図7(E)に示すように、オペアンプX2の(−)側入力端子には、次式(9)に示されるような、ツェナーダイオードD10の安定した電圧VD10を抵抗R7およびR8で分圧した第1の基準電圧V(−)=Vαが入力される。
このように、このスイッチング電源装置1Cの低電圧検出回路13Cでは、待機モード時において、交流電圧v1が瞬断となってから時間ts=(t4−t3)経過後に、Lレベルの警告信号が出力される。
このように、このスイッチング電源装置1Cの低電圧検出回路13Cでは、メイン動作モード時において、交流電圧v1が瞬断となってから時間tx=(t11−t10)経過後に、Lレベルの警告信号が出力される。
ところで、第3実施例によるスイッチング電源装置1Cでは、図8(B)、(E)および(F)に示すように、交流電圧v1が投入された状態で、さらに、メイン動作モードを指示するメイン動作制御信号Vinが入力端子10d、10eに入力された直後(同図8の時間t7参照)に、第1基準電圧V(−)=Vαが、該第1の基準電圧V(−)=Vαよりも大きな第2基準電圧V(−)=Vβに変更されるので、検出電圧V(+)が第2の基準電圧V(−)=Vβ以下となる時間(同図8の時間t7からt8参照)が生じ、この一瞬の時間だけオペアンプX2の出力端子10cからLレベルの警告信号が出力される。このため、この現象によって該スイッチング電源装置の動作に何らかの影響(誤動作)が生じるおそれがあった。そこで、第4実施例によるスイッチング電源装置1Dでは、この現象を回避するために、基準電圧変更回路にさらに時定数回路を追加した構成とした。
図9は、本発明の第4実施例によるスイッチング電源装置の回路図である。第4実施例のスイッチング電源装置1Dは、時定数回路17を備えている点が、第3実施例のスイッチング電源装置1Cと異なっている。したがって、この点に関してのみ、説明する。
スイッチング電源装置1Dは時定数回路17を備えているため、図10(A)に示すように、交流電圧v1が投入された状態で、さらに、図10(B)に示すようなメイン動作モードを指示するHレベルの電圧Vinが入力端子10d、10e間に入力された時(同図10の時間t7参照)、基準電圧変更回路16DのNPNトランジスタQ3がオンし、NPNトランジスタQ4がオフし、時定数回路17の抵抗R14およびコンデンサC6の時定数τで決定される時間だけ該コンデンサC6が充電された後、ツェナーダイオードD11を介してNPNトランジスタQ5がオンし、NPNトランジスタQ6がオフし、抵抗R9の両端がショートされなくなる(同図10の時間t9参照)。この時、図10(E)に示すように、オペアンプX2の(+)側入力端子には、上記の式(10)に示されるような、ツェナーダイオードD10の安定した電圧VD10を抵抗R7、R8およびR9で分圧した第2の基準電圧V(−)=Vβが入力される。
したがって、この時定数回路17によって、第3実施例によるスイッチング電源装置1Cにおいて懸念されるような、スイッチング電源装置の誤動作を防止することができる。
2 交流電源
3 1次側整流平滑回路
4 整流部
5 平滑部
6 アクティブフィルタ回路
7 メイン電源回路
7a、7b 出力端子
8 メイン電源用DC−DCコンバータ
9 メイン電源用整流平滑回路
10A〜10D、11Z 待機電源回路
10a〜c 出力端子
10d、e 入力端子
11 待機電源用DC−DCコンバータ
12 待機電源用整流平滑回路
13A〜13D、13Z 低電圧検出回路
14 負電圧生成用整流平滑回路
15 比較回路
16A〜16D 基準電圧変更回路
17 時定数回路
18 メイン動作制御回路
19 補助電源用整流平滑回路
20 正電圧生成用整流平滑回路
21 比較回路
C1〜C7 コンデンサ
D2〜D6、D8、D9 ダイオード
D7、D10、D11 ツェナーダイオード
L1、L4 コイル
M1 アクティブフィルタ用スイッチング素子
M2 メイン電源用スイッチング素子
M3 待機電源用スイッチング素子
R1〜R16 抵抗
Rin 起動抵抗
Q1〜Q6 NPNトランジスタ
Na 1次側巻線
Nb 2次側巻線(第1の2次側巻線)
Nd 2次側巻線(第2の2次側巻線)
T1 メイン電源用トランス
T2 待機電源用トランス
X2 オペアンプ
Claims (8)
- メイン電源電圧を出力するメイン電源回路と、
待機電源電圧を出力する待機電源回路と、
メイン動作モードと待機モードのいずれかを指示するメイン動作制御信号が入力される入力端子を有し、該入力端子に前記メイン動作モードを指示するメイン動作制御信号が入力されると、前記メイン電源回路から前記メイン電源電圧を出力させるメイン動作制御回路と、
交流電源からの交流電圧を整流および平滑して1次側直流電圧に変換する1次側整流平滑回路と、
前記メイン動作モード時に前記1次側直流電圧を所定の昇圧電圧に昇圧するアクティブフィルタ回路と、
前記交流電圧の低下を検出する低電圧検出回路と
を備え、
前記メイン電源回路は、前記昇圧電圧をメイン電源用スイッチング素子によりスイッチングし、メイン電源用トランスの2次巻線に誘起されたスイッチング電圧を直流化して前記メイン電源電圧として出力し、
前記待機電源回路は、前記1次側直流電圧が供給されることにより起動し、前記1次側直流電圧を待機電源用スイッチング素子によりスイッチングし、待機電源用トランスの2次巻線に誘起されたスイッチング電圧を直流化して待機電源電圧として出力し、
前記低電圧検出回路は、前記待機電源用トランスの2次巻線に誘起されたスイッチング電圧を直流化した負電圧に基づいて生成された検出電圧と、基準電圧とを比較して前記検出電圧が前記基準電圧よりも小さくなったときに警告信号を出力し、前記交流電圧の低下を検出するスイッチング電源装置において、
前記入力端子と前記低電圧検出回路の間に接続され、前記入力端子に入力される前記メイン動作制御信号の指示に応じて、前記基準電圧を変更する基準電圧変更回路をさらに備えることを特徴とするスイッチング電源装置。 - 前記基準電圧変更回路は、前記待機モードを指示する前記メイン動作制御信号が前記入力端子に入力された場合に、前記基準電圧を第1基準電圧に変更し、前記メイン動作モードを指示する前記メイン動作制御信号が前記入力端子に入力された場合に、前記基準電圧を前記第1基準電圧よりも小さな第2基準電圧に変更することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
- 前記基準電圧変更回路は、時定数回路をさらに含み、
前記時定数回路は、前記メイン動作モードを指示する前記メイン動作制御信号が前記入力端子に入力されてから所定期間経過後に、前記第1基準電圧を前記第2基準電圧に変更することを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源装置。 - 前記所定期間は、前記メイン動作モードを指示する前記メイン動作制御信号が前記入力端子に入力されてから、前記1次側直流電圧が前記昇圧電圧に昇圧されるまでの期間以上であることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源装置。
- メイン電源電圧を出力するメイン電源回路と、
待機電源電圧を出力する待機電源回路と、
メイン動作モードと待機モードのいずれかを指示するメイン動作制御信号が入力される入力端子を有し、該入力端子に前記メイン動作モードを指示するメイン動作制御信号が入力されると、前記メイン電源回路から前記メイン電源電圧を出力させるメイン動作制御回路と、
交流電源からの交流電圧を整流および平滑して1次側直流電圧に変換する1次側整流平滑回路と、
前記メイン動作モード時に前記1次側直流電圧を所定の昇圧電圧に昇圧するアクティブフィルタ回路と、
前記交流電圧の低下を検出する低電圧検出回路と
を備え、
前記メイン電源回路は、前記昇圧電圧をメイン電源用スイッチング素子によりスイッチングし、メイン電源用トランスの2次巻線に誘起されたスイッチング電圧を直流化して前記メイン電源電圧として出力し、
前記待機電源回路は、前記1次側直流電圧が供給されることにより起動し、前記1次側直流電圧を待機電源用スイッチング素子によりスイッチングし、待機電源用トランスの第1の2次巻線に誘起されたスイッチング電圧を直流化して待機電源電圧として出力し、
前記低電圧検出回路は、前記待機電源用トランスにおいて前記第1の2次巻線とは別に設けられた第2の2次巻線に誘起されたスイッチング電圧を直流化した正電圧に基づいて生成された検出電圧と、基準電圧とを比較して前記検出電圧が前記基準電圧よりも大きくなったときに警告信号を出力し、前記交流電圧の低下を検出するスイッチング電源装置において、
前記入力端子と前記低電圧検出回路の間に接続され、前記入力端子に入力される前記メイン動作制御信号の指示に応じて、前記基準電圧を変更する基準電圧変更回路をさらに備えることを特徴とするスイッチング電源装置。 - 前記基準電圧変更回路は、前記待機モードを指示する前記メイン動作制御信号が前記入力端子に入力された場合に、前記基準電圧を第1基準電圧に変更し、前記メイン動作モードを指示する前記メイン動作制御信号が前記入力端子に入力された場合に、前記基準電圧を前記第1基準電圧よりも大きな第2基準電圧に変更することを特徴とする請求項5に記載のスイッチング電源装置。
- 前記基準電圧変更回路は、時定数回路をさらに含み、
前記時定数回路は、前記メイン動作モードを指示する前記メイン動作制御信号が前記入力端子に入力されてから所定期間経過後に、前記第1基準電圧を前記第2基準電圧に変更することを特徴とする請求項6に記載のスイッチング電源装置。 - 前記所定期間は、前記メイン動作モードを指示する前記メイン動作制御信号が前記入力端子に入力されてから、前記1次側直流電圧が前記昇圧電圧に昇圧されるまでの期間以上であることを特徴とする請求項7に記載のスイッチング電源装置。
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