JP2012010458A - 電源制御装置、電子機器及びプログラム - Google Patents

Abstract

【課題】蓄電池の容量劣化を抑制して蓄電池の寿命を延ばすことを可能とする。
【解決手段】電源制御装置は、電子機器に実装され、前記電子機器に実装された蓄電池の充電を制御する。また、電源制御装置は、設定手段と、電圧検出手段と、制御手段とを有する。設定手段は、前記蓄電池の充電を開始する充電開始電圧値を設定する。電圧検出手段は、前記蓄電池の出力電圧値を検出する。制御手段は、外部電源接続時において、前記電圧検出手段で検出された出力電圧値が前記充電開始電圧値より小さい場合に、充電手段による前記蓄電池の充電を開始し、一方、前記出力電圧値が前記充電開始電圧値より大きい場合には、前記充電手段による前記蓄電池の充電を開始しない充電制御を行う。
【選択図】図５

Description

本発明の実施形態は、電源制御装置、電子機器及びプログラムに関する。

従来、携帯型の電子機器では、内部電源として、所定の充電サイクルの範囲内で充放電を繰り返し行うことができる蓄電池が実装されている。

ところで、前記電子機器に実装された蓄電池を充電する従来の充電方法としては、所定のアダプタを介して外部電源が電子機器に接続された場合、その電子機器に実装されている蓄電池が満充電状態でなければ充電回路による充電を開始し、満充電状態になるまで充電を行うなどの方法が一般的に良く知られている。

しかしながら、前記した蓄電池にあっては、充電サイクルが増加するに連れて放電容量の減少（以下、「容量劣化」という場合がある。）が増大したり、満充電状態で保存する時間が長くなるに連れて容量劣化が増大したりするなどの劣化特性を有している。

特に、前記した蓄電池にあっては、車両内などの保存温度が高い環境下において満充電状態で長時間保存された場合の容量劣化が甚大であるなどの劣化特性を有している。

このため、前記した従来の一般的な充電方法にあっては、外部電源が接続されると、満充電状態以外は常に充電が開始されてしまうことにより、充電サイクルが増加し易いとともに、常に満充電状態になるまで充電が行われることにより、満充電状態で長時間保存され易いため、蓄電池の容量劣化を招いて蓄電池の寿命を縮めてしまうなどの不都合があった。

実施形態の電源制御装置は、電子機器に実装され、前記電子機器に実装された蓄電池の充電を制御する。また、電源制御装置は、設定手段と、電圧検出手段と、制御手段とを有する。設定手段は、前記蓄電池の充電を開始する充電開始電圧値を設定する。電圧検出手段は、前記蓄電池の出力電圧値を検出する。制御手段は、外部電源接続時において、前記電圧検出手段で検出された出力電圧値が前記充電開始電圧値より小さい場合に、充電手段による前記蓄電池の充電を開始し、一方、前記出力電圧値が前記充電開始電圧値より大きい場合には、前記充電手段による前記蓄電池の充電を開始しない充電制御を行う。

実施形態の電源制御装置は、電子機器に実装され、前記電子機器に実装された蓄電池の充電を制御する。また、電源制御装置は、設定手段と、電圧検出手段と、制御手段とを有する。設定手段は、前記蓄電池の充電を停止する充電停止電圧値を設定する。電圧検出手段は、前記蓄電池の出力電圧値を検出する。制御手段は、外部電源接続時で充電手段による前記蓄電池の充電時において、前記電圧検出手段で検出された出力電圧値が前記充電停止電圧値より小さい場合に、前記充電手段による前記蓄電池の充電を行い、一方、前記出力電圧値が前記充電停止電圧値に達した場合には、前記充電手段による前記蓄電池の充電を停止する充電制御を行う。

図１は、本実施形態のポータブルプリンタの外観構成を説明するための斜視図である。 図２は、ポータブルプリンタの本体ハウジングの内部に収容されたハードウェア構成を説明するためのブロック図である。 図３は、表示器に表示される充電電圧の設定画面の一構成例を説明するための図である。 図４は、電源制御装置の詳細な構成を説明するためのブロック図である。 図５は、ポータブルプリンタにおける機能的構成を説明するためのブロック図である。 図６は、制御回路における機能的構成を説明するためのブロック図である。 図７は、ポータブルプリンタで実行される充電電圧の設定処理の手順を説明するためのフローチャートである。 図８は、ポータブルプリンタで実行される充電制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。

以下、実施形態について添付図面を参照して説明する。

なお、以下では、本実施形態の電子機器として、商品を配送する配送車両に持ち込まれ、配送商品に関する情報などを印字したラベルを発行する携帯型のラベルプリンタ（以下、単に「ポータブルプリンタ」という。）の場合について説明する。

図１は、本実施形態のポータブルプリンタ１の外観構成を説明するための斜視図である。

図１に示すように、このポータブルプリンタ１は、本体ハウジング（筺体）１０を有しており、その本体ハウジング１０の上面には、所定の収容部（不図示）に収容されたロール紙（不図示）を覆うカバー１１と、そのカバー１１を矢印Ａの方向に扇状に開放するためのオープンボタン１２と、情報が印字された台紙Ｍ付きのラベルＬや台紙Ｍが剥離されたラベルＬを排出するためのラベル発行口１３と、無線ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）などの所定の無線通信規格に従った無線通信信号の送受信用の通信窓１４などが設けられている。

なお、前記したロール紙とは、例えば、表側に印字面が形成され、裏側に粘着面が形成された複数のラベルＬを長尺状の台紙Ｍに列状に仮着し、それを紙管などにロール状に巻回した台紙付きラベルロール紙などである。

本体ハウジング１０の正面には、ユーザインタフェースとなるキーボード１５と表示器１６などが設けられている。

キーボード１５には、ユーザにより押し操作される押しボタンとして、電源をオン／オフするための電源ボタンや、紙送りを指示するための紙送りボタンや、紙送りの一時停止を指示するための一時停止ボタンや、後述の充電電圧を設定する充電設定モードを指定するためのモード指定ボタンなどが設けられている。

本体ハウジング１０の一側面には、両矢印Ｂの方向で、本体ハウジング１０及び所定の接続箇所（後述の電源制御装置４１と接続される箇所）に着脱自在の蓄電池（バッテリ）４２を収容するバッテリ収容口１７と、そのバッテリ収容口１７から差し込まれて装着された蓄電池４２を取り出すための操作レバー１８と、家庭用電源や配送車両のカーシガレットなどの外部電源ＯＰ（図２、図４参照）と接続されるシガレットライタアダプタなどの各種アダプタＡＤを接続するためのアダプタ端子１９と、パーソナルコンピュータなどの外部装置ＯＭ（図２参照）と接続されるＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）ケーブルなどの所定の有線ケーブルを接続するためのケーブル端子２０などが設けられている。

なお、本体ハウジング（筺体）１０の内部には、ロール紙を収容保持するための収容部（不図示）や、モータ（図２参照）により回転駆動されて収容部で保持されたロール紙から台紙Ｍ付きラベルＬの自由端側を引き出してラベル発行口１３の方向（搬送方向）に搬送する搬送手段としてのプラテンローラ（不図示）や、プラテンローラとにより台紙Ｍ付きラベルＬを挟持し、搬送手段による搬送過程においてラベルＬの印字面に情報を印字する印字手段としてのサーマルヘッド（図２参照）などが設けられている。

図２は、ポータブルプリンタ１の本体ハウジング１０の内部に収容されたハードウェア構成を説明するためのブロック図である。

図２に示すように、このポータブルプリンタ１は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）３０に、バスラインＢＬを介して、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）３１、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）３２、不揮発性メモリ３３、入力部３４、表示部３５、印字部３６、検出部３７、搬送部３８、無線通信Ｉ／Ｆ３９、有線通信Ｉ／Ｆ４０等が接続されており、更に、それら各構成要素部に対して動作に必要な電力を供給するための電源制御装置４１及び蓄電池４２などが実装されている。

ここで、ＣＰＵ３０は、ＲＯＭ３１に格納されたプログラムをＲＡＭ３２に展開して実行することで、このポータブルプリンタ１の全体を制御する。

ＲＯＭ３１は、各種プログラムやそれら各種プログラムの処理で用いられる各種データなどのファイルを記憶する。ＲＡＭ３２は、作業中のデータを一時記憶する。不揮発性メモリ３３は、外部装置ＯＭから受信した印字データなどを記憶する。

入力部３４は、キーボード１５と、キーボードコントローラとを主体に構成され、キーボード１５における各種押しボタン（電源ボタン、紙送りボタン、一時停止ボタン、切り替えボタン等）からのキー入力を制御する。表示部３５は、ＬＣＤ（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ）などの表示器１６と、表示コントローラとを主体に構成され、表示器１６における充電電圧の設定画面（図３参照）などの各種画面の表示を制御する。

図３は、表示器１６に表示される充電電圧の設定画面の一構成例を説明するための図である。

図３（ａ）に示す設定画面Ｓ１は、ユーザによりキーボード１５のモード指定ボタンが押下操作された場合に、表示器１６に表示されるメニュー画面であり、装着される蓄電池４２の充電開始電圧値の設定または充電停止電圧値の設定のいずれを実行するかをユーザが選択するための「充電開始電圧」及び「充電停止電圧」などの選択項目を有している。

図３（ｂ）に示す設定画面Ｓ２は、ユーザによりキーボード１５の所定ボタンが押下操作されて設定画面Ｓ１において「充電開始電圧」項目が選択された場合に、表示器１６に切り替え表示され、装着される蓄電池４２の充電を開始する充電開始電圧値をユーザが指定するための充電開始電圧の設定画面であり、ユーザが指定する充電開始電圧値を表示する充電開始電圧値の表示欄を有している。

図３（ｃ）に示す設定画面Ｓ３は、ユーザによりキーボード１５の所定ボタンが押下操作されて設定画面Ｓ１において「充電停止電圧」項目が選択された場合に、表示器１６に切り替え表示される充電停止電圧の設定画面であり、装着される蓄電池４２の充電を停止する充電停止電圧値をユーザが指定するための充電停止電圧の設定画面であり、ユーザが指定する充電停止電圧値を表示する充電停止電圧値の表示欄を有している。

図２に戻って、印字部３６は、サーマルヘッド、ヘッドドライバなどを備え、ヘッドドライバの制御のもと、サーマルヘッドの発熱体（不図示）を発熱制御することにより、ラベルＬの印字面に情報を印字する。

検出部３７は、センサやセンサコントローラなどを備え、カバー開閉センサなどの各種センサからの検知信号の入力を処理する。

搬送部３８は、プラテンローラ、モータ、モータドライバなどを備え、収容部（不図示）に収容されたロール紙（不図示）から台紙（Ｍ）付きのラベルＬの自由端側を引き出して搬送する。

無線通信Ｉ／Ｆ３９は、無線ＬＡＮなどの所定の無線通信規格に従って外部装置ＯＭとの間で通信を行うための通信インタフェースである。有線通信Ｉ／Ｆ４０は、ＵＳＢなどの所定の有線通信規格に従って外部装置ＯＭとの間で通信を行うための通信インタフェースである。

電源制御装置４１は、バッテリ収容口１７に差し込まれて装着された蓄電池４２や、アダプタＡＤを介してアダプタ端子１９に接続された外部電源ＯＰなどからの電力を、各構成要素に必要な電力に変換して供給する。

蓄電池（バッテリ）４２は、本体ハウジング１０及び所定の接続箇所に対して着脱自在であり、ポータブルプリンタ１の内部電源としての電池であり、例えば数百サイクルなどの所定の充電サイクルの範囲内で充放電を繰り返し行うことが可能な二次電池である。なお、本実施形態の蓄電池４２には、一般的に良く知られているリチウムイオン電池を採用している。

図４は、電源制御装置４１の詳細な構成を説明するためのブロック図である。

図４に示すように、この電源制御装置４１は、制御回路４０１と、充電回路４０２と、スイッチ４０３と、電源検出回路４０４と、電圧検出回路４０５などを主体に構成される。

ここで、制御回路４０１は、ＣＰＵ４０１ａ、ＲＯＭ４０１ｂ、ＲＡＭ４０１ｃなどを有しており、電圧検出回路４０５からの蓄電池４２の出力電圧値に従って充電回路４０２における蓄電池４２に対する充電の開始及び充電の停止を制御する。また、制御回路４０１は、スイッチ４０３の開閉を制御する。また、制御回路４０１は、電圧検出回路４０５から蓄電池４２の出力電圧値を取得する。

なお、ＣＰＵ４０１ａは、ＲＯＭ４０１ｂに格納されたプログラムをＲＡＭ４０１ｃに展開して実行することで、電源制御装置４１の全体を制御する。

また、ＲＯＭ４０１ｂは、電源制御のためのプログラムやそのプログラムの処理で用いられる各種データなどのファイルを記憶しており、特に、本実施形態では、後述の図７で示す充電電圧値の設定処理や、後述の図８で示す充電制御処理を実行するためのプログラムなどを記憶している。また、ＲＡＭ４０１ｃは、作業中データを一時記憶するものであり、例えば、図７及び図８の各処理における作業中データを一時記憶する。

充電回路４０２は、制御回路４０１の制御のもと、シガレットライタアダプタなどのアダプタＡＤを介して外部電源ＯＰから供給される電力を用いて蓄電池４２を充電する。

より具体的には、この充電回路４０２は、外部電源ＯＰが接続されている状態で、蓄電池４２の出力電圧値がユーザにより設定された充電開始電圧値より小さかった場合などにより、制御回路４０１から充電開始信号を受信した場合に、蓄電池４２の出力電圧値がユーザによって設定された充電停止電圧値になるまで蓄電池４２に対して放電時と逆向きの電流を供給し、一方、蓄電池４２の放電電圧値が充電停止電圧値に達した場合などにより、制御回路４０１から充電停止信号を受信した場合に、蓄電池４２に対する電流の供給を停止する。

スイッチ４０３は、キーボード１５の電源ボタンが押下された場合などの制御回路４０１からのスイッチのオン／オフ制御信号に従って、スイッチの開閉を行うことにより、外部電源ＯＰまたは蓄電池４２から負荷部に対する電力の供給または遮断を実行する。

電源検出回路４０４は、アダプタＡＤを介して外部電源ＯＰからの電力供給の有無や、蓄電池４２の着脱状態などを検出し、電源検出信号を制御回路４０１に出力する。

電圧検出回路４０５は、蓄電池４２のアナログの出力電圧をデジタル信号の電圧値に変換して出力電圧信号として制御回路４０１に出力する。

なお、この電源制御装置４１では、本体ハウジング１０に装着された蓄電池４２またはアダプタＡＤを介して接続された外部電源ＯＰからの電力は、駆動系（モータ）などの負荷部に供給されるとともに、ＤＣ−ＤＣコンバータなどで制御電圧に変換されて制御回路４０１に供給される。

図５及び図６は、ポータブルプリンタ１における機能的構成を説明するためのブロック図である。

図５に示すように、本実施形態のポータブルプリンタ１は、ＣＰＵ３０、ＲＯＭ３１、ＲＡＭ３２などで構成されるマイクロコンピュータにおける機能的構成として後述の図７の処理を実行するための充電電圧受付部５０を有している。

充電電圧受付部５０は、ユーザによる所定のボタン操作に基づいて、図３に示した各設定画面Ｓ１〜Ｓ３を表示器１６に表示する設定画面表示部５１と、設定画面Ｓ１〜Ｓ３でユーザにより指定された充電開始電圧値及び充電停止電圧値を生成して充電制御部１００に出力する設定値入力部５２とを有している。

なお、この充電電圧受付部５０は、ポータブルプリンタ１で使用される蓄電池４２の充電電圧の容量可能範囲内で、充電開始電圧値及び充電停止電圧値の指定を許可するようにしており、具体的には、充電停止電圧値は、ポータブルプリンタ１で使用される蓄電池４２の満充電状態における電圧値（以下、「満充電電圧値」という場合がある。）より小さい電圧値しか設定できないような受付処理を行い、一方、充電開始電圧値は、０［Ｖ］以上の電圧値であり、好ましくは、蓄電池４２が実装される電子機器としてのポータブルプリンタ１の動作保証電圧値より大きい電圧値しか設定できないような受付処理を行う。

具体的には、例えば、蓄電池４２の充電電圧の容量可能範囲の電圧値が０［Ｖ］〜８．６［Ｖ］で、満充電電圧値が８．４［Ｖ］で、動作保証電圧値が７．０［Ｖ］である場合には、充電電圧受付部５０は、充電停止電圧値としては、満充電電圧値の８．４［Ｖ］より小さい電圧値しか受付けず、一方、充電開始電圧値としては、７．０［Ｖ］より大きい電圧値（例えば、８．０［Ｖ］など）しか受付けない。

また、図６に示すように、本実施形態の制御回路４０１は、ＣＰＵ４０１ａ、ＲＯＭ４０１ｂ、ＲＡＭ４０１ｃなどで構成されるマイクロコンピュータにおける機能的構成として後述の図７及び図８の処理を実行するための充電制御部１００を有している。

充電制御部１００は、蓄電池４２の充電電圧値を設定するための充電電圧設定部１１０と、蓄電池４２の出力電圧を監視する電池電圧監視部１２０と、充電回路４０２における蓄電池４２に対する充電の開始及び停止を制御するための充電回路制御部１３０とを有している。

ここで、充電電圧設定部１１０は、蓄電池４２の充電を開始する電圧値（以下、「充電開始電圧値」という場合がある。）を設定する開始電圧設定部１１１と、蓄電池４２の充電を停止する電圧値（以下、「充電停止電圧値」という場合がある。）を設定する停止電圧設定部１１２とを有している。

電池電圧監視部１２０は、電圧検出回路４０５から入力した出力電圧信号に従って蓄電池４２の出力電圧値を検出する電圧検出部１２１と、その電圧検出部１２１で検出した出力電圧値と、開始電圧設定部１１１で設定した充電開始電圧値、停止電圧設定部１１２で設定した充電停止電圧値の両者とを比較して、それらの大小関係によって「充電の開始」、「充電の待機」、「充電の継続」、「充電の停止」等の実行すべき制御状態を判定し、充電回路制御部１３０に判定結果を通知する比較判定部１２２とを有している。

充電回路制御部１３０は、比較判定部１２２の判定結果に応じて、充電回路４０２に対して、蓄電池４２の充電開始を指示する充電開始信号を出力したり、蓄電池４２の充電停止を指示する充電停止信号を出力したりする。

次に、前記説明した制御回路４０１における処理動作について説明する。

図７は、ポータブルプリンタ１で実行される充電電圧値（充電開始電圧値及び充電停止電圧値）の設定処理の手順を説明するためのフローチャートである。

図７に示すように、制御回路４０１の充電制御部１００では、ユーザによるキーボード１５のモード指定ボタンなどの所定の押下操作に応じて、開始電圧設定部１１１が、ステップＳ１０１において、充電開始電圧値の入力を受け付け、ステップＳ１０２において、当該受け付けに従って充電開始電圧値を設定する。

具体的には、ステップＳ１０１及びステップＳ１０２の処理では、設定画面表示部５１が、設定画面Ｓ２を表示器１６に表示させ、設定値入力部５２が、その設定画面Ｓ２で指定された充電開始電圧値を、ＲＡＭ３２上に確保された所定の記憶エリアに一時記憶するとともに、該記憶した充電開始電圧値を、バスラインＢＬを介して充電制御部１００に出力する。これにより、開始電圧設定部１１１が、充電開始電圧値を取得してＲＡＭ４０１ｃ上に確保された所定の記憶エリアに一時記憶する。

続いて、停止電圧設定部１１２が、ステップＳ１０３において、充電停止電圧値の入力を受け付け、ステップＳ１０４において、当該受け付けに従って充電停止電圧値を設定する。

具体的には、ステップＳ１０３及びステップＳ１０４の処理では、設定画面表示部５１が、設定画面Ｓ３を表示器１６に表示させ、設定値入力部５２が、その設定画面Ｓ３で指定された充電停止電圧値を、ＲＡＭ３２上に確保された所定の記憶エリアに一時記憶するとともに、該記憶した充電停止電圧値を、バスラインＢＬを介して充電制御部１００に出力する。これにより、停止電圧設定部１１２が、充電停止電圧値を取得してＲＡＭ上に確保された所定の記憶エリアに一時記憶する。

なお、前記図７の処理手順では、充電開始電圧値の受付及び設定を先に実行し、その後に、充電停止電圧値の受付及び設定を実行する形態について説明したが、それらの処理は順不同である。

図８は、ポータブルプリンタ１で実行される充電制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、この図８の処理手順では、本体ハウジング１０及び所定の接続箇所に蓄電池４２が正常に装着されている場合を前提としている。

図８に示すように、制御回路４０１の充電制御部１００では、まず、ステップＳ２０１において、ポータブルプリンタ１に外部電源ＯＰが接続されると、ポータブルプリンタ１の電源ＯＮ状態または電源ＯＦＦ状態に関係無く、ステップＳ２０２〜ステップＳ２０４において、電池電圧監視部１２０が蓄電池４２の充電状態を監視する。

具体的には、ステップＳ２０２において、電池電圧監視部１２０の電圧検出部１２１が、装着されている蓄電池４２の出力電圧値を検出する。

続いて、ステップＳ２０３及びステップＳ２０４において、電池電圧監視部１２０の比較判定部１２２が、ステップＳ２０２で検出した出力電圧値と、開始電圧設定部１１１で設定されている充電開始電圧値、及び、停止電圧設定部１１２で設定されている充電停止電圧値とを比較し、両者の大小関係によって蓄電池４２の充電を開始するか否か、または、蓄電池４２の充電を行わず充電を待機するか否かの判定処理を行う。

この判定処理において、出力電圧値が充電開始電圧値より小さいと判定した場合（ステップＳ２０３：ＹＥＳ）、または、出力電圧値が充電開始電圧値より大きく且つ充電停止電圧値より小さいと判定した場合（ステップＳ２０３：ＮＯ→ステップＳ２０４：ＹＥＳ）、即ち、充電を開始すると判定した場合、続いて、ステップＳ２０５において、充電回路制御部１３０が、充電回路４０２に対して充電の開始を指示する充電開始信号を出力する。これにより、充電回路４０２が、蓄電池４２に対する充電を開始する。

一方、前記ステップＳ２０３及びステップＳ２０４の判定処理において、出力電圧値が充電開始電圧値より大きく且つ充電停止電圧値より大きいと判定した場合（ステップＳ２０３：ＮＯ→ステップＳ２０４：ＮＯ）、即ち、充電を開始しないと判定した場合は、ステップＳ２０２に戻って以下同様の処理を行う。

ステップＳ２０５の処理以降、充電制御部１００では、ステップＳ２０６〜ステップＳ２０８において、蓄電池４２の充電状態を監視するとともに、外部電源ＯＰの接続状態を監視する。

具体的には、ステップＳ２０６において、前記ステップＳ２０２と同様の処理により、電圧検出部１２１が蓄電池４２の出力電圧値を検出する。

続いて、ステップＳ２０７において、前記ステップＳ２０４と同様の処理により、比較判定部１２２が、ステップＳ２０６で検出した出力電圧値と、充電停止電圧値とを比較し、両者の大小関係によって蓄電池４２の充電を継続するか、蓄電池４２の充電を停止するかの判定処理を行う。

この判定処理において、出力電圧値が充電停止電圧値より小さいと判定した場合、即ち、充電を継続すると判定した場合（ステップＳ２０７：ＹＥＳ）、続いて、ステップＳ２０８において、充電制御部１００が、外部電源ＯＰが接続されているか否かを判定し、この判定の結果、外部電源ＯＰが接続されていると判定された場合（ステップＳ２０８：ＹＥＳ）、続いて、ステップＳ２０９において、充電制御部１００が、充電の継続処理を実行する。即ち、この処理では、充電回路制御部１３０は、充電回路４０２に対して充電停止信号を出力せず、充電回路４０２が、蓄電池４２に対する充電を継続する。

一方、前記ステップＳ２０８の判定処理において、外部電源ＯＰが接続されていないと判定された場合（ステップＳ２０８：ＮＯ）、ここでの処理を終了する。

また、一方、前記ステップＳ２０７の判定処理において、出力電圧値が充電停止電圧値より大きいと判定した場合（ステップＳ２０７：ＮＯ）、即ち、充電を停止すると判定した場合は、続いて、ステップＳ２１０において、充電回路制御部１３０が、充電回路４０２に対して充電の停止を指示する充電停止信号を出力する。これにより、充電回路４０２が、蓄電池４２に対する充電を停止する。

続いて、ステップＳ２１１において、充電制御部１００では、ステップＳ２０８と同様の処理により、外部電源ＯＰの接続状態を判定する。この判定の結果、外部電源ＯＰが接続されていると判定した場合には（ステップＳ２１１：ＹＥＳ）、ポータブルプリンタ１の電源ＯＮ状態または電源ＯＦＦ状態に関係無く、ステップＳ２０２に戻って以下同様の処理を行い、他方、外部電源ＯＰが接続されていないと判定した場合（ステップＳ２１１：ＮＯ）、ここでの処理を終了する。

なお、前記した図８の処理手順の（ステップＳ２０３：ＮＯ）→（ステップＳ２０４：ＹＥＳ）の一連の処理によれば、ユーザの設定ミスにより充電開始電圧値が充電停止電圧値より高く設定されてしまったような場合でも、蓄電池４２に対して正常に充電が行われる。

即ち、前記したような設定ミスが発生した時点でユーザに対してエラー通知を行う構成とした場合、蓄電池４２の容量が無くなってポータブルプリンタ１が動作しなくなってしまうなどの不都合が想定できるが、前記した一連の処理によれば、前記不都合を解消することができる。

以上説明した実施形態によれば、外部電源が接続されている場合に、蓄電池の出力電圧値（放電電圧値）がユーザにより設定された充電開始電圧値より大きい場合には、蓄電池の充電を開始しないように構成したため、従来に比べて充電サイクルが増加するのを抑制でき、それにより、蓄電池の容量劣化を抑制して蓄電池の寿命を延ばすことができる。

また、前記した実施形態によれば、外部電源が接続されており、蓄電池の充電を行っている場合に、蓄電池の出力電圧値（放電電圧値）が、蓄電池の通常の満充電電圧値より小さいユーザにより設定された充電停止電圧値に達した場合に、蓄電池の充電を停止するように構成したため、蓄電池が通常の満充電状態になるのを防ぐことができ、それにより、蓄電池の容量劣化を抑制して蓄電池の寿命を延ばすことができる。

以上、例示的な実施形態に基づいて説明したが、本実施形態は、前記した実施形態により限定されるものではない。

例えば、前記した実施形態では、蓄電池４２の充電電圧の容量の範囲内で、ユーザによって充電開始電圧値及び充電停止電圧値を任意に変更設定できる場合について説明したが、これ以外にも、例えば、ポータブルプリンタ１で使用される蓄電池４２に応じて、前記したように蓄電池の寿命を延ばすことができる適切な充電開始電圧値及び充電停止電圧値を予め固定的に設定しておくことも可能である。

また、その他にも、装着された蓄電池の充電電圧の容量の範囲を判別して、前記と同じく、蓄電池の寿命を延ばすことができる適切な充電開始電圧値及び充電停止電圧値を自動的に算出して設定するように構成することも可能である。

また、前記した実施形態では、充電開始電圧値と充電停止電圧値の両者の大小関係は関係なく、ユーザが所望する任意の値を設定できる形態について説明したが、これ以外にも、例えば、充電開始電圧の設定値として、充電停止電圧より高い値が設定できないように構成することも可能である。

また、前記した実施形態では、充電開始電圧値及び充電停止電圧値の２つをユーザにより設定することができる場合について説明したが、これ以外にも、例えば、いずれか一方のみをユーザにより設定できるような形態とすることも可能である。

また、前記した実施形態では、本実施形態の電源制御装置４１または制御回路４０１が実装される電子機器として、ポータブルプリンタの場合について説明したが、これ以外の電子機器とすることも可能である。

また、前記した実施形態では、電源制御装置４１が制御回路４０１とは別に電圧検出回路４０５を備える形態について説明したが、これ以外にも、例えば、制御回路４０１が電圧検出回路４０５と同様の機能を有する回路とすることも可能である。

また、前記した実施形態では、蓄電池４２として、リチウムイオン電池の場合について説明したが、これ以外の電池とすることも可能である。

また、前記した実施形態のポータブルプリンタ１で実行される各種プログラムは、ＲＯＭなどの記憶手段に予め組み込むように提供してもよいし、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。

その他、前記した実施形態におけるポータブルプリンタ１、電源制御装置４１、制御回路４０１などのハードウェア構成及び機能的構成や、表示器１６に表示される充電電圧の設定画面の画面構成などは単なる例として記載したものであり、本実施形態は、これらにより限定されない。

１ ポータブルプリンタ
ＡＤ アダプタ
ＯＰ 外部電源
ＯＭ 外部装置
４１ 電源制御装置
４０１ 制御回路
４０２ 充電回路（充電手段）
４０３ スイッチ
４０４ 電源検出回路
４０５ 電圧検出回路
４２ 蓄電池
５０ 充電電圧受付部
５１ 設定画面表示部
５２ 設定値入力部
１００ 充電制御部
１１０ 充電電圧設定部（設定手段）
１１１ 開始電圧設定部（設定手段）
１１２ 停止電圧設定部（設定手段）
１２０ 電池電圧監視部（電圧検出手段）
１２１ 電圧検出部（電圧検出手段）
１２２ 比較判定部
１３０ 充電回路制御部（制御手段）

特開２００７−３２５３２４公報

Claims (6)

1. 電子機器に実装され、前記電子機器に実装された蓄電池の充電を制御する電源制御装置であって、
   前記蓄電池の充電を開始する充電開始電圧値を設定する設定手段と、
   前記蓄電池の出力電圧値を検出する電圧検出手段と、
   外部電源接続時において、前記電圧検出手段で検出された出力電圧値が前記充電開始電圧値より小さい場合に、充電手段による前記蓄電池の充電を開始し、一方、前記出力電圧値が前記充電開始電圧値より大きい場合には、前記充電手段による前記蓄電池の充電を開始しない充電制御を行う制御手段と、
   を有する電源制御装置。
2. 前記設定手段は、
   前記蓄電池の充電を停止する充電停止電圧値を更に設定し、
   前記制御手段は、
   外部電源接続時において、前記出力電圧値が前記充電開始電圧値より小さく且つ前記充電停止電圧値より小さい場合に、前記充電手段による前記蓄電池の充電を開始し、
   前記充電手段による前記蓄電池の充電開始後、前記出力電圧値が前記充電停止電圧値より小さい場合に、前記充電手段による前記蓄電池の充電を行い、一方、前記出力電圧値が前記充電停止電圧値に達した場合に、前記充電手段による前記蓄電池の充電を停止する充電制御を行う請求項１に記載の電源制御装置。
3. 電子機器に実装され、前記電子機器に実装された蓄電池の充電を制御する電源制御装置であって、
   前記蓄電池の充電を停止する充電停止電圧値を設定する設定手段と、
   前記蓄電池の出力電圧値を検出する電圧検出手段と、
   外部電源接続時で充電手段による前記蓄電池の充電時において、前記電圧検出手段で検出された出力電圧値が前記充電停止電圧値より小さい場合に、前記充電手段による前記蓄電池の充電を行い、一方、前記出力電圧値が前記充電停止電圧値に達した場合には、前記充電手段による前記蓄電池の充電を停止する充電制御を行う制御手段と、
   を有する電源制御装置。
4. 請求項１〜３のいずれか一項に記載の電源制御装置と、
   前記電源制御装置によって充電を制御される蓄電池と、
   を有する電子機器。
5. 蓄電池の充電を制御する電源制御装置に実装されたコンピュータを、
   前記蓄電池の充電を開始する充電開始電圧値を設定する設定手段と、
   前記蓄電池の出力電圧値を検出する電圧検出手段と、
   外部電源接続時において、前記電圧検出手段で検出された出力電圧値が前記充電開始電圧値より小さい場合に、充電手段による前記蓄電池の充電を開始し、一方、前記出力電圧値が前記充電開始電圧値より大きい場合には、前記充電手段による前記蓄電池の充電を開始しない充電制御を行う制御手段と、
   して機能させるプログラム。
6. 蓄電池の充電を制御する電源制御装置に実装されたコンピュータを、
   前記蓄電池の充電を停止する充電停止電圧値を設定する設定手段と、
   前記蓄電池の出力電圧値を検出する電圧検出手段と、
   外部電源接続時で充電手段による前記蓄電池の充電時において、前記電圧検出手段で検出された出力電圧値が前記充電停止電圧値より小さい場合に、前記充電手段による前記蓄電池の充電を行い、一方、前記出力電圧値が前記充電停止電圧値に達した場合には、前記充電手段による前記蓄電池の充電を停止する充電制御を行う制御手段と、
   して機能させるプログラム。

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