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JP2012009160A - 面光源装置、それに用いる導光体及びその製造方法 - Google Patents

面光源装置、それに用いる導光体及びその製造方法 Download PDF

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JP2012009160A JP2010141478A JP2010141478A JP2012009160A JP 2012009160 A JP2012009160 A JP 2012009160A JP 2010141478 A JP2010141478 A JP 2010141478A JP 2010141478 A JP2010141478 A JP 2010141478A JP 2012009160 A JP2012009160 A JP 2012009160A
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Abstract

【課題】ブロードな光出射が得られ、これにより容易に高品位の面光源装置を得ることが可能になり、しかも製造が容易な面光源装置用導光体を提供する。
【解決手段】重量平均分子量が10万を越えるメタクリル系樹脂からなる板状の導光体素材を用意し、この導光体素材の少なくとも一方の主表面の少なくとも一部の領域に、炭酸ガスレーザー等の赤外レーザーを用いたレーザー照射加工により断面が凹形状で厚みが1μm〜20μmである発泡表面層244を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、エッジライト方式の面光源装置、及びそれを構成するのに用いられる導光体に関するものであり、特に、主表面に形成される光出射機能構造(光出射機構)に特徴を持つ面光源装置用導光体及びその製造方法、並びに該導光体を用いた面光源装置に関するものである。
本発明の導光体を用いて構成される面光源装置は、例えば、携帯用ノートパソコン等のモニターや液晶テレビ等の表示部として使用される液晶表示装置のバックライトに、好適である。
液晶表示装置は、基本的にバックライトと液晶表示素子とから構成されている。バックライトとしては、液晶表示装置のコンパクト化の観点からエッジライト方式のものが多用されている。エッジライト方式のバックライトにおいては、矩形板状の導光体の少なくとも1つの端面を光入射端面として用いて、該光入射端面に沿って直管型蛍光ランプなどの線状または棒状の一次光源あるいは発光ダイオード(LED)などの点状の一次光源を配置し、該一次光源から発せられた光を導光体の光入射端面に入射させて導光体内部へと導入し、該導光体の2つの主表面のうちの一方である光出射面から出射させるようにしている。導光体の光出射面から出射した光は、光出射面上に配置される光拡散フィルムなどの光拡散素子及びプリズムシートなどの光偏向素子により拡散され所要の方向へと偏向される。導光体の2つの主表面のうちの他方である裏面からも光は出射し、この光を導光体へと戻すために、裏面に対向して光反射シートなどの光反射素子が配置される。
導光体の光出射面または裏面には、導光体内を導光される光を適宜出射させるための光学機能構造としての光出射機構が形成される。この光出射機構としては、たとえば、適度に荒らされた粗面または多数のレンズ列を配列したレンズ列形成面のような微小凹凸構造が用いられる。
このような微小凹凸構造を形成するためには、ブラストまたは切削などにより形成した形状転写面を有する成形用型部材を含んでなる成形装置を用いてメタクリル系樹脂などの透光性素材に形状を転写する方法が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
また、光拡散剤や発泡層を光出射機構として用いる方法も知られており、たとえば特許文献3には、放射線エネルギー及び熱エネルギーの付与により発泡した発泡体からなる導光体が開示されている。
また、特許文献4には、重量平均分子量が10万以下のアクリル樹脂板の一方の表面にレーザー光を照射して多数の微細凹凸を有する凹部を多数形成することで、当該表面を拡散(散乱)面となした導光板が開示されている。
国際公開第2005/073625号公報 特開2009−266830号公報 特開2006−155937号公報 特開2010−103068号公報
特許文献1及び特許文献2の導光体のように、成形用型部材からの形状転写により光出射機構を形成する場合には、品種毎に型部材を準備する必要がある。さらに、液晶テレビのような大型の液晶表示装置に用いる面光源装置用導光体を製造するためには、大型の型部材を準備する必要があるうえ、成形工程において面全体で精度良く形状を転写するのが困難であるといった課題があるため、適用が困難である。
また、成形用型部材に微小凹凸構造を形成するためにはブラスト加工が広く用いられているが、ブラスト加工はブラスト粒子のばらつきや湿度などの環境条件のばらつきによって形成される微小凹凸構造が変化しやすいため、再現性が得られにくいという課題があった。また、切削などにより光出射機構を形成する場合には、主表面の表面形状のみに基づき光拡散を行うため、出射光が特定の方向に集中してしまい、光拡散性が低く、即ち半値幅が狭いシャープな光出射となる。このような面光源装置用導光体を用いると、拡散シート及び/またはプリズムシートなどの光学シートと組合せて面光源装置を構成した場合に、導光体の微小凹凸構造の配置パターンが透けて見え易いため、品位の高い面光源装置を得ることが困難となる。このような微小凹凸構造配置パターン透けの問題を解決して高品位の面光源装置を得るには、導光体の微小凹凸構造配置パターンをより小さく、高密度に配置する必要があるため、複雑な設計が必要になる。
また、特許文献4の導光板では、レーザー照射加工により凹部を形成するため、加工データを変更するだけで多数の品種に対応することができるが、凹部表面の多数の微細凹凸の形状により光を拡散させるものであるため、拡散効率が低く、高品位の面光源装置を得るためには、特許文献1及び特許文献2の導光体と同様に光出射機構を高密度に形成する必要がある。そのため設計が複雑になるうえ、高密度のパターンをレーザー照射加工するためには長時間を要するため生産性が低いという問題がある。
一方、特許文献3の導光体では発泡部による光拡散に基づき光出射を実現している。しかしながら、この導光体を製造するには、放射線照射工程と加熱工程との双方を必要とし、製造工程が複雑であるうえ、発泡を誘起する添加剤を必要とするため、コストの上昇を招く。
本発明の1つの目的は、以上のような技術的課題に鑑みて、簡便な方法で高効率の光拡散機能を持った光出射機構が得られ、これにより容易に高品位の面光源装置を得ることが可能になり、しかも製造が容易な面光源装置用導光体を提供することにある。
本発明の他の目的は、以上のような面光源装置用導光体の製造に有利な方法、及び、以上のような面光源装置用導光体を用いた面光源装置を提供することにある。
本発明によれば、上記目的のいずれかを達成するものとして、
板状の面光源装置用導光体を製造する方法であって、
重量平均分子量が10万を越えるメタクリル系樹脂からなる板状の導光体素材を用意し、
該導光体素材の少なくとも一方の主表面の少なくとも一部の領域に、レーザー照射加工により発泡表面層を形成することを特徴とする、面光源装置用導光体の製造方法、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記導光体素材をキャスト製板法により作製する。本発明の一態様においては、前記メタクリル系樹脂はメチルメタクリレートの単独重合体である。本発明の一態様においては、前記メタクリル系樹脂はメチルメタクリレート100〜80重量部と(メタ)アクリル酸エステル0〜20重量部との共重合体である。本発明の一態様においては、前記レーザー照射加工に使用されるレーザーは赤外レーザーである。本発明の一態様においては、前記赤外レーザーは炭酸ガスレーザーである。本発明の一態様においては、前記発泡表面層は厚みが1μm〜20μmである。
また、本発明によれば、上記目的のいずれかを達成するものとして、
光入射端面と、光出射面と、前記光出射面の反対側に位置する裏面と、を備える板状の面光源装置用導光体であって、
前記光出射面及び裏面の少なくとも一方には、少なくとも一部の領域において、発泡表面層が形成されており、
前記導光体の前記発泡表面層以外の部分は重量平均分子量が10万を越えるメタクリル系樹脂からなることを特徴とする面光源装置用導光体、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記発泡表面層は厚みが1μm〜20μmである。本発明の一態様においては、前記発泡表面層は前記光出射面または裏面の法線の方向を含む断面が凹形状をなしている。
更に、本発明によれば、上記目的のいずれかを達成するものとして、
上記の面光源装置用導光体と、該導光体の光入射端面に隣接して配置された一次光源と、を含んでなることを特徴とする面光源装置、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記面光源装置は、更に、前記導光体の裏面に隣接して配置された光反射素子を含んでなる。本発明の一態様においては、前記面光源装置は、更に、前記導光体の光出射面に隣接して配置された光偏向素子を含んでなる。本発明の一態様においては、前記光偏向素子は、前記導光体に近い側の入光面と、該入光面と反対側の出光面とを備えており、前記出光面は互いに平行に配列された複数のプリズム列を含んでなる。
本発明によれば、導光体の発泡表面層は、導光される光を光出射面から出射させるような光学作用を持ち、とくに、気泡の配置は実質上ランダムであり且つ気泡内部は導光体材料とは屈折率が大きく異なるので、ランダムで大きな光拡散作用が得られ、かくして、半値幅が広いブロードな光出射が得られ、これにより容易に、光出射機構配置パターン透けのない高品位の面光源装置を得ることが可能になる。また、本発明の面光源装置用導光体は、特定の導光体素材をレーザー照射加工処理することで得られるので、製造が容易である。
本発明による面光源装置の一実施形態を示す模式的構成図である。 図1の面光源装置における導光体を示す模式的部分断面図である。 図1の面光源装置の導光体の裏面に形成された発泡表面層を示すSEM平面図である。 図1の面光源装置の導光体の裏面に形成された発泡表面層を示すSEM断面斜視図である。 本発明による面光源装置用導光体の製造に際し使用される板状導光体素材を製造するための装置の一例を示す模式的構成図である。 図3との比較のために示す、重量平均分子量が10万以下(8.6万)である押し出し成形により得られたメタクリル樹脂板からなる導光体素材のレーザー照射加工部のSEM平面図である。 図4との比較のために示す、重量平均分子量が10万以下(8.6万)である押し出し成形により得られたメタクリル樹脂板からなる導光体素材のレーザー照射加工部のSEM断面斜視図である。 実施例で作製した面光源装置用導光体サンプルの概略図である。 面光源装置の光学特性の評価方法の説明図である。 実施例2〜4及び比較例2〜5において得られた面光源装置用導光体の光出射機構となる発泡表面層または凹部を示すSEM平面図である。 実施例2〜4において得られた面光源装置用導光体の発泡表面層を示すSEM断面斜視図である。 実施例5〜7及び比較例6〜9において得られた面光源装置用導光体の光出射機構となる発泡表面層または凹部を示すSEM平面図である。 実施例8〜10及び比較例10〜13において得られた面光源装置用導光体の光出射機構となる発泡表面層または凹部を示すSEM平面図である。 実施例11〜13及び比較例14〜17において得られた面光源装置用導光体の光出射機構となる発泡表面層または凹部を示すSEM平面図である。 実施例5〜7において得られた面光源装置用導光体の発泡表面層を示すSEM断面斜視図である。 実施例8〜10において得られた面光源装置用導光体の発泡表面層を示すSEM断面斜視図である。 実施例11〜13において得られた面光源装置用導光体の発泡表面層を示すSEM断面斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明による面光源装置の一実施形態を示す模式的構成図であり、図2はその面光源装置における導光体を示す模式的部分断面図である。図1に示されているように、本実施形態の面光源装置は、点状の一次光源としてのLED22と、該LEDから発せられる光を導光する板状の導光体24と、光拡散素子26と、第1の光偏向素子28と、第2の光偏向素子30と、光反射素子32とを備えている。
導光体24は、図1及び図2における上下方向を厚み方向としており、紙面と垂直の方向に広がりをもっており、全体として矩形板状をなしている。導光体24は、4つの側端面を有しており、そのうちの1対の側端面のうちの一方が光入射端面241とされ、該光入射端面と対向するようにLED22が隣接配置されている。尚、本実施形態では導光体24が1つの光入射端面241を有するが、本発明はこれに限定されるものではなく、所望により1対の側端面の双方、或いは2対の側端面の全て、を光入射端面としてもよい。この場合、全ての光入射端面と対向するようにLEDが隣接配置される。
導光体24の光入射端面241に略直交する2つの主表面のうちの一方である上面が光出射面242とされている。本実施形態では該光出射面242は、平滑面(鏡面)からなるが、これに限定されるものではなく、光出射面にプリズム形状やマイクロレンズ形状などを付与することができる。
尚、LED22は、複数設けられていてもよい。この場合、複数のLED22は、図1の紙面と垂直の方向に適宜の間隔をもって配置され、それらから発せられる光の最大強度光の方向が互いに平行となるように配置するのが好ましい。
導光体24の光出射面242と反対側の主面(裏面)243には、光出射機構が形成されている。光出射機構は、裏面243の一部の領域において形成された発泡表面層244からなる。発泡表面層244は、光出射面242または裏面243の法線の方向を含む断面(縦断面)が凹形状をなしている。
発泡表面層244が形成されている領域は、裏面243における複数のドット状領域からなる。このドット状領域の寸法は、たとえば、径が30μm〜1000μmであり、深さが0.1μm〜500μmである。また、発泡表面層244は、厚みが1μm〜20μmであるのが好ましい。
尚、発泡表面層244が形成されている領域の形状は、以上のようなドット状に限定されるものではなく、ストライプ状領域すなわち線状または帯状の領域からなるものであってもよい。この場合においても、ストライプの延在方向と直交する断面(縦断面)の形状について、上記ドット状の場合の断面(縦断面)の形状についての説明が当てはまる。
発泡表面層244は、後述のような重量平均分子量が10万を越えるメタクリル系樹脂からなる板状の導光体素材を用いて、後述のようにしてレーザー照射加工を行うことで、形成することができる。
図3は発泡表面層244の一例を示すSEM平面図であり、図4はそのSEM断面斜視図である。これは、重量平均分子量が61.0万であるキャスト成形により得られたメタクリル樹脂板からなる導光体素材のレーザー照射加工部のSEM平面図及びSEM断面斜視図である。
発泡表面層244の縦断面形状(プロファイル)の変化は、後述のような製造方法において、導光体素材の主表面に対するレーザーの出力、走査速度、焦点位置(フォーカス位置)を変化させることで、実現することができる。
発泡表面層244は、多数の気泡を含んでおり、気泡内部に導光体材料とは屈折率が大きく異なる層を内包している。かくして、発泡表面層244は光の透過及び反射に対する不均一層として機能し、その光学的性質において光拡散層として機能する。これにより、光入射端面241に入射し、導光体内部を導光される光は、発泡表面層244において拡散反射され、一部が光出射面242からの出射が許容される角度にて光出射面242へと向かい、該光出射面から出射する。
導光体裏面243の一部の領域において以上のような発泡表面層244が形成されているので、光出射面242からは、光出射面242の法線方向(図1及び図2における上下方向)及び光入射端面241と直交する方向の双方を含む面内の分布において幾分ブロードな指向性をもつ光が出射する。
このような発泡表面層244の機能は、該発泡表面層244の発泡状態に依存する。形成される気泡が小さすぎたり、単位面積あたりの気泡の数が少なすぎたりすると、良好な光拡散機能が得にくくなる。本発明者らは、この発泡状態に影響する因子の1つとして、レーザー照射加工に付される板状の導光体素材を構成するメタクリル系樹脂の分子量があることを見出した。即ち、板状の導光体素材として、重量平均分子量が10万を越えるものを用いることで、レーザー照射加工における発泡を容易に適切なもの(即ち良好な光拡散機能を有するもの)とすることができる。導光体素材として重量平均分子量が10万以下のものを使用すると、レーザー照射加工において形成される気泡が小さすぎたり単位面積あたりの気泡の数が少なすぎたりする傾向にある。
裏面243における発泡表面層244の領域は、複数設けることができる。発泡表面層244の領域がドット状である場合には、その分布は、たとえば、ランダム状、碁盤目状、千鳥状、最密充填状のようにすることができる。発泡表面層244の領域がストライプ状である場合には、その分布は、たとえば、平行縞状のようにすることができる。
なお、導光体24の光出射機構としては、上記の様な裏面243に形成した発泡表面層244と併用して、導光体24の内部に光拡散性微粒子を混入分散することで形成したものを用いることができる。また、光出射面242または裏面243にプリズム列及びシリンドリカルレンズ列などの形状を付与してもよい。
また、導光体24としては、図1及び図2に示される様な全体として一様な厚さ(裏面243の発泡表面層244の凹形状を無視した場合の厚さ)の板状のものの他に、光入射端面241から反対端面の方へと次第に厚さが小さくなる様なくさび状のもの等の、種々の断面形状のものを使用することができる。
導光体24の厚さは、例えば0.3〜15mmである。
光拡散素子26は、導光体24の光出射面242上に配置されており、たとえば光拡散フィルムからなる。光出射面242から出射される光の指向性が所望の出射角度、視野角を持つ場合においては、光拡散素子26を省略してもよい。
第1の光偏向素子28は光拡散素子26上に配置されており、第2の光偏向素子30は第1の光偏向素子28上に配置されている。すなわち、第1の光偏向素子28と導光体の光出射面242との間に光拡散素子26が介在している。
第1及び第2の光偏向素子28,30は、導光体24に近い側の入光面と、該入光面と反対側の出光面とを備えており、出光面は互いに平行に配列された複数のプリズム列を含んでなる。但し、第1の光偏向素子28と第2の光偏向素子30とでは、出光面の複数のプリズム列の延在方向が互いに直交している。
本実施形態では、第1の光偏向素子28の出光面の複数のプリズム列の延在方向は光入射端面241と平行であり、第2の光偏向素子30の出光面の複数のプリズム列の延在方向は光入射端面241と垂直である。但し、これに限定されない。第1の光偏向素子28の出光面の複数のプリズム列の延在方向及び第2の光偏向素子30の出光面の複数のプリズム列の延在方向の双方が、光入射端面241に対して斜めで且つ互いに直交しているものであってもよい。
第1及び第2の光偏向素子28,30の厚さは、例えば30〜350μmである。
光出射面242から出射される光が所要の方向に分布のピークを持つような場合においては、第1または第2の光偏向素子28,30を省略してもよい。また、光出射面242から出射される光または光拡散素子26から出射される光の角度分布が、光偏向を要することなく所要の用途(たとえば看板)での使用を可能となすような場合には、第1または第2の光偏向素子28,30を省略してもよい。
光反射素子8としては、例えば表面に金属蒸着反射層を有するプラスチックシート(光反射シート)を用いることができる。尚、導光体24の光入射端面として利用される端面以外の端面にも反射部材を付することが好ましい。裏面243から出射される光の量が無視し得る程度に少ない場合においては、光反射素子8を省略してもよい。
以上のようなLED22、導光体24、光拡散素子26、第1及び第2の光偏向素子28,30および光反射素子32からなる面光源装置の発光面(第2の光偏向素子30の出光面)上に、液晶表示素子を配置することにより液晶表示装置が構成される。液晶表示装置は、図1における上方から液晶表示素子を通して観察者により観察される。
なお、第2の光偏向素子30の出光面上に、第2の光拡散素子を隣接配置して、画像表示の品位低下の原因となるぎらつきや輝度斑などを抑止し、画像表示の品質を向上させることができる。
次に、以上のような面光源装置用導光体を製造するための本発明による製造方法の実施形態を説明する。
先ず、主表面に発泡表面層が形成されていない導光体素材を製造する。この導光体素材は、メタクリル系樹脂板からなる板状のものであり、導光体24と同等の厚みを有する。
導光体素材は、たとえば、上下に相対するように配置された2個のエンドレスの金属回転ベルトとその両側辺部でベルト間に挟まれたガスケットとでシールされて構成される鋳型にメタクリル酸メチルのシラップを連続的に注入し重合させて板を得る製板法(キャスト製板法)により製造される。
この方法は、具体的には、たとえば特開平8−151403号公報に記載されているような連続キャスト製板法であり、これは、
20℃での粘度が100ポイズ以上で重合体含有率が25〜60重量%であるメタクリル酸メチル系シラップに1種以上の重合開始剤を添加し、このシラップを鋳型に供給して50〜100℃の温度に加熱し重合体含有率が少なくとも70重量%に達した後、重合中のシラップ温度とほぼ同じかもしくはそれ以上の温度下で自生する重合発熱を利用して重合を行うことを特徴とするメタクリル系板状重合体の製造方法、
である。
ここで、好ましくは、重合中のシラップ温度とほぼ同じかもしくはそれ以上の温度が60〜150℃である。また、好ましくは、自生する重合発熱を利用して重合するシラップのピーク温度が105〜140℃である。また、好ましくは、鋳型が上下に相対するように配置され、同一方向に同一速度で走行する2個のエンドレスベルトと、その両側辺部でエンドレスベルトに挟まれて走行する連続したガスケットとで構成される鋳型である。
本発明で用いられるシラップの原料となる単量体は、メタクリル酸メチル単独またはメタクリル酸メチルを主成分とする単量体混合物であり、単量体混合物の場合メタクリル酸メチルは80重量%以上であることが望ましい。
メタクリル酸メチルと共に使用される単量体としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
上記の単量体を重合してシラップを得るのに使用される重合開始剤としては、例えば、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の添加量は、通常単量体に対して0.01〜0.5重量%であるが重合温度や目的とする重合体転化率によって適宜決定される。
シラップを得るに当っては、必要に応じて分子量調整剤を使用することができる。具体的にはアルキル基または置換アルキル基を有する第1級、第2級または第3級のメルカプタン、例えば、n−ブチルメルカプタン、i−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、s−ブチルメルカプタン、s−ドデシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン等が挙げられる。分子量調整剤の使用量は特に限定されないがシラップに対して0.01〜0.1重量%の範囲である。
上記の単量体から製造されるシラップは、20℃での粘度が100ポイズ以上で重合体含有率が25〜60重量%であることが必要である。シラップの粘度が100ポイズ未満または重合体含有率が25重量%未満では重合時間が長くなり、一方、重合体含有率が60重量%を越えると重合開始剤の混合や鋳型へのシラップの供給が困難となる。
上記の粘度および重合体含有率を有するシラップは、公知の方法、例えば特公昭40−3701号公報、特公昭47−35307号公報、特公昭53−39918号公報等に記載の方法により製造することができる。
次に、上記のシラップに添加される重合開始剤としては、上述のシラップを得る際に用いられる重合開始剤と同様のものが使用される。重合開始剤の添加量は、通常シラップに対して0.03〜0.5重量%が好ましい。
なお、本発明で用いられるシラップには、さらに必要に応じて各種の添加剤、例えば酸化安定剤、可塑剤、染料、顔料、離型剤等を添加してもよい。
本発明のメタクリル系板状重合体を得るのに使用される鋳型としては、特公昭46−41602号公報、同47−33495号公報等に記載されるような上下に相対するように配置され、同一方向に同一速度で走行する2個のエンドレスベルトと、その両側辺部でエンドレスベルトに挟まれて走行する連続したガスケットとで構成される連続的に板状重合体を製造する方式のものが好ましい。
図5は、本発明のメタクリル系板状重合体(導光体素材)を連続的に製造するのに使用される重合装置の一例を示す概略説明図である。
供給ダイ1から紫外線重合性粘性液体(シラップ)2を供給し、アクリルキャストシート(導光体素材)2’を製造する。繰り出し装置装置14および巻き取り装置15を用いて第一のフィルム13を走行させ、繰り出し装置装置17および巻き取り装置18を用いて第二のフィルム16を走行させる。供給された紫外線重合性粘性液体2は、第一および第二のフィルム13,16により挟持され、上面押し付けロール8および下面押し付けロール8’によりニップされて所要厚さの層状にされ、走行する。その間、紫外線照射装置4により第一および第二のフィルム13,16を介して紫外線が照射され、更に熱風加熱装置10により加熱がなされ、紫外線重合性粘性液体2が重合し、アクリルキャストシート2’となる。
次いで、以上のようにして得られた導光体素材の主表面に対して、レーザー光照射による加工(レーザー照射加工)を行い、導光体素材主表面の表層部に発泡表面層244を形成する。尚、以上のような導光体素材は、市販品(たとえば、三菱レイヨン社製 アクリライトL000)を使用してもよい。
レーザー照射加工に使用されるレーザーとしては、導光体素材に対するエッチング効率の良いものを使用することが好ましく、たとえば、炭酸ガスレーザー(COレーザー)などの赤外レーザーが使用される。赤外レーザーを用いることにより、アクリルシートが照射されたレーザー光を効率的に吸収し、吸収した部位が加熱されるため、効率的なエッチング加工が可能となる。炭酸ガスレーザーとしては、キーエンス社製COレーザーマーカー ML−Z9520T(波長:9.3μm、平均出力:20W)が挙げられる。
上述したように、発泡表面層244の縦断面形状(プロファイル)は、導光体素材の主表面に対するレーザーの出力、走査速度、焦点位置(フォーカス位置)を変化させることで、容易に変化させることができる。
図6及び図7は、それぞれ、本発明に係る図3及び図4との比較のために示すものであり、重量平均分子量が8.6万である押し出し成形により得られたメタクリル樹脂板からなる導光体素材のレーザー照射加工部のSEM平面図及びSEM断面斜視図である。この場合には、発泡表面層は形成されなかった。押し出し成形法により製造されるメタクリル樹脂板を導光体素材として用いた場合には、上記本発明の場合より重合体の分子量が低いので、レーザー照射加工において本発明と同様な加工メカニズムとはならないものと推測される。
以下、実施例及び比較例によって本発明をさらに具体的に説明する。
以下の実施例及び比較例において、重量平均分子量は次のようにして測定した。
<重量平均分子量の測定>
面光源装置用導光体素材であるアクリルシート(メタクリル系樹脂シート)の重量平均分子量は、サンプルにテトラヒドロフラン(THF)を加えて、一晩静置溶解させた後、液体クロマトグラフィー(東ソー社製 液体クロマトグラフィー HLC−8120型)を用いて測定した。ガードカラムは東ソー社製TSKguardcolumn SuperH−Hを、分離カラムは東ソー社製TSK−Gel SuperHM−Hを2本直列、溶媒はTHF、流量は0.6ml/min、検出器は示差屈折計、測定温度は40℃、注入量は10μLとした。標準ポリマーとしては、ポリスチレンを使用した。
(実施例1)
アクリルキャストシート(三菱レイヨン社製 アクリライトL000 厚み4mm 重量平均分子量61万)の表面に、キーエンス社製COレーザーマーカー ML−Z9520T(波長:9.3μm、平均出力:20W)を用いてレーザー照射加工を施し、ドット状の凹部を形成した。レーザー照射条件は、出力 80%、走査速度 500mm/sec、焦点位置は加工面とした。得られた凹部の表面形状及び断面形状を、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製 S−4300SE/N形走査電子顕微鏡、以下SEM)で観察した。
(比較例1)
アクリル樹脂ペレット(三菱レイヨン社製 アクリペットVH000 重量平均分子量8.6万)を原料とし、公知の押出プロセスにより得られた厚み4mmのアクリル押出シートを用いた以外は、実施例1と同様の方法でドット状の凹部を形成し、凹部の表面形状及び断面形状を観察した。
図3は実施例1で形成したドット状凹部(レーザー照射加工部)の発泡表面層を示すSEM画像平面図であり、図4は実施例1で形成したドット状凹部(レーザー照射加工部)の発泡表面層を示すSEM画像断面斜視図である。また、図6は比較例1で形成したドット状凹部(レーザー照射加工部)を示すSEM画像平面図であり、図7は比較例1で形成したドット状凹部(レーザー照射加工部)を示すSEM画像断面斜視図である。
図6及び図7に示す通り、重量平均分子量が10万以下であるアクリル押出シートにレーザー照射加工を施すことにより得られる凹部の表面には、発泡はほとんど見られず、鏡面に近い加工面となっているのに対し、図3及び図4に示す通り、重量平均分子量が10万を越えるアクリルキャストシートにレーザー照射加工を施すことにより得られる凹部の表面には、全域にわたって微細な発泡が多数形成されている。実施例1で得られた発泡表面層の厚みは6.9μmであった。
(実施例2)
<導光体素材の作製>
メタクリル系樹脂の重量平均分子量とレーザー照射加工面の面状態、光学特性の関係を詳細に評価するため、以下の方法で面光源装置用導光体を作製した。
メチルメタクリレートモノマー60重量%に対し、紫外線分解重合開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 イルガキュア184)を0.05重量%、離型剤としてジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム(三井サイアナミッド社製 エアロゾルOT−100)を0.05重量%添加し、常温にて溶解させた後、メチルメタクリレートポリマービーズ(三菱レイヨン社製 BR−80 重量平均分子量10万)40重量%を80℃で30分間かけて加熱溶解させ、紫外線重合性粘性液体2を調製した。調合時の泡を抜くために50℃にて2時間静置させた後、常温まで自然冷却させた。
次いで、前記紫外線重合性粘性液体を用いて、図5に示される装置でアクリルキャストシート2’を製造した。第一と第二のフィルム13,16としては幅500mmで厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製 コスモシャイン A4100)を使用し、紫外線照射装置4として東芝社製 FL30S−BLランプを使用した。
フィルム13,16の搬送速度を0.13m/minとし、供給ダイ1から先に調整した紫外線重合性粘性液体2をフィルム16上に幅400mm、厚さ0.46mmのシート状に供給した後、フィルム13を被せた。その後、紫外線照射装置4により2mW/cmの照射強度で20分間紫外線を照射し、熱風加熱装置10により143℃にて3分間熱処理した後、90℃に空冷し、フィルム13,16から剥離することにより、厚み0.4mmのアクリルキャストシート2’を得た。得られたアクリルキャストシート2’を幅30mm及び長さ100mmの矩形に切り出すことにより面光源装置用導光体素材A1を作製した。得られた面光源装置用導光体素材A1の重量平均分子量は、79.6万であった。
<面光源装置用導光体の作製>
本実施例で作製したサンプルの概略図を図8に示す。
先の方法で得られた面光源装置用導光体素材A1の光出射面310と対向する面(光出射面310の反対側の面)に、キーエンス社製COレーザーマーカー ML−Z9520T(波長:9.3μm、平均出力:20W)を用い、出力80%、走査速度500mm/sec、レーザー焦点位置を加工面に合わせた条件にてレーザー照射加工を施し、凹状の発泡表面層を単位ドットとして該ドットを複数配列してなる光出射機構301を設け、面光源装置用導光体B1を得た。レーザー照射加工のパターンは、図8の拡大図に示すようなドット形状とし、光入射端面320から50mm、側端面から15mmの位置を中心とした10mm×10mmのエリアに、光入射端面320と平行な方向に2.5mmピッチで5個配列したパターンを、導光方向に2.5mmピッチで5列配列した。
<発泡表面層の観察>
得られた光出射機構301の凹状の発泡表面層の大きさは、レーザー共焦点顕微鏡(オリンパス社製 走査型共焦点レーザー顕微鏡 LEXT OLS−3000)を用いて評価した。また、形成された凹状の発泡表面層の表面形状及び断面形状は、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製 S−4300SE/N形走査電子顕微鏡)で観察した。
<光学評価>
図9は、光学評価に用いた測定系の模式図である。面光源装置の光学特性は、下記の方法により評価した。
定電流電源450により20mAで発光させたLED光源440(日亜化学工業社製 LED NSSW020BT 1灯)を被測定用の導光体の光入射端面402に、反射シート410(帝人デュポンフィルム社製 UX 厚み225μm)を光出射面の反対側の面に配置し、輝度計460(TOPCON社製 輝度計BM−7)を用い、光出射機構401を設けた部位を中心とした視野角2度のエリアの出射面から出射される光の、導光方向と平行で導光体面に垂直な面の−90度から90度までの出射光角度における輝度分布を測定した。なお出射方向は、法線方向を0度、光出射機構から見て光入射端面の方向を−(マイナス)、その反対方向を+(プラス)とした。
(実施例3)
オクチルメルカプタン0.05重量%を加えて紫外線重合性粘性液体を調製した以外は、実施例2と同様にして、重量平均分子量が19.6万である面光源装置用導光体素材A2を作製した。A2に対して実施例2と同様の方法で加工を施し、面光源装置用導光体B2を作製し、凹状の発泡表面層の観察、光学評価を行った。
(実施例4)
オクチルメルカプタン0.10重量%を加えて紫外線重合性粘性液体を調製した以外は、実施例2と同様にして、重量平均分子量が11.6万である面光源装置用導光体素材A3を作製した。A3に対して実施例2と同様の方法で加工を施し、面光源装置用導光体B3を作製し、凹状の発泡表面層の観察、光学評価を行った。
(比較例2)
オクチルメルカプタン0.15重量%を加えて紫外線重合性粘性液体を調製した以外は、実施例2と同様にして、重量平均分子量が9.7万である面光源装置用導光体素材A4を作製した。A4に対して実施例2と同様の方法で加工を施し、面光源装置用導光体B4を作製し、凹部の観察、光学評価を行った。
(比較例3)
オクチルメルカプタン0.20重量%を加えて紫外線重合性粘性液体を調製した以外は、実施例2と同様にして、重量平均分子量が7.8万である面光源装置用導光体素材A5を作製した。A5に対して実施例2と同様の方法で加工を施し、面光源装置用導光体B5を作製し、凹部の観察、光学評価を行った。
(比較例4)
オクチルメルカプタン0.25重量%を加えて紫外線重合性粘性液体を調製した以外は、実施例2と同様にして、重量平均分子量が7.4万である面光源装置用導光体素材A6を作製した。A6に対して実施例2と同様の方法で加工を施し、面光源装置用導光体B6を作製し、凹部の観察、光学評価を行った。
(比較例5)
オクチルメルカプタン0.30重量%を加えて紫外線重合性粘性液体を調製した以外は、実施例2と同様にして、重量平均分子量が6.8万である面光源装置用導光体素材A7を作製した。A7に対して実施例2と同様の方法で加工を施し、面光源装置用導光体B7を作製し、凹部の観察、光学評価を行った。
(実施例5)
レーザー照射加工条件を、出力80%、走査速度100mm/sec、レーザー焦点位置を加工面に合わせた条件にした以外は、実施例2と同様にして、面光源装置用導光体B8を作製し、凹状の発泡表面層の表面形状を観察した。
(実施例6)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が19.6万であるA2を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、面光源装置用導光体B9を作製し、凹状の発泡表面層の表面形状を観察した。
(実施例7)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が11.6万であるA3を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、面光源装置用導光体B10を作製し、凹状の発泡表面層の表面形状を観察した。
(比較例6)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が9.7万であるA4を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、面光源装置用導光体B11を作製し、凹部の表面形状を観察した。
(比較例7)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が7.8万であるA5を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、面光源装置用導光体B12を作製し、凹部の表面形状を観察した。
(比較例8)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が7.4万であるA6を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、面光源装置用導光体B13を作製し、凹部の表面形状を観察した。
(比較例9)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が6.8万であるA7を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、面光源装置用導光体B14を作製し、凹部の表面形状を観察した。
(実施例8)
レーザー照射加工条件を、出力20%、走査速度100mm/sec、レーザー焦点位置を加工面に合わせた条件にした以外は、実施例2と同様にして、面光源装置用導光体B15を作製し、凹状の発泡表面層の表面形状を観察した。
(実施例9)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が19.6万であるA2を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、面光源装置用導光体B15を作製し、凹状の発泡表面層の表面形状を観察した。
(実施例10)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が11.6万であるA3を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、面光源装置用導光体B16を作製し、凹状の発泡表面層の表面形状を観察した。
(比較例10)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が9.7万であるA4を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、面光源装置用導光体B18を作製し、凹部の表面形状を観察した。
(比較例11)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が7.8万であるA5を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、面光源装置用導光体B19を作製し、凹部の表面形状を観察した。
(比較例12)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が7.4万であるA6を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、面光源装置用導光体B20を作製し、凹部の表面形状を観察した。
(比較例13)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が6.8万であるA7を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、面光源装置用導光体B21を作製し、凹部の表面形状を観察した。
(実施例11)
レーザー照射加工条件を、出力80%、走査速度500mm/sec、レーザー焦点位置を加工面の上方10mmに合わせた条件にした以外は、実施例2と同様にして、面光源装置用導光体B22を作製し、凹状の発泡表面層の表面形状を観察した。
(実施例12)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が19.6万であるA2を用いたこと以外は、実施例11と同様にして、面光源装置用導光体B23を作製し、凹状の発泡表面層の表面形状を観察した。
(実施例13)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が11.6万であるA3を用いたこと以外は、実施例11と同様にして、面光源装置用導光体B24を作製し、凹状の発泡表面層の表面形状を観察した。
(比較例14)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が9.7万であるA4を用いたこと以外は、実施例11と同様にして、面光源装置用導光体B25を作製し、凹部の表面形状を観察した。
(比較例15)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が7.8万であるA5を用いたこと以外は、実施例11と同様にして、面光源装置用導光体B26を作製し、凹部の表面形状を観察した。
(比較例16)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が7.4万であるA6を用いたこと以外は、実施例11と同様にして、面光源装置用導光体B27を作製し、凹部の表面形状を観察した。
(比較例17)
面光源装置用導光体素材として、重量平均分子量が6.8万であるA7を用いたこと以外は、実施例11と同様にして、面光源装置用導光体B28を作製し、凹部の表面形状を観察した。
以上の実施例2〜4および比較例2〜5で得られた面光源装置用導光体の試験評価結果を、以下に示す。
<試験評価結果>
実施例2〜4及び比較例2〜5で作製した面光源装置用導光体B1〜B7に関し、凹部の大きさの評価結果を表1に、表面形状の観察結果を図10に、それぞれ示す。また、実施例2〜4で作製した面光源装置用導光体B1〜B3の発泡表面層の断面形状の観察結果を図11に示す。
図10及び図11に示すとおり、重量平均分子量が10万を越えるB1〜B3の凹部の表面には、全域にわたって微細な発泡が多数形成されているのに対し、重量平均分子量が10万以下であるB4〜B7では、表面に発泡はほとんど見られず、鏡面に近い加工面が得られている。このことから、重量平均分子量を10万を越えるようにすることで、発泡表面層の全域に渡って良好な発泡を形成できることがわかる。
表2は、B1〜B7の光学評価の結果をまとめたもので、各面光源装置用導光体の法線輝度(出射角0°における輝度)と半値幅(出射ピーク値の50%以上の輝度をとる角度幅)を示している。
表2に示すとおり、凹部の表面に発泡がほとんど見られないB4〜B7では、30cd/m以下の輝度しか得られないのに対し、発泡表面層の全域に渡って微細な発泡が多数形成されているB1〜B3では、45cd/m以上の輝度が得られている。このことから、本発明の製造方法を用いることにより、法線輝度の高い面光源装置用導光体が得られることがわかる。
また、各サンプルの半値幅を見ると、B1〜B3では、B4〜B7と比較して著しく広い半値幅が得られることが分かる。これは、発泡表面層の全域に渡って良好に形成された微細発泡により、光が拡散されながら出射するためであると考えられる。一般的に、半値幅が狭い、つまりシャープな出射パターンを持った面光源装置用導光体を用いると、拡散シート・上向きプリズムシートなどの光学シートと組合せて面光源装置とした際に、導光体の出射パターンが透けて見え易くなるため、品位の高い面光源装置を得ることが困難となる。これに対し、本発明の製造方法で製造した面光源装置用導光体では、半値幅が広い、つまりブロードな出射パターンとなるため、容易に高品位の面光源装置を得ることができる。
図12は、実施例5〜7及び比較例6〜9で作製した面光源装置用導光体B8〜B14の凹状の発泡表面層または凹部の表面形状観察結果を示す図である。
図13は、実施例8〜10及び比較例10〜13で作製した面光源装置用導光体B15〜B21の発泡表面層または凹部の表面形状観察結果を示す図である。
図14は、実施例11〜13及び、比較例14〜17で作製した面光源装置用導光体B22〜B28の発泡表面層または凹部の表面形状観察結果を示す図である。
図15は、実施例5〜7で作製した面光源装置用導光体B8〜B10の発泡表面層の断面形状の観察結果を示す図である。
図16は、実施例8〜10で作製した面光源装置用導光体B15〜B17の発泡表面層の断面形状の観察結果を示す図である。
図17は、実施例11〜13で作製した面光源装置用導光体B22〜B24の発泡表面層の断面形状の観察結果を示す図である。
図12〜図17を見ると、レーザー照射加工条件(出力、走査速度、焦点位置)を変化させても、重量平均分子量10万を境界として、それを越えるサンプルでは発泡表面層の全域にわたって微細な発泡が良好に形成され、それ以下では発泡がほとんど見られず鏡面に近い加工面が得られることがわかる。このことから、レーザー照射加工により形成される凹部の表面性状は、面光源装置用導光体素材であるメタクリル系樹脂シートの分子量に依存していることがわかる。
1 供給ダイ
2 紫外線重合性粘性液体(シラップ)
2’ アクリルキャストシート(導光体素材)
4 紫外線照射装置
8 上面押し付けロール
8’ 下面押し付けロール
10 熱風加熱装置
13 第一のフィルム
14 繰り出し装置
15 巻き取り装置
16 第二のフィルム
17 繰り出し装置
18 巻き取り装置
22 LED
24 導光体
241 光入射端面
242 光出射面
243 裏面
244 発泡表面層
26 光拡散素子
28 第1の光偏向素子
30 第2の光偏向素子
32 光反射素子
A1 面光源装置用導光体素材
301 光出射機構
310 光出射面
320 光入射端面
B1 面光源装置用導光体
401 光出射機構
402 光入射端面
410 反射シート
440 LED光源
450 定電流電源
460 輝度計

Claims (14)

  1. 板状の面光源装置用導光体を製造する方法であって、
    重量平均分子量が10万を越えるメタクリル系樹脂からなる板状の導光体素材を用意し、
    該導光体素材の少なくとも一方の主表面の少なくとも一部の領域に、レーザー照射加工により発泡表面層を形成することを特徴とする、面光源装置用導光体の製造方法。
  2. 前記導光体素材をキャスト製板法により作製することを特徴とする、請求項1に記載の面光源装置用導光体の製造方法。
  3. 前記メタクリル系樹脂はメチルメタクリレートの単独重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の面光源装置用導光体の製造方法。
  4. 前記メタクリル系樹脂はメチルメタクリレート100〜80重量部と(メタ)アクリル酸エステル0〜20重量部との共重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の面光源装置用導光体の製造方法。
  5. 前記レーザー照射加工に使用されるレーザーは赤外レーザーであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の面光源装置用導光体の製造方法。
  6. 前記赤外レーザーは炭酸ガスレーザーであることを特徴とする、請求項5に記載の面光源装置用導光体の製造方法。
  7. 前記発泡表面層は厚みが1μm〜20μmであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の面光源装置用導光体の製造方法。
  8. 光入射端面と、光出射面と、前記光出射面の反対側に位置する裏面と、を備える板状の面光源装置用導光体であって、
    前記光出射面及び裏面の少なくとも一方には、少なくとも一部の領域において、発泡表面層が形成されており、
    前記導光体の前記発泡表面層以外の部分は重量平均分子量が10万を越えるメタクリル系樹脂からなることを特徴とする面光源装置用導光体。
  9. 前記発泡表面層は厚みが1μm〜20μmであることを特徴とする、請求項8に記載の面光源装置用導光体。
  10. 前記発泡表面層は前記光出射面または裏面の法線の方向を含む断面が凹形状をなしていることを特徴とする、請求項8または9に記載の面光源装置用導光体。
  11. 請求項8乃至10のいずれか一項に記載の面光源装置用導光体と、該導光体の光入射端面に隣接して配置された一次光源と、を含んでなることを特徴とする面光源装置。
  12. 前記面光源装置は、更に、前記導光体の裏面に隣接して配置された光反射素子を含んでなることを特徴とする、請求項11に記載の面光源装置。
  13. 前記面光源装置は、更に、前記導光体の光出射面に隣接して配置された光偏向素子を含んでなることを特徴とする、請求項11または12に記載の面光源装置。
  14. 前記光偏向素子は、前記導光体に近い側の入光面と、該入光面と反対側の出光面とを備えており、前記出光面は互いに平行に配列された複数のプリズム列を含んでなることを特徴とする、請求項13に記載の面光源装置。
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