JP2012007107A - 光硬化型インクジェット印刷用インク組成物、印刷物、及び、成形加工品 - Google Patents
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Abstract
【課題】光硬化性に優れ、且つ、基材が熱成形されても良好な延伸性、耐熱性及び打ち抜き加工性を有する硬化塗膜を形成することができる、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する光硬化型インクジェット印刷用インク組成物であって、上記光重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合を1つ及びウレタン結合を少なくとも1つ有する光重合性モノマーを含有し、かつ、上記光重合性モノマーの含有量が、上記光重合性化合物1gあたりにウレタン結合を2.8〜4.7mmol含有する量である光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する光硬化型インクジェット印刷用インク組成物であって、上記光重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合を1つ及びウレタン結合を少なくとも1つ有する光重合性モノマーを含有し、かつ、上記光重合性モノマーの含有量が、上記光重合性化合物1gあたりにウレタン結合を2.8〜4.7mmol含有する量である光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物、並びに、それが印刷された印刷物及び成形加工品に関する。より詳しくは、基材にインク組成物を印刷した後、基材を熱成形しても良好な延伸性、耐熱性及び打ち抜き加工性を有する硬化塗膜を形成することができる、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。
光硬化型インクは、乾燥が早く、揮発性溶剤を含有しないので、環境に対して有害な成分の揮発がないこと、さらに種々の基材に印刷可能等の優れた性能を有するため、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、凸版印刷の他、各種の塗工やインクジェット印刷等の幅広い分野で利用されている。とりわけ、インクジェット印刷は、基材の材質や形状を問わず、簡単にかつ安価で画像が作成可能なため、ロゴ、図形、写真画像等の通常の印刷から、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷までのさまざまな分野に応用されている。そして、光硬化型インクの性能と相まって、より良好な印刷物が得られるものとして期待されている。
また、最近では、光硬化型インクは、後に延伸や曲げ加工される基材にもインクジェット方式で印刷できるように要求されるようになっている。
しかし、それらの要求に対して、従来の単官能モノマーと多官能モノマーとを用いた光硬化型インクの硬化塗膜では、塗膜硬度が高すぎる場合が多い。従って、印刷後に延伸や曲げ加工が行われると、硬化塗膜が基材の伸びや変形に追随できずに、密着性が低下する傾向を有しており、印刷物の延伸・曲げ加工性が低くなるという問題があった。
しかし、それらの要求に対して、従来の単官能モノマーと多官能モノマーとを用いた光硬化型インクの硬化塗膜では、塗膜硬度が高すぎる場合が多い。従って、印刷後に延伸や曲げ加工が行われると、硬化塗膜が基材の伸びや変形に追随できずに、密着性が低下する傾向を有しており、印刷物の延伸・曲げ加工性が低くなるという問題があった。
そこで、これらの問題を解決するために、単官能モノマーおよび多官能モノマーを併用し、かつ、単官能モノマーとしてフェノキシ基を有する(メタ)アクリレート、フェノキシ基を有する(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド付加物、及びフェノキシ基を有する(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド付加物から選ばれるモノマーを含有する活性エネルギー線硬化型インクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、近年さらにパンチ等による打ち抜き加工等が行えるような市場要求も多くなっている。その要求に対して、印刷基材となるプラスチックシートが厚膜で変形しにくく、また、開ける穴の形状が円等の単純な場合は、ドリル等の切削加工もできるため、インクが印刷基材に十分に密着していれば加工は可能である。
ところが、切削加工では、手間と時間は非常にかかり、また、変形しやすい材質のものに適応できないという問題があった。それに対して、打ち抜き加工は簡単に複雑な形状の穴を開けることができるという特徴があり、可能な限り打ち抜き加工されるようになっている。
この加工時のプラスチックシート(印刷基材)の打ち抜き加工される部分にかかるせん断応力は瞬時である。従って、打ち抜き加工される部分の近傍に印刷されたインク塗膜は、瞬時にせん断応力を緩和して、塗膜のひび割れや印刷基材からの剥がれを防止する性能が求められる。
この加工時のプラスチックシート(印刷基材)の打ち抜き加工される部分にかかるせん断応力は瞬時である。従って、打ち抜き加工される部分の近傍に印刷されたインク塗膜は、瞬時にせん断応力を緩和して、塗膜のひび割れや印刷基材からの剥がれを防止する性能が求められる。
しかしながら、上記で示した延伸・密着性の良好なインクを使用した場合でも、印刷物を打ち抜き加工すると、断面でインク塗膜の割れや剥がれ等が見受けられる等、まだ充分なレベルではなく、基材の延伸・曲げ加工性、及び打ち抜き加工性等の市場で要求されている性能を満足できるインク組成物がないというのが現状である。
そこで、本発明の課題は、光硬化性に優れ、且つ、基材が熱成形されても良好な延伸性、耐熱性及び打ち抜き加工性を有する硬化塗膜を形成することができる、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を提供することである。
発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、基材にポリカーボネート樹脂など、他のポリマーとの密着性が劣る材料を利用する場合であっても良好に密着すること、また、耐熱性の向上が見込めること等から、硬化塗膜中にウレタン結合を導入し、さらに硬化塗膜の特性値と要求性能との関係から、ウレタン結合の割合を規定することにより、上記課題を全て解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する光硬化型インクジェット印刷用インク組成物であって、上記光重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合を1つ及びウレタン結合を少なくとも1つ有する光重合性モノマーを含有し、かつ、上記光重合性モノマーの含有量が、上記光重合性化合物1gあたりにウレタン結合を2.8〜4.7mmol含有する量であることを特徴とする光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。
上記光重合性モノマーは、モノイソシアネート化合物と水酸基及びエチレン性不飽和二重結合をそれぞれ1つ有する化合物とを反応させて得られた、分子内にウレタン結合を有する光重合性モノマー、並びに、モノアルコール化合物と(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートとを反応させて得られた、分子内にウレタン結合を有する光重合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記光重合性モノマーは、下記式(1)で表わされる化合物であることが好ましい。
上記光重合性モノマーは、下記式(1)で表わされる化合物であることが好ましい。
上記光重合性化合物は、更に多官能モノマーを、上記光重合性化合物中0.5〜9.0質量%含有することが好ましい。
上記光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を光重合させて得られた硬化塗膜の180℃における延伸率が120%以上であることが好ましい。
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、更に着色剤を含有することが好ましい。
また、本発明は、上述の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を、基材にインクジェット印刷方式で印刷して塗膜を形成し、光重合により上記塗膜を硬化させた後、熱成形して得られてなる成形加工品に関する。
上記成形加工品は、更に、打ち抜き加工されてなることが好ましい。
上記成形加工品において、上記基材は、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、及び、ポリスチレンからなる群より選択される少なくとも1種からなるプラスチック基材であることが好ましい。
本発明はまた、上述の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を、基材にインクジェット印刷方式で印刷して塗膜を形成し、光重合により上記塗膜を硬化させてなることを特徴とする印刷物でもある。
以下、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう)について具体的に説明する。
上記光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を光重合させて得られた硬化塗膜の180℃における延伸率が120%以上であることが好ましい。
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、更に着色剤を含有することが好ましい。
また、本発明は、上述の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を、基材にインクジェット印刷方式で印刷して塗膜を形成し、光重合により上記塗膜を硬化させた後、熱成形して得られてなる成形加工品に関する。
上記成形加工品は、更に、打ち抜き加工されてなることが好ましい。
上記成形加工品において、上記基材は、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、及び、ポリスチレンからなる群より選択される少なくとも1種からなるプラスチック基材であることが好ましい。
本発明はまた、上述の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を、基材にインクジェット印刷方式で印刷して塗膜を形成し、光重合により上記塗膜を硬化させてなることを特徴とする印刷物でもある。
以下、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう)について具体的に説明する。
本発明のインク組成物を構成する材料
<光重合性化合物>
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、光重合性化合物を含有する。
上記光重合性化合物は、分子内に光重合が可能なエチレン性不飽和二重結合を1つ及びウレタン結合を少なくとも1つ有する光重合性モノマーを含有する。
<光重合性化合物>
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、光重合性化合物を含有する。
上記光重合性化合物は、分子内に光重合が可能なエチレン性不飽和二重結合を1つ及びウレタン結合を少なくとも1つ有する光重合性モノマーを含有する。
上記光重合性モノマーは、モノイソシアネート化合物と水酸基及びエチレン性不飽和二重結合をそれぞれ1つ有する化合物とを反応させて得られた、分子内にウレタン結合を有する光重合性モノマー、並びに、モノアルコール化合物と(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートとを反応させて得られた、分子内にウレタン結合を有する光重合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記モノイソシアネート化合物と水酸基及びエチレン性不飽和二重結合をそれぞれ1つ有する化合物とを反応させて得られた、分子内にウレタン結合を有する光重合性モノマーとしては、例えば、(1)メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート等のモノイソシアネート化合物と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノメタクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとを組み合わせて、水酸基とイソシアネート基とを反応させて得られたウレタン(メタ)アクリレート、及び、(2)メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の一価のアルコール化合物と、(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートとの組み合わせで、水酸基とイソシアネート基とを反応させて得られたウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
モノアルコール化合物と(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートとを反応させて得られた、分子内にウレタン結合を有する光重合性モノマーとしては、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート等のモノイソシアネート化合物と、アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール等の不飽和アルコールとの組み合わせで、水酸基とイソシアネート基とを反応させて得られた単官能光重合性モノマーを挙げることができる。
なかでも、上記光重合性モノマーとしては、ブチルイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとから合成される下記式(1)で表される単官能ウレタンアクリレートであることが好ましい。
上記式(1)で表される単官能ウレタンアクリレートの市販品としては、例えば、Genomer1122(RAHN社製)等を挙げることができる。
上記光重合性モノマーの含有量は、上記光重合性化合物1gあたりにウレタン結合を2.8〜4.7mmol含有する量である。
上記含有量が2.8mmol未満であると、本発明のインク組成物の硬化塗膜の耐熱性が悪くなる。なお、上記光重合性モノマーの含有量は、上記光重合性化合物1gあたりに含まれるウレタン結合の数を示しており、
(光重合性化合物中における分子内に光重合が可能なエチレン性不飽和二重結合を1つ及びウレタン結合を少なくとも1つ有する光重合性モノマーの質量%)×(1分子中に含まれるウレタン結合の数)/(分子内に光重合が可能なエチレン性不飽和二重結合を1つ及びウレタン結合を少なくとも1つ有する光重合性モノマーの分子量)の計算式により求めることができる。
上記含有量が2.8mmol未満であると、本発明のインク組成物の硬化塗膜の耐熱性が悪くなる。なお、上記光重合性モノマーの含有量は、上記光重合性化合物1gあたりに含まれるウレタン結合の数を示しており、
(光重合性化合物中における分子内に光重合が可能なエチレン性不飽和二重結合を1つ及びウレタン結合を少なくとも1つ有する光重合性モノマーの質量%)×(1分子中に含まれるウレタン結合の数)/(分子内に光重合が可能なエチレン性不飽和二重結合を1つ及びウレタン結合を少なくとも1つ有する光重合性モノマーの分子量)の計算式により求めることができる。
上記光重合性化合物は、耐熱性をさらに向上させる目的で、多官能モノマーを更に含有することが好ましい。
本発明で使用できる上記多官能モノマーとしては、例えば、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アクリレートエステル(ジオキサングリコールジアクリレート)、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシ化ジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコオキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコキシ化脂肪族ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどが挙げられる。
本発明で使用できる上記多官能モノマーとしては、例えば、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アクリレートエステル(ジオキサングリコールジアクリレート)、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシ化ジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコオキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコキシ化脂肪族ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどが挙げられる。
上記多官能モノマーの含有量は、光重合性化合物中に0.5〜9.0質量%であることが好ましい。上記多官能モノマーの含有量が0.5質量%未満であると、耐熱性が低下する傾向がある。上記多官能モノマーの含有量が9.0質量%を超えると、架橋密度が多くなり過ぎて、塗膜の割れや剥がれが発生し、延伸性が低下する傾向がある。
上記光重合性化合物は、さらに、本発明の目的とする性能が低下しない範囲において、その他の性能を向上させるために、他の光重合性化合物を含有していてもよい。
上記他の光重合性化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアリールエーテルの(メタ)アクリル酸エステル;イソボニル(メタ)アクリレート;グリセロール(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリルアクリレート;フェノキシエチルアクリレート;N−ビニルカプロラクタム;アクリロイルモルホリン等の光重合性モノマー、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の光重合性オリゴマー等などの光重合が可能なエチレン性二重結合含有化合物を挙げることができ、制限なく使用できる。
上記他の光重合性化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアリールエーテルの(メタ)アクリル酸エステル;イソボニル(メタ)アクリレート;グリセロール(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリルアクリレート;フェノキシエチルアクリレート;N−ビニルカプロラクタム;アクリロイルモルホリン等の光重合性モノマー、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の光重合性オリゴマー等などの光重合が可能なエチレン性二重結合含有化合物を挙げることができ、制限なく使用できる。
上記他の光重合性化合物としては、本発明のインク組成物から得られる硬化塗膜を、延伸や打ち抜き加工に適する程度に柔軟にするような成分を適宜選択することが好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、光重合開始剤を含有する。
上記光重合開始剤としては、分子開列型又は水素引抜型のものが好適である。
上記光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルぺンチルフォスフィンオキシド、1,2−オクタンジオン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4′−メトキシスチリル)−6−トリアジン2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、光重合開始剤を含有する。
上記光重合開始剤としては、分子開列型又は水素引抜型のものが好適である。
上記光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルぺンチルフォスフィンオキシド、1,2−オクタンジオン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4′−メトキシスチリル)−6−トリアジン2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明のインク組成物が後述する増感剤を含有しない場合、上記光重合開始剤の含有量は、上記光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に好ましくは5〜20質量%であり、より好ましくは5〜13質量%である。上記光重合開始剤の含有量が5質量%未満では、活性エネルギー線に対する硬化性が充分でない場合がある。20質量%を超えると、効果の向上が見られず、過剰添加となり好ましくない。
また、本発明のインク組成物が後述する増感剤を含有する場合の上記光重合開始剤の含有量は、上記光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に好ましくは3.5〜20質量%であり、より好ましくは3.5〜13質量%である。
<増感剤>
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、硬化性を向上させるために、増感剤(化合物)を更に含有していもよい。
上記増感剤としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)アントラセン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、硬化性を向上させるために、増感剤(化合物)を更に含有していもよい。
上記増感剤としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)アントラセン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
上記増感剤の含有量は、上記光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に好ましくは0〜3質量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜2質量%の範囲である。上記増感剤の含有量が3質量%を超えると、効果の向上が見られず、過剰添加となり好ましくない。
<着色剤>
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、必要に応じて、着色剤を含有していてもよい。
上記着色剤としては、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に従来から使用されているものを特に制限なく使用できるが、上記インク組成物に良好に分散し、耐光性の優れた有機顔料又は無機顔料が好ましい。
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、必要に応じて、着色剤を含有していてもよい。
上記着色剤としては、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に従来から使用されているものを特に制限なく使用できるが、上記インク組成物に良好に分散し、耐光性の優れた有機顔料又は無機顔料が好ましい。
具体的には、上記有機顔料としては、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、アンスラキノン系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系の顔料等が挙げられる。
上記無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、黒鉛、鉄黒、酸化クロムグリーン、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
上記無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、黒鉛、鉄黒、酸化クロムグリーン、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
上記着色剤の含有量は、好ましくは、上記光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に1〜20質量%である。上記着色剤の含有量が上記範囲未満では、得られる印刷物の画像品質が低下する傾向があり、一方上記範囲を超えると、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度特性に悪影響を与える傾向がある。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、着色剤として顔料を使用する場合は、顔料の分散性、インク組成物の保存安定性を向上させるために、顔料分散剤を含有することが好ましい。
上記顔料分散剤としては、従来からインク組成物の分野において使用されている公知のものであれば特に制限されないが、中でも高分子分散剤が好ましい。
上記顔料分散剤としては、従来からインク組成物の分野において使用されている公知のものであれば特に制限されないが、中でも高分子分散剤が好ましい。
上記高分子分散剤としては、例えば、カルボジイミド系分散剤、ポリエステルアミン系分散剤、脂肪酸アミン系分散剤、変性ポリアクリレート系分散剤、変性ポリウレタン系分散剤、多鎖型高分子非イオン系分散剤、高分子イオン活性剤等が挙げられる。これら顔料分散剤は単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記顔料分散剤の含有量は、上記光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中の全顔料100質量部に対して、通常1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜60質量部である。上記顔料分散剤の含有量が1質量部未満では、顔料分散性、インク組成物の保存安定性が低下するおそれがあり、一方200質量部を超えて含有させることもできるが効果の差がない場合もある。
<溶剤>
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、必要に応じ、溶剤を含有していてもよい。
上記溶剤としては、常圧(1.013×102kPa)における沸点が150〜220℃であることが好ましい。
上記溶剤としては、具体的には、エステル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エーテルエステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素溶剤、含窒素系有機溶剤等が例示できる。ただし、上記インク組成物の硬化性、環境問題等の観点から、有機溶剤は極力使用しないことが好ましい。
上記溶剤の含有量は、上記インク組成物中、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、特に好ましくは0質量%である。
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、必要に応じ、溶剤を含有していてもよい。
上記溶剤としては、常圧(1.013×102kPa)における沸点が150〜220℃であることが好ましい。
上記溶剤としては、具体的には、エステル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エーテルエステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素溶剤、含窒素系有機溶剤等が例示できる。ただし、上記インク組成物の硬化性、環境問題等の観点から、有機溶剤は極力使用しないことが好ましい。
上記溶剤の含有量は、上記インク組成物中、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、特に好ましくは0質量%である。
<その他添加剤>
更に、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、必要に応じて種々の機能性を発現させるために、各種の添加剤を5質量%以下で含有していてもよい。
上記添加剤としては、具体的には、光安定化剤、表面処理剤、界面活性剤、粘度低下剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、重合禁止剤、可塑剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、保湿剤等が挙げられる。
更に、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、必要に応じて種々の機能性を発現させるために、各種の添加剤を5質量%以下で含有していてもよい。
上記添加剤としては、具体的には、光安定化剤、表面処理剤、界面活性剤、粘度低下剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、重合禁止剤、可塑剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、保湿剤等が挙げられる。
インク組成物の調製方法
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を調製する方法としては、特に限定されず、上述した材料を全て添加してビーズミルや3本ロールミル等で混合して調製することができる。なお、顔料を用いる場合は、顔料、上記顔料分散剤及び上記光重合性化合物を混合することにより、予めコンクベースインクを得て、そこに所望の組成となるよう上記の成分の残余の分を添加して調製することもできる。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を調製する方法としては、特に限定されず、上述した材料を全て添加してビーズミルや3本ロールミル等で混合して調製することができる。なお、顔料を用いる場合は、顔料、上記顔料分散剤及び上記光重合性化合物を混合することにより、予めコンクベースインクを得て、そこに所望の組成となるよう上記の成分の残余の分を添加して調製することもできる。
インク組成物の性状
(1)インク組成物の硬化塗膜の延伸率
本発明のインク組成物では、加熱下で延伸・曲げ加工を可能にするために、上記インク組成物を光重合させて得られた硬化塗膜の180℃における延伸率が120%以上であることが好ましい。より好ましくは、150%以上である。
なお、上記インク組成物の硬化塗膜の延伸率とは、以下の方法により測定した延伸率をいう。
(延伸率の測定方法)
ポリカーボネート板(厚さ0.5mm)に、インク組成物を#12のバーコーターにより塗工し、厚さ20μmの塗工膜を形成する。この塗工膜に、照射手段としてヘレウス社製UVランプ(Z−8ランプ)を用いて、120W/cm×23m/min、距離10cm(1パス当たりの積算光量60mJ/cm2)の照射条件で塗工膜が完全に硬化するまで硬化させる。硬化後、硬化塗膜を2cm×10cmのサイズに切り出して測定試料片を作製し、その測定試料片を、引張試験機により、180℃の環境下で引張速度50mm/minで延伸し、硬化塗膜がひび割れずに延伸できる長さにより延伸率を測定する。
ここで、図1に示すように、測定試料片の中心を挟むように記した中心部の黒点と黒点との距離が、延伸前の1cmから延伸によりXcmになった場合に、延伸率を{(X−1)/1}×100[%]とする。
(1)インク組成物の硬化塗膜の延伸率
本発明のインク組成物では、加熱下で延伸・曲げ加工を可能にするために、上記インク組成物を光重合させて得られた硬化塗膜の180℃における延伸率が120%以上であることが好ましい。より好ましくは、150%以上である。
なお、上記インク組成物の硬化塗膜の延伸率とは、以下の方法により測定した延伸率をいう。
(延伸率の測定方法)
ポリカーボネート板(厚さ0.5mm)に、インク組成物を#12のバーコーターにより塗工し、厚さ20μmの塗工膜を形成する。この塗工膜に、照射手段としてヘレウス社製UVランプ(Z−8ランプ)を用いて、120W/cm×23m/min、距離10cm(1パス当たりの積算光量60mJ/cm2)の照射条件で塗工膜が完全に硬化するまで硬化させる。硬化後、硬化塗膜を2cm×10cmのサイズに切り出して測定試料片を作製し、その測定試料片を、引張試験機により、180℃の環境下で引張速度50mm/minで延伸し、硬化塗膜がひび割れずに延伸できる長さにより延伸率を測定する。
ここで、図1に示すように、測定試料片の中心を挟むように記した中心部の黒点と黒点との距離が、延伸前の1cmから延伸によりXcmになった場合に、延伸率を{(X−1)/1}×100[%]とする。
(2)粘度
本発明のインク組成物は、良好なインク吐出性能、厚膜の印刷塗膜を得る等の観点から、25℃における粘度が5〜70mPa・sであることが好ましい。
なお、本明細書において、上記25℃における粘度は、B型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、東機産業社製)を用いて測定したものである。
本発明のインク組成物は、良好なインク吐出性能、厚膜の印刷塗膜を得る等の観点から、25℃における粘度が5〜70mPa・sであることが好ましい。
なお、本明細書において、上記25℃における粘度は、B型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、東機産業社製)を用いて測定したものである。
印刷物の製造
次に、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を用いて得られる印刷物について説明する。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を印字する基材としては、従来公知の紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物が適用可能な基材(プラスチック基材、紙、カプセル、ジェル、金属箔、ガラス、木材、布等)であれば特に限定されない。なかでも、上記基材としては、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、及び、ポリスチレンからなる群より選択される少なくとも1種からなるプラスチック基材であることが好ましい。
次に、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を用いて得られる印刷物について説明する。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を印字する基材としては、従来公知の紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物が適用可能な基材(プラスチック基材、紙、カプセル、ジェル、金属箔、ガラス、木材、布等)であれば特に限定されない。なかでも、上記基材としては、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、及び、ポリスチレンからなる群より選択される少なくとも1種からなるプラスチック基材であることが好ましい。
次に、本発明の上記インク組成物を印字、硬化する方法としては、具体的には、本発明の上記インク組成物を基材に吐出した後、基材に着弾したインク組成物を光で露光し硬化させる方法が挙げられる。
具体的には、例えば、基材への吐出(画像の印字)は、本発明の上記インク組成物をインクジェット記録方式用プリンター装置のプリンターヘッドに供給し、このプリンターヘッドから被記録材に塗膜の膜厚が1〜20μmとなるように該インク組成物を吐出することにより行うことができる。光での露光、硬化(画像の硬化)は、画像として被記録材に塗工された該インク組成物に光を照射することにより行うことができる。
具体的には、例えば、基材への吐出(画像の印字)は、本発明の上記インク組成物をインクジェット記録方式用プリンター装置のプリンターヘッドに供給し、このプリンターヘッドから被記録材に塗膜の膜厚が1〜20μmとなるように該インク組成物を吐出することにより行うことができる。光での露光、硬化(画像の硬化)は、画像として被記録材に塗工された該インク組成物に光を照射することにより行うことができる。
本発明の上記インク組成物を印字するインクジェット記録方式用プリンター装置としては、従来から使用されているインクジェット記録方式用プリンター装置が利用できる。なお、コンティニュアスタイプのインクジェット記録方式用プリンター装置を用いる場合は、インク組成物に更に導電性付与剤を加え、電導度の調節をすることが好ましい。
画像の硬化における光源としては、紫外線、電子線、可視光線、発光ダイオード(LED)等を挙げることができる。
画像の硬化における光源としては、紫外線、電子線、可視光線、発光ダイオード(LED)等を挙げることができる。
このように、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を、基材にインクジェット印刷方式で印刷して塗膜を形成し、光重合により上記塗膜を硬化させてなる印刷物もまた本発明の一つである。
成形加工品の製造
上述の方法により得られた印刷物は、後に延伸・曲げ加工や打ち抜き加工される分野で好適に利用できる。上記延伸・曲げ加工や打ち抜き加工の方法としては、加熱下あるいは非加熱下で所定の形状の金型によりプレス加工する方法等の一般的な方法が挙げられる。
そして、美粧印刷を簡単に実現するインクジェット印刷方式と、光硬化性で基材に対する密着性、延伸性、耐熱性、及び、各種加工適性に優れた本発明のインク組成物の硬化塗膜の性能との相乗効果により、簡単かつ綺麗に印刷物を得ることができ、かつ、得られた印刷物は、熱エネルギーの節約につながる低温度から、熱成形加工が容易な高温度に至るまで、より過酷な条件であっても延伸・曲げ加工が好適にできる。さらに、上記印刷物は、打ち抜き加工されても、硬化塗膜の割れや剥がれは発生せず、優れた印刷品質を維持したままで、目的とする形状に加工することができる。
このように、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を、基材にインクジェット印刷方式で印刷して塗膜を形成し、光重合により上記塗膜を硬化させた後、成形してなる成形加工品もまた本発明の一つである。
また、更に、打ち抜き加工されてなる上記成形加工品も本発明の一つである。
上述の方法により得られた印刷物は、後に延伸・曲げ加工や打ち抜き加工される分野で好適に利用できる。上記延伸・曲げ加工や打ち抜き加工の方法としては、加熱下あるいは非加熱下で所定の形状の金型によりプレス加工する方法等の一般的な方法が挙げられる。
そして、美粧印刷を簡単に実現するインクジェット印刷方式と、光硬化性で基材に対する密着性、延伸性、耐熱性、及び、各種加工適性に優れた本発明のインク組成物の硬化塗膜の性能との相乗効果により、簡単かつ綺麗に印刷物を得ることができ、かつ、得られた印刷物は、熱エネルギーの節約につながる低温度から、熱成形加工が容易な高温度に至るまで、より過酷な条件であっても延伸・曲げ加工が好適にできる。さらに、上記印刷物は、打ち抜き加工されても、硬化塗膜の割れや剥がれは発生せず、優れた印刷品質を維持したままで、目的とする形状に加工することができる。
このように、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を、基材にインクジェット印刷方式で印刷して塗膜を形成し、光重合により上記塗膜を硬化させた後、成形してなる成形加工品もまた本発明の一つである。
また、更に、打ち抜き加工されてなる上記成形加工品も本発明の一つである。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、ある特定の光重合性モノマーと、光重合開始剤とを含有するものであるため、光硬化性に優れ、かつ、基材に対する耐熱性や硬化後のインク塗膜の耐割れ性を良好とすることができる。このため、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、これまで充分な対応ができていなかった高温度での延伸や曲げ、さらに打ち抜き加工等のより苛刻な条件の加工が行われる分野で好適に利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例、比較例で使用する材料は次の通りである。
<顔料分散剤>
アジスパーPB821(味の素社製)
<光重合性化合物>
Genomer1122:2−[[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレート(RAHN社製)
SR368:トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(SARTOMER社製)
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
CD9038:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(SARTOMER社製)
SR256:エトキシエトキシエチルアクリレート(SARTOMER社製)
SR285:テトラヒドロフルフリルアクリレート(SARTOMER社製)
VCAP:N−ビニルカプロラクタム
SR339A:フェノキシエチルアクリレート(SARTOMER社製)
ACMO:アクリロイルモルホリン
<光重合開始剤、増感剤>
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド(LAMBERTI社製)
DETX:ジエチルチオキサントン(シイベルヘグナー社製)
Ir184D:α−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(CIBA社製)
<添加剤(重合禁止剤)>
UV−5:マレイン酸ジオクチル(クロマケム社製)
<顔料分散剤>
アジスパーPB821(味の素社製)
<光重合性化合物>
Genomer1122:2−[[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレート(RAHN社製)
SR368:トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(SARTOMER社製)
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
CD9038:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(SARTOMER社製)
SR256:エトキシエトキシエチルアクリレート(SARTOMER社製)
SR285:テトラヒドロフルフリルアクリレート(SARTOMER社製)
VCAP:N−ビニルカプロラクタム
SR339A:フェノキシエチルアクリレート(SARTOMER社製)
ACMO:アクリロイルモルホリン
<光重合開始剤、増感剤>
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド(LAMBERTI社製)
DETX:ジエチルチオキサントン(シイベルヘグナー社製)
Ir184D:α−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(CIBA社製)
<添加剤(重合禁止剤)>
UV−5:マレイン酸ジオクチル(クロマケム社製)
実施例1〜12及び比較例1
<光硬化型インクジェット印刷用インク組成物用コンクベースの調製>
(コンクベース1)
顔料(ピグメントブルー15:4)と顔料分散剤(アジスパーPB821、味の素社製)とGenomer1122とを配合比率(質量比)が20/8/72となるように配合した混合物を、アイガーミル(メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用)を用いて分散させてコンクベース1を得た。
<光硬化型インクジェット印刷用インク組成物用コンクベースの調製>
(コンクベース1)
顔料(ピグメントブルー15:4)と顔料分散剤(アジスパーPB821、味の素社製)とGenomer1122とを配合比率(質量比)が20/8/72となるように配合した混合物を、アイガーミル(メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用)を用いて分散させてコンクベース1を得た。
(コンクベース2)
顔料(ピグメントブルー15:4)と顔料分散剤(アジスパーPB821、味の素社製)とイソボニルアクリレートとを配合比率(質量比)が20/8/72となるように配合した混合物を、アイガーミル(メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用)を用いて分散させてコンクベース2を得た。
顔料(ピグメントブルー15:4)と顔料分散剤(アジスパーPB821、味の素社製)とイソボニルアクリレートとを配合比率(質量比)が20/8/72となるように配合した混合物を、アイガーミル(メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用)を用いて分散させてコンクベース2を得た。
<光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の調製>
上記で得られたコンクベースを用いて、表1の配合組成(質量%)となるように配合し、実施例1〜12、比較例1の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を得た。
得られた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度は、5〜70mPa・s(25℃)であった。
上記で得られたコンクベースを用いて、表1の配合組成(質量%)となるように配合し、実施例1〜12、比較例1の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を得た。
得られた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度は、5〜70mPa・s(25℃)であった。
<光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の印刷>
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置に、上記実施例1〜12、比較例1の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をそれぞれ充填し、ポリエチレンシート(商品名;ECOS、Interwrap社製)及びポリエステルフィルム(商品名;東洋紡エステルフィルムE5101、東洋紡社製、厚み100μ)上へ連続して印字し、各画像を得た。上記各光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の吐出性は良好で所定のインク膜厚(10μm)の画像が得られた。
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置に、上記実施例1〜12、比較例1の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をそれぞれ充填し、ポリエチレンシート(商品名;ECOS、Interwrap社製)及びポリエステルフィルム(商品名;東洋紡エステルフィルムE5101、東洋紡社製、厚み100μ)上へ連続して印字し、各画像を得た。上記各光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の吐出性は良好で所定のインク膜厚(10μm)の画像が得られた。
〔光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の性能評価〕
実施例1〜12、比較例1で得られた光硬化型インクジェットインク組成物をポリカーボネート板上(厚さ0.5mm)に#12のバーコーターで塗工し、次いでヘレウス社製UVランプを用いて硬化させ、硬化塗膜(膜厚20μm)を形成した。ポリカーボネート板基材上に形成された硬化塗膜の高温延伸性、耐熱性、打ち抜き加工性、硬化性を下記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
実施例1〜12、比較例1で得られた光硬化型インクジェットインク組成物をポリカーボネート板上(厚さ0.5mm)に#12のバーコーターで塗工し、次いでヘレウス社製UVランプを用いて硬化させ、硬化塗膜(膜厚20μm)を形成した。ポリカーボネート板基材上に形成された硬化塗膜の高温延伸性、耐熱性、打ち抜き加工性、硬化性を下記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(高温延伸性)
各硬化塗膜(基材:ポリカーボネート板)を2cm×10cmのサイズに切り出し、180℃に加熱し、引張試験機を用いて、引張速度50mm/minで延伸し、図1に示すように、測定試料片の中心を挟むように記した中心部の黒点と黒点との距離が、延伸前の1cmから延伸により2.2cmになったときの硬化塗膜の状態を目視で確認することにより、高温延伸性を評価した。
○:硬化塗膜にひび割れが無いもの
×:硬化塗膜にひび割れが有るもの
各硬化塗膜(基材:ポリカーボネート板)を2cm×10cmのサイズに切り出し、180℃に加熱し、引張試験機を用いて、引張速度50mm/minで延伸し、図1に示すように、測定試料片の中心を挟むように記した中心部の黒点と黒点との距離が、延伸前の1cmから延伸により2.2cmになったときの硬化塗膜の状態を目視で確認することにより、高温延伸性を評価した。
○:硬化塗膜にひび割れが無いもの
×:硬化塗膜にひび割れが有るもの
(耐熱性)
各硬化塗膜(基材:ポリカーボネート板)にカッターナイフで塗膜に傷を入れ、温度85℃・湿度85%条件下にて1週間放置し、傷の変化を目視で確認することにより、耐熱性を評価した。
○:傷に変化が見られないもの
△:傷に若干変化がみられるが、実用上問題ないレベルであるもの
×:傷に変化が見られるもの
各硬化塗膜(基材:ポリカーボネート板)にカッターナイフで塗膜に傷を入れ、温度85℃・湿度85%条件下にて1週間放置し、傷の変化を目視で確認することにより、耐熱性を評価した。
○:傷に変化が見られないもの
△:傷に若干変化がみられるが、実用上問題ないレベルであるもの
×:傷に変化が見られるもの
(打ち抜き加工性)
各硬化塗膜(基材:ポリカーボネート板)をパンチ(PLUS社製、NO.420)で打ち抜き、その裁断面の状態を目視で確認することにより、打ち抜き加工性を評価した。
○:裁断面での塗膜の割れがないもの
△:裁断面での塗膜の割れが一部見られるもの
×:裁断面での塗膜の割れ・剥がれが激しいもの
各硬化塗膜(基材:ポリカーボネート板)をパンチ(PLUS社製、NO.420)で打ち抜き、その裁断面の状態を目視で確認することにより、打ち抜き加工性を評価した。
○:裁断面での塗膜の割れがないもの
△:裁断面での塗膜の割れが一部見られるもの
×:裁断面での塗膜の割れ・剥がれが激しいもの
(硬化性)
上記ヘレウス社製UVランプ(Z−8ランプ)を用いて、120W/cm×23m/min、距離10cm(1パス当たりのUV積算光量60mJ/cm2)の照射条件で、硬化するまでの照射エネルギーの積算量で、上記実施例及び比較例で得られたインク組成物の硬化性を評価した。硬化の判定は、硬化塗膜を綿棒で擦り、取られるかどうかを目視で確認することにより判定した。
上記ヘレウス社製UVランプ(Z−8ランプ)を用いて、120W/cm×23m/min、距離10cm(1パス当たりのUV積算光量60mJ/cm2)の照射条件で、硬化するまでの照射エネルギーの積算量で、上記実施例及び比較例で得られたインク組成物の硬化性を評価した。硬化の判定は、硬化塗膜を綿棒で擦り、取られるかどうかを目視で確認することにより判定した。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、光硬化性に優れ、基材に対する耐熱性や硬化後のインク塗膜の耐割れ性を良好とすることができるため、高温での延伸、曲げ、パンチでの打ち抜き加工等の、より苛刻な条件の加工が行われるような分野において好適に利用することができる。
Claims (10)
- 少なくとも光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する光硬化型インクジェット印刷用インク組成物であって、
前記光重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合を1つ及びウレタン結合を少なくとも1つ有する光重合性モノマーを含有し、かつ、
前記光重合性モノマーの含有量が、前記光重合性化合物1gあたりにウレタン結合を2.8〜4.7mmol含有する量である
ことを特徴とする光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。 - 前記光重合性モノマーは、モノイソシアネート化合物と水酸基及びエチレン性不飽和二重結合をそれぞれ1つ有する化合物とを反応させて得られた、分子内にウレタン結合を有する光重合性モノマー、並びに、モノアルコール化合物と(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートとを反応させて得られた、分子内にウレタン結合を有する光重合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
- 前記光重合性化合物は、更に多官能モノマーを、前記光重合性化合物中0.5〜9.0質量%含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
- 前記光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を光重合させて得られた硬化塗膜の180℃における延伸率が120%以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
- 更に着色剤を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を、基材にインクジェット印刷方式で印刷して塗膜を形成し、光重合により前記塗膜を硬化させた後、熱成形して得られてなることを特徴とする成形加工品。
- 更に、打ち抜き加工されてなる請求項7記載の成形加工品。
- 前記基材は、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、及び、ポリスチレンからなる群より選択される少なくとも1種からなるプラスチック基材である請求項7又は8記載の成形加工品。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を、基材にインクジェット印刷方式で印刷して塗膜を形成し、光重合により前記塗膜を硬化させてなることを特徴とする印刷物。
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