JP2012071594A - 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波駆動に向いた液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置を提供する。
【解決手段】平板状のプレート22〜31を積層して構成されている、複数の液体吐出孔8と、複数の液体吐出孔8にそれぞれ繋がっている複数の液体加圧室10と、複数の液体加圧室10に複数のしぼり12を介してそれぞれ繋がっているマニホールド5とを有する流路部材、および前記液体加圧室の体積をそれぞれ変化させる複数の加圧部50を有する液体吐出ヘッドであって、しぼり12は、1つのプレート23に形成された孔の壁面と当該プレート13の上下に積層されているプレート22、24の主面とで構成されているとともに、液体加圧室10側の開口よりマニホールド5側の開口が狭くなっている、または狭窄部を有する。
【選択図】図5
【解決手段】平板状のプレート22〜31を積層して構成されている、複数の液体吐出孔8と、複数の液体吐出孔8にそれぞれ繋がっている複数の液体加圧室10と、複数の液体加圧室10に複数のしぼり12を介してそれぞれ繋がっているマニホールド5とを有する流路部材、および前記液体加圧室の体積をそれぞれ変化させる複数の加圧部50を有する液体吐出ヘッドであって、しぼり12は、1つのプレート23に形成された孔の壁面と当該プレート13の上下に積層されているプレート22、24の主面とで構成されているとともに、液体加圧室10側の開口よりマニホールド5側の開口が狭くなっている、または狭窄部を有する。
【選択図】図5
Description
本発明は、インクジェット記録ヘッドなどの液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置に関する。
近年、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタなどの、インクジェット記録方式を利用した印刷装置が、一般消費者向けのプリンタだけでなく、例えば電子回路の形成や液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも広く利用されている。
このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが印刷ヘッドとして搭載されている。この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒータを備え、ヒータによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、液滴として吐出させるサーマル方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔より液滴として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
また、このような液体吐出ヘッドには、記録媒体の搬送方向と直交する方向に液体吐出ヘッドを移動させつつ記録を行なうシリアル式、および記録媒体より主走査方向に長い液体吐出ヘッドを固定した状態、もしくは、複数の液体吐出ヘッドを記録範囲が記録媒体より広くなるように複数並べて固定した状態で、副走査方向に搬送される記録媒体に記録を行なうライン式がある。ライン式は、シリアル式のように液体吐出ヘッドを移動させる必要がないので、高速記録が可能であるという利点を有する。
シリアル式、ライン式のいずれの方式の液体吐出ヘッドであっても、液滴を高い密度で印刷するには、液体吐出ヘッドに形成されている、液滴を吐出する液体吐出孔の密度を高くする必要がある。
そこで、図8に示すように、液体吐出ヘッド513を、マニホールド505と、マニホールド505から順に、共通流路506、しぼり512、液体加圧室510および連通路507を介して液体吐出孔508まで繋がる個別流路532を有した流路部材504と、液体加圧室510をそれぞれ覆うように設けられている、複数の変位素子550を有するアクチュエータユニット521とを積層して構成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この液体吐出ヘッド513では、しぼり512は一定の断面積となっており、複数の液体吐出孔508にそれぞれ繋がった液体加圧室510がマトリックス状に配置され、それを覆うように設けられたアクチュエータユニット521の変位素子550を変位させることで、各液体加圧室510の体積を変え、各液体吐出孔508から液滴を吐出させ、主走査方向に600dpiの解像度で印刷が可能とされている。なお、流路部材504は金属製のプレート522〜531を積層したものであり、圧電アクチュエータ521は流路部材504側から順に圧電セラミック層521a、共通電極534、圧電セラミック層521bおよび個別電極535を積層したものである。
しかしながら、引き打ちなどの液体吐出孔508からマニホールド505までの液体の固有振動を利用した吐出を行なう際には、液体の固有振動周期が長いと、1回の吐出にかかる時間が長くなる。さらに、吐出の後に残る流路内の液体の残留振動も、この固有振動周期になるので、固有振動周期が長いと、残留振動が次の吐出に与える影響が小さくなるまで減衰する時間も長くなる。つまり、固有振動周期が長いと、吐出そのものにかかる時間が長くなる上、次の吐出を行なうことができるようになるまでの時間も長くなる。そのため、固有振動周期は短い方が望ましく、また、高周波で駆動する際には、残留振動を早く減衰させるためには流路抵抗は大きい方が望ましい。しかし、特許文献1に記載されているような液体吐出ヘッドのようにしぼりとして直方体状の形状では、これらの特性は相反する特性になるため、固有振動周期を短くするとともに、流路抵抗を大きくすることができないという問題があった。
したがって、本発明の目的は、高周波駆動に適した液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置を提供することにある。
本発明の液体吐出ヘッドは、平板状のプレートを積層して構成されている、一方の主面に開口している複数の液体吐出孔と、該複数の液体吐出孔にそれぞれ繋がっているとともに他方の主面に開口している複数の液体加圧室と、前記複数の液体加圧室に複数のしぼりを介してそれぞれ繋がっているマニホールドとを有する流路部材、および前記液体加圧室にそれぞれ圧力を加える複数の加圧部を有する液体吐出ヘッドであって、前記しぼりは、1つの前記プレートに形成されている孔の壁面と当該プレートの上下に積層されている前記プレートの主面とで構成されているとともに、前記液体加圧室側の開口より前記マニホールド側の開口が狭くなっているか、または狭窄部を有することを特徴とする。
また、本発明の記録装置は、前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記複数の加圧部を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
本発明の液体吐出ヘッドによれば、直方体状のしぼりと比較して、流路内の液体の固有振動周期を小さくできるとともに、しぼりの流路抵抗を大きくできるため、高周波駆動が可能となる。
図1は、本発明の記録装置の一例であるカラーインクジェットプリンタを示す概略構成
図である。このカラーインクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1とする)は、4つの液体吐出ヘッド2を有している。これらの液体吐出ヘッド2は、記録媒体である記録用紙Pの搬送方向に沿って並べられ、プリンタ1に固定されている。液体吐出ヘッド2は、図1の手前から奥へ向かう方向に細長い形状を有している。
図である。このカラーインクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1とする)は、4つの液体吐出ヘッド2を有している。これらの液体吐出ヘッド2は、記録媒体である記録用紙Pの搬送方向に沿って並べられ、プリンタ1に固定されている。液体吐出ヘッド2は、図1の手前から奥へ向かう方向に細長い形状を有している。
プリンタ1には、記録用紙Pの搬送経路に沿って、給紙ユニット114、搬送ユニット120および紙受け部116が順に設けられている。また、プリンタ1には、液体吐出ヘッド2や給紙ユニット114などのプリンタ1の各部における動作を制御するための制御部100が設けられている。
給紙ユニット114は、複数枚の記録用紙Pを収容することができる用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に積層して収容された記録用紙Pのうち、最も上にある記録用紙Pを1枚ずつ送り出すことができる。
給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、記録用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された記録用紙Pは、これらの送りローラ118a、118b、119aおよび119bによってガイドされて、さらに搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、エンドレスの搬送ベルト111と2つのベルトローラ106および107を有している。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、2つのベルトローラ106および107に巻き掛けられたとき所定の張力で張られるような長さに調整されている。これによって、搬送ベルト111は、2つのベルトローラ106および107の共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。これら2つの平面のうち、液体吐出ヘッド2に近い方の平面が、記録用紙Pを搬送する搬送面127である。
ベルトローラ106には、図1に示されるように、搬送モータ174が接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。また、ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送モータ174を駆動してベルトローラ106を回転させることにより、搬送ベルト111は、矢印Aの方向に沿って移動する。
ベルトローラ107の近傍には、ニップローラ138とニップ受けローラ139とが、搬送ベルト111を挟むように配置されている。ニップローラ138は、図示しないバネによって下方に付勢されている。ニップローラ138の下方のニップ受けローラ139は、下方に付勢されたニップローラ138を、搬送ベルト111を介して受け止めている。2つのニップローラは回転可能に設置されており、搬送ベルト111に連動して回転する。
給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された記録用紙Pは、ニップローラ138と搬送ベルト111との間に挟み込まれる。これによって、記録用紙Pは、搬送ベルト111の搬送面127に押し付けられ、搬送面127上に固着する。そして、記録用紙Pは、搬送ベルト111の回転に従って、液体吐出ヘッド2が設置されている方向へと搬送される。なお、搬送ベルト111の外周面113に粘着性のシリコンゴムによる処理を施してもよい。これにより、記録用紙Pを搬送面127に確実に固着させることができる。
4つの液体吐出ヘッド2は、搬送ベルト111による搬送方向に沿って互いに近接して配置されている。各液体吐出ヘッド2は、下端にヘッド本体13を有している。ヘッド本体13の下面には、液体を吐出する多数の液体吐出孔8が設けられている(図3参照)。
1つの液体吐出ヘッド2に設けられた液体吐出孔8からは、同じ色の液滴(インク)が吐出されるようになっている。各液体吐出ヘッド2の液体吐出孔8は一方方向(記録用紙Pと平行で記録用紙Pの搬送方向に直交する方向であり、液体吐出ヘッド2の長手方向)に等間隔に等間隔で配置されているため、一方方向に隙間なく記録することができる。各液体吐出ヘッド2から吐出される液体の色は、それぞれ、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。各液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体13の下面と搬送ベルト111の搬送面127との間にわずかな隙間をおいて配置されている。
搬送ベルト111によって搬送された記録用紙Pは、液体吐出ヘッド2の下面側で、搬送ベルト111との間の隙間を通過する。その際に、液体吐出ヘッド2を構成するヘッド本体13から記録用紙Pの上面に向けて液滴が吐出される。これによって、記録用紙Pの上面には、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。
搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140と二対の送りローラ121aおよび121bならびに122aおよび122bとが配置されている。カラー画像が記録された記録用紙Pは、搬送ベルト111から剥離プレート140へと搬送される。このとき、記録用紙Pは、剥離プレート140の右端によって、搬送面127から剥離される。そして、記録用紙Pは、送りローラ121a、121b、122aおよび122bによって、紙受け部116に送り出される。このように、記録済みの記録用紙Pが順次紙受け部116に送られ、紙受け部116に重ねられる。
なお、記録用紙Pの搬送方向について最も上流側にある液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間には、紙面センサ133が設置されている。紙面センサ133は、発光素子および受光素子によって構成され、搬送経路上の記録用紙Pの先端位置を検出することができる。紙面センサ133による検出結果は制御部100に送られる。制御部100は、紙面センサ133から送られた検出結果により、記録用紙Pの搬送と画像の記録とが同期するように、液体吐出ヘッド2や搬送モータ174等を制御することができる。
次に本発明の液体吐出ヘッド2を構成するヘッド本体13について説明する。図2は、図1に示されたヘッド本体13を示す平面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図であり、ヘッド本体13の一部である。図4は、図3と同じ位置の拡大透視図で、液体吐出孔8の位置が分かるように、一部の流路を省略して描いている。なお、図3および図4において、図面を分かりやすくするために、圧電アクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべき液体加圧室10(液体加圧室群9)、しぼり12および液体吐出孔8を実線で描いている。図5(a)は図3のV−V線に沿った縦断面図であり、図5(b)は、しぼり12が形成されているアパーチャプレート24の拡大平面図である。図5(b)には、液体加圧室10との関係が分かるように、キャビティプレート22に形成されている液体加圧室10も示している。
ヘッド本体13は、平板状の流路部材4と、流路部材4上に配置された、アクチュエータユニットである圧電アクチュエータユニット21とを有している。圧電アクチュエータユニット21は、図5(a)に示してあるように、流路部材4側から順に、圧電セラミック層(振動板)21、共通電極34、圧電セラミック層21bおよび個別電極35を積層したものである。また、圧電アクチュエータユニット21は、その平面形状が台形形状を
有しており、その台形形状の1対の平行対向辺が流路部材4の長手方向に平行になるように流路部材4の上面に配置されている。また、流路部材4の長手方向に平行な2本の仮想直線のそれぞれに沿って2つずつ、つまり合計4つの圧電アクチュエータユニット21が、全体として千鳥状に流路部材4上に配列されている。流路部材4上で隣接し合う圧電アクチュエータユニット21の斜辺同士は、流路部材4の短手方向を見たときに部分的にオーバーラップしている。このオーバーラップしている部分の圧電アクチェータユニット21を駆動することにより記録される領域では、2つの圧電アクチュエータユニット21により吐出された液滴が混在して着弾することになる。
有しており、その台形形状の1対の平行対向辺が流路部材4の長手方向に平行になるように流路部材4の上面に配置されている。また、流路部材4の長手方向に平行な2本の仮想直線のそれぞれに沿って2つずつ、つまり合計4つの圧電アクチュエータユニット21が、全体として千鳥状に流路部材4上に配列されている。流路部材4上で隣接し合う圧電アクチュエータユニット21の斜辺同士は、流路部材4の短手方向を見たときに部分的にオーバーラップしている。このオーバーラップしている部分の圧電アクチェータユニット21を駆動することにより記録される領域では、2つの圧電アクチュエータユニット21により吐出された液滴が混在して着弾することになる。
流路部材4の内部には液体流路の一部であるマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向に沿って延びた細長い形状を有しており、流路部材4の上面にはマニホールド5の開口5bが形成されている。開口5bは、流路部材4の長手方向に平行な2本の直線(仮想線)のそれぞれに沿って5個ずつ、合計10個形成されている。開口5bは、4つの圧電アクチュエータユニット21が配置された領域を避ける位置に形成されている。マニホールド5には開口5bを通じて図示されていない液体タンクから液体が供給されるようになっている。
流路部材4内に形成されたマニホールド5は、複数本に分岐している(分岐した部分のマニホールド5を副マニホールド5aということがある)。開口5bに繋がるマニホールド5は、圧電アクチュエータユニット21の斜辺に沿うように延在しており、流路部材4の長手方向と交差して配置されている。2つの圧電アクチュエータユニット21に挟まれた領域では、1つのマニホールド5が、隣接する圧電アクチュエータユニット21に共有されており、副マニホールド5aがマニホールド5の両側から分岐している。これらの副マニホールド5aは、流路部材4の内部の各圧電アクチュエータユニット21に対向する領域に互いに隣接して、ヘッド本体13の長手方向に延在している。
流路部材4は、複数の液体加圧室10がマトリクス状(すなわち、2次元的かつ規則的)に形成されている4つの液体加圧室群9を有している。液体加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。液体加圧室10は流路部材4の上面に開口するように形成されている。これらの液体加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータユニット21に対向する領域のほぼ全面にわたって配列されている。したがって、これらの液体加圧室10によって形成された各液体加圧室群9は圧電アクチュエータユニット21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有している。また、各液体加圧室10の開口は、流路部材4の上面に圧電アクチュエータユニット21が接着されることで閉塞されている。
本実施形態では、図3に示されているように、マニホールド5は、流路部材4の短手方向に互いに平行に並んだ4列のE1〜E4の副マニホールド5aに分岐し、各副マニホールド5aに繋がった液体加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ液体加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に4列配列されている。言い換えると、副マニホールド5aに繋がった液体加圧室10の並ぶ列は副マニホールド5aの両側に2列ずつ配列されている。
全体では、マニホールド5から繋がる液体加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ液体加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に16列配列されている。各液体加圧室列に含まれる液体加圧室10の数は、圧電アクチュエータアクチュエータユニット21の外形形状に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるように配置されている。液体吐出孔8もこれと同様に配置されている。これによって、全体として長手方向に600dpiの解像度で画像形成が可能となっている。すなわち、各副マニホールド5aには平均すれば150dpiに相当する間隔で個別流路32
が接続されている。これは、600dpi分の液体吐出孔8を4列の副マニホールド5aに分けて繋ぐ設計をする際に、各副マニホールド5aに繋がる個別流路32が等しい間隔で繋がるとは限らないため、マニホールド5aの延在方向、すなわち主走査方向に平均170μm(150dpiならば25.4mm/150=169μm間隔である)以下の間隔で個別流路32が形成されているということである。
が接続されている。これは、600dpi分の液体吐出孔8を4列の副マニホールド5aに分けて繋ぐ設計をする際に、各副マニホールド5aに繋がる個別流路32が等しい間隔で繋がるとは限らないため、マニホールド5aの延在方向、すなわち主走査方向に平均170μm(150dpiならば25.4mm/150=169μm間隔である)以下の間隔で個別流路32が形成されているということである。
圧電アクチュエータユニット21を構成する圧電セラミック層21bの上面の各液体加圧室10に対向する位置には個別電極35がそれぞれ形成されている。個別電極35は、その平面形状が液体加圧室10より一回り小さく、液体加圧室10とほぼ相似な形状を有しており、圧電セラミック層21bの上面における液体加圧室10と対向する領域内に収まるように配置されている。
流路部材4の下面の液体吐出面には多数の液体吐出孔8が形成されている。これらの液体吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置された副マニホールド5aと対向する領域を避けた位置に配置されている。また、これらの液体吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータユニット21と対向する領域内に配置されている。これらの液体吐出孔群は圧電アクチュエータユニット21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータユニット21の変位素子(加圧部)50を変位させることにより液体吐出孔8から液滴が吐出できる。液体吐出孔8の配置については後で詳述する。そして、それぞれの領域内の液体吐出孔8は、流路部材4の長手方向に平行な複数の直線に沿って等間隔に配列されている。
ヘッド本体13を構成する流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャ(しぼり)プレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、29、カバープレート30およびノズルプレート31である。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路32および副マニホールド5aを構成するように、位置合わせして積層されている。ヘッド本体13は、図5(a)に示されているように、液体加圧室10が流路部材4の上面に、副マニホールド5aが内部の下面側に、液体吐出孔8が下面にと、個別流路32を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、液体加圧室10を介して副マニホールド5aと液体吐出孔8とが繋がる構成を有している。
次に、各プレートに形成された孔について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート22に形成された液体加圧室10である。第2に、液体加圧室10の一端から副マニホールド5aへと繋がる流路を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート23(詳細には液体加圧室10の入り口)からサプライプレート25(詳細には副マニホールド5aの出口)までの各プレートに形成されている。なお、この連通孔には、アパーチャプレート24に形成されたしぼり12と、サプライプレート25に形成された個別供給流路6とが含まれている。第3に、液体加圧室10の他端から液体吐出孔8へと繋がる流路を構成する連通孔である。
なお、しぼり12は上述の液体加圧室10の一端から副マニホールド5aへと繋がる流路の一部であり、アパーチャプレート24の孔の壁面とアパーチャプレート24に積層されているベースプレート23およびサプライプレート25の主面で構成されている。図5(b)はアパーチャプレート24に開口しているしぼり12となる孔を示している。しぼり12となる孔の両端は、しぼり12の幅よりも大きい孔に繋がっている。しぼり12の液体加圧室側の開口12a、およびマニホールド側の開口12bはこの大きな孔との境界部分のことである。しぼり12の液体加圧室側の開口12aは液体加圧室10の一端から積層方向下側に向かって繋がっている流路であり、この部分の流路の、液体の流れに垂直
な断面積は、平面方向の面積になる。したがって、この部分の流路は、液体加圧室10の液体の流れに垂直な断面積である、液体加圧室10の垂直な断面積に対して狭くなってはいないので、しぼりとしては働かない。
な断面積は、平面方向の面積になる。したがって、この部分の流路は、液体加圧室10の液体の流れに垂直な断面積である、液体加圧室10の垂直な断面積に対して狭くなってはいないので、しぼりとしては働かない。
しぼり12の1枚のプレートの孔の壁面と、その上下のプレートの主面とで構成することにより、複数のプレートに形成した孔を連通させてしぼり12を構成するよりも、形成精度を高くきる。
このような連通孔が相互に繋がり、副マニホールド5aからの液体の流入口(副マニホールド5aの出口)から液体吐出孔8に至る個別流路32を構成している。副マニホールド5aに供給された液体は、以下の経路で液体吐出孔8から吐出される。まず、副マニホールド5aから上方向に向かって、個別供給流路6を通り、しぼり12の一端部に至る。次に、しぼり12の延在方向に沿って水平に進み、しぼり12の他端部に至る。そこから上方に向かって、液体加圧室10の一端部に至る。さらに、液体加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、液体加圧室10の他端部に至る。そこから少しずつ水平方向に移動しながら、主に下方に向かい、下面に開口した液体吐出孔8へと進む。
圧電アクチュエータユニット21は、前述したように、2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層構造を有している。これらの圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電アクチュエータユニット21全体の厚さは40μm程度である。圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の液体加圧室10を跨ぐように延在している(図3参照)。これらの圧電セラミック層21a、21bは、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。
圧電アクチュエータユニット21と流路部材4との接着は、例えば接着層を介して行なう。接着層としては、圧電アクチュエータユニット21や流路部材4への影響を及ぼさないために、熱硬化温度が100〜150℃のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂の接着剤が用いられる。熱硬化性樹脂の接着剤を用いるのは、常温硬化の接着剤では、耐インク性が十分確保されないおそれがあるためである。このため、圧電アクチュエータユニット21には、熱硬化温度から室温まで冷却されることにより、流路部材4と圧電アクチュエータユニット21との熱膨張係数の差により発生する応力が加わった状態になる。応力が大きい場合、圧電アクチュエータユニット21が壊れてしまうおそれがあり、また、応力が圧電アクチュエータユニット21を壊してしまうほど高くなくても、加わっている応力により圧電アクチュエータユニット21の特性が変動する。具体的には、圧縮応力が加わった状態では、圧電定数が低くなるが、駆動を非常に長い時間にわたって繰り返した際に変位量が低下する駆動劣化という現象の影響は小さくなる。逆に、引張り応力が加わった状態では、圧電定数が高くなるが、駆動劣化の影響は大きくなる。いずれにしても、流路部材4と圧電アクチュエータユニット21との熱膨張係数の差は、少なくする必要があり、長期間使用しても吐出特性の変動が大きくならないように、駆動劣化の影響の小さい圧縮応力が弱く加わった状態にするのが好ましい。そこで、圧電アクチュエータユニット21にPZT系のセラミックスを用いる場合には、流路部材4の材料としては42アロイを用いるのが好ましい。
圧電アクチュエータユニット21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極34およびAu系などの金属材料からなる個別電極35を有している。個別電極35は上述のように圧電アクチュエータユニット21の上面における液体加圧室10と対向する位置に配置されている。個別電極35の一端は、液体加圧室10と対向する領域外に引き出されて接続電極36が形成されている。この接続電極36は例えばガラスフリットを含む金からなり、厚さが15μm程度で凸状に形成されている。また、接続電極36は、図示さ
れていないFPC(Flexible Printed Circuit)に設けられた電極と電気的に接合されている。詳細は後述するが、個別電極35には、制御部100からFPCを通じて駆動信号が供給される。駆動信号は、記録用紙Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
れていないFPC(Flexible Printed Circuit)に設けられた電極と電気的に接合されている。詳細は後述するが、個別電極35には、制御部100からFPCを通じて駆動信号が供給される。駆動信号は、記録用紙Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
共通電極34は、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極34は、圧電アクチュエータユニット21に対向する領域内の全ての液体加圧室10を覆うように延在している。共通電極34の厚さは2μm程度である。共通電極34は図示しない領域において接地され、グランド電位に保持されている。本実施形態では、圧電セラミック層21b上において、個別電極35からなる電極群を避ける位置に個別電極35とは異なる表面電極(不図示)が形成されている。表面電極は、圧電セラミック層21bの内部に形成されたスルーホールを介して共通電極34と電気的に接続されているとともに、多数の個別電極35と同様に、FPC上の別の電極と接続されている。
図5(a)に示されるように、共通電極34と個別電極35とは、最上層の圧電セラミック層21bのみを挟むように配置されている。圧電セラミック層21bにおける個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域は活性部と呼称され、その部分の圧電セラミックスには分極が施されている。本実施形態の圧電アクチュエータユニット21においては、最上層の圧電セラミック層21bのみが活性部を含んでおり、圧電セラミック層21aは活性部を含んでおらず、振動板として働く。この圧電アクチュエータユニット21はいわゆるユニモルフタイプの構成を有している。
なお、後述のように、個別電極35に選択的に所定の駆動信号が供給されることにより、この個別電極35に対応する液体加圧室10内の液体に圧力が加えられる。これによって、個別流路32を通じて、対応する液体吐出口8から液滴が吐出される。すなわち、圧電アクチュエータユニット21における各液体加圧室10に対向する部分は、各液体加圧室10および液体吐出口8に対応する個別の変位素子50(アクチュエータ、加圧部)に相当する。つまり、2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層体中には、図5(a)に示されているような構造を単位構造とする変位素子50が液体加圧室10毎に、液体加圧室10の直上に位置する振動板としての圧電セラミック層21a、共通電極34、圧電セラミック層21b、個別電極35により作り込まれており、圧電アクチュエータユニット21には変位素子50が複数含まれている。なお、本実施形態において1回の吐出動作によって液体吐出口8から吐出される液体の量は5〜7pL(ピコリットル)程度である。
多数の個別電極35は、個別に電位を制御することができるように、それぞれがFPC上のコンタクトおよび配線を介して、個別にアクチュエータ制御手段に電気的に接続されている。
本実施形態における実際の駆動手順は、あらかじめ個別電極35を共通電極34より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極35を共通電極34と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極35が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、21bが元の形状に戻り、液体加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、液体加圧室10内に負圧が与えられ、液体がマニホールド5側から液体加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層21a、21bが液体加圧室10側へ凸となるように変形し、液体加圧室10の容積減少により液体加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液体吐出孔8より液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極35に供給することになる。このパルス
幅は、液体加圧室10内において圧力波がマニホールド5から液体吐出孔8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。これによると、液体加圧室1
0内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
幅は、液体加圧室10内において圧力波がマニホールド5から液体吐出孔8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。これによると、液体加圧室1
0内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
また、階調をつけて記録する場合においては、液体吐出孔8から連続して吐出される液滴の数、つまり液滴吐出回数で調整される液滴量(体積)で階調表現が行なわれる。このため、指定された階調表現に対応する回数の液滴吐出を、指定されたドット領域に対応する液体吐出孔8から連続して行なう。一般に、液体吐出を連続して行なう場合は、液滴を吐出させるために供給するパルスとパルスとの間隔をALとすることが好ましい。これにより、先に吐出された液滴を吐出させるときに発生した圧力の残余圧力波と、後に吐出させる液滴を吐出させるときに発生する圧力の圧力波との周期が一致し、これらが重畳して液滴を吐出するための圧力を増幅させることができる。
このようなプリンタ1では、記録用紙Pの搬送速度および駆動信号に周期を調整することにより、解像度が長手方向に600dpi、搬送方向に600dpiの画像を記録することができる。例えば、駆動信号を周波数20kHzとし搬送速度を0.85m/sとすれは、吐出した液滴を記録用紙Pに搬送方向に約42μm毎に着弾させることができ、搬送方向の解像度は600dpiとなる。
ここでさらに、液体吐出孔8からしぼり12までの流路の中の液体について詳述する。この部分の液体の固有振動周期Tn(s、以下で単位を省略することがある)とすると、Tn=2π{(Ms+Mn)/(1/Cv+1/Cc)}1/2と表せる。ここで、変位素子50のコンプライアンスをCv(m5/N、以下で単位を省略することがある)、液体加圧室10および液体加圧室10から液体吐出孔8の端までのコンプライアンスをCc、しぼり12のイナータンスをMs(kg/m4、以下で単位を省略することがある)、液体吐出孔8および液体吐出孔8から液体加圧室10の端までのイナータンスをMnとしている。このTnを計算する式は、一部の影響の少ない因子は無視している。例えば、しぼり12のコンプライアンスは、その体積が、他の部位と比較して小さいため無視しており、液体加圧室10のイナータンスは、その断面積が、他の部位と比較して大きいため無視している。 さらに、MsはρL{ln(WC/WM)}/{d(WC−WM)}で表される。ここでρ(kg/m3、以下で単位を省略することがある)は液体の密度、L(m、以下で単位を省略することがある)はしぼり12の長さ、d(m、以下で単位を省略することがある)はしぼり12の高さ、WC(m、以下で単位を省略することがある)は、しぼり12の液体加圧室側の開口12aの幅、WM(m、以下で単位を省略することがある)は、しぼり12のマニホールド側の開口12bの幅である。なお、WC=WMの場合は、Ms=ρL/(dWC)である。
また、しぼり流路抵抗Rs(Ns/m5、以下で単位を省略することがある)はΔP/Uで計算できる。ΔP(N/m2、以下で単位を省略することがある)は、シミュレーションで求めた流入圧力と流出圧力との差であり、U(m3/s、以下で単位を省略することがある)は、その際の流量である。
しぼり12において、液体加圧室側の開口12aに対してマニホールド側の開口12bを狭くするか、狭窄部を設けることにより、イナータンスを変化させずに、すなわち、固有振動周期Tnを変化させずに、液体加圧室10からマニホールド5へ向かう流路抵抗を高くできるので、残留振動の減衰を大きくすることができる。マニホールド側の開口12bを狭くし、さらに途中に狭窄部を設ければ、より流路抵抗を大きくできる。
液体加圧室側の開口12aを狭くすることでも、開口を極端に狭くすれば、液体加圧室
10からマニホールド5へ向かう流路抵抗を大きくすることができる。しかし、そのようにすると、マニホールド5から液体加圧室10へ向かう流路抵抗が極端に大きくなり、液体がマニホールド5から液体加圧室10へ流れ難くなるので、高周波駆動することにより、液体の供給量を多くする必要のある液体吐出ヘッド2には適さないため、本発明においては、液体加圧室側の開口12aに対してマニホールド側の開口12bを狭くする。
10からマニホールド5へ向かう流路抵抗を大きくすることができる。しかし、そのようにすると、マニホールド5から液体加圧室10へ向かう流路抵抗が極端に大きくなり、液体がマニホールド5から液体加圧室10へ流れ難くなるので、高周波駆動することにより、液体の供給量を多くする必要のある液体吐出ヘッド2には適さないため、本発明においては、液体加圧室側の開口12aに対してマニホールド側の開口12bを狭くする。
しぼり12の長さに対して、液体加圧室10からマニホールド5に向かって断面積が小さくなっていく部位の長さが半分以上であることにより、マニホールド5から加圧室10への流れの流路抵抗をあまり大きくせずに、液体加圧室10からマニホールド5へ向かう流路抵抗を大きくできる。液体加圧室10からマニホールド5に向かって断面積が小さくなっていく部位以外の部位は幅が変わらないことが好ましい。さらに、しぼり12全体が、実質的に液体加圧室10からマニホールド5に向かって断面積が小さくなっていく部位で構成されていることが好ましい。
狭窄部の数は、ある程度多い方が流路抵抗をより高くできるが、長さに対して狭窄部の数が非常に多いと、液体は狭窄部の断面積の流路に流れる場合に近づいていく。また、流路の加工方法にもよるが、加工形状が厚さと同程度あるいはそれより小さくなると、加工精度が悪くなることで、吐出特性の変動も大きくなってしまう。狭窄部は、複数設けるのが好ましく、狭窄部を形成する最少間隔が25μm以上となる範囲で多く設けるがよい。
しぼり12のマニホールド5側の開口面積が、液体加圧室側10の開口面積の1/3以下である場合、しぼり12の流路抵抗をより高くできる。
しぼり12は、しぼり12の平均断面積に対して1/3以下の断面積の狭窄部を有する場合、しぼり12の流路抵抗をより高くできる。なお、しぼり12の平均断面積とは、しぼり12の体積をしぼり12の長さで割った値である。
図6(b)〜(e)および図7(a)、(b)は、本発明の他の実施形態のしぼりの平面形状である。図の左側がマニホールド5に繋がっており、右側が液体加圧室10に繋がっている。いずれのしぼりも、上述した液体吐出ヘッド2に設けることができる。
図6(b)に示したしぼりは、液体加圧室側の開口とマニホールド側の面積は同じであるが、2つの狭窄部が設けられている。狭窄部の前後の断面積は、狭窄部から離れるにしたがって徐々に大きくなるようになっている。
図6(c)に示したしぼりは、液体加圧室側の開口とマニホールド側の開口の面積は同じであるが、1つの狭窄部が設けられている。狭窄部の前後の断面積は、狭窄部から離れるにしたがって徐々に大きくなるようになっている。
図6(d)に示したしぼりは、液体加圧室側の開口に対してマニホールド側の開口の面積が大きなっているとともに、3つの狭窄部が設けられている。しぼりの断面積はマニホールド側から液体加圧室側に向かって徐々に広がり、狭窄部で急激に(実質的に長さゼロで)狭まる。これを3回繰り返し、4回目には、断面積は徐々に広がった後、広いまま液体加圧室に繋がる。このような構造では、狭窄部で急激に面積が変わる部分以外は、液体加圧室からマニホールドに向かって断面積が小さくなっていくので、しぼり全体が実質的に液体加圧室からマニホールドに向かって断面積が小さくなっていくので、液体加圧室からマニホールドに向かう流路抵抗が大きくなるので好ましい。
図6(e)に示したしぼりは、液体加圧室側の開口に対してマニホールド側の開口の面積が小さくなっているが、3つの狭窄部が設けられている。しぼりの断面積はマニホール
ド側から液体加圧室側に向かって徐々に狭まり、狭窄部で急激に(実質的に長さゼロで)広がる。これを3回繰り返し、4回目には、断面積は徐々に狭まった後、狭いまま液体加圧室に繋がっている。
ド側から液体加圧室側に向かって徐々に狭まり、狭窄部で急激に(実質的に長さゼロで)広がる。これを3回繰り返し、4回目には、断面積は徐々に狭まった後、狭いまま液体加圧室に繋がっている。
図7(a)に示したしぼりは、液体加圧室側の開口とマニホールド側の開口の面積は同じであるが、2つの狭窄部が設けられている。狭窄部は、しぼりの長さLの1/5範囲で一定幅となっており、その前後で急激に面積を大きくしている。
図7(b)に示したしぼりは、液体加圧室側の開口とマニホールド側の開口の面積は同じであるが、1つの狭窄部が設けられている。狭窄部は、しぼりの長さLの1/5範囲で一定幅となっており、その前後で急激に面積を大きくしている。 なお、本実施形態では、加圧部として圧電変形を用いた変位素子30を示したが、これに限られるものでなく、加圧室10の体積を変化させることができるもの、すなわち、加圧室10中の液体を加圧できるものなら他のものでよく、例えば、加圧室10中の液体を加熱して沸騰させて圧力を生じさせるものや、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いたものでも良い。
長さ300μm、高さ20μmで他の寸法を表1に示したしぼり12の、液体加圧室からマニホールド5に向かう液体の流路抵抗をシミュレーションで評価した。また、上述の式によりイナータンスを計算した。
図6および図7には、シミュレーションを行ったしぼり12の平面図を示した。図6(a)では、マニホールド5a側の幅がW2であり、液体加圧室10側の幅がW1である。図6(b)〜(e)および図7(a)、(b)では、もっとも幅の狭い部分の幅がW1であり、もっとも広い部分の幅がW2である。
試料No.10〜12にしぼり構造の欄に記載されている楔数とは、しぼり12の中に幅が徐々に変わっていく楔形の形状がいくつ含まれているかを示している。試料No.10(図6(a))の楔数は1であり、試料No.10は、図6(d)に示されている楔数が4の構造である。シミュレーションでは、楔形の形状は同じ形状のものを連ねたもので行った。
本発明の範囲内のしぼりの構造である試料No.1〜3および8〜15では、イナータンスを変えずに、直方体形状の試料No.4に対しての液体加圧室10からマニホールド5へ向かう流路抵抗を1.12倍以上と高くすることができた。さらに、試料No.1、2および8〜15では、しぼり12のマニホールド5側の開口面積が、液体加圧室側10の開口面積の1/3以下であるか、しぼり12の平均断面積に対して1/3以下の断面積の狭窄部を有していたので、直方体形状の試料No.4に対しての流路抵抗を1.24倍以上と高くすることができた。
試料No.10〜12は、図6(d)に示す構造において狭窄部の個数を変えたものあり、狭窄部を4個から10個に増やすことで、流路抵抗を大きくできた。30μm間隔で狭窄部で設けることにより流路抵抗が大きくなることが確認できた。
1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
4・・・流路部材
5・・・マニホールド
5a・・・副マニホールド
5b・・・開口
6・・・個別供給流路
8・・・液体吐出孔
9・・・液体加圧室群
10・・・液体加圧室
11a、b、c、d・・・液体加圧室列
12・・・しぼり
12a・・・しぼりの液体加圧室側の開口
12b・・・しぼりのマニホールド側の開口
15a、b、c、d・・・液体吐出孔列
21・・・圧電アクチュエータユニット
21a・・・圧電セラミック層(振動板)
21b・・・圧電セラミック層
22〜31・・・プレート
32・・・個別流路
34・・・共通電極
35・・・個別電極
36・・・接続電極
50・・・変位素子(加圧部)
2・・・液体吐出ヘッド
4・・・流路部材
5・・・マニホールド
5a・・・副マニホールド
5b・・・開口
6・・・個別供給流路
8・・・液体吐出孔
9・・・液体加圧室群
10・・・液体加圧室
11a、b、c、d・・・液体加圧室列
12・・・しぼり
12a・・・しぼりの液体加圧室側の開口
12b・・・しぼりのマニホールド側の開口
15a、b、c、d・・・液体吐出孔列
21・・・圧電アクチュエータユニット
21a・・・圧電セラミック層(振動板)
21b・・・圧電セラミック層
22〜31・・・プレート
32・・・個別流路
34・・・共通電極
35・・・個別電極
36・・・接続電極
50・・・変位素子(加圧部)
Claims (6)
- 平板状のプレートを積層して構成されている、複数の液体吐出孔と、該複数の液体吐出孔にそれぞれ繋がっている複数の液体加圧室と、該複数の液体加圧室に複数のしぼりを介してそれぞれ繋がっているマニホールドとを有する流路部材、および前記液体加圧室の体積をそれぞれ変化させる複数の加圧部を有する液体吐出ヘッドであって、前記しぼりは、1つの前記プレートに形成されている孔の壁面と当該プレートの上下に積層されている他の前記プレートの主面とで構成されているとともに、前記液体加圧室側の開口より前記マニホールド側の開口が狭くなっているか、または狭窄部を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 前記しぼりは、前記液体加圧室側の開口より前記マニホールド側の開口が狭くなっているとともに途中に狭窄部を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記しぼりは、前記液体加圧室から前記マニホールドに向かって断面積が小さくなっていく部位の長さが、全体の長さの半分より長ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記しぼりの前記マニホールド側の開口面積が、前記液体加圧室側の開口面積の1/3以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 前記しぼりは、前記しぼりの平均断面積に対して1/3以下の断面積の狭窄部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記複数の加圧部を制御する制御部とを備えていることを特徴とする記録装置。
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