JP2012067437A - 樋装置および樋装置の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】屋根RFの軒先20に沿って設置され、軒先20から落下する雨水を受け止める一次樋31およびこの一次樋31から溢れる雨水を受け止める二次樋32と、一次樋31を軒先20に取り付けるために軒先20に取り付けられ、一次樋31が取り付けられる取付片24bが、軒先20に沿って一次樋31の略全長に亘って延在された軒先受金具24と、取付片24bと一次樋31との間に介在され、一次樋31から溢れて二次樋32に向かう雨水を遮断する乾式防水材33と、を備えている樋装置とした。
【選択図】図1
Description
この特許文献1には、屋根の軒先が建物の外壁よりも内側の位置に配置され、外壁よりも内側位置に、屋根から流れる雨水を受け止める一次樋が設けられ、この一次樋の下方に一次樋から溢れた雨水を受け止める二次樋が設けられた樋装置が開示されている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の樋装置において、前記樋支持部材は、前記一次樋に取り付けられており、かつ、前記ガイド部として、前記第1立上片の近傍位置から前記底板の下方へ斜め方向に突出されて前記回動に伴って前記二次樋に先端部が当接して前記回動の支点となる傾斜片を備えていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の樋装置において、前記樋支持部材は、前記二次樋の底板に取り付けられており、かつ、前記ガイド部として、前記一次樋を前記底板を起立させた状態で前記二次樋の底板に沿って前記軒先の奥方向へスライドさせるのに伴い、前記第1立上片先端部を上方移動させて前記一次樋に前記回動を生じさせる傾斜片を備えていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の樋装置において、前記一次樋の前記第1立上片の上端部には、前記底板に対向する方向に折り返されて、前記乾式防水材を介して前記取付片に当接される折返し片が設けられ、この折返し片の先端部には、樋側係合部が設けられ、前記軒先受金具には、前記樋側係合部と係合して前記折返し片の前記取付片に対する前記長手軸直交方向の位置決めが可能な金具側係合部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の樋装置において、前記樋側係合部は、前記折返し片の先端部から前記底板の方向に断面L字状に折り曲げられた係合片を備え、前記金具側係合部は、前記取付片の先端から断面L字状に垂下された係合片を備え、両係合部は、両係合片を面当たりさせて係合状態としたときに、同時に前記折返し片と前記取付片とを乾式防水材を介して当接可能に形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の樋装置において、前記軒先受金具は、前記取付片が前記軒先に固定された基部から片持ち支持されて上下方向に弾性変形可能に形成されていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の樋装置の施工方法であって、前記軒先受金具および前記二次樋を、工場において屋根ユニットの前記軒先に設置し、前記一次樋は、前記折返し片にあらかじめ乾式防水材を設置しておいて、建築現場で前記屋根ユニットに設置し、この一次樋の設置時に、前記一次樋を、前記底板を起立状態として前記第1立上片を前記軒先と前記二次樋との間に差し込み前記樋側係合部を前記金具側係合部よりも奥に配置させる工程と、その後、前記一次樋を、前記底板が上向きとなる方向に回動させるとともに、前記二次樋から上方に移動させながら前記樋側係合部を前記金具側係合部に係合させて、前記折返し片にあらかじめ設けられている乾式防水材を前記取付片に密着させる工程と、を実行することを特徴とする樋装置の施工方法とした。
このように、一次樋の回動および二次樋に対して上方への移動が、樋支持部材のガイド部によりガイドされるため、ガイド部を有しないものと比較して、一次樋の設置が容易となる。しかも、一次樋が上記のように回動しながら取付片に当接する高さにガイドされて支持されるため、一次樋を取付片に対して水平方向へスライドさせて当接させるものと比較して、両者間に介在される乾式防水材が擦れ合うのを抑制し、この擦れ合いによる乾式防水材の変形や破損を抑制し、水密性を向上することができる。
なお、請求項3に記載の発明では、一次樋の設置時に、一次樋を上記のように回動させるのに伴って、一次樋に取り付けられた樋支持部材の傾斜片の先端部が二次樋に当接し、これが支点となって一次樋が回動しながら、二次樋に対して上方に移動する。
また、請求項4に記載の発明では、一次樋の設置時に、一次樋の第1立上片を上記のように軒先と二次樋との間に差し込んでスライドさせると、二次樋の底板に取り付けられた樋支持部材の傾斜片にガイドされて、第1立上片の先端部が上方へ移動し、これに伴い一次樋が上記のように回動されるとともに、傾斜片に沿って上方へ移動する。
このように、2面で同時に当接するため、位置決めが容易であるとともに、折返し片および取付片と乾式防水材との接触性が安定し、水密性が良好となる。
したがって、折返し片は取付片に対して下方から上方に移動して当接するため、折返し片を取付片に対してスライドさせて当接させるものと比較して、両者の間に介在された乾式防水材と擦れ合うのを抑制し、この擦れ合いが生じるものと比較して、乾式防水材との密着性を高く保持し、水密性を向上することができる。
また、請求項9に記載の発明では、一次樋の設置時に、一次樋を、底板を起立状態として第1立上片を軒先と前記二次樋との間に差し込み樋側係合部を金具側係合部よりも奥に配置させる工程と、その後、前記一次樋を、前記底板を起立状態として前記第1立上片を前記軒先と前記二次樋との間に差し込み前記樋側係合部を前記金具側係合部よりも奥に配置させる工程と、その後、前記一次樋を、前記底板が上向きとなる方向に回動させるとともに、前記二次樋から上方に移動させながら前記樋側係合部を前記金具側係合部に係合させて、前記折返し片にあらかじめ設けられている乾式防水材を前記取付片に密着させる工程と、を実行する。
したがって、樋側係合部を金具側係合部に係合させた時点からは、折返し片の長手軸直交方向への移動が規制され、折返し片にあらかじめ設けられている乾式防水材を、取付片のあらかじめ接着させるべき位置に密着させることができ、水密性をより確実に得ることができる。
実施の形態1の樋装置Aは、図5に示すユニット建物UHに適用されている。このユニット建物UHは、工場で製作された建物ユニットU1,U2および図示を省略した複数の建物ユニットを建築現場で水平方向および上下方向に結合させて形成されている。この図5は、ユニット建物UHの概略平面図であり、建物ユニットU1,U2は、最上階に配置されたものを示している。このユニット建物UHの屋根RFは、これら最上階の建物ユニットU1、U2の上部にそれぞれ結合された屋根ユニットRUにより形成されている。
ユニット建物UHの屋根RFは、いわゆる陸屋根タイプのものであり、本実施の形態1では、図5の矢印Kで示す方向に沿って下る屋根勾配が形成され、この屋根勾配の下端に位置する軒先20に樋装置Aが設置されている。
屋根材22は、図1に示すように、屋根勾配の最も低くなった軒先20が庇23から離されて配置されている。一方、屋根勾配に直交する方向の両端部は、図2、図3に示すように、庇23に結合されており、また、図示は省略するが、屋根勾配の最も高くなった側の端部も、同様に庇23に結合されている。
この樋装置Aは、一次樋31と、この一次樋から溢れた雨水を受け止める二次樋32とを備えている。
そして、底板323の上方であって、軒先20と庇23との間の位置に、一次樋31が設置されている。
軒先20側の第1立上片311の上端部には、図4に示すように、底板313と対向するように折り曲げられた折返し片314が形成され、さらに、この折返し片314の先端から下方に係合片(樋側係合片)315が垂下されている。
(工場)
屋根ユニットRUは、工場で組み付けられ、樋装置Aのうち二次樋32は、屋根ユニットRUにあらかじめ設置されている。同様に、軒先受金具24も、あらかじめ屋根ユニットRUに設置されている。
一方、一次樋31は、屋根ユニットRUに組み付けられることなく、現場に運ばれる。なお、一次樋31の折返し片314には、あらかじめ乾式防水材33が接着されており、この乾式防水材33の折返し片314への接着面とは反対側の接着面は、図示を省略した離型紙で覆われている。また、一次樋31には、樋支持部材34もあらかじめ取り付けておく。
建築現場では、建物ユニットU1,U2の結合を行った後、これら建物ユニットU1,U2の上部に、それぞれ、屋根ユニットRUを結合する。
その後、建築現場において、一次樋31を設置した後、溝板22cの先端に軒先カバー22dを設置する。
まず、一次樋31に接着された乾式防水材33の接着面の図示を省略した離型紙を剥がした後、第1立上片311を下にして底板313が上下方向に延在されるように起立させた状態で、第1立上片311を、図6(a)に示すように、第1立上片311の係合片315が、軒先受金具24の係合片24cよりも軒先20の奥に配置される位置まで、軒先20と二次樋32との間に差し込む。
このような一次樋31の回動過程において、図6(b)、(c)に示すように、軒先受金具24のL字の折曲部分と一次樋31のL字の折曲部分とが図示のように重なり合った時点で、折返し片314に接着された乾式防水材33の接着面が軒先受金具24の取付片24bに接着される。この接着後は、取付片24bは、一次樋31の回動に伴い、弾性変形して折返し片314と一体的に移動する。
a)軒先20に取り付けられた軒先受金具24の取付片24bと一次樋31との間に乾式防水材33が介在されて、一次樋31から溢れて二次樋32に向かう雨水を遮断するようにしている。このため、一次樋31から溢れて二次樋32に向かう雨水量を抑えることができ、水密性を向上させることができる。しかも、防水材として乾式防水材33を用いたため、湿式のものと比較して、設置が容易である。
しかも、軒先受金具24の取付片24bの先端から係合片24cを垂下させて断面L字状に形成するとともに、一次樋31の折返し片314から係合片315を垂下させて断面L字状に形成した。このため、一次樋31を設置した際に、取付片24bと折返し片314とが2面で同時に当接するため、上記のように接着箇所の位置決めが容易であるとともに、折返し片314および取付片24bと乾式防水材33との接触性が安定し、水密性が良好となる。
したがって、折返し片314は、取付片24bに対して下方から上方に移動して当接するため、両者を水平方向にスライドさせて当接させるものと比較して、両者が乾式防水材33と擦れ合うのを抑制し、乾式防水材33との密着性を高く保持し、水密性を向上することができる。
さらに、軒先受金具24の係合部は、取付片24bと係合片24cとで断面L字状に形成するとともに、一次樋31の折返し片314の先端部にも、係合片315を設けて断面L字状に形成した。したがって、両者が係合した時点からは、折返し片314の長手軸直交方向への移動が規制され、折返し片314にあらかじめ設けられている乾式防水材33を、取付片24bのあらかじめ接着させるべき位置に正確に密着させることができ、水密性をより確実に得ることができる。
以下に、他の実施の形態の樋装置について説明する。
なお、他の実施の形態を説明するのにあたり、実施の形態1と同じ構成については同じ符号を付けて説明を省略する。作用についても、実施の形態1と相違する作用について説明し、実施の形態1と同じ作用については説明を省略する。
実施の形態2の樋装置は、樋支持部材234を、二次樋32に設けた例である。以下、その詳細を図7および図8に基づいて説明する。
また、実施の形態2にあっても、実施の形態1と同様に上記a)b)d)e)f)g)に記載の効果を得ることができる。
24 軒先受金具
24a 基部
24b 取付片(ガイド部)
24c 係合片(金具側係合部)
31 一次樋
32 二次樋
33 乾式防水材
34 樋支持部材
34b 傾斜片
34c 当接部(先端部)
234 樋支持部材
234b 傾斜ガイド部(ガイド部:傾斜片)
311 第1立上片
312 第2立上片
313 底板
314 折返し片
315 係合片(樋側併合部)
321 第1立上片
322 第2立上片
323 底板
A 樋装置
RF 屋根
RU 屋根ユニット
U1 建物ユニット
U2 建物ユニット
UH ユニット建物
Claims (9)
- 屋根の軒先に沿って設置され、前記軒先から落下する雨水を受け止める一次樋およびこの一次樋から溢れる雨水を受け止める二次樋と、
前記一次樋を前記軒先に取り付けるために前記軒先に取り付けられ、前記一次樋が取り付けられる取付片が、前記軒先に沿って前記一次樋の略全長に亘って延在された軒先受金具と、
前記取付片と前記一次樋との接触部分に介在され、前記一次樋から溢れて前記二次樋に向かう雨水を遮断する乾式防水材と、
を備えていることを特徴とする樋装置。 - 請求項1に記載の樋装置において、
前記一次樋および前記二次樋は、底板の長手方向直交方向両端部から第1立上片および第2立上片を立ち上げた断面凹形状に形成され、
前記一次樋と前記二次樋との間に、前記一次樋を、前記二次樋から上方に離間させて前記取付片に接触する高さに支持する樋支持部材が設けられ、
この樋支持部材は、前記一次樋を、前記第1立上片を下にし前記底板を起立させた状態から、前記一次樋の長手方向に沿う方向の長手軸を中心に前記前記底板表面が上向きとなる方向に回動させるのに伴って、前記一次樋を前記二次樋から上方に移動させることが可能なガイド部を備えていることを特徴とする樋装置。 - 請求項2に記載の樋装置において、
前記樋支持部材は、前記一次樋に取り付けられており、かつ、前記ガイド部として、前記第1立上片の近傍位置から前記底板の下方へ斜め方向に突出されて前記回動に伴って前記二次樋に先端部が当接して前記回動の支点となる傾斜片を備えていることを特徴とする樋装置。 - 請求項2に記載の樋装置において、
前記樋支持部材は、前記二次樋の底板に取り付けられており、かつ、前記ガイド部として、前記一次樋を前記底板を起立させた状態で前記二次樋の底板に沿って前記軒先の奥方向へスライドさせるのに伴い、前記第1立上片先端部を上方移動させて前記一次樋に前記回動を生じさせる傾斜片を備えていることを特徴とする樋装置。 - 請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の樋装置において、
前記一次樋の前記第1立上片の上端部には、前記底板に対向する方向に折り返されて、前記乾式防水材を介して前記取付片に当接される折返し片が設けられ、
この折返し片の先端部には、樋側係合部が設けられ、
前記軒先受金具には、前記樋側係合部と係合して前記折返し片の前記取付片に対する前記長手軸直交方向の位置決めが可能な金具側係合部が設けられていることを特徴とする樋装置。 - 請求項5に記載の樋装置において、
前記樋側係合部は、前記折返し片の先端部から前記底板の方向に断面L字状に折り曲げられた係合片を備え、
前記金具側係合部は、前記取付片の先端から断面L字状に垂下された係合片を備え、
両係合部は、両係合片を面当たりさせて係合状態としたときに、同時に前記折返し片と前記取付片とを乾式防水材を介して当接可能に形成されていることを特徴とする樋装置。 - 請求項5または請求項6に記載の樋装置において、
前記軒先受金具は、前記取付片が前記軒先に固定された基部から片持ち支持されて上下方向に弾性変形可能に形成されていることを特徴とする樋装置。 - 請求項2〜請求項7のいずれか1項に記載の樋装置の施工方法であって、
前記軒先受金具および前記二次樋を、工場において屋根ユニットの前記軒先に設置し、
前記一次樋は、前記折返し片にあらかじめ乾式防水材を設置しておいて、建築現場で前記屋根ユニットに設置し、
この一次樋の設置時に、
前記一次樋を、前記底板を起立状態として前記第1立上片を前記軒先と前記二次樋との間に差し込む工程と、
その後、前記一次樋を、前記底板が上向きとなる方向に回動させるとともに、前記二次樋から上方に移動させて前記折返し片にあらかじめ設けられている乾式防水材を前記取付片に密着させる工程と、
を実行することを特徴とする樋装置の施工方法。 - 請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の樋装置の施工方法であって、
前記軒先受金具および前記二次樋を、工場において屋根ユニットの前記軒先に設置し、
前記一次樋は、前記折返し片にあらかじめ乾式防水材を設置しておいて、建築現場で前記屋根ユニットに設置し、
この一次樋の設置時に、
前記一次樋を、前記底板を起立状態として前記第1立上片を前記軒先と前記二次樋との間に差し込み前記樋側係合部を前記金具側係合部よりも奥に配置させる工程と、
その後、前記一次樋を、前記底板が上向きとなる方向に回動させるとともに、前記二次樋から上方に移動させながら前記樋側係合部を前記金具側係合部に係合させて、前記折返し片にあらかじめ設けられている乾式防水材を前記取付片に密着させる工程と、
を実行することを特徴とする樋装置の施工方法。
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