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JP2011506791A - 多成分繊維 - Google Patents

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Abstract

150℃までの軟化温度を有する少なくとも1種のポリマーと、少なくとも130℃の融点を有する別のポリマーとを含む多成分繊維。繊維は少なくとも110℃まで非融合性である。繊維は、例えば、坑井及び貯蔵器内の逆流制御に有用である。

Description

種々の多成分繊維が知られている。これらの繊維のいくつかの有用な特性としては、例えば、低融点又は低軟化点の鞘がより高融点の芯を被覆する繊維結合が挙げられる。鞘は、融解したとき又は軟化したとき、芯のための結合剤として機能する。
別の態様では、油田及びガス田の作業者はプロパントの逆流を制御する必要がある。樹脂でコーティングされた(例えば、コーティングは、エポキシ及びフェノールのような熱硬化性樹脂、並びにアクリル樹脂のような熱可塑性エラストマーであってもよい)プロパントの使用を含む、いくつかの異なるアプローチを用いて、この問題が解決されている。コーティングされたプロパントは、油井の穴内で互いに接着して、油井の穴内で一体化プロパントブロックを形成すると予測される。
比較的短い繊維(例えば、米国特許第5,330,005号(Cardら)、同第5,501,275号(Cardら)、及び同第6,172,011号(Cardら)を参照)が、逆流制御のために適用されている。このアプローチの不利点は、その逆流制御における効率である。プロパント上の樹脂コーティングされた層に短繊維を含める、アスペクト比及び粒径分布を含むプロパントの形状を修正する等の他のアプローチも提唱されている。
逆流制御のための更なる選択肢が必要である。
1つの態様では、本開示は、少なくとも第1及び第2のポリマーを含む多成分繊維であって、前記第1のポリマーが150℃まで(いくつかの実施形態では、140℃まで、130℃、125℃、120℃、110℃、100℃、90℃、又は更には80℃まで)の軟化温度を有し、前記第2のポリマーが少なくとも130℃(いくつかの実施形態では、少なくとも140℃、150℃、160℃、170℃、175℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、225℃、230℃、240℃、又は更には少なくとも250℃)の融点を有し、前記第1のポリマーの軟化点と前記第2のポリマーの融点との差が少なくとも10℃(いくつかの実施形態では、少なくとも15℃、20℃、25℃、50℃、75℃、100℃、125℃、150℃、又は更には少なくとも175℃)であり、前記繊維が、それぞれ炭化水素及び加水分解安定性試験により測定したとき、炭化水素耐性及び加水分解耐性の両方を呈し、前記第1のポリマーが1Hzで、少なくとも−60℃(いくつかの実施形態では、少なくとも−50℃まで、−40℃、−30℃、−25℃、−20℃、−10℃、0℃、10℃、20℃、25℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、75℃、又は更には80℃まで)において、3×10N/m未満の弾性率を有し、前記繊維が、少なくとも110℃まで(いくつかの実施形態では、125℃まで、150℃、又は更には160℃まで)非融合性である繊維について記載する。
非融合性繊維は当該技術分野において既知である。「非融合性」多成分繊維は、多成分構造を著しく損なうことなく、自己接合(autogenously bond)できる(すなわち、繊維間に圧力を加えることなく接合する)繊維である。第1のポリマーと第2のポリマーとの間の空間的関係は、非融合性多成分繊維で保持される。典型的には、多成分繊維は、第1のポリマーが繊維接合点で集結され、第2のポリマーが他の場所で露出されるにつれて多成分構造が失われる自己接合の間に、第1のポリマーの非常に大量の流動を受ける。第2のポリマーが典型的には非粘着性であるため、これは繊維の粘着性網状構造を維持する上で望ましくない。非融合性繊維では、熱が第1ポリマーの流動をほとんど又は全く引き起こさないため、繊維の粘着性は多成分繊維の大部分に沿って保持される。繊維の非融合性性質を試験するために、特殊な試験が用いられる(実施例の部分の「非融合性繊維試験」を参照)。
所望により、繊維は20mmまで(いくつかの実施形態では、15mmまで又は10mmまで、いくつかの実施形態では、2〜20ミリメートル、又は2〜10ミリメートルの範囲)の平均長を有する。所望により、繊維は100マイクロメートルまで(いくつかの実施形態では、90まで、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は更には10マイクロメートルまで)の平均直径を有する。いくつかの実施形態では、第1のポリマーは、エチレン(メタ)アクリル酸コポリマー、エチレン(メタ)アクリル酸アイオノマー、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、架橋ポリエチレン、架橋ポリプロピレン、水分硬化ポリウレタン(すなわち、水の存在下でイソシアネート基が架橋する)、エポキシ、架橋アクリレート、架橋シリコーン、又は熱可塑性ポリウレタンのうちの少なくとも1種であり、第2のポリマーは、ナイロン、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(4−メチル1−ペンテン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリオキシメチレン、又はポリスルホンのうちの少なくとも1種である。いくつかの実施形態では、第2のポリマーは、第1のポリマーの弾性率より高い(いくつかの実施形態では、少なくとも10倍、25、50、75、100、500、1000、5000、又は更には少なくとも10,000倍高い)弾性率を有する。
本開示はまた、少なくとも第1及び第2のポリマーを含む多成分繊維であって、前記第1のポリマーが150℃まで(いくつかの実施形態では、140℃まで、130℃、120℃、110℃、100℃、90℃、又は更には80℃まで)の軟化温度を有し、前記第2のポリマーが少なくとも130℃(いくつかの実施形態では、少なくとも140℃、150℃、160℃、170℃、175℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、225℃、230℃、240℃、又は更には少なくとも250℃)の融点を有し、前記第1のポリマーの軟化点と前記第2のポリマーの融点との差が少なくとも10℃(いくつかの実施形態では、少なくとも15℃、20℃、25℃、50℃、75℃、100℃、125℃、150℃、又は更には少なくとも175℃)であり、前記第1のポリマーが、エチレン(メタ)アクリル酸コポリマー、エチレン(メタ)アクリル酸アイオノマー、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、架橋ポリエチレン、架橋ポリプロピレン、水分硬化ポリウレタン、エポキシ、架橋アクリレート、架橋シリコーン、又は熱可塑性ポリウレタンのうちの少なくとも1種であり、前記第2のポリマーが、ナイロン、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(4−メチル1−ペンテン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリオキシメチレン、又はポリスルホンのうちの少なくとも1種であり、前記第1又は第2のポリマーの少なくとも一方が、1Hzで、少なくとも−60℃(いくつかの実施形態では、少なくとも−50℃まで、−40℃、−30℃、−25℃、−20℃、−10℃、0℃、10℃、20℃、25℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、75℃、又は更には80℃まで)において、3×10N/m未満の弾性率を有し、前記繊維が2〜10ミリメートルの範囲の長さ、及び100マイクロメートルまで(いくつかの実施形態では、90まで、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、又は更には10マイクロメートルまで)の平均直径を有し、前記繊維が少なくとも110℃まで(いくつかの実施形態では、少なくとも125℃まで、150℃、又は更には少なくとも160℃まで)非融合性である繊維について記載する。いくつかの実施形態では、第2のポリマーは、第1のポリマーの弾性率より高い(いくつかの実施形態では、少なくとも10倍、25、50、75、100、500、1000、5000、又は更には少なくとも10,000倍の)弾性率を有する。いくつかの実施形態では、第1又は第2のポリマーのうちの少なくとも一方が架橋されている。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する多成分繊維は、それぞれ独立して150℃まで(いくつかの実施形態では、140℃まで、130℃、125℃、120℃、110℃、100℃、90℃、又は更には80℃まで)の軟化温度及び/又は少なくとも150℃(いくつかの実施形態では、少なくとも160℃、170℃、175℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、225℃、230℃、240℃、又は更には少なくとも250℃)の融点を有する、少なくとも1種の追加(例えば、第3、第4、第5等)のポリマーを更に含む。いくつかの実施形態では、各追加のポリマー(例えば、第3、第4、第5等)は独立して、エチレン(メタ)アクリル酸コポリマー、エチレン(メタ)アクリル酸アイオノマー、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、架橋ポリエチレン、架橋ポリプロピレン、水分硬化ポリウレタン、エポキシ、架橋アクリレート、架橋シリコーン、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(4−メチル1−ペンテン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、又はポリオキシメチレン、ポリスルホンのうちの少なくとも1種である。
本明細書に記載する多成分繊維は、例えば、油及びガス坑井及び貯蔵器における逆流制御に有用である。繊維は、坑井内における注入及び配置中プロパントの分布を維持するため、並びに破面におけるプロパント分布をより均一にするために有用である。繊維はまた、チャネリングを防ぐための砂床又は他の水濾過用充填床にも有用である。
本発明の特徴及び利点をより完全に理解するために、ここで添付図面とともに本発明の発明を実施するための形態を参照する。
本明細書に記載する4種の代表的な多成分繊維の概略断面図。 本明細書に記載する4種の代表的な多成分繊維の概略断面図。 本明細書に記載する4種の代表的な多成分繊維の概略断面図。 本明細書に記載する4種の代表的な多成分繊維の概略断面図。 特定のエチレン−メタクリル酸アイオノマーの弾性率対温度のプロット。 特定のエチレン−メタクリル酸アイオノマーの弾性率対温度のプロット。 特定のエチレン−メタクリル酸アイオノマーの弾性率対温度のプロット。 特定のエチレン−メタクリル酸アイオノマーの弾性率対温度のプロット。
代表的な多成分繊維の構成を図1A〜1Dに例示する。図1Aを参照すると、パイウェッジ型(pie-wedge)繊維10は、円形断面12、並びに第1のポリマー14a及び14b、第2のポリマー16a及び16b、並びに第3のポリマー18a及び第4のポリマー18bを有する。図1Bでは、多成分繊維20は、円形断面22、並びに第1のポリマー鞘24、及び第2のポリマー芯26を有する。図1Cは、第1のポリマー鞘34及び複数の第2のポリマー芯36を備える芯−鞘構造を有する多成分繊維30を示す。図1Dは、少なくとも本明細書に記載する第1及び第2のポリマーを交互に含む、5つの層状領域44a、46b、44c、46d、44eを備える円形断面42を有する多成分繊維40を示す。
典型的には、特定の用途のために一緒に用いられる繊維の寸法、及び繊維を構成している成分は、一般にほぼ同じであるが、組成及び/又は寸法の著しく異なる繊維の使用が有用である場合もある。いくつかの用途では、1つの態様で1つの群がある利点をもたらし、別の態様で他の群がある利点をもたらす、2つ以上の異なる繊維群(例えば、少なくとも1種の異なるポリマー、1種以上の追加ポリマー、異なる平均長、又はそうでなければ識別可能な構成)を使用することが望ましい場合がある。
多成分繊維は、一般に、多成分(例えば二成分)紡糸のように当該技術分野において既知の技術を用いて作製できる(例えば、米国特許第4,406,850号(Hills)、同第5,458,472号(Hagen)、同第5,411,693号(Wust)、同第5,618,479号(Lijten)、及び同第5,989,004号(Cook)を参照)。
繊維を作製するために好適なポリマー材料は、当該技術分野において既知である。150℃までの軟化温度を有する代表的な第1のポリマーとしては、エチレン(メタ)アクリル酸コポリマー、エチレン(メタ)アクリル酸アイオノマー、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(例えば、Solvay Engineered Polymers GmbH(Heidelberg,Germany)から商品名「SOLEF TA1006」として入手可能)、環状オレフィン(例えば、Ticona North Americaから商品名「TOPAS 6017」として入手可能)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン(THV)コポリマー(例えば、Dyneon(Oakdale,MN)から商品名「THV−220A」として入手可能なもの)、架橋ポリエチレン、架橋ポリプロピレン、水分硬化ポリウレタン(例えば、Tivoli(Hamburg,Germany)から商品名「TIVOMELT 9617/11」、「TIVOMELT 9628」、及び「TIVOMELT 9635/12」として入手可能;Henkel Consumer Adhesives,Inc.(Avon,OH)から商品名「PURMELT QR116」及び「PURMELT QR3310−21」として入手可能;並びに3M Company(St.Paul,MN)から商品名「JET WELD TS−230」として入手可能)、エポキシ(硬化性エポキシ樹脂は、例えば、3M Companyから商品名「SCOTCHCAST 5555」及び「SCOTCHCAST 5400」として入手可能)、架橋アクリレート(例えば米国特許第6,875,506号(Husemannら)に報告されている熱架橋されたアクリル系ホットメルト)、及び架橋シリコーン(例えば、Master Bond,Inc.(Hackensack,NJ)から商品名「MASTERSIL 800」として入手可能)、又は熱可塑性ポリウレタンのうちの少なくとも1種が挙げられる。このようなポリマーは、当該技術分野において既知の技術により作製することができる、及び/又は市販されている。更に、例えば、部分的に中和されたエチレンメタクリル酸コポリマーは、例えば、E.I.duPont de Nemours & Company(Wilmington,DE)から商品名「SURLYN 8660」、「SURLYN 1702」、「SURLYN 1857」、及び「SURLYN 9520」として市販されている。ポリエチレンは、例えば、Dow Chemical Company(Midland,MI)から商品名「DOWLEX 2517」として市販されている。低密度ポリエチレンは、例えば、ExxonMobil(Irving,TX)から商品名「LD 200.48」として市販されている。少なくとも130℃の融点を有する代表的な第2のポリマーとしては、ナイロン、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(4−メチル1−ペンテン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリオキシメチレン、又はポリスルホンのうちの少なくとも1種が挙げられる。このようなポリマーは、当該技術分野において既知の技術により作製することができる、及び/又は市販されている。例えば、ナイロンは、BASF,North America(Florham Park,NJ)から商品名「ULTRAMID B27 E01」として市販されている。ポリ(フェニレンスルフィド)は、例えば、Ticona Engineering Polymers(Florence,KY)から商品名「FORTRON 203」として市販されている。ポリオキシメチレンは、例えば、Ticona Engineering Polymersから商品名「CELCON」(例えば、等級FG40U01)として市販されている。
複数の鞘を有する芯−鞘構成は、本開示の範囲内である。追加ポリマーを含む、繊維の各成分は、望ましい性能特徴を提供するよう選択することができる。例えば、鞘ポリマーが低すぎる温度で流動する場合、より高い流動温度を有する第2のポリマーを添加することにより、流動温度を上昇させることができる。種々の構成は、意図する用途に応じて特定の利点を有する。更に、例えば、芯−鞘型、及び海島型構成(例えば図1Cを参照)は、表面の100%が1種の材料であるが、一方セグメント化パイウェッジ型(例えば図1Aを参照)及び層状(例えば図1Dを参照)構成は、表面の100%未満が1種の材料である。
所望により、本明細書に記載する多成分繊維は、更に他の成分(例えば、添加剤及び/又はコーティング剤)を含んで、ハンドリング、加工性、安定性、及び分散性のような望ましい特性を付与することができる。代表的な添加剤及びコーティング材料としては、酸化防止剤、着色剤、充填剤、並びにワックス、界面活性剤、ポリマー分散剤、及びタルクのようなハンドリングを改善するために表面に適用される材料が挙げられる。
界面活性剤を用いて、ポリマーの分散性を改善することができる。有用な界面活性剤(乳化剤としても知られている)としては、アニオン性、カチオン性、又は非イオン性界面活性剤が挙げられ、アルキルアリールエーテル硫酸ナトリウム(例えば、Rohm and Haas(Philadelphia,PA)から入手可能な商品名「TRITON X200」として知られているもののようなノニルフェノールエトキシレート)のようなアルキルアリールエーテルサルフェート及びスルホネート、アルキルアリールポリエーテルサルフェート及びスルホネート(例えば、アルキルアリールポリ(エチレンオキシド)サルフェート及びスルホネート、好ましくは約4個までのエチレンオキシ繰り返し単位を有するもの)、並びにラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、及びヘキサデシル硫酸ナトリウムのようなアルキルサルフェート及びスルホネート、アルキルエーテルサルフェート及びスルホネート(例えば、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム)、並びにアルキルポリエーテルサルフェート及びスルホネート(例えば、アルキルポリ(エチレンオキシド)サルフェート及びスルホネート、好ましくは約4個までのエチレンオキシ単位を有するもの)のようなアニオン性界面活性剤が挙げられる。アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、及びアルキルアリールエーテルサルフェートもまた好適である。更なるアニオン性界面活性剤としては、アルキルアリールサルフェート及びスルホネート(例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキルサルフェートのナトリウム及びアンモニウム塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸アンモニウム);非イオン性界面活性剤(例えば、エトキシル化オレオイルアルコール及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル);並びにカチオン性界面活性剤(例えば、アルキル鎖が10〜18個の炭素原子を含有するアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドの混合物)を挙げることができる。両性界面活性剤もまた有用であり、スルホベタイン、N−アルキルアミノプロピオン酸、及びN−アルキルベタインが挙げられる。
またポリマー分散剤を用いて、例えば、選択された媒質中、及び適用条件(例えば、pH及び温度)における、繊維の分散を促進することができる。代表的なポリマー安定剤としては、平均分子量が5000を超えるポリアクリル酸の塩(例えば、アンモニウム、ナトリウム、リチウム、及びカリウム塩)、カルボキシ変性ポリアクリルアミド(例えば、Cytec Industries(West paterson,NJ)から商品名「CYANAMER A−370」として入手可能)、アクリル酸及びジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー、ポリマー第四級アミン(例えば、四級化ポリビニルピロリドンコポリマー(例えば、ISP Corp.(Wayne,NJ)から商品名「GAFQUAT 755」として入手可能)及び四級化アミン置換セルロース誘導体(例えば、Dow Chemical Company(Midland,MI)から商品名「JR−400」として入手可能)、セルロース誘導体、カルボキシ変性セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、Hercules(Wilmington,DE)から商品名「NATROSOL CMC Type 7L」として入手可能)、並びにポリビニルアルコールが挙げられる。
酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール(例えば、Ciba Specialty Chemical(Basel,Switzerland)から商品名「IRGANOX」として入手可能)が挙げられる。着色剤の例としては、顔料及び染料が挙げられる。充填剤の例としては、カーボンブラック、粘土、及びシリカが挙げられる。表面処理の例としては、タルク、エルカ酸アミド(erucamide)、及びガムが挙げられる。
本明細書に記載する多成分繊維は、例えば、坑井及び貯蔵器における逆流制御に有用である。繊維はまた、坑井内における注入及び配置中プロパントの分布を維持するため、並びに破面におけるプロパント分布をより均一にするために有用であり、有利である。
本開示はまた、地下層を流体組成物と接触させる方法であって、流体組成物を坑井に注入することを含み、坑井が地下層を横断し、流体組成物が担体流体及び本明細書に記載する多成分繊維を含む方法について記載する。代表的な担体流体は当該技術分野において周知であり、水性及び/又は油性担体流体が挙げられる。別の実施形態では、多成分繊維は、乾燥繊維として坑井に供給されてもよい。
以下の実施例は、本発明のいくつかの実施形態を例示するために提供され、特許請求の範囲の範囲を限定することを意図するものではない。特に指定がない限り、百分率は全て重量に基づく。
加水分解安定性試験
0.5グラムの繊維を、10グラムの脱イオン水を収容している12mLのバイアル瓶に入れた。バイアル瓶を窒素パージし、ゴム隔膜で密閉し、145℃で4時間オートクレーブした。繊維を、100倍の倍率で光学顕微鏡検査に供した。それらは、繊維の少なくとも50体積パーセント、又は繊維を含む第1若しくは第2ポリマーのなかの1種の少なくとも50体積パーセントが溶解及び/又は崩壊した場合、試験に不合格であると見なした。
炭化水素安定性試験
0.5グラムの繊維を25mLのケロシン(試薬等級、沸点175〜320℃、Sigma−Aldrich(Milwaukee,WI)から入手)中に入れ、窒素下にて145℃で4時間加熱した。24時間後、ケロシンを冷却し、100倍の倍率で光学顕微鏡を用いて材料を検査した。それらは、繊維の少なくとも50体積パーセント、又は繊維を含む第1若しくは第2ポリマーのなかの1種の少なくとも50体積パーセントが溶解及び/又は崩壊した場合、試験に不合格であると見なした。
軟化温度試験
第1のポリマーの軟化点を決定するためのデータを図2A〜図2Dに示す。このデータは、応力制御レオメータ(TA Instruments(New Castle,DE)により製造されたモデルAR2000)を用いて得た。試験手順では、ポリマーの樹脂粒子を、レオメータの2つの20mmの平行なプレート間に置き、ギャップが2mmになるまで押圧して、確実にプレート全体を被覆した。次いで、1%のひずみにおける1Hzの正弦波周波数を、80〜200℃の温度範囲にわたって適用した。溶融した樹脂の正弦波ひずみに対する抵抗力は、弾性率に比例しており、これを変換器により記録しグラフ形式で示した。レオメータのソフトウェアを用いて、弾性率を数学的に2つの部分に分けた:一方の部分は適用されたひずみと同位相内にあり(弾性率−固体のような挙動)(E.I.duPont de Nemours & Company(Wilmington,DE)から商品名「SURLYN 9520」、「SURLYN 8660」、「SURLYN 1857」、及び「SURLYN 1702」として入手したエチレン−メタクリル酸アイオノマーそれぞれについて、それぞれ線1、4、7、及び10を参照)、別の部分は適用されたひずみと位相を異にした(粘性率−液体のような挙動)(エチレン−メタクリル酸アイオノマー「SURLYN 9520」、「SURLYN 8660」、「SURLYN 1857」、及び「SURLYN 1702」について、それぞれ線2、5、8、及び11を参照)。樹脂が主に液体のように挙動し始めた温度を超える温度を表すとき(点3、6、9、及び12を参照)、2つの係数が同一である温度(クロスオーバー温度)を軟化点として定義した。選択したエチレン−メタクリル酸アイオノマー(「SURLYN 9520」、「SURLYN 8660」、「SURLYN 1857」、及び「SURLYN 1702」)の軟化点は、それぞれ116℃、96℃、121℃、及び92℃と決定された。
(実施例1〜5)
実施例1〜4の繊維用の芯材料は、ナイロン6(BASF North America(Florham Park,NJ)から商品名「ULTRAMID B27 B01」として入手した)であった。実施例5の芯材料は、ナイロン(E.I.duPont de Nemours & Company)から商品名「ZYTEL RESIN 101NC010」として入手した)であった。全ての鞘材料は、80重量%のエチレン−メタクリル酸アイオノマー(E.I.duPont de Nemours & Companyから商品名「SURLYN 1702」を入手した)及び20重量%のナイロン6(「ULTRAMID B27 B01」)のブレンドであった。
実施例1の鞘は、94重量%のエチレン−メタクリル酸アイオノマー(「SURLYN 8660」)及び6重量%のポリエチレン(Dow Chemical Company(Midland,MI)から商品名「DOWLEX 2503」として入手した(今では入手できないが、類似の材料が商品名「2517」として入手可能である)の混合物であった。
実施例2の鞘は、94重量%のエチレン−メタクリル酸アイオノマー(「SURLYN 9520」)及び6重量%のポリエチレン(「DOWLEX 2503」)の混合物であった。
実施例3の鞘は、94重量%の酸アイオノマー(「SURLYN 8660」)及び6重量%のパラフィンワックス(Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手し、「76241 Flukaパラフィンワックス、プルーム、ペレット、白」と記載されている)の混合物であった。
実施例4の鞘は、100%酸アイオノマー(「SURLYN 8660」)であった。
実施例5の鞘は、酸アイオノマー(「SURLYN 1702」)であった。
実施例1〜5の鞘−芯二成分繊維を、(a)ダイを以下の表1に列挙した温度に加熱し、(b)押出ダイが8個の穴を2列配置した16個のオリフィスを有し、ここで四角のピッチを有する穴間の距離は12.7mm(0.50インチ)であり、ダイが152.4mm(6.0インチ)の横方向の長さを有し、(c)穴の直径が1.02mm(0.040インチ)であり、長さの直径に対する比が4.0であり、(d)2つの流れの相対押出速度(グラム/穴/分)が表1に報告され、(e)繊維が表1に報告された距離下方に運ばれて、25℃に保持された水浴で急冷され、ここで繊維は最低0.3秒水に浸漬された後、圧縮空気により乾燥され、芯に巻き付けられ、(f)紡糸速度はプルロールにより表1に報告された速度に調節されたことを除き、米国特許第4,406,850号(Hills)の実施例1に記載のように作製した。次いで、繊維をある長さに刻んで、繊維の種々の特性について試験した。
Figure 2011506791
実施例1〜5の繊維のそれぞれのサンプルを約6cmの長さに刻み、それぞれを用いて炭化水素安定性試験及び加水分解安定性試験を試験した。全てが両方の試験に合格した。
非融合性繊維試験
繊維を6mmの長さに切断して分離し、かみあい繊維(interlocking fiber)の平坦なタフトに成形した。更に、切断し分離した繊維の一部で直径を測定した。20個の繊維の直径を測定し、中央値を記録した。
繊維のタフトを、選択した試験温度で5分間従来のベント型対流式オーブン内で加熱した。20個の個々の分離した繊維を選択し、繊維断面の直径を測定し、中央値を記録した。加熱後繊維直径の変化が20%未満である場合、その繊維を「非融合性」と指定した。 実施例5では、150℃の試験温度で非融合性繊維試験を用いて評価した。試験を受けた後の繊維直径の変化は10%未満であった。
比較例
co−PET/PETポリエステル結合繊維(KoSa,Salisbury,NC)から商品名「KOSA T−255」として入手した;芯50重量%及び鞘50重量%の3デニールの鞘−芯結合剤繊維)を、120℃の試験温度で非融合性繊維試験を用いて評価した。繊維の直径は、加熱前の20マイクロメートルから、加熱の結果14マイクロメートルに変化した。
(実施例6〜9)
実施例6〜9の鞘−芯二成分繊維を、(a)ダイを以下の表2に列挙した温度に加熱し、(b)押出ダイが、各列が36個のオリフィスを有する18列のオリフィスを有し、合計648個のオリフィスになり、ダイは264.2mm(10.4インチ)の横方向の長さを有し、(c)穴の直径は1.02mm(0.040インチ)であり、長さの直径に対する比は6.0であり、(d)ポリマーの流速が1.0グラム/穴/分であり、(e)繊維が約64センチメートル下方に延在するダイのいずれかの側において、1.42標準立方メートル/分(100キロパスカルの圧力及び0℃)で放出される15℃の空気により急冷され、(f)紡糸速度を以下の表2に報告されたフィラメントの平均直径を生じさせるよう調節し、(g)ポリマー流量を、鞘及び芯の両方が50%の質量流量で繊維を生じさせるよう調節したことを除き、米国特許第4,406,850号(Hills)の実施例1に記載のように作製した。
Figure 2011506791
実施例6〜9の繊維のそれぞれのサンプルを約6cmの長さに刻み、それぞれを用いて炭化水素安定性試験及び加水分解安定性試験を試験した。全てが両方の試験に合格した。
更に、実施例6では、芯はポリプロピレンスルフィド(PPS)樹脂(Ticona North America(Florence,KY)から商品名「FORTRON 0309C」として入手した)から作製し、鞘は、エチレン−メタクリル酸アイオノマー(「SURLYN 1702」)から作製した。実施例7では、芯はナイロン6(「ULTRAMID B27 E01」)から作製し、鞘は80重量%のエチレン−メタクリル酸アイオノマー(「SURLYN 1702」)及び20重量%のナイロン6(「ULTRAMID B27 E01」)のブレンドから作製した。実施例8では、芯はナイロン6(「ULTRAMID B27 E01」)から作製し、鞘材料は90重量%のエチレン−メタクリル酸アイオノマー(「SURLYN 1702」)及び10重量%のポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂(Solvay Engineered Polymers GmbH(Heidelberg,Germany)から商品名「SOLEF TA1006」として入手した)のブレンドであった。実施例9では、芯はナイロン6(「ULTRAMID B27 E01」)から作製し、鞘材料は90重量%のエチレン−メタクリル酸アイオノマー(「SURLYN 1702」)及び10重量%の環状オレフィン樹脂(Ticona North Americaから商品名「TOPAS 6017」として入手した)のブレンドから作製した。
本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する特許請求の範囲によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。

Claims (16)

  1. 少なくとも第1及び第2のポリマーを含む多成分繊維であって、前記第1のポリマーが150℃までの軟化温度を有し、前記第2のポリマーが少なくとも130℃の融点を有し、前記第1のポリマーの軟化点と前記第2のポリマーの融点との差が少なくとも10℃であり、前記繊維が、それぞれ炭化水素及び加水分解安定性試験により測定した際に炭化水素耐性及び加水分解耐性の両方を呈し、前記第1のポリマーが1Hzで、最低−60℃において、3×10N/m未満の弾性率を有し、前記繊維が少なくとも110℃まで非融合性である、多成分繊維。
  2. 前記繊維が、20mmまでの長さ及び100マイクロメートルまでの平均直径を有する、請求項1に記載の多成分繊維。
  3. 前記繊維が、2〜100ミリメートルの範囲の長さ及び100マイクロメートルまでの平均直径を有する、請求項1に記載の多成分繊維。
  4. 前記第1のポリマーが125℃までの軟化温度を有し、前記第2のポリマーが少なくとも175℃の融点を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の多成分繊維。
  5. 前記第1のポリマーが1Hzで、最低−25℃において、3×10N/m未満の弾性率を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の多成分繊維。
  6. 前記第2のポリマーが前記第1のポリマーの弾性率より高い弾性率を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の多成分繊維。
  7. 前記第1のポリマー又は第2のポリマーの少なくとも一方が架橋されている、請求項1〜6のいずれかに記載の多成分繊維。
  8. 前記第1のポリマーが架橋されている、請求項1〜7のいずれかに記載の多成分繊維。
  9. 150℃までの軟化温度を有する第3のポリマーを更に含む、請求項1〜8のいずれかに記載の多成分繊維。
  10. 前記第1のポリマーが、エチレン(メタ)アクリル酸コポリマー、エチレン(メタ)アクリル酸アイオノマー、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンコポリマー、架橋ポリエチレン、架橋ポリプロピレン、水分硬化ポリウレタン、エポキシ、架橋アクリレート、架橋シリコーン、又は熱可塑性ポリウレタンのうちの少なくとも1種であり、前記第2のポリマーが、ナイロン、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(4−メチル1−ペンテン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、又はポリスルホンのうちの少なくとも1種である、請求項1〜9のいずれかに記載の多成分繊維。
  11. 少なくとも第1のポリマー及び第2のポリマーを含む多成分繊維であって、前記第1のポリマーが150℃までの軟化温度を有し、前記第2のポリマーが少なくとも130℃の融点を有し、前記第1のポリマーがエチレン(メタ)アクリル酸コポリマー、エチレン(メタ)アクリル酸アイオノマー、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、架橋ポリエチレン、架橋ポリプロピレン、水分硬化ポリウレタン、エポキシ、架橋アクリレート、架橋シリコーン、又は熱可塑性ポリウレタンのうちの少なくとも1種であり、前記第2のポリマーが、ナイロン、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(4−メチル1−ペンテン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、又はポリスルホンのうちの少なくとも1種であり、前記第1のポリマー又は第2のポリマーの少なくとも一方が1Hzで、最低−60℃において、3×10N/m未満の弾性率を有し、前記繊維が、2〜10ミリメートル範囲の平均長、及び100マイクロメートルまでの平均直径を有し、前記繊維が少なくとも110℃まで非融合性である、多成分繊維。
  12. 前記第1のポリマーが125℃までの軟化温度を有し、前記第2のポリマーが少なくとも175℃の融点を有する、請求項11に記載の多成分繊維。
  13. 前記第1のポリマーが1Hzで、最低−50℃において、3×10N/m未満の弾性率を有する、請求項11又は12のいずれかに記載の多成分繊維。
  14. 前記第1のポリマー又は第2のポリマーの少なくとも一方が架橋されている、請求項11〜13のいずれかに記載の多成分繊維。
  15. 前記第1のポリマーが架橋されている、請求項11〜14のいずれかに記載の多成分繊維。
  16. 150℃までの軟化温度を有する第3のポリマーを更に含む、請求項11〜15のいずれかに記載の多成分繊維。
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