JP2011227311A - 着色感光性樹脂組成物、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ及びそれを備えた表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)着色剤、(B−1)一般式(I)で表され、酸性基を有するバインダー樹脂、(B−2)一般式(II)で表される構造単位と酸性基を有する構造単位とを含むバインダー樹脂、(C)重合性化合物、(D)オキシム系光重合開始剤、及び(E)溶剤を含有し、(B−1):(B−2)の含有比が3:7〜7:3である着色感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
テレビ用途では、従来のモニター用途に比べて、より高度な画質、すなわち、コントラスト、及び色純度の向上が求められている。コントラスト向上のために、カラーフィルタの形成に用いる着色感光性樹脂組成物に使用する着色剤(有機顔料等)の粒子サイズが、より微小なものが求められている。また、色純度向上のため、該着色感光性樹脂組成物の固形分中に占める着色剤(有機顔料)の含有率としては、より高いものが求められている。
上記の問題点を解決するため、カラーフィルタ用の光感光性樹脂組成物に用いる光重合開始剤の改良により線幅感度を向上させる試みが数多く提案されている。例えば、特定の構造のトリアジン系化合物を使用した光重合性組成物(例えば、特許文献1参照。)や、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、チオキサントン系化合物を1つ又は2つ以上混合使用したカラーフィルタ用フォトレジスト(例えば、特許文献2参照。)などが開示されている。
さらに、紫外光レーザーによる露光用の着色感光性樹脂組成物ではないが、アリル基を含むバインダー樹脂を用いることによって、高感度で現像ラチチュードの広い着色樹脂組成物を調製することが提案されている(例えば、特許文献4、5参照。)。また、N−フェニルマレイミド共重合体を結着樹脂に用いることによって、色再現の良好な青色カラーフィルタ用感放射線性組成物を提供するが提案されている(例えば、特許文献6参照。)しかしながら、これらの技術では紫外光レーザーによる露光工程、現像工程での生産性が劣り、十分な生産性を確保できず、従ってカラーフィルタの価格を低減できないものであった。
また、青色の着色剤は、355nmや365nmの吸収が大きく、紫外線レーザーによる露光では、着色層の深部まで十分に光硬化が進まず、ポストベーク後にシワが発生するという問題があり、紫外線レーザーにより深部まで十分に硬化する硬化感度の良好な青色着色感光性樹脂組成物が切望されていた。
また、本発明のさらなる課題は、前記本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてなる形状と輝度に優れた着色パターンが形成されるパターン形成方法、及びカラーフィルタの製造方法、さらには、パターン形状と輝度が良好な着色パターンを有するカラーフィルタ、該カラーフィルタを備えた表示装置を提供することにある。
<2> 前記(D)オキシム系光重合開始剤が、下記一般式(III)で表されるケトオキシム系光重合開始剤である<1>に記載の着色感光性樹脂組成物。
一般式(III)中、R及びXは、各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。Xが複数存在する場合、複数のXは、各々独立に一価の置換基を表し、同一であっても異なっていてもよい。
<3> <1>又は<2>に記載の着色感光性樹脂組成物。
<5> 前記紫外光レーザーの露光波長が300nm〜380nmの範囲である<4>に記載のパターン形成方法。
<6> 前記紫外光レーザーが20Hz〜2000Hzの周波数で発振されるパルスレーザーである<4>又は<5>に記載のパターン形成方法。
<8> <7>に記載の製造方法により製造されたカラーフィルタ。
<9> <8>に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
また、前記本発明の着色感光性樹脂組成物を用いることで、形状と輝度に優れた着色パターンが形成されるパターン形成方法、及びカラーフィルタの製造方法、さらには、パターン形状と輝度が良好な着色パターンを有するカラーフィルタ、該カラーフィルタを備えた表示装置を提供することができる。
≪着色感光性樹脂組成物≫
本発明の着色感光性樹脂組成物は、少なくとも、(A)着色剤、(B−1)下記一般式(I)で表され、分子内に酸性基を有するバインダー樹脂(以下、適宜、(B−1)バインダー樹脂と称する)、(B−2)下記一般式(II)で表される構造単位と酸性基を有する構造単位を含むバインダー樹脂(以下、適宜、(B−2)バインダー樹脂と称する)、(C)重合性化合物、(D)オキシム系光重合開始剤、及び(E)溶剤を含有し、前記(B−1)バインダー樹脂と(B−2)バインダー樹脂との質量基準での含有比率が3:7〜7:3であることを特徴とする。
以下に本発明の着色感光性樹脂組成物の各構成成分について詳述する。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(A)着色剤の少なくとも1種を含む。
本発明の着色感光性樹脂組成物における(A)着色剤の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で15質量%〜60質量%である。(A)着色剤の含有量が、15質量%未満であると、所望の色相にするためには膜厚を厚く設定しなければならず、現像しにくくなったり、タクトタイムが延びてしまったり、といった問題が生じる。一方、(A)着色剤の含有量が、60質量%を超えると、現像時間が長くなり、また、プロファイル形状も逆エッジ形状となり好ましくない。
本発明における着色感光性樹脂組成物の「固形分」とは、着色感光性樹脂組成物をアルミニウム製容器に1g量りとり、160℃で60分間乾燥して残った加熱残部を意味し、本発明の着色感光性樹脂組成物では、(E)溶剤を除いた着色感光性樹脂組成物の全成分を包含する。
本発明の着色感光性樹脂組成物における(A)着色剤の含有量は、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して20質量%〜50質量%がより好ましく、25質量%〜40質量%がさらに好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物においては、後述する高分子分散剤を用いることで、顔料のサイズが小さい場合であっても、顔料分散性、分散安定性が良好となるため、膜厚が薄くても色純度に優れる着色画素を形成しうる。
一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合は、耐熱性、及び色度変化防止の観点から、5%未満であることがより好ましい。
一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合は、コントラストをよくする観点から、3%未満であることが好ましい。
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279、
C.I. Pigment Green 7、10、36、37、58
C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79のCl置換基をOHに変更したもの、80、
C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42、
C.I.Pigment Brown 25、28等を挙げることができる。
C.I.Pigment Yellow 11、24、108、109、110、138、139、150、151、154、167、180、185、
C.I.Pigment Orange 36、71、
C.I.Pigment Red 122、150、171、175、177、209、224、242、254、255、264、
C.I.Pigment Violet 19、23、32、58
C.I.Pigment Blue 15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、
C.I.Pigment Green 7、36、37。
例えば、赤色層(R)用の顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも1種とジスアゾ系顔料、イソインドリン系顔料、キノフタロン系顔料等の黄色顔料との混合、又はアントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料の少なくとも1種とペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、縮合ジス系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等の赤色顔料との混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224、が挙げられ、縮合ジス系赤色顔料としてはC.I.ピグメント・レッド242が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント・レッド254とC.I.ピグメント・イエロー139又はC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。
また、赤色顔料と他顔料との質量比(赤色顔料:他顔料)は、100:5〜100:80が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:81以上では発色力が下がる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
緑色顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:150が好ましい。質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
本発明の着色感光性組成物は、特に青色の着色感光性組成物に適用した時に、着色層がポストベークなどにより加熱されても黄色に着色しないので、特に効果的である。
遊離率は小さいほど顔料への被覆率が高く、分散性、分散安定性が良好である。遊離率の好ましい範囲は30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。理想的には0%である。
なお、(iv)高分子化合物を加えるタイミングは、ソルトミリング工程の初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。また分散工程で添加することも可能である。
顔料の被覆に用いうる高分子化合物としては、例えば、特開2008−83089号公報の段落番号〔0029〕〜〔0030〕、特開2009−62457号公報の段落番号〔0044〕〜〔0047〕に開示されているものが使用できる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
(A)着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
本発明に用いる(B−1)バインダー樹脂は、下記一般式(I)で表され、分子内に酸性基を有する高分子化合物である。
本発明に係る(B−1)バインダー樹脂は、分子内に少なくとも1種の酸性基を有する。酸性基は、下記一般式(I)における置換基A2に含まれてもよく、また、P2で示される高分子骨格中に含まれてもよいが、効果の観点からは、P2で示される高分子骨格中に含まれることが好ましく、A2とP2の双方に酸性基が含まれることがより好ましい。
なお、以下、この顔料に対する吸着能を有する部分構造(上記構造及び官能基)を、適宜、「吸着部位」と総称して、説明する。
また、本発明において、「吸着部位を少なくとも1種含む1価の有機基」は、前述の吸着部位と、1から200個までの炭素原子、0個から20個までの窒素原子、0個から100個までの酸素原子、1個から400個までの水素原子、及び0個から40個までの硫黄原子から成り立つ有機連結基と、が結合してなる1価の有機基である。なお、吸着部位自体が1価の有機基を構成しうる場合には、吸着部位そのものがA2で表される一価の有機基であってもよい。
まず、前記A2を構成する吸着部位について以下に説明する。
式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
特に、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHR8、−NR9R10、ここで、R8、R9、及びR10は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。)、前記式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、前記式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕などが好ましく用いられる。
この有機連結基の具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。
中でも、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、及び炭素数4以上の炭化水素基から選択される部位が好ましい。
(a+1)価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
2価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記R3で表される(m+n)価の有機連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
また、前記一般式(I)中、nは2〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
ポリマーの中でも、高分子骨格を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。
更には、前記ポリマーは有機溶媒に可溶であることが好ましい。有機溶媒との親和性が低いと、例えば、顔料分散剤として使用した場合、分散媒との親和性が弱まり、分散安定化に十分な吸着層を確保できなくなることがある。
高分子骨格中に酸性基を導入する手段には特に制限はなく、酸性基を有するビニルモノマーにより導入する手段、架橋性側鎖を利用して酸性基を付加させること により導入する手段などをとることができるが、後述するように、高分子骨格が酸性基を有するビニルモノマー由来の構造単位を含んで構成されることにより酸性基が導入される態様が、酸性基の導入量の制御が容易である点、合成コスト の点から好ましい。
ここで、「酸性基」とは、前記A2の説明において「酸性基」として挙げたものを同様に挙げることができ、好ましくは、カルボキシ基である。
以下、これらのビニルモノマーの好ましい例について説明する。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
ビニルケトン類の例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
オレフィン類の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
マレイミド類の例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
前記酸性基を有するビニルモノマーの例としては、カルボキシ基を有するビニルモノマーやスルホン酸基を有するビニルモノマーが挙げられる。
カルボキシ基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシ基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
高分子骨格P2が酸性基を含むビニルモノマー由来の構造単位を含む場合、酸基を有するビニルモノマー由来の構造単位の高分子骨格中の含有量は、質量換算で、3モル%〜 40モル %であることが好ましく、5モル%〜20モル%の範囲であることがより好ましい。
R3:前記具体例(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、又は(17)
R4:単結合あるいは、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される「1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子」から成り立つ2価の有機連結基(置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。)
なお、下記基中、R12は水素原子又はメチル基を表し、lは1又は2を表す。
m:1〜3
n:3〜6
これら例示化合物のなかでも、前記B−1−22で示される構造を有し、高分子骨格におけるカルボン酸エステルを有する構造単位とカルボキシ基を有する構造単位との含有比が質量換算で、90:10であり、分子量20、000、酸価が82である化合物が特に好ましい。
前記一般式(I)で表される(B−1)バインダー樹脂は、例えば、特開2006−278118公報に記載の方法を参照して合成することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(B)下記一般式(II)で表される構造単位と、酸基を有する構造単位とを含む(B−2)バインダー樹脂を含む。
〔一般式(II)で表される構造単位〕
前記アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては直鎖、分岐、又は環状であってもよく、メチル基、n−プロピル基、iso-プロピル基、t-ブチル基などがあげられ、炭素数1〜7のアルキル基が好ましい。また、前記アリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜7のアルキル基又は炭素数5〜14のアリール基などが挙げられ、好ましくはフェニル基、フリル基、ナフチル基である。
(B−2)バインダー樹脂における、前記一般式(II)で表される構造単位は、分子内に20モル%以上90モル%以下含有することが好ましく、50モル%以上80モル%以下含有することがより好ましく、60モル%以上80モル%以下含有することがさらに好ましい。バインダー樹脂における前記各構造単位の総量が上記範囲内にあると、現像ラチチュードが良好となり、露光後の現像時における膜減りが少なくなり、得られた硬化膜の表面平滑性が良好となる。
さらに、(B−2)バインダー樹脂は分子内に、酸性基を有する構造単位を有する。
酸性基を有する構造単位としては、カルボキシ基含有不飽和単量体由来の構造単位をあげることができる。カルボキシ基含有不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸又はその無水物類;コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等である。
これらのカルボキシ基含有不飽和単量体のうち、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)及びフタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)は、それぞれM−5300及びM−5400(東亞合成(株)製)の商品名で市販されている。
前記カルボキシ基含有不飽和単量体は、単独で又は2種以上を樹脂に含んでもよい。
スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等の芳香族ビニル化合物;
インデン、1−メチルインデン等のインデン類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;
(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;
これらの不飽和単量体由来の構成成分は、単独で又は2種以上を含んでもよい。
従って、前記したそれぞれのバインダー樹脂の含有量の範囲内において、(B−1)バインダー樹脂と(B−2)バインダー樹脂との質量基準での含有比率が3:7〜7:3の範囲となるように調製される。
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
等を挙げることができる。
スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
スチレン/アククリル酸/アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/アクリル酸グリシジル共重合体、
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン/t−ブチルメタクリレート共重合体、
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン/スチレン共重合体、
ブタジエン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、
スチレン/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、
t−ブチルメタクリレート/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、
スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
p−メトキシスチレン/メタクリル酸/シクロヘキシルアクリレート/メタクリル酸グリシジル共重合体。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(C)重合性化合物を含有する。
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシ基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応生成物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応生成物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。)
なお、本明細書ではアクリレートとメタクリレートを総称して、(メタ)アクリレートと記載する。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (V)
(ただし、R4及びR5は、各々独立に、H又はCH3を示す。)
また、市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)が好ましい。
更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
この範囲とすることによって 得られる硬化膜の耐熱性が良好になり、現像後の表面荒れ、ポストベーク後のシワの発生が効果的に抑制される。
本発明における(D)オキシム系光重合開始剤としては、オキシムエステル構造を有し、前記(C)重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であれば、従来公知のものを制限なく用いることができ、オキシムエステル化合物、及び、ケトオキシム化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、下記一般式(III)で表されるケトオキシム系光重合開始剤、特開2005−220097公報に記載の、下記一般式(D−1)で表されるオキシム系光重合開始剤、特開2006−516246公報に記載のオキシム系光重合開始剤などが挙げられ、硬化感度やポストベーク後の着色抑制の観点からは、下記一般式(III)で表されるケトオキシム系光重合開始剤が好ましい。
Rで表される一価の非金属原子団としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルキルチオカルボニル基、置換基を有してもよいアリールチオカルボニル基、置換基を有してもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有してもよいジアルキルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。
前記置換基としては、例えば、下記の構造式で表される基が挙げられ、中でも、(d−1)(d−4)及び(d−5)のいずれかが好ましい。
これらの基に導入しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
具体的にはArは、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。中でも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
一般式(III)において、Xが複数存在する場合、複数のXは同じであっても、異なっていてもよい。
(D)オキシム系光重合開始剤とは構造の異なる(D−2)他の光重合開始剤としては、前記(C)重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であれば、従来公知のものを制限なく用いることができる。具体的には例えば、ロフィン系光重合開始剤、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物、等が挙げられる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(E)溶剤を含み、(E)溶剤を用いて調製することができる。また上述した顔料分散組成物も(E)溶剤を用いて調製する。
(E)溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、及び3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、及び3−エトキシプロピオン酸エチルなど)、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、及び2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチルなど)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、1,3-ブタンジオールジアセテート等;
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等;
アルコール類、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等;
芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
(E)溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、露光波長に吸収を有する化合物を増感剤として使用し、(D)オキシム系光重合開始剤の開始効率を上げることが好ましい。この増感剤が吸収しうる波長の露光により(D)オキシム系光重合開始剤成分のラジカル発生反応や、それによる重合性化合物の重合反応が促進される。
このような増感剤としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
チオール化合物としては、エチレングリコールビスチオプロピオネート(EGTP)、ブタンジオールビスチオプロピオネート(BDTP)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(TMTP)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETP)等の各多官能チオール化合物、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、βメルカプトナフタレン、N-フェニル-メルカプトベンズイミダゾール等の単官能チオール化合物が挙げられる。
特に、経時安定性、溶剤への溶解性の観点から、単官能のチオール化合物が好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、必須成分である(A)成分〜(E)成分及び好ましい併用成分である(F)成分に加え、必要に応じて他の添加剤を含んでいてもよい。以下、任意の添加剤について説明する。
(界面活性剤)
本発明の着色感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含むことができる。
顔料濃度を大きくすると塗布液のチキソ性が一般的に大きくなるため、基板上に着色感光性樹脂組成物を塗布又は転写して着色感光性樹脂組成物層(着色層塗膜)形成後の膜厚ムラを生じやすい。また特に、スリットコート法による着色感光性樹脂組成物層(着色層塗膜)形成では、乾燥までに着色感光性樹脂組成物層形成用の塗布液がレベリングして均一な厚みの塗膜を形成することが重要である。このため、前記着色感光性樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
塗布性を向上するための界面活性剤としてはノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が添加される。
具体的市販品としては、例えばメガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F780、同F781、同F782、同F784、同F552、同F554、同R30、同R08(以上、DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(以上、JEMCO(株)製)などである。
これらのうちで、本発明に好ましい界面活性剤としては、メガファックF780、同F781、同F782、同F784、同F552、及び同F554(以上、DIC(株)製)である。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、所望によりエポキシ樹脂、オキセタン樹脂等の熱硬化性樹脂を含有することができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などである。
またオキセタン樹脂は、単独で又はアクリル系共重合体、エポキシ樹脂及びマレイミド樹脂と混合して使用することができる。特にエポキシ樹脂との併用で用いた場合には紫外光レーザー露光により発生した熱による反応性が高く、基板との密着性の観点から好ましい。
本発明に係るエポキシ樹脂、及びオキセタン樹脂の着色感光性樹脂組成物中における含有量としては、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.5〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がアルカリに対する溶解性と基板との密着性の両立の観点から好ましい。
未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、着色感光性樹脂組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メトキシフェノキシ酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、更なる基板との密着性向上の観点から、シランカップリング剤を使用することができる。
シランカップリング剤は、無機材料と化学結合可能な加水分解性基としてアルコキシシリル基を有するものが好ましい。また有機樹脂との間で相互作用もしくは結合形成して親和性を示す基を有することが好ましく、そのような基としては(メタ)アクリロイル基、フェニル基、メルカプト基、グリシジル基、オキセタニル基を有するものが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイル基又はグリシジル基を有するものが好ましい。
即ち、本発明に用いるシランカップリング剤としては、アルコキシシリル基と、(メタ)アクリロイル基又はエポキシ基と、を有する化合物であることが好ましく、具体的には下記構造の(メタ)アクリロイル−トリメトキシシラン化合物、グリシジル−トリメトキシシラン化合物等が挙げられる。
本発明においては、着色感光性樹脂組成物の製造中あるいは保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩、フェノキサジン、フェノチアジン等が挙げられる。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させることもできる。高級脂肪酸誘導体の添加量は、着色感光性樹脂組成物の0.5質量%〜10質量%が好ましい。
さらに、本発明においては、着色感光性樹脂組成物の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤等を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、(C)重合性化合物と(B)バインダー樹脂との合計質量に対し10質量%以下を添加することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物及びパターン形成方法は、液晶表示装置用カラーフィルタに好適である。以下、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法を、液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法におけるパターンの形成方法として説明するが、本発明はこの方法に限定されるものではない。
本発明における着色層形成工程は、本発明の着色感光性樹脂組成物を基板上に付与して着色層を形成する工程である。
基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板が挙げられる。さらに、プラスチック基板も使用可能である。これらの基板を用いて、格子状などにブラックマトリックスを形成し、格子の空いた部分に着色パターンが形成されることが好ましい。
また、予め仮支持体上に上記塗布法によって形成した塗膜を、基板上に転写する付与方法を適用することもできる。
転写方法に関しては特開2006−23696号公報の段落番号[0023]、[0036]〜[0051]や、特開2006−47592号公報の段落番号[0096]〜[0108]に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
上記のような着色感光性樹脂組成物の付与が終了した後、真空乾燥(VCD)により溶剤を乾燥させる乾燥工程を行ってもよい。またさらに、基板上の塗膜を加熱乾燥(プリベーク)させて着色層を得てもよい。
塗膜のプリベーク温度は、60℃〜140℃が好ましく、80℃〜120℃がより好ましい。また、プリベーク時間は、30秒〜300秒が好ましく、80秒〜200秒がより好ましい。
本発明における露光工程は、前記着色層に対してパターン様に紫外光レーザーによる露光をし、露光領域を硬化させて潜像を形成する工程である。本発明の露光工程により、着色感光性樹脂組成物におけるパターン状の露光領域で、(D)特定重合開始剤から発生した開始種により、(C)重合性化合物の重合硬化反応が生起、進行し、同時に紫外光レーザー露光によって発生した熱によって(B)バインダー樹脂の分子内に存在するアリル基、N位−置換マレイミド基、又は環状イミド基が熱反応を起こし、硬化反応が生起、進行し、露光領域が光・熱デュアル硬化することで、硬化領域と未硬化領域とからなるパターンが形成されるものと考えられる。
また、被露光物(パターン)の露光量としては、1mJ/cm2〜100mJ/cm2の範囲であり、1mJ/cm2〜50mJ/cm2の範囲がより好ましい。露光量がこの範囲であると、パターン形成の生産性の点で好ましい。
本発明における現像工程は、前記露光領域において硬化により潜像が形成された着色層を現像して、未露光部を除去し、パターンを形成する工程である。紫外光レーザーによる露光領域はパターン状に硬化しており、現像処理では、アルカリ現像処理を行うことにより、上記露光工程での未照射部分(未硬化部分)を、アルカリ水溶液に溶出させて除去し、光硬化した部分だけを残すことによって、パターンを形成させることができる。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられ、これらのアルカリ性化合物を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後に純水で洗浄(リンス)する。
また、シャワー圧は、0.01MPa〜0.5MPaが好ましく、0.05MPa〜0.3MPaが好ましく、0.1MPa〜0.3MPaが好ましい。これらの条件を選択することによって、パターンの形状を、矩形にしたり、順テーパにしたり任意に設計することができる。
本発明においては、着色感光性樹脂組成物の硬化を完全なものとするために、現像された前記着色層をベークするポストベーク工程を設けることが好ましい。ベークする方法は、現像・リンス後のパターンを有する基板を、ホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で加熱することによって行うことができる。
ベークの条件としては、温度は、150℃〜260℃が好ましく、180℃〜260℃がより好ましく、200℃〜240℃が最も好ましい。ベーク時間は、10分間〜150分間が好ましく、20分間〜120分間がより好ましく、20分間〜90分間がもっとも好ましい。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置の作成に好適であり、本発明のパターン形成方法で作製したカラーフィルタを用いた液晶表示装置は、高品位の画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明の液晶表示素子用カラーフィルタはこれらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。
これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
撹拌羽を供えた撹拌棒、還流冷却管、温度計を備えた、200mL三つ口フラスコに1−メトキシ−2−プロパノール 54gを入れ、窒素気流下、70℃に加熱した。アリルメタクリレート 10.07g、メタクリレート 1.93g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.185gを1−メトキシ−2−プロパノール 54gに溶解した溶液を、プランジャーポンプを用いて、2.5時間かけて、三つ口フラスコ内に滴下した。滴下終了後、さらに70℃で2時間撹拌した。加熱終了後、水1Lへ投入し、再沈した。析出物を濾過後、真空乾燥させ、9g(収率75%)のポリマー化合物を得た。
重量平均分子量の測定試料として、得られたポリマー 0.01gを10mLメスフラスコに秤取り、テトラヒドロフラン約8mLを加えて室温で溶解した後に全量を10mLにした。この溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。アルカリ可溶性樹脂1(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、モル比=80/20、下記構造)の重量平均分子量は35000であった。
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製、下記構造〕7.83部、及び下記の吸着部位を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する化合物(A−1)15.57部を、ジメチルホルムアミド93.60部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.06部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.06部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。次いで、室温まで冷却することで、DPMPと化合部物A−1の反応生成物の20%溶液を得た。
(着色感光性樹脂組成物の調製)
(1−1.顔料分散液1の調製)
顔料分散液1を次のようにして調製した。すなわち、下記に記載の組成にて、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、混合溶液を調製し、さらに0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ウルトラアペックスミル(寿工業社製)にて8時間分散処理を行なった。
・C.I.ピグメントバイオレット23〔(A)着色剤〕 1.0部
・Disperbyk161 ビックケミー社製(30%溶液) 24部・プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと称する。)
63.2部
合計100部
得られた顔料分散液1 39.2部に、さらに以下の組成の成分を添加し、撹拌混合して青色(B)用感光性樹脂組成物を調製した。
・アルカリ可溶性樹脂1〔(B−2)バインダー樹脂〕 8.2部
・アルカリ可溶性樹脂(B−1−1)〔(B−1)バインダー樹脂〕 8.2部
・(C)重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA) 3.9部
・(C)重合性化合物:テトラメチロールメタンテトラアクリレート
(新中村化学(株)製、NKエステル A−TMMT) 0.69部
・(D)オキシム系光重合開始剤:化合物A(下記構造) 2.74部
・(F)増感剤〔単官能チオール化合物SH−1(下記構造)〕 0.55部
・エポキシ化合物:(ダイセル化学(株)製、EHPE3150) 0.60部
・(E)溶剤:プロピレングリコールメチルエーテルアセテートと3−エトキシ
エチルプロピオネート(=80/20[質量比])の混合溶液 35.9部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.001部
・界面活性剤1 メガファックF−554(DIC社製) 0.02部
前記実施例1の着色感光性樹脂組成物の調整における(B−1)バインダー樹脂、(A)着色剤、(D)オキシム系光重合開始剤の種類及び含有量、及び(B−2)バインダー樹脂の含有比を、下記表1〜表7に記載の化合物に変更した以外は、同様にして実施例2〜15、比較例1〜6の着色感光性樹脂組成物を調製した。
なお、下記表において、(C)重合性化合物に記載の数値は、使用される重合性化合物の官能基数を示し、「比率」は、5官能以上の重合性化合物と、1〜4官能の重合性化合物との含有比率を示す。
(パターン状画素の形成)
前記のようにして得られた実施例1〜15、及び、比較例1〜6の着色感光性樹脂組成物を、無アルカリガラス基板(Corning社、1737、550mm×660mm)の表面上に、スリットコーター(平田機工(株)、HC−6000)を用いて塗布したのち、90℃のクリーンオーブン内で120秒間プレベークを行って、膜厚2.0μmの塗膜(着色層)を形成し、塗膜付基板を得た。(着色層形成工程)
次いで、レーザー露光装置として、EGIS(ブイテクノロジー(株)、YAGレーザーの第三高調波(355nm)、パルス幅6nS)を用い、感光性樹脂組成物層(着色層)表面に対し、約1mJ/cm2のパルス照射を20回、フォトマスクを通して行い、露光部分を硬化させた。(露光工程)。
その後、この基板を、現像装置(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1 1質量部を、純水99質量部で希釈した液、25℃)でシャワー圧を0.20MPaに設定して、50秒現像し、純水で洗浄後、風乾した(現像工程)。その後、230℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行って、基板上に青色のストライプ状画素アレイを形成した。
20μm幅のラインアンドスペースを持つマスクを用いて、20mJ/cm2、塗膜付基板上の感光性樹脂組成物層表面とマスクとの間隙(ギャップ)を200μmとし、露光量20mJ/cm2で形成した。このようにして得られた露光済基板を上記の現像、洗浄、風乾、ポストベーク処理を施した。得られたラインパターンを、光学顕微鏡によって観察し、線幅を測定し下記基準で評価した。
A:30μm以上
B:27μm以上30μm未満
C:25μm以上27μm未満
D:25μm未満
E:パターンが形成されない。又は、剥がれて評価ができない。
線幅感度の評価で得られたラインパターンを、光学顕微鏡(200倍)によって観察し、線幅の直線性(ガタツキ具合)を目視し下記基準で評価した。
評価基準
A:ガタツキ無く、カケも無く、ラインが真直ぐである。
B:ガタツキが数箇所あるが、ラインがほとんど真直ぐである。
C:ガタガタで2μm程度のラインバラツキが生じている。
D:ガタガタで5μm程度のラインバラツキが生じている。
E:パターンが形成されない。又は、剥がれて評価ができない。
線幅感度の評価で得られた基板を、240℃のクリーンオーブン内で60分間追加ベークし、追加ベーク前後での色変化(ΔE*ab)を、大塚電子(株)製分光測光器MCPD−2000を用いて評価した。ここでΔE*abとは、L*a*b*表色系における色差を意味する。色差の変化ΔE*abを測定し下記基準で評価した。
評価基準
5 :ΔE*abが0以上1.0未満。
4.5:ΔE*abが1.0以上2.0未満
4 :ΔE*abが2.0以上〜3.0未満。
3.5:ΔE*abが3.0以上〜3.5未満。
3 :ΔE*abが3.5以上〜4.0未満。
2.5:ΔE*abが4.0以上〜5.0未満。
2 :ΔE*abが5.0以上
1 :剥がれがある。
線幅感度の評価で得られた基板を、230℃のクリーンオーブン内で30分間ベークし、ベーク前後での着色パターンのシワのありなしを、光学顕微鏡(倍率:200倍)で観察し、以下に基準で評価した。
評価基準
○ :シワの発生が見られない。
△ :シワが弱く発生。
× :シワが強く発生。
線幅感度、直線性、耐熱性を総合的に下記基準で評価した。結果を表8にまとめて示した。
評価基準
5 :非常に優れている。
4.5:優れている。
4 :通常使用では問題ないレベル。
3.5:若干劣る性能であるが、問題ないレベル。
3 :通常使用でギリギリのレベル。
2.5:限界より少し低く問題あり。
2 :性能不十分で使用できない。
1 :評価ができないレベル。
他方、本発明における(B−1)バインダー樹脂を含まない比較例1、(D)オキシム系光重合開始剤以外の開始剤を用いた比較例2、線幅感度、パターンの直線性、耐熱性、しわのいずれにも劣るものであり、(B−2)バインダー樹脂の含有量が多すぎる比較例3は、ポストベーク後のシワの発生が著しく、(B−1)バインダー樹脂の含有量が多すぎる比較例4、(B−2)バインダー樹脂を含有しない比較例5は、いずれも、線幅感度、直線性、しわのいずれも、実施例に比較して劣るものであった。また、比較例6より、(D)オキシム系光重合開始剤以外の開始剤を用い、さらに増感剤を併用した場合であっても、線幅感度、パターンの直線性に劣るものとなった。
Claims (9)
- 少なくとも、(A)着色剤、(B−1)下記一般式(I)で表され、少なくとも1種の酸性基を有するバインダー樹脂、(B−2)下記一般式(II)で表される構造単位と酸性基を有する構造単位とを含むバインダー樹脂、(C)重合性化合物、(D)オキシム系光重合開始剤、及び(E)溶剤を含有し、前記(B−1)バインダー樹脂と(B−2)バインダー樹脂との質量基準での含有比率が3:7〜7:3である着色感光性樹脂組成物。
一般式(I)中、R3は、(m+n)価の有機連結基を表し、R4及びR5は各々独立に単結合又は2価の有機連結基を表す。A2は有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び水酸基から選択される部分構造を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。n個のA2、R4は、同一であっても、異なっていてもよい。mは1〜8、nは2〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。P2は高分子骨格を表す。m個のP2、R5は、同一であっても、異なっていてもよい。
一般式(II)中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基又はアリール基を表し、R16は水素原子又はメチル基を表す。 - 前記(D)オキシム系光重合開始剤が、下記一般式(III)で表されるケトオキシム系光重合開始剤である請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
一般式(III)中、R及びXは、各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。Xが複数存在する場合、複数のXは、同一であっても異なっていてもよい。 - 紫外光レーザー露光用である請求項1又は請求項2に記載の着色感光性樹脂組成物。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物を基板上に付与して着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層にパターン様の紫外光レーザー露光を行って露光領域を硬化させる露光工程と、前記着色層の未露光部を現像、除去してパターンを形成する現像工程と、を含むパターン形成方法。
- 前記紫外光レーザーの露光波長が300nm〜380nmの範囲である請求項4に記載のパターン形成方法。
- 前記紫外光レーザーが20Hz〜2000Hzの周波数で発振されるパルスレーザーである請求項4又は請求項5に記載のパターン形成方法。
- 請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のパターン形成方法により、基板上に着色パターンを形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法。
- 請求項7に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
- 請求項8に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
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