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JP2011222966A - 希土類磁石用合金及び希土類磁石用合金の製造方法 - Google Patents

希土類磁石用合金及び希土類磁石用合金の製造方法 Download PDF

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JP2011222966A JP2011035605A JP2011035605A JP2011222966A JP 2011222966 A JP2011222966 A JP 2011222966A JP 2011035605 A JP2011035605 A JP 2011035605A JP 2011035605 A JP2011035605 A JP 2011035605A JP 2011222966 A JP2011222966 A JP 2011222966A
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Sanehiro Okuda
修弘 奥田
Kiyoyuki Masuzawa
清幸 増澤
Hideki Nakamura
英樹 中村
Naoki Mori
尚樹 森
Koji Tanabe
孝司 田辺
Kenichi Suzuki
健一 鈴木
Hirobumi Nakano
博文 中野
Yoshikazu Izumi
由一 出水
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Abstract

【課題】磁気特性の高い永久磁石を製造することが可能な希土類磁石用合金及び希土類磁石用合金の製造方法を提供する。
【解決手段】希土類磁石用合金は、R214B相(RはNdを含む1種類以上の希土類元素を表し、TはFe又はFe及びCoを含む1種以上の遷移金属元素を表す)を含む主相と、R相及びR1+δ44相を含む粒界相とを有し、粒界相におけるR相の体積%とR1+δ44相の体積%との和に対するR1+δ44相の体積%の割合が0.25以上である。
【選択図】図6

Description

本発明は、希土類磁石用合金及び希土類磁石用合金の製造方法に関し、特に希土類合金粉末、希土類磁石に用いて優れた磁気特性、特に高い保磁力を発現させる希土類磁石用合金及び希土類磁石用合金の製造方法に関する。
R−T−B(Rは希土類元素、TはFe又はFe及びCoを含む1種以上の遷移金属元素)の組成を有する希土類磁石は、R214Bの組成式で表されるR214B相を含む主相と、R相を含む粒界相とを含む組織を有し、優れた磁気特性を発揮する永久磁石である。希土類磁石は希土類合金粉末を用いて製造されるが、希土類合金粉末を製造するための原料合金として、R−T−B合金をストリップキャスト法やブックモールド法、遠心鋳造法で鋳造したもの、或いはそれらを均質化熱処理したものが用いられていた。このようにして得られた原料合金の主相にはR214B相が主に含まれているが、NdなどRの濃度が相対的に高いR相が、粒界相などに存在していた(例えば、特許文献1参照)。
特許第3449166号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、得られた原料合金にR相が粒界相などに存在していると、希土類合金粉末を製造する過程で希土類合金粉末中に水素を吸蔵させた際、粒界相などが膨張することで、希土類合金粉末内にクラックが発生すると、新たに生成された活性な新生面の主相の主成分であるRやFeが酸化される虞があった。主相の主成分であるRやFeが酸化すると、これを用いて製造される永久磁石の保磁力HcJが低下するなど永久磁石の磁気特性が低下する、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、磁気特性の高い永久磁石を製造することが可能な希土類磁石用合金及び希土類磁石用合金の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る希土類磁石用合金は、R214B相(RはNdを含む1種類以上の希土類元素を表し、TはFe又はFe及びCoを含む1種以上の遷移金属元素を表す)を含む主相と、R相及びR1+δ44相を含む粒界相とを有し、前記粒界相におけるR相の体積%とR1+δ44相の体積%との和に対するR1+δ44相の体積%の割合が0.25以上であることを特徴とする。
希土類磁石用合金の主相には、R214B相が存在し、希土類磁石用合金の粒界相には、R相が存在しているが、合金組成がRxTyBzの合金を均質化熱処理後に冷却する際、1000℃から650℃の温度範囲を所定の冷却速度、10℃/min以上117℃/min以下とし、3分から35分かけて冷却することで、粒界相にはR相の他にR1+δ44相が析出する。希土類磁石用合金に水素吸蔵させた際、吸蔵した水素により生じるR1+δ44相の体積変化はR相の体積変化に比べて小さく、主相のR214B相の体積変化と近い。このため、粒界相に存在するR1+δ44相の割合を増やすことで、希土類磁石用合金に水素を吸蔵させた際、吸蔵した水素に起因して生じる主相と粒界相との体積変化の差を小さくすることができる。R相の体積%とR1+δ44の体積%との和に対するR1+δ44の体積%の割合を0.25以上とし、粒界相に存在するR1+δ44相の割合を増やすことで、希土類合金粉末内にクラックが生じるのを抑制することができる。よって、本発明に係る希土類磁石用合金によれば、粒界相に存在するR1+δ44相の割合を所定量以上とすることで、希土類磁石用合金に吸蔵した水素に起因して希土類合金粉末内にクラックが生じるのを抑制することができる。このため、希土類磁石用合金から得られる希土類合金粉末中の主相の主成分であるRやFeの酸化を抑制することができるため、磁気特性の高い永久磁石を製造することができる。
本発明に係る希土類磁石用合金は、合金組成がRxTyBz(xとyとzとは28.0≦x≦34.0、64.5≦y≦71.0、1.0≦z≦1.5の組成比を満たす)の原料合金を用いて得られることが好ましい。所定の合金組成を有する原料合金を用いることで、合金組成がRxTyBzの合金溶湯を所定速度で冷却する際、粒界相にR1+δ44相を形成させることができると共に、主相に形成されるR214B相の減少を抑制し、残留磁束密度Brが低下することを抑制することができる。即ち、xとyとzとの何れか1つ以上が、各々の値の下限値を下回ると、粒界相にR1+δ44相が形成されなくなる。また、xとyとzとの何れか1つ以上が、各々の値の上限値を超えると、主相に形成されるR214B相の量が少なくなるため、残留磁束密度Brが低下する。
本発明に係る希土類磁石用合金の製造方法は、R214B相(RはNdを含む1種類以上の希土類元素を表し、TはFe又はFe及びCoを含む1種以上の遷移金属元素を表す)を含む主相と、R相及びR1+δ44相を含む粒界相を有する希土類磁石用合金を製造するにあたり、合金組成がRxTyBz(xとyとzとは28.0≦x≦34.0、64.5≦y≦71.0、1.0≦z≦1.5の組成比を満たす)の合金溶湯を用いて希土類磁石用合金を鋳造する希土類磁石用合金鋳造工程と、前記希土類磁石用合金を均質化させるために融点近傍で熱処理をする均質化熱処理工程と、前記均質化熱処理工程終了後に冷却する際には、1000℃から650℃の温度範囲内では3分以上冷却する冷却工程と、を含むことを特徴とする。
上述のように、均質化熱処理工程で得られるRxTyBz合金を冷却する際に、1000℃から650℃の温度範囲における冷却時間を3分以上とすることで、粒界相にはR相の他にR1+δ44相を析出させることができる。希土類磁石用合金に水素吸蔵させた際、吸蔵した水素により生じるR1+δ44相の体積変化は、上述のように、R相の体積変化に比べて小さく、主相のR214B相の体積変化と近い。また、所定の合金組成を有するRxTyBzを用いることで、合金を所定の冷却速度で冷却する際、粒界相にR1+δ44相を形成させることができると共に、主相に形成されるR214B相の減少を抑制することができる。よって、所定の合金組成を有するRxTyBzを用い、粒界相に存在するR1+δ44相の割合を増やすことで、希土類磁石用合金に水素を吸蔵させた際、吸蔵した水素に起因して生じる主相と粒界相との体積変化の差を小さくすることができる。このため、希土類合金粉末内にクラックが生じるのを抑制することができる。この結果、希土類磁石用合金から得られる希土類合金粉末中の主相の主成分であるRやFeの酸化を抑制することができるため、保磁力HcJを高くするなど磁気特性の高い永久磁石を製造することができる。
本発明に係る希土類合金粉末は、R214B相(RはNdを含む1種類以上の希土類元素を表し、TはFe又はFe及びCoを含む1種以上の遷移金属元素を表す)を含む主相と、R相及びR1+δ44相を含む粒界相とを有し、前記粒界相におけるR相の体積%とR1+δ44相の体積%との和に対するR1+δ44相の体積%の割合が0.25以上であることを特徴とする。上記のようにして製造される希土類磁石用合金は、希土類磁石用合金に水素を吸蔵させた際、吸蔵した水素に起因して希土類合金粉末内にクラックが生じるのを抑制することができる。このため、主相の主成分であるRやFeの酸化が抑制された希土類合金粉末を製造することができる。この結果、保磁力HcJを高くするなど磁気特性の高い永久磁石を製造することができる。
本発明に係る永久磁石は、上記の希土類合金粉末を成形して得られることを特徴とする。本発明の永久磁石は、粒界相にR1+δ44相を析出させた希土類磁石用合金を用いて主相の主成分であるRやFeの酸化が抑制された希土類合金粉末を成形して得られるものであるため、高い保磁力HcJを有するなど優れた磁気特性を有する。
本発明によれば、磁気特性の高い永久磁石を製造することが可能な希土類磁石用合金及び希土類磁石用合金の製造方法を提供することができる。希土類合金粉末は希土類磁石用合金を用いて製造されるため、主相の主成分であるRやFeの酸化が抑制された希土類合金粉末を提供することができる。永久磁石は得られた希土類合金粉末を成形することにより得られるため、高い保磁力HcJを有するなど優れた磁気特性を有する永久磁石を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る希土類磁石用合金の主相と粒界相とを模式的に示す説明図である。 図2は、従来の希土類磁石用合金の主相と粒界相とを模式的に示す説明図である。 図3は、主相と粒界相とに分布するNdのEPMAマッピング結果を示す図である。 図4は、主相と粒界相とに分布するFeのEPMAマッピング結果を示す図である。 図5は、主相と粒界相とに分布するBのEPMAマッピング結果を示す図である。 図6は、R相の体積%とR1+δFe44相の体積%との和に対するR1+δFe44相の体積%の比と保磁力HcJとの関係を示す図である。 図7は、希土類合金粉末の製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る希土類磁石用合金の実施の形態(以下、実施形態という)及び実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための実施形態及び実施例により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせても良いし、適宜選択して用いてもよい。
<希土類磁石用合金>
本実施形態に係る希土類磁石用合金の実施形態について説明する。本実施形態に係る希土類磁石用合金は、合金組成がRxTyBz(RはNdを含む1種類以上の希土類元素を表し、TはFe又はFe及びCoを含む1種以上の遷移金属元素を表し、xとyとzとは28.0≦x≦34.0、64.5≦y≦71.0、1.0≦z≦1.5の組成比を満たす)の原料合金を用いて得られる希土類磁石用合金である。
原料合金は、R−T−B系の合金である。原料合金の合金組成が、RxTyBzという組成式で表される。前記Rは、上述のように、1種以上の希土類元素を表す。希土類元素とは、長周期型周期表の第3族に属するSc、Y及びランタノイド元素のことをいい、ランタノイド元素には、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等が含まれる。また、希土類元素は、軽希土類及び重希土類に分類され、重希土類元素とはGd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luをいい、軽希土類元素はそれ以外の希土類元素である。製造コスト及び磁気特性の観点から、本実施形態では、RはNdを含むものである。
前記Tは、上述のように、Fe又はFe及びCoを含む1種以上の遷移金属元素を示すものである。前記Tは、Fe単独であってもよく、Feの一部がCoで置換されていてもよい。Feの一部をCoに置換する場合、磁気特性を低下させることなく温度特性を向上させることができる。また、Coの含有量は、Feの含有量の20質量%以下に抑えることが望ましい。これは、Coの含有量がFeの含有量の20質量%より大きくなるようにFeの一部をCoに置換すると、磁気特性を低下させる虞がある。また、高価となってしまうからである。添加元素として、Ga、Al、Si、Cu、Zn、In、Sn、Zr、Nb、Ti、V、Cr、Mo、Hf、Ta、Wなどのうち、1種類以上を含んでもよい。
本実施形態に係る希土類磁石用合金の主相には、結晶粒の組成がR214Bという組成式で表されるR214B相が含まれる。また、粒界相には、R相及び組成がR1+δ44という組成式で表されるR1+δ44相が含まれる。
粒界相には、Rの配合割合が高いR相が含まれているが、ホウ素(B)原子の配合割合が高いBリッチ相が含まれていてもよい。また、結晶粒の粒径は、通常1μmから100μm程度である。
本実施形態に係る希土類磁石用合金では、下記式(1)のように、粒界相におけるR相の体積%とR1+δ44相の体積%との和に対するR1+δ44相の体積%の割合(以下、「R1+δ44相の質量比」という。)が0.25以上である。
0.25≦R1+δ44相の体積%/(R相の体積%+R1+δ44相の体積%) ・・・(1)
上記式(1)に示されるR1+δ44相の質量比が0.25よりも小さいと、粒界相においてR1+δ44相が占める割合が少ないため、希土類合金粉末にクラックが生じやすく、新たに生成された活性な新生面の主相の主成分であるRやFeの酸化が生じやすいからである。
また、本実施形態に係る希土類磁石用合金では、下記式(2)のように、R1+δ44相の体積比は、好ましくは、0.25以上1.0以下であることが好ましい。
0.25≦R1+δ44相の体積%/(R相の体積%+R1+δ44相の体積%)≦1.0 ・・・(2)
上記式(2)に示されるR1+δ44相の質量比が1.0を超えると、原料合金を構成するR、T、Bの各々の組成の上限を超えることになるからである。
R−Fe−B系希土類磁石用合金を製造する際、余剰にRを添加してRリッチな組成とし、α−Feの析出を抑制している。この余剰なRは、鋳造後に原料合金の粒界相などにR相として析出する。粒界相にR相を多く含む希土類磁石用合金をHDDR処理すると、希土類磁石用合金に水素を吸蔵させた際の体積変化、吸蔵した水素を放出する水素化分解の過程で希土類磁石用合金にクラックが生じ、そこから主相の主成分であるRやFeが酸化されて保磁力HcJの低下を招く虞があった。これに対し、原料合金の組成および鋳造条件および冷却条件を調整し、Nd1+δFe44相を生成させることにより、原料合金の粒界相にR相の代わりにNd1+δFe44相を析出させるようにする。Nd1+δFe44相が水素を吸蔵したときの体積変化は、R相が水素を吸蔵したときの体積変化よりNd2Fe14B相が水素を吸蔵したときの体積変化に近いため、HDDR処理をしても希土類磁石用合金にクラックが生じるのを抑制することができる。このため、本実施形態に係るR−T−B系希土類磁石用合金を用いて希土類合金粉末を製造することで主相の主成分であるRやFeの酸化を抑制することができる。このため、高い保磁力HcJを有するなど優れた磁気特性を有する希土類合金粉末を得ることができる。
希土類磁石用合金の主相に含まれるR214B相をNd2Fe14B相とし、粒界相に含まれるR1+δ44相をNd1+δFe44相とした場合について以下に説明する。
(Nd2Fe14B相とR相とNd1+δFe44相との分布)
図1は、本実施形態に係る希土類磁石用合金の主相と粒界相とを模式的に示す説明図であり、図2は、従来の希土類磁石用合金の主相と粒界相とを模式的に示す説明図である。図1、2中、白色部分がNd2Fe14B相を表し、黒色部分がR相を表し、水色部分がNd1+δFe44相を各々示す。Nd2Fe14B相の部分が希土類磁石用合金の主相となり、R相の部分が希土類磁石用合金の粒界相を形成する。図1に示すように、本実施形態に係る希土類磁石用合金の主相と粒界相との境界部分には、Nd1+δFe44相が多く形成されているのに対し、図2に示すように、従来の希土類磁石用合金の主相と粒界相との境界部分には、Nd1+δFe44相がほとんど形成されていないことがわかる。
(R相とNd1+δFe44相との比率の求め方)
主相と粒界相との各結晶粒は希土類磁石用合金をサンドペーパで研磨した後、アルミナ、ダイヤモンド等を使用してバフ研磨した面をEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)で観察し、Nd、Fe、Bの各々EPMAマッピング(面分析)像を撮影した。図3は、主相と粒界相とに分布するNdのEPMAマッピング結果を示す図であり、図4は、主相と粒界相とに分布するFeのEPMAマッピング結果を示す図であり、図5は、主相と粒界相とに分布するBのEPMAマッピング結果を示す図である。図3に示すように、Ndは粒界相に多く分布しているのがわかり、図4に示すように、Feは主相に多く分布しているのがわかり、図5に示すように、Bは主相と粒界相との境界部分に比較的多く分布しているのがわかる。図3から図5に示すようなEPMAマッピング像から元素の組成比がR相に近い部分の面積とNd1+δFe44相に近い部分の面積とを求めることができるため、主相と粒界相とに占めるR相とNd1+δFe44相との比率を求めることができる。
(粒界相に含まれるNd1+δFe44相の保磁力HcJへの影響)
図6は、R相の体積%とNd1+δFe44相の体積%との和に対するNd1+δFe44相の体積%の比と保磁力HcJとの関係を示す図である。図6に示すように、Nd1+δFe44相の質量比と保磁力HcJとはほぼ比例関係にあり、Nd1+δFe44相の体積比が大きくなるに従って保磁力HcJは増大している。よって、希土類合金粉末の保磁力HcJを増大させる観点から、粒界相に含まれるNd1+δFe44相は多く含まれるように形成するのが好ましいことがわかる。
このように、希土類磁石用合金の粒界相にR相の代わりにNd1+δFe44相を析出させることで、水素を吸蔵したときの体積変化は、Nd1+δFe44相の方がR相よりもNd2Fe14B相に近いため、希土類磁石用合金内に水素を吸蔵させても希土類磁石用合金にクラックが生じるのを抑制することができる。本実施形態に係る希土類磁石用合金を希土類合金粉末の製造用として用いることで、主相の主成分であるRやFeの酸化を抑制することができるため、保磁力HcJの高い希土類合金粉末を得ることが可能となる。
<希土類磁石用合金を用いた希土類合金粉末の製造方法>
上述したような構成を有する希土類磁石用合金を用いた希土類合金粉末の好適な製造方法について図面を用いて説明する。ここでは、いわゆる水素化分解・脱水素再結合(HDDR:Hydrogenation Decomposition Desorption Recombination)法を行なうことによって希土類合金粉末を製造する場合について説明する。HDDR法は、磁石用の合金粉末を製造する方法である。HDDR法は、水素中で原料(出発合金)を加熱することにより、原料を水素化・分解(HD:Hydrogenation Decomposition)し、その後、脱水素・再結合(DR:Desorption Recombination)させることにより、結晶を微細化させる。
図7は、希土類合金粉末の製造方法を示すフローチャートである。図7に示すように、希土類合金粉末の製造方法は、次の工程を含んでなる。
希土類磁石用合金鋳造工程(ステップS11)
均質化熱処理工程(ステップS12)
水素吸蔵工程(ステップS13)
水素化分解(HD)工程(ステップS14)
昇温工程(ステップS15)
脱水素再結合(DR)工程(ステップS16)
不活性ガス冷却工程(ステップS17)
<希土類磁石用合金鋳造工程:ステップS11>
希土類磁石用合金鋳造工程(ステップS11)は、合金組成がRxTyBz相の合金溶湯を鋳造して本発明の一実施形態の希土類磁石用合金を準備する工程である。本実施形態に係る希土類磁石用合金を鋳造する鋳造方法は、例えばインゴット鋳造法やストリップキャスト法やブックモールド法や遠心鋳造法などである。原料合金は、原料金属又は原料化合物や製造工程に由来する不可避な不純物を含んでいてもよい。ストリップキャスト法を用いる場合の希土類磁石用合金の作製方法を説明する。
上記組成を有する原料合金をアルゴン(Ar)雰囲気中において高周波溶解によって溶融し、合金溶湯を形成する。この合金溶湯を1350℃に保持した後、冷却する。希土類磁石用合金を得た後、均質化熱処理工程(ステップS12)に移行する。
また、本実施形態においては、RxTyBzの原料合金をストリップキャスト法を用いてRxTyBzの合金溶湯を得て希土類磁石用合金を得るようにしているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、ストリップキャスト法の他にインゴット鋳造法やブックモールド法や遠心鋳造法などを用いて希土類磁石用合金を得るようにしてもよい。
均質化熱処理工程(ステップS12)は、希土類磁石用合金を製造するにあたり、以下の工程を含んでなる。
均質化熱処理工程(ステップS12−1)
冷却工程(ステップS12−2)
(均質化熱処理工程:ステップS12−1)
均質化熱処理工程(ステップS12−1)は、希土類磁石用合金を融点近傍まで加熱して希土類磁石用合金を均質化させる工程である。希土類磁石用合金を真空又はアルゴン(Ar)ガスや窒素(N2)ガスなどの不活性ガス雰囲気中、温度1000℃以上1200℃以下で5時間から48時間保持する。これにより、希土類磁石用合金は均質化される。均質化熱処理終了後、冷却工程(ステップS12−2)に移行する。
(冷却工程:ステップS12−2)
冷却工程(ステップS12−2)は、均質化熱処理工程(ステップS12−1)で得られる合金を冷却する工程である。冷却工程(ステップS12−2)では、1000℃から650℃の温度範囲内では3分以上冷却する。この際、合金はAr等の不活性ガスをフローさせることによって冷却される。
均質化熱処理後のRxTyBzの合金を冷却する際の1000℃から650℃の温度範囲における冷却速度を上記範囲として作製した希土類磁石用合金は、粒界相にはR相の他にR1+δ44相が分散した組織構造を有している。希土類磁石用合金に水素を吸蔵させた際、吸蔵した水素により生じるR1+δ44相の体積変化はR相に比べて小さく、主相のR214B相の体積変化と近い。このため、粒界相に存在するR1+δ44相の割合を増やすことで、希土類磁石用合金に水素を吸蔵させた際、吸蔵した水素に起因して生じる主相と粒界相との体積変化の差を小さくすることができる。
これにより、希土類合金粉末内にクラックが生じるのを抑制することができる。この結果、希土類磁石用合金から得られる希土類合金粉末中の主相の主成分であるRやFeの酸化を抑制することができるため、この希土類合金粉末の製造方法により得られる永久磁石は、高い磁気特性を有することができる。
均質化させた原料合金は、スタンプミル又はジョークラッシャーなどの粉砕手段を用いて粉砕した後、篩分けすることが好ましい。これによって、原料合金は粒径が10mm以下の粉末状の希土類磁石用合金に調製することができる。希土類磁石用合金が均質化された後、水素吸蔵工程(ステップS13)に移行する。
<水素吸蔵工程:ステップS13>
水素吸蔵工程(ステップS13)は、希土類磁石用合金に水素を吸蔵させる工程である。水素吸蔵工程(ステップS13)では、希土類磁石用合金は水素分圧をP1とした水素雰囲気中に、温度T0で時間t1の間保持され、水素が希土類磁石用合金に吸蔵される。水素分圧P1は、100kPa以上300kPa以下であることが好ましい。温度T0は、100℃以上200℃以下であることが好ましい。時間t1は、0.5時間から2時間であることが好ましい。水素分圧P1と温度T0と時間t1とを上記範囲内とすることで、希土類磁石用合金はその結晶格子中に水素を吸蔵することができる。
水素分圧P1が100kPa未満であると、希土類磁石用合金の結晶格子中に水素は吸蔵され難くなるからであり、水素分圧P1が300kPaを超えると、防爆構造などの点で設備が大掛かりになるからである。
温度T0が200℃を超えると、希土類磁石用合金の結晶格子中に水素は吸蔵され難くなるからであり、温度T0が100℃未満でも同様に希土類磁石用合金の結晶格子中に水素は吸蔵され難くなるからである。
時間t1が2時間より長いと希土類磁石用合金に水素が吸蔵されすぎるからであり、時間t1が0.5時間より短いと希土類磁石用合金に水素が十分吸蔵されないからである。
水素吸蔵工程(ステップS13)では、希土類磁石用合金が均質化熱処理された後、水素分圧P1の水素雰囲気中において温度T0で時間t1の間保持することによって、希土類磁石用合金の結晶格子中に水素が吸蔵される。この水素吸蔵工程(ステップS13)の段階では、希土類磁石用合金の結晶格子中に水素が吸蔵されているだけで、希土類磁石用合金は水素を吸蔵したことによって分解していない。
水素雰囲気下で希土類磁石用合金に水素を吸蔵させた後、HD工程(ステップS14)に移行する。
<水素化分解(HD)工程:ステップS14>
HD工程(ステップS14)は、水素を吸蔵させた希土類磁石用合金を水素化分解させて分解生成物を得る工程である。HD工程(ステップS14)では、水素を吸蔵させた希土類磁石用合金は、水素分圧をP2とした水素雰囲気中、温度T0よりも高い温度T1で時間t2の間保持される。これにより、希土類磁石用合金は水素を吸蔵しているため、原料合金は、自身の異なる相間における水素吸蔵量の相違により自己崩壊して、水素化分解され、分解生成物が生成される。
水素分圧P2は10kPa以上100kPa以下であることが好ましい。温度T1は700℃以上850℃以下であることが好ましい。炉内で水素分圧P2、温度T1を上記条件として水素化分解を行うことによって、希土類合金粉末を得ることができる。
水素分圧P2が10kPa未満であると、原料合金の水素化分解が十分に進行しない虞があり、水素分圧P2が100kPaを超えると、水素化分解の速度が速すぎて希土類合金粉末の異方性が低下するからである。
温度T1が700℃未満であると、原料合金の水素化分解が十分に進行しない虞があり、温度T1が850℃を超えると、分解生成物(水素化物)が得られ難くなるからである。
時間t2は0.5時間以上600時間以下であることが好ましい。時間t2が0.5時間未満であると、原料合金の水素化分解が十分に進行しない虞があり、時間t2が600時間を超えると水素化分解が進行しすぎて希土類合金粉末の異方性が低下するからである。
原料合金がHD反応で分解して得られる分解生成物は、RHxなどの水素化物、α−Fe及びFe2Bなどの鉄化合物を含んでいる。分解生成物は、数百nmの微細なマトリックスを形成している。原料合金を水素化分解し、分解生成物を得た後、昇温工程(ステップS15)に移行する。
<昇温工程:ステップS15>
昇温工程(ステップS15)は、HD工程(ステップS14)における雰囲気の温度を温度T1から温度T1よりも高い温度T2に昇温する工程である。昇温工程(ステップS15)では、分解生成物の温度を温度T1から温度T2に時間t3の間、昇温している。温度T2は、温度T1よりも高く、750℃以上950℃以下であることが好ましい。また、昇温速度は特に制限されるものではない。昇温工程(ステップS15)の時間t3は、例えば1秒以上100秒以下である。温度を温度T1からT2に昇温した後、DR工程(ステップS16)に移行する。
<脱水素再結合(DR)工程:ステップS16>
DR工程(ステップS16)は、得られた分解生成物から水素を放出させ、分解生成物の水素濃度を低減し、希土類合金粉末を得る工程である。本実施形態では、DR工程(ステップS16)は、第1のDR工程(ステップS16−1)と第2のDR工程(ステップS16−2)とを含む。本実施形態では、DR工程(ステップS16)は、第1のDR工程(ステップS16−1)と第2のDR工程(ステップS16−2)との2つの工程からなるが、本発明はこれに限定されるものではなく、DR工程(ステップS16)は1段階のみでもよく、3段階以上行なうようにしてもよい。
(第1の脱水素再結合(DR)工程:ステップS16−1)
第1のDR工程(ステップS16−1)は、温度T1よりも高い温度T2で、時間t4の間、水素分圧を減圧してP3とし、分解生成物から水素を放出させ、分解生成物の水素濃度を低減させる工程である。この工程によって、HD工程(ステップS14)で得られた分解生成物のマトリックス中に希土類合金の核が生成すると考えられる。
分解生成物からの水素の放出速度は、水素を放出させる前の分解生成物全体の質量を基準として、0.4質量%/分以上13質量%/分以下であることが好ましく、より好ましくは1.3質量%/分程度とする。水素の放出速度が0.4質量%/分未満であると、水素の放出に時間がかかりすぎて得られる希土類合金粉末の保磁力HcJが低下してしまうからである。水素の放出速度が13質量%/分を超えると、分解生成物からの水素の放出速度が大きいため分解生成物の水素濃度を制御することが困難となるからである。水素の放出速度を上記範囲とすることで、希土類合金の核はより均一になる。
分解生成物からの水素の放出速度は、雰囲気中の水素分圧の降下速度を制御することによって調整することができる。即ち、水素分圧の降下速度を大きくすることで、分解生成物からの水素の放出速度を大きくすることができる。水素分圧の降下速度は、例えばArガスなど不活性ガスを導入したり、バルブの開度を制御しながら真空ポンプで減圧したりすることによって調整することができる。第1のDR工程(ステップS16−1)における水素分圧の降下速度は、2kPa/分以上10kPa/分以下とすることが好ましく、4kPa/分程度が最も好ましい。
第1のDR工程(ステップS16−1)における雰囲気の水素分圧P3は、分解生成物から水素を安定して放出し、希土類磁石用合金の核をより均一に生成するため、6kPa程度であることが好ましい。
第1のDR工程(ステップS16−1)における分解生成物の温度T2は、温度T1よりも高く、750℃以上950℃以下であることが好ましく、800℃以上900℃以下であることがより好ましく、850℃前後が更に好ましい。分解生成物の温度T2を、温度Tよりも高くすることによって、分解生成物から水素が抜けやすくなり、希土類合金の核をより均一に生成させることができる。
温度T2が750℃未満であると、分解生成物からの水素の放出速度を十分に大きくすることができず、水素が残存してしまうからである。一方、温度T2が950℃を超えると、希土類合金粉末の異常粒成長が起こりやすくなるからである。
第1のDR工程(ステップS16−1)の時間t4は、例えば0.1時間から0.5時間が好ましいが、時間t4は分解生成物からの水素の放出速度に応じて適宜調整する。炉内の温度を温度T2として時間t4の間、脱水素再結合させた後、第2のDR工程(ステップS16−2)に移行する。
(第2の脱水素再結合(DR)工程:ステップS16−2)
第2のDR工程(ステップS16−2)は、温度T2で、時間t5の間、水素分圧を更に減圧してP4とし、第1のDR工程(ステップS16−1)よりも分解生成物からの水素の放出速度を小さくして分解生成物から水素を放出させ、分解生成物の水素濃度を更に低減し、希土類合金粉末を得る工程である。
第2のDR工程(ステップS16−2)の温度は、第1のDR工程(ステップS16−1)における温度T2と同じにすることが好ましい。これによって、分解生成物からの水素の放出を円滑に進行させることができる。
第2のDR工程(ステップS16−2)の時間t5は、例えば0.3時間から5時間とするのが好ましいが、時間t5は分解生成物からの水素の放出速度に応じて適宜調整する。
また、第2のDR工程(ステップS16−2)における水素分圧の降下速度は、0.01kPa/分以上0.2kPa/分以下とすることが好ましく、0.1kPa/分程度とすることが最も好ましい。第2のDR工程(ステップS16−2)の水素分圧の降下速度は第1のDR工程(ステップS16−1)における水素分圧の降下速度よりも小さくすることで、第2のDR工程(ステップS16−2)における分解生成物からの水素放出速度は第1のDR工程(ステップS16−1)における分解生成物からの水素放出速度よりも小さくすることができる。これにより、希土類合金の結晶粒はより均一に成長されると考えられる。
第2のDR工程(ステップS16−2)における雰囲気の水素分圧P4は1Pa程度とする。これにより、分解生成物の水素量が希土類合金粉末の磁気特性に影響ない程度にまで放出される。
温度を温度T2として時間t5の間、分解生成物は脱水素再結合された後、不活性ガス冷却工程(ステップS17)に移行する。
<不活性ガス冷却工程:ステップS17>
不活性ガス冷却工程(ステップS17)は、冷却用の不活性ガスによりHDDR反応で得られた希土類合金粉末を室温にまで冷却する工程である。不活性ガスとしては、例えば、Arガス、N2ガスなどが用いられる。不活性ガスによりHDDR反応で得られた希土類合金粉末を室温まで冷却した後、前記不活性ガスの供給を停止し、希土類合金粉末を得る。
得られた希土類合金粉末は、更に粉砕し、50μmから300μm以下の粉末状の希土類合金粉末に調製することができる。希土類合金粉末は、スタンプミル又はジョークラッシャーなどの粉砕手段を用いて粉砕した後、篩分けすることが好ましい。希土類合金粉末を粉砕して得られる原料粉末を成形した後、その成形体に着磁することにより永久磁石となる。
以上の工程によって、製造される希土類磁石用合金は、水素を吸蔵させる際、希土類合金粉末内にクラックが生じるのを抑制することができるため、この希土類磁石用合金を用いることで主相の主成分であるRやFeの酸化が抑制された希土類合金粉末を得ることができる。この結果、希土類合金粉末を用いて製造される永久磁石は高い磁気特性を有する。
本実施形態に係る希土類磁石用合金を用いた希土類合金粉末の製造方法として、希土類磁石用合金に水素を吸蔵させた後、HDDR法を用いて吸蔵させた水素を放出させて粉砕し希土類合金粉末を得るようにしているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、粉砕機などを用いて粉砕して希土類合金粉末を得るようにしてもよい。
このように、本実施形態に係る希土類磁石用合金を用いた希土類合金粉末の製造方法は、合金組成がRxTyBzの原料合金の合金溶湯を鋳造してR2Fe14B相の希土類磁石用合金を製造する際、合金組成がRxTyBzの合金を均質化熱処理後に冷却する際、1000℃から650℃の温度範囲における冷却時間を3分以上として冷却することで作製した希土類磁石用合金の粒界相にはR相の他にR1+δ44相が分散した組織構造を形成することができる。この粒界相に存在するR1+δ44相の割合を増やすことで、希土類磁石用合金に水素吸蔵させる際、主相と粒界相との体積変化の差を小さくすることができる。このため、希土類合金粉末内にクラックが生じるのを抑制することができるので、主相の主成分であるRやFeの酸化が抑制された希土類合金粉末を得ることができる。
この希土類合金粉末を、希土類焼結磁石用や希土類ボンド磁石用の合金粉末として用いることで、高い磁気特性を有する永久磁石を製造することが可能となる。即ち、上記製造方法によって得られる希土類合金粉末を用いて永久磁石を作製すれば、高い保磁力HcJを有するなど優れた磁気特性を有する永久磁石を得ることができる。また、希土類合金粉末は磁気的異方性を有することで更に高い磁気特性を有し、かつ異方性を有する永久磁石の磁石粉末としても好適に用いることができる。
<永久磁石>
永久磁石の好適な実施形態について説明する。永久磁石としては、例えば、希土類ボンド磁石や希土類焼結磁石が挙げられる。希土類ボンド磁石は樹脂を含む樹脂バインダーと磁石粉末とを混練して得られる希土類ボンド磁石用コンパウンド(組成物)を所定の形状に成形して得られる磁石である。希土類焼結磁石は希土類合金粉末を所定の形状に成形した後に焼結して得られる磁石である。希土類ボンド磁石や希土類焼結磁石は、各々、成形する際、等方性、異方性とすることができる。等方性希土類ボンド磁石や等方性希土類焼結磁石は各々成形する際、磁場を印加しないで希土類合金粉末を成形することにより得られる。異方性希土類ボンド磁石や異方性希土類焼結磁石は成形する際、磁場を印加して希土類合金粉末を一定方向に配向させながら成形することにより得られる。
(希土類ボンド磁石)
希土類ボンド磁石の製造方法の一例について説明する。樹脂を含む樹脂バインダーと希土類合金粉末とを例えば加圧ニーダー等の加圧混練機で混練して樹脂バインダーと本実施形態に係る希土類磁石用合金を用いて製造される希土類合金粉末とを含む希土類ボンド磁石用コンパウンド(組成物)を調製する。樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系のエラストマー、アイオノマー、エチレンプロピレン共重合体(EPM)、エチレン−エチルアクリレート共重合体等の熱可塑性樹脂がある。なかでも、圧縮成形をする場合に用いる樹脂は、熱硬化性樹脂が好ましく、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂がより好ましい。また、射出成形をする場合に用いる樹脂は熱可塑性樹脂が好ましい。また、希土類ボンド磁石用コンパウンドには、必要に応じて、カップリング剤やその他の添加材を加えてもよい。
また、希土類ボンド磁石における希土類合金粉末と樹脂との含有比率は、希土類合金粉末100質量%に対して、樹脂を例えば0.5質量%以上20質量%以下含むことが好ましい。希土類合金粉末100質量%に対して、樹脂の含有量が0.5質量%未満であると、保形性が損なわれる傾向があり、樹脂が20質量%と超えると、十分に優れた磁気特性が得られ難くなる傾向がある。
上述の希土類ボンド磁石用コンパウンドを調製した後、この希土類ボンド磁石用コンパウンドを射出成形することにより、希土類合金粉末と樹脂とを含む希土類ボンド磁石を得ることができる。射出成形により希土類ボンド磁石を作製する場合、希土類ボンド磁石用コンパウンドを、必要に応じてバインダー(熱可塑性樹脂)の溶融温度まで加熱し、流動状態とした後、この希土類ボンド磁石用コンパウンドを所定の形状を有する金型内に射出して成形を行う。その後、冷却し、金型から所定形状を有する成形品(希土類ボンド磁石)を取り出す。このようにして希土類ボンド磁石が得られる。希土類ボンド磁石の製造方法は、上述の射出成形による方法に限定されるものではなく、例えば希土類ボンド磁石用コンパウンドを圧縮成形することにより希土類合金粉末と樹脂とを含む希土類ボンド磁石を得るようにしてもよい。圧縮成形により希土類ボンド磁石を作製する場合、上述の希土類ボンド磁石用コンパウンドを調製した後、この希土類ボンド磁石用コンパウンドを所定の形状を有する金型内に充填し、圧力を加えて金型から所定形状を有する成形品(希土類ボンド磁石)を取り出す。金型にて希土類ボンド磁石用コンパウンドを成形し、取り出す際には、機械プレスや油圧プレス等の圧縮成形機を用いて行なわれる。その後、加熱炉や真空乾燥炉などの炉に入れて熱をかけることにより硬化させることで、希土類ボンド磁石が得られる。
成形して得られる希土類ボンド磁石の形状は特に限定されるものではなく、用いる金型の形状に応じて、例えば平板状、柱状、断面形状がリング状等、希土類ボンド磁石の形状に応じて変更することができる。また、得られた希土類ボンド磁石は、その表面上に酸化層や樹脂層等の劣化を防止するためにめっきや塗装を施すようにしてもよい。
本実施形態の希土類磁石用合金を用いて製造される希土類合金粉末は、主相の主成分であるRやFeの酸化が抑制されているため、高い保磁力HcJを有する。このため、この希土類合金粉末を用いて得られた希土類ボンド磁石は、高い保磁力HcJを有するなど優れた磁気特性を有することができる。
希土類ボンド磁石用コンパウンドは目的とする所定の形状に成形する際、磁場を印加して成形して得られる成形体を一定方向に配向させるようにしてもよい。これにより、希土類ボンド磁石が特定方向に配向するので、より磁性の強い異方性希土類ボンド磁石が得られる。
(希土類焼結磁石)
希土類焼結磁石の製造方法の一例について説明する。上述のように、本実施形態の希土類磁石用合金を用いて得られる希土類合金粉末を、例えばプレス成形などにより目的とする所定形状に成形する。希土類合金粉末を成形して得られる成形体の形状は特に限定されるものではなく、用いる金型の形状に応じて、例えば平板状、柱状、断面形状がリング状等、希土類焼結磁石の形状に応じて変更することができる。
次いで、成形体を、例えば、真空中又は不活性ガスの存在下、1000℃から1200℃の温度で、1時間から10時間加熱処理して焼成する。これにより、焼結体(希土類焼結磁石)が得られる。焼成後、得られた希土類焼結磁石を焼成時よりも低い温度で保持することなどによって、希土類焼結磁石に時効処理を施す。時効処理は、例えば、700℃から900℃の温度で1時間から3時間、更に500℃から700℃の温度で1時間から3時間加熱する2段階加熱や、600℃付近の温度で1時間から3時間加熱する1段階加熱等、時効処理を施す回数に応じて適宜処理条件を調整する。このような時効処理によって、希土類焼結磁石の磁気特性を向上させることができる。
得られた希土類焼結磁石は、所望のサイズに切断したり、表面を平滑化することで、所定形状の希土類焼結磁石としてもよい。また、得られた希土類焼結磁石は、その表面上に酸化層や樹脂層等の劣化を防止するためめっきや塗装を施すようにしてもよい。
上述したように、本実施形態の希土類磁石用合金を用いて製造される希土類合金粉末は、主相の主成分であるRやFeの酸化が抑制されているため、高い保磁力HcJを有する。このため、この希土類合金粉末を用いて得られた希土類焼結磁石は、高い保磁力HcJを有するなど優れた磁気特性を有することができる。
また、希土類合金粉末を目的とする所定の形状に成形する際、磁場を印加して成形して得られる成形体を一定方向に配向させるようにしてもよい。これにより、希土類焼結磁石が特定方向に配向するので、より磁性の強い異方性希土類焼結磁石が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形、種々の組み合わせが可能であり、永久磁石以外について同様に適用することができる。
本発明の内容を実施例及び比較例を用いて以下に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜7、比較例1、2>
所定の組成を有するNd2(Fe、Co)14B原料合金(粒径30.0mm程度、以下、「原料合金」という。)をストリップキャスト(SC)法を用いて調製した。Nd2(Fe、Co)14B原料合金の組成比と、Nd1+δ44相の体積%と、Nd相の体積%と、Nd相の体積%とNd1+δFe44相の体積%との和に対するNd1+δFe44相の体積%の割合(以下、「Nd1+δ44相の質量比」という。)とを表1に示す。本実施例は図7に示すフローチャートに従って行なったものである。尚、表1では、Nd1+δ44相の質量比は、「Nd1+δFe44相/(Nd相+Nd1+δFe44相)」と表示する。
この原料合金は上述の元素の他に微量の不可避不純物(原料合金全体の0.2〜0.3質量%)を含んでいた。上記のように調整した原料合金を、Ar雰囲気中において高周波溶解によって溶融し、合金溶湯を形成し、この合金溶湯を1350℃に保持した(図7中、希土類磁石用合金鋳造工程(ステップS11))。その後、1350℃に保持された合金溶湯を例えば単ロール法によって冷却し、例えば厚さ約0.3mm以上1.0mm以下のフレーク状合金鋳片とする。この合金鋳片を真空中、1000℃から1200℃の温度範囲で24時間保持した(図7中、均質化熱処理工程(ステップS12−1))。均質化熱処理後の希土類磁石用合金を、Arガスをフローさせることによって冷却し、1000℃から650℃の温度範囲における冷却時間を3分以上とし(図7中、冷却工程(ステップS12−2)、スタンプミルを用いて粉砕し、篩分けを行って粉末状(粒径1mmから2mm)の希土類磁石用合金を得た。
この希土類磁石用合金をモリブデン製の容器に充填し、赤外線加熱方式を有する管状熱処理炉に装填した。その後、管状熱処理炉内に水素ガスを導入し、水素雰囲気下、水素分圧100kPa程度とし、100℃程度で2時間放置し、原料合金に水素を吸蔵した(図7中、水素吸蔵工程(ステップS13))。その後、希土類磁石用合金は以下に示す条件でHDDR法による処理(HDDR処理)を施した。HDDR処理のフローチャートは図7に示すHD工程(ステップS14)からDR工程(ステップS16)に示す通りである。
希土類磁石用合金に水素を吸蔵させた後、HDDR処理を行った。炉内の水素分圧を下げるとともに炉内温度を10℃/秒で昇温し、水素ガスを吸蔵した希土類磁石用合金を、水素分圧40kPa、温度800℃の条件で1.5時間保持した(図7中、HD工程(ステップS14))。これによって、希土類磁石用合金を水素化分解させて分解生成物を得た。
その後、炉内温度を10℃/秒で850℃まで昇温した(図7中、昇温工程(ステップS15))。炉内温度を850℃まで昇温した後、真空ポンプを用いて水素ガスを排気し、炉内の圧力(水素分圧)を4kPa/分の速度で下げて6kPaとし、約10分間、分解生成物に含まれる水素の放出を開始した(図7中、第1のDR工程(ステップS16−1))。
分解生成物から、水素を放出させる前の分解生成物全体の質量を基準として、1.33質量%/分の水素放出速度で水素を放出させて、分解生成物中の水素濃度を低減した。
その後、炉内からの水素ガスの排気速度を変更して、炉内圧力(水素分圧)の降下速度を0.1kPa/分とした。これによって、分解生成物からの水素放出速度を、水素を放出させる前の分解生成物全体の質量を基準として0.35質量%/分に調整した。その後、炉内の圧力(=水素分圧)が1Pa未満になるまで、水素の放出を40分から50分間継続して行うことにより、分解生成物から水素をほぼ完全に除去した(図7中、第2のDR工程(ステップS16−2))。
炉内の圧力(水素分圧)が1Paとなった時点で、水素の放出を停止した。その後、炉内を室温(約20℃程度)まで冷却し、HDDR処理がされた希土類合金粉末を得た。この希土類合金粉末を磁石成形用の磁石粉末として用いた。
<磁気特性の評価>
実施例1〜7、比較例1、2の各々において得られた磁石粉末(希土類合金粉末)を、不活性雰囲気中で乳鉢を用いて粉砕し、篩い分けを行って、53μmから212μmに篩い分けた。その後、磁石粉末とパラフィンとをケースに詰め、パラフィンを融解させた状態で磁場を1Tesla印加して磁石粉末を配向させて希土類ボンド磁石を成形した。その磁石粉末の配向方向と平行な方向に6Teslaのパルス磁場を印加し、振動試料型磁力計(VSM)を用いて磁化−磁場曲線を測定して磁気特性を測定した。磁気特性として残留磁束密度Br、保磁力HcJ、最大磁気エネルギーBHmaxを測定した。測定した磁気特性の測定結果を上記表1に示す。
表1に示すように、Nd、Fe、Co、Bを各々所定の組成比とし、Nd1+δ44相の質量比を所定の範囲内(実施例1〜実施例7)としたNd2Fe14CoB原料合金を用いてHDDR法により製造されたNd2Fe14CoB粉末を成形した希土類ボンド磁石は、残留磁束密度Br、保磁力HcJ及び最大磁気エネルギーBHmaxを高くすることができ、特に保磁力HcJを高くすることができることが確認された。よって、希土類合金粉末の製造用に用いるNd2Fe14CoB原料合金のNd、Fe、Co、Bの各々の組成比を所定の範囲内となるようにしつつ、Nd1+δ44相の質量比を所定の範囲内とすることで、得られる永久磁石は保磁力HcJを高くすることができるので、永久磁石として好適に用いることができることが判明した。

Claims (5)

  1. 214B相(RはNdを含む1種類以上の希土類元素を表し、TはFe又はFe及びCoを含む1種以上の遷移金属元素を表す)を含む主相と、
    R相及びR1+δ44相を含む粒界相とを有し、
    前記粒界相におけるR相の体積%とR1+δ44相の体積%との和に対するR1+δ44相の体積%の割合が0.25以上であることを特徴とする希土類磁石用合金。
  2. 合金組成がRxTyBz(xとyとzとは28.0≦x≦34.0、64.5≦y≦71.0、1.0≦z≦1.5の組成比を満たす)の原料合金を用いて得られる請求項1に記載の希土類磁石用合金。
  3. 214B相(RはNdを含む1種類以上の希土類元素を表し、TはFe又はFe及びCoを含む1種以上の遷移金属元素を表す)を含む主相と、R相及びR1+δ44相を含む粒界相とを有する希土類磁石用合金を製造するにあたり、
    合金組成がRxTyBz(xとyとzとは28.0≦x≦34.0、64.5≦y≦71.0、1.0≦z≦1.5の組成比を満たす)の合金溶湯を用いて希土類磁石用合金を鋳造する希土類磁石用合金鋳造工程と、
    前記希土類磁石用合金を均質化させるために融点近傍まで加熱する均質化熱処理工程と、
    前記均質化熱処理工程終了後に冷却する際には、1000℃から650℃の温度範囲内では3分以上冷却する冷却工程と、
    を含むことを特徴とする希土類磁石用合金の製造方法。
  4. 214B相(RはNdを含む1種類以上の希土類元素を表し、TはFe又はFe及びCoを含む1種以上の遷移金属元素を表す)を含む主相と、R相及びR1+δ44相を含む粒界相とを有し、前記粒界相におけるR相の体積%とR1+δ44相の体積%との和に対するR1+δ44相の体積%の割合が0.25以上であることを特徴とする希土類合金粉末。
  5. 請求項4に記載の希土類合金粉末を成形して得られることを特徴とする永久磁石。
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