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JP2011216831A - 沸騰冷却装置 - Google Patents

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JP2011216831A
JP2011216831A JP2010092846A JP2010092846A JP2011216831A JP 2011216831 A JP2011216831 A JP 2011216831A JP 2010092846 A JP2010092846 A JP 2010092846A JP 2010092846 A JP2010092846 A JP 2010092846A JP 2011216831 A JP2011216831 A JP 2011216831A
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hollow
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pipes
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JP2010092846A
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Wakana Nogami
若菜 野上
Yoshimasa Katsumi
佳正 勝見
Takuya Murayama
拓也 村山
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Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
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Abstract

【課題】冷媒の沸騰および凝縮により発熱体を冷却する沸騰冷却装置において、ファンによる強制空冷を用いずに十分な自然対流風を確保して冷却能力を向上することを目的としている。
【解決手段】通信機1に内装された制御基板4の熱を吸収して沸騰気化する冷媒5が封入された冷媒槽6と、冷媒槽6において沸騰気化した冷媒5を冷却して液化させる放熱器7を備え、放熱器7を、冷媒5を流す環状流路断面を有する中空冷媒管路8で構成し、中空冷媒管路8の内周側空間部13に煙突効果によって生じる上昇気流により、中空冷媒管路8を流れる冷媒を冷却することによって十分な自然対流風を確保して冷却能力を向上することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷媒の沸騰および凝縮により発熱体を冷却する沸騰冷却装置に関するものである。
近年、電子機器の小型化高性能化を図る上で、半導体部品の高速処理に伴う発熱量の増加や制御基板への高密度実装化が進み、電子機器からの発熱量は飛躍的に増加している。また世界的な通信需要に対応するため、半導体部品などの高発熱部品を実装した通信機が市街地から離れた山林などの屋外に建てられた鉄塔の上部に設置されるケースが増えている。このような屋外設置型の通信機に搭載される冷却装置には、発熱量増加に対応するための冷却性能の向上とともに、メンテナンス作業を軽減するために耐久性を高めることが要求されている。このような要求に対し、沸騰気化した冷媒をファンによる強制空冷ではなく、自然対流によって冷却する沸騰冷却装置が知られている(例えば、特許文献1)。
以下、従来の沸騰冷却装置について、図15を参照しながら説明する。
図15に示すように、沸騰冷却装置101は、電気回路などに用いられて駆動に伴い熱を発生する発熱体102と、発熱体102の熱を吸収して沸騰気化する冷媒が封入された冷媒槽103と、冷媒槽103の上方に植立された放熱器104を備えている。放熱器104は、断面扁平状の中空筒体からなる複数の放熱筒105を平行に所定の間隔で並べて構成されるもので、これら放熱筒105は、上端が閉じられ、下端が冷媒槽103に開口しているので、発熱体102の熱により沸騰気化した冷媒が上昇して放熱筒105内に導入される。放熱筒105は冷媒蒸気から熱を受け取り大気中に熱を放熱し、熱を奪われた冷媒は液化して放熱筒105内を滴下して冷媒槽103内に戻される。放熱筒105は扁平面が所定の間隔で平行に対向設定されるように垂直の状態で植立されているので、各放熱筒105の外周面から熱を受け取った空気が高温となって上昇し、効率の良い自然対流風による大気への放熱作用が行われる。
特開平8−31996号公報
このような従来の沸騰冷却装置においては、断面扁平状の放熱筒を平行に所定の間隔で対向するように配置し、放熱筒の間の空気に対して両側から放熱して空気を高温にして自然対流を促進するようにしているが、二方向からの放熱のみなので空気の昇温には限界があり、必要な自然対流風を得るための温度差の確保が難しく、また、放熱筒の下端に冷媒槽が設置されているため空気流通に対し抵抗となって自然対流が阻害されるため、発熱量の増加に対して十分な自然対流風を確保することができず冷却能力が不足するという課題があった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ファンによる強制空冷を用いずに、十分な自然対流風を確保して冷却能力を向上することができる沸騰冷却装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明は、駆動に伴い大量の熱を発生する発熱体を有する電子機器に取り付けられ、前記発熱体の熱を吸収して沸騰気化する冷媒が封入された冷媒槽と、前記冷媒槽において沸騰気化した冷媒を冷却して液化させる放熱器を備え、前記放熱器が、冷媒を流す環状流路断面を有する中空冷媒管路を備え、前記中空冷媒管路の内周側空間部に煙突効果によって生じる上昇気流によって、前記中空冷媒管路内を流れる冷媒を冷却するものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、冷媒が流れる環状流路断面を有する中空冷媒管路の内周側空間部に煙突効果によって生じる上昇気流によって、中空冷媒管路内を流れる冷媒を冷却する構成としたことにより、ファンによる強制空冷を用いずに、煙突効果によって十分な自然対流風を確保して冷却能力を向上するという効果を得ることができる。
本発明の実施の形態1の通信機の設置状態を示す構成図 同実施の形態1の通信機および沸騰冷却装置を示す斜視図 同実施の形態1の通信機および沸騰冷却装置の概略断面を示す構成図 同実施の形態1の中空冷媒管路の流路断面を示す構成図((a)流路断面形状が円環状の場合の流路断面を示す構成図、(b)流路断面形状が矩形環状の場合の流路断面を示す構成図) 同実施の形態1の内周側空間部の相当直径寸法と内周側空間部に煙突効果によって生じる上昇気流の風速の関係を示すグラフ 同実施の形態1の中空冷媒管路の流路断面を示す構成図((a)冷媒流路内周面に細溝を設けた場合の流路断面を示す構成図、(b)冷媒流路外周面に細溝を設けた場合の流路断面を示す構成図、(c)内周側空間部側に放熱フィンを設けた場合の流路断面を示す構成図、(d)外周側に放熱フィンを設けた場合の流路断面を示す構成図) 同実施の形態1の中空冷媒管路の断面を示す構成図((a)冷媒流路を冷媒の流れ方向において複数に分割した場合の流路断面を示す構成図、(b)分割流路の各々に冷媒が均一に流れるように整流板を形設した場合の縦断面を示す構成図) 同実施の形態1の中空冷媒管路の部分正面概略図((a)中空冷媒管路内に螺旋状流路形成板を設けた場合の部分正面概略図、(b)中空冷媒管路内に階段状流路形成板を設けた場合の部分正面概略図) 同実施の形態1の通信機および沸騰冷却装置を示す構成図 本発明の実施の形態2の沸騰冷却装置の概略構成図((a)沸騰冷却装置の縦断面を示す構成図、(b)沸騰冷却装置の上面を示す構成図) 本発明の実施の形態3の沸騰冷却装置の概略構成図((a)沸騰冷却装置の縦断面を示す構成図、(b)沸騰冷却装置の上面を示す構成図) 本発明の実施の形態4の中空冷媒管路を示す構成図((a)中空冷媒管路に円形状の孔を設けた場合の沸騰冷却装置を示す構成図、(b)中空冷媒管路に矩形状の孔を設けた場合の沸騰冷却装置を示す構成図) 本発明の実施の形態5の通信機および沸騰冷却装置を示す構成図 本発明の実施の形態6の通信機および沸騰冷却装置を示す構成図 従来の沸騰冷却装置の概略構成図
本発明の請求項1記載の沸騰冷却装置は、駆動に伴い大量の熱を発生する発熱体を有する電子機器に取り付けられ、前記発熱体の熱を吸収して沸騰気化する冷媒が封入された冷媒槽と、前記冷媒槽において沸騰気化した冷媒を冷却して液化させる放熱器を備え、前記放熱器が、冷媒を流す環状流路断面を有する中空冷媒管路を備え、前記中空冷媒管路の内周側空間部に煙突効果によって生じる上昇気流によって、前記中空冷媒管路を流れる冷媒を冷却するという構成を有する。
これにより煙突効果、すなわち冷媒槽において発熱体の熱を吸収して沸騰気化した冷媒が中空冷媒管路の環状流路を流れ、環状流路の内周壁面を介して中空冷媒管路の内周側空間部に放熱することにより、内周側空間部内の空気温度が上昇して中空冷媒管路外部の空気との温度差が発生し、この温度差に伴う空気の密度差により内周側空間部内の高温空気が上昇して中空冷媒管路外部の低温空気と入れ替わること、により上昇気流が発生するので、十分な自然対流風が得られ冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路の両端に冷媒が流入する冷媒流入口と冷媒が流出する冷媒流出口を各々設け、前記冷媒流入口が前記冷媒流出口よりも上方に位置するように前記中空冷媒管路を配設する構成とすれば、中空冷媒管路を流れて凝縮液化した冷媒が、気相冷媒との比重の差によって速やか下方に移動して冷媒流出口から流出するので、液冷媒の滞留による冷却性能の低下を抑制することができる。
また、冷媒槽と冷媒流入口を連通する冷媒蒸気管と、冷媒槽と冷媒流出口を連通する冷媒液管を備え、前記冷媒蒸気管および前記冷媒液管を、中空冷媒管路の内周側空間部に生じる上昇気流を妨げないように、前記中空冷媒管路の外周側に配設する構成とすれば、空気抵抗の増加による自然対流量の減少に伴う冷却性能の低下を抑制することができる。
また、冷媒蒸気管の流路断面積を冷媒液管の流路断面積よりも大きくする構成とすれば、比体積の大きい気相冷媒が流れる冷媒蒸気管の圧力損失と、比体積の小さい液相の冷媒が流れる冷媒液管の圧力損失の差を小さくでき、安定した冷媒循環を促して冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路の断面形状を円環状に形成する構成とすれば、中空冷媒管路の内周側空間部の通風抵抗を小さくでき、自然対流風の減少に伴う冷却性能の低下を抑制することができる。
また、中空冷媒管路の断面形状を矩形環状に形成する構成とすれば、所定の有効空間容積内の伝熱面積を大きく構成でき、中空冷媒管路内周側空間部への放熱量が増えるので、煙突効果による自然対流風が増加して冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路内の冷媒流路を流通方向において分割する構成とすれば、分割された流路間相互の冷媒移動がなくなり冷媒流路断面方向における冷媒の偏流を抑制することができる。
そして、分割した冷媒流路の各々に冷媒が均一に流れるように整流板を形設する構成とすれば、冷媒からの均一な放熱が可能となり、煙突効果をより高めることができる。
また、中空冷媒管路内の冷媒流路を螺旋状に形成する構成とすれば、この螺旋通路に沿って冷媒が流れるため、中空冷媒管路の流路断面方向における冷媒流量の不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
また、中空冷媒管路の冷媒流路を階段状に形成する構成とすれば、階段通路に沿って冷媒が流れるため、中空冷媒管路の流路断面方向における冷媒流量の不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
また、中空冷媒管路の冷媒流路の内周面に細溝を形成する構成とすれば、冷媒と中空冷媒管路内壁面との熱伝達を促進して冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路の冷媒流路の外周面に細溝を形成する構成とすれば、冷媒と中空冷媒管路外壁面との熱伝達を促進して冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路の内周側空間部に放熱フィンを形設する構成とすれば、内周側空間部に面する壁面と内周側空間部内の空気との熱伝達を促進して冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路の外周側に放熱フィンを形設する構成とすれば、中空冷媒管路外周側壁面と中空冷媒管路周囲の空気との熱伝達を促進して冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路の内周側空間部の相当直径を10ミリメートル以上とする構成とすれば、煙突効果により発生する上昇気流の風速を高めて放熱量を増加させ、冷却能力を向上することができる。
さらに、中空冷媒管路の内周側空間部の相当直径を40ミリメートル未満とする構成とすれば、煙突効果により発生する上昇気流の風速を高めて放熱量を増加させ、冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路の内周側空間部の気流流通方向が略鉛直方向となるように前記中空冷媒管路を配設する構成とすれば、煙突効果により発生する上昇気流が内周側空間部を通過する際の通風抵抗の増加を抑えて冷却性能の低下を抑制することができる。
また、中空冷媒管路を複数設け、前記複数の中空冷媒管路の内周側空間部が相互に重ならないように前記複数の中空冷媒管路を並設する構成とすれば、各々の内周側空間部に発生する上昇気流を中空冷媒管路同士が互いに妨げることなく、これら中空冷媒管路を複数本設けることが可能となるので、相互干渉の影響なく効果的に冷却能力を増加させることができる。
また、複数の中空冷媒管路を相互に間隔を設けて配設する構成とすれば、複数の中空冷媒管路の各々の外周面を放熱面として作用させて冷却能力を向上することができる。
また、複数の中空冷媒管路を直線状に配設する構成とすれば、沸騰冷却装置を薄型に構成することが可能となり設置性を向上することができる。
また、複数の中空冷媒管路を環状に配設する構成とすれば、環状に配設された複数の中空冷媒管路の環状内部の空気が中空冷媒管路の環状内周側壁面からの放熱を受けて温度が上昇し、緩やかな煙突効果が発生するので、自然対流風が増加して冷却能力を向上することができる。
また、複数の中空冷媒管路の各々に冷媒が流入する冷媒流入口と冷媒が流出する冷媒流出口を設け、前記冷媒流入口の上下方向位置が各々同一となるように配設するとともに、前記冷媒流出口の上下方向位置も各々同一となるように配設する構成とすれば、複数の中空冷媒管路のヘッド差を同等にして複数の中空冷媒管路における冷媒流量のばらつきを低減し、冷媒流量不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
また、複数の中空冷媒管路の冷媒流入口と冷媒槽とを各々連通する複数の冷媒蒸気管を設け、前記複数の冷媒蒸気管の長さが同一となるように構成すれば、冷媒槽から複数の中空冷媒管路に至る気相冷媒経路の長さが同等となるので、複数の中空冷媒管路における冷媒流量のばらつきを低減して、冷媒流量不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
また、複数の中空冷媒管路の冷媒流出口と冷媒槽とを各々連通する複数の冷媒液管を設け、前記複数の冷媒液管の長さが同一となるように構成すれば、複数の中空冷媒管路から冷媒槽に至る液相の冷媒経路の長さが同等となるので、複数の中空冷媒管路における冷媒流量のばらつきを低減して、冷媒流量不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
また、複数の中空冷媒管路の冷媒流入口と冷媒槽とを各々連通する複数の冷媒蒸気管と、複数の中空冷媒管路の冷媒流出口と前記冷媒槽とを各々連通する複数の冷媒液管を設け、前記中空冷媒管路に接続されている前記冷媒蒸気管と前記冷媒液管の合計長さが各々同一となるように構成すれば、冷媒槽から複数の中空冷媒管路に至る気相冷媒経路と、複数の中空冷媒管路から冷媒槽に至る液相の冷媒経路との合計長さが同等となるので、複数の中空冷媒管路における冷媒流量のばらつきを低減して冷媒流量不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
また、複数の中空冷媒管路の冷媒流入口同士を連結する蒸気ヘッダと、前記複数の中空冷媒管路の冷媒流出口同士を連結する液ヘッダを設け、前記蒸気ヘッダと冷媒槽を冷媒蒸気管で連通するとともに、前記液ヘッダと前記冷媒槽を冷媒液管で連通する構成とすれば、蒸気ヘッダ内部および液ヘッダ内部において冷媒を均圧化して複数の中空冷媒管路における冷媒流量のばらつきを低減し、冷媒流量不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
また、蒸気ヘッダと冷媒蒸気管との接続部分と、液ヘッダと冷媒液管との接続部分を、複数の中空冷媒管路の配列方向において対向位置となる構成とすれば、蒸気ヘッダに流入した後、各々の中空冷媒管路内を流れて液ヘッダから流出するまでの各々の冷媒経路の長さが同等となるので、各冷媒経路における冷媒流量のばらつきを低減して冷媒流量不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
また、中空冷媒管路を複数の中空管により形成すれば、内周側空間部に面する壁面と内周側空間部内の空気との接触面積が増大し、中空冷媒管路の内壁と中空冷媒管路内を流れる冷媒との接触面積が増大し、かつ内周側空間部の途中から周囲の空気を取り入れることが可能となるので熱伝達を更に促進して冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路に複数の円形状の孔を備える構成とすれば、内周側空間部に面する壁面と内周側空間部内の空気との接触面積が増大し、中空冷媒管路の内壁と中空冷媒管路内を流れる冷媒との接触面積が増大し、かつ内周側空間部の途中から周囲の空気を取り入れることが可能となるので熱伝達を更に促進して冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路に複数の矩形状の孔を備える構成とすれば、内周側空間部に面する壁面と内周側空間部内の空気との接触面積が増大し、中空冷媒管路の内壁と中空冷媒管路内を流れる冷媒との接触面積が増大し、平易な構成で内周側空間部の途中から周囲の空気を取り入れることが可能となるので熱伝達を更に促進して冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路に周囲から空気を導入させる導入筒を備える構成とすれば、中空冷媒管路の内周側空間部に周囲からの空気が導入しやすくなり、十分な自然対流風が得られ冷却能力を向上することができる。
また、中空冷媒管路に周囲から流入する空気を調整する空気量調整筒を備える構成とすれば、中空冷媒管路の内周側空間部に周囲からの空気が流入する空気量を調節することができ、通信機の温度が所定の温度以上に冷却されることを防ぎ、沸騰冷却装置の信頼性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、電子機器の代表の一つである携帯電話の通信機1は、郊外の僻地や山林の奥地に建てられた鉄塔2の上部にアンテナ3とともに設置されている。この通信機1は、アンテナ3を通じて端末である携帯電話との送受信を無線で行い、各端末間での通話や通信を中継する役割を担うことによって電話通信網を構築している。
また図2、図3に示すように、通信機1の内部には、発熱体として半導体部品や集積回路などの高発熱部品が高密度に実装された制御基板4が搭載されており、この制御基板4の背面側に冷媒5が封入された冷媒槽6が密着状態で取付けられている。この冷媒槽6の上方には、冷媒5の熱を外部に放熱させるための放熱器7が設けられており、この放熱器7は、冷媒5が流れる円環状の流路断面を有する煙突状の中空冷媒管路8から構成されている。この中空冷媒管路8は円環状の流路断面を流れる冷媒5の流通方向が鉛直方向となるように形成されている。
また、中空冷媒管路8の上端側面には冷媒5を流入させるための冷媒流入口9が開設されており、また、中空冷媒管路8の下端側面には冷媒5が流出する冷媒流出口10が開設されている。冷媒流入口9は冷媒蒸気管11を通じて冷媒槽6の上部と連通状態に接続されており、また、冷媒流出口10は冷媒液管12により冷媒槽6の下部と連通状態に接続されている。
ここで通信機1が駆動すると、制御基板4に実装されている半導体部品や集積回路が発熱して大量の熱が発生する。発生した熱は、制御基板4の背面側から冷媒槽6内部に伝達して冷媒槽6内の冷媒5を加熱する。制御基板4で発生した熱を吸収した冷媒5は、沸騰気化してガス状態となり、冷媒槽6の上部に接続された冷媒蒸気管11を通じて冷媒流入口9から中空冷媒管路8に流入する。
中空冷媒管路8に流入した気相状態の冷媒5は、円環状断面の流路を流れて流路外部の空気に放熱する。特に中空冷媒管路8の円環状断面流路の内周側空間部13には、周囲全面から冷媒5の放熱を受けるため、内周側空間部13内の空気温度が中空冷媒管路8周辺の空気に比して上昇し密度差が発生する。この密度差により内周側空間部13内の空気が上昇し、いわゆる煙突効果による上昇気流14が発生する。
中空冷媒管路8内を流れる冷媒5は、この上昇気流14によって冷却されて液化する。液化した冷媒5は、その自重によって中空冷媒管路8内を下方に移動して冷媒流出口10から冷媒液管12を通って冷媒槽6に戻る。冷媒槽6に戻った液相状態の冷媒5は、再び制御基板4で発生した熱を吸収して沸騰気化し、冷媒蒸気管11を通って冷媒流入口9から中空冷媒管路8に流入し外気で冷却されて液化する。このような冷媒5の気液状態変化が繰り返されることにより沸騰冷却装置15が動作し、制御基板4の発熱が外気に放熱されて処理されることになる。
ここで、冷媒流入口9は冷媒流出口10よりも上方に開口しているため、中空冷媒管路8内で凝縮液化した液相の冷媒が気相状態の冷媒との比重の差によって速やかに下方に移動し、冷媒液の滞留が抑制されて円滑な冷媒循環が行われる。また冷媒槽6においても冷媒蒸気管11の接続部が冷媒液管12との接続部よりも上方にあるため、制御基板4の熱により沸騰気化した気相冷媒が滞ることなく上部に移動して冷媒蒸気管11から流出し円滑な冷媒循環を行うことができる。
また、冷媒蒸気管11と冷媒液管12は、いずれも中空冷媒管路8の外周側に設けられているので、内周側空間部13に発生する上昇気流14が妨げられることはなく、十分な自然対流風を確保することができる。さらに、比体積の大きい気相冷媒が流れる冷媒蒸気管11の流路断面積を、比体積が小さい液相の冷媒が流通する冷媒液管12の流路断面積よりも大きくしているので、冷媒蒸気管11と冷媒液管の圧力損失差が小さくなり、安定した冷媒循環が促される。
さらに、煙突状の中空冷媒管路8は、円環状の流路断面を流れる冷媒5の流通方向が鉛直方向になるように配設されているので内周側空間部13内の上昇気流14の流通方向も同様に鉛直方向に設定されるため、煙突効果により発生する上昇気流14が真っ直ぐに立ち上がり内周側空間部13における通風抵抗の増加を抑制することができる。
また、中空冷媒管路8の流路断面形状としては、図4(a)に示すような円環状に限らず、図4(b)に示すように矩形環状に形成することも可能である。中空冷媒管路8の流路断面形状を円環状に形成した場合は、内周側空間部13を上昇気流14が通過する際の通風抵抗が小さくなり、十分な自然対流風を確保することができる。一方、中空冷媒管路8の流路断面形状を矩形環状に形成した場合は、内周側空間部13に面する伝熱面積を大きくすることが容易となり、内周側空間部13への放熱量を増やして、煙突効果による自然対流風を増加させることができる。
また図4(a)において矢符で示す内周側空間部13の内径寸法16は、10ミリメートル以上40ミリメートル未満の範囲で設定することが好ましい。この内周側空間部13の内径寸法16と内周側空間部13に煙突効果によって生じる上昇気流14の風速との関係を図5に示す。
図5のグラフからも明らかなように内径寸法16が10ミリメートル未満だと上昇気流14流通時の通風抵抗が大きくなり自然対流風の風速が低下し、逆に内径寸法16が40ミリメートル以上だと、内周側空間部13の中央部分にまで放熱が十分に行われず空気温度が上昇しないため自然対流風の風量が低下する傾向となる。このように内周側空間部13の内径寸法16は、小さすぎても大きすぎても煙突効果を十分に得ることはできず、10ミリメートル以上40ミリメートル未満に設定することが好ましい。
なお、中空冷媒管路8の流路断面形状が矩形環状の場合には内周側空間部13も矩形状になるが、この場合は、内周側空間部13の矩形寸法から円相当径を算出し、その円相当径を内径寸法16として適用すればよい。
また中空冷媒管路8を、図6(a)に示すように冷媒流路内周面に細溝17を設けたり、図6(b)に示すように冷媒流路外周面に細溝17を設けたり、図6(c)に示すように内周側空間部13側に放熱フィン18を設けたり、図6(d)に示すように外周側に放熱フィン18を設けた構成としてもよい。
図6(a)に示すように中空冷媒管路8の冷媒流路内周面側に細溝17を形成した場合は、冷媒5と中空冷媒管路8の内壁面との熱伝達が促進されて放熱量が増加することになる。また、図6(b)に示すように中空冷媒管路8の冷媒流路の外周面側に細溝17を形成した場合には、冷媒5と中空冷媒管路8の外壁面との熱伝達が促進されて放熱量が増加することになる。
さらに、図6(c)に示すように中空冷媒管路8の内周側空間部13側に放熱フィン18を形設した場合は、内周側空間部13に面する壁面と内周側空間部13内の空気との熱伝達が促進されて放熱量が増加することになる。また、図6(d)に示すように中空冷媒管路8の外周側に放熱フィン18を形設した場合には、中空冷媒管路8の外周側壁面と中空冷媒管路周囲の空気との熱伝達が促進されて放熱量が増加することになる。
内周側空間部13の煙突効果を活用して放熱する場合には、中空冷媒管路8の内壁面との熱伝達が促進される図6(a)、図6(c)が好ましい。
また、図7(a)に示すように中空冷媒管路8内に流路分割板19を設けて、中空冷媒管路8を冷媒5の流れ方向において複数の流路に分割しても良い。このようにすれば流路分割板19によって分割された流路間相互の冷媒移動が無くなり、中空冷媒管路8の冷媒流路断面方向における冷媒5の偏流を抑制することができる。
さらに図7(b)に示すように流路分割板19によって分割された流路各々に冷媒5が均一に流れるように中空冷媒管路8の冷媒流入口9近傍に整流板20を付設する構成としてもよい。このように整流板20を設けた場合には、冷媒5から内周側空間部13へのより均一な放熱が可能となるので煙突効果が高まり自然対流風を増加させることができる。
また、中空冷媒管路8内の環状冷媒流路内に、図8(a)に示す螺旋状流路形成板21や、図8(b)に示す階段状流路形成板22を設けた構成としてもよい。図8(a)に示す螺旋状流路形成板21を設けた場合には、中空冷媒管路8内の冷媒流路が螺旋状に形成されるため、この螺旋状流路形成板21に沿って冷媒5が流れて中空冷媒管路8の冷媒流路断面方向における冷媒流量不均一化が抑制されるともに冷媒5の中空冷媒管路8内の滞在時間が長くなり内周側空間部13への放熱量が増加することになる。
また、図8(b)に示す階段状流路形成板22を設けた場合には、中空冷媒管路8内の冷媒流路が階段状に形成されるため、この階段状流路形成板22に沿って冷媒5が流れて中空冷媒管路8の冷媒流路断面方向における冷媒流量不均一化が抑制されるともに冷媒5の中空冷媒管路8内の滞在時間が長くなり内周側空間部13への放熱量が増加することになる。
また、図9に示すように、中空冷媒管路8を複数の中空管により形成してもよい。このようにすれば、中空冷媒管路8の内周側空間部13に面する壁面の表面積が増大し、内周側空間部13を流れる空気との接触面積が増大する。また中空冷媒管路8を形成する複数の中空管の中を冷媒5が流れるので、冷媒5と中空冷媒管路8の流路内壁との接触面積が増大する。ここで、熱交換量は、低温側流体と高温側流体の温度差および熱交換に寄与する面積に比例する。これにより、熱交換効率が向上し、冷却能力を向上することができる。
また更に、複数の中空管の間隙より周囲の空気を内周側空間部13へ取り込むことができるので、周囲の空気の温度と冷媒5の温度との温度差を大きく保つことができ、熱伝達を更に促進して冷却能力を向上することができる。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。なお実施の形態1と同一部分については、同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
図10(a)、図10(b)に示すように、この沸騰冷却装置15は、同一長さの複数本の中空冷媒管路8が、上下方向から見て円環状に互いに間隔を設けて配列されている。また、この複数の中空冷媒管路8は、各々の内周側空間部13内に発生する上昇気流14の流通方向が鉛直方向になる向きで、上下方向の高さを揃えて配置されている。
これら複数の中空冷媒管路8の上端側面には冷媒5が流入する冷媒流入口9が各々開設されており、また複数の中空冷媒管路8の下端側面には冷媒5が流出する冷媒流出口10が各々開設されている。冷媒流入口9の各々は、上下方向において同一高さに設けられており、また冷媒流出口10の各々も上下方向において同一高さの位置に設けられている。
上下方向から見て円環状に配列された中空冷媒管路8の内周側中央部分には、発熱体である制御基板4の背面側に取り付けられた冷媒槽6が設けられており、この冷媒槽6は、上下方向においては中空冷媒管路8の下方に位置するように設置されている。
また、複数の中空冷媒管路8の冷媒流入口9の各々に、それぞれ冷媒蒸気管11が接続されていて、これら冷媒蒸気管11の逆端側は、おのおの冷媒槽6の上部に接続されている。同様に複数の中空冷媒管路8の冷媒流出口10の各々に、それぞれ冷媒液管12が接続されており、これら冷媒液管12の逆端側が、おのおの冷媒槽6の下部に接続された構成となっている。これら中空冷媒管路8の冷媒流入口9の各々と冷媒槽6の上部を連通している冷媒蒸気管11の各々は全て同じ流路長さとなっており、同様に中空冷媒管路8の冷媒流出口10の各々と冷媒槽6の下部を連通している冷媒液管12も全て同じ流路長さとなっている。
ここで通信機1が駆動すると、制御基板4に実装されている半導体部品や集積回路が発熱して大量の熱が発生する。発生した熱は、制御基板4の背面側から冷媒槽6内部に伝達して冷媒槽6内の冷媒5を加熱する。制御基板4で発生した熱を吸収した冷媒5は、沸騰気化してガス状態となり、冷媒槽6の上部に接続された複数の冷媒蒸気管11の各々を通って冷媒流入口9から複数の中空冷媒管路8に流入する。
円環状に配列された複数の中空冷媒管路8の各々に流入した気相状態の冷媒5は、円環状断面の流路を各々流れて流路外部の空気に放熱する。実施の形態1と同様に各々の中空冷媒管路8の円環状断面流路の内周側空間部13には、周囲全面から冷媒5の放熱を受けるため、内周側空間部13内の空気温度が中空冷媒管路8周辺の空気に比して上昇して密度差が発生し、この密度差により内周側空間部13内の空気が上昇する、いわゆる煙突効果によって上昇気流14が発生する。
これら複数の中空冷媒管路8は、内周側空間部13が相互に重ならないように円環状に並設されており、また、内周側空間部13の気流流通方向が鉛直方向になるように配置されているので、煙突効果により発生する上昇気流14各々が真っ直ぐに立ち上がって、互いの気流に影響を及ぼさずに煙突効果が最大限発揮されることになる。
そして、これら複数の中空冷媒管路8は、互いに間隔を空けて円環状に配設されているので、中空冷媒管路8の各々の外周面が全て放熱面として作用し、中空冷媒管路8の外周側の空気に対しても十分な放熱を行うことができる。さらに、中空冷媒管路8の環状内周側の空気は、複数の中空冷媒管路8の環状内周側の壁面からの放熱を全周方向から受けるため、中空冷媒管路8の環状外周側の空気に比して温度が上昇し緩やかな煙突効果が発生して自然対流風を増加させることができる。
このようにして中空冷媒管路8内を流れる冷媒5は、上昇気流14や環状内周側の空気で冷却されて液化する。液化した冷媒5は、その自重によって中空冷媒管路8内を下方に移動して冷媒流出口10から各々冷媒液管12を通って冷媒槽6に戻る。
ここで、複数の中空冷媒管路8の冷媒流入口9は上下方向において全て同一の高さに開口されており、同様に複数の中空冷媒管路8の冷媒流出口10も上下方向において全て同一の高さに開口されているので、各々の中空冷媒管路8におけるヘッド差が同等となり、複数の中空冷媒管路8の各々を流れる冷媒流量のばらつきが低減されることになる。
また、複数の中空冷媒管路8の冷媒流入口9と冷媒槽6とを各々連通している冷媒蒸気管11は、全て同一長さに構成されているので、各々の冷媒蒸気管11を流れる気相冷媒の圧力損失が均一化し気相冷媒経路の冷媒流量のばらつきが低減されることになる。同様に複数の中空冷媒管路8の冷媒流出口10と冷媒槽6とを各々連通する冷媒液管12も全て同一長さに構成されているので、各々の冷媒液管12を流れる液相の冷媒の圧力損失も均一化し、液相の冷媒経路の冷媒流量のばらつきも低減されることになる。
すなわち、冷媒槽6から冷媒蒸気管11を通って中空冷媒管路8を流れ冷媒液管12を通って冷媒槽6に戻る各々の経路の合計流路長さが同一となるので、これら複数の中空冷媒管路8を流れる冷媒流量のばらつきが低減されて冷媒流量不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
そして冷媒槽6に戻った液相の冷媒5は、再び制御基板4で発生した熱を吸収して沸騰気化し、冷媒蒸気管11を各々通って複数の中空冷媒管路8に流入し再び外気で冷却されて液化する。このような冷媒5の気液状態変化が繰り返されることにより沸騰冷却装置15が動作し、制御基板4の発熱が外気に放熱されて処理されることになる。
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3について説明する。なお実施の形態1および実施の形態2と同一部分については、同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
図11(a)、図11(b)に示すように、この沸騰冷却装置15は、同一長さの複数本の中空冷媒管路8が、上下方向から見て直線状に配列されており、この複数の中空冷媒管路8は、各々の内周側空間部13内に発生する上昇気流14の流通方向が鉛直方向となる向きで、上下方向における設置高さを揃えて配設されている。このように複数の中空冷媒管路8を直線状に配置することにより、沸騰冷却装置15を薄型に構成して設置性を向上させている。
また、これら複数の中空冷媒管路8の上端側面には冷媒5が流入する冷媒流入口9が各々開設されており、この冷媒流入口9の各々を連結する筒状の蒸気ヘッダ23が配設されている。また複数の中空冷媒管路8の下端側面には冷媒5が流出する冷媒流出口10が各々開設されており、これら冷媒流出口10の各々を連結する筒状の液ヘッダ24が配設されている。
この蒸気ヘッダ23および液ヘッダ24により連結固定された複数の中空冷媒管路8の下方には、発熱体である制御基板4の背面側に取り付けられた冷媒槽6が配設されており、冷媒蒸気管11によって蒸気ヘッダ23が冷媒槽6の上部と連通状態に接続され、また、冷媒液管12によって液ヘッダ24と冷媒槽6の下部が連通状態に接続されている。
また、冷媒蒸気管11と蒸気ヘッダ23の接続部である蒸気ヘッダ入口25と、冷媒液管12と液ヘッダ24の接続部である液ヘッダ出口26は、複数の中空冷媒管路8の配列方向において対向位置となるように配置されている。
ここで通信機1が駆動すると、制御基板4に実装されている半導体部品や集積回路が発熱して大量の熱が発生する。発生した熱は、制御基板4の背面側から冷媒槽6内部に伝達して冷媒槽6内の冷媒5を加熱する。制御基板4で発生した熱を吸収した冷媒5は、沸騰気化してガス状態となり、冷媒槽6の上部に接続された冷媒蒸気管11を通って蒸気ヘッダ23に流入する。
蒸気ヘッダ23の内部空間において冷媒5は均圧化し、蒸気ヘッダ23に連結された複数の中空冷媒管路8の各々に冷媒流入口9を通じて流入することになるが、この蒸気ヘッダ23の均圧作用により、複数の中空冷媒管路8の冷媒流入側の冷媒圧力が等しくなるので、複数の中空冷媒管路8に対する冷媒流量の均一化が図られることになる。
これら複数の中空冷媒管路8に流入した気相状態の冷媒5は、実施の形態1と同様に各々の中空冷媒管路8の円環状断面流路の内周側空間部13に煙突効果によって発生する上昇気流14によって効果的に冷却されて液化し、その自重で中空冷媒管路8内を下方に移動して冷媒流出口10から液ヘッダ24に流入する。
複数の中空冷媒管路8を流れてきた液相の冷媒5は液ヘッダ24において合流し均圧化して冷媒液管12に流れることになるが、この液ヘッダ24の均圧作用により、複数の中空冷媒管路8への冷媒流出側の冷媒圧力が等しくなるので、複数の中空冷媒管路8に対して冷媒流量の均一化が図られることになる。
液ヘッダ24で合流した液相の冷媒5は、冷媒液管12を通って冷媒槽6に戻り、制御基板4で発生した熱により再び沸騰気化して冷媒蒸気管11を通り、蒸気ヘッダ23から複数の中空冷媒管路8に分配されて再び外気で冷却されて液化する。このような冷媒5の気液状態変化が繰り返されることにより沸騰冷却装置15が動作し、制御基板4の発熱が外気に放熱されて処理されることになる。
ここで、蒸気ヘッダ入口25と、液ヘッダ出口26は、複数の中空冷媒管路8の配列方向において対向位置となるように配置されているので、蒸気ヘッダ23に流入してから、複数の中空冷媒管路8の各々を通過し、液ヘッダ24で合流して冷媒液管12に流入するまでの、各々の冷媒経路の長さが同等となるので、これら複数の冷媒経路を流れる冷媒流量のばらつきが低減されて冷媒流量不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4について説明する。なお実施の形態1乃至3と同一部分については、同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
図12(a)、図12(b)に示すように、この沸騰冷却装置15は、中空冷媒管路8の内周側と外周側を貫通させる複数の孔27を備え、この孔27により、中空冷媒管路8の内周側空間部13に面する壁面の表面積が増大し、内周側空間部13を流れる空気との接触面積が増大する。また複数の孔27により冷媒5と中空冷媒管路8の流路内壁との接触面積が増大する。これにより、熱交換効率が向上し、冷却能力を向上することができる。
また更に、複数の孔27より周囲の空気を内周側空間部13へ取り込むことができるので、周囲の空気の温度と冷媒5の温度との温度差を大きく保つことができ、熱伝達を更に促進して冷却能力を向上することができる。
また更に、中空冷媒管路8内を流れる冷媒流のばらつきが低減されて冷媒流量不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
ここで、この孔27が図12(a)に示すような円形状の孔27であれば、中空冷媒管路8内を冷媒5が円形状の輪郭に沿って流れるため、冷媒5の流れを大きく妨げることがないので、冷媒流量の不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
また図12(b)に示すような矩形状の孔27であれば、中空冷媒管路8の製造が容易となり、矩形状の孔27を千鳥に配置することにより、冷媒5の流れを大きく妨げることがないので、冷媒流量の不均一化による冷却能力の低下を抑制することができる。
(実施の形態5)
次に本発明の実施の形態5について説明する。なお実施の形態1乃至4と同一部分については、同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
図13に示すように、この沸騰冷却装置15は、周囲の空気を内周側空間部13内へと周囲の空気が流入しやすいように、中空冷媒管路8の鉛直下方に周囲の空気を導入させる導入筒28を備え、この導入筒28は、鉛直下方より鉛直上方へかけて段階的に外径が小さくなる断面が台形状の円柱形状である。導入筒28の材質は、例えば、樹脂、金属であり、耐候性に優れた材質であることが望ましい。
これにより、内周側空間部13内で発生した上昇気流により、内周側空間部13の鉛直下方から流入する空気の流入抵抗が小さくなるので、周囲の空気が内周側空間部13へと流入しやすくなり、自然対流の風量が大きくなることで、冷却能力を向上することができる。
(実施の形態6)
次に本発明の実施の形態6について説明する。なお実施の形態1乃至5と同一部分については、同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
図14に示すように、この沸騰冷却装置15は、内周側空間部13へと流入する空気量を調整することができる空気量調整筒29を備え、この空気量調整筒29は、内部に流路断面積を可変できるように、断面積可変機構、例えば電磁弁や温度感応金属弁を備える。周囲の空気の温度と冷媒5の温度との温度差が所定の値を上回ると、この断面積可変機構が空気量調整筒29内の流路断面積を小さく絞ることで、内周側空間部13へと流入する空気の風量を小さくし、通信機1の温度が所定の温度以上に冷却されることを防ぎ、沸騰冷却装置の信頼性を向上することができる。空気量調整筒29の材質は、例えば、樹脂、金属であり、耐候性に優れた材質であることが望ましい。
ここで、断面積可変機構は、望ましくは周囲の空気の温度が10℃を下回ると除々に空気量調整筒29の流路断面積を絞り始め、周囲の空気の温度が−40℃を下回ると空気量調整筒29の流路断面積を10%以下にするように駆動すると良い。断面積可変機構が電磁弁であれば、容易な構成で制御が可能である。断面積可変機構が温度感応金属弁であれば、外部動力を必要とすることなく、構成が簡易になり、空気量調整筒29の大型化を防ぐことができる。
本発明にかかる沸騰冷却装置は、ファンによる強制空冷を用いずに、煙突効果によって十分な自然対流風を確保して冷却能力を向上することができるものであるので、モータなどの駆動部やフィルターなどのメンテナンス部品などが不要で、鉄塔上部などの高所や市街地から離れた山林など、メンテ作業が困難な場所に設置された通信機器や電源装置などに搭載されている半導体部品などの高発熱部品を冷却する沸騰冷却装置として有用である。
1 通信機
2 鉄塔
3 アンテナ
4 制御基板
5 冷媒
6 冷媒槽
7 放熱器
8 中空冷媒管路
9 冷媒流入口
10 冷媒流出口
11 冷媒蒸気管
12 冷媒液管
13 内周側空間部
14 上昇気流
15 沸騰冷却装置
16 内径寸法
17 細溝
18 放熱フィン
19 流路分割板
20 整流板
21 螺旋状流路形成板
22 階段状流路形成板
23 蒸気ヘッダ
24 液ヘッダ
25 蒸気ヘッダ入口
26 液ヘッダ出口
27 孔
28 導入筒
29 空気量調整筒

Claims (32)

  1. 駆動に伴い大量の熱を発生する発熱体を有する電子機器に取り付けられ、前記発熱体の熱を吸収して沸騰気化する冷媒が封入された冷媒槽と、前記冷媒槽において沸騰気化した冷媒を冷却して液化させる放熱器を備え、前記放熱器が、冷媒を流す環状流路断面を有する中空冷媒管路を備え、前記中空冷媒管路の内周側空間部に煙突効果によって生じる上昇気流によって、前記中空冷媒管路内を流れる冷媒を冷却することを特徴とする沸騰冷却装置。
  2. 中空冷媒管路の両端に冷媒が流入する冷媒流入口と冷媒が流出する冷媒流出口を各々設け、前記冷媒流入口が前記冷媒流出口よりも上方に位置するように前記中空冷媒管路を設けたことを特徴とする請求項1に記載の沸騰冷却装置。
  3. 冷媒槽と冷媒流入口を連通する冷媒蒸気管と、冷媒槽と冷媒流出口を連通する冷媒液管を備え、前記冷媒蒸気管および前記冷媒液管を、中空冷媒管路の内周側空間部に生じる上昇気流を妨げないように、前記中空冷媒管路の外周側に設けたことを特徴とする請求項2に記載の沸騰冷却装置。
  4. 冷媒蒸気管の流路断面積を冷媒液管の流路断面積よりも大きくしたことを特徴とする請求項3に記載の沸騰冷却装置。
  5. 中空冷媒管路の断面形状を円環状に形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  6. 中空冷媒管路の断面形状を矩形環状に形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  7. 中空冷媒管路内の冷媒流路を流通方向において分割したことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  8. 分割した冷媒流路の各々に冷媒が均一に流れるように整流板を設けたことを特徴とする請求項7に記載の沸騰冷却装置。
  9. 中空冷媒管路内の冷媒流路を螺旋状に形成したことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  10. 中空冷媒管路の冷媒流路を階段状に形成したことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  11. 中空冷媒管路の冷媒流路の内周面に細溝を形成したことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  12. 中空冷媒管路の冷媒流路の外周面に細溝を形成したことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  13. 中空冷媒管路の内周側空間部に放熱フィンを設けたことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  14. 中空冷媒管路の外周側に放熱フィンを設けたことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  15. 中空冷媒管路の内周側空間部の相当直径を10ミリメートル以上としたことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  16. 中空冷媒管路の内周側空間部の相当直径を40ミリメートル未満としたことを特徴とする請求項15に記載の沸騰冷却装置。
  17. 中空冷媒管路の内周側空間部の気流流通方向が略鉛直方向となるように前記中空冷媒管路を設けたことを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  18. 中空冷媒管路を複数設け、前記複数の中空冷媒管路の各々の内周側空間部が相互に重ならないように構成したことを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  19. 複数の中空冷媒管路を相互に間隔を空けて設けたことを特徴とする請求項18に記載の沸騰冷却装置。
  20. 複数の中空冷媒管路を直線状に設けたことを特徴とする請求項18に記載の沸騰冷却装置。
  21. 複数の中空冷媒管路を環状に設けたことを特徴とする請求項18に記載の沸騰冷却装置。
  22. 複数の中空冷媒管路の各々に冷媒が流入する冷媒流入口と冷媒が流出する冷媒流出口を設け、前記冷媒流入口の上下方向位置が各々同一となるように構成するとともに、前記冷媒流出口の上下方向位置も各々同一となるように構成したことを特徴とする請求項18に記載の沸騰冷却装置。
  23. 複数の中空冷媒管路の冷媒流入口と冷媒槽とを各々連通する複数の冷媒蒸気管を設け、前記複数の冷媒蒸気管の長さを同一としたことを特徴とする請求項22記載の沸騰冷却装置。
  24. 複数の中空冷媒管路の冷媒流出口と冷媒槽とを各々連通する複数の冷媒液管を設け、前記複数の冷媒液管の長さを同一としたことを特徴とする請求項22記載の沸騰冷却装置。
  25. 複数の中空冷媒管路の冷媒流入口と冷媒槽とを各々連通する複数の冷媒蒸気管と、複数の中空冷媒管路の冷媒流出口と前記冷媒槽とを各々連通する複数の冷媒液管を設け、前記中空冷媒管路に接続されている前記冷媒蒸気管と前記冷媒液管の合計長さを各々同一としたことを特徴とする請求項22記載の沸騰冷却装置。
  26. 複数の中空冷媒管路の冷媒流入口同士を連結する蒸気ヘッダと、前記複数の中空冷媒管路の冷媒流出口同士を連結する液ヘッダを設け、前記蒸気ヘッダと冷媒槽を冷媒蒸気管で連通するとともに、前記液ヘッダと前記冷媒槽を冷媒液管で連通したことを特徴とする請求項22に記載の沸騰冷却装置。
  27. 蒸気ヘッダと冷媒蒸気管との接続部分と、液ヘッダと冷媒液管との接続部分を、複数の中空冷媒管路の配列方向において対向位置となるように構成したことを特徴とする請求項26に記載の沸騰冷却装置。
  28. 中空冷媒管路を複数の中空管により形成したことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  29. 中空冷媒管路に複数の円形状の孔を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  30. 中空冷媒管路に複数の矩形状の孔を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  31. 中空冷媒管路に周囲から空気を導入させる導入筒を備えることを特徴とする請求項1から27のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  32. 中空冷媒管路に周囲から流入する空気量を調整する空気量調整筒を備えることを特徴とする請求項1から27のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
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