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JP2011257001A - 更新配管の施工構造及びこの施工構造に用いられる床スラブ貫通用配管材 - Google Patents

更新配管の施工構造及びこの施工構造に用いられる床スラブ貫通用配管材 Download PDF

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JP2011257001A
JP2011257001A JP2011098023A JP2011098023A JP2011257001A JP 2011257001 A JP2011257001 A JP 2011257001A JP 2011098023 A JP2011098023 A JP 2011098023A JP 2011098023 A JP2011098023 A JP 2011098023A JP 2011257001 A JP2011257001 A JP 2011257001A
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floor slab
pipe
piping
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existing
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JP2011098023A
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Satoru Ichinosawa
哲 市野沢
Tsutomu Ubagai
勉 祖母井
Yoshiaki Kitagawa
喜明 北川
Yukihiro Tsuchida
幸裕 土田
Masakatsu Sakamoto
正勝 坂本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】床スラブを貫通する既設配管を新しい配管に更新する場合に、施工時に騒音、振動、ホコリの発生が少なく、かつ、容易に床スラブ貫通部の防火性を確保することができる更新配管の施工構造及びこの施工構造に用いられる床スラブ貫通用配管材を提供する。
【解決手段】床スラブ貫通用配管材2bの受口22bの下端面が臨む位置に既設配管の引き抜きによって形成された床スラブSの貫通孔Hを囲むようにシーリング剤5を床スラブSの上面に塗着したのち、貫通孔Hの上方から床スラブ貫通用配管材2bの一部に耐火熱膨張性材料3が巻回された直管部22aを貫通孔Hに挿入し、受口22bの下端面でシーリング剤5を挟み込んだ状態に受口22aを床スラブSで受けさせるとともに、耐火熱膨張性材料3を直管部22aの外周面と貫通孔Hの内周面との間で全周にわたって挟み込むようにした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、建物の床スラブを貫通して設けられた既設の給水管あるいは排水管を新しい配管材に更新する更新配管の施工構造及び更新配管の施工構造に用いられる床スラブ貫通用配管材に関する。
建物の新築時では、防火区画である床、壁を貫通して配管する場合は、建物躯体コンクリート打設時にボイド管(紙管)等でスリーブ(配管が貫通する孔、以下、「貫通孔」と記す)を開けておき、この貫通孔に配管を貫通させた後、配管とスリーブの隙間をモルタルで隙間なく充填するのが一般的である。
防火区画とは火災が発生した部屋から隣室もしくは上階への延焼を防止する構造の床または壁で、配管の周囲はモルタル等の不燃材料で隙間無く埋める必要がある。管材も不燃材料または耐火性の高いSGP(鋼管)、鋳鉄管、コーティング鋼管など金属管が使用されている。
ところで、上記のような配管は、耐用年数が経過すると、更新する必要がある。
配管の更新方法としては、以下に説明する図14に示すような方法や図15に示すような方法(特許文献1参照)が従来から用いられている。
〔図14の方法〕
(1)図14(a)に示すように、床スラブSを貫通するように設けられた既設配管Pを床スラブSの上下で切断する。
(2)図14(b)に示すように、床スラブSに支持された状態で残った既設配管の残存部分P1を床スラブSの既設配管の残存部分P1の周囲を削岩機等のはつり機100を用いてはつることによって取り除く。
(3)図14(c)に示すように、既設配管の残存部分P1及びその周囲の床スラブSの一部を取り除くことによって生じた床スラブSの貫通孔H1に新しい配管材P2を挿入したのち、貫通孔H1と配管材P2との隙間にモルタル(図示せず)を充填する。
〔図15の方法〕
(1)図15(a)に示すように、床スラブSを貫通するように設けられた既設配管Pを床スラブSの上下で切断する。
(2)図15(b)に示すように、床スラブSに支持された状態で残った既設配管の残存部分P1を床スラブSの既設配管の残存部分P1の周囲をコアドリル等の切削機200を用いて円筒状に切り抜くことによって既設配管の残存部分P1の周囲の床スラブSの一部とともに、取り除く。
(3)図15(c)に示すように、既設配管の残存部分P1を取り除くことによって生じた床スラブSの貫通孔H1に新しい配管材P2を挿入したのち、貫通孔H1と配管材P2との隙間にモルタル(図示せず)を充填する。
しかしながら、上記のような方法においては、はつり機100で床スラブSをはつる際あるいは切削機200で床スラブSを切削する際に、大きな振動や騒音やホコリが発生するため、以下のような問題がある。
すなわち、上記のような配管の更新方法においては、工事が新築の場合と違い、住民が住みながらの工事となる。したがって、改修配管改修工事発生する騒音、振動、ホコリが住民に多大な不快感を与える。特に高層マンションなどの集合住宅では、多くの住民に不快感を与える。
そこで、図16及び図17に示すような更新方法が提案されている。すなわち、この方法は、図16(b)及び図17に示すように、床スラブSの既設配管の残存部分P1を床スラブSの上に配置した油圧工具300を用いて上方に引き抜くようにしている。
この引き抜き方法を用いれば、上記2つの方法に比べて、既設配管の残存部分P1を除去する際に、騒音、振動、ホコリの発生を極めて少なくできる。
また、既設配管を構成する継手を、床スラブの上下で、ほぼ床スラブの上面及び下面に沿うよう切断し、床スラブを貫通する部分に残った既設配管の残存部分内のさびやスラッジを除去したのち、既設配管の残存部分内径より小径の直管部を有する管継手を、直管部が既設配管の残存部分内に挿通された状態に取り付けるようにした更新方法も提案されている(特許文献2)。
この方法においては、床スラブの上下で既設配管の継手部分を切除するだけ、引き抜き工程も不要となり、さらに、騒音、振動、ホコリの発生を少なくすることができる。
特開2006-200656号公報 特許第4371508号公報
しかしながら、上記のように既設配管の残存部分を引き抜き、この引き抜きによって生じた床スラブを貫通する貫通孔に更新配管を構成する管または管継手を挿通する方法や、既設配管の残存部分を利用する特許文献2の方法の場合、更新用の配管材の、貫通孔あるいは既設配管の残存部分内への挿通部の外径が、貫通孔あるいは既設配管の残存部分の内径より若干小径のものを用いる必要がある。すなわち、同じ外径をしていると、貫通孔あるいは既設配管の残存部分への挿通が困難である。
したがって、そのままでは、貫通孔あるいは既設配管の残存部分と配管材との隙間が生じ、この隙間により、耐火性能の点で問題が生じる。一方、配管材が金属製の場合であれば、挿通部と、貫通孔あるいは既設配管の残存部分との隙間にモルタルを充填すれば、耐火性は確保できるのであるが、隙間が極わずかであるため、うまく充填することが難しい。
本発明は、上記事情に鑑みて、床スラブを貫通する既設配管を新しい配管に更新する場合に、施工時に騒音、振動、ホコリの発生が少なく、かつ、容易に床スラブ貫通部の防火性を確保することができる更新配管の施工構造及びこの施工構造に用いられる床スラブ貫通用配管材を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる更新配管の施工構造(以下、「本発明の施工構造」と記す)は、建築物の床スラブを貫通する既設配管が前記床スラブの上下で切断されることで床スラブに固定されて残った既設配管の残存部分、または、前記床スラブから前記既設配管を引き抜くことによって前記床スラブに生じた貫通孔を介して更新配管の床スラブ貫通部を床スラブに貫通させる更新配管の施工構造であって、前記更新配管は、前記床スラブ貫通部の少なくとも一部に、前記既設配管の残存部分、または、前記貫通孔を介する床スラブの上下の煙流通防止用のシート状またはテープ状耐火材料が巻回されていることを特徴としている。
また、本発明の施工構造は、特に限定されないが、前記シート状またはテープ状耐火材料が、前記既設配管の残存部分または前記貫通孔から上下のいずれかに一部がはみ出た状態で床スラブ貫通部に巻回されていることが好ましい。
すなわち、シート状またはテープ状耐火材料が巻回されているか否かを容易に確認できる。
本発明において、配管材の材質としては、特に限定されないが、鉄鋼、ステンレス鋼などの金属、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン等の樹脂が挙げられ、施工性を考慮すると、樹脂製のものが好ましい。
耐火材料としては、シート状またはテープ状をしていて、上記既設配管の残存部分または貫通孔に挿通されたとき、既設配管の残存部分または貫通孔内にスムーズに挿入でき、挿入後、建築基準法で規定された時間以上の間、床スラブを挟んで一方の階で火災が発生して生じた火災煙が、既設配管の残存部分または貫通孔を介して他の階に流入するのを防止することができれば特に限定されない。
例えば、床スラブ貫通部を構成する配管材が金属管の場合、ロックウールなどの不燃材料でも構わないが、配管材が樹脂管の場合、市販の積水化学工業社製の商品名「フィブロック」などの耐火熱膨張性材料が好ましい。
すなわち、上記のような耐火熱膨張性材料は、火災時に高温に晒されると膨張し始め、厚み方向に5〜20倍発泡し樹脂管が燃えて無くなった部分を埋めていく。
したがって、シート状またはテープ状耐火材料として、耐火熱膨張性材料を用いる場合、巻回厚みは、耐火熱膨張性材料が、火災時の熱によって熱膨張して他の階への煙の流通を防止できれば、耐火熱膨張性材料と、既設配管の残存部分または貫通孔との間に少し隙間が生じた状態でも構わない。すなわち、耐火熱膨張性材料が、床スラブ貫通部と、既設配管の残存部分または貫通孔との間で完全に挟着されている必要がない。なお、この隙間は、上記のように、耐火熱膨張性材料が5〜20倍に発泡するものを用いた場合、径方向の総計で3mm以下とすることが好ましい。
床スラブ貫通部に用いられる配管材(以下、「床スラブ貫通用配管材」と記す)は、特に限定されないが、挿入の際、耐火材料がズレ動かないように、床スラブ貫通部の耐火材料巻回部の外径が、床スラブ貫通用配管材の他の部分より小径になっていることが好ましい。
なお、上記耐火材料巻回部を他の部分より小径にする場合、更新配管が給水用であれば、管内圧力が高くなるため、耐火材料巻回部は、その管内圧力に耐えられる肉厚を確保する必要がある。したがって、既存の配管材を加工して給水用の床スラブ貫通用配管材を得ようとした場合、既存の合成樹脂製の管または継手の一部を絞り加工して耐火材料巻回部の肉厚を他の部分と略同じ厚みとすることが好ましい。一方、更新配管が排水用であれば、給水用のように、管内圧力が殆どかからないため、肉厚をそれほど厚くする必要がない反面、排水がスムーズに流れるように、十分な内径を確保する必要がある。したがって、既存の配管材を加工して排水用の床スラブ貫通用配管材を得ようとした場合、既存の合成樹脂製の管または継手の一部を切削加工することが好ましい。
また、本発明の施工構造においては、床スラブ貫通用配管材に、床スラブ貫通部の上方に段状に拡径する大径部を設け、この大径部の下面を、シール材を介して既設配管の残存部分または貫通孔の周囲に受けられる構造としてもよい。
さらに、更新配管が排水用の場合、既設配管の規格寸法のワンサイズダウンの径に形成され、かつ、床スラブ貫通用配管材の上下の立管部が内面螺旋リブ付き管で形成されている構造としてもよい。
また、床スラブ貫通部のシート状またはテープ状耐火材料の非巻回部と既設配管の残存部分または前記貫通孔と隙間にシリコーン樹脂系シーリング剤が充填されている構成としてもよい。
すなわち、シリコーン樹脂系シーリング剤を上記のように充填すれば、熱膨張性シートが発泡し隙間を塞ぐまでの時間、シリコーン樹脂系シーリング剤が火災階の熱、煙、ガスが上階へ進入することを防止することができる。
なお、上記シリコーン樹脂系シーリング剤としては、通常のシリコーンシーラントや変性シリコーンシーラントが挙げられる。
上記のように、本発明の施工構造は、建築物の床スラブを貫通する既設配管が前記床スラブの上下で切断されることで床スラブに固定されて残った既設配管の残存部分、または、前記床スラブから前記既設配管を引き抜くことによって前記床スラブに生じた貫通孔を介して更新配管の床スラブ貫通部を床スラブに貫通させる更新配管の施工構造であって、前記更新配管は、前記床スラブ貫通部の少なくとも一部に、前記既設配管の残存部分、または、前記貫通孔を介する床スラブの上下の煙流通防止用のシート状またはテープ状耐火材料が巻回されているので、床スラブを貫通する既設配管を新しい配管に更新する場合に、施工時に騒音、振動、ホコリの発生が少なく、かつ、容易に床スラブ貫通部の防火性を確保することができる。
本発明の施工構造の第1の実施の形態であって、その床スラブ部分を断面であらわしている。 図1の施工構造に用いる床スラブ貫通用配管材をあらわす斜視図である。 図2の床スラブ貫通用配管材の製造工程を模式的に説明する図である。 本発明の施工構造の第2の実施の形態であって、その床スラブ部分を断面であらわしている。 図4の施工構造の施工方法を説明する図である。 本発明の施工構造の第3の実施の形態であって、その床スラブ部分を断面であらわしている。 本発明の施工構造の第4の実施の形態であって、その床スラブ部分を断面であらわしている。 本発明の施工構造の第5の実施の形態であって、その床スラブ部分を断面であらわしている。 図8の施工構造の施工方法を説明する図である。 本発明の施工構造の第6の実施の形態であって、その床スラブ部分を断面であらわしている。 本発明の施工構造の第7の実施の形態であって、その床スラブ部分を断面であらわしている。 本発明の施工構造の第8の実施の形態であって、その床スラブ部分を断面であらわしている。 本発明の施工構造の第9の実施の形態であって、その床スラブ部分を断面であらわしている。 従来の床スラブのはつりを用いた更新方法を説明する図である。 従来の床スラブの切削を用いた更新方法を説明する図である。 従来の既設配管の引き抜きを用いた更新方法を説明する図である。 図16の更新方法に用いる油圧工具の斜視図である。 従来の新設配管の施工方法の一工程を示す図である。 図18の次の工程を示す図である。 図19の次の工程を示す図である。 図20の次の工程を示す図である。 図21の次の工程を示す図である。 図22の次の工程を示す図である。 従来の新設配管の施工方法の問題点を説明する図である。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明の施工構造の第1の実施の形態であって、給水用の更新配管の施工構造をあらわしている。
図1に示すように、この施工構造1aは、床スラブ貫通用配管材2aが更新配管の一部を構成するように用いられる。
すなわち、床スラブ貫通用配管材2aは、図2に示すように、直管状をしていて中間部に床スラブ貫通部及び耐火材料巻回部としての括れ部21を備え、この括れ部21の、施工状態で床スラブS内に納まる部分に積水化学工業製フィブロックなどの耐火熱膨張性材料3が耐火材料として巻回されている。
そして、この床スラブ貫通用配管材2aは、図3に示すように、鋳鉄製の既設配管と同呼び径の塩化ビニル樹脂管P3の一部を金型4で両側から挟み込み加熱プレスして縮径させることによって括れ部21を形成したのち、図2に示すように、括れ部21に耐火熱膨張性材料3を巻回することによって製造される。
括れ部21は、床スラブSの既設配管(図示せず)を引き抜きたときに形成される貫通孔Hの内径より小径の直管状をしているとともに、その軸方向の長さが床スラブSに厚みとほぼ同じか少し長くなっている。
また、括れ部21は、上記のように、既存の塩化ビニル樹脂管P3の一部を金型で挟み込んで縮径させることによって形成されているので、管壁の肉厚は他の部分と略同じになっている。
そして、この施工構造1aは、以下のようにして施工される。
すなわち、まず、図15(a)に示すように、既設配管Pを床スラブSの上下で切断し、上下の床スラブS間にある部分を除去したのち、図15(b)に示すように、床スラブSに保持された状態の既設配管の残存部分P1を、床スラブS上に配置した油圧工具300を用いて引き抜く。
つぎに、床スラブ貫通用配管材2aを耐火熱膨張性材料3が床スラブSの貫通孔Hの下端部まで達するまで、貫通孔Hに挿入する。
その後、床スラブ貫通用配管材2aの上下に図示していないが、ソケット等の継手を介して立管となる塩化ビニル樹脂管を接着固定する。
この施工構造1aは、耐火熱膨張性材料3が括れ部21と貫通孔Hの内壁面との間で挟み込まれた状態になっているので、床スラブSを挟んでいずれかの階で火災が発生しても直ちに他方の階に類焼することがない。すなわち、火災が発生すると、耐火熱膨張性材料3が膨張して、熱で軟化した括れ部21を閉塞状態とする。しかも、耐火熱膨張性材料3の耐火性能が加わって、長期間他の階への類焼及び煙の流入を防ぐことができる。
また、床スラブ貫通用配管材2aが既存の塩化ビニル樹脂管を加工するだけで得られるので、施工コストをあまりかけずに施工することができる。しかも、後でモルタルを隙間に詰めるという作業も不要になり、施工性に優れている。
また、既設配管の床スラブSに埋設された部分をハツリあるいは床スラブSの切削により取り除かないので、施工時に騒音、振動、ホコリの発生が少ない。
図4は、本発明の施工構造の第2の実施の形態であって、給水用の更新配管の施工構造をあらわしている。
この施工構造1bは、図4及び図5に示すように、床スラブ貫通用配管材2bが更新配管の一部を構成するように用いられる。
すなわち、床スラブ貫通用配管材2bは、塩化ビニル樹脂で形成されていて、床スラブ貫通部及び耐火材料巻回部としての直管部22aと、大径部としての受口22bとを備えている。
直管部22aは、床スラブSの既設配管(図示せず)を引き抜きたときに形成される貫通孔Hの内径より少し小径の直管状をしているとともに、その軸方向の長さが床スラブSに厚みより、長くなっている。
また、直管部22aには、施工状態で床スラブS内に納まる部分に積水化学工業製フィブロックなどの耐火熱膨張性材料3が耐火材料として巻回されている。
受口22bは、直管部22aの上端から段状に拡径するように設けられていて、立管を構成する配管材P4の下端が嵌合されるようになっている。
そして、この施工構造1bは、以下のようにして施工される。
すなわち、まず、図5に示すように、施工構造1aと同様にして貫通孔Hを形成する。
つぎに、図4に示すように、床スラブSの受口22bの下端面が臨む位置に貫通孔Hを囲むように、パテ状樹脂、例えば、シリコーンシーラー等のシーリング剤5を貫通孔Hより大きな径を描くように略円形に塗着したのち、貫通孔Hの上方から床スラブ貫通用配管材2bの直管部22aを貫通孔Hに挿入するとともに、受口22bの下端面を床スラブSの貫通孔Hの周囲で受けさせる。
すなわち、耐火熱膨張性材料3が直管部22aの外周面と貫通孔Hの内周面との間で全周にわたって挟み込まれ、受口22bの下端面と、床スラブSの貫通孔Hの周囲がシーリング剤5によってシールされた状態にする。
そして、受口22bに床スラブSの上側の階の給水立管となる塩化ビニル樹脂管P4の下端部を嵌め込み接着するとともに、直管部22aの床スラブSの下面より下方に突出した部分を床スラブSの下側の階の給水立管となる塩化ビニル樹脂管P4の上端部内に差し込み接着する。
上記施工構造1bによれば、耐火熱膨張性材料3が直管部22aと貫通孔Hの内壁面との間で挟み込まれた状態になっているので、床スラブSを挟んでいずれかの階で火災が発生しても直ちに他方の階に類焼することがない。すなわち、火災が発生すると、耐火熱膨張性材料3が膨張して、熱で軟化した直管部22aを閉塞状態とする。しかも、耐火熱膨張性材料3の耐火性能が加わって、長期間他の階への類焼及び煙の流入を防ぐことができる。
また、直管部22aの上端に段状に拡径する貫通孔Hより大径の受口22bを備え、この受口22bの下端面と、貫通孔Hの周囲の床スラブSの上面との間がシーリング剤5によってシールされているため、万一耐火熱膨張性材料3と貫通孔Hの内周面あるいは直管部22aとの間に隙間が生じても類焼を防ぐことができ、より防火性の高いものとなる。
さらに、予め耐火熱膨張性材料3が直管部22aに巻回された状態で直管部22aを貫通孔H内に挿入するようにしたので、後でモルタルを充填するなどに比べ、施工性に優れている。
また、シーリング剤5は、ほぼ水平面である床スラブS上に塗布されるので、シーリング剤5が垂れ落ちることがなく、シーリング剤5の塗布作業が容易である。
また、既設配管の床スラブSに埋設された部分をハツリあるいは床スラブSの切削により取り除かないので、施工時に騒音、振動、ホコリの発生が少ない。
図6は、本発明の施工構造の第3の実施の形態をあらわしている。
図6に示すように、この施工構造1cは、給水用の更新配管の施工構造であって、床スラブ貫通用配管材2cが更新配管の一部を構成するように用いられる。
すなわち、床スラブ貫通用配管材2cは、ポリエチレン樹脂製の電気融着継手であって、一端に大径部としての受口23aを有し、他端に差口23bを備え、受口22bと差口23bとの間に床スラブ貫通部及び耐火材料巻回部としての括れ部23cが設けられている。
受口は、外径が貫通孔Hより大きく、括れ部23cとの境界部分で段状に縮径していとともに、端子23dに接続されたヒーター線23eが埋め込まれている。
差口23bは、括れ部23c側の外径が貫通孔Hの内径と略同じか少し大径で先端に向かって徐々に縮径して先端の外径が貫通孔Hの内径より少し小径になっている。
括れ部23cは、その外径が貫通孔Hの内径より耐火熱膨張性材料3の巻回厚み分だけ小径になっていて、その管壁の肉厚が配管を流れる水圧に耐えられる肉厚が確保されている。
そして、この施工構造1cは、以下のように施工される。
すなわち、まず、上記施工構造1a,1bと同様にして貫通孔Hを形成する。
上記施工構造1bと同様にして床スラブSの受口22bの下端面が臨む位置に貫通孔Hを囲むように、シーリング剤5を貫通孔Hより大きな径を描くように略円形に塗着する。
つぎに、床スラブ貫通用配管材2cを,差口23bを先頭に受口23aの下端面が床スラブSの貫通孔Hの周囲に受けられるまで、床スラブSの上方から貫通孔Hに差し入れる。
そして、受口23aに、床スラブSの上の階のポリエチレン製の配管材P5の下端を差し込んで電気融着する。
差口23bを、ソケットタイプの電気融着継手6の一端に差し込み電気融着するとともに、電気融着継手6の他端に床スラブSの下の階のポリエチレン製の配管材P5の上端を差し込んで電気融着する。
この施工構造1cは、上記のようになっており、上記施工構造1bと同様の効果を備えているとともに、配管材同士を電気融着するので配管材同士の接続強度が及び接続精度が高い。
図7は、本発明の施工構造の第4の実施の形態をあらわしている。
図7に示すように、この施工構造1dは、給水用の更新配管の施工構造であって、塩化ビニル樹脂製の床スラブ貫通用配管材2dが更新配管の一部を構成するように用いられる。
すなわち、床スラブ貫通用配管材2dは、両端に差口24aを有し、差口24aと差口24aとの間に床スラブ貫通部及び耐火材料巻回部としての括れ部24bが設けられている。
差口24aは、括れ部24b側の外径が貫通孔Hの内径と略同じか少し大径で先端に向かって徐々に縮径して先端の外径が貫通孔Hの内径より少し小径になっている。
括れ部24bは、その外径が貫通孔Hの内径より耐火熱膨張性材料3の巻回厚み分だけ小径になっていて、その管壁の肉厚が配管を流れる水圧に耐えられる肉厚が確保されている。
そして、この施工構造1dは、以下のように施工される。
すなわち、まず、上記施工構造1a〜1cと同様にして貫通孔Hを形成する。
つぎに、床スラブ貫通用配管材2dを、両側の差口24aがそれぞれ貫通孔Hの開口端から突出し、耐火熱膨張性材料3が床スラブSの貫通孔Hの下端部に配置されるように、貫通孔Hに挿入する。
そして、上下の差口24aにソケット7を介して立管となる塩化ビニル樹脂管(図示せず)を接続する。
この施工構造1dは、上記のようになっているので、上記施工構造1aと同様の効果を備えている。
図8は、本発明の施工構造の第5の実施の形態をあらわしている。
図8に示すように、この施工構造1eは、排水用の更新配管の施工構造であって、鋳鉄製の床スラブ貫通用配管材2eが更新配管の一部を構成するように用いられる。
すなわち、床スラブ貫通用配管材2eは、床スラブ貫通部及び耐火材料巻回部としての立管部25aと、枝管接続部25bと,受口25cを備えている。
立管部25aは、既設配管の1サイズダウンの呼び径をしている。すなわち、既設配管が100Aであれば、1サイズダウンは80Aである。
そして、この施工構造1eでは、立管部25aが、その下端部に耐火熱膨張性材料3を巻回した状態で、既設配管の残存部分P1内に挿通され、耐火熱膨張性材料3が、既設配管の残存部分P1の下端部で、立管部25aと既設配管の残存部分P1の内壁面との間で挟み込まれている。
この施工構造1eは、以下のように施工される。
まず、図9に示すように、既設配管を床スラブSの上下で切断し、床スラブSに残った既設配管の残存部分P1の内部のスラッジ等を取り除くとともに、上記床スラブ貫通用配管材2eの立管部25aの所定位置に耐火熱膨張性材料3を巻回する。なお、耐火熱膨張性材料3は、その外径が既設配管の残存部分P1の内径と略同じか少し大きめとなる厚みに巻回されている。
つぎに、図9に示すように、床スラブSの上方から立管部25aを既設配管の残存部分P1内に挿通し、図8に示すように、耐火熱膨張性材料3の下端部が既設配管の残存部分P1の下端から床スラブSの下側の階に露出し、耐火熱膨張性材料3の上端部が立管部25aと既設配管の残存部分P1の内壁面との間で挟まれるように、床スラブ貫通用配管材2eをセットする。
必要に応じて、既設配管の残存部分P1の上端で、立管部25aと既設配管の残存部分P1との隙間にシーリング剤5を充填したのち、床スラブSの上下で排水用配管材P6と接続する。なお、排水用配管材P6としては、排水性能が高い、内面に螺旋リブあるいは螺旋溝を備えた管を用いることが好ましい。
また、枝管接続部25bに枝管(図示せず)を接続する。
この施工構造1eは、上記施工構造1a,1dと同様の効果を備えているとともに、既設配管の残存部分P1を床スラブSに残した状態で施工することができるので、すなわち、既設配管の残存部分P1等の既設配管を床スラブSから引き抜くという作業が不要となるので、より施工性に優れるとともに、施工時に騒音、振動、ホコリの発生をより少なくすることができる。
図10は、本発明の施工構造の第6の実施の形態をあらわしている。
図10に示すように、この施工構造1fは、排水用の更新配管の施工構造であって、床スラブ貫通用配管材2fが更新配管の一部を構成するように用いられる。
すなわち、床スラブ貫通用配管材2fは、図10に示すように、既存の塩化ビニル樹脂管を外周方向から切削加工することによって設けられた床スラブ貫通部及び耐火材料巻回部としての括れ部26aを中間部に備える直管形状をしている。すなわち、床スラブ貫通用配管材2fは、括れ部26aもその上下も同じ内径となっていて、括れ部26aのみ肉厚が薄くなっている。
また、床スラブ貫通用配管材2fは、括れ部26aに施工状態で床スラブS内に納まる部分に耐火熱膨張性材料3が耐火材料として巻回されている。
また、耐火熱膨張性材料3は、その外径が後述する貫通孔Hの内径と略同じか少し大きくなるように巻回されている。
そして、この施工構造1fは、以下のようにして施工される。
すなわち、まず、上記施工構造1a〜1dと同様にして貫通孔Hを形成する。
つぎに、床スラブ貫通用配管材2fを耐火熱膨張性材料3が床スラブSの貫通孔Hの下端部まで達するように、貫通孔Hに挿入する。
その後、床スラブ貫通用配管材2fの上下に図示していないが、ソケット等の継手を介して立管となる塩化ビニル樹脂管を接着固定する。
この施工構造1fは、耐火熱膨張性材料3が括れ部26aと貫通孔Hの内壁面との間で挟み込まれた状態になっているので、床スラブSを挟んでいずれかの階で火災が発生しても直ちに他方の階に類焼することがない。すなわち、火災が発生すると、耐火熱膨張性材料3が膨張して、熱で軟化した括れ部26aを閉塞状態とする。しかも、耐火熱膨張性材料3の耐火性能が加わって、他の階への類焼及び煙の流入を長時間防ぐことができる。
また、床スラブ貫通用配管材2fが既存の塩化ビニル樹脂管を切削加工するだけで得られるので、施工コストをあまりかけずに施工することができる。しかも、後でモルタルを隙間に詰めるという作業も不要になり、施工性に優れている。
図11は、本発明の施工構造の第7の実施の形態をあらわしている。
図11に示すように、この施工構造1gは、排水用の更新配管の施工構造であって、床スラブ貫通用配管材2gが更新配管の一部を構成するように用いられる。
床スラブ貫通用配管材2gは、図11に示すように、既存の塩化ビニル樹脂管を外周方向から切削加工することによって設けられた床スラブ貫通部及び耐火材料巻回部としての小径部27aを一端に備える直管形状をしている。すなわち、床スラブ貫通用配管材2gは、小径部27aもそれ以外の部分も同じ内径となっていて、小径部27aのみ肉厚が薄くなっている。
また、床スラブ貫通用配管材2gは、小径部27aに耐火熱膨張性材料3が耐火材料として巻回されている。
そして、この施工構造1gは、以下のようにして施工される。
すなわち、まず、上記施工構造1a〜1dと同様にして貫通孔Hを形成する。
小径部27aに耐火熱膨張性材料3をその外径が貫通孔Hの内径と略同じか少し大きくなるように巻回する。
つぎに、床スラブ貫通用配管材2gを耐火熱膨張性材料3が床スラブSの貫通孔Hの下端部まで達するまで、貫通孔Hに挿入する。
その後、床スラブSの下側で床スラブ貫通用配管材2gの小径部27aの下端に異径ソケット9を接着固定したのち、異径ソケット9の下側に床スラブSの下側の階に立管P7の上端を接着固定する。
この施工構造1gは、耐火熱膨張性材料3が小径部27aと貫通孔Hの内壁面との間で挟み込まれた状態になっているので、床スラブSを挟んでいずれかの階で火災が発生しても直ちに他方の階に類焼することがない。すなわち、火災が発生すると、耐火熱膨張性材料3が膨張して、熱で軟化した小径部27aを閉塞状態とする。しかも、耐火熱膨張性材料3の耐火性能が加わって、他の階への類焼及び煙の流入を長時間防ぐことができる。
また、床スラブ貫通用配管材2gが既存の塩化ビニル樹脂管を切削加工するだけで得られるので、施工コストをあまりかけずに施工することができる。しかも、後でモルタルを隙間に詰めるという作業も不要になり、施工性に優れている。
図12は、本発明の施工構造の第8の実施の形態をあらわしている。
図12に示すように、この施工構造1hは、排水用の更新配管の施工構造であって、上記施工構造1eと同様の鋳鉄製の床スラブ貫通用配管材2eが更新配管の一部を構成するように用いられる。
そして、この施工構造1hでは、立管部25aが、耐火熱膨張性材料3を巻回しない常態で、既設配管の残存部分P1内に挿通されたのち、耐火熱膨張性材料3が、既設配管の残存部分P1の床スラブS下面より下方に突出した部分と、立管部25aの、既設配管の残存部分P1の下端から下方に突出する部分とに跨るように巻回されている以外は、上記施工構造1eと同様になっている。
この施工構造1hは、上記のように、耐火熱膨張性材料3が、既設配管の残存部分P1の床スラブS下面より下方に突出した部分と、立管部25aの、既設配管の残存部分P1の下端から下方に突出する部分とに跨るように巻回されていて、耐火熱膨張性材料3によって既設配管の残存部分P1と、立管部25aとの隙間の下端が封鎖された状態となっているので、床スラブSを挟んでいずれかの階で火災が発生しても直ちに他方の階に類焼することがない。
しかも、火災が発生すると、耐火熱膨張性材料3が膨張して既設配管の残存部分P1と、立管部25aとの隙間を緻密に封鎖するとともに、耐火熱膨張性材料3の耐火性能が加わって、長期間他の階への類焼及び煙の流入を防ぐことができる。
また、この施工構造1hは、立管部25aを既設配管の残存部分P1内に挿通したのち、耐火熱膨張性材料3を巻回するようになっているので、既設配管の残存部分P1と、立管部25aとの隙間の寸法が周方向で不均一であっても容易に施工することができる。
図13は、本発明の施工構造の第9の実施の形態をあらわしている。
図13に示すように、この施工構造1iは、更新用のポリ塩化ビニル管あるいはポリエチレン管などの合成樹脂管P7の床スラブ貫通部の耐火熱膨張性材料3が巻回されていない非巻回部の、合成樹脂管P7と貫通孔Hとの間に形成される環状隙間Rに上方からシリコーンシーラント50が充填されている。
そして、床スラブSの上面に固定されたアングル等からなる支持金具Fによって、合成樹脂管P8が床スラブSに支持されている。
この施工構造1iは、上記のように、非巻回部と貫通孔Hとの隙間にシリコーンシーラント50が充填されているので、発泡し隙間を塞ぐまでの時間、シリコーン樹脂系シーリング剤が他の階の熱、煙、ガスが上階または下階へ進入することを防止することができる。
また、合成樹脂管P7が支持金具Fによって床スラブSに支持されているので、施工後の合成樹脂管P7の熱伸縮等で耐火熱膨張性材料3の位置やシリコーンシーラント50にズレが生じ、このズレによって隙間が生じることを防止することができる。
なお、上記支持金具Fは、床スラブSの下面側に設けるようにしても構わないが、支持金具Fを下面側に設ける作業は、高所作業になるので、作業の安全性を考慮すると、床スラブSの上面側に設けることが好ましい。
また、新規に建設される多層建築物の給水あるいは排水用の立管構造においても、床スラブ貫通部においては、図13に示す施工構造としてもよい。
ずなわち、図18〜図23を用いて説明すると、従来の新設の多層建築物の給水あるいは排水用の立管が施工方法は、以下のようになっている。
(1)図18に示すように、各階の床スラブ形成部に型枠100を配置し、鉄筋110をその上に配筋するとともに、立管の床スラブ貫通部にあたる部分に立管用配管材P8の外径より2サイズアップ程度の口径のボイド管120を配置する。
(2)型枠100上に床スラブSの厚みのコンクリートを流し込んで、図19に示すように床スラブSを形成する。
(3)コンクリートが硬化したのち、図20に示すように、型枠100及びボイド管120を取り除く。
(4)図21に示すように、配管材P8の床スラブ貫通部の下端部及び床スラブ貫通部の下端より少し下側まで耐火熱膨張性材料3を巻回した状態で、貫通孔H2に配管材P8の床スラブ貫通部を挿通する。
(5)図22に示すように、床スラブ下から粘着シートや薄い合板などの封止材140を用いて貫通孔Hの下端を塞ぐ。
(6)図23に示すように、床スラブSの上方からモルタルMを流し込み、硬化したモルタルMによって配管材P8の床スラブ貫通部を床スラブSに固定する。
しかし、上記従来の新設配管の施工方法では、配管材P8の床スラブ貫通部を床スラブSに固定する場合、上記のようにモルタルMが使用されるが、モルタルMは建築現場の所定の作業場でセメントと砂を混合し更に水を加えて作られ、比重が1.8程度と非常に重い。しかも、このモルタルMを、作業者が各使用場所まで必要量分だけバケツに入れて運ぶ必要があるため、運ぶだけでも重労働である。また、余ったモルタルMは、硬化後に産業廃棄物として廃棄する必要があり、廃棄コスト増並びに環境への負担にもなる。
また、上記のように、水分を含む流体であるモルタルMを流し込むため、封止材140は、モルタルMを隙間無くかつモルタル荷重や突き固め時の荷重にも耐えられるように水密かつ堅固に貫通孔Hの下端を塞ぐ必要があり、多大な労力を要する。しかも、封止材140を取り付ける作業が、高所作業であり、危険が伴う。
さらに、モルタルMを流し込む際などに、図24に示すように、貫通孔Hと配管材P8との芯がずれるなど、芯だしも面倒である。
一方、新築の多層建築物の配管施工においても、配管材P8の床スラブ貫通部に巻回される耐火熱膨張性材料3のほぼ厚み分だけ配管材P8の外径より大きな外径のボイド管120を用いて従来に比べ内径が小さい貫通孔Hを形成しておき、図13に示すような施工構造とすれば、モルタルMの充填作業を無くすことができるとともに、貫通孔Hと配管材P8との芯出しも容易に行える。すなわち、上記従来の新築多層建築物の配管施工時の問題点が解消できる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記第2及び第3の実施の形態では、大径部として受口が設けられていたが、受口に代えてフランジを設けるようにしても構わない。
上記第5の実施の形態では、横枝管接続部が1つであったが、2つ以上も設けられていてもよい。
上記第5の実施の形態では、更新用継手が鋳鉄製であったが、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂製であってもよい。
1a〜1i 施工構造
2a〜2g 床スラブ貫通用配管材
21,23c,24b,26a 括れ部(床スラブ貫通部及び耐火材料巻回部)
22a 直管部
22b,23a 受口(大径部)
25a 立管部(床スラブ貫通部)
27a 小径部(床スラブ貫通部及び耐火材料巻回部)
3 耐火熱膨張性材料(耐火材料)
S 床スラブ
H 貫通孔
P1 既設配管の残存部分

Claims (11)

  1. 建築物の床スラブを貫通する既設配管が前記床スラブの上下で切断されることで床スラブに固定されて残った既設配管の残存部分、または、前記床スラブから前記既設配管を引き抜くことによって前記床スラブに生じた貫通孔を介して更新配管の床スラブ貫通部を床スラブに貫通させる更新配管の施工構造であって、
    前記更新配管は、前記床スラブ貫通部の少なくとも一部に、前記既設配管の残存部分、または、前記貫通孔を介する床スラブの上下の煙流通防止用のシート状またはテープ状耐火材料が巻回されていることを特徴とする更新配管の施工構造。
  2. 前記シート状またはテープ状耐火材料が、前記既設配管の残存部分または前記貫通孔から上下のいずれかに一部がはみ出た状態で床スラブ貫通部に巻回されている請求項1に記載の更新配管の施工構造。
  3. 耐火材料が、耐火熱膨張性材料である請求項1または請求項2に記載の更新配管の施工構造。
  4. 床スラブ貫通部の前記シート状またはテープ状耐火材料の非巻回部と前記既設配管の残存部分または前記貫通孔と隙間にシリコーン樹脂系シーリング剤が充填されている請求項1〜請求項3に記載の更新配管の施工構造。
  5. 床スラブ貫通部の耐火材料巻回部の外径が、床スラブ貫通用配管材の他の部分より小径になっている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の更新配管の施工構造。
  6. 更新配管が給水用であって、床スラブ貫通用配管材の耐火材料巻回部が、既存の合成樹脂製の管または継手の一部を絞り加工されて形成されている請求項5に記載の更新配管の施工構造。
  7. 更新配管が排水用であって、床スラブ貫通用配管材の耐火材料巻回部が、既存の合成樹脂製の管または継手の一部を切削加工されて形成されている請求項5に記載の更新配管の施工構造。
  8. 床スラブ貫通用配管材が、床スラブ貫通部の上方に段状に拡径する大径部を有し、この大径部の下面が、シール材を介して配管残部または貫通孔の周囲に受けられている請求項1〜請求項7のいずれかに記載の更新配管の施工構造。
  9. 更新配管が排水用であって、既設配管の規格寸法のワンサイズダウンの径に形成され、かつ、床スラブ貫通用配管材の上下の立管部が内面螺旋リブ付き管で形成されている請求項1〜請求項5、請求項7及び請求項8のいずれかに記載の更新配管の施工構造。
  10. 既存の合成樹脂製の管または継手の一部を絞り加工して耐火材料巻回部が形成されてなる請求項6に記載の更新配管の施工構造に用いられる床スラブ貫通用配管材。
  11. 既存の合成樹脂製の管または継手の一部を切削加工して耐火膨張性材料巻回部が形成されてなる請求項7に記載の更新配管の施工構造に用いられる床スラブ貫通用配管材。
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