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JP2011241261A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境負荷が小さく難燃性を有する樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の樹脂組成物は、合成樹脂と、トマトの茎および/または葉からなるフィラーと、を含有することを特徴とする。このような樹脂組成物は、高い難燃性を示す。また難燃剤などを添加する場合と比較して、環境負荷が小さくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、合成樹脂にトマトの葉や茎を含有してなる樹脂組成物に関する。
従来、合成樹脂に植物を混合してなる複合的な樹脂組成物が提案されている。例えば、植物原料を粉砕した粉末と親水性ポリマー等とを混合して熱間プレス成形を行うことによって、高い強度を有する樹脂を製造する製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2009−286061号公報
合成樹脂に難燃性を持たせる場合、難燃剤や充填剤を添加することで樹脂自体の自己消火性を高めたり燃焼スピードを遅くしたりするという対策がとられている。難燃剤や充填剤には環境負荷物質が含まれている可能性があり環境配慮された難燃材料を使用する要求がある。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、環境負荷が小さく、難燃性を有する樹脂組成物を提供することである。
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、合成樹脂と、トマトの茎および/または葉からなるフィラーと、を含有することを特徴とする樹脂組成物である。
このように合成樹脂にトマト(Solanum lycopersicum(Lycopersicon esculentum))の茎や葉をフィラーとして含有する樹脂組成物は、上記合成樹脂単独の場合と比較して高い難燃性を示す。また、合成樹脂に難燃剤を配合する場合と比較して環境負荷が小さい。従って、環境負荷に配慮した良好な物性の樹脂組成物を得ることができる。
また、トマトの茎や葉として、実を収穫した後の植物残渣をフィラーとして利用することができるため、廃棄物の低減を実現でき都合がよい。
なお、フィラーとして利用する部分はトマトの茎および葉の両方でもよいし、いずれか一方でもよい。
また、トマトの茎や葉を圧搾したものをフィラーとして用いれば、製造過程および製造後に水分が滲み出たり、フィラーや樹脂組成物が腐って劣化したりすることを抑制できる。
また、請求項2に記載の発明のように、フィラーは、トマトの茎および/または葉を粉砕したものであってもよい。
このように構成された樹脂組成物であれば、フィラーが分散しやすくなり、一般的な合成樹脂と同様の成形工程にて樹脂組成物を製造することができるうえ、樹脂組成物全体に難燃性を付与することができる。
上述したトマトのフィラーは、含有量が小さすぎるとその効果が小さくなり、また含有量が大きすぎると樹脂組成物の良好な成形を妨げてしまう。適切な含有量は合成樹脂の種類や使用目的によって異なるため適宜設定することができる。
なお、請求項3に記載の樹脂組成物のように、合成樹脂がポリプロピレン(以降、単にPPと略す場合がある)またはEVA樹脂(エチレン‐酢酸ビニル共重合樹脂)である場合には、合成樹脂100重量部に対して、トマトのフィラーを10〜400重量部の範囲で含有させるとよい。
また、請求項4に記載の樹脂組成物のように、合成樹脂が変性ポリフェニレンエーテル(以降、単にPPEと略す場合がある)である場合には、合成樹脂100重量部に対して、トマトのフィラーを10〜100重量部の範囲で含有させるとよい。
請求項3,4のように、合成樹脂がPP,EVA,変性PPEなどを用いた樹脂組成物の場合、射出成形によって所望の形状に良好に成形ができる。
また、PPを用いれば、樹脂組成物がヒンジ特性を持つため、この樹脂組成物を用いた樹脂成形品は、例えば配線を結束して固定する製品であるクランプ製品として使用できるようになる。EVAはPPに相溶して、樹脂組成物におけるトマトのフィラーの含有割合を高めても、ヒンジ特性の低減を和らげることができる。またPPEを用いれば、樹脂組成物の耐熱性、耐衝撃性、耐クリープ性という特性が向上するため、例えばそのような特性を向上させたクランプを製造できる。
本発明の樹脂組成物を用いて製造されたクランプの写真
本発明の樹脂組成物は、トマトの茎や葉から製造されるフィラー(以降、トマトフィラーと述べる場合がある)を合成樹脂と混合して成形することで製造される。以下に、製造方法を説明する。なお、以下の記載において、樹脂組成物とは本発明の樹脂組成物を指す。
<樹脂組成物の製造>
(1)トマトフィラーの製造
本発明の樹脂組成物に含有されるトマトの茎または葉は、乾燥させた後に粉末状に破砕した。このトマトフィラーは、粉砕条件を調整したり、メッシュによる分級によって粒度を調整した。なお、乾燥させる前に圧搾を行い、水分を抜いておいてもよい。乾燥の目安としては、水分含量10wt%以下が目安となる。
また、トマトフィラーはトマトの葉のみ、あるいは茎のみから製造されていてもよいが、葉および茎の混合物であってもよい。
また、粉末状にしたトマトフィラーを一旦ペレット状に成形し、その後に再度粉砕してもよい。なお、後述する実施例では、粉末状にして6mmメッシュをくぐらせたトマトフィラーをペレット状に成形したもの(以下、トマトフィラーペレットという)を再度粉砕して粉末状とした。その際、再粉砕時の粉砕条件を変更することによりトマトフィラーの粒度調整を行った。
(2)樹脂組成物のペレットの作製
ベースとなる合成樹脂および上記(1)で製造したトマトフィラーをタンブラー式ブレンダーに入れ、ドライブレンドにて均一にした。その後、通常のホッパーを通じて溶融混練機に供給し、溶融混練を行った。溶融混練機としては二軸押出機を用いた。二軸押出機は、材料フィード量を自在に変化させやすいため都合がよいが、一軸押出機を用いてもよい。
続いて、押出機から押し出された樹脂混合物(ストランド)を切断して樹脂組成物のペレットを製造した。切断する方法としては、ストランドを押出機のダイス直後、水冷してカットするウォータリングカット方式と、ストランドをコンベア上で空冷または水槽中で水冷したのちカットするストランドカット方式とが知られている。ストランドの発泡を抑制する必要がある場合には、ストランドをコンベア上で空冷したのちカットするストランドカット方式を用いることが好ましい。
上述した合成樹脂はその種類を特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜用いる樹脂を選択することができる。
例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル,ABS樹脂,高密度ポリエチレン,ポリカーボネート,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリウレタン,EVA樹脂,変性ポリフェニレンエーテルなどを用いることができる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、複数を混合してもよい。
なお、ポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン(ホモ、ブロック、ランダム)、ブテン等のオレフィン類の単重合体もしくは共重合体、あるいはこれらのオレフィン類と共重合可能な単量体成分との共重合体である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、エチレン‐アクリル酸エチル共重合体、エチレン‐アクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸メチル共重合体、エチレン‐α‐オレフィン共重合体、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン‐ブテン共重合体、などである。
また、必要に応じて添加剤、例えば熱安定剤,光安定剤(紫外線吸収剤),酸化防止剤,強化充填剤,帯電防止剤,滑剤,結晶核剤,離型剤,防菌・防カビ剤,また軽量化のための発泡剤などを添加してもよい。
なお、合成樹脂としてポリプロピレンまたはEVA樹脂を用いる場合には、合成樹脂100重量部に対してトマトフィラーを10〜400重量部の範囲で配合するとよい。また、合成樹脂として変性ポリフェニレンエーテルを用いる場合には、変性ポリフェニレンエーテル100重量部に対してトマトフィラーを10〜100重量部の範囲で配合するとよい。
(3)樹脂成形品の成形
樹脂組成物から作られる樹脂成形品は射出成形、中空成形、回転成形、押出成形、プレス成形などの成形法を適用し、製造することができる。このような成形法で樹脂成形品を形成する場合、射出成形機等の公知の成形機を用いて行うことができる。
樹脂組成物のペレットを溶融させた材料溶融物を金型に射出した後、金型内の溶融物を所期の形状にするため圧力の印加を継続してもよいが、発泡を抑制する必要がある場合には、溶融物の注入の完了とともに圧力の印加を停止することが好ましい。
本実施例の樹脂成形品は加熱工程と充填保持工程を経て成形した。
加熱工程としては材料(トマトフィラー,ベースとなる合成樹脂等)を加熱溶融できればよく、例えばヒーターを用いる方法をとることができる。
充填保持工程は加熱工程後充填保持できればよく、金型などに充填保持する方法をとることができる。金型の保温温度は、樹脂の流動性と粘度を考慮し、60〜90℃が好ましい。なお、充填保持工程で金型内に材料溶融物が充填された時、溶融物は金型の保温温度よりも高いが、時間の経過とともに保温温度に近づく。
<クランプの製造>
トマトフィラーを含有する樹脂組成物を用いて樹脂成形品であるクランプを製造した。本項で示す実施例1および比較例1の製造条件等は下記表1にも示している。
[実施例1]
樹脂組成物は、トマトフィラー含有量を30wt%、ポリプロピレン(PP)含有量を70wt%として、図1(A)に示す樹脂成形品であるクランプを作製した。
トマトフィラーは、上述したトマトフィラーペレットをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株),FM20B)で10分粉砕したものを用いた。
PPは、株式会社プライムポリマー製、J2021GRを用いた。
上記材料をドライブレンドした後、二軸押出機に投入し、155〜165℃で押出し、ストランド状にした。空冷後、ストランドカットでペレットを作製した。
次に、上記ペレットを射出成形機に投入しクランプを成形した。なお、加熱温度が180℃を超えると材料の発泡が見られたため、165〜170℃の加熱温度にて成形した。
[比較例1]
材料としてPPのみを用い、実施例1と同様の工程にて図1(B)に示す樹脂成形品(クランプ)を成形した。PPは、実施例1と同様に株式会社プライムポリマー製、J2021GRを用いた。射出成形機の加熱温度は180℃とした。
<樹脂組成物の耐熱性評価>
樹脂組成物の耐熱性を評価するため、実施例1および比較例1のクランプを100℃環境下で900時間経過させ、その後の状態をチェックした。
表2に示すように、PPとして株式会社プライムポリマー製、J2021GRを用いた実施例1の樹脂成形品はロック部分(図1(A)におけるロック1)にのみ割れが発生したが、その他の部分は劣化が無かった。一方、上記樹脂のみで構成された比較例1のものはボロボロに粉化し、劣化部分が黄色く変色した。
<樹脂組成物の難燃性評価>
以下の実施例2〜15で作成した樹脂組成物の難燃性の評価を行った。このとき、溶融混練機としてラボブラストミルを用い、その後プレス成形してシート状の樹脂成形品を作製した。評価の手法については後述する。また、本項で示す実施例実施例2〜15、および比較例2の製造条件等は下記表3,4に示している。
[実施例2]
樹脂組成物は、トマトフィラー含有量を50wt%、ポリプロピレン(PP)含有量を50wt%として、シート状の樹脂成形品を作製した。
トマトフィラーは、トマトの茎のみからなるトマトフィラーペレットをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株),FM20B)で60分粉砕したものを用いた。
PPは、株式会社プライムポリマー製、J2021GRを用いた。
上記材料をドライブレンドした後、ラボブラストミルに投入して180℃で混練し、プレス成形にてシート状の樹脂成形品を得た。
[実施例3]
トマトの葉のみからなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を50wt%、PP含有量を50wt%として、混合条件が一部異なる以外は実施例2とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例4]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を50wt%、PP含有量を50wt%として、混合条件が一部異なる以外は実施例2とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例5]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を30wt%、PP含有量を70wt%として、混合条件が一部異なる以外は実施例2とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例6]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を30wt%、PP含有量を70wt%として、ヘンシェルミキサーによる粉砕時間を10分とする点および混合条件が一部異なる以外は実施例2とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例7]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を30wt%、PP含有量を70wt%として、シート状の樹脂成形品を作製した。なお、ヘンシェルミキサーに変えてワンダーブレンダー(大阪ケミカル製,WB−1)を用い、粉砕時間1分にて粉砕を行った点、および混合条件が一部異なる以外は実施例2とほぼ同様の操作にて樹脂成形品を作製した。
[実施例8]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を30wt%、PP含有量を70wt%として、ワンダーブレンダーによる粉砕時間を2分とする点以外は実施例7とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例9]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を50wt%、PP含有量を50wt%として、ワンダーブレンダーによる粉砕時間を3分とする点および混合条件が一部異なる以外は実施例7とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例10]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を70wt%、PP含有量を30wt%として、ワンダーブレンダーによる粉砕時間を3分とする点および混合条件が一部異なる以外は実施例7とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例11]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を50wt%、PP含有量を50wt%として、ヘンシェルミキサーによる粉砕時間を10分とする点およびミキサー温度を210℃にするなど混合条件が一部異なる以外は実施例2とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例12]
トマトの葉のみからなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を50wt%、PP含有量を50wt%として、ヘンシェルミキサーによる粉砕時間を10分とする点および混合条件が一部異なる以外は実施例2とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例13]
トマトの茎のみからなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を50wt%、PP含有量を50wt%として、ヘンシェルミキサーによる粉砕時間を10分とする点および混合条件が一部異なる以外は実施例2とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例14]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を30wt%、PP含有量を70wt%として、ワンダーブレンダーによる粉砕時間を3分とする点および混合条件が一部異なる以外は実施例7とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例15]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を56wt%、PP含有量を14wt%とし、さらにポリリン酸系難燃剤であるAPP(株式会社鈴裕化学社製、FCP−770)の含有量を30wt%として、ヘンシェルミキサーによる粉砕時間を10分とする点および混合条件が一部異なる以外は実施例2とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[比較例2]
材料としてPPのみを用いてシート状の樹脂成形品を作製した。
上記表3,4に示す難燃性の評価は、UL94HBの水平燃焼試験と同様の手順により行った。
表3,4に示すように、比較例2と比べて、トマトフィラーを含有する実施例2〜14の樹脂成形品は燃焼速度が小さくなった。さらに、実施例3,6,7,9,10,12,13においては、1分当たりの燃焼速度がHB等級である76.2mm/min以下となる高い難燃性を示した。このように、トマトフィラーを含有させることで樹脂成形品の難燃性は向上した。
さらに、実施例10〜13に示すように、トマトフィラーを50wt以上%混入させると、ドリップ防止効果(樹脂の滴下防止効果)を得ることができた。
また実施例15については、HB等級の水平燃焼試験ではなく、UL94垂直燃焼試験を行った。その結果、V−0等級の高い難燃性を示した。
<トマトフィラーの最大充填量の評価>
樹脂組成物に対するトマトフィラーの最大充填量を評価した。このとき、溶融混練機としてはラボブラストミルを用いた。本項で示す実施例16〜19および比較例3〜5の製造条件、成形の可否は下記表5に示す。
[実施例16]
樹脂組成物のトマトフィラー含有量を70wt%、PP含有量を30wt%として、シート状の樹脂成形品を作製した。
トマトフィラーは、トマトの葉および茎からなるトマトフィラーペレットをヘンシェルミキサーで10分粉砕したものを用いた。
PPは、サンアロマー株式会社製、PS522Mを用いた。
上記材料をドライブレンドした後、ラボブラストミルに投入して180℃で混練し、プレス成形にてシート状の樹脂成形品を得た。
[実施例17]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を80wt%、PP含有量を20wt%として、混合条件が一部異なる以外は実施例16とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[比較例3]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラー体を用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を90wt%、PP含有量を10wt%として、混合条件が一部異なる以外は実施例16とほぼ同様の操作にてシート状の樹脂成形品を作製した。
[実施例18]
樹脂組成物のトマトフィラー含有量を50wt%、変性PPE含有量を50wt%として、シート状の樹脂成形品を作製した。
トマトフィラーは、トマトの葉および茎からなるトマトフィラーペレットをヘンシェルミキサーで10分粉砕したものを用いた。
変性PPEは、三菱エンジニアリングプラスチックス製、ユピエースAH−60を用いた。
上記材料をドライブレンドした後、ラボブラストミルに投入して280℃で混練し、プレス成形にてシート状の樹脂成形品を得た。
[比較例4]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を70wt%、変性PPE含有量を30wt%として、混合条件が一部異なる以外は実施例18とほぼ同様の操作にて樹脂成形品を作製した。
[実施例19]
樹脂組成物のトマトフィラー含有量を80wt%、EVA含有量を20wt%として、シート状の樹脂成形品を作製した。
トマトフィラーは、トマトの葉および茎からなるトマトフィラーペレットをヘンシェルミキサーで10分粉砕したものを用いた。
EVAは、三井デュポンポリケミカル株式会社製、EV360を用いた。
上記材料をドライブレンドした後、ラボブラストミルに投入して200℃で混練し、プレス成形にてシート状の樹脂成形品を得た。
[比較例5]
トマトの葉および茎からなるトマトフィラーを用い、樹脂組成物のトマトフィラー含有量を85wt%、EVA含有量を15wt%として、混合条件が一部異なる以外は実施例19とほぼ同様の操作にて樹脂成形品を作製した。
成形の可否の評価基準は、崩れることなく所望の形状に成形することができるものを「○」、成形不可能であるものを「×」とした。
合成樹脂としてPPおよびEVAを用いた場合には、トマトフィラーを80wt%まで含有させても成形することができた。一方、PPEを用いた場合には、50wt%まで含有させても成形することができた。
<発明の効果>
以上説明したように、トマトフィラーを含有する樹脂組成物は、一般的な合成樹脂を含有する組成物と同様の手法により成形することができる。成形された樹脂成形品は高い難燃性および耐熱性を示すため、さまざまな用途に用いることができる。また、トマトの葉または茎から製造されるトマトフィラーを用いているため、難燃剤などを添加する場合と比較して環境負荷を小さくすることができ、またトマトの実を収穫した後の廃棄物の低減に役立てることができる。
1・・・ロック

Claims (4)

  1. 合成樹脂と、トマトの茎および/または葉からなるフィラーを含有する
    ことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記フィラーは、トマトの茎および/または葉を粉砕したものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記合成樹脂は、ポリプロピレン、またはEVA樹脂であり、
    前記合成樹脂100重量部に対して、前記フィラーを10〜400重量部の範囲で含有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記合成樹脂は、変性ポリフェニレンエーテルであり、
    前記合成樹脂100重量部に対して、前記フィラーを10〜100重量部の範囲で含有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
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