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JP2011240855A - ハイブリッド車の駆動装置 - Google Patents

ハイブリッド車の駆動装置 Download PDF

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経裕 杉山
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Abstract

【課題】高速走行時における動力循環を防止し、かつエンジンの高効率回転領域を使用可能とするハイギヤ比を得ることが可能な、ハイブリッド車の駆動装置を提供する。
【解決手段】エンジン1と第1のモータジェネレータ2と第2のモータジェネレータ3と遊星ギヤユニット4とを備え、遊星ギヤユニットは第1のモータジェネレータのロータに接続されたサンギヤ43と、駆動輪に接続されると共に第2のモータジェネレータのロータに接続されたリングギヤ44と、サンギヤ及びリングギヤにかみ合う複数のピニオンギヤ42を回転自在に支持し、かつエンジンの出力軸に接続されたキャリア41とを有する。エンジン出力軸とサンギヤとの間に、エンジン出力軸の回転方向を逆転させ、かつキャリアを介さずに駆動力をサンギヤに伝達するバイパス伝達経路6を設け、バイパス伝達経路中に動力断続用クラッチ63を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジン、2つのモータジェネレータ、及び遊星ギヤユニットを備えたハイブリッド車の駆動装置に関するものである。
近年、環境保護の意識が世界的規模で高まりを見せる中、自動車の排出ガス中の二酸化炭素量を低減するための対策として、エンジン及びモータジェネレータを組み合わせたハイブリッド車が提案され、実用化されている。ハイブリッド車は、大別すると、エンジンにより発電機を駆動し、この発電機により得られる電力をバッテリに蓄積すると共に、バッテリの電力により駆動モータを駆動して走行するシリーズ(直列)方式、エンジン及びモータの両方で車両を駆動するパラレル(並列)方式、さらにその中間的な方式として、エンジンと2つのモータジェネレータとが遊星ギヤユニットとを介して接続された方式とがある。
図4は、中間的方式を用いたハイブリッド車の駆動装置の概略構成を示す。この駆動装置は、前輪駆動方式の例であり、エンジン1と、第1のモータジェネレータ2と、第2のモータジェネレータ3と、遊星ギヤユニット4とを搭載している。モータジェネレータ2,3は、周知のように、電気エネルギーが与えられてモータとして作動するだけでなく、回転エネルギーが与えられて発電機としても作動することができる。
エンジン1の出力軸11は、遊星ギヤユニット4のキャリア41に連結されている。キャリア41には、サンギヤ43とリングギヤ44とにかみ合う複数のピニオンギヤ42が回転自在に支持されている。サンギヤ43は第1モータジェネレータ2のロータ軸21と連結されている。リングギヤ44には出力ギヤ45が連結されており、この出力ギヤ45は減速ギヤ46,47を介してデファレンシャル装置5のデフリングギヤ51とかみ合い、左右の駆動輪52に動力を伝達している。減速ギヤ46には第2モータジェネレータ3のロータ軸31に連結されたギヤ32もかみ合っている。つまり、第2モータジェネレータ3はリングギヤ44と駆動輪52とに接続されている。第1モータジェネレータ2及び第2モータジェネレータ3は図示しないバッテリと接続され、これらモータジェネレータにより発電した電気エネルギーをバッテリに蓄えると共に、バッテリの電力をモータジェネレータに供給することができる。
図5は、図4に示すハイブリッド車の動作を示す共線図であり、実線Aはハイギヤ比、つまり高車速、低負荷走行時の状態を表している。図5は、遊星ギヤユニットの3要素であるリングギヤ、キャリア、サンギヤの回転方向及び回転数を示したものであり、3本の縦軸の間隔がギヤ比を示し、縦軸の高さが回転数を表している。サンギヤとキャリアとの間のギヤ比を1としたとき、キャリアとリングギヤとのギヤ比はρ=ZS /ZR となる。ここで、ZS はサンギヤの歯数、ZR はリングギヤの歯数である。リングギヤの回転数は車速(第2モータジェネレータ3の回転数)に比例し、キャリアの回転数はエンジン1の回転数に比例し、サンギヤの回転数は第1モータジェネレータ2の回転数に比例する。
基本的にハイブリッド車は、エンジンが最高効率領域で駆動できる回転数Ne1を維持するように、第1モータジェネレータ2の回転数を制御している。しかしながら、車速が一定値を越えて高速低負荷走行状態になると、エンジンを所定回転数Ne1に維持するには、サンギヤに接続された第1モータジェネレータ2を負方向に回転させる、つまり、第1モータジェネレータ2を逆転力行させなければならない。この第1モータジェネレータ2で消費される電力を賄うために、第2モータジェネレータ3は回生(発電)する必要がある。このような動作モードは動力循環と呼ばれ、効率が悪く、燃費が悪化する。
この問題に対処するため、特許文献1では、高速走行時にサンギヤの回転数を0に固定するためのブレーキを設けたものが提案されている。サンギヤの回転数を0に固定すれば、図5の破線Bのようになるので、第1モータジェネレータ2で電力が消費されず、動力循環を防止できる。
しかしながら、サンギヤの回転数を0に固定すると、動力循環時(実線A)に比べてギヤ比が大きくなり、望ましいハイギヤ比を実現できない。そのため、所望の高車速を得るためには、エンジン回転数を最高効率領域より上昇させなければならず(回転数Ne2)、燃費が悪化する可能性がある。
特開平9−117010号公報
本発明の目的は、高速走行時における動力循環を防止し、かつエンジンの高効率回転領域を使用可能とするハイギヤ比を得ることが可能な、ハイブリッド車の駆動装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、エンジンと第1のモータジェネレータと第2のモータジェネレータと遊星ギヤユニットとを備え、前記遊星ギヤユニットは、前記第1のモータジェネレータのロータに接続されたサンギヤと、駆動輪に接続されると共に前記第2のモータジェネレータのロータに接続されたリングギヤと、前記サンギヤ及びリングギヤにかみ合う複数のピニオンギヤを回転自在に支持し、かつ前記エンジンの出力軸に接続されたキャリアとを有する、ハイブリッド車において、前記エンジンの出力軸と前記サンギヤとの間に、前記出力軸の回転方向を逆転させ、かつ前記キャリアを介さずに駆動力をサンギヤに伝達するバイパス伝達経路を設け、当該バイパス伝達経路中に動力断続用クラッチを設けたことを特徴とする、ハイブリッド車の駆動装置を提供する。
例えば、高速道路での走行時のように高速低負荷領域において、反転されたエンジンの出力をクラッチを介してサンギヤに入力することで、エンジン動力によってサンギヤを負回転させることができる。つまり、第1モータジェネレータを力行させずに(フリー状態で)負回転させることができるので、第1モータジェネレータが電力を消費せず、第2モータジェネレータが回生(発電)を行う必要がない。つまり、動力循環を防止できる。サンギヤを負回転状態で保持することで、エンジンを高効率回転数領域で保持しながら所望のハイギヤ比を達成でき、高速走行時の燃費を向上させることができる。
高速走行状態において、サンギヤの回転数を第1モータジェネレータによって設定ギヤ比(望ましくは最ハイギヤ比)に相当する回転数に同期させた状態でクラッチを係合させるのが望ましい。このクラッチの係合は、変速制御におけるクラッチ係合とは異なり、短時間で終了する必要がないので、クラッチ制御は簡単である。また、第1モータジェネレータで同期させた状態で係合させる場合には、係合ショックが発生しないので、湿式多板クラッチの他にも、乾式クラッチ、ドッグクラッチのような噛合式クラッチ等を用いることも可能である。
本発明によれば、エンジン出力を反転させてサンギヤに伝達するバイパス伝達経路を設け、このバイパス伝達経路中に動力断続用クラッチを設けたので、高速走行時にクラッチを係合させることにより、エンジン動力によってサンギヤを逆回転させることができる。そのため、第1モータジェネレータが電力を消費せず、動力循環を防止できる。第1モータジェネレータの駆動トルクを0にしながらサンギヤを負回転させることができるので、所望のハイギヤ比を得ることができ、高速走行時の燃費が向上する。
本発明に係るハイブリッド車の駆動装置の第1実施例のスケルトン図である。 本発明に係るハイブリッド車の駆動装置の第2実施例のスケルトン図である。 本発明に係るハイブリッド車の駆動装置の第3実施例のスケルトン図である。 従来のハイブリッド車の駆動装置のスケルトン図である。 従来のハイブリッド車の動作を示す共線図である。
−実施例1−
図1は本発明にかかるハイブリッド車の駆動装置の第1実施例を示す。本自動車の基本構成は、図4に示した従来の駆動装置と同様であり、図4と同一要素には同一符号を付して重複説明を省略する。
本ハイブリッド車は、エンジン1と、第1モータジェネレータ(MG1)2と、第2モータジェネレータ(MG2)3と、遊星ギヤユニット4とを搭載している。エンジン1の出力軸11と第1モータジェネレータ2のロータ軸21(又はサンギヤ43)との間には、エンジン動力を遊星ギヤユニット4を経由せずにロータ軸21へ、かつ回転方向を逆転させて伝達するバイパス伝達経路6が設けられている。この実施例のバイパス伝達経路6は、第1ギヤ60、カウンタ軸61、第2ギヤ62、クラッチ63、第1スプロケット64、巻き掛け伝動体65、第2スプロケット66などで構成されている。すなわち、エンジン出力軸11には第1ギヤ60が固定されており、この第1ギヤ60とかみ合う第2ギヤ62がカウンタ軸61の一端部に固定されている。カウンタ軸61は、遊星ギヤユニット4の半径方向外側に、エンジン出力軸11と平行に配置されている。カウンタ軸61の中間には、高速走行時に締結される動力断続用クラッチ63が設けられている。クラッチ63としては、湿式多板クラッチ、乾式クラッチ、ドッグクラッチのような噛合式クラッチのいずれでもよい。カウンタ軸61の他端部には第1スプロケット64が固定され、第1モータジェネレータ2のロータ軸21には第2スプロケット66が固定され、第1スプロケット64と第2スプロケット66との間にチェーンやベルト等の巻き掛け伝動体65が巻きかけられている。なお、巻き掛け伝動体65に代えて例えば3個のギヤ列を用いてもよい。バイパス伝達経路6のギヤ比は、目標となる車速域でエンジンの高効率回転数領域が使用可能となるように設定されている。カウンタ軸61の他端部側(クラッチ63より第1モータジェネレータ側)には、カウンタ軸61(換言すれば、サンギヤ43)を固定部に対して締結/解放するブレーキ68が設けられている。このブレーキ68は必要に応じて設けられる。ブレーキ68としては湿式ブレーキでもよいし、乾式ブレーキ又は噛合式ブレーキでもよい。
前記構成のハイブリッド車において、エンジン1を最高効率状態で回転させながら高速走行状態を実現しようとすると、第1モータジェネレータ2を負方向に回転させ、図5のAのようなハイギヤ比とする必要がある。そのため、従来では第1モータジェネレータ2を逆転力行しなければならず、力行に必要な電力を賄うために第2モータジェネレータ3で発電を行う必要があり、動力循環になるという問題があったが、本発明ではエンジン動力をキャリア41に直接伝達すると共に、バイパス伝達経路6を介してサンギヤ43に伝達することで、動力循環を防止している。すなわち、エンジン1を最高効率状態で回転させながら第1モータジェネレータ2によりサンギヤ43を逆回転させると、リングギヤ44の回転数が上昇し、高速(ハイギヤ)走行状態となる。この状態でクラッチ63を締結させ、第1モータジェネレータ2をフリー状態とすると、エンジン動力は、その回転方向が第1ギヤ60と第2ギヤ62とにより逆転されて、第1モータジェネレータ2のロータ軸21、つまりサンギヤ43へ伝達される。遊星ギヤユニット4のキャリア41はエンジン1と同一方向に同一回転数で回転し、サンギヤ43はエンジン1と逆方向に所定のギヤ比で回転する。その結果、図5のAのように所望のハイギヤ比を達成できると同時に、第1モータジェネレータ2を逆転力行する必要がないので、動力循環を防止でき、燃費を向上させることができる。特に、図5のAのように、エンジン回転数を最高効率状態となる回転数Ne1に保持できるので、燃費がさらに向上する。
本発明では、高速走行時にバイパス伝達経路6及びロータ軸21を回転させるためにエンジン動力の一部が消費されるが、この消費量は動力循環に比べると著しく低い。なぜなら、クラッチ63の締結時には第1モータジェネレータ2はフリー状態(力行も回生もしない状態)にあり、ロータ軸21という慣性体を回すだけで済むからである。これに対し、動力循環状態では、第2モータジェネレータ3で発生した電気をインバータにより直流に変換し、これをバッテリに蓄え、さらに蓄えた電気をインバータにより交流に変換して第1モータジェネレータ2に供給し、第1モータジェネレータを駆動しなければならないため、それらの変換ロスによる大幅な効率低下を招くからである。よって、高速走行状態における燃費が従来に比べて格段に向上する。
前記説明ではクラッチ63を締結(ブレーキ68を解放)することにより、図5のAに示すハイギヤ状態を達成したが、低速走行から高速低負荷走行へ移行する中間状態で、ブレーキ68を締結(クラッチ63を解放)してもよい。この場合は、エンジン動力はサンギヤ43へ伝達されず、サンギヤ43の回転数が0に固定されるので、図5のBの状態を実現することができる。この場合は、Aに比べてギヤ比は多少大きくなるが、動力循環は防止できる。
本発明において、低速走行状態から高速走行状態へ移行する際、第1モータジェネレータ2によってサンギヤ回転数を、エンジン回転数Ne1とギヤ比(最ハイギヤ比)とで与えられる回転数に同期させた後、クラッチ63を係合させるのが望ましい。これによって、クラッチ63の係合時にショックを発生させずに済む。クラッチ63の制御は、半クラッチ制御のような複雑な制御を必要とせず、係合/解放の2段階で済むので、簡単である。同様に、ブレーキ68の制御も簡単である。
−実施例2−
図2は本発明にかかるハイブリッド車の駆動装置の第2実施例を示す。図1と同一要素には同一符号を付して重複説明を省略する。本実施例では、エンジン出力軸11と連結されたキャリア41に第1ギヤ70を連結し、この第1ギヤ70を、第1モータジェネレータ2のロータ軸21と平行に配置されたカウンタ軸71の一端部に固定された第2ギヤ72とかみ合わせてある。カウンタ軸71の中間部にはクラッチ73が設けられている。カウンタ軸71の他端部には第1スプロケット74が固定され、第1モータジェネレータ2のロータ軸21には第2スプロケット76が固定され、両スプロケット74と第2スプロケット76との間に巻き掛け伝動体75が巻き掛けられている。カウンタ軸71の他端部側(クラッチ73より第1モータジェネレータ側)には、カウンタ軸71を固定部に対して締結/解放するブレーキ78が設けられている。ブレーキ78も必要に応じて設けられる。
この実施例では、キャリア41、第1ギヤ70、カウンタ軸71、第2ギヤ72、クラッチ73、第1スプロケット74、第2スプロケット76、巻き掛け伝動体75によって、バイパス伝達経路7が構成される。本実施例ではキャリア41がバイパス伝達経路7の一部を構成するため、遊星ギヤユニット4の半径方向外側にカウンタ軸71を配置する必要がなく、しかもカウンタ軸71を短くできるので、バイパス伝達経路7のスペースを縮小できるという利点がある。
−実施例3−
図3は本発明にかかるハイブリッド車の駆動装置の第3実施例を示す。図1と同一要素には同一符号を付して重複説明を省略する。本実施例では、エンジン出力軸11が中空のロータ軸21の中に回転自在に挿通され、エンジン出力軸11の終端部に遊星ギヤユニット4のキャリア41が連結されている。ロータ軸21の終端部には遊星ギヤユニット4のサンギヤ43が連結され、ロータ軸21の中間部に第1モータジェネレータ2のロータ22が固定されている。23は第1モータジェネレータ2のステータである。遊星ギヤユニット4を間にして第1モータジェネレータ2と軸方向反対側には第2モータジェネレータ3が配置され、この第2モータジェネレータ3のロータ軸31が遊星ギヤユニット4のリングギヤ44と連結されている。32は第2モータジェネレータ3のロータ、33はステータである。この実施例では、第1モータジェネレータ2と第2モータジェネレータ3とがエンジン1と同一軸線上に配置されている。
エンジン出力軸11には第1ギヤ81が固定され、エンジン出力軸11と平行に配置されたカウンタ軸82上には、第1ギヤ81と第2ギヤ83を介してかみ合う第3ギヤ84が固定されている。なお、ギヤ列81、83、84に代えてベルトやチェーンを用いた巻き掛け伝動機構を用いてもよい。カウンタ軸82には第4ギヤ85が回転自在に支持され、第4ギヤ85とかみ合う第5ギヤ86がロータ軸21の始端部(エンジン側端部)に固定されている。カウンタ軸82上には軸方向にシフト可能なスリーブ87が設けられており、このスリーブ87が、カウンタ軸82と第4ギヤ85とを断接する噛合式クラッチ87aとしての機能と、第4ギヤ85を固定部に対して締結/開放する噛合式ブレーキ87bとしての機能とを有する。即ち、スリーブ87を図3の左側へシフトすれば、カウンタ軸82と第4ギヤ85とが接続され、スリーブ87を図3の右側へシフトすれば、第4ギヤ85と固定部とが接続される。なお、スリーブ87を中間位置とすれば、クラッチもブレーキも共に開放される。スリーブ87を作動させるために、電動式又は油圧式のアクチュエータを使用してもよい。クラッチ及びブレーキとして、湿式クラッチ(ブレーキ)や乾式クラッチ(ブレーキ)を用いてもよい。上述のように、第1ギヤ81、カウンタ軸82、第2ギヤ83、第3ギヤ84、第4ギヤ85、第5ギヤ86及びクラッチ87aによって、エンジン動力を逆転させてロータ軸21(サンギヤ43)に伝達するバイパス伝達経路8が構成されている。
第1モータジェネレータ2によってサンギヤ43の回転数をエンジン回転数とギヤ比(最ハイギヤ比)とで与えられる回転数に同期させた後、クラッチ87aを係合させる。これにより、エンジン動力が反転されてロータ軸21に伝動され、サンギヤ43をエンジン回転方向と逆方向に駆動できるので、図5の実線Aで示すようにハイギヤ比で走行することができる。この場合も、クラッチ87aを係合した後は第1モータジェネレータ2はフリー状態であり、電力を消費しないため、動力循環が発生せず、効率のよい高速走行を実現できる。
本実施例では、エンジン1、第1モータジェネレータ2、第2モータジェネレータ3が同軸上に配置されるので、半径方向にコンパクトな駆動装置を構成できる。しかも、遊星ギヤユニット4の半径方向外側にバイパス伝達経路8を配置する必要がなく、バイパス伝達経路8の半径方向及び軸方向のスペースを縮小できるという利点がある。なお、第2モータジェネレータ3のロータ軸31をそのまま出力軸として構成したが、図1、図2と同様に、デファレンシャル装置5のリングギヤに伝達することにより、FF駆動車として構成することもできる。
前記各実施例では、クラッチ63、73、87aをカウンタ軸61、71、82上に設けたが、バイパス伝達経路上であればどの部位に設けてもよい。したがって、エンジン出力軸上に配置してもよいし、第1モータジェネレータのロータ軸上に配置してもよい。
1 エンジン
2 第1モータジェネレータ(MG1)
21 ロータ軸
3 第2モータジェネレータ(MG2)
31 ロータ軸
11 エンジン出力軸
4 遊星ギヤユニット
41 キャリア
42 ピニオンギヤ
43 サンギヤ
44 リングギヤ
5 デファレンシャル装置
52 駆動輪
6,7,8 バイパス伝達経路
60,62 ギヤ
61 カウンタ軸
63 動力断続用クラッチ
64,66 スプロケット
65 巻き掛け伝動体
68 ブレーキ

Claims (2)

  1. エンジンと第1のモータジェネレータと第2のモータジェネレータと遊星ギヤユニットとを備え、
    前記遊星ギヤユニットは、前記第1のモータジェネレータのロータに接続されたサンギヤと、駆動輪に接続されると共に前記第2のモータジェネレータのロータに接続されたリングギヤと、前記サンギヤ及びリングギヤにかみ合う複数のピニオンギヤを回転自在に支持し、かつ前記エンジンの出力軸に接続されたキャリアとを有する、ハイブリッド車において、
    前記エンジンの出力軸と前記サンギヤとの間に、前記出力軸の回転方向を逆転させ、かつ前記キャリアを介さずに駆動力をサンギヤに伝達するバイパス伝達経路を設け、
    当該バイパス伝達経路中に動力断続用クラッチを設けたことを特徴とする、ハイブリッド車の駆動装置。
  2. 前記動力断続用クラッチは、前記第1のモータジェネレータによってサンギヤ回転数を最ハイギヤ比に相当する回転数に同期させた状態で係合されることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車の駆動装置。
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